2018年9月10日9時14分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号が直撃し、記録的な高潮に見舞われた関西地方の港湾部では、乗用車やコンテナの火災が相次いだ。
都市防災の専門家は、「塩分を含む海水が化学物質と反応して発熱し、火が出る」と指摘しており、冠水に起因する火災を防ぐ手だてが必要だと訴える。
昭和36年の第2室戸台風を上回る過去最高潮位を記録した兵庫県の神戸港や尼崎西宮芦屋港。
今回の台風で、浸水が原因とみられる車両火災が、これらの地区で約20件発生した。
同県西宮市の人工島では、車のオークション会場が冠水。
保管していた中古車など、計約190台が炎上した。
日本自動車工業会の広報担当者は、「海水は真水よりも電気を通しやすく、電気系統やバッテリーから火花が散って発火することがある。浸水したらエンジンをかけてはいけない」と、注意を呼び掛ける。
実際に、エンジンをかけたことが原因とみられる被害も。
神戸市の高速道路では6日、乗用車が底部から出火し全焼。
車は港湾部で水浸しになっていたもので、運転手は県警に「エンジンをかけたら動いた。異常音がしたので停車すると、煙と炎が上がった」と説明した。
また、港に所狭しと並べられたコンテナも被害に遭った。
神戸市東灘区の人工島「六甲アイランド」では、家具やペットフードなどが入ったコンテナ6個が炎上。
積み荷にはマグネシウムもあり、海水と反応して出火した可能性がある。
さらに、高温状態のマグネシウムは水をかけると爆発する危険性もあるため、消火活動は難航した。
首都大学東京の中林一樹名誉教授(都市防災学)は、「海水と反応する危険物があるなら、管理方法を再検討するべきだ。物流拠点の港が海水をかぶることがそもそもの問題で、防潮堤の高さを考え直す必要がある」と話した。
出典
『台風21号 港で車やコンテナの火災相次ぐ 高潮起因、防止策必要』
http://www.sankei.com/west/news/180910/wst1809100014-n1.html
9月11日12時28分に毎日新聞からは、高潮でコンテナ70個が流され18個はいまだ行方不明だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号が近畿地方に上陸して11日で1週間。
過去最高の高潮を観測した神戸、大阪両港では計70個のコンテナが波にさらわれ、現在も18個が未回収のままだ。
航路障害や環境被害などは報告されていないが、神戸市は「こんなに多くのコンテナが流れ出す被害は想定していなかった」と頭を抱える。
国交省近畿地方整備局や神戸市によると、10日までに確認された流出コンテナは、神戸港43個、大阪港27個の計70個で、うち神戸17個、大阪1個の計18個が未回収だ。
神戸港では、人工島・六甲アイランド(同市東灘区)のコンテナ43個が高潮にさらわれて流出した。
うち26個は、隣接する兵庫県芦屋市の浜辺や近くの海中などで見つかった。
残り17個中13個は既に見つかっており、順次回収する。
未発見の4個は海中の音波探査でも見つからず、市は港外に流されたとみている。
もともと、六甲アイランドや西隣のポートアイランドは、港湾業務に支障が出ることから防潮堤を設けておらず、高潮の被害を受けやすい。
さらに今回の台風では、強風が波を巻き上げ、地表を駆け上がって多くのコンテナを流出させた。
コンテナを回収する責任は、本来、所有業者にあるが、今回は緊急処置として、神戸市が作業にあたっている。
市の担当者は、「今後、港湾業者に、台風時にはコンテナ同士を縛って流れにくくする『固縛(こばく)』を改めて促すなど、対策を呼びかけていく」としている
出典
『台風21号 コンテナ18個流され未回収 神戸・大阪両港』
https://mainichi.jp/articles/20180911/k00/00e/040/202000c
(ブログ者コメント)
コンテナのトラブルや車両火災については、過去に別々の記事で紹介スミ。
その中で、高速道路で起きた車両火災については、今回の記事のほうが、より詳細だ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。