2023年10月6日19時41分にNHK徳島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この夏の猛暑などで、県立学校に配布されたタブレット端末に故障が相次いでいるとして、県教育委員会は6日、緊急の対策会議を開き、端末の選定に問題がなかったか調査に乗り出すことを決めました。
県は、国の「GIGAスクール構想」に基づき、令和2年度から県立高校にタブレット端末を配布していて、その数は28校であわせて1万6500台に上ります。
県教育委員会によりますと、ことし7月下旬に複数の学校から故障の報告が寄せられたため、すべての県立高校で調査したところ、先月までに端末全体のおよそ17%にあたる2859台で故障が見つかりました。
端末は中国製で、故障のほとんどが、この夏の猛暑や経年劣化によるバッテリーの膨張が原因とみられるということです。
県教育委員会は6日に県庁で緊急の対策会議を開き、端末の選定に問題はなかったかや、学校での保管状況について調べ、端末が使えない生徒への対処などを話し合うことを申し合わせました。
県教育委員会は、「今回の事態を重く受け止め、問題を精査して、生徒の学びを継続していけるように対処したい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20231006/8020018753.html
(2023年11月2日 修正1 ;追記)
2023年10月27日10時15分に朝日新聞からは、中国「ツーウエイ社」製のパソコンだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
徳島県教委の榊教育長が26日、記者会見し、「生徒の学びの場に不自由をおかけしており深くおわびする」と謝罪した。
故障機は全て中国の「ツーウェイ」社製で、約1万5千人の生徒に対し、3500台以上が故障で使えないと明らかにし、複数生徒で1台を利用するなど緊急措置でしのいでいるという。
県教委は2020年度に、県立高校など29校に約8億円をかけて1万6500台の端末を配備。
故障は今年7月から急増し、猛暑などでバッテリーに異常が起きたという。
代替機の確保を検討しているが、必要台数が多いためすぐには困難で、複数生徒で正常な端末を共有して使ったり、個人のスマートフォンで代用したりする状態という。
榊教育長は、「故障台数はさらに増える可能性がある。最善の努力をしているが、通常に戻せるめどは立っていない」と説明した。
この問題で榊教育長が記者会見するのは初めて。
覚知から3カ月経過しており、「対応が後手後手になっている面は否めない」と述べた。
この問題を巡っては、後藤田正純知事が「学びの場が保障できておらず、非常に憤りを持っている」とし、県教委に対し、責任の所在を明らかにするよう求めている。
https://www.asahi.com/articles/ASRBV7T9LRBTPTLC00V.html?iref=com_rnavi_arank_nr01
10月31日17時11分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、5月に保管庫から取り出そうとしたところ膨張して黒くなっていた、県教委は消費者庁への報告義務があることを認識していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県教委によると、2021年5月24日、県立城ノ内中等教育学校で、生徒が保管庫からタブレットを取り出そうとしたところ、膨張して黒くなっているのを確認。
保管庫内はすすだらけで、黒く焼けたような形跡があったという。
当時、市町村立校も含めて全てのタブレットを回収して安全性を確認したが、重大な事故があった場合に消費者安全法で義務づけられている消費者庁への報告は怠っていたという。
県教委は「報告義務があるという認識がなかった」と釈明した。
この日の臨時記者会見で徳島県の後藤田正純知事は、「非常に不可解な点が多い。入札経緯の検証を進めるとともに、タブレットの調達を早急に行う」とし、11月補正予算案に調達費用を盛り込む考えを示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3259bc9d2b131f2219f1f6c5a784c747cf39bcc2
11月1日17時32分に毎日新聞からは、タブレットはコロナ対策臨時交付金を使い国が提案する仕様より高性能のタブレットを購入した、購入した年から故障が頻発した、タブレットは使用後に保管庫で充電しながら保管されていた、保管庫の構造などに問題があった可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県教委によると、タブレット端末は2021年4月に県立高校27校、中等教育学校1校、特別支援学校1校の計29校に配備。
新型コロナウイルス対策で国が20年度に地方自治体に給付した地方創生臨時交付金約8億円を使った。
20年に実施した入札に参加したのは高松市の1社のみで、中国メーカー「ツーウェイ」社製の1万6500台が納入された。
児童・生徒に1人1台パソコンなどの端末を配備する国の「GIGAスクール構想」を受け、県教委は国が提案する仕様より高性能のタブレット端末(1台当たり4万8000円)を選んだ。
新型コロナの感染拡大期には、生徒が端末を利用して在宅で授業を受けた例もあり、教育環境維持に貢献した。
端末は5年間使用して更新する予定だったが、配備した21年度に694台で故障や破損が発生。
翌22年度は627台で、修理や予備機で対応してきた。
7月下旬、一部の学校から内蔵電池が膨張する故障の報告が複数あった。
県教委が調査を進めると、23年度は9月までの半年間で2859台に達した。
このうち約8割の2312台は電池膨張が原因だった。
10月に改めて各校へ調査を指示したところ、わずかな膨らみなどが相次いで見つかり、故障機の使用を中止。
一部は代替機を手当てしたが、10月中旬時点で約3500台(約3500人分)が不足している。
・・・
記者会見では後藤田知事に促された県教委担当者が、21年に端末が保管庫内で発火した可能性がある事案などについて説明する場面も。
配備直後から問題が発生していたことが明らかになった。
端末は使用後、教室にある専用の保管庫に収められる。
盗難防止のため施錠し、保管中に交流電源で充電する仕組みだ。
電池メーカーなどで作る一般社団法人「電池工業会」(東京都)のサイトでは、タブレット端末で使われているリチウムイオン電池について、「熱がこもる場所での充電はしない」と紹介されている。
充電時はタイマーが作動するため、過充電の恐れは低いが、30~40台が一斉に充電を始めると発熱し、換気や空調機能のない狭い保管庫内が高温となった可能性が高い。
県教委は故障の原因として、経年劣化と今夏の酷暑を挙げる。
しかし、10月26日に記者会見した榊・県教育長は、保管庫の上部に収納した端末や、校舎南側の教室の窓際に設置された保管庫に収納している端末が壊れる傾向にあると説明。
保管庫の構造や設置場所に原因があった可能性もある。
県教委は今後、専門家の意見を聞いて原因を調査するとしている。
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膨張した電池は薄型の端末本体も変形させているケースが多く、電池交換だけでは対応できない可能性が高い。
メーカーの保証期間は既に切れており、榊教育長は「同じこと(故障)が起こる可能性があるので、修理して使うことは考えていない」と説明。
リースを含め新規調達する場合は多額の予算が必要で、県は11月下旬にも編成する補正予算案に計上する方針だ。
https://mainichi.jp/articles/20231101/k00/00m/040/213000c
(ブログ者コメント)
「ツーウエイ社」とは、聞きなれない会社。
調べてみると、世界的に展開していて、安さがウリの会社らしい。
肝心の品質については、全般的に問題なしという記事が多かったが、中には難あり口コミありという記事もあった。
2023年12月11日19時18分に毎日新聞からは、過度な仕様だったため?調達時の応札は1社だけだった、11月には1000台程度が故障したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「1人1台」と銘打って徳島県立高校などに配備されたタブレット端末に故障が続出している問題は、いまだ補充の見通しが立っていない。
・・・
調達が難航する一因は、端末の性能や数量、納入期限などを盛り込む仕様書が、基本ソフト(OS)を現行の「ウィンドウズ11」系にする以外は固まっていないためだ。
県教委が2020年度に導入した当時の仕様書では、OSや画面サイズ、電池の駆動時間などが示されている。
この時、県教委は、文部科学省が小中学生向けの端末用に作成した仕様書を参考にした。
記憶装置(ストレージ)の容量については倍増(128ギガバイト)し、より高性能のものとした。
応札が1社だったため、後藤田正純知事は「仕様書に過度なものはなかったのか。競争性はあったのか」などと入札経緯に疑問を呈しており、県教委は知事の意向を重視せざるを得ない状況だ。
20年度購入の端末は、メーカー保証(1年)が切れた後に電池トラブルが相次いだため、新規の端末はリース(賃貸)で確保する方針。
契約額は3000万円以上となる見通しのため、調達手続きに世界貿易機関(WTO)のルールが適用されるのも、日程の見通しを難しくしている。
国や都道府県などが一定額以上で調達する際、仕様書の公告から入札まで40日空ける必要があるためだ。
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11月は1000台程度の故障が発生した。
今後も毎月このペースで故障が続くと、24年夏ごろには当初導入した端末が「全滅」しかねない状況だ。
https://mainichi.jp/articles/20231211/k00/00m/040/115000c
(2024年2月22日 修正3 ;追記)
2024年2月22日6時30分に毎日新聞からは、駆動時間が極端に短くなるトラブルも相次いで起こり始めたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は新年度に向けて代替機の調達を進めている。
しかし、ここへきて、これまでの内蔵電池膨張に加え、新たに駆動時間が極端に短くなるトラブルも相次いでいる。
想定を上回るペースで故障機が増え続けており、新学期からの「1人1台」態勢に暗雲が垂れこめる。
県教育委員会は各県立学校に原則として週1回、故障台数の報告を求めている。
1月下旬に複数の学校から「バッテリーで動く時間が非常に短い端末があり、『故障』に含めるべきか」という問い合わせがあった。
電池の劣化が広く発生している可能性が浮上したため、県教委は同31日、満充電の状態から1時間駆動できない端末も「故障」として報告するよう、各校に通知した。
その結果、2月5日に報告された故障端末数は1226台に上り、電池駆動時間が短い端末が942台もあった。
電池膨張は241台、落下などが43台だった。
同19日の県教委の調査時には、昨年からの故障台数は累計8883台に膨れ上がった。
導入時に調達した1万6500台の53%を超え、予備機を活用しても「1人1台」には7230台足りない。
生徒の約半数は手元に端末がない状況となっている。
県教委は20年度の端末調達時、電池の駆動時間について「8時間以上」と仕様書で求めた。
このため、通信会社幹部らを交えて端末の調達方法などを検討する「徳島県教育DX加速化委員会」(委員長・伊藤大輔副知事)が13日に県庁で急きょ開かれた。
県は問題発覚後に7000台の新規調達を進めているが、端末4000台を追加調達する方針が決まった。
ただ、追加調達分が県へ納品されるのは6月の見通しで、設定などを終えて生徒が使用できるのは7月にずれ込む。
そこで、駆動時間の短い故障端末について、モバイルバッテリーなどを活用できないか探ることになった。
委員会後、委員長の伊藤副知事は、「予算措置が必要なら定例県議会に補正予算案を提案することもある」と含みを持たせており、県教委も近く何らかの対応策を打ち出すとみられる。
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https://mainichi.jp/articles/20240221/k00/00m/040/244000c
(2024年3月30日 修正4 ;追記)
2024年3月29日22時0分に毎日新聞からは、納入業者が第三者機関に調査を依頼した結果、電池の不良はなく、温度が高くなる場所で保管していたことが原因だと推定されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
端末納入業者の「Y電工」(高松市)は29日までに、第三者機関に依頼した電池調査の結果などを踏まえた見解をまとめ、県教育委員会に提出した。
同社が公表した資料によると、電池の不良は認められなかった。
同社が学校現場を調べたところ、空調を切った放課後の教室や風通しの悪い場所など、温度が高くなる環境下で端末を保管していたことが電池膨張の原因として考えられると結論付けた。
Y電工は2023年11月、電子部品の故障の分析などを手がける「Oエンジニアリング」(東京都)に調査を依頼し、同社が故障機の電池を内部分解した。
その結果、高温の環境下で加速する電解液の「ガス化」が生じており、電池膨張につながったと判断した。
端末は充電可能なリチウムイオン電池を採用している。
電池メーカーなどでつくる一般社団法人「電池工業会」(東京都)のサイトでは、熱がこもる場所や高温になる場所での充電はしないよう呼びかけている。
タブレット端末は「1人1台」と銘打ち、21年に1万6500台が納入された。
このうち9465台(3月18日現在)が故障しており、予備機などを充てても7812台が不足。
5割を超える県立高校生徒らの手元に正常な端末が無い状態となっている。
https://mainichi.jp/articles/20240329/k00/00m/040/330000c
(ブログ者コメント)
どのような環境で保管していたのか調べてみると、徳島県HPに、重ねて置いてあった?上のほうから壊れていったなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
令和5年10月26日 教育長記者会見(1人1台端末関連)
・・・
(四国放送)
故障の原因で、経年劣化とよくわかるんですけども、酷暑ってよく教育委員会の方おっしゃいますけど、酷暑だったら我々の携帯もガンガン壊れてるはずなんですよね。
これ本当に酷暑って原因って考えられますか。
(教育長)
タブレットの現状を、各学校に、どういう状況なのかっていうことで、10月13日だったんですかね。
そこから全部の学校を回っていただきました。
タブレットの壊れた状況も担当が見させていただいて、状況の聞き取りも行っています。
そうしましたところ、タブレット端末は保管庫に入れているんですが、保管庫に入れてあった状態を聞き取りをしましたら、やっぱり上から壊れていくんだと。
北側と南側に校舎がありますが、南側から壊れていくんだっていうようなことをお話を伺っておるようです。
やっぱり熱っていうのは、上の方に、南か北だと南側というようなことなんで、タブレットの保管の状態が同じであっても、上から壊れていくっていうことは、かなり熱的に厳しい状況があったんじゃないかという判断をしています。
・・・
(四国放送)
すいません。
このツーウェイ社のタブレットを選択した県っていうのは非常に、多分、ほとんど徳島しかないと思うんですよ。
そういう珍しい選定の仕方を徳島がやって、導入当初から我々何度も知事会見でも質問して、はぐらかされましたけども、結構故障って多くて、いろんな先生方や生徒から不満があって、それ、我々聞いて質問してましたけど。
その時にもっときちんとした対応しとけば、こういうことはなかったと思うんですよね。
やっぱりツーウェイ社もまず選択した経緯もおかしいし、当初から故障が相次いでたっていうことに対し、真摯な対応は教育委員会はできてなかったんじゃないかと僕は思うんですけども、その辺は教育長の責任を含めてどう考えていらっしゃいますか。
(教育長)
入札の手続のお話ですが、入札につきましては、16,500台という大きなロットを調達をしています。
その入札につきましては、入札の手続にきちんとのっとって、公告をして入札をしてという手続はきちんと取れているというふうに思っています。
入札の応札があったのはツーウェイ社、Y電工ですかね。
Y電工が応札をして、ツーウェイ社の端末を学校に入れたということですが、先ほど申しましたように、日本中でタブレット端末をGIGAスクール前倒しになって、義務、小中学校、それとまあ高等学校の一部が、コンピューターの取り合いを、言い方悪いんですけどしていたような状況です。
その中で共同調達という話もあったんですけど、そっちの方はロットが大きいので、スケールメリットを生かしていいものを子供たちに提供したいというふうに考えていました。
結果的に、こういう端末が入って、子供たちや先生方に御迷惑をおかけしてるってことについては、本当にお詫びをしなければいけないと思っています。
ただ、入札の手続。
先ほどお話がありましたように、意図的な入札があったのかっていうようなことについては、そういうことはなかったというふうにお話をさせていただけたらと思います。
なので、今回、次のタブレットを入れるときには、やはり信頼性の高いもの。
じゃあ信頼性の高いものはどういうものかといったら、国内ですぐに故障対応ができるとか、たくさんの人たちが使っておって、信頼性が担保できておると、そういうことも含めて、子供たちに、これだったら安心できるっていうものを提供したいなというふうに思っています。
・・・
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/gakkokyoiku/7220972/
(ブログ者コメント)
タブレットを使っている学校は、他県にゴマンとあると思うのだが、そういった学校ではどのように保管しているのだろうか?
報道されていないだけで、結構、故障している?
(2024年5月29日 修正5 ;追記)
2024年5月28日19時35分にNHK徳島からは、納入した業者は無償修理などに応じる意向など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
相次ぐ故障を受けて、端末を納入したY電工の責任者は28日、県教育委員会の定例会に出席し、「多大なご迷惑をかけたことをおわびします」と述べました。
その上で、いずれも無償で故障した端末およそ2000台のバッテリーを交換するほか、新たに500台の端末を提供することや、今後、故障した場合に1000台を上限に修理すると伝えました。
県教育委員会によりますと、バッテリーの交換などの時期は今後の話し合いで決めるということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20240528/8020020343.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。