2018年10月13日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8930/
(2018年10月28日 修正1 ;追記)
2018年10月21日付で茨城新聞から、風速や大会中止の判断に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
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水戸地方気象台によると、同日は台風25号の接近に伴い風が強く、土浦市内の午後5時半の平均風速は4.3m(最大瞬間風速8.4m)。
事故が起きた同6時半ごろは4.0m(同7.7m)だった。
実行委は事前の開催判断について、「予報では午後9時以降に風が強まり、大会(開催時間)中は中止の基準を下回っていた」と釈明する。
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業者からは、「丹精込めて仕上げた作品を披露できなかった」と残念がる声が漏れた。
大会が途中で中止になることは、これまでにほとんどなかったからだ。
事故について、参加した県内業者は「通常あり得ないことで、風が相当強く吹いていたのでは」と首をひねる。
別の業者は「風は、場所によって強さに違いがある」と指摘した上で、「中止になるほど強いとは思わなかった。(実行委も)苦渋の決断だったと思う」と、主催者判断に理解を示した。
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花火大会の開催可否について、基準はないのか。
火薬類取締法施行規則は、「煙火の消費に際して、強風その他の天候上の原因により危険の発生するおそれのある場合には、煙火の消費を中止する」と定める。
県消防安全課によると、中止判断に明確な基準はなく、主催者側に委ねられる。
実行委によると、開催可否は東京都と千葉県の基準を参考にしているという。
都の指針によると、中断または中止するのは、暴風警報が発令された場合や、風速7m以上の強風が10分間以上続く場合。
千葉県も、風速10m以上が10分間以上続く場合だ。
土浦市の当時の風速は基準を下回っていたが、千葉県は、風速10m以下でも周囲の状況や風向きによって「危険な状態」があることを定めている。
実行委は今回の大会中止を踏まえ、安全確保や打ち上げ基準の見直しが必要と認識。
担当者は、「具体的な数値を設けることも必要になる」としている。
出典
『土浦の花火大会中止 開催可否、風速基準なく 実行委 「安全対策見直し必要」 』
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15400338892190
(2019年4月16日 修正2 ;追記)
2019年4月15日16時04分にNHK茨城から、今年の大会は新たな安全基準を設けたうえで開催されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日、大会の実行委員会が会見を開き、事故の原因について、導火線の異常で花火が上空で破裂せず、風や打ち上げ設備の問題など複数の要因が重なって観客がいる場所に落下したと結論づけたことを明らかにした。
その上で、打ち上げ場所に風速計を設置し、風速が10mを超えた場合は中断するといった、新たな基準を設けた上で、ことしも大会を開催することを決めた。
出典
『土浦花火大会 対策強化し開催へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20190415/1070005943.html
4月15日16時43分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
新基準によると、打ち上げ場に風速計を設け、10分間の平均風速が毎秒10mを超す場合は大会を中断。
事前に同じ強風が予測されれば、開催を中止したり延期したりする。
悪天候や雨で火薬が湿るなど、安全確保に問題がある場合も、同様の措置を取る。
出典
『茨城・土浦花火大会、今年も開催 観客負傷事故で安全基準強化』
https://this.kiji.is/490426807339795553?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
以下は土浦市HPに掲載されていた、事故調査報告書公表記事の冒頭部分の記述。
事故原因につきましては、関係機関との協議の中で、「風以外の原因」も示唆されていましたことから、「気象の専門家」や「花火の保安に関する専門家」にご意見をいただくと伴に、「花火玉の弾道計算システム」を使用するなどし、引き続き調査を実施してまいりました。
結果としまして、事故に繋がる直接的な原因を発見するには至りませんでしたが、導火線不良により開発しない花火玉が保安区域外に落下したのは、「風速」、「風向き」、「筒の傾き」が複合的に作用し、事故が発生したものと推測いたしました。
また、これまで、茨城県や他県の「煙火消費の手引き」を運用し、花火大会の「開催」や「中断」を判断していましたが、本年3月、茨城県の「煙火消費の手引き」が改正されたこと、及び、今回の教訓をもとに、今後の花火大会を安全に運営するため、「花火大会の開催基準」を明確化しました。
出典
『第87回土浦全国花火競技大会における花火事故調査報告及び花火大会開催基準について』
http://www.city.tsuchiura.lg.jp/page/page012145.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。