(1/2から続く)
7月11日19時21分にNHK静岡からは、火災直前の倉庫内の映像が公開されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社は11日、倉庫の2階に設置されていた防犯カメラの当時の映像を公開しました。
映像には、火災報知機が作動してから30分近くたった、午前1時43分ごろからの様子が記録されていて、警報音が鳴る中、煙が立ちこめる様子が映っています。
そして、爆発が起きたと見られる時間のおよそ3分前、午前2時4分ごろには、煙が充満する倉庫内をライトで照らしながら歩く人影が確認できます。
会社によりますと、このあとの映像はサーバーに記録されていなかったとしていて、確認できた映像はすべて警察に提出しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20200711/3030007649.html
(ブログ者コメント)
ブログ者は現役時代、電気室火災対応方法をマニュアル化すべく、「室内にうっすら煙がある程度なら、内部に入って状況確認」などの案を持って東京消防庁まで相談に行ったことがある。
その際、応対してくれた方から「煙を甘く見てはいけない。我々のようなプロですら、煙に巻かれて死亡することがある」と言われた。
その時は、立場上、そう言わなければならないだけで、現実味は薄いのだろうなあ、程度にしか思わなかったが、それでも当該記述はアドバイス通りに削除した・・・そんなことがあったことを過去にも本ブログで書いたことがあるが、今回、その言葉の意味を痛烈に感じた。
(2020年8月6日 修正1 ;追記)
2020年8月6日付で毎日新聞東京版からは、4人は脱出用ロープを持たずに中に入った、2人は空気呼吸器を装着していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
捜査関係者らによると、出動した消防隊員らへの聞き取りなどで、4人は緊急脱出用のロープを身に着けず中に入ったことが判明した。
消火用ホースは携えていたが、2階へは持って行かず、消防隊員1人と警察官は、一酸化炭素中毒を防ぐ空気呼吸器も装着していなかった。
市が定める倉庫火災消火活動要領では、防火衣や耐熱服、空気呼吸器を完全着装し、確保ロープを設定させ、2人以上を1組とすることなどを基本行動と定めている。
市消防局幹部は、「4人の行動は、プロとして安全と判断できる状況があったからだ」との見方を示す。
東京理科大研究推進機構総合研究院の関沢愛教授(建築防災学)は、「現場では、濃い煙で逃げる方向が分からなくなることが最も怖い。ロープやホースが脱出の頼りになるはずだ」と語る。
坂口隆夫・市民防災研究所理事は、「倉庫火災は万全の対策を講じない限り、進入しないことが原則。活動要領が生かされなかった理由を検証すべきだ」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20200806/ddm/041/040/100000c
(2020年8月28日 修正2 ;追記)
2020年8月27日20時10分にYAHOOニュース(静岡放送)からは、1階にいた隊員が爆発の予兆を1分前に見つけ、拡声器で緊急避難を呼びかけていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
爆発的な延焼は、建物1階の南側で起きたとみられています。
当時、隊員たちは鉄骨2階建ての建物の2階部分で出火元を探していましたが、1階南側での爆発により、黒煙が建物全体に流れ込み、逃げ遅れたとみられています。
爆発は予見できなかったのか。
その後のSBSの取材で、別の隊員が直前にその異変に気付いていたことがわかりました。
建物1階北側で放水の準備をしていた別の隊員が、爆発の1分ほど前に南側とを区切る防火シャッターの下から薄い灰色の煙が立ち上がってきたことを確認していたということです。
隊員は危険性があると判断し、拡声器を使い「緊急避難」を呼びかけましたが、2階にいた隊員たちに声が届いていたのかはわかっていません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d37597ce0b016be36c6174a5c6056bf4adc46f81
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。