2018年9月19日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8820/
(2018年12月18日 修正2 ;追記)
2018年12月12日2時0分に毎日新聞から、検証委員会が浸水の主な原因などを発表したという下記趣旨の記事が、写真や図解付きでネット配信されていた。
9月の台風21号で関西国際空港の滑走路などが冠水した状況や原因を探るため、空港運営会社「関西エアポート」が設置した検証委員会は11日、記録的な暴風による5m以上の高波が護岸を越えたのが浸水の主な原因だったと発表した。
台風が最接近した午後1時半ごろから2時間程度で、空港島内への流入は東京ドーム2杯分以上の最大270m3に及び、9割が護岸を波が越えたためと推計した。
9月4日に来襲した台風21号で、2本あるうちの1期島のA滑走路が冠水。
ターミナルビルの地下にも浸水して、一時、空港機能がマヒした。
検証委は、同社と空港施設を保有する「新関西国際空港会社」が設置。
海洋や防災の専門家らと、気象や海洋のデータを基に分析した。
気象庁の観測で、関空では史上1位の最大瞬間風速58.1mを記録。
高潮で上昇した潮位は、過去最大規模に及ばなかったが、高波は関空沖で過去最大の5.2m(推計)に達した。
護岸(高さ4~7m)付近では、さらに高い波が繰り返し押し寄せ、1期島の東側と南側の護岸を越えたとみられる。
水深は、最も深いところで、国際貨物エリアの約1.2m。
護岸東側の一部の決壊や、雨水排水管2カ所の逆流による浸水も、計1割程度あった。
海上空港の関空は地盤沈下が続くが、航空機の安全運航のため、護岸の高さ制限があり、東側の護岸(高さ約4m)は十分なかさ上げができていなかったことも分かった。
関西エアは、規制が緩和される来年4月以降、1.4mを限度に、護岸を高くする工事を予定。
完成すれば、浸水量の3割を防げたという。
委員長の京都大防災研究所、平石哲也教授(海岸工学)は、「高波が護岸を越えてきたことは想定以上だった。地下の重要設備の止水板を強化することや地上化が、対策として考えられる」と話した。
関西エアポートは、浸水した配電施設の地上化など空港施設の強化や、緊急時の旅客への対応を見直しており、13日には、今後取り組む災害対策を公表する。
出典
『東京ドーム2杯分超す水が流入 関空検証委が浸水原因を公表』
https://mainichi.jp/articles/20181211/k00/00m/040/249000c
12月11日17時55分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
最終報告によると、関西空港では、台風21号の接近で潮位が最高で2m48cmに達していたことに加え、沖合で5mを超える、過去に観測されたことのない非常に大きな高波が発生したことで、波が4m~6mの護岸を越えたとしている。
第三者委員会の委員長で、京都大学防災研究所の平石哲也教授は、「何年に1度とは言えないが、今までにないような非常に大きな波だったと言える。様々な工法を検討して今後の対策を進める必要がある」と話していた。
出典
『関空浸水で第三者委が最終報告』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181211/0010594.html
12月11日23時3分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1期島東側の護岸の一部が地盤沈下の影響で想定より低くなっていたため、浸水量が3割程度(70万~80万m3)増えたとみられるという。
会社側は、「来年度からかさ上げを計画していたが、結果として間に合わなかった」と釈明した。
1期島の護岸は、東側で4m、南側で6mの高さがある。
ともに「50年に1度の高波」に耐える想定だが、波が島の手前で変形して高まるなどし、大量の海水が護岸を越えて流れ込んだ。
想定より低くなっていた東側の護岸は第1滑走路の脇で、航空機の離着陸に支障がないよう、国際機関が定めた高さ規制がある。
会社側によると、2004~05年に護岸をかさ上げしたが、この規制を守るため、将来の地盤沈下分を見越した護岸の高さを確保できなかった。
国際機関の基準改正に合わせ、来年度からかさ上げを始める予定だったという。
出典
『関空の浸水、京セラドーム2杯分 台風21号の被害検証』
https://www.asahi.com/articles/ASLDC4STLLDCPPTB00F.html
12月13日22時11分に毎日新聞からは、具体的な災害対策が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西国際空港を運営する「関西エアポート」は13日、9月の台風21号による空港の一時閉鎖を受け、見直していた災害対策を公表した。
護岸・防潮壁のかさ上げや電気設備の地上化、利用者への多言語対応などを盛り込んだ。
同規模の災害に対しても、発生後24時間での運用再開を目指し、今年度末までに、緊急時の対策となる事業継続計画(BCP)も新たに策定する。
空港施設を保有する新関西国際空港会社とともに、約540億円をかけて実施する。
東側の護岸は、地盤沈下の影響で高さ約4mと、国の基準の高さ4.5mを下回る状態が続いていたが、工事が可能になり、5m程度にする。
消波ブロックも増設。
浸水しても24時間で復旧できるよう、排水ポンプを強化し、大型ポンプ車も導入する。
地下に浸水し、機能停止した第1ターミナル(T1)地下の電気設備の地上化は、2020年度内を目指す。
T1の4階など、地上階に分散・移設する計画だ。
移設までの間は、地下へつながる通路に止水板を設置し、台風時期に備える。
これまでは、地震・津波に対する避難計画しかなかったが、事故や災害で連絡橋が損傷したり、停電したりするケースなどを想定し、事前に対応と復旧の具体的な計画を策定。
計画は航空会社や関空内の店舗とも共有し、訓練や緊急時の利用客対応にも協力を求める。
台風21号で問題になった関係機関との連携や、空港民営化で複雑になっていた意思決定方法も見直した。
緊急時は、航空会社や国、地域の自治体など25の機関でつくる総合対策本部を関西エアポートの災害対策本部に併設して、即時に情報共有を図る。
対応の最終意思決定は、原則、関西エアポートの社長が行うが、南海トラフ巨大地震など深刻な災害時は、新関空会社と国が主導するとした。
山谷・関西エアポート社長は、「(取り残された)旅客ら8000人に大変な不便をかけたことを反省する。緊急対応と早期復旧を同時に進行し、再開までの24時間、ターミナルが安全な場であることを目指す」と述べた。
出典
『関空水没対策に540億円 発生後24時間での運用再開目指す』
https://mainichi.jp/articles/20181213/k00/00m/040/224000c
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。