2016年1月9日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5544/
(2018年2月6日 修正1 ;追記)
2018年1月30日付で埼玉新聞から、通常より濃い?多い?硝酸を加えたため大量にガスが発生したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
タンク内に付着した銀を硝酸を使って洗浄作業する際、硝酸の濃度を確認しないなど適正な管理を怠って破裂事故を起こし、派遣社員2名を死亡させたとして、県警捜査1課と本庄署は30日、業務上過失致死の疑いで、同社の排水工程の担当課長(43)と、44歳と35歳の社員2人の男性計3人をさいたま地検に書類送検した。
同課によると、硝酸の濃度は10%程度で行うのが通常だが、このときは30%を超えていた。
3日から銀粉の製造工程が本格稼働するため、間に合わせようと、通常より多い硝酸を使ったという。
そのため、大量の有毒ガスが発生し、破裂事故が起きた。
事故当時、現場に不在だった担当課長は、事故を起こさないための具体的な指示を出していなかった。
出典
『タンク破裂で2人死亡、本庄の工場 適正な管理怠る…大量の有毒ガス発生 3人を書類送検』
http://www.saitama-np.co.jp/news/2018/01/31/02_.html
1月30日14時58分にNHK首都圏からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
硝酸を使って洗浄していたタンクの一部が破裂し、作業員2人が漏れ出した有毒ガスを吸い込んで死亡した
警察が捜査を進めたところ、けがをした2人とは別の44歳と35歳の作業員2人が、タンクの洗浄作業で通常のおよそ3倍の硝酸を使ったために大量の有毒ガスが発生し、タンク内の気圧が上昇して破裂したことが分かった。
調べに対しこれらの作業員は、「タンク内に付着した銀がなかなか落ちなかったので、危険だとはわかっていたが大量の硝酸を加えた」と説明しているという。
また、43歳の担当の課長も、大量の硝酸を加えることが危険だと知っていたにも関わらず、事故を防ぐための具体的な指示を出していなかったという。
出典
『化学工場破裂 作業員ら書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180130/0007249.html
1月30日15時41分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
銀粉の製造過程で出た廃水を処理するタンクののぞき窓が破損し、窓前方の部屋で作業していた当時42歳と22歳の男性作業員が中毒死した。
捜査1課によると、書類送検した作業員2人はタンクを洗浄中、注入する薬品の分量を誤り、多量の窒素酸化物ガスを発生させてタンクを破損させた疑いがある。
作業していた2人は、タンク内に付着した銀粉を溶かすため、硝酸液を注入していたが、十分な化学反応が起きなかったため、多く注入しすぎて多量のガスが発生したとみられるという。
出典
『有毒ガス中毒死事故、現場作業員ら3人を書類送検』
https://www.asahi.com/articles/ASL1Y7SVWL1YUTNB01L.html
1月30日22時3分にFNNニュースからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
硝酸の濃度が高いままで使用すると危険だと知っていたにもかかわらず、マニュアルの3倍以上の濃度の硝酸でタンク内の洗浄するなどして事故を引き起こし、作業員2人を死亡させた疑いで書類送検された。
3人は、「作業を早めるために、高い濃度の硝酸を使ってしまった」などと容疑を認めている。
出典
『タンク破裂事故で書類送検 作業員2人死亡』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00383500.html
1月31日10時41分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
書類送検容疑は平成28年1月2~3日、同社でタンク内部に付着した銀を硝酸で洗浄する作業中、同社で規定した濃度を超えた硝酸を使ったなどとしている。
同社は再発防止策として、硝酸を使った排水処理の工程をやめた。
出典
『埼玉・本庄タンク破裂 労基署が会社と責任者を送検』
http://www.sankei.com/affairs/news/180131/afr1801310011-n1.html
(ブログ者コメント)
濃度10%の硝酸液を使うべきところ30%超の硝酸液を使ったことが原因か?
それとも、所定の量以上の硝酸液を加えたことが原因か?
あるいは両方?
報道された内容からは、いずれが正か不明だ。
(2018年2月12日 修正2 ;追記)
2018年1月31日付で朝日新聞埼玉版(聞蔵)から、業績好調で洗浄を先送りしてきたことなどが背景にあるかもといった、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
通常、一度使った処理液は全て排出してから洗浄をやり直すが、事故時は半分だけ排出して新しい液を足していた。
タンクは事故まで462日間洗浄されておらず、銀粉が大量に付着して、廃水処理能力が通常の半分ほどに落ちていたという。
工場は正月の休み態勢で、3日朝から銀粉製造が本格的に再開する予定だった。
作業員の1人は、「翌朝までに洗浄を終わらせるため、硝酸を大量に投入した」と話しているという。
同社によると、銀粉はソーラーパネルの電極に使われ、世界シェアの約8割を占める。
捜査一課は、会社の業績が好調だったために製造ラインを止めず洗浄を先送りしてきたことや、急いで洗浄を終わらせようとしたことが事故の背景にあるとみている。
(2018年6月29日 修正3 ;追記)
2018年6月26日18時46分にNHK埼玉から、書類送検されていた3人が不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
業務上過失致死の疑いで書類送検された担当の課長ら3人について、検察は不起訴とした。
不起訴の理由については明らかにしていない。
出典
『工場事故で送検の3人不起訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/20180626/1100002597.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。