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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2018222020分にNHK奈良から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

近畿日本鉄道が、シカなどの野生動物を電車がはねる事故を防ごうと、大阪線の宇陀市内の区間に、動物が嫌う超音波を出す特殊な装置を設置したところ、事故が大幅に減少し効果を発揮している。


大阪から奈良県を通って名古屋までを結ぶ近鉄大阪線は、線路内に立ち入る鹿などの野生動物を列車がはねる事故が多発し、平成27年には年間224件の事故が起きて、たびたびダイヤが乱れていた。


このため近鉄は、おととし三重県津市に、去年3月に宇陀市内の区間に、「シカ踏切」と呼ばれるシステムを開発して設置した。


「シカ踏切」は、遮断機の代わりに動物が嫌う超音波を出して、列車が運行される時間帯には鹿が線路に入らないようにし、列車が走らない深夜などには超音波を止めて鹿を通す仕組み。


おととし「シカ踏切」が設置された三重県津市の東青山駅付近では、前の年に17件あった衝突件数が去年は1件まで減ったほか、宇陀市の榛原駅と室生口大野駅の区間でも、年間20件から30件ほどあった事故が、「シカ踏切」を設置した去年3月以降は7件へと大幅に減ったという。

近鉄八木信号区の坂本助役は、「効果は絶大と捉えている。鉄道と鹿の双方にとってよい試みで、ほかの場所にも設置していく方向で検討したい」と話している。

 

 

(以下はナレーションの趣旨)

 

鹿による事故を防ごうと近鉄は、事故の多い区間の線路沿いにロープを設置するなど、試行錯誤を繰り返してきた。

ところが、鹿はロープをくぐって線路に侵入。

効果はなかった。

 

そこで今度は、線路わきに張ったロープやネットにあえて隙間を作った。

この隙間を通って鹿が線路を渡って自由に行き来できるようにしたのだ。

名付けて「シカ踏切り」。

 

踏切りといっても、遮断機はない。

その代わりに役目を果たすのが、動物が嫌がる超音波を発する設備だ。

 

こちらは津市の「シカ踏切り」の映像。

電車が通り、超音波が出ている間は、鹿は線路に入ってこない。

ところが、超音波が鳴りやんで1分ほどすると、鹿たちは次々と線路を渡っている。

 

近鉄によると、「シカ踏切り」の装置が出す超音波は人に害はないという。

 

出典

事故防止「シカ踏切」が効果

http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2054883011.html 

 

 

 

少し昔の記事だが、201711171213分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。

 

野生のシカとの接触事故に頭を抱えていた近畿日本鉄道が、運行時間外にあえて線路を渡れるようにする「シカ踏切」を導入した。

侵入しないように排除するのではなく、共存を目指したところ、事故は激減し、対策に光明が差してきた。

効果の裏には、シカの目線で取り組んだ鉄道マンの「優しさ」があった。

 

「シカ踏切」は、線路脇に張った高さ約2mの獣害防止ネットの一部に、幅20~50mの隙間を作る仕組み。

 

シカは日中は移動しないため、事故は起きない。

危険が高い早朝や夜間の運行時間帯だけ、隙間にシカが嫌がる超音波を発して侵入させないようにし、終電から始発までは発信しないで、自由に線路内に入れるようにする。

 

これまでの鉄道各社の主なシカ対策は、侵入防止ロープや赤色LED灯の設置、野獣の糞尿をまくなど、線路から遠ざけようとするものだった。

しかし、目立った効果はなく、国交省によると、シカなどの野生動物との接触事故が原因となった運休や30分以上の遅れは、昨年度に過去最多の613件(前年度比185件増)に上った。

 

特に、山間部の路線を多く抱える近鉄は深刻で、シカとの接触事故は全線で2004年に57件だったのに対し、15年は約5倍の288件にまで増えた。

 

「またシカでダイヤが乱れた」。

運転指令担当の同僚の嘆きを聞いた近鉄名古屋統括部電気課の匹田さん(48)は15年秋、シカの実態を調べ始めた。

線路を挟んだ両側に生息域を示す足跡やフンなどが見つかり、鉄分の補給で線路をなめる習性も確認した。

 

監視カメラには、衝撃的な映像が残されていた。

夜間、親子のシカが線路を渡り、小ジカ3頭のうち最後尾にいた1頭がはねられた。

親は約40分間、その場を離れずに、倒れた小ジカを見つめ続けていたという。

 

事故撲滅への思いを強く抱いた匹田さん。

「いくら締め出しても、線路に入ってくる。シカにも『踏切り』があればいい。」

逆転の発想がひらめいた。

 

・・・・・

 

出典

『シカ思いの踏切、近鉄導入 悲しむ親ジカ見て…社員発想』

https://www.asahi.com/articles/ASKCB40WWKCBPTIL00J.html

 

 

201711690分に毎日新聞からは、「シカ踏切」がグッドデザイン賞に選ばれたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

近鉄が昨年以降、津市などで設置した「シカ踏切」が、列車と鹿の接触事故防止に効果を発揮している。

 

線路をまたぐ形で鹿の生息域が存在していることを重視。

生息域内を行き来する鹿の侵入を完全に防ぐのではなく、列車の通らない時間帯に踏切を渡ってもらう「逆転の発想」で事故を急減させた。

 

「人間だけでなく、鹿にも安全な踏切が必要。鹿の目線で問題を捉えた」点が評価され、今年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会の主催)に選ばれた。

 

・・・・

 

出典

『近鉄「シカ踏切り」 深夜に渡って…超音波で線路内侵入調整』

https://mainichi.jp/articles/20171106/k00/00m/040/109000c 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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