2021年10月8日18時37分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省によりますと、7日夜の地震で首都圏を中心に7万5738台のエレベーターが停止し、このうちエレベーターに閉じ込められたケースが、東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県であわせて28件あったということです。
閉じ込められた人たちは、いずれもすでに消防などによって救出されていて、けが人はいないということです。
震度5強を観測した東京・足立区では、老人施設のエレベーターが一時、使えなくなる影響も出ました。
足立区にある5階建ての介護付き有料老人ホームでは、地震のあと、施設内のエレベーターが動かなくなり、職員たちは階段を使ってすべてのフロアを回り、およそ80人の利用者の安否を確認したということです。
施設によりますと、けがなどをした人はいませんでしたが、エレベーターが復旧したのは、地震からおよそ8時間が経った、午前6時半ごろだったといいます。
有料老人ホーム「すいじんの憩」管理者の小田切さん(男性、35歳)は、「エレベーターが動かない間、利用者が急病になったり体調を崩したりしたらどうやって搬送しようと、とても大きな不安を抱えて一夜を過ごしました。水や非常食は十分確保していたのですが、今後はエレベーターが停止したり、管理会社と連絡が取れなくなったりした場合も想定して、災害への備えを進めたいと思います」と話していました。
東京・港区では、地震の影響でビルのエレベーターが停止し、8日夕方の時点でも復旧していないケースが出ています。
住民などからは、「階段での移動は負担が大きく、早く復旧してほしい」という声が相次いでいます。
東京・港区東麻布にある会社の事務所や住居などが入る9階建てのビルでは、地震発生直後からエレベーターが停止しています。
ビルのオーナーの桑原さん(女性、84歳)がエレベーターの保守・点検をしている会社に問い合わせたところ、「復旧作業が必要なエレベーターが多く、このビルで作業を開始できるめどはまだ立たない」と説明されたということです。
そして、その後、「復旧作業はきょうの夜中かあすの明け方になる」と会社から連絡があったということです。
桑原さんはエレベーターの入り口などに停止を知らせる貼り紙をはり、ビルの利用者には階段を使ってほしいと呼びかけています。
また、桑原さんは寝たきりで介護が必要な夫と8階に住んでいます。
夫の往診に訪れた医師や介護ヘルパーは8階まで階段を使い部屋に来てもらいました。
桑原さんは「私もひざが悪くて階段で上り下りするのが大変で困っています。エレベーターがいつになったら動くのか不安な思いです。早く復旧してほしい」と話していました。
また、このビルの3階に来月から新たに事務所を開設する予定のシステム開発会社の社長をつとめる小山内さんは午前、いす12脚やパーテーションなどが運送会社から配達されました。
しかしエレベーターは停止したままで、運送会社の担当者と2人で階段を10往復以上して運んだということです。
小山内さんは、「大きな荷物だったので、階段で運ぶのはとても大変でした。各地のビルでエレベーターが止まっているのでしかたがないとは思いますが、早く復旧してほしいと思います」と話していました。
国土交通省によりますと、エレベーターには2009年9月からは「地震時管制運転装置」の設置が義務づけられ、地震の最初の揺れを感じると最寄りの階に停止する仕組みになっています。
そして、揺れがそれほど大きくない場合はエレベーターの扉が開き、利用者の閉じ込めを防ぐということです。
多くのエレベーターは、安全に停止した後、再開させるために技術者による点検が必要です。
技術者は現場に出向いて、エレベーターを動かすためのロープやおもりに異常がないかなどを確認したうえ、試運転をするということです。
しかし、ビルの階数が高いほど、試運転での確認に長い時間が必要となり、技術者は階段を使うため、作業のための移動にも時間がかかります。
このため、建物によっては、エレベーターの復旧作業には時間がかかるということです。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20211008/1000071267.html
10月8日12時3分にNHK千葉からは、病院など優先度の高い順に復旧作業を進めているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
エレベーターの保守・点検をしている複数の会社によりますと、都内を中心に、いまも多くのマンションや商業ビルでエレベーターが止まっているということで、各社が復旧作業を急いでいます。
このうち、関東圏で保守・点検をしている会社では、地震の影響でおよそ4300台が停止し、午前9時現在で、およそ1200台が停止しているということです。
また、別の会社では、午前9時までで最大1万9000台が停止し、復旧作業を続けているということです。
会社の担当者などによりますと、復旧作業は病院など優先度の高い順から始めているということですが、建物に被害があって安全性が確認できないとかビルのオーナーと連絡が取れないといった理由で作業を進められないケースもあるということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20211008/1080016207.html
(ブログ者コメント)
東日本大震災時、他の甚大な被害のほうに関心が向き、エレベーターが多数動かなくなったという話しは記憶にない。
そこで今回、改めて調べてところ、1都1道19県で閉じ込められたのは210件、被害に遭ったのは調査37万台中、9000件という情報が見つかった。
(以下の資料の16ページ)
『首都直下地震時における 災害応急対策の主な課題』
平成24年7月 内閣府(防災担当)
http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg/5/pdf/4.pdf
ただ、停止した台数については、情報を見つけることができなかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。