1.総括
2015年、産業界とその周辺では、重大事故と呼ばれるような非常に大きな事故は発生しなかった。
ただ、傾向的にみれば、安全以外の案件も含め、結構大きなデータ偽装が数多く発覚した年だった。
2.ブログ者が選んだ2015年の比較的大きな事故
以下は、ブログ者が大きいと感じた順。
①苫小牧沖のカーフェリーで火災、消火中の航海士が死亡(7月31日)
(第1報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5098/
(第2報 修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5196/
②苫小牧市のキノコ工場で火災、シアン中毒で4人死亡(4月26日)
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4834/
(2/2 修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4835/
③仙北市の温泉で硫化水素中毒で3人死亡(3月18日)
(第1報 1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4716/
(第1報 2/2 修正4)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4717/
(第2報 修正5)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5490/
④江戸川区の首都高で橋桁塗装工事中に研磨火花で出火、2名死亡(2月16日)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4639/
[番外]
①天津市の化学物質保管倉庫で大爆発、死者100人以上(8月12日)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5135/
②台湾のイベント会場で着色コーンスターチが粉塵爆発、数100人死傷(6月27日)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5003/
③東日本豪雨で常総市と大崎市の川の堤防が決壊し甚大な被害(9月10~11日)
(URL添付省略)
④調布市で小型飛行機が民家に墜落、8人死傷(7月26日)
(URL添付省略)
3.2015年の事故・トラブルの傾向
狭義の産業安全としては、特に大きな傾向は見られなかった。
ほとんどの事故が、例えば、他の作業員が動かした機械に挟まれたといった、似たような事故がまた起きてしまった的な事故だった。
以下は、広義の産業安全を含めた、事故・トラブルの傾向。
(1)安全に関するデータの偽装事例が数多く発覚した。
以下は、印象が強かった順。
①横浜市の大型マンションが杭打ちデータ偽装で傾く(10月)
(URL添付省略)
②福井市の会社が溶接不十分を承知で橋の耐震部品を大量に製造(8月)
(URL添付省略)
③東洋ゴム工業が防振ゴム品質データを偽装(10月)
(URL添付省略)
④大分市の検査会社が橋桁落下防止装置の不良品を合格品扱い(12月)
(URL添付省略)
[関連事例]
以下は、安全とは関係ない事例。
①秋田市の肥料会社が20年以上成分を偽装(11月)
②今治市の会社が未認定タオルを今治タオルとして出荷(12月)
③いわき市の発電所で排ガス量を15年虚偽報告(12月)
④熊本市の化血研が長年血液製剤を不正製造(5月)
※ブログ未掲載
(2/4へ続く)
重大事故と呼ばれるような非常に大きな事故は発生しなかった。との印象は全く同感ですが、職場の安全サイトによると昨年の労災死亡者は827名で多くの方々が尊い命を落とされています。遺族の方々の悲しみとご苦労を思うと胸が痛みます。
職場の安全を守ろうと努力されている方々が、本ブログに気付き、毎日目を通して何かに気付いて欲しいと心から願っています。事故災害を未然に防止する人を私はトラブルプリベンターと呼び、その方々にスポットライトを当てて欲しいと祈っています。
今年も本ブログ頼りにしていますので、宜しくお願いします。
トラブルプリベンターの方々の活動が奏功した事例についても、目に留まったものは紹介していきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします。
魚田慎二
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。