2018年10月20日22時54分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月21日12時33分に毎日新聞から、10月21日8時37分に高知新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午後1時25分ごろ、高知県大豊町で四国電力の送電線新設工事のため、N空輸(福岡市)がヘリコプターで運んでいた液状の生コンクリート約600kgが同町内の山中に落下した。
四国電によると、負傷者や建物などへの被害は確認されていない。
国交省は、事故につながりかねない重大インシデントと認定。
運輸安全委員会は原因調査のため、航空事故調査官2人を現地に派遣することを決めた。
四国電によると、鉄塔の基礎工事に使う生コンクリートで、約5mの長さのワイヤでつるした運搬用の鉄製容器に入っていた。
ヘリは大豊町の仮設ヘリポートから離陸。
東に約1.8km離れた工事現場との間を往復して運んでいた。
搭乗者が振動を感じ、工事現場に到着して容器の中を確認したところ、全てなくなっていたという。
容器の下部には開閉口があり、飛行中に何らかの理由でそれが開いて生コンが落ちた可能性があるが、詳しい原因は分かっていない。
落下した原因について調べている。
出典
『生コン600キロ山中に落下 ヘリ運搬中 高知』
https://www.sankei.com/west/news/181020/wst1810200039-n1.html
『落下事故 生コン600キロが山中に 高知でヘリから』
https://mainichi.jp/articles/20181021/k00/00e/040/204000c
『ヘリから生コン600キロ落下 高知県大豊町 四電の工事中』
https://www.kochinews.co.jp/article/225059/
10月22日18時11分にNHK高知からは、粗骨材などが広範囲に飛び散っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
落下したコンクリートが見つかっていなかったことから、四国電力などが22日も50人態勢で探していたが、昼前、ヘリコプターが離陸した場所から東に1.2kmほどの山林で、コンクリートに含まれる「粗骨材」という小さな石や、飛び散ったコンクリートが多数見つかった。
現場は、ヘリの飛行ルートの下にあたる標高およそ1000mの高い杉の木が生い茂る斜面で、コンクリートは東西100m、南北30mの範囲に散らばっていたという。
けが人や建物への被害は確認されていないということで、四国電力は落下したコンクリートの回収を急ぐことにしている。
(音声のみの情報;要旨)
現場には大きな塊は見当たらないが、自然石とは違う、粗骨材という白みがかった小さな石が、現場を少し歩いただけでも数10個、見つかった。
出典
『山林で落下した生コン見つかる』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20181022/8010003590.html
(ブログ者コメント)
原因は異なるかもしれないが、バケットに入れて運搬中の生コンがバケットが開いて落下した事故は、過去にも起きている。
2016年10月14日掲載
2016年10月7日 新潟県三条市の工事現場でヘリ運搬バケットが開かず、戻る途中で開き生コンが落下、バケット不具合原因を特定せず不適切配線補修したため一時的に接触不良 (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6371/
(2019年11月1日 修正1 ;追記)
2019年10月31日12時50分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年10月、高知県大豊町でヘリコプターにつり下げられた容器に入れて運んでいた生コンクリートが、上空から落下した問題で、国の運輸安全委員会は容器のシャッターがしっかり閉まっていない状態で飛行した可能性が極めて高いとする調査報告書をまとめました。
それによりますと、ヘリコプターは当時、離着陸場と工事現場を往復し、ヘリコプターからの操作で、容器の底にあるシャッターを開け閉めして生コンクリートを現場に運んでいましたが、2回目の運搬の後、機体の中から容器のシャッターを開け閉めできなくなる不具合がおきたということです。
このため、地上の作業員が、容器についている、シャッターを開け閉めするハンドルを回して作業を行っていましたが、報告書では、作業員がハンドルの操作を確実に行わなかったため容器のシャッターがしっかり閉まっていない状態で飛行した可能性が極めて高いと指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20191031/8010006680.html
10月31日19時51分にFNN PRIME(高知さんさんテレビ)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高知県大豊町でヘリコプターから生コンクリートが落下した事故の原因は、作業員の確認不足だったことがわかりました。
国は重大インシデントとして調査を行い、31日に結果を発表しました。
発表によりますと生コンを入れていた容器のふたのロックがきちんとかかっておらず、機体が揺れたときに開いてしまったことが事故の原因としています。
本来は離陸前に作業員2人がロックを確かめる必要がありますが、どちらの作業員も確かめた記憶がないということです。
西日本空輸は「従業員教育や手順の徹底など再発防止に努めてまいります」とコメントしています。
https://www.fnn.jp/posts/1813KSS
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書(概要)には、原因が以下のように記されている。
本重大インシデントは、同機がバケットに生コンを積載して飛行中、意図せずシャッターが開いたため、生コンが地上に落下したものと推定される。
意図せずシャッターが開いたことについては、シャッターのオーバーセンター機構によるロックが適切に働いていない状態で飛行中、乱れた気流により機体が動揺した際、シャッターに掛かる荷重が増大し、シャッターが押し開かれたものと考えられる。
ただ、上記内容ではイマイチ、状況がつかめない。
そこで本文を読んだところ、地上作業終了後の容器シャッター開閉レバーの「手動」→「自動」切り替え失念と、シャッター開閉用アクチュエーターの配線断線が重なったことが原因だった模様。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2228
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。