2022年9月6日18時4分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前6時50分ごろ、いわき市南台の「いわき大王製紙」の工場で爆発がありました。
消防や警察などによりますと、爆発があった建物の外で清掃作業をしていた関係グループ会社の60代の社員1人が、爆風でけがをして病院に運ばれました。
手や首などにやけどを負いましたが、けがの程度は軽いということです。
現場の映像からは、製紙工場の建物の外壁の一部が大きくめくれて数か所穴があき、建物の外に鉄骨のようなものが散乱している様子が確認できます。
現場は、いわき市の南部にあるJR常磐線植田駅から北西におよそ5キロの山あいの地域で、会社によりますと、この工場では段ボールの原料や新聞用の紙を製造していました。
工場内では2基のボイラーが稼働していて、このうち発電用の1基が爆発したということで、警察は、7日、現場検証を行って爆発の原因を調べることにしています。
爆発があった工場から南東におよそ500メートル離れた所に住んでいる78歳の男性は、「何かが破裂したようなバーンという音が聞こえて、周りの空気が振動したように感じました。大きな音だったので少し心配になりましたが、けがをした人が1人で命に別状はないと聞いて安心しました。事故には気をつけてほしいです」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20220906/6050020028.html
9月6日12時27分にFNN PRIME(福島テレビ)からは、燃料の木材チップを投入しようとしたところ爆発したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社などによると、6日午前6時50分ごろに、発電用のボイラーへ燃料の木材チップを投入しようとしたところ、爆発が起きたという。
工場の近くに住む人:
「パン、とはじくような、普通の音とは感じが違かったです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b5a36619c98e48e3954c81ed69ceea3b7a1a9c3
9月6日18時53分にYAHOOニュース(福島放送)からは、ボイラーはバイオマス、水蒸気爆発が起きたらしい、今年5月の点検では異常なかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
爆発で、清掃作業をしていた、グループ会社の男性従業員(60代)が爆風に飛ばされ、市内の病院に搬送されましたが、命に別条はないということです。
いわき大王製紙によりますと、爆発したのは、木質チップなどを燃やし、発電する建物内にある、バイオマスボイラーで、当時2~3人が、燃料を入れる作業を行なっていました。
また、2022年4月から5月にかけて点検した時、異常はなかったということです。
工場は、何らかの原因で、水蒸気爆発が起きた可能性が、高いとみています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/58cf3115884e98654dd439eb3d1481f2176b60d8
会社によりますと、爆発したボイラーの内部には水が流れている金属製の管が通っていて、木製チップなどを燃やしてこの管を熱して水蒸気を発生させ発電機のタービンを回していたということで、何らかの原因でボイラー内に水が漏れて水蒸気爆発が起きたとみられています。
定期点検は半年ごとに行われ、ことし5月の点検でも異常は確認されていなかったということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20220907/6050020049.html
(2023年7月9日 修正1 ;追記)
2023年7月7日16時17分にNHK福島からは、配管に1ケ所破損が見つかった、破損原因は不明という事故報告者が公表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故について、親会社の大王製紙は、社内外のメンバーによる組織を作って調査を進め、6日、報告書を公表しました。
それによりますと、現場のボイラーを詳しく調べたところ、内部にある水を通す配管に破損が1か所見つかり、ここから大量の水が漏れて、高温の砂と接触して急激に膨張する水蒸気爆発が起きたと推定されるとしています。
さらに、水蒸気爆発はボイラーの中と外で、合わせて2回にわたって立て続けに起きた可能性があり、設備の破損や被害が大きくなったとみられるとしています。
爆発のきっかけになった水を通す配管の破損の原因は分かっていないということで、大王製紙は、こうした点も明らかにしたうえで、爆発が起きた設備について再発防止対策を講じ、運転の再開を検討したいとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20230707/6050023167.html
本件、7月6日付で大王製紙のHPに事故報告書が掲載されていた。
以下は、破口部は当局に押収されているため、破口原因は未検討だという記述。
3)水蒸気爆発の原因(水管破口の原因)
・・・
(2)第一破口部は当局に押収されており、寸法検査・組織観察・硬さ試験等、様々な視点の調査を要請中です。
現状におきましては、第一破口部の詳細状況が明確になっていないため、複数の推定原因からの絞り込みには至っておりません。
(3)したがいまして、当該設備の復旧に向けては、想定される全ての原因に対する対策を適用することとします。
今後、当局での調査結果が入手できた際には、必要に応じ、改めて事故調査委員会を開催し、原因の特定及び必要追加対策について協議することとしております。
以下は、漏れた水で水蒸気爆発が起きたメカニズムに関する記述。
3-2 現状の把握
2) 第一破口部(推定)の特徴
・目視上、破面は減肉無く、脆性的な破壊の様相。
・管内面に内面スケールの付着が認められた。但し、爆発前に付着したものかは不明。
・破口部は、シールフィンにより本来は砂もガスも到達しないスペース(三角スペース)内。
・・・
3-5 火炉損壊の原因(漏洩が水蒸気爆発に至った原因)について
・#30破口部の詳細分析は未実施のため、破口の原因は明確になっていないが、 当該部の目視での点検結果などから、#30に破口が発生し、三角スペースという空間で 一気に大きく開口することで大量の漏洩水が発生し、シールフィンを破壊して 保有熱量の多い流動材と一気に接触したことで水蒸気爆発が発生、 ボイラ損壊に至った可能性が高いと考えられた。
・・・
https://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20230706/e79bkm/140120230706518678.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。