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[4]スプレー缶の仕様、成分
(12月17日20時19分 NHK北海道)
捜査関係者によると、全焼した建物に入る不動産会社の事務所では、静岡市のメーカーが製造した除菌消臭用のスプレー缶を使っていた。
メーカーによると、このスプレー缶は高さがおよそ18cmの200mℓ入りで、中身は植物由来の成分でできており、マツやヒノキなど10種類の樹液が使われているという。
また、可燃性ガスのジメチルエーテルが使われており、スプレーは、一度押すとおよそ4分間にわたって自動で噴射される仕組みになっているという。
使用期限は2年間で、メーカーでは不動産会社の事務所に毎月30本のスプレーを配送していた。
メーカーが行った安全性に関する試験では、噴射したスプレー1本分にライターの火を近づけても爆発しないことが確認されているという。
メーカーの広報担当者は、「初めてのケースなので、事故に関する情報収集を進めたい。また、適正に使用する分には安全であることが確認されているので、不安を払拭できるよう、できるだけ情報を出していきたい」と話している。
出典
『豊平区爆発 スプレー缶の注意点』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181217/0006446.html
(12月18日5時0分 北海道新聞)
DMEは一般的なスプレー製品に用いられており、空気中の濃度が3%程度を超えると爆発する危険がある。
出典
『「スプレー缶ガス少量でも危険」専門家 札幌の爆発』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/258926/
(12月19日18時26分 NHK北海道)
このスプレー缶は、噴射してもガスの臭いがほとんどしないことが、捜査関係者やメーカーへの取材でわかった。
メーカーによると、スプレー缶は可燃性ガスのジメチルエーテルのほか、マツやヒノキなど10種類の樹液が使われていて、噴射した際には木の香りがするという。
出典
『スプレー缶 ガス臭ほとんどせず』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181219/0006488.html
(12月19日17時19分 読売新聞)
消臭スプレーは1缶あたり200mℓ入りで、そのうちDMEは180mℓ含まれているという。
出典
『不動産仲介店の店長「発火は念頭になかった」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181219-OYT1T50077.html
[5]閉め切った室内でガス抜きした理由
(12月18日18時31分 NHK北海道)
スプレー缶は、賃貸住宅で入居者が入れ替わる際などに使う不動産業者向けの製品。
近所に住む40代の女性によると、爆発が起きたおととい正午すぎ、子どもや友人と不動産会社のそばを通りかかった際、「シュー」という音が聞こえ、振り向くと、事務所の裏の屋外で男性2人が両手に白いスプレー缶を持って壁に向かって噴射していたという。
女性の話では、1人は中腰で、1人はしゃがんだ状態で、2人で話をしながら噴射し、足元には6本ほどのスプレー缶が置いてあったという。
また、周辺にはミントのような香りが漂い、一緒にいた友人が目の痛みを訴えたほか、小学生の子どもものどの痛みを訴えたという。
不動産会社によると、2人はその後、通行人の目を気にして、事務所の中で同じ作業をしたという。
出典
『スプレー缶200本余保管か』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181218/0006467.html
(12月23日8時39分 NHK北海道)
店長らは、「白い煙が出るので火事と勘違いされると思い、窓を閉めきっていた」と話しているという。
出典
『爆発 重過失傷害も視野に捜査』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181223/0006584.html
[6] 大量のスプレー缶をガス抜きした背景
(12月21日18時12分 NHK北海道)
警察が現場検証を行った結果、店舗にあったスプレー缶は、会社が在庫の目安としている数の5倍から6倍にあたる、およそ300本に上っていたことが捜査関係者への取材でわかった。
「アパマンショップ」の加盟店で爆発の原因とみられるスプレー缶を取り扱っていた元従業員がNHKの取材に応じ、「利益の底上げのために『消臭抗菌料』の名目で販売していたが、実際には使わずに店に余ることがあった」などと実態を証言した。
今回の爆発の原因とみられるスプレー缶は、仲介する物件の室内を除菌・消臭するためのもので、札幌市豊平区の店舗を運営する「アパマンショップリーシング北海道」によると、仕入れ値が1000円程度のものを、施工代込みで1本1万円から2万円程度で販売していた。
しかし、豊平区の店舗では、客から料金を受け取りながら、実際にはスプレーを使っていないケースがあったという。
「アパマンショップ」の加盟店の元従業員は、同じようなことが勤めていた店でも行われていたと証言した。
元従業員は、「仲介手数料が下がり、売り上げが減る傾向にある中、利益の底上げのために『消臭抗菌料』の名目で販売していた。しかし、施工を行ったかどうかは客にはわからないので、実際にはスプレーを使わず、店に余ることがあった」と話している。
元従業員がいた店では、余ったスプレー缶を従業員らがそれぞれ自宅や車などにため込み、個別に処分していたということで、中には1人で数10本を抱えるケースもあったという。
今回爆発が起きた店舗に大量の在庫があったことについて、この元従業員は、「店ぐるみでやっていたのであれば、大量にあっても不思議ではない」と話している。
その上で、こうしたスプレー缶を取り扱っていることについて、「客にとって本来必要のないものを売らなければ利益が確保できないという不動産業界の環境に根本的な問題があると思う」と話していた。
出典
『スプレー在庫3百本 なぜ大量に』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181221/0006554.html
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。