※本件、情報量膨大につき、1/5では事故の概要を、2/5以降では原因等の詳細を
ジャンル分けして紹介する。
2018年12月17日1時35分に北海道新聞から、事故発生を伝える下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午後8時半ごろ、札幌市豊平区平岸3の8の不動産仲介業などテナント3店舗が入居する2階建ての建物で「ガス爆発があり、建物が倒壊している」と通行人から110番があった。
警察や消防によると、入居する不動産仲介業「アパマンショップ平岸駅前店」など2店が倒壊して炎上し、客や従業員、近隣住人ら少なくとも41人が軽傷を負い、1人が重傷を負った。
警察などによると、建物の損壊状況などから、何らかの理由でアパマンショップ平岸駅前店のプロパンガスに引火し、爆発したとみて調べている。
警察などによると、同店に隣接する「北のさかな家 海さくら平岸店」が倒壊し、付近の整骨院も壁などの一部が崩れた。
消防などで、ほかに下敷きなどになった人がいないか調べている。
現場から約50m離れたマンションの窓ガラスなども割れた。
海さくら平岸店の関係者によると、爆発音がした直後に、従業員や客が2階から飛び降りるなどして避難した。
消防は、付近でガス漏れの恐れがあるとして、近隣の住人や店舗に避難を指示し、付近で立ち入り禁止の規制をした。
札幌市は、家のガラスなどが割れた住民に向けた臨時の避難所を「平岸まちづくりセンター」(平岸2の7)に開設した。
現場近くの別の飲食店で食事をしていた札幌市西区の光川さん(男性、42歳)は、「大きな音がして落雷だと思った。その後、周囲で『爆発だ』という声が聞こえ、外に出たら火柱が上がった」と話した。
現場は、札幌市営地下鉄南北線平岸駅から南に約100mのエリアで、国道453号に沿って飲食店やマンションが立ち並ぶ繁華街の一角。
現場周辺で最大240戸が停電した。
出典
『札幌・平岸で爆発、飲食店など倒壊 42人重軽傷』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/258544/
12月19日付で毎日新聞東京版からは、爆発原因等に関する初期の報道記事が下記趣旨でネット配信されていた。
発生元とされる不動産店を運営する「アパマンショップリーシング北海道」の佐藤社長は18日、記者会見し、2日後の店の改装に備え、未使用の消臭スプレー缶約120本を店内で一斉噴射させ、廃棄していたと説明した。
作業した店長(33)と従業員は可燃性を認識していなかったという。
一方、佐藤氏は、店長が顧客複数から料金を受け取りながら、入居時の消臭工事をしていなかったと話していることも明らかにした。
契約通り工事をせず、使用実績を偽るため、未使用缶を大量廃棄した可能性もあり、北海道内全13店を実態調査する方針を示した。
佐藤氏によると、事故のあった平岸駅前店が工事で使用したと報告したのは今年約190本で、爆発時は約160本あった。
通常は50~60本で、「異常な在庫数」という。
関係者によると、同店は月約30本のスプレーを仕入れており、佐藤氏は「(消臭工事数が)増えるほど店舗の売り上げにつながることは間違いない」と話した。
スプレーの仕入れ値は1本約1000円だが、契約者にはスプレーを室内にまく作業の工事費として、最低1万円を請求。
同社の聞き取りに店長らは、工事をしなかった理由を「契約数が多く、工事の時間がなかった」と釈明したという。
スプレーは消臭・除菌効果があり、不動産賃貸業者向けに販売されている。
1回で使い切るタイプで、使用すると200mℓの中身が約4分間噴射される。
スプレーには、可燃性ガスのジメチルエーテルが含まれている。
店長は午後8時過ぎ、店内の机の上にスプレー約120本を並べ、一気に噴出させたと証言。
外で待機後、店内に戻り、湯沸かし器で手を洗おうとした途端に爆発したという。
缶には可燃性を示す説明が書かれていた。
当時、建物内に40人以上がおり、爆発現場とみられる不動産店が跡形もなく大破したにもかかわらず、犠牲者は出なかった。
避難者の証言や専門家の分析では、爆発から本格的な炎上まで10分程度の時間がかかったことに加え、壁が壊れ、床も抜けたため、火勢が増すまでの間、脱出できる偶然が重なったとみられる。
木造2階建ての「酒井ビル」は、壁で隔てられた3店が連なる構造。
当時、南側の不動産店に2人、中央の居酒屋「海さくら平岸店」に40人以上がおり、ほぼ満席だった。
2階にいた複数の利用者などによると、爆風でまず外壁があちこちで崩れた。
居酒屋1階の約20人は、道路側の入り口から脱出した。
約5分後には、不動産店に近い壁付近で出火。
1階への階段に近づけず、2階の壁が壊れた部分から飛び降りる人もいたが、避難しにくくなった。
しかし、その約5分後、2階の床が抜けるなどしたため、地面に下りやすくなり、間一髪で全員が外に脱出できた。
2階で飲食中だった男性(49)によると、壁の断熱材などに火が燃え移ると、炎が一気に広がったという。
男性は、「爆発後5分間くらいは命の危険を感じなかったが、炎がどんどん広がり、多くの客が不動産店側と反対側に逃げたところ、床が落ちた」と話した。
東京理科大の菅原進一名誉教授(建築防災)は、「コンクリート造りの建物は頑丈で、爆風がこもって大規模に破壊された場合の威力が増しやすいが、木造で爆風が外に抜けやすかった。床や壁の崩壊で避難しやすくなった偶然も重なり、死者を出さずにすんだのではないか」と分析した。
爆発で不動産店の店長が重傷、居酒屋の利用者と従業員、住民ら40人は軽傷を負った。
出典
『札幌・豊平の爆発事故 120本、一斉噴射 スプレー、使用実績偽装か』
https://mainichi.jp/articles/20181219/ddm/041/040/103000c
12月20日18時38分にNHK北海道からは、被害状況に関する初期の報道記事が下記趣旨でネット配信されていた。
被害が出た建物は現場周辺の39棟に上っていたことがわかった。
消防によると、建物は最も遠いところでおよそ200m離れているという。
また、けがをした52人は1歳から80代までの男女で、51人が爆風で飛ばされたり、避難しようと建物の2階から飛び降りたりして軽いけがをしたという。
また、けがをした場所については、居酒屋の店内が44人と最も多くなっているが、周辺の飲食店や住宅でも割れたガラスでけがをした人が複数いるほか、近くを通りかかった歩行者や車の中にいた人なども含まれているという。
出典
『爆発・火事 けが人増え52人に』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181220/0006512.html
(2/5へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。