2021年5月28日21時27分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が地図付きでネット配信されていた。
27日午後11時55分ごろ、愛媛県今治市沖の来島(くるしま)海峡で、プリンス海運(神戸市)が運航する大型貨物船「白虎(びゃっこ)」(1万1454トン)と、マーシャル諸島船籍のケミカル船「ウルサン パイオニア」(2696トン)が衝突した。
白虎は転覆して約2時間50分後に沈没。
乗組員12人のうち船長ら3人が行方不明で、今治海上保安部(今治市)が捜索している。
1日に約500隻の船が行き交う瀬戸内海の来島海峡は「日本三大急潮流」の一つ。
潮が刻々と変わる日本有数の海の難所だ。
狭い部分は約400メートルしかない南北に長い海峡で、潮流は最大約10ノット(時速約18キロ)にもなる。
安全のため潮流で航路を変える、世界的にも珍しい航法が義務付けられており、潮が北に流れる「北流」なら原則通りの右側通行だが、「南流」の場合は逆に左側通行。
事故当時は南流で、現場付近で航行する側を左右切り替える必要があった。
海峡に入ろうとしたケミカル船と、出ようとした大型貨物船の双方が針路を変えていた可能性がある。
この日は潮位差が大きい大潮も重なっており、大阪府立大の池田良穂名誉教授(船舶工学)は、「潮が速いうえ航路が交差し、非常に難しい操船技術が要求される」と指摘した。
【沈没船の構造的問題も指摘】
一方、今回はケミカル船より総トン数が4倍以上大きい貨物船が沈没した。
神戸大の古荘雅生名誉教授(船舶安全学)は、「突き出ている球状の船首が相手船体の横に衝突して穴が開き、浸水した可能性がある。衝突の衝撃で荷崩れを起こすとさらに傾く」と説明。
池田名誉教授は、「(車両を積む)RORO船は、荷物をたくさん積めるようにするため、壁のない広い区画が多く、浸水が始まると一気に転覆してしまう」と、構造上の問題も指摘した。
https://mainichi.jp/articles/20210528/k00/00m/040/364000c アカスミ
(2021年6月26日 修正1 ;追記)
2021年6月25日17時42分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からは、原因は貨物船側の見張り不十分とケミカル船側の操船不適切、2隻は衝突前に左舷同士ですれ違うと交信していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
今治海上保安部は、25日、見張りが不十分だったとして「白虎」の二等航海士で日本人の男(44)を、また、操船が不適切だったとして、ケミカル船の船長で韓国人の男(62)を、業務上過失致死傷などの疑いで書類送検しました。
関係者によると、「白虎」の左側面の中央部には、幅16メートル、高さ11メートルほどの損傷があったということです。
また、2隻は衝突前、無線で「左舷同士ですれ違う」という意味の「ポートトゥーポート」と交信していたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/71ce487e289acf226faf552269f6ed57e27cfdfe
6月25日19時58分にYAHOOニュース(テレビ愛媛)からは、貨物船の左舷にケミカル船の船首が衝突したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今治海上保安部によりますと、事故は貨物船の左舷にケミカル船の船首が衝突したとみています。
行方不明者の捜索は巡視艇や航空機により続けられていますが、いまだ見つかっていません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f417530f8c69d79f2a25eca1ab7011b9e078b19a
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。