2023年5月10日17時37分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉市の清掃工場で先月、煙突の内側に付着していた赤さびが焼却炉の修理後に周囲の住宅などに飛散する事案があり、千葉市では近く、住民説明会を開くことにしています。
赤さびが飛散したのは、千葉市花見川区にある「千葉市北清掃工場」です。
市によりますと、先月24日、3つの焼却炉のうち1つの炉を止めて設備の修理を行い、25日夜に再稼働したところ、翌日、周辺の住民から「さびのようなものが付着している」などといった通報が複数寄せられたということです。
市が調べたところ、再稼働時に風下だった清掃工場の北西およそ550メートルの範囲で、民家の敷地や自動車のボディーなどに赤茶けた汚れが付着していて、これまでに飛散が確認された住宅や事業所は合わせて25か所あったということです。
飛散した物質は鉄が主成分で、煙突内側の赤さびとほぼ一致していましたが、ダイオキシンなど直ちに健康被害が出るような有害物質は検出されなかったということです。
千葉市によりますと、焼却炉の修理の際は、通常、炉内の火を完全に消して温度をゆっくりと変化させますが、今回は短時間で終わる修理だったことから火を完全に消さずに行ったため、再稼働後に温度が急激に上がって煙突内側の赤さびが剥がれ落ち、飛散したとみられるということです。
千葉市では、作業の手法自体に問題はなかったものの、煙突内の確認が不十分だったとしていて、今月13日に住民説明会を開くとともに、被害については賠償する方針を示しています。
また、今後は煙突内の点検や清掃などを毎年行い、再発防止に努めるとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20230510/1080020550.html
5月11日21時56分に読売新聞からは、工場は10年ほど前から煙突のサビ除去など止めていたが今回のトラブルを受けて再開するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工場では2013年度から、煙突全体の目視点検やさびの除去をやめ、さびが発生しやすい煙突頂部からの目視点検のみに切り替えていた。
今回の飛散を受け、全体の目視点検とさび除去を再開するという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230511-OYT1T50115/
以下は、5月10日付の千葉市報道発表資料抜粋。
急激な温度上昇にともない煙突も急膨張して鉄さびが剥がれたらしいなどと記されている。
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4 原因
焼却炉の停止・再稼働は、通常行う定期整備などでは、時間をかけて常温まで降温し、昇温を行っている。
一方、今回の設備修理における停止時においては、焼却炉内におき火を残し、ある程度、温度が高い状態を維持したまま修理を行った。
修理完了後の再稼働時は、焼却炉内の温度が高く、ゴミの燃焼に伴い、急激に温度が上昇することになる。
このため、煙突内の温度変化も、通常の立上げ処理と比べ急激になり、併せて煙突が急激に膨張し、生成していた鉄錆がはがれやすい状態になり、煙突から飛散したと考えられる。
なお、北清掃工場は平成19年度から、長期責任型運営維持管理を行っているTエコクリエイション株式会社により、維持管理が行われている。
工場の煙突については、維持管理開始以降、煙突全体の目視点検および鉄錆の除去が行われていたが、平成25年度から煙突内の点検が煙突頂部からの目視点検に変更され、現在に至っている。
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https://www.city.chiba.jp/somu/shichokoshitsu/hisho/hodo/documents/230510-1.pdf
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。