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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202438530分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

自動車の安全性を確認する衝突試験の「男性目線」が、女性の死傷率の高さにつながっているのではないか。

そんな疑問が海外で広がり、見直しに向けた議論が始まっている。

試験にはこれまで主に、成人男性の体格を基準としたダミー人形が使われてきた。

そこで何が見落とされてきたのか。

「運転中の事故によるけがのしやすさは、男性より女性が1.45倍高いことが、毎日新聞の分析で浮かび上がりました。
ハッキリとした原因は分かりませんが、背景には長年「男性目線」で行われてきた衝突試験が影響しているようです。
(全2回の第1回))」

「衝突試験のダミーは、女性や高齢者など多様な人々を適切に代表しているとは限らない」

米会計検査院は2023年、ダミーの不備をこう指摘し、適切な対策をとるよう運輸省に勧告した。

検査院が勧告の根拠としたのは、運輸省がまとめた男女の死傷リスクに関する二つの研究だ。

13年の研究では、197510年に同様の条件で発生した衝突事故を分析した。

運転席または助手席に座っていた人の死亡率を男女で比べたところ、女性の方が17%(推定値、以下同)高くなった。

負傷率も、女性が男性を胸で26%、首で45%、腕で58%、脚で80%上回った。

22年の研究では、1520年に製造された車での男女の死亡率を比較し、女性の方が29%高いと指摘している。

近年でも、女性の死傷リスクの高さは変わらない。

なぜ死傷率に性差が生じるのか。

検査院は運輸省の分析などを引用し、「男性に比べて女性は身長が低い。シート前方に座る必要があるため、車の前方に脚が近付くことになり、脚の負傷リスクを高めている」、「女性は男性に比べて骨が弱く、(頭の大きさに比例して)首が小さい」と、男女の違いに言及する。

一方で「研究が不足しており理由が分からない」とするメーカー関係者らの声も紹介している。

検査院は、ダミーの性能に着目した。

00年代に入り、運輸省が衝突試験の一部で運転席への女性ダミー使用を義務付けたところ、女性の負傷率が下がったとする研究があったためだ。

ダミーは50年代に誕生し、「男性優先」で開発が進められてきた。

長く、成人男性の平均的な体格に合わせたダミーが使われてきた。

80年代には一部の研究者が女性の平均的な体格を考慮したダミーを作ることを提唱したが、立ち消えになった。

米国では現在、運転席に男性と女性の計2種類のダミーが用いられているが、検査院は今も残る課題を報告書で指摘する。

一つ目はダミーの大きさ。

男性ダミーは成人の平均に合わせて作られているが、女性ダミーは平均よりもかなり小さい。

これは、二つのダミーの間に位置する体形の人を、広く保護できると考えられていたためだ。

だが、自動車安全の専門家で男女差研究の第一人者でもあるスウェーデン国立道路交通研究所のアストリッド・リンダー教授は、「女性の負傷リスクの方が高いことが分かった現在、男女ともに平均的なダミーをそろえれば、男女それぞれの安全性を詳細に見極められる」と語る。

二つ目は形状だ。

報告書は「女性ダミーは基本的に男性ダミーの縮小版。男性に比べて筋肉量は少ないほか、重心が低く、腰の幅も広いといった女性の一般的な生理学上の違いを反映していない」とする。

他にも、女性の負傷率が高い脚のデータを収集するセンサーがない、といった課題を挙げている。

ただ、より高性能なダミーの開発では、今も男性ダミーが先行している。

運輸省関係者は、検査院の調査に「死者の大多数を男性が占めていたから。小さな女性ダミーに合わせて、計器やセンサーを修正するのも難しい」と語ったという。

運輸省は、02年には女性が事故で脚を負傷しやすく、長期的な障害を負う危険性が高いことを把握していた。

検査院は「20年前に女性のリスクが高いことを認識していた運輸省の対応は不完全」と、改善を求めている。

見直しに向けた動きも進みつつある。

スウェーデンでは、国立道路交通研究所が大手自動車メーカー「ボルボ」などと共同で、これまで存在しなかった平均的な女性ダミーの開発を進めている。

既に試作品はできており、ボルボ社では実際に使った試験にも取り組んでいるという。

普及すれば、衝突試験と負傷リスクの性差に関連があるかどうかが見えてくるのか。

リンダー教授は「10年後のデータを見れば、説明できるでしょう」と話す。


https://mainichi.jp/articles/20240307/k00/00m/040/190000c

 

(2024年4月4日 修正1 ;追記)

2024431828分に毎日新聞からは、国内主要自動車メーカー8社のうち7社が「保安基準」では求められていない女性体形ダミーを衝突試験に使用しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

国内のメーカーは1994年以降、衝突試験を実施して、道路運送車両法に基づく「保安基準」をクリアすることが義務付けられている。

国連が定めた共通の国際基準に準じた内容で、欧州各国とも共通だ。

保安基準では、車の前面をぶつける試験の場合、運転席に平均的な成人男性を模したダミー(身長175センチ、体重78キロ)を使うよう指定されている。

 

【主要8社中7社が女性ダミーも使用】

一方、こうした最低限クリアすべき保安基準を超えて、独自の基準を設けているメーカーもある。

毎日新聞は2月、国内の主要メーカー8社(▽スズキ▽SUBARU(スバル)▽ダイハツ工業▽トヨタ自動車▽日産自動車▽ホンダ▽マツダ▽三菱自動車。50音順)にアンケートを実施し、全社から回答を得た。

「前面衝突試験の際、普通乗用車の運転席に女性体形のダミーを使用しているか」を尋ねると、保安基準では求められていないものの、マツダ以外の7社が「使用している」と回答した。

導入時期や理由については、トヨタは90年ごろから「小柄な女性乗員の安全性を評価するため」に乗せ始めたとした。

スズキは98年ごろから、ダイハツ工業は2013年、スバルは14年から、それぞれ使い始めたと答えた。

日産は244月に生産開始される国内専用車の開発から導入していると回答した。

ダミーの種類を問うと、三菱自動車とホンダ以外の5社が回答し、いずれも小柄な成人女性ダミー(身長145センチ、体重49キロ)だった。

これは、商品化されている成人女性ダミーでは唯一のサイズで、平均的な成人女性よりもかなり小さい。

男性ダミーは成人の平均に合わせている一方、女性ダミーが小柄な成人に合わせて作製・使用されている理由について、あるメーカーの担当者は、「(二つの体形の間に位置する)幅広い層をカバーできる」と説明した。

 

【ボルボは女性のデータ重視】

一方、こうした国内メーカーと少し異なる取り組みを進めるメーカーが海外にある。

スウェーデンに本社を置くボルボだ。

・・・

 

【女性の負傷率、2023年は男性の1.46倍】

・・・

https://mainichi.jp/articles/20240402/k00/00m/040/057000c

 

 

  

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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