2018年2月11日6時23分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県坂井市で今月7日、雪に埋もれた軽乗用車に乗っていた富山県の男性会社員(19)が一酸化炭素中毒で死亡する事故があり、この男性による110番の約6時間前、福井県が県警から現場周辺の立ち往生車両に関する通報について連絡を受けたにもかかわらず、委託先の除雪業者に伝えていなかったことがわかった。
記録を紛失するミスのためで、県はこの結果、男性の発見が遅れた可能性もあるとして、詳しい経緯を調べている。
県警によると、男性は7日午後6時40分頃、坂井市の国道364号で、県の委託を受けた除雪作業員に車内で倒れているところを発見された。
死亡推定時刻は同日正午頃で、高さ約1.5mまで積もった雪で車のマフラーが塞がれ、排ガスが車内に充満したとみられる。
最初の110番は7日午前3時頃。
死亡した男性の車から約1km離れた場所で動けなくなった車の運転手から「自分を含め、6台ほど立ち往生している」と通報があり、県警が県に除雪を要請した。
しかし県は、その際、要請内容を記したメモを紛失し、除雪業者に連絡しなかったという。
死亡した男性は午前9時25分ごろに110番し、「雪に乗り上げた」と伝えたが、県警は「男性は『体調の問題はない』と話しており、周辺の除雪は要請済み」として、改めて県には伝えなかった。
通常、警察や消防に車の立ち往生に関する通報があった場合は県に連絡し、県が除雪業者に場所や台数を伝えている。
当時、県は地元消防に寄せられた別の立ち往生車両の通報に基づき、業者に除雪作業を指示しており、当初の連絡が伝わっていれば、男性を発見できた可能性があるという。
出典
『車立ち往生、除雪業者に情報伝えず…記録紛失で』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180210-OYT1T50134.html?from=ycont_top_txt
2月10日9時59分にNHK福井からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は、発見される9時間ほど前に「雪山に乗り上げ動けない」と110番通報していて、これに対し警察は「除雪業者が向かっているので待っていて下さい」と伝えたということだが、警察はその情報を道路を管理する福井県に伝えていなかったことが、県と警察への取材でわかった。
この現場の近くでは、ほかにも車が立往生していて、県から委託を受けて除雪作業をしていた業者が通報から約4時間後に、偶然、雪に埋もれた男性の車を見つけていたが、外からは車の中の人の姿は見えず、別の車の除雪作業のため、その場を離れたという。
道路を管理する県三国土木事務所は、NHKの取材に対して、「男性からの通報について連絡を受けていれば対応できた可能性がある」と話している。
出典
『一酸化炭素中毒死情報共有されず』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055179241.html
2月10日21時11分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警によると、男性は7日午前9時20分ごろ、「車が雪に乗り上げて動けない。ガソリンは半分ある。JAF(日本自動車連盟)の救出を待っている」と110番した。
現場近くでは、当時、同様の通報が複数あり、既に県の土木事務所に連絡していたため、男性の情報は伝えなかったという。
県警によると、県が管理する道路で異常を把握した際、通常は県に連絡するが、同様の複数事案が同時に起きた場合に逐一報告するよう定めた取り決めはないという。
出典
『死亡男性の110番通報を県に伝えず』
http://www.sankei.com/west/news/180210/wst1802100067-n1.html
2月11日7時30分に福井新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三国土木事務所が、現場周辺で別の車の立ち往生を7日未明に把握しながら、除雪の指示は正午まで遅れたことが、10日、三国土木への取材で分かった。
当時の除雪対応について三国土木は、国道364号の南側入り口に至る県道が渋滞しており、現場にたどり着ける業者を見つけて除雪を指示したのが正午になったと説明。
「各地で大型車の立ち往生が相次ぎ、国道364号に手が回らなかった」としている。
110番通報を受けた県警通信指令課と坂井署が、男性に一酸化炭素中毒への注意を促していなかったことも判明。
坂井署は通報の約2時間半後から複数回電話したが、つながらなかったという。
男性は滋賀県内を6日に出発、富山県内の自宅に向かっていた。
三国土木から除雪を指示された業者の作業員が7日午後6時40分ごろ、坂井市丸岡町上竹田の国道364号近庄トンネル北側400mの軽乗用車内で発見した。
出典
『車中19歳死亡、除雪指示大幅遅れ 一酸化炭素中毒への注意せず』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/292904
2月11日付で毎日新聞福井版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
坂井署によると、死亡推定時刻は7日正午ごろで、死因は一酸化炭素中毒と低体温症だった。
男性は7日午前9時20分ごろ、「午前0時ごろ、雪山に車が乗り上げた。JAFを呼んだが、まだ来ない」と通報した。
同署は「除雪車が来たら手を振って合図してほしい」と助言。
先に別の車両から通報を受け、現場付近の除雪を県に要請していたため、男性の情報は県に伝えなかった。
三国土木事務所によると、現場付近には6日未明~7日早朝に除雪車が入っていたが、男性が110番通報した時間帯は業者を手配できずに除雪を中断。
7日午後から再開した。
出典
『車内から110番通報 立ち往生の死亡男性』
http://mainichi.jp/articles/20180211/ddl/k18/040/150000c
(ブログ者コメント)
この日の北陸地方は大雪で、数多くの情報が錯綜していたのかもしれない。
以下は、大雪状況を伝える記事。
(2月7日13時9分 毎日新聞)
37年ぶりに積雪の深さが130cmを超えた福井市では、6日夕方以降にいったん降りやんだが、7日未明から再び降雪を記録した。
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福井県北部の国道8号では、坂井市丸岡町一本田から石川県加賀市津波倉町にかけ、約20km区間で午前7時時点で車約1200台が立ち往生。
立ち往生の車両は一時、約1500台に上ったが、やや減少している。
ただ、立ち往生の影響で2人が救急搬送され、5人が臨時の救護所に運ばれた。
重症者はいないという。
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出典
『大雪 福井、依然1200台が立ち往生 2人救急搬送』
https://mainichi.jp/articles/20180207/k00/00e/040/278000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。