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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20205122114分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

去年、広島県沖で民間の貨物船と衝突して損傷した掃海艇について、海上自衛隊は、修理に長い期間と多額の費用がかかるとして、来月、退役させることを決めました。

海上自衛隊の掃海艇「のとじま」は、去年6月、三原市沖の瀬戸内海で、民間の貨物船と衝突し、船体が損傷しました。


海上自衛隊は、造船会社に依頼して修理に必要な調査を進めてきましたが、この型の掃海艇は磁気に反応する機雷への対策で船体が木でできていることなどから、修理に1年半かかる上、費用もおよそ11億円に上ることがわかったということです。


このため、海上自衛隊は「のとじま」の修理を断念し、退役の時期を数年早めて、来月12日に退役させることを決めました。

 

「のとじま」が配備されている京都の舞鶴基地には、代わりに別の掃海艇が配備されるということで、日本周辺海域の防衛態勢に影響はないとしています。


海上自衛隊トップの山村海上幕僚長は、記者会見で、「衝突事故により、早期に退役する結果となったことについて、国民の皆様に大変申し訳なく思っています。国の運輸安全委員会の事故調査に引き続き協力していきます」と話しています。

 

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20200512/4000007615.html

 

 

※事故当時の報道は下記参照。

 

20191023日付 中国新聞)

 

尾道市高根島沖で6月26日深夜、海上自衛隊の掃海艇のとじま(510トン)と貨物船ジェイケイIII(699トン)が衝突した事故で、尾道海上保安部は23日、のとじまの森田艇長(32)と当直士官だった二等海尉男性(42)を見張りが不十分だったとして、貨物船を操船していた二等航海士男性(71)を回避行動が遅れたとして、それぞれ業務上過失往来危険の疑いで書類送検した。

 

書類送検容疑は、のとじまの2人は、右前方から針路を横切るように近づいてくる貨物船を認識したにもかかわらず、見張り不十分から直進を続け、衝突を招いた疑い。

 

一方、貨物船の二等航海士男性は、視認したのとじまが針路を避けると考えたため、衝突直前まで回避行動を取らなかった疑い。

 

同保安部によると、3人とも容疑を認めているという。

 

事故は6月26日午後1155分ごろ、同市高根島沖北東約1・5キロの青木瀬戸で発生。

のとじまの右舷後部と貨物船の船首部が衝突した。

両船の乗組員にけがはなかった。

 

海上衝突予防法では、相手船を右に見ていたのとじま側が舵を右に切り、衝突を避ける義務があった。

 

https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=581822&comment_sub_id=0&category_id=256

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、NHK映像の2コマ。

 



   

 

 

(2020年12月18日 修正1 ;追記)

 

202012171026分に朝日新聞から、事故報告書が公表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

国の運輸安全委員会は17日、調査報告書を公表した。

 

のとじまの当直士官と貨物船の航海士が、相手の船が自分と同じ考えですれ違うと思い込んで進路をとったため、衝突した可能性が高いとした。

 

報告書によると、のとじまは瀬戸内海の水路の中央付近を南へ、貨物船も中央付近を東へ進んでいたが、船舶自動識別装置(AIS)を使って互いの船の位置は把握していた。

 

向かい合って進む船は、互いの右側(左舷対左舷)を航行してすれ違うのが原則だが、ぶつかりそうになった場合は直前に無線などで連絡を取り合って回避する。

 

貨物船の航海士は、のとじまが互いの右側を通ってすれ違うと思い込んでおり、右に少しかじを切って進んでいた。

 

一方、のとじまの当直士官は、進路の右側にある浅瀬が気になったことや、これまでの進路から貨物船が左転すると考えて、左にかじを切っていた。

 

のとじまの航行を指揮する艇長には左にかじを切ることを告げており、了解してもらったと思っていたが、艇長は当時居眠りをしている状態だったという。

 

両船とも衝突の危険があることに気づき、1525秒前に大きくかじを切ったが間に合わなかった。

 

無線で互いの進路についてやりとりすることもなかった

 

https://www.asahi.com/articles/ASNDK3F2NNDJUTIL01V.html

 

 

1217212分に産経新聞からは、のとじまの当直士官は左側に進路を変えてすれ違おうとしたなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

貨物船側は、のとじまが針路を変えないのを疑問に思いつつ、いずれ右側に寄ってすれ違うと考えた。

 

のとじまの当直の士官は右側が浅い海になっているのを不安に感じ、左側に針路を変えてすれ違おうとした。

 

報告書は、双方が無線を使用して互いの航行の意思確認をしていれば事故を防げた可能性があるとしている。

 

https://www.sankei.com/affairs/news/201217/afr2012170041-n1.html 

 

 

1217214分にNHK広島からは、責任者が部下を適切に指導していなかったことも事故に関係した可能性ありという、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

運輸安全委員会は、双方の船が相手側の進む方向を思い込みで予測し、狭い海域の中央付近を時速20キロから25キロほどで進み続け、事故につながった可能性が高いと結論づけています。


また無線で互いの進路の情報を得ていなかったこと、掃海艇の責任者が居眠りをして、操船していた部下を適切に指導していなかったことも事故の発生に関係した可能性があると指摘しています。


事故後、掃海艇が所属する海上自衛隊舞鶴地方隊では、安全教育を強化する対応を取ったということです。

 

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20201217/4000010116.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

のとじま当直士官が艇長のアンサーバックを確認しなかった報連相不足も、事故原因の一つだったような気がしたため、報告書を確認した。

 

結果、そのものズバリの記述は見つからなかったが、以下のような関連記述が見つかった。

 

23/42ページ

③海上自衛隊では、部下の上司に対する報告に対して、上司から了解の応答がない場合は、了解を得るまで報告するようにふだんから指導していた。

 

23/42ページ

④当直士官Bは、操艦に関して艇長Bに信頼されていると思っており、本事故当時、自分の操艦に対して指導がなかったことから、容認されていると解釈していたものと考えられる。

 

40/42ページ

同種事故の再発防止のため、次の措置を講じる必要がある。

(2)当直士官は、針路の変更等に際しては確実に艇長の許可を得るなど、服務規則を遵守すること。

 

https://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2020/MA2020-11-2_2019tk0015.pdf

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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