2021年10月8日12時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都交通局は8日未明、都営新交通システム「日暮里・舎人ライナー」が地震で脱線した状況について明らかにした。
都によると、脱線したのは足立区内を走行していた日暮里発見沼代親水公園行き下り電車(5両編成)。
舎人公園駅を出発直後に地震が発生し、指令室が非常停止ボタンを押して電車を停止させたが、先頭車両に二つある台車のうち、一つが脱線したという。
この事故で車内にいた30代女性が転倒して頭部から出血するなど乗客3人が負傷し、そのうち2人が救急搬送された。
車両は現場に残ったままで、復旧の見込みは不明。
乗客は係員が舎人公園駅まで誘導した。
https://mainichi.jp/articles/20211008/k00/00m/040/037000c
10月8日18時9分にNHK首都圏からは、車両がポイントにさしかかった時に揺れが起きたので脱線したことが考えられる、緊急停止が原因の可能性は低いなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日夜の地震の影響で車両が脱輪した都営の新交通システム、日暮里・舎人ライナーについて、都は、進行方向を切り替えるポイントに車両がさしかかったときに揺れが起きたことで脱輪につながったのでないかとみています。
都によりますと、脱輪した車両は、足立区にある舎人公園駅を出発して150メートルほど進んだ場所で止まりました。
5両編成で、先頭から3両目までが脱輪し、車両が損傷しているため、自力で走行できない状態だということです。
日暮里・舎人ライナーは、鉄道の「軌道」にあたる「走行路」にタイヤが乗った状態で走行しますが、都によりますと、先頭車両のタイヤは走行路から大きく外れて脱輪しているということです。
2両目と3両目は走行路にタイヤが乗っているものの、タイヤの横についている車両が走る方向をコントロールする複数の部品が、「ガイドレール」から外れた状態となっているということです。
「ガイドレール」は、車両を進行方向に誘導するためのレールで、車両が走る走行路の両脇にあります。
脱輪した車両が止まった場所の30メートル手前には、車両の進む方向を切り替えるポイントがあります。
ポイントがある場所は、進行方向を誘導するための「ガイドレール」と車両との接点が片方にしかないということです。
都は、今回脱輪した車両が、このポイントにさしかかったときに地震の揺れが起きたことが、脱輪につながった原因ではないかとみて、詳しく調べています。
今回、司令室にいた運行管理をする司令員が緊急地震速報が出たことをうけて、すべての車両を緊急停止させるボタンを押したということです。
都によりますと、この操作をして脱輪がおきた事例は過去にないことから、都は、緊急停止が脱輪につながった可能性は低いのではないかとみています。
都は、国土交通省の調査が終わったことなどから、このあと、車両を撤去する予定です。
撤去に使うクレーン車の到着を待って作業を始め、8日夜中には車両基地に移したいとしています。
ただ、設備の点検などが必要なため、9日も始発から全線で運転を見合わせる予定です。
都は、現在、都営バスと民間のバスで振り替え輸送をしています。
振り替え輸送での利用は無料です。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20211008/1000071265.html
(2023年2月17日 修正1 ;追記)
2023年2月16日12時56分に読売新聞からは、揺すられて案内輪がガイドレールに乗り上げ、重みでガイドレールが外れて脱輪したなど、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
運輸安全委員会は16日、車両がゆりかごのように揺すられ、車体が浮き上がる「ロッキング脱線」の可能性が高いとする調査報告書を公表した。
浮き上がった弾みで、車輪の逸脱を防ぐ「ガイドレール」が破損し、脱輪したとみている。
ライナーは日暮里―見沼代親水公園間を無人運行で結ぶ。
走行路をゴムタイヤで走る仕組みで、走行路の両脇の高さ約30センチの位置に「ガイドレール」があり、そこに車両側面の「案内輪」が接触することで逸脱を防ぐ。
地震は同年10月7日午後10時41分頃に発生。
列車(5両編成、乗客29人)は舎人公園駅(足立区)を出発直後で、指令員が非常停止させたが、先頭車両前方の車輪が走行路から右側に落ち、乗客8人が頭を強打するなど負傷した。
報告書では、地震で車両が左右に揺すられ、浮き上がった右の案内輪がガイドレールに乗り上げ、重みでガイドレールが外れて脱輪したと分析。
再発防止のため、乗り上げを防ぐ対策を講じるよう都交通局に勧告した。
また、事故時は、揺れが収まった後、脱輪を確認せずに列車への送電を再開したため、電車線付近から火花が散り、煙が車両内に充満した。
これを受け、地震後の再送電を慎重に行うことも求めた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230216-OYT1T50069/
2月17日付で毎日新聞からは、ガイドウエーが脱落したまま走り続けて分岐部にさしかかり、そこには車両を安定して走らせる仕組みがあったが、先頭車両がずれていたため機能しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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報告書などによると、日暮里・舎人ライナーは乗務員が乗車しない無人運転で、事故当日は運転指令区の担当者が地震発生を受け、非常ブレーキを作動させた。
事故のあった車両は完全に停止するまで約10秒かかったという。
日暮里・舎人ライナーは、周囲より高くなった走行路をタイヤを付けた車両が走行する。
走行路から落ちずにルート上を運行するため、左右の壁にガイドウエー(案内軌条)と呼ばれる部品が付き、車両のガイドローラー(案内輪)を当てる仕組みになっている。
この時の地震で大きく列車が揺さぶられ、先頭車両の前台車右側の一部分が右側のガイドウエーに乗り上げる形になった。
右側のガイドウエーはその衝撃で脱落し、先頭車両が少し右側にずれたまま走行を続けた。
列車はそのまま分岐部分に差し掛かった。
分岐では、案内軌条や案内輪とは別の部品だが、同様に車両を安定して走行させる仕組みがあった。
しかし、先頭車両が右側にずれていたため機能しなかった。
このため先頭車両は左右のタイヤの一部が走行路から落ちて脱線した。
また運輸安全委は報告書で、脱線直後に脱線の有無を確認せずに再送電し、電車線の付近から火花が散って車両内に煙が入る状況となったことも指摘。
都交通局に対し、緊急時の対応手順を整理することなどを求めた。
2月16日11時57分にYAHOOニュース(共同通信)からは、手動操作ではなく自動停止していれば分岐部にさしかかる前に列車を停止できた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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報告書では、指令員が手動で非常停止の操作をするのではなく自動化していれば、脱線が発生した分岐部へ進入する前に列車を止められた可能性があるとした。
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当時は手動で非常停止操作をしていたが、自動停止機能があればブレーキの作動が約2秒早まり、約40メートル手前で停車できたと試算。
事故後、都交通局は地震警報が作動すると自動で全列車の非常ブレーキがかかるようにした。
分岐部周辺にある走行路中央部のくぼみを埋める対応も取った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61a1060654ce8bca7673b31e079a3995bf0b9879
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。