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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年10月6日2時21分に朝日新聞から、同日12時11分に読売新聞から、13時31分に西日本新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

九州大学は6日、生物環境利用推進センター研究棟の実験室で保管していた円筒形の瓶(高さ約10cm、直径約4cm)入りのヒ素化合物15.8gを紛失したと発表した。
5日深夜、盗難届を提出。 警察によると、100人程度の致死量があるといい、窃盗の疑いで調べている。

九大などによると、9月29日午後3時ごろ、農学部の准教授(47)が研究補助員の男性と土壌研究のため実験室に入り、保管庫から2瓶を取り出した。
このうち1瓶からヒ素化合物3.12gを使って溶液を作った。
2人は瓶を机の上に置いたまま午後3時半から約2時間半、施錠せずに実験室を離れた。
准教授は午後6時に1人で実験室に戻り、机の上にあった1瓶を保管庫に戻し、保管庫と実験室の鍵をかけて退室した

今月4日、薬品業者がヒ素化合物を納入した際、1瓶が無くなっているのに気付いた。
准教授は「なくなったのか盗まれたのかはわからない」と話しているという。


出典URL■■■
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(ブログ者コメント)

毒物管理のルーズさが紛失事故を引き起こした、そういった事例が日を経ずして報道されることも珍しい。




(2011年10月7日 修正1 :全面改訂)

読売新聞と西日本新聞に、より詳しい記事が掲載されたので、それらの内容を元記事に追記した。




(2011年10月10日 修正2 ;追記ならびにタイトル変更)

2011年10月8日0時29分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

九大は7日、実験室の保管庫で、紛失した瓶と同じような瓶が見つかったと発表した。中身が同じかどうか確認している。

九大によると、7日に大学職員と福岡県薬務課が実験室を調べたところ、紛失したものと同じ薬品名の書かれた瓶が保管庫内で見つかった。
瓶には九大独自のバーコードが貼ってあり、読み取ったところ紛失した瓶と同じものだった。瓶には白っぽい粉末が入っていたという。
瓶は県警に提出し、鑑定を委ねた。

紛失を届け出た准教授は、9月29日の実験でメーカーの異なるヒ素の瓶2本を使った。だが、10月4日に確認した際には2本とも同じメーカーだったと思い込み、保管庫の中に同じ瓶が2本なかったことから、紛失したと勘違いした可能性があるという。
一方で、持ち去った何者かが元に戻した可能性も否定できないという。


方、2011年10月8日0時14分に、読売新聞からは下記趣旨の記事がネット配信されていた。

准教授は4日、実験室にある保管庫を開けた際、茶色のふたの瓶1個がなかったため、紛失したと思い込んだという。帳簿と実際の数との照合作業も十分に行っていなかった。実際には瓶のふたの色は白だった。

出典URL■■■
            ■■■




(ブログ者コメント)

□思い込みは誰にでもある。しかし冷静な立場でチェックすべき大学側まで帳簿をチェックしなかったのは何故だろうか?現場現物でチェックするのが基本中の基本のはずだが・・・。

□過去記事を読み返すと、どのメディアも「瓶がなくなっているのに気付いた」という表現だけで、「帳簿と現物数とが一致しておらず・・・」と報じた記事は一つもなかった。 ブログ者も、そこに違和感を感じとっておくべきだった。

□第1報の「納入時に薬品業者が気付いた」という記事は、誤情報かもしれない。
なぜなら、業者であれば納入時には帳簿と現物を比較確認する筈だと思うからだ




(2011年10月12日 修正3 ;追記)

2011年10月11日12時29分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

11日午前7時5分ごろ、福岡市のマンションで「駐車場に男性が倒れている」と住民から110番通報があった。警察などによると、7階に住む九州大の准教授(47)が頭から血を流して倒れており、間もなく死亡が確認された。
自室前の通路に脚立があり、パソコンに遺書のような書き込みがあったという。飛び降り自殺したとみている。

准教授はセンターの実験室で瓶入りのヒ素を使い、紛失に気付いたとして今月届け出た。
その後、実験室から似た瓶が見つかり、九大は勘違いだった可能性があると発表していた。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

責任感の非常に強い人だったのかもしれないが、それにしても・・・・。合掌。




(2012年6月19日 修正4 追記)
 
2012年6月15日1時30分に西日本新聞から、管理上の改善点などを記した調査報告書が発表されたという趣旨の記事がネット配信されていた。
 
ヒ素化合物が一時紛失したとされた問題で、同大の調査委員会が14日、報告書を発表した。

実際には紛失していないのに紛失と誤認した原因について、ヒ素化合物を使った准教授が瓶のふたの色やメーカー名を勘違いし、保管庫に戻していたヒ素化合物入りの瓶に気付かなかったためとした。

准教授は鍵を掛けないまま実験室を一時離れており「改善が必要」と指摘。
再発防止策として、管理担当者を増やしてチェック体制を強化したり、毒劇物の紛失や盗難などに備えたマニュアルづくりを挙げた。



出典URL
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/307790
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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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