2021年11月6日22時2分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都調布市内を走行していた京王線の特急電車内で乗客17人が重軽傷を負った事件は、7日で発生から1週間になる。
8月の小田急線に続き、車両内で乗客が襲われる事件が起きたことを受け、国や鉄道各社は乗客の安全対策の拡充の検討を始めた。
だが、その柱の一つとなる車内への防犯カメラの設置率は、各社で5~100%とばらつきがあることが毎日新聞の取材で判明した。
事件から見えてきた課題を探った。
JR東日本と、首都圏の大手私鉄9社に取材した。
約1250車両すべてに防犯カメラが設置されているのは東急電鉄だ。
暗号化したカメラの画像データを通信することで、同社の運輸司令所などですべての車内の状況を迅速に把握できるという。
JR東日本も首都圏を走行する約9000車両すべてに搭載済みで、管内全体でも「約8割」で導入する。
ただ、この2社を除けば、設置率は50%を下回る。
事件が起きた京王電鉄は「17%」、小田急電鉄は「21%」だった。
京王は「いきなり(導入を進める)というのは物理的な限界もあるが、検討課題には挙がっている項目だ」、小田急は「新車両に導入しているが、既存車両にも設置を検討している」と説明する。
東京メトロは「約4割」で、課題として「設置するための改修工事に時間がかかる」ことを挙げた。
「約5%」で最も割合が低かった京急電鉄も、設置が進まない理由を「既存車両に設置する際に工事等が発生し、施工中に車両が活用できなくなる」とした。
新車両への防犯カメラの設置は、多くの鉄道会社が進めている。
ただ、既存車両への取り付けについては、設置費用に加え、工事期間中に車両が使えないことなどが課題になっているようだ。
ある私鉄の担当者は「コロナ禍に伴う収入減で、費用のかかる防犯カメラなどの安全対策に二の足を踏むことがないとは言えない」と吐露した。
防犯カメラは、どれほど犯罪を防ぐ効果があるのか。
危機管理に詳しい板橋功・公共政策調査会研究センター長は、確定的な殺意を持って襲撃する人物への「抑止効果は乏しい」とする。
ただ、「車内の様子を確認できるモニタリング機能を備えたカメラがあれば、乗務員は瞬時に状況を把握し、乗客を効率的に避難誘導できる」と強調する。
京王線の事件で殺人未遂容疑で逮捕された服部容疑者(24)は、「小田急線は事件の後に警備が強化されていると思い、京王線を狙った」と供述。
捜査幹部は「安全対策の強化は犯罪抑止につながる」と指摘する。
国は鉄道会社への財政的な支援を検討しているが、板橋氏は「防犯カメラ設置費用の補助などの支援策を国や自治体は早急に考えるべきだ」と話す。
https://mainichi.jp/articles/20211106/k00/00m/040/265000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。