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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2017101470分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

昨年4月の熊本地震で倒壊したブロック塀の下敷きになり死亡した熊本市東区のSさん(男性、当時29歳)の遺族が、塀の所有者だった熊本県益城(ましき)町の社会医療法人理事長を、過失致死容疑で熊本県警に告訴する方針を固めた。

月内にも告訴する。

 

熊本地震は14日で発生から1年半となるが、倒壊した工作物を巡って刑事責任を問うケースは初めて。

遺族代理人の今村弁護士は、「ブロック塀は基礎工事がされておらず、倒壊が予見できた」と主張する。

 

告訴状などによると、Sさんは前震があった昨年4月14日夜、益城町内にある職場の同僚宅敷地内にいた。

 

隣の病院との境界には、病院が高さ約2mのコンクリート擁壁の上に長さ約15.6m、高さ約2mのブロック塀を設置。

そのブロック塀が崩れて、下にいたSさんが死亡した。

 

同僚のMさん(女性、58歳)も下敷きとなって左脚を粉砕骨折しており、告訴する意向。

 

ブロック塀を含むコンクリート建造物の耐震基準は、1978年の宮城県沖地震を受けて81年に、「震度6強~7程度の大地震でも倒壊しない」強さにするよう定められた。

 

日本建築学会は、高さ1m以上の擁壁の上にブロック塀を設置する場合は、高さ1.2m以下を推奨している。

 

病院側の説明や謝罪はないといい、Sさんの母(60)は、「息子の人生はこれからだった。ブロック塀の耐震化をよりしっかりして、悲しい思いをする遺族が出ないようにしてほしい」と話す。

 

社会医療法人は、「ご冥福をお祈りする。大災害の中での事故という認識で、説明ができなかったのは情報が不足していたからだ」と話している。

 

東日本大震災では、東京都内の駐車場スロープが崩落して8人が死傷した事故があり、構造設計担当者ら4人が書類送検され、うち1人が業務上過失致死傷罪で在宅起訴された。

1審は有罪だったが、控訴審は「担当者としての義務は尽くされている」として逆転無罪となり、確定した。

 

出典

『熊本地震 塀倒壊で下敷き死 遺族、所有者を刑事告訴へ』

https://mainichi.jp/articles/20171014/k00/00m/040/133000c 

 

 

10141258分に毎日新聞から、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。

 

昨年4月の熊本地震の発生から、14日で1年半になった。

 

Sさんが14日の前震で倒壊したブロック塀の下敷きになって死亡した益城町の事故現場には、Sさんをしのんで花を供える人の姿があった。

 

被災時に一緒に下敷きになり、左脚の骨折による後遺症がある益城町のMさん(58)。

SさんはMさんが勤めていた弁当店の店長だった。

 

ブロック塀はMさん宅と隣の病院の境界にあった。

「暗闇の中、あっという間にブロック塀が落ちてきた。真横にいた店長のおかげで隙間(すきま)ができたが、店長がいなければ私は生きていなかったと思う」と、涙ながらに話した。

 

MさんとSさんの母(60)は、約2mの高さの擁壁上に立てられたブロック塀について「危険な工作物であり、小規模な揺れでも倒壊することが予想できた」として、ブロック塀の所有者だった社会医療法人理事長を、近く、過失致死傷容疑で県警に告訴する意向。

 

Mさんは、「病院からは何の謝罪も説明もない。今後、同じような事態が発生しないためにも、責任の所在をはっきりさせたい」と話し、ビールと花を供えて手を合わせた。

 

出典

『熊本地震 1年半で追悼 ブロック塀の下敷き事故現場』

https://mainichi.jp/articles/20171014/k00/00e/040/175000c 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

地震で壊れたブロック塀による被害の損害賠償については、以下のような記事もあった。

 

Q: 熊本地震で、両親のすむ家のブロック塀が倒れ、隣地の家の外壁を傷つけてしまいました。

隣地の所有者から、外壁の補修費用を請求したいと言われています。

ブロック塀は30年前に建てられ、両親の家の敷地内に設置されています。

長さの詳細は分かりませんが、高さは4段です。

両親が支払うべきなのでしょうか。

 

A:熊本地震で当地では、416日の本震と14日の前震とも震度6強や震度6弱が記録され、地震後1ヵ月経っても震度3程度の余震が継続しています。

お問い合わせの件は、30年前に設置したブロック塀の維持管理に落ち度があるのかとの問題と考えられます。
一般的な場合には、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を与えた場合は、工作物の占有者は被害者に対してその損害を賠償する責任を負い、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないと規定されています(民法7171項)。
しかし、全く予想外の災害により工作物が破壊されたときには、損害賠償の対象にはならないと考えられています。
今回の地震の場合、いずれに該当するのかは、個別具体的に検討しなければ、判断することができないと思われます。

 

『地震でブロック塀が倒壊し隣家外壁を傷つけた。当方に賠償義務はあるか』

(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターHP)

http://www.chord.or.jp/case/7083.html

 

 

 

(2017年11月3日 修正1 ;追記)

 

20171031206分に毎日新聞から、告訴状が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

 

Sさんの母親とMさんが31日、ブロック塀の所有者で同町の社会医療法人理事長について、過失致死傷容疑で熊本県警に告訴状を提出した。

 

倒壊したブロック塀は基礎工事がされておらず、建築基準法施行令が塀に垂直に設置するよう義務づけている「控え壁」もなかった。

 

また、10年以上前から住民が「危険だから撤去してほしい」と訴えており、理事長は危険性を認識していたのに必要な措置を講じず、倒壊で2人を死傷させたとしている。

 

出典

『熊本地震 ブロック塀倒壊死で告訴状』

https://mainichi.jp/articles/20171101/k00/00m/040/053000c 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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