2020年5月22日19時36分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後5時ごろ、山陽新幹線のぞみ35号(新大阪発博多行き)が広島駅に到着した際、ドアの戸袋に乗客の携帯電話が挟まるトラブルがあった。
JR西日本によると、携帯電話はその場で取り出せず、挟まったまま扉を閉めて16分遅れで広島駅を出発した。
後続の下り新幹線1本も遅れ、約100人に影響が出た。
携帯電話は広島駅で降りようとした乗客が落とした。
ドアが開く際に一緒に戸袋に引き込まれたという。
https://www.asahi.com/articles/ASN5Q6G4CN5QPTIL026.html
(ブログ者コメント)
今年1月には名古屋市の地下鉄で、スマホが戸袋に引き込まれ電車2本が運休するというトラブルが起きている。(本ブログ紹介スミ)
2020年5月13日9時58分にNHK岡山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本岡山支社は、これまで真夜中に線路の整備などを行っていた作業員の働き方改革の一環として、備前市内の赤穂線の一部の区間で、初めて日中に列車の運行を取りやめ、工事の時間を設けています。
列車の運行を取りやめて工事が行われているのは、備前市の備前片上駅と兵庫県の播州赤穂駅の間のおよそ20キロの区間です。
作業初日の12日は、備前市日生町の寒河駅の近くで、作業員10人あまりが列車に電気を送る架線の張り替えなどを行いました。
JR西日本岡山支社によりますと、こうした工事は、通常、終電後の真夜中に行われていますが、作業員の働き方改革を進めるため、初めて日中に工事の時間を設けたということです。
工事の期間中はJRが代替バスを運行するということで、作業は14日まで行われます。
JR西日本岡山支社の高須電気課長は、「お客様には迷惑をおかけするが、鉄道の安全確保のため力を尽くしたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20200513/4020005449.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、日中に行われた工事映像の2コマ。
〇関連情報調査結果、JR西では働き方改革の一環として、夜間保守作業の時間を延ばすため終電を早める検討も行っているなど、下記趣旨の記事も昨年末にネット配信されていた。
(2019年12月18日15時0分 プレジデント オンライン ; 鉄道ジャーナリストの寄稿文?)
JR西日本は、関西圏の通勤路線で終電を30分程度早める検討を始めた。
早ければ2021年春のダイヤ改正から実施されるが、都市部では異例の取り組みだ。
同社のねらいはどこにあるのか。
鉄道ジャーナリストの枝久保達也氏が解説する——。
【各社の終電が延びるなか、都市部で異例の前倒し】
大手コンビニチェーンで深夜営業の見直しが進む中、鉄道にも「働き方改革」の波が押し寄せるかもしれない。
旗振り役は、2014年に計画運休を導入して災害時の人々の動き方を変えた実績のあるJR西日本だ。
同社は10月24日、夜間に線路などの点検作業の時間を確保するために、関西圏の通勤路線で最終電車の時間を30分程度早めたい意向を示した。
1年間かけて検討を進め、早ければ2021年春のダイヤ改正で実施するという。
しかし、これまで鉄道業界では、サービス向上のため終電を繰り下げてきた。
例えば大阪市営地下鉄(当時)は、2013年のダイヤ改正で各路線の終電を最大30分繰り下げた。
東京メトロも2013年から2015年にかけて、丸ノ内線や東西線などで終電を延長した。
私鉄でも近畿日本鉄道が2018年、各路線で終電を10~20分繰り下げるダイヤ改正を実施。
東武鉄道も2020年3月14日のダイヤ改正で、東武野田線(アーバンパークライン)の最終電車を、大宮、柏、船橋などの乗換駅で最大33分繰り下げる。
深夜時間帯の利便性を向上することで、沿線住宅地の開発に弾みをつけたい考えだ。
その他、期間限定の措置ではあるが、東京都はオリンピック期間中、首都圏のJR・私鉄・地下鉄各線の終電を最大90分程度延長し、深夜時間帯の観客輸送を行う計画がある。
それだけに、利用者の減少が進むローカル線であればまだしも、都市部での終電繰り上げはめったに聞かない大ニュースである。
今年の春先、品川駅に到着する山手線内回りの最終電車が27分も早まると話題になったことを覚えているだろうか。
品川駅改良工事の都合で、品川行き最終電車が一つ手前の大崎止まりに変更されたのだが、1本の列車の運行距離が2km短縮されただけで大騒ぎになるのが最終電車の存在感というものだ。
【保守作業は毎晩100カ所以上、その数1500人】
JR西日本は2009年のダイヤ改正でも終電を最大20分早めているが、これは2005年に発生した福知山線脱線事故の反省を踏まえ、乗務員の労働環境を見直すために行われた「働き方改革」であった。
ところが今回は、運転士の勤務時間を減らすためではなく、夜間保守の作業時間を延ばすために終電を繰り上げたいという。
鉄道は終電後も、線路や電線の修繕や点検、車両の整備など、鉄道を安全に運行するための準備や作業が一晩中行われている。
列車本数の多い都市部では日中に作業を行うことができないため、深夜の限られた時間に集中して作業する必要があり、特に線路保守作業は人海戦術で行われる。
JR西日本の場合、近畿エリアの在来線では毎晩、100カ所以上で、およそ1500人が保線作業に従事しているという。
ところが、近年の働き手不足により、将来的に夜間の保守作業をこのままの形で継続することが難しくなっているというのだ。
JRが人手不足とは大げさだと思うかもしれないが、工事に従事するのはJRの社員だけではない。
彼らの業務は工事の管理監督が中心であり、人手を必要とする実作業は下請け会社の社員によって行われているからだ。
JR西日本の協力会社の中には、2008年から2018年の10年間で線路保守に従事する従業員が23%減少した例もあるという。
【終電を早める以外の方法はないのだろうか】
実際、大阪労働局と東京労働局の「求人・求職バランスシート(2019年4月)※」を比較すると、専門技術職の「建築・土木技術者等」の有効求人倍率は、大阪の5.5倍に対して東京が8.2倍だが、鉄道線路工事作業員を含む「土木の職業」では、東京の6.97倍に対して大阪は8.32倍と上回っている。
ちなみに「電気工事の職業」は東京が5.13倍、大阪が4.85倍。
いずれも深刻な人手不足であるものの、特に関西では一般土木作業員の確保に苦労していることが読み取れる。
※大阪労働局「求人・求職バランスシート(2019年4月)」
※東京労働局「求人・求職バランスシート(2019年4月)」
特に深夜の重労働が中心で、土休日の休みが取りにくい鉄道線路工事作業員は、働き手が急速に減少しているのが実情だ。
JR西日本は、将来の鉄道を担う若い世代が働きやすい環境を整えることは喫緊の課題であるという認識から、まずは深夜作業の日数を減らし、土休日に休みを取りやすい体制に改めるため、今回の深夜帯ダイヤ見直しの検討に至ったと説明する。
安全運行のためのメンテナンスの必要性、重要性や、作業員の労働環境改善に異議を唱える人はいないだろう。
しかし、終電繰り上げ以外の方法で解決することはできないのだろうか。
・・・・・
https://president.jp/articles/-/31497?page=2
2020年5月11日1時14分に日本経済新聞電子版から下記趣旨の記事が、踏切写真と同種踏切数の棒グラフ付きでネット配信されていた。
遮断機も警報機もない踏切で、歩行者や通行車両が巻き込まれる事故が後を絶たない。
踏切の廃止や遮断機の整備などの対策には多額の費用がかかる。
利便性の面から廃止に反対する住民も多く、問題の解消が進んでいない。
2019年3月、神奈川県逗子市のJR逗子駅近くの踏切で、走行中の電車が線路を横断していた90代男性をはねる死亡事故が起きた。
踏切の長さは35メートルと通常よりも長いが、遮断機も警報機も設置されていなかった。
事故を調査した国の運輸安全委員会は20年3月、「横断前の確認だけでは安全に渡りきるのは困難」と指摘した。
JR東日本横浜支社の担当者は、「逗子市に踏切の廃止を求めてきたが、議論が進まなかった」と明かす。
同社は、警報機や遮断機のスペースが確保できないため設置が難しく、約300メートル離れた歩道橋や別の踏切で代替できるとして、07年に市側に廃止の方針を伝えていた。
廃止できない背景には住民の反対がある。
生活道路として利用する住民からは、迂回するのは不便との声が上がった。
近所の男性(78)は、「買い物や市役所に行く際に渡っており、廃止は困る」と語る。
10年以上住んでいて事故を見たのは初めてといい、「通り慣れた近隣住民しか使わないし、危険だとは感じない」。
同社や市などは歩道橋へ誘導する看板も設けたが、日中は数百人が踏切を通行する。
事故後も住民説明会などを続けるものの、廃止のめどは立っていないという。
国土交通省によると、遮断機も警報機もない踏切は全国に2652カ所(18年度末時点)あり、廃止されたのは18年度までの5年間で329カ所にとどまる。
全国にある踏切全体に占める割合は1割以下だが、安全委によると、同じ5年間で34件の死亡事故が発生している。
18年6月には、佐賀県小城市の踏切に進入した自動車と電車が衝突。
車を運転していた同市の女性(当時29)が亡くなった。
安全委によると、女性は普段、この道とは違う田園地帯を通る道路を使っていたが、農繁期となり、農業用の車両の行き来が増えたために迂回し、踏切を渡ったとみられている。
この踏切では1日に約180本の列車が通行し、最高速度は時速115キロに上る。
1997年以降、ほかにも自動車が接触するなどの事故が3件発生した。
管轄するJR九州は15年以降、同市に廃止や保安設備の設置を要望していた。
死亡事故の後、同社や小城市は急きょ、踏切の自動車の通行を禁止し、道路にポールを設置。
廃止に向けた協議を続けている。
国交省鉄道局によると、安全確保や渋滞解消を目的として、50年間で半数の踏切が廃止され、大半には遮断機などの保安設備が設けられた。
しかし、歩行者や通行車両が少ない踏切では、鉄道会社側も対策に及び腰だ。
「遮断機や警報機の設置には少なくとも1千万円はかかるうえ、点検や補修などの維持費も必要」と大手鉄道会社の担当者は語る。
関西大の安部誠治教授(交通政策)は、「利用者が多ければ歩道橋の設置や線路の高架化も選択肢となるが、保安設備のない踏切は地方に多く、コストのかかる対策は難しい。生活道路として維持するのであれば、まずは過去に事故が起きたことを示す掲示板や警報を設置するなど、すぐにできる対策を急ぐべきだ」と指摘する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58805790X00C20A5SHJ000/?n_cid=NMAIL007_20200511_A
(ブログ者コメント)
遮断機と警報機がない第4種踏切の問題については、過去にも本ブログで、事例を含め、紹介している。
2020年4月30日10時55分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日夜、奈良県内を走る近鉄の普通電車で運転士が、駅のトイレに行った車掌を乗せないまま発車させ、次の駅まで運行していたことがわかりました。
近鉄によりますと29日午後11時55分ごろ、近鉄大阪線の普通電車で車掌が乗らないまま、奈良県の築山駅から五位堂駅までの1駅の間を運行していたということです。
車掌は乗務中に腹痛を感じ、運転士に連絡して築山駅のトイレに行きましたが、運転士は電車の中のトイレに行っていると思いこみ、発車させたということです。
その際、運転士は社内規則に違反して、車掌が乗務員室にいることを確認しないまま、みずから操作して電車の扉を閉めていましたが、五位堂駅で扉が開かなかったことから、車掌が乗車していないことに気づいたということです。
電車は、代わりの車掌が乗車して、およそ9分遅れで運行され、近鉄は「お客様にご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。このような事態を再発させないよう指導教育を徹底いたします」としています。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200430/2000029104.html
4月30日10時6分に朝日新聞からは、次の駅の助役が車掌として乗務したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近鉄大阪線築山駅(奈良県大和高田市)で29日午後11時55分ごろ、名張発高安行きの上り普通電車(6両編成)が、ホームに車掌(29)を残したまま発車した。
約2キロ先にある次の五位堂駅(同県香芝市)で運転士(56)が車掌の不在に気づき、同駅の助役が車掌業務を代行。
約9分遅れで出発した。
近鉄によると、車掌は腹痛のために、運転士に連絡して築山駅ホームのトイレを利用。
列車内のトイレにいると勘違いした運転士が自らドアを閉めて発車し、五位堂駅でドアが開かなかったために気づいた。
乗客は4人だった。
https://www.asahi.com/articles/ASN4Z35VLN4ZPTFC002.html
※キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー、報連相不足、コミュニケーション不足
2020年4月30日0時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本鉄道は29日、福岡県久留米市宮ノ陣4の甘木線の踏切で、警報機と遮断機が作動しないまま列車が通過するトラブルがあったと発表した。
乗客と通行人にけが人はなかった。
西鉄によると、29日午後2時ごろ、同市宮ノ陣5の宮の陣駅で、大牟田発甘木行き普通列車(2両編成)の男性運転士(56)が、列車専用の赤信号を見落として運行を開始。
19メートル進んだところで自動列車停止装置により非常ブレーキが作動して急停止したが、運転士は非常ブレーキを解除してそのまま運行を再開した。
その後、列車は、異常に気付いた運転指令からの連絡で停車するまで計9カ所の踏切を通過し、そのうちの1カ所で警報機と遮断機が作動していなかった。
当時、列車には乗客約10人が乗っていた。
男性運転士は「気が動転した」などと話しているという。
西鉄広報課は「全乗務員に安全輸送についての教育を徹底する」としている。
https://mainichi.jp/articles/20200429/k00/00m/040/177000c
4月30日6時2分に西日本新聞からは、運転指令に報告せず運行を再開したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後2時ごろ、福岡県久留米市宮ノ陣4丁目の西鉄甘木線宮の陣-五郎丸間の踏切で、大牟田発甘木行き普通電車が遮断機が下りないまま通過した。
警報機も鳴っていなかった。
西鉄によると、男性運転士(56)が宮の陣駅の赤信号を見落として発車。
自動列車停止装置(ATS)が作動し、いったん電車は止まったが、運転士は運転指令に報告することなく非常ブレーキを解除し、運行を再開した。
運転士は「気が動転した」と話しているという。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/604726/
4月30日7時31分にNHK福岡からは、システム上、手前の駅で停車したままになっていたため遮断機などが作動しなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西鉄によりますと、この電車の男性運転士は踏切の手前の駅で赤信号を見落として発車したうえ、ATS=自動列車停止装置が作動して非常ブレーキがかかったにも関わらず指令に報告せず、みずからの判断で運行を再開したということです。
このため、運行システム上は、電車は手前の駅で停車したままになっていて、遮断機や警報機が作動しなかったということです。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20200430/5010007759.html
キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー
2020年4月22日13時6分に長崎放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
きのう長崎市市民会館付近で起きた路面電車の脱線事故について、原因は運転士の操作ミスだったことが分かりました。
きのう午後3時15分ごろ、長崎市市民会館付近で長崎電気軌道の3号系統蛍茶屋発赤迫行の路面電車が右カーブを曲がる際、脱線しました。
乗員乗客6人にケガはありませんでした。
長崎電気軌道によりますと、調査の結果、運転士がカーブに差し掛かって信号停止した際、直線に進む路面電車のために、一旦、線路の分岐をリセットし、再び発進するときに、運転士が分岐の操作を忘れていたため、前方の車輪はカーブし、後方の車輪は直進して脱線事故が起きたということです。
長崎電気軌道は、レールや分岐器などの設備に異常がなかったことを確認したとして、きょう始発から通常ダイヤでの運行を行っています。
長崎電気軌道コメント「再発防止につとめたい」。
何人に影響が出たかは調査中。
https://www.nbc-nagasaki.co.jp/nbcnews/detail/3711/
4月21日19時13分に日テレNEWS24からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3両編成の路面電車が右折する際、最後尾の左の車輪が脱線した。
現場では脱線事故が2007年以降、4回発生し、今回5回目。
2016年の事故では、カーブを緩やかにするためレールを敷設し直したほか、曲がる際はスピードを「時速10キロ以下」にする社内マニュアルを作成してた。
https://www.news24.jp/nnn/news87410146.html
4月22日14時56分にNHK長崎からは、レールを手作業で切り替えた際、カーブではなく直進にしたのが原因という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この場所では脱線事故が相次ぎ、平成29年11月にレールが改良されたばかりで、警察と会社はドライブレコーダーや監視カメラの映像などから詳しい状況を調べていました。
その結果、運転士が「分岐器」と呼ばれるレールの切り替え装置を手作業で操作した際に、カーブに切り替えないといけないのに誤って直進にしてしまい、それに気づかずに曲がろうとしたことが原因だったということです。
長崎電気軌道は、脱線の原因は「操作ミス」と結論づけました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20200422/5030007387.html
4月23日0時18分に長崎新聞からは、車両後方の台車を直進のレールに進めたのが原因という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、脱線は、運転士がカーブ地点で車両後方の台車を誤って直進のレールに進めたのが原因。
レールなどの設備に異常はなく、22日始発から通常運転を再開した。
https://this.kiji.is/625710475051435105?c=174761113988793844
(ブログ者コメント)
以下は、日テレNEWS24映像の1コマ。
報道を読んでも原因はイマイチ不明だ。
思うに、電車がレールの切り替えポイント上にいたということだろうか?
もしそうだったなら、ポイント切り替えミスで前の車両と後ろの車両が違う方向に進んだ・・・という点にも合点がいく。
2019年9月21日に掲載した元記事がブログサイト運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10012/
(2020年4月6日 修正2 ;追記)
2020年3月29日付で大阪日日新聞から、JR西はサングラス貸与対象を保線作業員を含む全在来線に適用するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は、昨年9月から試験的に一部の路線で行っていた運転士へのサングラスの貸与を、同社管内の全ての在来線運転士に拡大する。
試行により、直射日光を軽減して運転士の視認性向上や疲労軽減の効果が確認されたため、取り組みを広げる。
山陰線など近畿エリアの五つの在来線の運転士が使用していた。
フレームとレンズが一体となった「オーバーグラス」と、普段のメガネにレンズを取り付ける「クリップオン」の2種類がある。
色覚に影響を及ぼさない、偏光レンズの特許を持つ大阪市内のメーカーのサングラスが採用されている。
運転資格のある内勤者を含めて約4千人を対象としており、3月下旬以降に希望者に貸与する。
併せて、保線作業や業務用自動車の運転などを担う工務系社員にも貸与する。
https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/200329/20200329024.html
(2021年5月28日 修正3 ;追記)
2021年5月28日6時1分にYAHOOニュース(東洋経済オンライン)からは、JR西はエリア内を走る新幹線の運転士にも対象を拡げた、現場は大絶賛など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新大阪駅から博多駅まで、西日本の瀬戸内海側を通る山陽新幹線。
その名称からは、いかにも晴れの日に恵まれたエリアを走るイメージが伝わってくるが、降り注ぐ太陽光のまぶしさは、時に安全運行の妨げとなり、運転士を悩ませてきた。
JR西日本は3月30日、同社エリア内の新幹線運転士にサングラス(保護メガネ)の貸与を始めた。
すでにその1年前から在来線で順次展開しており、山陽・北陸新幹線を含むすべての路線の運転士に対象を拡大した格好だ。
【新幹線にも導入拡大】
同社はまず2019年9月、近畿エリアの在来線の運転士約75人を対象に試行を始めた。
サングラスは大阪市に本社を置くタレックスの製品。
余分な光だけを取り除く「トゥルービュー」という偏光レンズで、直射日光や反射光を和らげるだけでなく、疲労軽減の効果が期待される。
とくに信号機の色や運転台のモニター表示の見え方に影響を及ぼさない点が評価された。
その後、「試行結果が良好だった」として、2020年3月以降、運転資格のある内勤者を含む同社エリア内の在来線運転士(約4000人)のうち、希望者に貸与することに決めた。
工務系社員についても、現場巡回などの業務で実施。
そして今回、約500人いる新幹線の運転士も対象に加わった。
全社での希望者は9割を超えるという。
サングラスには、メガネの上からかける「オーバーグラス」とレンズに取り付ける「クリップオン」の2種類があり、各自どちらかを選択する。
接客する際は着用しないことになっている。
山陽新幹線には大阪、広島、博多に乗務員区所があるが、乗務する区間は新大阪―博多間、博多南線で共通している。
大阪新幹線運転所で約200人の運転士を束ねる金本所長は、「以前からまぶしさで疲労を感じたり、視認性が悪かったり、という声が運転士から上がっていたので、サングラスの評判はすこぶるいい。大絶賛という言葉を使っていいくらいだ」と歓迎する。
着脱のしやすさも好評で、ほぼすべての運転士が貸与を希望したようだ。
【停止位置目標が見やすく】
新幹線の運転士にとってサングラスがとくに役に立つのは、駅で列車を停止させるときだ。
新幹線は車内信号方式で、在来線のように前方の信号機を見るわけではないが、駅到着時のブレーキ操作は手動でするため、ホームにある停止位置目標を確認する際に逆光だと見づらくなっていた。
新幹線運輸部乗務員課の山崎課長は、「福知山線の列車事故以降、現場社員の声がたくさん上がってくるようになり、我々もスピーディーに対応したいと考えた。サングラス導入の目的は安全性向上と疲労軽減だが、運転士のストレスを減らして運転に集中できるようにしたいと検討していた」ときっかけを語る。
季節にもよるが、大阪の区所に所属する運転士は、泊まり勤務の早朝に博多を出発する上り列車が広島駅に到着するときに朝日がまぶしく感じるという。
新幹線運転士の小野さんは、「広島駅ではのぞみ号・ひかり号の16両編成の場合、停止位置はホームの屋根が途切れていて、日差しが当たる。サングラスがあると停止目標にきれいに合わせやすい」と話す。
また、下り列車(博多方面)の場合は、西明石に16両編成で停車する際、夕日が視界を妨げる場合がある。
秋の夕方の下り列車はずっと西日に向かって走行することになり、運転士の疲労の原因になりやすかった。
従来は、運転席のサンバイザーを活用するほか、日が差す時間帯に停車する際はあらかじめ早めに走って速度を落とす時間を長めに確保したり、目を細めたりしてそれぞれ対策をしていたそうだ。
山崎課長は、「まぶしくて目標物が確認できないときは速度を落としなさいと指導している」と話す。
こうした場面でサングラスがあれば、列車の遅れにつながる心配の種が減らせることになる。
【出番は朝夕だけでない】
日中も、トンネルから抜け出るときや、ホーム上の安全や線路の飛来物をチェックするときなど、サングラスの出番が多い。
それぞれの運転士が、次の駅に定時で到着するため、駅間に目印を持っているが、そうした目標物を確認するのにも役立つ。
小野さんは「運転台に置いて、いつでもかけられるようにしている」といい、運転士の間で早くも必需品として重宝されていることがうかがえる。
加えて、北陸新幹線では冬の晴天時にありがちな雪の照り返し対策にもサングラスが効果を発揮しそうだ。
これまでも太陽光の問題は、新幹線の運転士から重大なリスクの要因として認識が共有されていた。
岡山駅のホームでは、停止目標に太陽光線が重ならないように、窓にフィルムを貼る工夫がなされている。
金本所長は「私が本社勤務だったときに広島の区所の運転士から要望があって取り付けた」と説明する。
また、広島の運転士区所では「太陽光等によるリスクマップ」を作成。
たとえば、小倉駅については「春頃(朝日)ホーム全体が見えづらい」、「秋頃(西日)8両停目注意!」などと、新大阪―博多間の各駅での運転時の注意点を挙げている。
JR西日本では今回、在来線・新幹線のすべての運転士が貸与されたサングラスを着用して乗務できるようになった。
だが、ほかの鉄道会社に目を向ければ、「利用者に威圧感を与える」といった懸念やコスト面の理由から、導入に及び腰の印象だ。
運転士のサングラス着用について、ファッションの問題でなく、安全面での有効性が認識されるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/edd11e83327efe378926fdeaf5c5a74a3274839e
2020年3月24日9時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
春は旅立ちの季節――。
駅のホームには、家族や恋人をあふれる思いで見送る人たちがいる。
一方で、駅員にとっては「動き出した車両に近づくことはないか」と、神経を使う光景でもある。
山陽新幹線の小倉駅(北九州市)では、独自の「仕掛け」が効果を発揮している。
「ここは見送りのお客さんが多いな」。
小倉駅の新幹線ホームで運転係員を務める久保川さん(女性、30歳)は、3年前に博多駅から転任してそう思った。
北九州空港は福岡空港よりも街の中心部から遠く、小倉駅では東京や大阪などへの遠距離の新幹線利用が多いとされ、そのため見送り客も多いとみられる。
昨年1月のある日の小倉駅の改札通過人員は2万1027人で、うち入場券利用は約11%の2258人。
博多駅は4万6478人中3245人で約7%、岡山駅は5%だった。
見送り方も熱がこもっていて、孫の門出を見守ろうという祖父母らが発車の1、2時間前に駅に来て、弁当を持たせているのを見かける。
祖父母に限らないが、見送る相手しか目に入らなくなり、発車間際でも車両から離れなかったり、動き出した後に窓に手を伸ばしたりする人もいる。
緊急停止のスイッチを押すような大事に至らないように、笛やアナウンスで鋭く注意喚起するが、せっかくのはなむけに水を差すことになるし、駅員の側も後味が悪いという。
「安全な見送り」を、どうやって促すか。
昨夏、駅員たちで話し合い、このスペースから見送ってほしいという「立ち位置」をホームに示すことにした。
折しもお盆前。
善は急げと、新幹線の運行が終わった夜間、駅員が自ら作業した。
黄色い点字ブロックの内側に空色のペンキを塗り、白字で「お見送(みおく)りエリア」と描いた。
立ち位置を示す足跡は裸足。
動物や鳥の足跡は「描いているうちに思い付いた」という。
描いたのは、見送り客が多い東京・大阪方面のホームで、のぞみ号が出発する13番線。
効果を検証するため、まずは11~16号車の指定席側の乗降口そばに青い四角を描いた。
手作り感が目を引いたのか、結果は大成功。
直後に調べると、お見送りエリアを設けた指定席側の「危険な見送り」は、計4時間で122人中わずか2人だったのに対し、描いていない自由席側の1~5号車は98人の見送り客のうち26人だった。
「こんなにうまくいくとは」と、駅長の池山さん(49)も驚いた。
「もう少し下がったほうがいいですよ」と客同士で促す様子も見られたといい、青い四角は今年になって自由席側にも設けられた。
ひとつ面白いことがあった。
夜の作業を終えた駅員が朝になって見ると、白のペンキを踏んだらしい本物の鳥の足跡が、2カ所に付いていたのだ。
見つけられたら、別れの悲しみが少し癒やされるかもしれない。
https://digital.asahi.com/articles/ASN3R5WP4N3BTIPE026.html?pn=7
2020年3月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が模擬ホームの写真付きでネット配信されていた。
視覚障害者が駅のホームから転落する事故が跡を絶たない。
国土交通省によると、2010~17年度に605件に上った。
転落した経験のある視覚障害者に1980年代から聞き取り調査して、分析結果を公開している人間工学専攻の大倉元宏・成蹊大名誉教授(67)は、視覚障害者のためにホーム上に進路を示すマーカーの設置などを提言している。
――2019年10月に京成立石駅、20年1月にはJR日暮里駅と、視覚障害者の転落死亡事故が相次ぎました。
何が問題でしょうか。
◆事故の原因を徹底的に究明せず、再発防止に生かしてこなかった
ことだ。
警察は事件性がなければ、「なぜ落ちたか」はあまり追及しない。
視覚障害者団体などは事故のたびにホームドアの早期設置や駅員の声掛けなどを求めるが、取り組みはそこで終わってしまう。
国や第三者機関がなぜ落ちたのかを調べ、公表することが必要だ。
――大倉先生が調査・作成している事故原因データベースは、その先駆けですね。
◆国がやらないからやっています。
1980年代から今まで、ホームから転落した視覚障害者に状況を聞き取り、詳細を記録、公開している(https://omresearch.jp/fall/browse/)。
基本的に、視覚障害者が聞き取りを拒んだ場合や、亡くなった事故は聞き取りができないので載せていない。
パラリンピックを前に、去年の9月から英語でも読めるようにした。
視覚障害者は、さまざまな事故データを読むことで同じ目に遭わないでほしい。
見えている人も原因を知り、駅で視覚障害者を見かけたら積極的に支援をして。
――事故原因はどのようなものが多いのでしょうか。
◆25件しか集まっていないので一般化できないが、多くはホームの両端を列車が通る「島式」で起きている。
白杖(はくじょう)を使う視覚障害者の大きな特徴は真っすぐ歩けないこと。
いつのまにか横にそれ、ホームの端に寄ってしまう。
混雑した駅では白杖が人に当たりやすいので左右に振れず、杖を時々路面に触れるだけの人も多い。
そんな時に杖が点字ブロックを飛び越え、ブロックやホーム端を検知できないと落ちることがある。
――どうすればよいでしょうか。
◆ホームドア設置が一番良い。
だが、全駅設置はなかなか進まず、まずはできる対策をするしかない。
視覚障害者が白杖でたどりながらホームを階段や改札まで進むためのガイドとなる「触覚マーカー」をホーム中央に設置するのが有効だ。
ホーム端の点字ブロックに沿って歩くと、ブロック上にスーツケースなどがあった時、避けようとして転落することがあるからだ。
実際、大学内に設置した模擬ホームで実験をした際、触覚マーカーがある方が安定して歩くことができた。
警告用点字ブロックを隙間(すきま)なくホームの端まで敷き詰めるのも一つの手だ。
白杖や足で線路の近くにいることを認知しやすくなるし、比較的安価で設置できる。
――ソフト面の取り組みはなんですか。
◆駅員に手助けをお願いしても時間がかかることがあり、「急いでいると頼まない」という視覚障害者もいる。
駅員の数を増やすのが難しければ、駅にボランティアを配置することも一つだ。
視覚障害者自身も歩行訓練を受け、白杖をなるべく地面から離さず使用することが大事だ。
私は、師事していた視覚障害者の先生と転落事故の研究をしていたが、その先生も転落死した。
未然防止には強い思い入れがある。
少しでも事故がなくなるよう、それぞれができることをすべきだ。
https://mainichi.jp/articles/20200310/ddl/k13/040/007000c
2020年1月23日12時56分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前8時半ごろ、名古屋市営地下鉄桜通線の車道駅(同市東区)で列車のドアが閉まらなくなり、列車2本が運休するトラブルが起きた。
通勤ラッシュで混み合う地下鉄を止めたのは、1台のスマートフォンだった。
市交通局によると、車道駅で徳重発中村区役所行きの列車(5両)が停車中にドアが閉まらなくなった。
ドア付近にいた女性のスマホが戸袋に引き込まれたためで、運転士がドアを手動扱いにして取り出そうとしたものの、取り出せなかったという。
そのため列車は運転を取りやめ、乗客約700人には後続の列車を利用してもらったという。
このトラブルで後続列車などが最大約13分遅れた。
交通局は、「キーホルダーや小さな子どもの手が戸袋に引き込まれたケースはあるが、スマホは非常に珍しい。ドアの開閉時には十分に気をつけてほしい」と話す。
スマホが戸袋に引き込まれる事例は、昨年4月、大阪メトロ御堂筋線本町駅でも発生し、列車に遅延が生じた。
列車のドアや戸袋にはさまれて指を骨折するなどの事例もあり、東京消防庁の調べでは、2014年から18年までに400人が救急搬送されたという。
https://www.asahi.com/articles/ASN1R45KLN1ROIPE00L.html
※大阪市の事例は下記記事参照。
(2019年4月 9日 14:03 Jタウンネット)
2019年4月8日、1台のスマートフォンが大阪の大動脈を麻痺させる珍事が発生した。
大阪メトロ御堂筋線で、8日夜に一時全線が運転を見合わせるトラブルがあったが、その原因となったのがスマホだったのだ。
いったい、現場では何が起きていたのか、詳細を大阪メトロに取材した。
【広報担当者「経験上初めてです」】
大阪メトロによると、トラブルが起きたのは御堂筋線本町駅で、発生時刻は8日18時28分頃。
発端は、乗客のスマホが戸袋に引き込まれてしまったこと。
これを戸袋から取り出すことができず、やむなく本町駅でこの列車の運転を打ち切って車庫に回送。
この影響で、14分ほど全線で運転を見合わせる事態になった。
なお、肝心のスマホについては9日13時の取材時点でもなお、「取り出せていません」とのことである。
取材に応じてくれた担当者も、「お客様の手が引き込まれたりや、カバンが扉に引き込まれたということはありますが、スマホが引き込まれたというのは経験上初めてです。異動して8年になりますが」と、困惑と驚きを露わにしていた。
大阪の地下鉄ナンバーワンの輸送人員の御堂筋線、その帰宅ラッシュを1個のスマホが麻痺させた。
・・・・・
御堂筋線を止めたスマホは、事故から丸1日近く経っても戸袋から取り出せていない。
注意すべきは「歩きスマホ」だけではないようだ。
皆さんも電車に乗る時は、くれぐれもスマホの扱いに気を付けられたい。
https://j-town.net/tokyo/news/localnews/278231.html?p=all
2020年1月21日7時25分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県明石市内の山陽電鉄で20日朝、警報音が鳴らず、遮断棒も下りていない5カ所の踏切を電車が通過するトラブルがあった。
駅の設備工事のために止めていた警報装置を、工事担当の社員が作動させ忘れたのが原因という。
同社は「初歩的なミス」と謝罪。
再発防止に努めるとしている。
山陽電鉄によると同日午前5時17分ごろ、東二見駅―山陽魚住駅間の約1・7キロに設置された踏切が閉まらない状態のまま、東二見駅発の回送電車(3両編成)が通過。
その直後に後続の普通電車の運転士が異状に気づき、最初の踏切の手前で止まって運転指令に連絡した。
同25分に警報装置を作動させた。
いずれの電車にも乗客はおらず、けが人はいなかった。
上下線の特急と普通電車計23本が運行を取りやめ、約5千人に影響が出た。
同社によると19日深夜の終電後、東二見駅で6人の社員が設備工事を開始。
両駅間にある踏切8カ所の警報装置を止めたという。
20日の始発までに終わるはずの工事が遅れ、社員がうち5カ所の警報装置を元に戻すことを忘れたという。
本来の作業手順では、少なくとも2人の社員で警報装置を元に戻した後、踏切が正常に作動するか確認して工事を終了する。
担当社員の一人は「焦っていた」と話しているという。
両駅間の踏切周辺には住宅街が広がり、小学校や国立明石高専などもある。
国道2号や同250号につながる踏切も含まれていた。
同社経営統括本部の担当者は取材に、「踏切を横切る人や車がなかったのは偶然で、危険な状態だった」とした上で、作業手順の順守と確認の徹底を図るとともに、警報装置が作動していないことを作業員が発見しやすくするハード対策も検討していくとした。
https://digital.asahi.com/articles/ASN1P2D0BN1NPTIL020.html?pn=6
1月20日20時6分に神戸新聞からは、信号制御ケーブルの更新工事だったなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
山陽電鉄によると、20日未明の終電後、東二見駅構内で、信号などを制御するケーブルの更新工事を実施。
連動する踏切で人や車の通行を妨げないよう、遮断機の下降や警報機を止める処置をした。
工事が遅れたことに係員が焦り、処置の解除を忘れたまま、始発電車が出てしまったという。
この始発電車は、工事の遅れにより、定刻より約15分遅れて出発。
運転士は遮断機が下りていないことに気付かずに走行していた。
後続電車の運転士が気付いて運転指令に連絡し、同5時25分に係員が処置を解除した。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202001/0013049753.shtml
キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー
2019年12月29日6時0分に西日本新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「量販店で買ったライターオイルを新幹線に持ち込んだら、車掌に注意され『罰金』約6万円を取られた」。
あなたの特命取材班に疑問の声が寄せられた。
JRグループは2016年から危険物としてガソリンや灯油の持ち込みを禁止しており、手に載るサイズのオイル缶もそれに含まれるとの解釈だ。
一方でJRのチラシでは「日用品として小売店等で購入できる可燃性液体や高圧ガスを含む製品」は、制限内の量なら持ち込み可能としている。
新幹線の利用が増える年末年始。真相を調べた。
「罰金」を払ったのは関東の20代男性会社員。
8月、出張で東海道新幹線を利用した。
席に着き、かばんの中身を整理しようとオイル小缶を取り出したところ、車掌に呼び止められた。
「危険物の可能性がある」。
重さ140グラム、133ミリリットル入りの缶1個を没収された。
罰金を求められたが納得できず、電話でやりとりを続けた。
約2週間後、JR東海から請求書が届いた。
乗車券などとは別に「基本運賃」名目の5360円、さらに「危険物持ち込みによる増運賃」として5万円以上が上乗せされ、合計請求金額は5万9260円。
仕方なく全額を支払った。
「オイルが禁止だと明示したものはない。往復の飛行機代より高い額を請求されるなんて」。
男性の声が弱々しく響いた。
【高額請求に疑問も】
近年、新幹線車内での事件が相次ぐ。
15年6月には、東海道新幹線車内で男が焼身自殺を図り、巻き添えで死亡者が出た。
JRグループは翌年、規約を一部改正。
それまで3キロ以内であれば持ち込み可能だったガソリンや灯油、軽油を全面禁止にした。
国土交通省やJR各社が今春作成した新幹線車内に持ち込めない危険物のチラシには
(1)ガソリンや灯油などの可燃性液体、高圧ガスは量に関係なく禁止
(2)酒類やライター、カセットボンベなど小売店で購入できる「日用品」は、2キロまたは2リットル以内で中身が漏れないよう保護されているならば可能
とある。
オイル缶は量販店で買った日用品で、量や中身漏れの問題もクリアしているというのが男性の主張だ。
国交省に問い合わせると、当初は「日用品で持ち込み可能」との答えだったが、2週間ほどたって訂正の連絡が来た。
「鉄道運輸規定には細かな商品名まではないが、引火しやすいため日用品ではない」との説明だった。
ただ、細かい点については鉄道事業者それぞれの約款によるという。
JR東海は、「オイルは可燃性液体そのもので、持ち込みは禁止。罰金も規則にのっとった」とする。
JR九州とJR東日本も、当初は持ち込み可能と回答したが、後日、「禁止だった」と訂正。
他のJR各社は「日用品ではなく持ち込み禁止」。
とはいえ、各社とも罰金を請求した例は聞いたことがないという。
高額な請求の根拠は何か。
国交省やJR東海によると、旅客営業規則に「禁止の物品を車内に持ち込んだ場合、小荷物運賃およびその10倍に相当する増運賃を収受する」とある。
国交省の担当者は、「この規則が適用されたのだろうが、分かりにくいという主張も理解できる」と話した。
国やJR2社も判断に迷ったライターオイルの扱いについて、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、「小売店で販売しており、規則にも(具体例を示して)危険物との記載はない。そもそも規則は『車内の安全を守る』ためにあり、意味不明な高額請求はおかしい。周知してこなかったことも問題だ」と指摘した。
具体的な注意喚起がないとトラブルを招きかねないのでは-。
国交省、JR東海とも周知の予定は「ない」と答えた。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/572257/
(ブログ者コメント)
以下は、上記記事に書かれているものと同じかどうかは不明だが、JRから出されている持ち込み禁止物品のチラシ。
東海とも西日本とも書かれていないので、各JR共通のチラシかもしれない。
https://railway.jr-central.co.jp/ticket-rule/_pdf/kiken.pdf
2019年12月24日18時59分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は24日、新幹線を運行するJR5社に対し、車両基地などが浸水被害を受けないよう、新たな対策を講じるよう指示した。
全国28カ所のうち7カ所で浸水被害が想定されるとして、車両の避難計画などを策定し、来春をめどに報告することを求めた。
10月の台風19号では、長野市の北陸新幹線の車両基地が浸水して車両が使えなくなった。
JR各社が車両基地と留置線を点検したところ、16カ所が自治体のハザードマップの「浸水想定区域」にあることが判明した。
このうち、車両や信号通信機器室などの重要施設に被害が生じる50センチ程度以上の浸水の可能性があるのは7カ所に上った。
内訳は、
▽長野新幹線車両センター(長野市)
▽鳥飼車両基地(大阪府摂津市)
▽新庄運転区(山形県新庄市)
▽浜松工場(浜松市)
▽博多総合車両所岡山支所(岡山市)
▽同広島支所(広島市)
▽熊本総合車両所(熊本市)。
国交省は、重要施設の高所への移転や防水扉の設置、非常用の電力供給手段の確保――などを要請した。
今後、在来線の浸水対策についても検討するとしている。
https://mainichi.jp/articles/20191224/k00/00m/010/203000c
12月24日17時24分に時事ドットコムからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は24日、全国の新幹線車両基地など車両保管場所のうち、鳥飼車両基地(大阪府摂津市)を含む7カ所で豪雨時に浸水被害が想定されるとの調査結果を発表した。
合わせて浸水対策についての考え方を示し、JR各社に2020年春をめどに、具体策や実施時期を報告するよう指示した。
全国に28カ所ある保管場所のうち、現行のハザードマップ(被害予測地図)で浸水想定区域に含まれる16カ所に関し、盛り土によるかさ上げなどの実施状況を踏まえ、分析した。
この結果、鳥飼車両基地と、10月の台風19号で浸水した長野新幹線車両センター(長野市)は、数十年から200年に1度の規模の大雨で浸水する恐れがあると指摘。
新庄運転区(山形県新庄市)、浜松工場(浜松市)、博多総合車両所岡山支所(岡山市)、博多総合車両所広島支所(広島市)、熊本総合車両所(熊本市)は、1000年に1度の豪雨での被害を想定した。
国交省は、長野センターと鳥飼基地について、重要施設を高所に移設するといった対策を検討するよう求めた。
残り5カ所に関しても、車両の避難計画を作るなど、被害を抑える対策が必要とみている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122400812&g=eco
2019年12月21日17時50分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本の沿線で、電車と野生動物の衝突事故が増えている。
滋賀県を含む京阪神近郊エリアと福知山支社管内では今秋、発生件数が前年を25%上回り、列車遅延をたびたび引き起こしている。
事故原因で圧倒的に多いのはシカ。
要因については、鉄分を補給するために線路をなめにくる生態や、どんぐり不作の影響などが挙がっているものの、はっきりしないのが実情だ。
11月2日、JR湖西線和邇-蓬莱間で、金沢発大阪行きの特急サンダーバードがシカとみられる動物と接触した。
この電車は、前夜に福井県内で発生した別の電車とイノシシの接触事故の影響で既に運行が遅れていたこともあり、大阪駅着は当初予定から約10時間半遅れとなった。
これは、JR西日本の管内で起きた動物との衝突事故の、ほんの一例だ。
同社近畿統括本部によると、アーバンネットワークと呼ばれる京阪神地域では、今年9~11月、電車と動物の衝突事故が119件と、前年同期に比べて33.7%増えた。
北近畿エリアを管轄する福知山支社の管内でも、同期間に前年同期比23.3%増の328件に上った。
衝突する動物の大半を占めるのはニホンジカだ。
まず、個体数そのものが増加している。
狩猟者の減少などさまざまな要因で1990年代以降に急増し、環境省の調査による推定個体数は2017年度末に全国で244万頭と、30年前の8倍に達した。
また、生存に必要な鉄分を線路のレールから摂取しているという「ミネラル補給説」もある。
建材や防護柵などを製造する日鉄建材(東京)は約10年前、鉄道会社がシカの侵入に悩まされていることを知り、新規事業でシカ対策の研究を始めた。
電車とシカの接触が多い地点で、その生態を観察したり、鉄分を配合したブロック状の塊をシカに与える実験を行うなどした結果、シカは鉄分を補うためにレールをなめにくるという結論に達した。
成果を踏まえ、同社は鉄分と塩分を混ぜた誘鹿(ゆうろく)材「ユクル」を商品化。
JR東海やJR西日本などが導入し、「シカとの衝突を減らす効果を上げている」(同社鉄道商品営業室)という。
ただ、それでは、なぜ今秋に衝突事故が増えたのかの説明がつかない。
今年ならではの背景として、シカの主食の一つであるどんぐりの凶作が影響した可能性も指摘されている。
京都府が丹波地域と丹後地域でブナ科のどんぐりのつき具合を調べたところ、今年は凶作だった。
ツキノワグマが人里で目撃される事例も増えており、府農村振興課は、「推測だが、秋になってシカの衝突事故が増えたのであれば、同じ理由かもしれない」としている。
https://this.kiji.is/580915602900206689?c=39546741839462401
12月23日16時18分にNHK滋賀からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
列車が鹿をはね、一時運転を見合わせる事故がこの秋、関西地方で去年より3割ほど増加し、JR西日本では線路への鹿の進入を防ぐ対策を急いでいます。
JR西日本によりますと、滋賀県の草津線や三重県の関西線など山あいの路線を中心に、ことしの秋口に入り、列車が鹿などの動物をはねる事故が急増し、9月から11月の3か月では、およそ570件と去年の同じ時期と比べて3割ほど増えています。
事故の多くは、線路上で鹿を見つけてブレーキをかけるものの間に合わず衝突するケースで、事故処理のため毎回、現場では列車が止まり、一時運転が見合わせられます。
鹿は、鉄分を補給するため線路のレールをなめに入り込んでいるとみられ、JR西日本ではこの習性を利用し、鉄分をなめとれるようにした鹿寄せの資材を線路脇に置くことで進入をくい止める対策を進めていす。
また、事故が特に多い場所では、鉄製の「鹿柵」を張り巡らせ進入経路をふさぐ対策も進め、一定の効果が出ているところもあるということです。
鹿をはねる事故は年々増加しているということで、JR西日本では、「対策はしているものの、被害が増加していることに頭を悩ませている。今後とも試行錯誤をして対応していきたい」としています。
【鉄分は哺乳類に必須】
東京・上野動物園によりますと、鉄分を含むミネラルはあらゆる哺乳類に必要な栄養素で、病気になりにくくするなど体調管理に重要な役割を果たします。
野生動物は土をなめるなどしてミネラルを補給していて、動物園では岩塩やカルシウムをエサに加えることで代用しているということです。
一方、シカやゾウなど特定の動物がそれぞれどれくらいの鉄分を必要としているのか、詳しいことは分かっていないということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20191223/2060003996.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、NHKから放映されたツイッター動画の1コマ。
帰宅途中の男性が線路そばにいる多数のシカを車内から撮影したものだという。
〇「ユクル」については、4年前の下記記事参照。
(2015年10月13日11時5分 livedoor NEWS)
しばしば線路へシカが侵入し、事故などが発生しています。
なぜシカは線路へ入るのでしょうか。
その理由は「鉄分補給」という研究成果が出ています。
そもそも、なぜシカは線路へ侵入するのか?
しばしば線路へシカが侵入し、列車の遅延を招いたり、場合によっては事故に繋がることもあります。
線路へのシカ侵入を防止するため、ライオンの糞などの成分を線路へ散布するといった対策が行われてきましたが、雨で流されてしまったり、シカが慣れてしまうなど、決定打にはなっていませんでした。
JR東海では、車両の正面下部にクッションを設置することで、衝突したシカを線路外へ押し出し事故になることを防ぐ、といった取組みも行われています。
そもそも、なぜシカは線路へ侵入するのでしょうか。
2015年10月8日(木)、日鐵住金建材がその“なぜ”に注目したシカ対策システムの販売を開始しました。
同社によると、シカが線路内へ侵入する理由について、「鉄分を求めて」という研究成果が出ているとのこと。
線路周辺には、レールと車輪との摩擦により生じた鉄粉が散らばっています。
シカは身体に必要な鉄分を補給するため、その鉄粉を求めて線路へ入るというのです。
そこで日鐵住金建材は、鉄分を含有した世界で初めてというシカ専用誘引材(固形塩)「ユクル」を開発。
実際に野生のホンシュウジカ、エゾシカを対象に試験を行ったところ、多数のシカを長時間にわたり誘引することを確認したとのこと。
そして、これを適切な場所へ設置すれば、シカの徘徊防止、シカ被害の低減が期待できるほか、ワナへの誘導も可能といいます。
同社は、「シカに対して問題意識のある鉄道事業者様、自治体様、猟友会様、環境保護団体様など、様々なお客様にご使用頂けます」としています。
https://news.livedoor.com/article/detail/10699855/
2019年12月18日21時28分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、下り快特電車と大型トラックが衝突した事故で、京浜急行電鉄(横浜市西区)は18日、踏切の異常を点滅して知らせる発光信号機を現場付近に4基増設すると発表した。
これまで3基設置されていたが、増設で、運転士が異常を認めてからブレーキ操作を判断するまでの時間が、従来の約1・5秒から約11秒に延びるという。
21日から運用を開始する。
京急は、快特電車が最高速度の時速120キロで走行した場合、非常ブレーキをかけてから止まるまでの距離を517・5メートルに設定している。
増設によって、運転士が最初に発光信号機の点滅を視認できる地点は、踏切の手前約570メートルから約900メートルとなる。
また京急は、発光信号機の設置ルールを見直し、運転士がブレーキ操作にかけられる時間を従来より長くする運用に改めた。
これに基づき、時速120キロで走行する区間の踏切を中心に、増設を進めていくという。
事故は9月5日午前11時45分ごろに発生。
踏切に立ち往生したトラックと快特電車が衝突し、トラックの男性運転手=当時(67)=が死亡、乗客ら37人が負傷した。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-222356.html
12月18日17時36分に毎日新聞からは、車輪が滑りやすい雨天時や運転士の見落としなどを考慮して設置ルールが見直されたという下記趣旨の記事が、見え難かった現場信号の写真付きでネット配信されていた。
横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、快特電車と大型トラックが衝突した事故を受け、京急電鉄は18日、踏切内の異常を知らせる発光信号機をより遠くから視認できるように、設置ルールを見直すと発表した。
事故現場では新ルールに基づき発光信号機が増設され、21日の始発以降、運転士は従来より11秒早く異常に気づけるようになるという。
京急によると、これまでは発光信号機が視認できる距離は踏切の手前「517・5メートル以上」としていた。
これは、快特電車の最高時速120キロでの制動距離と同じだが、車輪が滑りやすい雨天時や運転士の見落としなどを考慮し、安全性を向上させるため「718メートル以上」に変更する。
快特電車が時速120キロで走行する京急川崎―横浜間には新基準を満たさない踏切が他に9カ所あり、順次、発光信号機を増設する。
この事故は9月5日に発生した。
青砥発三崎口行き下り快特電車(8両編成、乗客約500人)が踏切内で立ち往生していた13トントラックに衝突し、トラックを運転していた男性(当時67歳)が死亡、乗客ら37人が軽傷を負った。
電車の男性運転士(28)は神奈川県警の任意の事情聴取に、「発光信号機が見えたため常用ブレーキをかけ、その後非常ブレーキもかけた」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20191218/k00/00m/040/218000c
(2021年2月21日 修正1 ;追記)
2021年2月18日10時0分に毎日新聞からは、赤信号を見た運転士が即座に反応することは困難だったなどとする調査報告書が公表された、重軽傷者は77人だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国の運輸安全委員会は18日、踏切内の異常を知らせる発光信号機を確認できる段階で、運転士がすぐにブレーキをかけなかったことが事故につながったとする調査報告書を公表した。
信号機が運転士の視界から断続的に遮られることが調査で判明し、信号に気付くのが遅れた可能性があると指摘した。
報告書によると、青砥駅発三崎口駅行きの下り快特電車(8両編成)は9月5日午前11時38分、京急川崎駅を出発した。
5分後に時速120キロで走行中、男性運転士は前方の発光信号機が踏切内の異常を知らせる停止信号を出していることに気付いた。
常用ブレーキをかけ、続いて非常ブレーキをかけたが間に合わず、神奈川新町駅(横浜市神奈川区)付近の踏切内で立ち往生していた大型トラック(13トン)と衝突し、脱線した。
この事故でトラックの男性運転手(当時67歳)が死亡、乗客75人と運転士、車掌の計77人が重軽傷を負った。
信号機は、円形赤色灯(直径12センチ)を四つ備え、異常を知らせる際は四つが同時に点滅する。
運転士から信号が確認できるのは、踏切の手前567メートル以降。
踏切の前で電車を止めるには、510メートル手前までに非常ブレーキをかける必要がある。
しかし、ブレーキ操作が始まったのは踏切の手前422メートルで、信号が確認できる地点から145メートル、時間にして4秒遅れた。
運輸安全委が実際に電車に乗るなどして調べたところ、この145メートル区間では電柱などに遮られて信号が見えないポイントがあることが明らかになった。
また、信号を確認できる地点からブレーキ操作を開始すべき地点までは1・8秒の余裕しかないこともあり、「運転士が即座に反応することは困難。信号の設置位置は確認に要する時間が十分考慮されていなかった」と指摘した。
また、京急電鉄の内規では信号の点滅確認後は「速やかに停止」と定められているが、常用ブレーキと非常ブレーキの使い分けは運転士の判断に委ねられていた。
運輸安全委は、制動力がより強い非常ブレーキを最初から使えば、衝突時の速度を低減できた可能性があるとしている。
京急電鉄は事故後、信号機の設置ルールを見直し、事故現場にも増設して従来より11秒早く信号に気付けるようにした。
内規についても、「ただちに非常ブレーキを使用」に変更した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a739dca1a0face8e4ad4fddf73f46276c001681b
2月18日13時47分に読売新聞からは、運転士は通常のブレーキをかけた後、踏切までに停止できないと思い、非常ブレーキもかけたなど、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
踏切の手前391メートルには、踏切内で障害物が検知された際に点滅する信号が設置されていた。
電車は時速約120キロで走行しており、信号が見える地点(信号の手前176メートル)を通過してから1・8秒以内に非常ブレーキを使えば踏切手前で停止できたが、運転士は4秒後に、踏切から422メートルの地点で通常のブレーキをかけ、その後、非常ブレーキも使用していた。
運転士は安全委の調査に対し、「信号の点滅に気づいてすぐに通常ブレーキを操作した。踏切までに停止できないと思い、非常ブレーキを使った」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210218-OYT1T50076/
2月18日10時39分に日本経済新聞からは、踏切の異常を光で運転士に知らせる特殊信号発光機の増設や改良の動きが、下記趣旨でネット配信されていた。
踏切の異常を光で運転士に知らせる特殊信号発光機(特発)について、京浜急行電鉄は事故後、10カ所に追加設置する対策を進めている。
特発自体を改良した鉄道事業者もある。
特発は事業者が任意で設置している。
仕様や、どこにどれだけ置くかは各社で異なる。
運輸安全委員会は報告書で、事故現場では特発を目視可能な位置に来てから1.8秒以内に非常ブレーキをかけないと踏切までに止まれず、運転士への配慮が足りないと指摘した。
京急は事故後の2019年12月、従来より200メートル以上遠くから見える場所に特発を設置するとルールを改めた。
高架化していない区間を最高時速120キロで走る京急川崎―横浜間の10カ所の踏切が対象。
事故現場の踏切では20年2月に増設を終え、他の場所でも順次作業を進めている。
作動しても運転士が見落とす恐れはあり、特発自体を改良した事業者も。
JR西日本は列車の先頭にカメラを取り付け、特発の発光を検知すると乗員に音で知らせるシステムを開発。
昨年に山陽線、伯備線で試験した。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG180A80Y1A210C2000000/
2019年12月2日21時20分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本福知山支社は2日、京都府京丹波町下山のJR山陰線の高屋川橋りょうから、レールを枕木に固定する「犬くぎ」が、約30メートル下の府道に落下した、と発表した。
けが人や列車運行への影響はなかった。
府道を通った人が長さ16センチ、幅1.6センチで重さ約370グラムの鉄製の犬くぎが落ちているのを発見し、2日午前10時35分にJRに連絡。
点検したがレールに異常はなく、1日夜間から2日早朝にかけて行われたレール交換の際に誤って落下したとみられる、という。
同支社は、「このようなことがないよう再発防止に努めたい」としている。
https://this.kiji.is/574188611444343905?c=39546741839462401
2019年11月6日6時0分に西日本新聞から、下記趣旨の記事が落下鉄筋の写真付きでネット配信されていた。
5日午前10時50分ごろ、福岡県大野城市白木原1丁目の西鉄天神大牟田線白木原駅構内で、高架工事の足場に仮置きされていた鉄筋(長さ約4・5メートル、直径16ミリ、重さ約7キロ)が、約10メートル下の線路と下りホームにまたがる形で落下。
直後に入ってきた下り普通電車(7両編成)と接触した。
電車に約50人、下りホームに3人の客がいたが、けが人はなかった。
西日本鉄道(福岡市)によると、運転士が急ブレーキをかけたが間に合わず、先頭車両の前面と接触した。
足場には当時、鉄筋8本が仮置きされており、作業員が、別の建設資材を足場に接触させた衝撃で、1本が落下防止の囲いを越えて落ちたとみられる。
電車に異常はなく、約25分後に運転を再開。
事故の影響で、計31本が運休や部分運休し、約4千人に影響が出た。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/557181/
11月5日19時49分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
高架工事のため組んでいた足場で、作業員が動かした建設資材が足場に接触し、その弾みで、置いていた鉄筋が落下したとみられるという。
鉄筋は作業をするため固定していなかった。
https://www.asahi.com/articles/ASMC5674JMC5TGPB00L.html
11月6日0時14分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西鉄によると、作業員が足場の上で建設資材を運んだ際、振動で置いてあった鉄筋が落下したとみられる。
安全確認のため、上下計31本が運転を見合わせた。
https://www.sankei.com/affairs/news/191106/afr1911060002-n1.html
2019年10月28日5時43分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本米子支社の牧原支社長は24日、通過するだけで自動的に電車の屋根上、パンタグラフ、車輪の状況を把握できる「車両状態監視装置」を、島根県出雲市の車両所に設置し、来春から使用を始めると発表した。
当面、寝台特急「サンライズ出雲」を対象とし、将来的には特急「やくも」の新車両にも拡大していく計画という。
同装置の導入は、米子支社では初めて。
屋根上状態監視、パンタグラフスリ板摩耗測定、車輪踏面形状測定、車輪フラット検知-の4つの機能を持ち、電車がこの装置を通過するだけで、自動的にパンタグラフや車輪などの状況を測定・記録する。
車両の状態を測定する頻度が高くなることで、故障の未然防止や乗り心地の改善につながる。
また、動画やデータによる確認が可能となることで、屋根上などの高所や車両下での作業が減り、作業の安全性も向上するという。
装置はすでに、後藤総合車両所出雲支所(出雲市東神西町)に設置を終えており、来年3月中旬の使用開始を予定している。
https://www.sankei.com/west/news/191028/wst1910280002-n1.html
※以下は、10月24日付のJR西日本ニュースリリース(解説図付き、抜粋)。
『後藤総合車両所出雲支所への車両状態監視装置導入について』
当社は在来線の車両配置箇所に、地上設備を用いて自動的に電車の屋根上、パンタグラフおよび車輪の状態を把握できる機能を有する車両状態監視装置を順次導入を進めており、このたび、後藤総合車両所 出雲支所に同装置を導入することとなりました。
これにより、さらなる安全性・車両品質の向上、メンテナンス業務の適正化に取り組んでまいります。
https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/10/page_15163.html
2019年10月25日17時24分にNHK熊本から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号で、北陸新幹線の車両センターが浸水の被害を受け、熊本市にあるJR九州唯一の新幹線の車両基地でも浸水が想定されていることから、JR九州は、大雨の際に列車をあらかじめ退避させる方法などの検討を進めることになりました。
台風19号では、長野市で千曲川の堤防が決壊するなどして広い範囲が浸水し、北陸新幹線の車両センターでは、車両が水につかるなど大きな被害が出ました。
熊本市にあるJR九州で唯一の新幹線の車両基地、「熊本総合車両所」でも、最大規模の豪雨で近くの川が氾濫すると、1メートルから3メートル浸水すると想定されています。
JR九州の青柳俊彦社長は25日の記者会見で、「北陸新幹線の浸水はショッキングで、信じられない思いでニュースを見ていた。われわれは車両基地がいちばん安全な場所だと思っていた」と述べました。
今後の対策については、地盤のかさ上げなど、ハード面での対策は現実的には難しいという認識を示したうえで、「新幹線は高架上などに逃げるしかなく、その時間短縮などの計画を練らなければならない。最善の努力をして検討していきたい」と述べ、大雨の際に列車をあらかじめ退避させる方法などの検討を進める考えを示しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20191025/5000006658.html
(ブログ者コメント)
本ブログで長野市の事例を紹介した際、浸水想定の非常時対応マニュアルはあったのだろうか?などとコメントした。
それが今回、JR九州にはなかったとのこと。
JR東や西でも、同じような状態なのかもしれない。
2019年10月11日4時5分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月、東京 葛飾区の駅で視覚障害者の女性が転落し死亡した事故で現場の点字ブロックの高さにズレがあったことが分かりました。
障害者団体は転落の原因となった可能性があるとして改善を求めることにしています。
今月1日、葛飾区の京成立石駅でホームでつまずいたとみられる荒川区に住む視覚障害者の秋谷さん(女性、66歳)が線路に転落し電車にはねられ死亡しました。
現場の点字ブロックは、突起状のブロックに沿ってホームの内側を示すための直線状のブロックが去年、追加で設置されましたが、事故のあと東京都盲人福祉協会が確認したところ、この追加で設置した部分が前からあった部分より3、4ミリ高く、ズレがあったことが分かりました。
盲人福祉協会によりますと、視覚障害者は特に駅のホームでは点字ブロックを慎重に確認しようとすり足気味に歩く傾向にあるため数ミリのずれでもつまずくおそれがあるということです。
このため、今回の事故の原因となった可能性があるとして、鉄道会社に改善を求めることにしています。
ホームの内側を示すブロックの設置は去年3月から新たに鉄道会社の努力義務とされていて多くの駅で追加で設置されていることから、ほかの駅でもズレが生じているおそれがあるということです。
【専門家「高さそろえる必要」】
駅の安全性をめぐる国土交通省の検討会の委員を務めた成蹊大学の大倉元宏名誉教授は「ホーム内側を示すブロックは設置すべきだが、高さにズレがあると足が引っかかり転倒するおそれもある。高さがそろったものに設置し直すなど対応が必要だ」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191011/k10012122211000.html
10月12日付で東京新聞からは、都盲協の現場視察写真付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
都盲人福祉協会(都盲協)は11日、ホームの点字ブロックに関する質問書を京成電鉄に提出した。
区視覚障害者福祉協会は長年、点字ブロックを改善してほしいと同社に求めてきた。
事故では、視覚障害のある無職秋谷さん(女性、66歳)=荒川区=がホームから転落し、ホームに入ってきた電車にはねられ、死亡した。
区視覚障害者福祉協会は約十五年前、同駅ホームの点字ブロックを改善してほしいと、同社への署名活動を展開。
その後も幾度に渡り、口頭で訴えてきたが、同社から回答はなかった。
同協会の古渡会長(女性、77歳)は「点字ブロックは命を守る手段。同社には障害者のことをもう少し考えてほしい」と声を落とし「区役所が近く、視覚障害者も多く利用している駅なのに、段差があってつまずきやすい。転ばないようにヒールがあるくつでのおしゃれはいけないと、自分にも言い聞かせている」と話す。
都盲協によると、駅ホームの点字ブロックには段差が生じていた。
また、一ブロック当たり四十一個の突起物があるタイプと二十五個のタイプが混在。
国交省によると、法律に基づくガイドラインでは二十五個以下とすることなどを求めている。
都盲協はこの日、同駅を訪れて視察し、ブロックに関する認識などを問う質問書を同社に提出。
同社担当者は「内容を確認し、回答する。安全対策も検討していく」としている。
駅ホームを十日に視察した成蹊大学の大倉元宏名誉教授=人間工学専門=は、「足や白杖(はくじょう)で分かりやすい国のガイドラインに沿ったブロックへの改修が望ましい。鉄道会社には利用者目線を大切にしてほしい」と話した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201910/CK2019101202000116.html
ちょっと前、事故翌日の2019年10月2日18時30分に東京MXテレビからは、規格外点字ブロックの詳細などについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・葛飾区の京成立石駅で、視覚障害のある66歳の女性がホームから転落し、電車に挟まれて死亡する事故がありました。
東京都盲人福祉協会の理事は、規格外の点字ブロックが事故の原因になった可能性があることを指摘しています。
10月1日午前10時半ごろ、荒川区に住む66歳の女性が京成立石駅の線路に転落し、直後に入ってきた電車とホームの間に挟まれて死亡しました。
警視庁によりますと女性は目が不自由で、事故当日も白いつえを使っていたということです。
駅にはホームドアが設けられていない上、改札の奥にある階段を下りるとすぐ乗車スペースがあり、点字ブロックに気付けないと転落する危険性があります。
しかし、この点字ブロックにも問題があると現場を視察していた東京都盲人福祉協会の市原寛一常任理事は指摘します。
東京都盲人福祉協会によりますと、現在の点字ブロックは一般的に突起が25個で間隔が離れているため、靴で踏んだ時に突起を感知しやすくなっています。
一方、京成立石駅の古いタイプのブロックは突起が41個で敷き詰まっているので、踏んでも分からないことがあるということです。
国は2001年から規格を定めて、公共機関では新型に切り替えるよう呼び掛けていますが、その判断は施設管理者に委ねられているため、全て切り替わっていないのが現状です。
市原理事は10月半ばまでに、京成電鉄に対して点字ブロックが規格外だった理由を文書で質問することにしています。
https://s.mxtv.jp/mxnews/kiji.php?date=14s53i742ax788in6
(ブログ者コメント)
以下は、東京MX映像の5コマ。
(2019年10月19日 修正1 ;追記)
2019年10月18日13時58分にNHK首都圏から、他の駅も含め点字ブロックが改善されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
現場の点字ブロックは、突起状のブロックに沿って、ホーム内側を示すための直線状のブロックが、去年、追加で設置されましたが、この追加部分が3、4ミリ高くずれがあったことがわかり、東京都盲人福祉協会が京成電鉄に改善を求めていました。
これを受けて京成電鉄は、現場の駅の点字ブロックを今年度中にずれの無い一体型のものに取り替え、改修することを決め、18日盲人福祉協会に回答しました。
また視覚障害者が認識しづらい古い規格の点字ブロックが使われていたことから、これについても新たな規格のものに取り替える方針です。
京成電鉄は現場の京成立石駅のほか、同じ問題があることがわかった足立区の京成関屋駅でも年度内に改修を行うとともに、ほかの駅でも確認を進め、順次改修するとしています。
京成電鉄は「今回の痛ましい事故を受け、なお一層安全対策に取り組んでいきます」としています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191018/1000038812.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。