2017年10月13日21時51分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都港区六本木のマンション工事現場で鉄パイプが落下し、歩行者の男性が死亡した事故は、14日で発生から1年を迎えた。
警視庁は、業務上過失致死容疑を視野に捜査しているが、その後も同様の事故は続発。
2020年東京五輪・パラリンピックに向け建設需要の高まりが想定される中、業界関係者からは抜本的な対策を求める声が上がっている。
事故は昨年10月14日、11階建てマンションの外壁工事現場で発生。
解体中の足場の鉄パイプ1本が落下し、頭に直撃を受けた通行中の男性(当時77歳)が死亡した。
鉄パイプは留め具が外れて落下した可能性があるが、目撃者の証言と矛盾もあり、警視庁は慎重に捜査している。
厚労省によると、工事現場で足場から資材が落下するなど、「飛来・落下」により作業員が負傷した労災事故は、昨年1年間で1457件あった。
過去5年間では減少傾向にあるが、死亡者数は10~20人台と、横ばいのままだ。
歩行者など第三者が巻き込まれるケースも後を絶たず、平成23年10月には、都内のマンション10階から足場用の鉄パイプが落下し、歩行者の男性が頭を負傷する事故が発生。
今年6月には、大分県で足場用の板が落下して女性が負傷した。
「たまたま下に人がおらず、報告しないケースも無数にある」(建設関連業者)という。
落下事故防止をめぐっては、主に作業員の安全の観点から、法規制が強化されてきた。
21年改正の労働安全衛生規則では、作業開始前に毎回、落下防止設備を点検することを義務づけた。
今年7月からは、足場の組み立てや解体の作業は、有資格者や特別教育を受けた作業員に限定している。
それでも事故が相次ぐ背景には、好況時に建設されたマンションなどが一斉に改修時期を迎え、建設業界が慢性的な人手不足に陥っていることもある。
仮設足場の関連事業者約200社でつくる「全国仮設安全事業協同組合」の杉森安全監理部長は、「安全な足場の設置や必要な点検が、コストや工期の関係から軽視されている現状もある」と指摘。
「来年以降は東京五輪の建設ラッシュも本格化し、経験の浅い人も即戦力扱いせざるを得ない状況が続く。工法そのものを見直すなど、事故を起きにくくする工事環境を整備すべきだ」と訴える。
出典
『落下物による労災事故年間1400件、通行人被害も相次ぐ…背景に人材不足も』
http://www.sankei.com/affairs/news/171013/afr1710130033-n1.html
(ブログ者コメント)
六本木、都内マンション(おそらくは台東区)、大分の各事例は、本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。