2018年10月23日19時52分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鋼材加工などを手掛ける川金ホールディングス(HD、埼玉県川口市)のグループ企業が、製造した免震・制振装置の検査データを改竄し出荷していたことが23日、分かった。
顧客との契約で決まった基準に満たない装置が、適合品として、学校や庁舎など93物件に設置されていた。
川金HDは同日、国交省に報告。
国の基準に違反した装置の改竄はなかったとしている。
装置は、傘下の油圧機器メーカー「光陽精機」(茨城県筑西市)が製造し、川金コアテック(川口市)が出荷。
改竄は平成17年2月から今年9月まで、東京都や大阪府に出荷された免震用4件と、東京など26都道府県に出荷された制振用89件で確認された。
設置の内訳は、免震用が病院1件、学校1件など。
制振装置は教育施設30件、庁舎13件など。
川金HDによると、顧客と約束した性能基準値のプラスマイナス10%以内を逸脱した製品データを検査員が書き換えて出荷。
国が定める免震用の基準値プラスマイナス15%以内を超えた製品はなかったとしている。
制振用には国の基準がない。
大規模なデータ改竄が発覚したKYBの問題を受け、社内調査を行った結果、検査員が不正を申し出た。
納期などを守ろうと、不正を行ったとみられる。
顧客契約の基準を満たした適合品でも、数値を改竄したケースが確認されている。
川金HDは、過去に計45物件、402本の免震装置と計103物件、4799本の制振装置を出荷。
さいたま市は23日、改竄の疑いがある制振装置が市役所本庁舎に使われていたと発表した。
出典
『川金HD、免震・制振装置でデータ改竄 さいたま市庁舎など93物件に出荷』
https://www.sankei.com/affairs/news/181023/afr1810230031-n1.html
10月23日22時48分に毎日新聞からは、不正に関与したのは歴代の検査員3人だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川金HDは東証2部上場で、2018年3月期の連結決算では売上高が391億円。
従業員は約1800人で、橋など公共工事に使われる土木用建材の製造・販売を主力としている。
免震・制振装置分野では、05年から販売を始めた新規参入組だ。
不正に関与したのは、専任の検査員3人。
専任の検査員は05年以降、1人が一定期間務めた後に交代してきたが、マニュアルなど不正の手法が引き継がれてきたかは「確認できていない」(鈴木社長)とした。
3人のうち1人は退職していて聞き取りができていないものの、他の2人は「お客様の要求する納期で納めるためだった」などと話しているという。
鈴木社長は、「目先の納期に目が行くあまり、品質に関する感覚がおろそかになっていたと反省している」と、苦渋の表情を浮かべた。
出典
『川金HD 検査員3人が不正関与「納期に納めるため」』
https://mainichi.jp/articles/20181024/k00/00m/040/112000c
10月23日19時40分に日本経済新聞からは、ダンパー価格は数100万円という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
免震・制振ダンパーの価格は200万~500万円程度。
取り換えには多額の費用がかかる。
鈴木社長は、「取り替え作業に必要な作業は建設会社の事業範囲でわからず、現時点で業績への影響は言えない」と話した。
出典
『免震データ改ざん、川金HD社長が謝罪 不適合93物件』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3682224023102018XA0000/
10月24日23時17分に朝日新聞からは、改竄物件数は全体の6割を占めるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
親会社の「川金ホールディングス(HD)」は24日、改ざんがあった時期の物件数は148件だったと訂正した。
川金HDは23日の会見で、改ざんがあった2005年2月~18年9月に出荷された製品が使われた物件数は193件と説明。
このうち約5割にあたる93件で、顧客との契約に適合しない製品が使われたとしていた。
24日に訂正した物件数148件で計算すると、不適合品が使われた物件数は全体の6割強になる。
出典
『免震不正、不適合品使用の物件は6割強 川金HDが訂正』
https://www.asahi.com/articles/ASLBS6DFPLBSUTIL062.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。