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6月9日付で毎日新聞東京版からは、今回事案の発覚経緯など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
発覚のきっかけは昨年7月。
50代の男性が他の病院で肺がんの疑いがあると告げられ、千葉大病院で検査を受けた。
約1年前にも、同病院でCT検査を受けていた。
放射線診断専門医が当時作成した画像診断報告書を医師が確認したところ、「肺がんの疑いがある」と書かれていた。
担当医が記載を見落とし、専門分野の首や頭しか注目していなかったことが原因だった。
病院側は、「報告書を確認するという担当医の認識が不足していたため」としている。
さらに同様のミスが見つかったため、同11月に院内調査を始めた。
結果、2013年以降、9人の患者ががんと診断されていなかったことが発覚。
死亡した2人を含む5人について、報告書を見落としていたほか、2人については担当医が専門医に画像診断を依頼していなかった。
また、専門医による報告書作成が遅れて担当医が確認しなかったり、専門医による報告書が作成されていなかったりしたケースが患者1人ずつであった。
同病院におけるCT検査などの画像診断は、年約6万件に上る。
うち、担当医が「広く診断を確認する必要がある」と判断した約4万件について、専門医に画像診断を依頼している。
専門医は、頭部から胸部、腹部など、全身の画像診断を行う。
だが、対応する専門医は常勤5人、非常勤5人の計10人のみで、対応が追いついていなかった。
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見落とし防止に取り組む病院もある。
東京慈恵会医科大病院(東京都港区)では、画像診断報告書の見落としで患者が死亡した問題を受け、今年4月から年15万件のCT画像の診断報告書などを患者に手渡して、再発防止に努めている。
大船中央病院(神奈川県鎌倉市)では、画像診断報告書を読まない限り、主治医の電子カルテに警告が繰り返される。
青木・診療放射線技師は、「こうしたシステムの活用も、見落としの防止に役立つ」と話す。
一方、厚労省は「千葉大の報告を踏まえて今後の対応を検討する」としている。
出典
『千葉大病院 がん見落とし 報告書、担当医が確認不足 専門分野のみに注目』
https://mainichi.jp/articles/20180609/ddm/041/040/134000c
(2019年1月22日 修正1 ;追記)
2019年1月21日12時19分にNHK千葉から、再発防止策としての診断医増員は専門医不足で進んでいないという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院は、この問題を明らかにした際、画像診断を行う「放射線診断医」と呼ばれる専門医の不足が原因の1つだったとして、再発防止策として、画像診断の専門部署を新設し、常勤の専門医をそれまでの5人から10人に増やすとしていた。
しかし、これまでに新たに採用できたのは専門部署の責任者を務める非常勤の医師だけで、常勤の専門医は半年以上がたった現在も増員できていないことがわかった。
病院側は、全国的な専門医の不足が背景にあるとしていて、千葉大学医学部附属病院の市川副院長は、「非常勤で採用したり、CT検査などのシステムを改修して専門医の負担を軽くしたりするなど、できるかぎりの対策を進めたい」と話している。
出典
『がん見落とし 再発防止策進まず』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190121/1080004696.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。