2020年5月11日付で中国新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前9時25分ごろ、岩国市門前町3丁目の下水道工事現場で「作業員が倒れている」と119番があった。
作業員3人が病院に搬送され、山形県新庄市の井上さん(男性、34歳)が死亡した。
熊本県の60代の男性作業員2人は意識がある。
現場で硫化水素が検出され、原因を調べている。
岩国署と市下水道課によると、井上さんは地下約13メートルにある下水道管の点検作業中だった。
異臭に気付いた別の作業員が自力で地上に出て異常を報告。
作業員2人が井上さんを救助しようとして管に入り、硫化水素を吸い込んだとみられる。
現場は国道188号沿いで、近くに住宅や学校、病院が立ち並ぶ。
岩国署は、異臭がしたため周辺住民を一時避難させ、半径300メートルの範囲で立ち入り規制。
小中学校や保育園には、窓を閉めて屋外での活動をやめるよう呼び掛けた。
岩国地区消防組合によると、近くの40代男性が体調不良を訴え病院に搬送されたが、軽症だという。
5月11日付で山口朝日放送からは、腐植土が多いのでガス検を持って現場に入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察や消防によりますと、11日午前9時半頃、岩国市門前町の下水道工事現場で「硫化水素のようなものが発生した。作業員が穴の中で倒れている」と、工事関係者から消防に通報がありました。
工事を発注した岩国市によると、現場は地下12メートルにある下水管で、作業員が異臭を感じ地上に戻ろうとしたものの、戻れなかったということです。
また現場周辺には腐蝕土が多くて硫化水素が発生しやすく、ガス探知機を持って現場に入ったということです。
https://www.yab.co.jp/news/64895
5月11日13時55分に日テレNEWS24からは、3人が倒れていた場所に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
救急隊員が駆け付けたところ、現場付近の路上に男性1人が、さらに下水管の入り口付近に男性2人が倒れていました。
https://www.news24.jp/articles/2020/05/11/07641027.html
5月11日17時57分にNHK山口からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防が駆けつけたところ、男性1人が意識不明の状態で倒れていて、市内の病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。
警察によりますと、亡くなった井上さんは別の作業員と2人で下水管に降りて作業をしている最中に倒れ、この作業員が自力で外に出て助けを求めたということです。
その後、3人の作業員が救助に向かいましたが、警察によりますと、このうち60代の男性2人も病院に搬送され、手当てを受けているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20200511/4060005740.html
(ブログ者コメント)
情報が錯綜していて、状況はイマイチ不明だ。
以下は、NHK映像の2コマ。
(2020年12月14日 修正1 ;追記)
半年前、令和2年6月4日付の国交省注意喚起連絡文書の中で、事故当時の状況が見取り図や現場写真付きで、以下のように記されていた。
■事故内容:
出来高管理写真撮影のため、作業員A、Bの2名が発進側(中津町側)立坑から管内へ進入。
作業途中、異常を感じたBがAに発進側に避難するよう促し、避難したが、その後、Aが避難してこないため、作業員B、Cがガス検知器で安全を確認し、到達側(門前町側)立坑から、作業員Dが発進側(中津町側)立坑から救出に向かったところ、到達側から約2.4mの位置でAを確認。
救急搬送されたが、急性硫化水素中毒による肺水腫により死亡した。
また、救出に向かった作業員C、Dに加え、現場周辺の屋外で作業をしていた市民が気分不良を訴え病院へ搬送されたが、命に別状はなかった。
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001347492.pdf
12月10日17時59分にNHK山口からは、硫化水素発生の可能性について伝えられていたのに適切な換気などの対策を怠っていたなどとして元請け社員らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警察は、一緒にいた作業員4人が安全確保を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
書類送検されたのは、岩国市が発注した下水道工事の元請け会社の20歳と71歳の社員2人と、下請け会社の53歳と70歳の社員2人の合わせて4人です。
警察によりますと、元請け会社側には、市から硫化水素が発生する可能性について伝えられていたにもかかわらず、4人は、事前に濃度を測定したり適切に換気をしたりするなど、安全確保に向けた注意義務を怠ったということです。
4人は、これまでの任意の調べに対して容疑を認めているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20201210/4060007927.html
12月11日付で毎日新聞山口版からは、硫化水素を含んだ地下水などが噴き出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市の調査によると、硫化水素を含んだ地下水と土砂が坑内に吹き出し、硫化水素が気化して坑内に充満したとみられる。
https://mainichi.jp/articles/20201211/ddl/k35/040/238000c
12月11日12時56分にYAHOOニュース(テレビ山口)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市は事故原因について、「地下水の中に溶け込んだ硫化水素が下水管の中に入り、気化したことが考えられる」として、再発防止策を取ることにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd1f1c382e1da1c1dc5c2b266c7a8341a196c44e
2021年5月31日19時28分にNHK山口からは、書類送検されていた4人は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故で、一緒にいた作業員4人が、事前に濃度を測定したり適切に換気をしたりするなど安全確保に向けた注意義務を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検されていました。
これを受けて、山口地方検察庁岩国支部は、任意で捜査を進めていましたが、31日付けで不起訴にしました。
また、下水道工事の下請け業者と現場責任者だった男性が、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されていましたが、検察は、これについても、31日、不起訴にしました。
検察は、いずれも理由について明らかにしていません。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20210531/4060009830.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。