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[2]周辺の被害状況、爆発の強さ
(12月17日付 毎日新聞東京版)
現場付近は広範囲にがれきやガラスが散らばり、現場から約100m離れた地面にもコンクリート片が飛び散って駐車した車の窓ガラスが割れるなど、爆発の大きさを物語っていた。
北海道電力は事故後、爆発防止のために付近を停電にしたため、17日午前7時前まで最大240戸が停電した。
当時、客や従業員がいた建物では2店が倒壊。
隣接するマンションの玄関はガラスが大破し、マンション前に駐車した3台の自動車の屋根にはがれきが積もり、爆発した側の窓が割れていた。
また道路をはさんだ4階建てのアパートもまんべんなく窓ガラスが割れ、約150m離れた美容室の3階の窓も割れていた。
出典
『札幌・豊平の爆発事故 100メートル先までコンクリ片 住民不安の夜明け』
https://mainichi.jp/articles/20181217/dde/041/040/016000c
(12月19日5時2分 北海道新聞)
現場から北東約15kmのJR江別駅近くに住む20代女性は、一戸建て住宅の居間で家族3人で食事をしていて、遠い雷のような鈍い音を聞いた。
「『ドーン』とこもった音がした。思わず皆、箸が止まった」と振り返る。
北に約7km離れた札幌市東区の一戸建て住宅に住む大学教員田中さん(男性、49歳)は同じ頃、家族5人で居間にいたところ、「屋根の雪が落ちて壁に当たったような『ドン』という音がした」。
約8km離れた地下鉄南北線北34条駅付近のマンション9階では、屋内にいた40代会社員女性が「『ドーン』という花火のような音を聞いた」と話した。
出典
『15キロ先 江別でも爆発音聞こえる』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/259490/
(12月19日9時17分 日本経済新聞)
不動産店から南西約230m先のマンションでは、1階の手動ドアが爆風でずれて閉まらなくなった。
南東に約150m離れた4階建て共同住宅でも、爆発の影響で3階の窓ガラスが窓枠ごと落下し、1階に駐車していた車の後部ガラスが割れる被害があった。
札幌市消防局によると、18日午後時点で、酒井ビルを含む建物34棟、車両25台に被害があり、大半の建物で窓ガラスが割れ、屋根が破損したケースもあった。
出典
『230メートル先にも建物被害 札幌の爆発事故、爆風広範囲に』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39121890Z11C18A2CC0000/?n_cid=NMAIL007
(12月20日5時0分 北海道新聞)
爆風の被害を受けた建物34棟のうち、爆発現場から最も遠いマンションは約250mも離れていた。
早坂洋史・元北大工学部特任准教授(火災科学)は、「音速(海面上で時速1225km)を超える衝撃波を伴う爆轟が起きた可能性がある」と推測する。
爆轟は、ダイナマイトを点火したときなどにも起こる激しい爆発で、発生には室内の可燃性ガスの濃度が高いなどの条件がある。
早坂氏は、「建物が木っ端みじんになり、爆発音が広範囲にわたった点を踏まえると、ガス濃度が高まり、爆轟が起こったと考えてもおかしくない」と話す。
出典
『時速1200キロ超の衝撃波「爆轟」発生か 250メートル先でも被害 札幌爆発』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/260173/
(12月22日19時7分 NHK北海道)
現場付近では、被害を受けた周辺の建物が崩れるおそれがあるため、店舗の前を走る国道453号線では片側2車線がおよそ150mにわたり通行止めとなっていた。
その後、建物の崩壊を食い止める土のうを積むなどの対策がとられ安全が確保できたことから、道路を管理する北海道開発局は22日午後3時半、通行止めを解除した。
通行止めが長引いたことで、付近の店舗では客足が減少するなどの影響も出ていた。
出典
『爆発で通行止めの国道 規制解除』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181222/0006579.html
[3]爆発原因
(12月18日20時53分 朝日新聞)
スプレーを噴射したのは、事故当日の2日後に店の改装を控え、在庫を処分するためだったという。
スプレーは、ボタンを押すと噴射が続き、3~4分で全量が出る。
スプレーの販売業者によると、この消臭スプレーには可燃性の物質が含まれている。
だが、佐藤社長は「店長は可燃性を認識していなかった」とした。
出典
『消臭代1~2万円取ってスプレーせず? 処分後に爆発か』
https://www.asahi.com/articles/ASLDL64FWLDLUTIL054.html
(12月19日18時37分 北海道新聞)
店長は爆発から約30分前の16日午後8時ごろ、店内の休憩室や店舗部分の机などに未使用のスプレー缶計120本を並べ、ボタンを次々と押した。
同店は2日後の18日から全面改装工事を控えていた。
店長は「店内の改装に向け、入社して初めて廃棄した」と話しているという。
出典
『スプレー、内規の3倍の160本保管 札幌・平岸爆発』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/259626/
(12月19日4時36分 NHK NEWS WEB)
不動産会社の別の関係者は、「従業員は白い煙が充満したため、いちど部屋の外に出た。その後、手を洗うために再び部屋に戻ったあとで爆発が起きた」と説明しているという
出典
『爆発30分前からガス抜き 短時間で室内充満か 札幌 爆発事故』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181219/k10011751971000.html
(12月18日1時6分 読売新聞)
従業員2人が、「手を洗おうとして寒かったので、湯沸かし器の火を付けたら爆発した」と話していることが、捜査関係者への取材でわかった。
2人は、「消臭スプレー100数10本を処分するため、室内に噴射したり穴を開けたりしていた」とも話している。
出典
『消臭スプレー100缶超「室内噴射や穴開けた」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181217-OYT1T50092.html?from=ycont_top_txt
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。