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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20115312148分に、山陽新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
31日午後5時10分ごろ、備前市の青果会社「H青果」の事務所兼店舗(鉄骨スレート一部3階)から「ボーン」という爆発音とともに1、2階の窓ガラスが飛散した。周辺の民家などの窓ガラスも割れた。爆発時、1階に1人、店外に2人いたが、けがはなかった。
消防などによると、同社には地下室があり、バナナを熟成させるため、カーバイドと水を使ってアセチレンガスを発生させていた。
警察が原因を調べている。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□バナナの熟成にエチレンガスを使うことは知っていたが、アセチレンガスとは初耳だ。エチレンガスよりもカーバイドのほうが入手しやすいからだろうか?
□この業界、こういった方法が広く行われているのだろうか?ざっと調べたが情報は見つからなかった。どのように安全管理しているか、気になるところだ。
 
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201161013分に、msn産経ニュース宮城から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
31日午前11時10分ごろ、気仙沼市の水産加工会社「N水産」の鉄筋2階建て1階の作業場で出火しているのを作業員が発見し、119番通報した。駆けつけた消防により約1時間後に鎮火したが、作業場と2階事務所の一部計約455m2が焼けた。作業員は避難し、けがなどはなかった。

現場は気仙沼湾から約500m以内の地点にあり、津波被害が大きかった地域。警察によると、出火当時は建屋の修復作業のため、作業員が1階天井から飛び出したボルトなどをガスバーナーで切断していたという。
作業場の床には魚を包装する発泡スチロールなどが散乱しており、警察は焼け落ちたボルトの一部から引火した可能性が高いとみて調べている。

同市では5月21日にも朝日町の冷蔵工場の修復作業中に出火しており、市などは注意を呼びかけている。
 
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
タイトルを見て、21日の火災の続報かと思ってしまった。
火気を使っている下に燃えるものがないか注意する余裕がないほど、テンヤワンヤの状態が続いているということだろうか・・・。
 
 
 
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2011531829分に、msn産経ニュース京都から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
関西電力は30日、暴風雨の影響で舞鶴火力発電所の海水取水口に漂着物が流入したため取水量が減少し、取水と放水の温度差が協定値を超えたと発表した。1号機(90万kw)は運転を停止、2号機(同)も出力を抑制して運転しており、取水口付近にたまった漂着物を除去する作業を行っている。

関電舞鶴火力によると、海水は蒸気の冷却に利用。取水口に海藻などが大量に流れ込んだため取水量が減り、取水と放水の温度差の平均値が協定値をわずかに上回ったという。
 
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□くらげが原因で取水口が詰まりそうになった・・・という話しはよく聞くが、海藻という話しはあまり聞いたことがない。よほど大量に、かつ一気に流れてきたのだろう。海が荒れていて除去作業に支障をきたしたということも推察される。
 
□「わずかに」という表現が意味深だ。行間に、運転には支障なかったものの、協定違反状態になったので止むなく停止した、といった言葉が垣間見えるような気がする。
 
□今回のケースがどうだったかは分からないが、人が使うための基準に、逆に人が使われてしまっている・・・、そんなことが結構多い。
基準には、この一線を越えたら非常に危険になるという意味合いのものと、どこかで線引きしないといけないので、まあ、この辺に線を引いておきましょうか、という意味合いのものの2種類ある。
前者に対しては絶対守らねばならないが、後者に対しては、基準が決められた考え方が明確になっていれば、その思想の範囲内で、かつ衆知を集めた上でなら、多少、弾力的に運用することもあっていいのではないか?ブログ者はそのように思っている。
 
 
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20115302324分に共同通信から、31019分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
30日午後6時10分ごろ、大阪市の電線製造販売会社「桃陽電線」の配送センターの門が強風で突然倒れ、門の上部にある「忍び返し」と呼ばれる侵入防止用のとがった金属棒2本が、前を歩いていた女性(55)の首などに刺さった。女性は重傷だが命に別条はないという。
警察によると、女性は「強風で門が倒れてきた」と説明している。
門は鉄製で、高さ160cm、幅412cm。「忍び返し」は縦方向に16cm、横に8cmの逆L字形で複数ついており、うち2本が女性の首と唇に刺さった。
大阪市内は当時、強風注意報が出ていた。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
同種事故が2010111日に発生。本ブログに「一宮市の工事現場で風にあおられて門扉が倒れ、警備員が死亡」というタイトルで、注意点とともに掲載している。
強風時に門扉の近くを歩く場合は御用心。
 
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2011530日付の毎日新聞岐阜版として、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

昨年、県内で発生した労働災害(休業4日以上と死亡)が前年と比べ132人も増加し、2100人に上ったことが岐阜労働局の調べで分かった。
死亡災害最多は建設業。死傷者最多は製造業。

事故の内訳は、転倒による事故が最多。次が墜落・転落事故。
リフトなどの作動中やトラックなどの運転中の事故も目立った。
墜落・転落事故では、足場やネットなどの安全策をとっていなかったり、交通事故では、仮眠時間が適切に取られていないケースもあった。

担当者は「雇用者と労働者が現場の危険性を認識せず、防止策設置を怠れば必ず事故が起こる。それぞれの現場での意識を徹底してほしい」と話している。
 
 

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20115301820分に朝日新聞から、また31日付で毎日新聞福井版として、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
30日午前9時20分ごろ、大野市の食品加工会社「Y食品」の工場内で、天井に設置してあった仕切り板(約8m×60cm、重さ135kg)が落下した。工場にいた10人のうち、7人に板が当たるなどし、パート従業員(63)が腰の骨を折る重傷を負った。他の6人は軽傷という。
警察によると、板は換気扇を覆っていたものらしく、板を天井に固定したビスごと抜け落ちていた。警察で落下の原因を調べている。
当時、工場ではがんもどきを揚げる作業中だったという。
 
 
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20115301053分に読売新聞から、同日1335分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

29日午後11時半頃、富士市の製紙工場「M製紙」から「工場内の容器に作業員が転落した可能性がある」と119番があった。

警察などが調べたところ、古紙をかき混ぜて溶解する円筒形の容器の中で派遣社員(61)が倒れており、間もなく死亡が確認された。
警察は、容器に古紙を搬送するベルトコンベヤーから落下した可能性があるとみて調べている。

 
調べでは、タンクの直径は約5m、高さは床上約1m、床下に2mほどあるという。事故当時、タンク周辺では被災者1人が作業をしていた。
 
 
(ブログ者コメント)
 
1人作業中のタンクへの転落死は、今年1月15日にも発生。本ブログに「愛知の水あめ工場でタンクに転落死」というタイトルで紹介している。
 
 
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4月30日に紹介した「福島原発事故に関する、あるジャーナリストの意見」記事で、東電叩きを批判する、おそらくは最初の記事を紹介したが、最近、ブログ者が知る範囲では2人目の、同趣旨での意見が発表されていたので紹介する。(長文につき骨子のみ紹介)
 
出典;201153034分 msn産経ニュース
 
 
埼玉大学名誉教授・長谷川三千子 三次災害引き起こす「東電叩き」
≪渡河中の馬をしめ殺すのか≫
この2カ月半ほど日本中に広まつてゐる「東電叩(たた)き」の現象はきはめて危険なのではないかといふ気がする。これはほとんど、渡河の中途で自分の乗つてゐる馬をしめ殺さうとするに等しいのである。
 
 ≪地震恨めぬ鬱憤原発へ向かう≫
地震そのものについては、人は誰を恨むこともできない。しかし二次災害については(当否はともかく)恨むことのできる相手が目の前にゐる。「東電叩き」はほとんど必然的に起こつたものと言へよう。
しかし、現にこの二次災害を抑へるといふ課題にとつて、「東電叩き」は少しも役に立たない。まさにその災害を抑へる作業にたづさはつてゐるのが、東電自体であり(危険な現場で頑張つてゐる)東電職員なのだからである。
或(あ)る老エンジニアは、このさまを見てかう語つてゐる-「リスクのある作業に従事するには、それを皆が応援しているという心の支えが非常に重要だと思う。現在、作業に当たっている人にそうした支えがないことが問題だ」。
つまり、福島第1原発に不安をもつ人であればあるほど、「ガンバレ東電」と叫ばなければならないのに、実情は逆になつてしまつてゐるのである。
 ≪つぶれていいとの路線は危険≫
そればかりではない。もつとはるかに実質的なところでも「東電叩き」の風潮は、われわれが国難を切り抜ける上での重大な障害をもたらす危険をはらんでゐる。
「原子力損害の賠償に関する法律」といふものがあつて、、千年に一度の大震災によつて生じた「原子力災害」については当然、賠償は免責されるだらうと思はれる。ところが政府は、今回の事故はこのただし書きにはあたらないといふ判断を示し、他方で、賠償には限度を設けないと宣言した。
どういふことかと言へば、一民間企業に、いはば無限の出費を負はせるといふことである。つまり政府は東電がつぶれてもよいといふ路線を走り始めてゐるのである。
しかし、電力の安定した供給を断たれたら復興は不可能となり、国民生活全体がもう一度危機を体験することになる。いはば甚大な三次災害がひき起こされるのである。政府も国民も目を見開いて、渡河中の馬を殺さぬやうに気をつけよう。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110530/dst11053003060003-n1.htm


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4月30日に「福島原発事故に関する、あるジャーナリストの意見」を紹介したが、今度は東電社員のお子さん(小6)の意見が、5月19日の毎日新聞夕刊に掲載されていた。
骨子は下記。
○毎日小学生新聞の東電に関する記事を読んで無責任だと思った。
 ○原発を作ったのは日本人が夜遅くまでスーパーを開けたり、ゲームをしたり、無駄に電気を使ったからだ。
 ○火力では二酸化炭素が出るし、水力では村が沈んだりする。その点、原子力なら燃料も安定して手に入る。原発を作ったのはみんなであると言える。
 
ブログ者は、読後、「無責任発言を続ける大人たちに読ませてやりたい」とか「文章が上手すぎる。大人の手が入っているのでは?」などと思ったものだが、その後、この投書が反響を呼んでいる。

当の毎日新聞には、5月30日、「未来はエネルギー論戦の中にある 国会は小6児童が問うた本質を争え」という記事が掲載された。

また、今週、6月11日号の週刊現代の新聞広告には、以下の見出しが大きく踊っていた。
「悪いのは東電ですか、政府ですか、それとも国民ですか - 東電少年の投書で大激論 - 『東電だけを悪者にするのは無責任。日本人全体に責任がある』という小学校6年生ゆうだい君に大人は何と答える」
 
はてさて、当の政治家が、この小6の問いかけに、どこまで答えられるものだろうか?
総理が、この小6に会うなどと言い出したら、それはパフォーマンス以外の何物でもない。なにとぞ、実質本位で考えていただきたいものだ。



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201152886分と2131分に朝日新聞から、また529日付で毎日新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
27日午後9時55分ごろ、JR石勝線を走行していた「スーパーおおぞら14号」(6両編成)後方の1~3号車内で白煙が発生したと、運転士からJR北海道に連絡があった。
後ろから2両目の2号車が脱線しており、列車は全長685mのトンネルの中央付近で緊急停止した。
乗客約240人は歩いて外に避難したが、一酸化炭素中毒とみられる症状ややけどで、乗客乗員計40人が病院に搬送された。いずれも軽症で命に別条はない。
車掌は「異常な振動がし、運転士に列車を止めてくれと言った。止まった時には火が出ていた」と説明しているという。車両はディーゼル列車で、各車両の下部には燃料の軽油を積んでいた。
 
調査結果、エンジンから車輪に動力を伝える「推進軸」の部品が、停止位置の約2km手前で脱落し、脱線跡は約890m手前から続いていた。「推進軸は3日に1回目視検査し、今月25日には異常なかったという。
 
車掌は、緊急停止後、乗客に「出口までどのくらいかかるか見てくる」と告げて車外に出て出口まで歩き、約20分後に戻って避難を呼びかけたというが、乗客からは、「車掌が外に出たので不安になった」、「煙が立ち込めたので外に出ようとしたら乗務員に『待ってくれ』と言われたが、誰かがドアを開けて自主的に逃げ出した」、「JRから避難誘導はなく、自分で逃げなければ死んでいた」といった証言が出ている。
 
 
(ブログ者コメント)
□60歳の男性車掌であれば、これまでイヤというほど緊急時対応訓練を受けてきたはずだが、なぜ、もっと適切な対応をとれなかったのだろうか?その間接原因は?
□今回対応の問題点については、以下のブログで、かなり突っ込んで書いている人がいた。その記事を紹介することでコメントに代える。
http://deepsky.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28
 
□「大事故は最悪のタイミングを選んで起きる」といった言葉がある。今回も、トンネル内で緊急停車せざるを得ないタイミングで部品が脱落してしまった。
そういえば福島第一原発も、「福島県に押し寄せた津波は第一原発付近が最大で、高さは15~22m。南に8kmの第二原発付近では11~13mだった」という報道(5/27朝日)があった。
ひょっとして政権も?


 
 
(2011年6月21日 修正1; 追記)
 
その後に報道された主な情報を、まとめて下記する。
 
5月30日7時38分 朝日新聞
乗務員は床下からの煙に気づいたが、出火を確認できず、火災の対応をとらなかったため、乗客の避難が遅れたとみられる。
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY201105290413.html
 
5月30日14時32分  読売新聞
社内マニュアルでは、車両火災として実際に乗務員が炎を目視して初めて、「火災」と覚知することになっていることが分かった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110530-OYT1T00595.htm
 
5月31日23時11分  読売新聞
運転士は、火災ランプが点灯し、火災を検知するブザーが断続的に鳴る音に気づいた。しかし、炎が確認できないことから、車掌と打ち合わせた上で、避難経路を確かめることを優先したという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110531-OYT1T01142.htm

 
6月2日00時15分  読売新聞
事故後に初めて記者会見に臨んだ中島尚俊社長は、「乗客の安全を最優先に考える思想にやや欠けていた」と反省し、謝罪した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110602-OYT1T00016.htm
 
 6月5日 毎日新聞東京版朝刊
JR北海道では火災は目視が必須とされているが、他のJRでは、煙を確認した段階で状況に応じ火災として扱うとしている。
違いについてJR北海道は「分からない」。
他社は
□ディーゼル車の率が高いため、発煙を伴うエンジントラブルが多い
□寒冷地で蒸気と煙の区別がつきにくい
などと北海道特有の事情があると推測する。

http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/06/05/20110605ddm003040147000c.html
 
6月5日 11:時26分 更新 北海道新聞
車両が緊急停車したトンネル内には、保線や電気工事の際の照明があったが、避難時は使用されなかったことが4日、分かった。この照明を非常時に使う規定はないが、使用していれば、より早く脱出できた可能性もある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/297144.html
 
6月9日 毎日新聞東京版朝刊
車内販売をしていた女性客室乗務員が列車の緊急停止直後に窓から火を見たのに車掌に報告せず、同社の非常対応に不備があったことが分かった。
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/06/09/20110609ddm041040165000c.html
 
6月13日 19時05分 NHK札幌
乗客として乗り合わせていたJRの社員が火災に気付いていたにもかかわらず、車掌などには伝わっていなかったことが分かった。
 
6月18日17時6分 朝日新聞
緊急時の乗客の避難誘導について、ある車掌用マニュアルでは、輸送指令員の指示で乗客を降車させるとなっているが、別の車掌用マニュアルには、運転士と打ち合わせて避難させると記載されていた。
複数の運転士用マニュアル間でも、輸送指令員への報告と避難の順序が異なっていた。
JR北海道の社長は、「マニュアルの見直しと実態に即した教育訓練を早急に行い、再発防止に取り組む」と述べた。

http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201106180051.html



 
(2011年7月14日 修正2 ;追記)
 
2011713206分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
JR北海道は13日、トンネル内の照明設備の改善、車掌と客室乗務員への無線機配備などを盛り込んだ避難誘導の改善策を発表した。当初6月中の見直しを予定していた緊急時マニュアルについては、現場の意見を反映させるため、9月まで策定時期を延期した。
トンネル内には工事用照明はあるが普段は点灯していないため、乗客は暗闇の中での避難を余儀なくされた。このため、500m以上のトンネルについては、出入り口までの距離標や列車が入ると自動的に照明がつく設備などを設置する。石勝線では8月までに整備し、ほかの路線も2012年度中に完了する方針。 

[時事通信社]
 
 

(2011年7月22日 修正3 ;追記)

2011年7月22日付の朝日新聞北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

車両床下の部品を固定するためのナットの締め付けに、同社の整備マニュアルに基づく工具が使われていなかったことが21日、JR北海道への取材で分かった。ナットの締め付け力が担当者ごとにばらついていたとみられる。

事故は、エンジンの力を車輪に伝える「推進軸」などの部品が次々に脱落して脱線。後方の1号車と2号車の燃料タンクに亀裂が入り、緊急停止したトンネル内で火災が起きたとみられる。

警察などが事故原因を調べているが、部品を支えるナットの緩みが原因と指摘する専門家もいる。走行時の振動も加わってナットが外れ、部品が脱落したとの見立てだ。

同社の整備マニュアルでは、メーカーの仕様書に沿って、ナットの締め付けには、加える力を設定できる「トルクレンチ」を使い、長さ1mのレンチの先端に49~67kgの力がかかるようにする、と定めていた。 ところが、トルクレンチを使っていなかった国鉄時代のままスパナレンチやハンマーで締めていたという。整備担当の経験に頼ることになり、同社は「締め付け力にばらつきは出ていた」と認める。国交省からも6月、改善指示書で締め付け力の管理について指摘されていた。

ナットの状態は、必要に応じて部品を交換する「要部検査」(4年に1回か、50万km走行ごとに義務づけ)で点検する。今回の事故車両は昨年12月に苗穂工場で要部検査を受けたが、異常は見つからなかった。日常的に目視や打音検査をしているが、仮にナットが緩んでいても気づくことは難しいという。同社はこれまでの整備や点検の方法を見直すため、整備担当の元社員らを交えて議論する方針だ。


出典URL■■■


(ブログ者コメント)

□石勝線の事故以前にも、室蘭線や他のJRで同様な事故が起きていたと報道されていたが、そのうちの何件かは、上記のようなことが原因だったのだろうか?
 
□国鉄時代のやり方を踏襲していたという件だが、長年、整備に携わってきた人が職人的経験とカンで締めつけていた、そのやり方を、経験浅い人が上辺だけ真似してきた、ということはなかったか? そうであれ、そうでなかったにせよ、安全管理者は、マニュアル記載内容の意味するところも、経験浅い人によく教えておく必要がある。






(2011年8月5日 修正4 ;追記)

2011年8月4日0時6分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR九州は3日、豊肥線を走行中の普通列車(2両編成)で、ディーゼルエンジンの動力を車輪に伝達する「推進軸」が落下するトラブルがあったと発表した。乗客約40人にけがはなかった。同社が原因を調べている。

5月にJR北海道で起きた特急の脱線火災事故でも推進軸が脱落しており、この事故を受けてJR九州が行ったディーゼル車の緊急点検では、異常は見つかっていなかった。 事態を重く見た国交省九州運輸局は同日、同社に警告し、再発防止策を報告するよう求めた。
  [時事通信社]

出典URL■■■


(ブログ者コメント)

国交省は、5月30日、JR各社や民間の鉄道会社など63事業者に対し、所有する3344両のディーゼル車を緊急点検し、結果を6月30日までに報告するよう指導しているが、各社、どのように点検したのだろうか?

石勝線事故の後、当のJR北海道で7月5日、「スーパー宗谷2号」の駆動軸につながるボルトが破損し、部品が脱落するトラブルが起きている。
原因は、外から見えるボルトだけを目視や打音で点検したため、点検対象から外れたボルトが破損した、ということらしい。

「外から見える」というのが「車体の下に潜り込むなどして見える」という意味であれば、仕方ないかもしれない。 しかし、潜り込みもせずに車体の斜め下から見える範囲だけの点検だったすれば、再発防止に向けての姿勢が疑われる。

今回の豊肥線トラブルは、石勝線事故と同じ「推進軸」の脱落。潜り込んで点検していれば事前に発見できていた可能性が高い。
どんな点検をしたか、厳しく検証されてしかるべきだ。
なぜなら、事例対応というのは、同じトラブルを二度と起こさないことがMUST、類似トラブルを起こさないことがWANTだとブログ者は考えているからだ。




(2011年8月27日 修正5 ;追記)

2011年8月26日17時35分に、読売新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故で乗客の避難誘導が遅れたことを受け、JR北海道が作成中の異常時マニュアルに、「乗務員が煙を発見した時点で火災の可能性もあるとして行動する」ことを盛り込む方針であることが26日、わかった。
同社は、9月に事故当時の状況を再現した訓練を夕張市で実施し、新マニュアルの有効性を検証する。

同社によると、従来のマニュアルでは「炎を見て火災と判断」することになっていたため、5月に発生した脱線炎上事故では、車内に煙が充満してからも乗務員が火災と認識できず、避難誘導が遅れた。

同社は9月2日に石勝線の「第1紅葉山トンネル」(夕張市、1040m)で、トンネル内に停車した訓練用車両から約160人の避難の誘導や救護活動を行う訓練を行い、新マニュアルで素早い誘導ができるかどうかを検証する。


出典URL■■■



(2011年9月20日 修正6 ;追記)

2011年9月17日付で、毎日新聞東京版から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR北は16日、特急脱線炎上事故などを受けた事業改善報告書を国交省に提出した。
事故で問題化した緊急時や乗客避難のマニュアルについて、運転士や車掌など職種別にあったものを統一して現場判断を重視する内容に改めたほか、車両整備の厳格化などを盛り込んだ。
同社社長が12日に書き置きを残して失踪したため、会長が報告書を会長名に改めて国交政務官に手渡した。

新マニュアルでは、事故で乗客の避難誘導が遅れた反省を踏まえ、
□煙を確認したら火災として扱う
□乗客に危険が及ぶ場合は運行を管理する指令の指示を待たず乗員判断で避難行動が取れる
と明記。
これまで職種や支社・運転所ごとに20種が作られ、緊急時の対応に整合性が取れていなかったマニュアルを本社作成分に一本化した。


出典URL■■■

※行方不明だった社長が遺体で発見されたと、2011年9月18日21時7分に朝日新聞から報道されていた。

出典URL■■■



(2011年11月10日 修正7 ;追記)

2011年11月8日12時10分にNHK札幌から、新マニュアルに基づいて訓練を実施したという下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR北海道は、新しい避難誘導マニュアルに基づいた訓練を、8日午前1時から、北斗市のJR江差線のトンネル内で火災が起きたという想定で行い、同社社員ら140人が参加した。

訓練では、新マニュアルに盛り込んだ「現場で必要と判断した場合は、運転指令からの指示がなくても乗客を避難させる」ことなどを確認しながら進められ、火災を見つけた乗務員が乗客役の社員を外に誘導し、およそ500m離れた駅まで避難させた。

函館支社の次長は、「限られた数の乗務員で乗客全員に情報を伝えることが難しかった」と話していた。 JR北海道は、緊急時の乗客への情報の伝え方をさらに検討することにしている。


出典URL■■■


また、2011年11月8日付の朝日新聞(聞蔵)からは、新規に策定した行動計画の社内説明会が進んでいると、下記趣旨でネット配信されていた。

JR北海道は、7日、石勝線の事故を踏まえて策定した「安全性向上のための行動計画」に関する社内説明会を札幌市の本社で開いた。

行動計画は、乗客の安全を最優先する企業に再生するための「会社の憲法」と位置付けられており、この中に書かれた発想の転換や意識・企業風土の改革、業務の刷新の必要性について理解を求めた。
説明会には札幌地区の駅員や苗穂工場、札幌運転所の社員ら約280人が参加。
社長は「JR発足以来24年で、衰退する企業にみられるコトなかれ主義が蔓延しているのではないか。組織ごとにせめぎ合いの議論をしていこう」と呼びかけた。

行動計画は9月に国交省に提出。石勝線事故の反省と教訓を列挙し、企業風土改革や業務執行体制・運営の見直し、人材育成・教育と訓練の実施など、9項目の安全対策を明記している。

JRは道内各地で社員説明会を開いており、各現場からの意見を踏まえ、具体的な実施時期を盛り込んだ安全基本計画を来年3月末までにまとめ、2012年度の事業計画に反映させる方針。




(2012年1月30日 修正8 ;追記)
 
2012年1月26日17時49分に読売新聞から、事故原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故原因について、運輸安全委員会は25日、(吊りピンの落下を防止する『割ピン』があれば、事故の発生はなかったとの見方を示した。

同委員会によると、事故後に油が飛散しているのが見つかった地点から、事故車両の停止地点までの走行時間は約100秒。この間に、列車は4両目後部の減速機の「吊りピン」など金属製の部品を次々と線路上に落下させながら、2度脱線し、炎上したとしている。

同委員会は、吊りピンが落下したことが、脱線炎上事故の引き金となったとみているが、吊りピンの落下を防止するための「割ピン」(長さ14cm、直径8mm)が、いつはずれたのかについては、いまだに不明で、事故後の調査でも、落下した吊りピンを留めていた「割ピン」は見つかっていない。

いつ、どのようにして割ピンがはずれたのかが、今後の調査の焦点となる。

 
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120126-OYT1T00223.htm
 
 

(2012年3月19日 修正9 ;追記)
 
2012年3月15日付で読売新聞から、安全輸送のため体制を強化するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
JR北海道は14日、昨年5月のJR石勝線特急脱線炎上事故など脱線事故やトラブルが相次ぎ、今冬の運休本数が過去10年間でワースト1になったことなどを受け、安全輸送のための体制強化策を発表した。

過去の事故などを分析して再発防止につなげる専門部署を新設するほか、2013年春の採用で現場の技術職を前年の3割増とする。

同社は4月1日付の組織改編で、「安全推進部」内に「ヒューマンファクターグループ」を新設する。
個別の事故やトラブルの背景について、人的要因による問題点などを洗い出し、再発防止策をまとめる。
JR東日本や東海、西日本が設置する専門部署を参考にし、3人を専従させる。


併せて「安全企画グループ」を設け、一連の安全対策の達成状況について検証し着実に成果が上がるよう監視体制を強める。「車両部」内には列車の部品劣化の度合いを確かめる「保全技術グループ」を新設する。

同社の13年春の採用計画では、新卒、中途を合わせ300人程度。うち車両整備や線路の保守点検など現場の技術職の採用枠は235人程度とし、今春採用予定の178人から60人近く増員する。
若手が技能教育を受けられる時間が持てるように人員を拡充し、指導員として社員OBの再雇用も進める。


同社では2月29日に函館線、今月7日に留萌線で脱線事故が発生。石狩、空知地方などの大雪もあり、この冬(昨年12月1日~今月10日)の運休本数は2194本と、過去10年間のワースト1だった03年度の1240本を大幅に上回った。

社長は14日の記者会見で、「昨年5月の脱線炎上事故から1年もたたないうちに2度の脱線を起こし、大変申し訳ありません」と陳謝し、「刻々と変化する現場の状況に対応できず、事故やトラブルを招く事態が続発した。来冬までに対策を講じたい」と語った。

 
出展URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20120315-OYT8T00019.htm
 
 

(2012年8月2日 修正10 ;追記)

2012年7月27日付で読売新聞から、吊りピンのワッシャーが小さかったなどの経過報告内容が、下記趣旨でネット配信されていた。

運輸安全委員会は27日、経過報告書を公表し、脱落した「吊りピン」の座金(ワッシャー)に設計図とは異なるサイズの部品が使われていたことを明らかにした。
同委員会では「事故への影響は不明」としているが、不適切な車両整備が事故につながった可能性があるとみて調べている。

経過報告書によると、4両目の車底部から脱落して脱線炎上事故の引き金となったとされる「吊りピン」を留めていたナットや座金、割りピンなどの部品は依然、発見されていない。
ただ、脱線炎上した列車に計12個あった吊りピンに使用されていた円形の座金は、いずれも外径が80mmで、設計図面で指定された座金(外径85mm)より小さかったほか、ナットが「手で緩む状態」となっていた吊りピンも一つ確認された。
座金はボルトを締める際、ナットの下に入れる薄い金属板で、締め付けを補強する役割がある。

JR北海道などによると、4両目の車両について「重要部検査」や「交番検査」、「仕業検査」など各種の車両検査を実施していた同社の苗穂工場や釧路運輸車両所では、検査の際にナットの締め付ける力の基準が順守されていないなど、不適切な整備体制だったことが判明している。
同委員会では「不適切な整備でナットが緩んだまま走行し、吊りピンが脱落した可能性もある」と見て、吊りピンが脱落した経緯や火災発生のプロセスなどを引き続き調査する。


出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20120727-OYT8T00889.htm


(2012年8月31日 修正11 ;追記)

2012年7月28日付の北海道新聞紙面に、吊りピンが脱落したことの間接原因などが、下記趣旨で掲載されていた。

事故は、車両下にある駆動装置「減速機」を台車に連結する部品「吊りピン」が脱落。支えを失った減速機が下方に垂れ下がり、地面に激しくぶつかるなどして脱線につながったとみられる。

吊りピンは6両編成の列車に計12ケ所固定されており、残る11ケ所のうち10ケ所について調査した結果、3両目の吊りピン1ケ所でナットがしっかり締め付けられておらず、手で緩められる状態だった。

JR北によると、ナットの締め付け具合は3ケ月に1度、ハンマリングで調べているという。
ただ、点検整備部門のある社員は、「点検時間は限られおり、緩みが十分確認できず、見逃されていた可能性はある」と打ち明ける。

一方、トルクレンチが社内規定に反して使われず、現場では一般的なスパナが使われていたことが、事故後の調査で判明した。
このため、締め付けが不十分だったとの見方もある。


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2011528日付で、毎日新聞富山版から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富山市出資の財団法人の職員が剪定した樹木を勝手に燃やしたとして、廃棄物処理法違反(焼却禁止)容疑で書類送検された事件で、富山区検は27日、財団と現場責任者の職員1人を同罪で富山簡裁に略式起訴した。
送検されたほかの3人は従属的だったとして起訴猶予処分にした。
警察などによると、財団は昨年7月2日、せん定した枝約760kgを処理業者に委託せずに市大沢野総合運動公園で勝手に燃やした、とされる。

 
(ブログ者コメント)
 
本件、事故ではないが、「野焼き禁止」の念押し事例として紹介する。
「野焼き禁止」の内容については、下記に分かりやすく解説されている。
 
 
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2011528日付の毎日新聞千葉版に下記趣旨の記事が掲載されていた。また271911分にmsn産経ニュースからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
 
26日午前10時ごろ、市原刑務所で、刑務作業中の20代の男性受刑者が味噌を混ぜる機械の電動式回転スクリューに誤って左腕を巻き込まれた。病院に搬送されたが、左前腕部を切断する重傷。
同刑務所によれば、受刑者は午前9時半ごろ、別の受刑者と2人で、大豆や米こうじをつぶして機械でこす作業を開始。約30分後に機械が目詰まりしたために原料を取り除こうと回転部に手を入れたところ、スクリューが突然動き出し、腕を切断したという。受刑者は、機械のスイッチが切られていると勘違いしたとみられる。
事故当時、刑務官1人が立ち会い、受刑者29人が作業していたという。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
同刑務所はブログ者が住んでいる市原市にあるが、そこで製造される味噌は、なかなかの評判だ。まさか、そこでこのような事故が起こるとは・・・。
 

 
(2011年6月26日 修正1; 追記)
 
2011528日付の千葉日報に、下記記事が掲載されていた。
 
同様作業の際は電源を切って行うのが手順となっている。
 
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2011526139分に、msn産経ニュース大分から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
大分県の石場ダムで、平成21年5月、訓練中に死亡した県防災航空隊員の遺族が、安全配慮義務を怠ったとして、県に計約1億2800万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていたことが、26日、分かった。

訴状によると、隊員(当時26)は、ダムでの水難救助訓練中に要救助者役として湖面で待機中に溺れて死亡した。
県は、水中という危険な環境で隊員に救命胴衣を着用させず、救助用ボートも準備しないなど、水難事故の発生を防ぐ安全管理や業務上の注意義務を怠ったとしている。
当時の現場責任者だった隊長は、21年12月、業務上過失致死罪で罰金50万円の略式命令が出され、納付している。
 
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□事故時の状況などは下記。
(2009年11月05日 10:25 大分合同新聞からのネット配信)
・訓練は9人で実施。
・被災者はダム湖から防災ヘリで吊り上げられ救助される役であり、一人でダム湖に入ったが、水没直前までの数分間、他の隊員は目を離していた。
・「浮力あり」とされたウエットスーツを着ていたが、救命胴衣は着けていなかった。
 ・県は、救助者役の様子を確認する安全監視員を置かず、万一の際のボートなども用意していなかった。
 ・この事故を受け、総務省から「要救助者」役は救命胴衣を着けること、などが関係団体に通知された。
 
□上記記事中、他県担当者の「ウエットスーツを着用したら人体は浮くと考えていた」というコメントが興味深い。
試みに、「ウエットスーツ+浮力」で検索すると、「脱力状態でプカプカ浮くぐらいの浮力がある」とか「使い古したスーツだと生地内の気泡がつぶれて浮力が減る」などの記事があった。
しかし、ウエットスーツは、本来、防寒とか怪我防止のために着用するもの。浮力はプラスαの効果であり、そこに盤石の信頼を置くことはできないのだろう。
安全確保のための道具を使う場合は、目的にマッチしたものを期限を守って使うこと・・・。そんなことを教えてくれた事例のような気がする。
 
 
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酸素ボンベの爆発危険性調査中、某ブログに、雑誌「化学」の1998年9月号に以下の事例が掲載されていたと記載されていた。
 
 
□1979年頃、英国の食肉加工場。豚肉を刻みやすくするために、あらかじめ肉を液体窒素で冷やし、ミンチ器にかけていたところ、突然ミンチ器が爆発。2名死亡。
原因は豚肉の表面に空気が液化凝縮し、ミンチ器の駆動による摩擦熱で液体空気と豚肉が反応して爆発したもの。実験の結果、豚肉に凝縮した液体空気中の酸素濃度は70%以上に達していた。

□1991年1月17日。岐阜県のセラミックス工場で、ベンゼンを含んだセラミックス基盤を液体窒素で凍結して取り扱っていたところ、突然爆発。2名死亡、1名軽傷。
原因は時間とともに冷却に用いた液体窒素に酸素が凝縮して入り込み、ベンゼンなどの有機物を混合して爆発性の物質をつくったものと思われる。
 
 
このうち、岐阜の事例については、更に詳しい情報が「失敗知識データベース」に掲載されていた。
 
(現象)
 
セラミックス基板製造所で新規セラミックスの試験製造を行っていた。セラミックスを顆粒化する工程でセラミックスの粉末と溶剤ベンゼンを撹拌混合し、さらに-196の液体窒素を吹き付け、凍結乾燥してセラミックス粒子を得た。そのセラミックス粒子をステンレス製シャベルで容器からバットに移し換え、そのまま乾燥機に入れている時、爆発が起こった。

(直接原因)
原因は、液体窒素温度(-196)で空気中の酸素(沸点 -183)が凝縮し、凍結体中のベンゼンと液体酸素爆薬を形成し爆発的に反応したものと推定された。着火源は、移し替え時の摩擦、衝撃と推定されている。

(間接原因)
□液体窒素の使用による液体酸素と可燃物の混合発火事故は以前より発生していたが、事故を学習していなかったため防止策がとられていなかった。
□液体窒素温度では空気中の酸素が凝縮して可燃物と爆発性混合物を生成する危険性が認識されていなかった。試験製造のため、十分な調査、研究がなされていなかった可能性がある。

(教訓、対応)
1.液体窒素を使用する冷却工程では可燃性溶剤を使用しない。 
2.液体窒素温度の表面を空気から遮断する。 
3.着火源を排除する(機械的刺激や静電気など)。
 
 
 
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酸素ボンベの爆発危険性調査中、以下の事例を発掘したので紹介する。
 
 
「朝日新聞;聞蔵」1993422日 大阪版
 
21日午前6時5分ごろ、和泉市の市立府中病院の機材庫で、医療用の酸素ボンベから発火。周辺にあった段ボール箱などが焼け、そばにいた看護婦が顔や手などに3週間のやけどを負った。
警察の調べでは、看護婦2人が、酸素の流量を調節するメーターを、空のボンベから新しいボンベに取り換える作業をしていたという。
 
 
「安全門」なるブログより引用(場所など不詳)
 
(事故の概要)
ガラス細工に使用する酸素ボンベに取り付ける圧力調整ゲージが老朽化して使えなくなったため、アルゴンガス用の流量調節弁付き圧力ゲージ(Al-Mg合金)を取り付けておいた。
卒業研究の学生がボンベの元栓を開いた瞬間、ボーンという音響と同時に発火し、ボンベに隣接している木製実験台が燃え上がった。驚きのあまり元栓を閉めなかったため酸素ガスが噴き出し、実験台およびその周囲(約1m×2m、高さ1. 5m)が燃えた。消防車が出動し、消火器を使用して消火した。

(被害)
人的被害なし。木製実験台およびその周辺が燃えた。

(原因)
発火原因として考えられるのは、
□元栓付近に金属粉(鉄など)があり、摩擦または静電気によるスパークにより着火
□元栓の急激な開放により着火
□計器、付属品、配管などに油脂などの有機物が付着していたために着火
の3つの原因のうち、有機物の付着であったと考えられる(アルゴン用の計器は、油を使って油圧テストをすることがあるため)。
 
 

 
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酸素ボンベの爆発危険性調査中、以下の12件の事例を発掘した。
いずれも原因については言及されていないが、参考までに紹介する。
 
 
 
埼玉県高圧ガス溶材協会ホームページ、朝日新聞「聞蔵」
 
20106月7日午前1時50分ごろ、焼津漁港に停泊中だった県水産技術研究所所属の富士丸(311トン)の甲板上にあった溶接作業用の酸素ボンベが爆発した。ボンベは約60m離れた駐車場まで吹き飛び、車を直撃したが、けが人はなかった。
ボンベの高さは1.4m、直径は22cm。金属の留め具で酸素ボンベ2本とアセチレンボンベ1本がまとめられ、甲板中央部に固定設置されていた。

富士丸は遠洋漁業の練習指導船だったが、今年3月に廃船。この日は譲渡のため、研究所職員3人と査定業者2人で査定のための作業を行っていた。その一環として船の電源を入れた約29分後に爆発した。(別報道では、エンジンをかけたところ、突然爆発した)。
岸壁のそばで電気修理業を営む人(62)は、「ドーンというものすごい音に外に出ると、黒っぽい物が空を飛んで、駐車場の車のガラスを粉々にして突っ込んだ」と話している。
 
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」2008726日朝刊と31日朝刊
 
香港からメルボルンに向かっていた豪カンタス航空機(ボーイング747-400)の右翼近くに爆発で直径2.5~3mの穴が開き、マニラ空港に緊急着陸した事故で、豪航空当局は、30日、緊急時に乗客に酸素を供給するシリンダーの爆発が原因とみられるとの見解を明らかにした。客室内からシリンダーのバルブなどが発見されたという。航空当局は、同航空が所有する全ての同型機の酸素シリンダーを点検するよう命じた。
事故では、機内の天井の一部が壊れるなどしたが、乗客乗員にけがはなかった。ある乗客は「機体の破片がファーストクラスの客席にも飛び込んできて、酸素マスクが飛び出た」と語った。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」2005830日 鹿児島版
29日午前11時半ごろ、鹿児島市の高圧ガス製造業「U興業」の工場内で、酸素を注入する管の一部が破裂した。従業員4人で作業していたが、けがはなかった。
警察の調べでは管は真鍮製で直径は約3cm。酸素の貯蔵タンクから管を通じて酸素ボンベ(直径約30cm、高さ約1.3m)に酸素を注入後に破裂したらしい。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」2005612日 三重版
10日午後8時すぎ、津青果水産物市場で爆発音があったと、近くの住民が119番通報した。消防などの調べでは、市場内の一室で、使われてない酸素ボンベ2本のうち1本が破裂。安全弁がはじけて屋根の一部が壊れた。
ボンベは水槽用で、4~5年、使っていなかったらしい。市場は当時、無人だったという。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」20041214日 長野版
警察は、今年6月、木曽郡の空き地でガスボンベが爆発し、作業していた男性(60)が大けがをした事故で、この男性を高圧ガス保安法違反容疑で、13日、書類送検した。
調べによると、6月4日午後2時ごろ、空き地にある作業小屋の近くで、圧縮酸素を酸素ボンベから、本来は圧縮酸素を充填できないLPガスボンベ3本に移し替えた疑い。そのうち1本が爆発した。残り2本のガスボンベは自衛隊などが爆破処理した。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」200498日 秋田版
7日午後3時ごろ、象潟町の秋田水産の養魚場で、水槽に酸素を送るために用意していた酸素ボンベが爆発した。
警察によると、爆発したのは養魚場の外壁に立てかけられていた酸素ボンベ(47ℓ入り、高さ150cm、直径22cm)2本のうち1本。爆発で窓ガラス2枚が割れ、シャッターに亀裂が入ったが、けが人はいなかった。
酸素ボンベの近くにはフロンガスボンベ4本が置かれていたが、うち1本が爆発の衝撃で約40m離れた象潟漁港まで吹き飛び、海中に落ちた。
同養魚場では、普段、電気ポンプで水槽に酸素を送っていたが、台風による停電に備え、酸素ボンベを用意していたという。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」2004114日 京都版
山科区のなぎ辻病院の液体酸素ボンベ保管庫で13日に起きた爆発事故で、数本あるボンベ(長さ約1.4m、直径約50cm)のうち、爆発直前に取り換え作業をした1本が激しく壊れていることが分かった。警察は、作業したボンベから漏れた酸素が何らかの原因で引火したのではないかとみて調べている。
警察などによると、ボンベは管につながれ、各病室にある酸素吸入器に酸素を送る仕組みになっている。1本の残量が少なくなったため、医療用ガス会社「京都医療用酸素」の社員(53)が、1人でボンベの取り換え作業をした。爆発は、作業終了後、社員が保管庫を離れた直後に起こったという。
同社は「作業はいつも一人でやる。取り換え前に安全点検などすることになっている。原因はわからない」という。爆発の影響で病院の南隣の住宅の一部が焼け、天井に穴が開いたほか、病院の南側の窓ガラスがあちこちで割れた。近くに住む主婦は「ドーンという音で外に出てみると、病院の2階ぐらいまで火柱が上がっていた。すぐに南側に燃え広がった」と話している。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」200389日 朝刊
8日午後1時35分ごろ、船橋市のパチンコ店で、店内で倒れた男性(65)を消防の救急隊員が酸素ボンベを使って救助中、爆発が起こり、隊員が顔や胸にやけどを負って入院した。別の隊員も顔に軽いやけどをした。警察などが原因を調べている。
倒れた男性は医療機関に運ばれたが、心臓圧迫による死亡が確認された。警察では、事故との因果関係はないいとみている。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」2003725日 山形版
最上町にある民間の産廃焼却施設「最上クリーンセンター」の高圧酸素ボンベ周辺で、23日午後6時20分ごろ、「ボン」という音がした。近くの作業員が駆け付けると、保守点検作業中の会社員(20)が倒れていた。作業員はのどに大けがをしていて意識不明の重体。
警察の調べでは、事故があったのは酸素ボンベ9本から1本の管に高圧酸素を送り込む装置。管周辺の調整具が飛んでおり、被災者ののどをボルトのようなものが直撃したらしい。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」1996325日 夕刊
25日午前11時45分ごろ、福岡県志免町の高圧ガス製造業「イワタニ福岡ガスセンター」で酸素ボンベが破裂し、爆風で同センター下請け会社員(61)が死亡、同僚がけがをした。
警察などの調べでは、破裂したボンベは高さ約90cm、直径約20cmの円筒形。アルミ製で容量は10ℓ。病院で患者の酸素吸入に使う医療用のものという。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」1992711日 朝刊
 
10日午後1時40分ごろ、大阪市中央区の光南マンションの解体現場で、鉄骨をアセチレンガスバーナーで切断中、アセチレンガスのボンベ1本が突然、火を噴き、横に置いてあった酸素ボンベ1本が爆発した。
爆風で工事現場の看板(縦1m、横1.2m)が吹き飛ばされ、消火に駆け付けた消防隊員が腰に軽いけがをした。ボンベの破片は半径約10mの範囲に飛び散り、近くに駐車中の乗用車2台の窓ガラスなどが壊れた。
 
 
 
「朝日新聞;聞蔵」1988106日 夕刊
 
6日午後1時すぎ、皇居内の宮内庁病院近くで、工事用の車に積んであった酸素ボンベが爆発し、建設会社社員1人がけがをした。同病院では配管工事をしており、事故を起こしたボンベは、この工事に使われるものとみている。
 
 
 


(2011年6月2日 修正1 ;追記)
 
2011年5月31日17時6分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
31日午後2時半ごろ、福島第1原発4号機の原子炉建屋南側で、がれきの撤去作業中、無人の重機が誤って酸素ボンベを切断し、爆発した。けが人なし。
4号機は震災前から定期検査中で、配管の溶接などのため酸素ボンベがあった。

[時事通信社]
 


 
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2011年5月24日に、市川市のビル解体現場で酸素ボンベが爆発したという記事を本ブログに掲載した。
ブログ者は、高濃度酸素が爆発的燃焼を引き起こすこと、条件次第では鉄も燃えることは知っていたが、酸素ボンベが爆発することなど、考えたことはなかった。そこで、酸素ボンベ、高濃度酸素の爆発危険性について改めて調査した。
結果、ネットで入手した主要4情報を、以下のとおりに転載する。
 
 
①函館酸素㈱ホームページ(写真や図は転載省略)
 
1.アセチレン切断用バーナー

アセチレンは酸素と燃焼させることにより、3300℃という高温を得ることが出来ます。
この温度はほかのプロパンやブタンなどでは容易に得ることの出来ない温度です。 このアセチレンの高い燃焼温度により鉄を効率よく切断することが出来ます。
では、アセチレンバーナーはどのような仕掛けで硬い鋼鉄を切断するのでしょうか。
「酸素-アセチレン炎」で鉄を溶かして切断すると思っている人が多いのですが、これは誤解です。
以下にどのようにして鋼材を切断するのか説明します。

写真1はバーナーの全体図です。
図1は酸素とアセチレンがどのようにバーナーの中を流れるのかを示します。(図1をクリックすると拡大ページが表示されます。)
図1をみると、アセチレンと酸素が混合されて流れるルートと、酸素だけ流れるルートに分かれているのが判ります。
鋼材を切断する時は、まずアセチレンと酸素の混合ガスを燃焼させて、切断しようとする鋼鉄を予熱します。
図1の酸素とアセチレンの混合ガスの流れる茶色のルートです。
茶色ルートの混合ガスを燃焼させて、対象となる鉄を加熱します(業界では予熱といいます)。
鉄の発火温度900℃くらいまで十分予熱が出来たころ、酸素切断バルブを一気に開いて、バーナーの酸素専用のルート(図1の青のルート)に高圧酸素を流します。 これにより急激な鋼材の酸化反応が起きて、赤熱された鋼は吹き飛ぶように切断が進行します。
 
http://www.hakosan.co.jp/
 
 
②㈱泉産業ホームページ(図は転載省略)
 
酸素-アセチレンを使用する場合、通常2本のボンベを並べて使用します。台車に積んで使用する或いは、置き場に固定して使用する。その場合に注意しなければならないことがあります。それはアセチレンボンベの安全弁、バルブの安全弁、バルブのガス出口を酸素ボンベに向けないことです。万一、アセチレンボンベが火災にあったり、溶断の火花等で着火した場合は安全弁から猛烈な勢いで火炎が噴出します。この火炎(約1,100℃)が酸素ボンベに直接あたると酸素ボンベが爆発する危険性があります。

下図のようにアセチレンを右側、酸素を左側に置くと万一火が噴いた場合でも酸素ボンベに火炎はあたりません。あるいは、間仕切り板(遮へい板)を間にはさんでいただければより一層安全です。
 
③東京消防庁ホームページ(写真は転載省略)
 
解体工事中に重機による酸素ボンベ爆発火災が発生しています!
酸素の取り扱いには十分に注意してください
※ 酸素自体は燃えませんが、可燃物の燃焼を支える性質があります。
※ 酸素濃度が高くなると可燃物は激しく燃焼し、不燃物と考えられている固状の鉄(ボンベ)も燃焼します。

ボンベは重機で扱わず、手で扱うことを徹底してください!
◆重機で扱うと酸素ボンベが破裂して燃えることがあり、ボンベ本体が溶けて広範囲に飛散し大
変危険です!
出火事例
 建物解体作業中、操作を誤ってペンチャーをボンベに激突させた際、ペンチャーが振動するほどの轟音と共に酸素ボンベが爆発、隣接建物2階の高さまで火炎が噴出しました。

 
④医療安全推進者ネットワーク
 
酸素ボンベのバルブ開放時、酸素と一緒に火が流れて、患者さんが火傷をしたということがありました。これは「断熱圧縮」という現象によるものです。ボンベから出た酸素が、流量計までの間にある空気を急激に圧縮すると、圧縮された空気が高熱(通常約400度、場合によっては1000度近く)を発し、配管内にゴミがあると、そのゴミが起燃物となり火がつくことがあるのです。
 酸素ボンベには「ゆっくり開けましょう」と書いてあります。これは、圧を徐々にかけていって急激な断熱圧縮を起こさないためにということです。しかし、「火がつくかもしれないから」ということまでは書いてありません。なぜ、ゆっくり開ける必要があるのか、そのしくみを理解していないと、咄嗟の場合、勢いよく開けてしまう恐れがあります。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
酸素ボンベがどのようなメカニズムで爆発するのか、肝心な点について説明された記事は発見できなかった。
そこで、上記情報などをもとに、今回調査の発端となった市川ビル解体現場での酸素ボンベ爆発原因について、以下のとおりに考察した。
ただ、このシナリオが正しいかどうかは不明。正しい知見をお持ちの方がいれば、ぜひとも御教示いただきたい。
 
1.溶けた鉄の塊が、報道によれば酸素ホース上に落ちた。
2.ホースは溶け、そこから純酸素が噴き出した。
3.ホースはレギュレーター下流につき、吹き出し圧力はそう高くはなかったが、それでも、酸素ボンベ周辺は高濃度酸素雰囲気になった。
4.酸素ホースは可燃性につき、溶けた鉄の塊が着火源になってホースが燃えだした。
5.ただ、空気中だとメラメラ燃えるだけのホースであっても、高濃度酸素雰囲気になっていたので爆発的に燃え、燃焼熱を一気に放出した。
6.その大量の燃焼熱によって、酸素ボンベの温度が急上昇した。
7.酸素ボンベ温度の急上昇にともない、内部の酸素ガスは急激に膨張した。また鉄板溶断の原理で、酸素ボンベ内部では鉄が燃え始め、燃えることにより燃焼熱を発生して、加速度的に温度が上昇した。
8.内部圧力の上昇と鉄の燃焼によるボンベ肉厚減少とがあいまって、ボンベ破裂に至った。
9.東京消防庁ホームページの「ペンチャーを酸素ボンベに激突させたところ爆発した」という事例から考えると、酸素ボンベが局部的に高温になった時点で、このような反応が急激に連鎖していったのかもしれない。
 
 

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2011526日に毎日新聞千葉版と読売新聞京葉版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後4時ごろ、山武市の化学薬品工場「O化学産業」で爆発があり、アルコールが炎上した。化学消防車など計11台が出動し約3時間後に鎮火したが、鉄骨平屋建ての工場約500m2が全焼した。従業員の男性(34)が腕や足にやけどを負い病院に搬送されたが、意識はあるという。
警察などによると、現場はメタノールなどのアルコール製造工場。従業員2人が地下タンクから一斗缶に、精密機械の洗浄などに使われるアルコールを出荷するために小分けしていたところ、突然出火、爆発したという。
現場は工場や事業所のある団地の一角。近くの別の工場の従業員は、「ボン」という爆発音が立て続けに6回ほど聞こえた後、黒煙が高さ30m以上に立ち上ったと話している。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□小分け時のいきなりの発火ということで、原因は静電気の可能性が高い。
□このような作業を行う時の危険性については、2010年7月3日に本ブログ記事「静電気が原因で起きた典型的な火災事例」で、解説している。
□その他、本ブログに掲載した静電気関連の記事は、ブログ左欄の「ブログ内検索」に「静電気」と入力することで検索可能です。
 
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20115261516分に、msn産経ニュース静岡から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
25日午後2時10分ごろ、静岡県島田市の「R材木店」の材木置き場で、男性が材木の下敷きになっていると通行人が119番通報した。男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。

警察の調べでは、死亡したのは近くに住むアルバイト作業員(69)。材木をトラックから降ろす際、長さ4.3mの材木が何らかの原因で誤って落下し、腹部に当たり死亡したとみられる。
被災者は定年前から同社に勤務するベテラン作業員で、事故当時も含め、これまでほぼ1人で作業していたという。
 
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110526/szk11052615160009-n1.htm

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2011年5月26日の読売新聞京葉版に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
 
銚子市の清掃センターで、今月12日、可燃ゴミに混入した小型プロパンガスボンベが爆発。ごみを破砕して焼却炉に運ぶ設備が損傷したため、焼却炉2基のうち1基が使えなくなっていると、市が25日の定例記者会見で明らかにした。
 
市によると、ボンベが破砕機で壊されて焼却炉のごみ供給機内にガスが充満し、焼却炉の熱で引火したとみられる。
同センターは、ごみ収集車のほか、市民の持ち込みごみも受け入れているため、混入の経緯は分かっていない。損害額は、修理の間、民間処理業者へ処理を委託する費用を含め、4250万円とみられる。
市は「機械だけでなく、作業員にも危険なので、ごみ出しのルールをしっかり守ってほしい」と訴えている。
 
 
(ブログ者コメント)
 
□記事の前段では「ボンベが爆発」となっているが、後段を読む限り、そうではなさそうだ。
□同種事例を、2011年1月13日に「[昔の事例の顛末]2010年9月21日 小平市のごみ処理場でスプレー缶などが原因で鉄扉が曲がるほどの爆発」として、本ブログに掲載している。


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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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