2019年4月12日20時32分に山陽新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中国電力(広島市中区)は12日、管内の電柱217本が社内で定めた風圧の耐久基準を満たしていなかったと発表した。
県別では岡山81本、広島82本。
現時点で安全性に問題がないことは点検で確認しているが、台風シーズンに入る6月末までに基準に適合した電柱に更新する。
同社によると、倒壊防止のため、立地状況に応じて風圧の耐久基準を設定。
平均風速40mの風圧が通常の想定(甲種)だが、住宅や樹木の密集地域は風の遮蔽効果を考慮し、想定を同28m(丙種)に下げている。
217本は、いずれも甲種の地域に丙種の電柱を設置していた。
岡山、広島以外の県別は山口30本、島根21本、鳥取2本、愛媛1本。
匿名での指摘を受けて昨年11月から電柱全約170万本を調べ、発覚した。
適合した電柱への更新は、今月上旬から順次進めている。
同社は「風圧の耐久基準について、社内で十分に認識が共有できていなかった」としている。
出典
『中電管内に風圧基準不適合の電柱 管内217本、岡山県内81本』
https://www.sanyonews.jp/article/889277/
4月12日付で中国電力HPには、下記趣旨のプレスリリースが掲載されていた。
電柱にどの程度の風の力が影響するかという風圧荷重種別に関して,一部の電柱において,設置に関する基準を満たさない可能性があることが判明しました。
社内ルールでは,風圧荷重に関して,種別とそれらを選定する際の考え方を定め,その考え方にもとづき,現地の状況に応じた種別を選定し,電柱を設置することとしています。
当社エリア内の全ての電柱(約170万本)について調査を行ったところ,本来選定すべき風圧荷重種別と異なるものを選定していたことにより,設置に関する基準を満たさない可能性があるものが217本あることを確認しました。
当該電柱は,すでに現地点検を行い,現時点で,安全上の支障をきたすことがないことを確認しておりますが,早期に改修を完了するよう作業に着手しました。
皆さまには,ご心配をおかけすることとなり,お詫び申し上げます。
本事案の原因は,風圧荷重種別を選定する際の考え方について認識の誤り等があったものと推定していますが,引き続き,調査を行ってまいります。
調査を進めるにあたっては,すでに設置した検討チームにおいて,原因の究明,再発防止策の策定を行うとともに,他の要因で電柱設置に関する社内ルールを満たしていない事案がないか,あわせて確認してまいります。
(添付資料)
社内ルールで,風圧荷重種別(甲,乙,丙など)選定の考え方を定めており,現地の状況が 人家等による風の遮へい効果を期待できる場合は,甲種に代えて丙種を適用できるとしている。
【主な風圧荷重種別の例】
○甲種……平均風速40[m/s]の風があるものと仮定した場合に生じる荷重
○丙種……人家が多く連なっている場所等において,甲種風圧荷重の1/2の風圧を 受けるものと仮定した場合に生じる荷重 (平均風速 約28[m/s]に相当する風圧)
(参考) 乙種……氷雪の多い地方で選定する種別
出典
『電柱にかかる風圧荷重種別の誤りについて』
http://www.energia.co.jp/press/2019/11740.html
(ブログ者コメント)
どのような「認識の誤り」があったというのだろうか?
人家が、そう多くはないのに、多いと認識したということだろうか?
それとも、甲種丙種の区分があることを認識せず、たとえば市街地だからという理由で全区域に丙種を設置したということだろうか?
それとも・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。