2018年10月23日15時10分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後6時40分頃、北海道平取町振内町の自動車整備会社「F自工」の工場で、同社社長の滝さん(男性、60歳)が、破裂したトラックのタイヤの風圧で約2m飛ばされ、アスファルトの地面にたたきつけられた。
滝さんは病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。
警察の発表によると、滝さんは同町に住むトラック運転手の依頼を受け、10トントラックのタイヤの交換作業をしていた。
左後輪の内側のタイヤ1本が破裂したといい、警察で原因を調べている。
出典
『交換中にタイヤ破裂、風圧で2m飛ばされ死亡』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181023-OYT1T50087.html
10月23日0時45分にNHK北海道からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後6時半ごろ、平取町振内町の自動車整備工場で、経営者の男性が、持ち込まれた10トントラックを客の男性と一緒に点検していたところ、後輪の車軸の左側に重ねて取り付けられたタイヤ2本が相次いで破裂した。
2人は破裂の衝撃で吹き飛ばされ、このうち工場の経営者で、近くに住む瀧さん(60)が体を強く打って死亡した。
警察によると、客の男性は破裂したタイヤ2本の間には石が挟まっていたと話しているということで、警察が事故との関連を調べている。
出典
『整備中にタイヤ破裂し男性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181023/0005062.html
(ブログ者コメント)
挟まっていた石が原因?
しかし、過去に千枚通しなどによるタイヤパンク犯行が報じられた際、大きな音がしたとか犯人がケガしたという話は、聞いた覚えがない。
石が原因だったとすれば、瞬時に開いた面積が大きかったため・・・ということだろうか?
車のタイヤを交換中、あるいは空気注入中にタイヤが破裂し作業員が死亡した事故は、、本ブログでも過去に、甲賀市や沼津市の事例などを紹介スミ。
それらの情報以外、今回の事例を機に調べ直した結果、以下の情報も見つかったので、併せて紹介する。
(2015年3月16日15時0分 産経新聞west)
滋賀県甲賀市のガソリンスタンドで昨年末、空気を入れていた大型トラックのタイヤが突然破裂し、作業をしていた店員が風圧で死亡する痛ましい事故が起きた。
まさかと思われるかもしれないが、実は、空気充填中のタイヤ破裂は過去5年間で少なくとも5件は発生し、3人が死亡する非常に危険な事故だ。
特に大型車のタイヤが破裂した場合は、「手榴弾並みの恐ろしさがある」と指摘する関係者もいるほど。
扱いを一歩間違えればとんでもない“凶器”になりかねない「タイヤ」と、どう付き合っていけばいいのか・・・。
【強い風圧で2mも飛ばされて・・・】
「ドーン!」
昨年12月22日夕、甲賀市水口町の国道1号沿いにあるガソリンスタンドで、大きな音が響き渡った。
副店長を務める男性従業員=当時(49)=が大型トラックのタイヤ(直径80cm)に空気を入れる作業をしていたところ、突然、破裂した音だった。
異常事態に気付いた別の従業員が駆けつけると、男性従業員は作業をしていた場所から2mも後方に飛ばされ、あおむけに倒れていた。
男性従業員は、すぐに病院へ運ばれたが、死亡が確認された。
死因は、胸に強い風圧を受けたことによる大動脈解離だった。
警察によると、破裂したタイヤは側面全体に細かな亀裂がたくさんあり、タイヤの強度が下がっている状態だった。
そこへ、高圧の空気を補充したため、破裂が起こったとみられる。
【「予見可能性」あるといえず、摘発断念】
死亡した男性従業員は、ガソリンスタンド勤務歴28年のベテラン。
労安法に基づく規則で、事業者は自動車タイヤの空気充填業務に従事する従業員に対して講習などの「特別教育」を行うよう義務づけられており、この男性も平成20年5月に受講していた。
ガソリンスタンドを経営する会社は、「当社の店舗でタイヤの破裂事故が起きたのは初めてのケース。恐ろしさは十分に認識しており、注意するよう呼びかけていたにもかかわらず起こってしまい、残念」と話す。
捜査に当たった甲賀署は、「ガソリンスタンドの敷地内は道路上ではないため、大型トラックの運転手も、運転手の会社も、道路交通法(整備不良)に問うのは困難」と指摘する。
同署は、労働災害で死亡した男性従業員の雇用主に対する業務上過失致死罪の適用も検討したが、「男性がベテランで、労安法に基づく講習も受けている。会社側に予見可能性があるといえず、断念した」と話す。
【破裂事故は年1回ペースで、死亡率も高い】
国内のタイヤメーカーでつくる「日本自動車タイヤ協会」によると、空気充填作業中のタイヤ破裂事故は、「補充」作業に限ったデータでみると、平成22~26年の5年間で5件発生している。
実に、年1回は起きている計算だ。
このうち人身事故は4件で、3人が死亡している。
平成22年1月、山形県河北町の建設会社で、除雪作業の準備のため、従業員ら3人が除雪作業車のタイヤ(直径1.4m)に空気を入れていたところ、タイヤが破裂。
男性1人が胸に風圧を受けて、間もなく死亡。
別の男性も胸に軽傷を負う惨事になった。
同年11月には、北海道室蘭市の運送会社でも、トレーラーのタイヤ(直径90cm)が空気充填中に破裂し、作業をしていた男性運転手が強い風圧を受けて、胸の出血性ショックで死亡した。
また、補充中ではなくタイヤ組み替え時の充填作業だったため、前出のデータにはカウントされていないが、25年4月にはさいたま市北区の陸上自衛隊大宮駐屯地でも、パンクによる死傷事故が起きている。
隊員2人が大型トラックの整備をしていた際、新たに組み替えたタイヤ(直径1.2m)に空気を充填していたところタイヤが破裂して、風圧が2人を直撃。
女性隊員が死亡し、男性隊員が重傷を負っている。
ある運送会社の関係者は、「大型車のタイヤになると非常に高圧で、破裂すると風圧も強烈。手榴弾に匹敵するほどだ」と話す。
【ゴムは劣化する・・・目視だけでは難しい】
いったい、タイヤ破裂事故を防ぐにはどうすればいいのか・・・。
日本自動車タイヤ協会技術部の柴田さんによると、タイヤが破裂するのは、タイヤの劣化や損傷が大きな原因にあげられる。
タイヤはゴムだけでなく、ワイヤーや繊維などが組み合わされた複雑な構造を持つ。
「低圧状態で走行を続けていると、タイヤ内部の『骨格部分』がダメージを受け、高圧の空気を充填した際に、傷を受けた部分が耐えきれずに破裂する」と解説する。
それだけに、走行前にタイヤのチェックは欠かせない。
「まずは目視。タイヤの接地面がへこんでいたり、タイヤの側面に傷があれば要注意。ただ、目視だけでは異常が確認できないケースも多い」という。
そのため、月1回はタイヤ内の空気圧を点検する必要がある。
タイヤのバルブにエアコンプレッサーの注入口を差し込んで計測する。
通常は、高くて乗用車で280kPa、トラックの場合は800~900kPaで、「半分以下になっていたら、非常に危険な状態。そんな場合は空気を入れずに、タイヤ販売店に相談してほしい」と話している。
また、タイヤのすり減り具合に注意を払うのは当然のことだが、ゴムは時間とともに劣化していく素材。
各メーカーとも、たとえ走行距離が多くなくても、使用開始後5年が過ぎたら定期的にタイヤを点検し、10年以上は使用しないよう呼びかけている。
普段はあまり気にしないタイヤだが、一度、クルマの“足元”を見つめ直してみては・・・。
『実は「手榴弾」並みの恐ろしさ…空気充填中のタイヤ破裂事故「年1回発生」の衝撃事実』
https://www.sankei.com/west/news/150316/wst1503160002-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。