2023年4月11日19時24分にYAHOOニュース(北日本放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前10時15分ごろ、富山市の常願寺川にかかる富山地方鉄道の鉄橋近くで、上市駅から電鉄富山駅へ向かっていた普通列車が作業員と接触しました。
この事故で、滑川市栗山の清水さん(19)が病院に運ばれましたが、頭を強く打ち、意識不明の重体です。
列車に乗っていた乗客10人と運転士に、けがはありませんでした。
現場では当時、清水さんを含めた複数の作業員が線路の枕木を交換する保線作業を行っていたということです。
事故の影響で、富山地鉄は越中荏原駅と越中三郷駅との間で一時、運転を見合わせ、およそ2時間30分後に運転を再開しました。
現場は見通しのよい単線区間で、警察は事故の原因を調べています。
富山地方鉄道では、通常、線路の保線作業はどのように行っているのでしょうか。
KNBは、11日の事故発生時と同じ、線路の枕木を交換する作業を3月に取材していました。
3月15日、事故が発生した現場近くで行われていたのは、線路を支える枕木の交換作業です。
現場管理者:
「まもなく接近!支障物確認!」
列車が接近すると、現場の管理者が声をかけます。
警笛を鳴らし、スピードを落としながら、列車は作業を行っている現場を通過。
作業員は、列車からは一定程度、離れていました。
現場管理者:
「間合い10分!」
列車の通過を確認し、作業を再開。
この日の取材では、安全確認の手順に問題はみられませんでした。
富山地鉄の関係者によりますと、「きょうの作業は監視員が2人いて、事故発生時にはダイヤの乱れはなかった。原因は分からないが、安全対策に足りない部分があったと考えている」と話していました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/314140e0bd57e09d46d60f388d6b589ad51e6666
4月11日19時11分にYAHOOニュース(チューリップテレビ)からは、線路に砂利を入れる作業をしていた、6人とも作業していて、気づいた運転士が非常停止したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前10時15分ごろ、富山市の富山地方鉄道の越中三郷駅と越中荏原駅の間で、線路内の保線作業をしていた滑川市の会社員、清水さん(19)が走ってきた電車と接触しました。
清水さんは頭を強く打っていて病院に搬送されましたが、意識不明の重体です。
富山地方鉄道によりますと、当時、線路内では清水さん含め6人が線路に砂利を入れる作業をしていました。
通所は列車のダイヤを確認して線路の外に出るはずですが、何らかの理由で6人とも作業を続けていたということです。
運転士が作業員たちに気づいて非常停止しましたが、清水さんの背中と列車の左前方が接触したということです。
清水さんは列車に気づくのが遅れたとみられ、警察が詳しい事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b87f40a1a7f092e31a547736e62022e61d114e14
4月12日5時1分にYAHOOニュース(北國新聞)からは、運転士は線路内に残っている清水さんを見つけ警笛を鳴らしブレーキをかけたが間に合わなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は、他の作業員5人と線路の高さを調整するため、枕木の下に砂利を敷き詰める作業に従事していた。
運転士は線路内に残っている男性を見つけ、警笛を鳴らしブレーキをかけたが間に合わなかった。
同署は男性の退避が遅れたとみて、事故原因を調べている。
同社によると、作業は男性を含め4人が砂利を敷き詰め、残る2人で列車が来ないか確認していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d5703f7331d1d88f5536bfcbeecc12f6cb9217ac
4月12日19時16分にYAHOOニュース(北日本放送)からは、見張り役が退避指示を出すタイミングが遅れた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
富山地方鉄道によりますと、事故当時、清水さんを含めた作業員4人は、敷石を使って線路の高さを調節する作業をしていました。
また、その近くには列車が近づいてくる2、3分前に線路から離れるよう作業員に促す見張り役が2人いたということです。
永井記者:
「電車が近づいてくると、調査官などはこのように腕を水平に上げて、自分が安全な場所にいるということを運転手に示しています。
これは、普段の作業員も行うことになっています」
富山地方鉄道は、事故当時、見張り役の2人から線路から離れるよう促すタイミングが遅れ、清水さんやほかの作業員の退避が遅れたということが事故原因の1つとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b426a53ffc1f11718e404a54e6a3e52525db32cc
(ブログ者コメント)
3月15日の北日本放送取材映像を見ると、列車は退避した保線作業員の横を、時速30km程度だろうか、ゆっくりと通りすぎていた。
あの程度のスピードであれば、線路上に残っていた作業員を視認後、すぐに停まれたような気がするのだが・・・。
2023年6月8日5時1分にYAHOOニュース(北國新聞)からは、2人いた見張り員は2人とも作業を手伝っていた、そのようなことが常態化していた、運転士に注意喚起するための「作業中」看板も掲示していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
【安全対策求め改善指示】
4月11日に富山市水橋常願寺の富山地方鉄道本線で、19歳の男性作業員が線路の補修作業中にはねられた死亡事故で、現場作業員ら6人は、電車が25メートル前に迫るまで接近に気付かず、1人が「電車!」と叫んでから逃げていたことが、7日分かった。
同社によると、適切な退避合図がないなど複数の規定違反があり、1人が逃げる途中で車体と接触した。
北陸信越運輸局は同日、安全管理見直しを求める「改善指示」を行った。
【見張り員が作業、看板なし】
富山地鉄によると、事故当時、作業員4人と、電車の接近を警戒する見張り員2人がレールの修正作業を行っていた。
見張り員1人が大声で「電車」と叫んだ時点で約25メートルまで迫っており、6人は直後に線路横に逃げ始めたが、1人は逃げ切れなかった。
同社担当者は、「電車の衝突までは一瞬で、それぞれが逃げるのに精いっぱいで、はねられた社員を助ける時間はなかったと思う。大変申し訳ない」と述べた。
一方、電車の運転士は現場の約100メートル手前で作業に気付き、時速78キロからブレーキを掛けて減速していたが、接触を避けられなかった。
【退避合図行われず】
富山地鉄の規定では、電車が作業地点に到達する3分前、見張り員が合図を出し、2分前に退避を完了する。
しかし、事故当時は退避しておらず、「実質的に退避案内がなかった」(同社担当者)という。
見張り員2人は電車の監視に専念することが求められるが、2人はレールの修正作業を行っていた。
「少しでも手助けをしたい」などと話しており、北陸信越運輸局は「軽作業を行うことが常態化していた」と指摘した。
同運輸局は7日公表した保安監査結果で、このほかにも複数の規定違反があったと指摘した。
作業地点から前後200メートル離れた位置に、運転士が見やすいよう「作業中」と書いた看板を掲げる必要があるが、設置していなかった。
見通しが悪い地点で配置が必要な「中継見張り員」も置かず、電車乗務員に線路内作業を周知する規定も守られていなかった。
同運輸局によると、事故原因に関しては、国の運輸安全委員会が調査を進めている。事
故から1年後に報告が行われる予定。
【北陸信越運輸局「教育を」 】
北陸信越運輸局は改善指示で、富山地鉄の安全管理体制を見直し、7月7日までに措置を報告するよう求めた。
関係規定が形骸化していないか実態を検証し、事故防止要領を見直すことや、安全意識を徹底し、教育を行うよう要請した。
一方、富山地鉄は7日、運輸局の指摘事項を改善するとして再発防止策を発表した。
見張り員が監視に専念し、今回携行していなかった合図旗を携帯させるとした。
運転士向けの作業中看板設置や「中継見張り員」配置も徹底するとした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/06596b0e5f80c9bf88933b23bb506463007b39c6
(2024年6月9日 修正2 ;追記)
2024年6月7日11時34分にYAHOOニュース(チューリップテレビ)からは、当時の部長など3人が書類送検された、監視役の2人は保守作業と兼務していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富山労働基準監督署は6日、富山地方鉄道と当時の部長など社員3人を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
書類送検されたのは、法人としての富山地方鉄道と、当時の60代の技術部長、50代の稲荷町テクニカルセンター所長、そして50代の保線グループ長の社員3人です。
富山労働基準監督署は、保守作業を行わせる際、電車との接触をさけるために必要な監視装置の設置、または電車との接触を避けるため監視する人員の配置を講じていなかった労働安全衛生法違反の疑いがあるとしています。
現場には6人がいましたが、このうち死亡した男性を含む4人が保線作業にあたり、ほか2人が電車との接触を防止する監視にあたっていたものの、この2人は保守作業と兼務していたため、本来の監視に専念できていなかったとみています。
この事故をめぐっては、富山県警も業務上過失致死の容疑で富山地方鉄道の社員を書類送検しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8add488a7a4b8f68266037b17cf9f9920bfed1db
2023年4月11日19時10分にYAHOOニュース(読売テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日、京都府舞鶴市の踏切で、電動車いすに乗った男性が列車にはねられ死亡した事故で、国の運輸安全委員会の調査官が11日、現場を訪れ、原因究明の調査を始めました。
この日午後、運輸安全委員会の調査官が、事故が起きた舞鶴市の京都丹後鉄道の踏切を視察しました。
この踏切は、遮断機も警報機もついておらず、10日、横断しようとした林さん(86)が列車にはねられ死亡しました。
警察によりますと、林さんは当時、電動車いすに乗っていたことから、踏切の手前にあった盛り土が死角になり、列車の接近に気が付かなかった可能性があるということです。
運輸安全委員会の足立主管鉄道調査官:
「立ってる人より視線が低くなると思いますので、その意味で少し影響があるのか、踏切がどう見えるか分析していきたいと考えております」
国土交通省によりますと、遮断機も警報機もない踏切は全国に約2500か所あり、死亡事故が相次いでいるということです。
事故の原因について運輸安全委員会は、1年以内を目途に、調査結果をまとめるとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8a319907e80f1bcba505598fe7f45769e4b9b97
4月11日21時52分にNHK NEWS WEBからは、地元の人は列車が近づく音が聞こえないことがあるとも話した、遮断機も警報器もない第4種踏切は全国的に以前から問題になっているが費用や地元合意などのハードルが高いため進んでいないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
現場は、遮断機や警報機のない「第4種踏切」と呼ばれる踏切で、警察は、林さんが踏切を横断しようとした際に列車にはねられた可能性があると見て調べています。
事故を受けて、国の運輸安全委員会は11日、2人の鉄道事故調査官を現地に派遣し、詳しい原因の調査を始めました。
・・・
現場の踏切には、通行する人に左右の確認や一時停止を求める標識が取り付けられていますが、近所の人からは警報機などを取り付けるよう求める声が聞かれました。
現場近くに住む81歳の男性は、「以前、遮断機や警報機をつけてほしいと地元から要望したこともある。自分自身も気をつけているつもりだが、周囲の人で声をかけあいながら渡るしかない。死角になっている部分もあるので、警報機だけでもつけてほしい」と話していました。
また、朝、散歩する際に踏切を渡っているという女性は、「列車が近づく音が聞こえないことがあり、気がついたら、すーっとそこまで来ていて、こわい思いをすることがある」と話していました。
また、別の男性は、「地域の人たちは、みな、危ないと認識しながら渡っている。これまでも、人が渡っているのに気付いて電車が止まることもあった。安心して過ごせるよう、遮断機とまでは言わないが、警報機だけでも設置してほしい」と話していました。
【専門家「優先順位つけて対策していく必要」】
今回、警報機も遮断機もない「第4種踏切」で事故が起きたことについて、鉄道の安全対策に詳しい工学院大学の高木亮教授は、「高度経済成長期以降、危険な踏切をなくそうと鉄道事業者も努力してきたが、都市部が優先されていて、利用者の少ない地域では第4種踏切が残っているところが多い。解消には、費用の問題に加えて、地元の住民の理解を得られないケースもあって、簡単ではない」と指摘しました。
そのうえで「警報機や遮断機の設置にかかる費用を公的な補助で賄う方法もあるが、自治体の財政が厳しい中では簡単ではない。すべての場所で対策をするのは現実的ではないので、交通量や列車の本数、子どもや高齢者が利用する施設が周りにあるかなど、状況に応じて優先順位をつけて対策していく必要がある」と話しています。
【踏切の分類と現状は】
踏切は、警報機や遮断機が付いているかなどで分類されていて、
▽両方が設置されている踏切が「第1種」、
▽警報機はあるものの遮断機はない「第3種」、
▽両方とも付いていない「第4種」などに分かれています。
鉄道事業者は、「第4種」の踏切を廃止したり、警報機や遮断機の設置を進めて第1種踏切に切り替えたりする対策を進めていますが、総務省のまとめによりますと、踏切の廃止で通行が不便になることや、警報機の音への抵抗感から周辺の住民の理解が得られなかったり、遮断機などの設備費用の問題などを理由に、なかなか対策は進んでいないということです。
【「第4種踏切」京都丹後鉄道での実態と対応】
総務省の調査によりますと、「第4種踏切」をめぐっては、毎年、亡くなる人が出ています。
総務省では解消に向け、鉄道事業者や行政などに地域での議論や合意の形成を促すよう、国土交通省に勧告しています。
国土交通省のまとめでは、第4種踏切は令和3年度末の時点で全国に2455か所設置されていて、京都丹後鉄道では106か所ある踏切のうち、18か所が該当します。
京都丹後鉄道の鉄道施設を管理する第三セクター「北近畿タンゴ鉄道」によりますと、今回事故があった踏切では、平成16年にも横断中の軽車両と列車が接触し1人が死亡する事故が起きたということです。
近畿運輸局によりますと、第4種踏切については、廃止や、遮断機などを備えた第1種踏切への切り替えを推進しているということですが、廃止するには利用する住民の同意が得にくく、切り替えるには費用がかかり、さらに道路の管理者と自治体との調整にも時間がかかることなどから、なかなか進んでいないのが現状だということです。
近畿運輸局は、「事故原因の調査結果をもとに、再発防止に向けて適切に対応していきます」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230411/k10014035771000.html
2023年3月22日18時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は22日、2005年の宝塚線(福知山線)脱線事故を教訓に5年ごとに策定している「安全考動計画」を改定し、発表した。
「現場の判断を最優先するマネジメントを確立する」と明記した。
1月に雪の影響で京都線などの列車15本が長時間立ち往生した際、客の降車を求めた車掌らの意見が生かされなかった反省を踏まえた。
計画は2023年度からの5年間が対象。
「列車を止める」などの現場の判断を積極的に評価するほか、非常時に現場が「最善」とした判断は、組織が「責任を負う」とした。
非常時に現場の声を聞き取り、責任者に伝える社員を専属で置く態勢をつくり、訓練で徹底するという。
計画を発表した中村副社長は、立ち往生について「数々の不手際があり、多くのお客様に多大なるご迷惑、ご負担をおかけした」と改めて謝罪。
「組織全体で安全を確保する仕組みと安全最優先の風土を構築する」と述べた。
https://www.asahi.com/articles/ASR3Q5QP7R3QPTIL00P.html
2023年2月23日21時30分に南日本新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後1時34分ごろ、鹿児島市の鹿児島中央駅で新大阪行きの新幹線さくら558号が出発直後に緊急停車するトラブルがあった。
車掌が異音に気付いたため。
最後尾8号車の片側の車輪に、木製の車輪止めが残ったままになっていた。
JR九州によると、車両自体に異常はなく、約20分後に運転を再開。
熊本から先は運休となり、乗客は後続の列車に乗り換えた。
約240人に影響が出た。
車輪止めは、ホームに長時間停車する際、事故予防のため装着している。
同車両はすぐ発車予定だったため必要なかったが、隣のホームに停車した別の車両の運転士が誤って装着した。
JR九州は「再発防止に向け、指導を徹底したい」とコメントした。
https://373news.com/_news/storyid/171196/
2023年2月16日13時47分にYAHOOニュース(CNN)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大気中に漂う強い塩素臭。
夫婦で2人の子どもを育てる住民のネイサン・ベレスさんは、たちまちのどや目が焼けるような痛みに襲われた。
この悪臭は、米オハイオ州とペンシルベニア州の州境付近で今月3日、危険物を積んだノーフォーク・サザン鉄道の列車が脱線する事故が起きて以来、2週間近く漂い続けている。
列車は炎上して何日も燃え続け、周辺住民は避難。
塩化ビニールを放出するために、制御した爆破も行われた。
高濃度の塩化ビニールは死亡につながりかねず、発がんリスクが増大する。
避難命令は8日に解除されたが、地元イーストパレスタイン(人口5000人)の一部の住民は、水や大気、土壌、地表がまだ安全ではないとの懸念から、自宅に戻らずにいる。
ノーフォーク・サザン鉄道は15日、従業員の安全が脅かされる可能性があるとして、同日夕に予定されていた地域の会合には出席しないと発表した。
同社はこの会合で、地元当局者らと共に、事故現場の除去作業の状況や、水質・大気検査の結果について説明する予定だった。
住民の多くは事故発生以来、不安を募らせており、自費で避難を続ける住民もいる。
州は15日、イーストパレスタインの自治体が提供する水は汚染されておらず、安全に飲用できると改めて発表した。
大気や水質の検査で当局が安全と判断したことを受け、避難命令は事故から5日後の今月8日に解除された。
一方で、汚染された可能性のある土壌がまだ現場から除去されていないと記された公文書が公開されるなど、不安な兆候は次々に浮上する。
米環境保護庁(EPA)はイーストパレスタインで採取した大気について、塩化ビニール、塩化水素、一酸化炭素などの検査を実施したと説明。
14日にEPAのウェブサイトに掲載された検査結果によれば、いずれも基準値を超える値は検出されなかった。
しかしベレスさんは、自宅の様子をチェックするため13日に一時的にイーストパレスタインに戻ったところ、頭痛に襲われて一晩中痛みが続いたと訴える。
「もし安全に居住できるというのなら、なぜこんな痛みを感じて呼吸が苦しいのか?」とベレスさんは疑問をぶつけた。
オハイオ州保健局長は14日、脱線現場周辺で人が頭痛やのどの痛みを感じたり、猫やニワトリなどの動物が死んだりしていることについて、大気汚染が原因ではないようだと説明。
「これまでの検査の結果、検出されたとしても測定値は極めて低い」と強調した。
悪臭については、現場から遠く離れた場所でも臭いを感じることがあるとEPAは説明。
「汚染物質の臭いがすることがあっても、有害とみなされる値よりははるかに低い」としている。
はかり知れない影響があるとして、水の使用を控える住民もいる。
ベレスさんは「水を出したり、娘を入浴させたりすることも、もしかしたら有害なのかもしれない」と不安な思いをフェイスブックに書き込んだ。
実際に一部の水路は汚染されていた。
それでもオハイオ州環境保護局は、汚染は封じ込めたと確信していると話す。
同局は14日、脱線現場近くの地下水路から塩化ビニールは検出されなかったと述べた。
一方、オハイオ州自然資源局は、脱線事故による化学物質の流出で、12種3500匹の魚が死んだと推定している。
ベレスさんは、未知の長期的な影響についても懸念している。
ベレスさん一家は自宅から30分ほど離れた民泊施設を渡り歩いている。
しかし資金は底を尽きかけており、友人が一家のためにクラウドファンディングサイトで支援を募っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f977d90a297266a4ce78e0f0f79b481da726df2
2月16日4時20分にYAHOOニュース(AFP)からは、州知事は住民に対し水源は問題ないものの念のため水道水ではなくボトル入りの水を飲むよう呼びかけたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米中西部オハイオ州で今月初め、貨物列車が脱線し、積載されていた有害物質が流出した事故で、マイク・デワイン(Mike DeWine)州知事は15日、現場周辺に住む住民に対し、水道水の代わりにボトル入りの水を飲むよう呼び掛けた。
同州イーストパレスティーン(East Palestine)で3日に起きた事故の現場では、大規模な火災が発生。
州知事室によると、鉄道会社は化学物質の爆発を避けるため、発がん性があるとされる塩化ビニルなどの有毒ガスを大気中に放出した。
州当局は、近くの河川で12キロにわたり約3500匹の魚が死んだと発表している。
デワイン知事はCNNテレビに対し、イーストパレスティーンの大気は「安全」だと説明。
14日夜に行った水源の水質検査では異常はなかったものの、住民は念のためボトル入りの水を使うべきだとした。
次回の検査は15日に行われる予定だという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9e48a7070efe793598badbeba8d7c37e0544945
2月8日17時10分にFNN PRIMEからは、141両編成の約50両が脱線し、そのうち20両に有害物質が積まれていたなど、下記趣旨の記事が写真10枚付きでネット配信されていた。
アメリカで、貨物列車50両もの車両が黒焦げになる脱線事故が発生した。
激しく上がるオレンジ色の炎、さらに黒い煙が辺りに立ち込めている。
燃えさかる炎は、住宅街のすぐそばまで迫っているように見える。
3日、オハイオ州で貨物列車が脱線し、炎上する事故があった。
防犯カメラに残されていた事故の瞬間を捉えた映像には、突然10秒ほど周辺が明るくなり…。
画面左の方で煙のようなものが上がり始める様子が映っていた。
多くの列車が脱線、炎上した今回の事故。
どれほどの被害が出たのだろうか?
国家運輸安全委員会・担当者:
「列車は合計141両編成でした。
約50両が脱線し、そのうち20両に“有害物質”が含まれています。」
事故から一夜明けても、現場には黒焦げになった車両が折り重なるように残されていた。
積み荷の中には、発がん性がある“塩化ビニール”が含まれていて、周辺に避難命令が出されている。
(「イット!」2月7日放送より)
https://www.fnn.jp/articles/-/482830
2月17日7時11分にYAHOOニュース(HUFFPOST)からは、アクリル酸ブチルも積まれていた、爆発防止のため制御燃焼を実施した結果、ホスゲンなどが空中に放出された、2014年に規制されたECPブレーキが2018年に撤廃されなければ事故は防げたかもなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【画像】脱線し、炎上した車両。その後、有毒物質を含む黒いガスが立ち上った
・・・
貨物列車150両のうち50両が脱線し、そのうち20両に大量の塩化ビニルやアクリル酸ブチルなどの有害物質が積まれていた。
塩化ビニルはプラスチックの製造に使用される有機化学物質で、肝臓や脳、肺などの複数の癌との関連がわかっている。
事故による火災は数日間続き、2月5日には爆発の恐れがあるとして事故現場の周辺1マイルに緊急避難命令が出された。
当局は爆発を防ぐため、塩化ビニルなどの危険なガスを抜いて燃焼させる「制御燃焼」を実施。
その結果、ホスゲンや塩化水素などを含むガスが空中に放出された。
ホスゲンは第一次世界大戦中には毒ガスとして使用され、吸入すると嘔吐、目の炎症、呼吸困難などの症状を引き起こす。
連邦および州の機関が、事故現場周辺の空気と水質チェックを続けているが、オハイオ川で汚染物質が検出されており、州当局は3500匹の死んだ魚が見つかったと発表した。
この事故の背景にある問題として問題視されているのが、鉄道業界が求めてきた規制緩和だ。
オバマ政権は2014年、一定量の原油や危険物質を運ぶ列車にECPブレーキ(電子制御式空気ブレーキ)を搭載する新たな規制を導入した。
ECPブレーキは、列車全体に電子ブレーキ信号を瞬時に提供することで従来のエアブレーキよりも速くブレーキをかけられる。
この規制に強く反対したのが、ノーフォーク・サザン鉄道も加入する業界団体・アメリカ鉄道協会(AAR)だ。
AARはこの規制について、「ECPブレーキは非常に費用がかさむ一方で、それに見合うだけの利益はない」とパブリックコメントで述べている。
さらに、規制の義務化は正当性に欠けると主張した。
そして業界寄りだったトランプ政権は2018年、AARなどの求めに応じて、オバマ政権時代に導入されたECPブレーキの規則を撤廃した。
オハイオ州の脱線事故の後、この鉄道業界が求めてきた規制緩和が被害を甚大にしたのではないかと指摘されている。
国家運輸安全委員会によると、事故を起こした列車にはECP ブレーキが搭載されていなかった。
連邦鉄道局の元高官スティーブン・ディトマイヤー氏や他の鉄道専門家は、「ECPブレーキが搭載されていれば、これほどの被害は出なかっただろう」と、調査報道メディアのザ・レバーに語っている。
脱線事故の調査は、まだ始まったばかりだが、国家運輸安全委員会のマイケル・グラハム氏は2月5日の会見で、車軸の機械的な問題が脱線を引き起こした可能性があると語った。
また、ピッツバーグ・ポスト・ガゼットが入手した防犯カメラの映像から、車両の1台が脱線約20マイル手前で炎と火花を散らしていたことがわかっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5eaa856ecd5f353be320a197ba50fcd28d70d6e0
(2023年2月25日 修正1 ;追記)
2023年2月24日7時5分に産経新聞からは、一部車両の軸受け過熱が原因かもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米運輸安全委員会(NTSB)は23日、米中西部オハイオ州で転覆した脱線鉄道車両から有害物質が漏れている問題の初期調査結果の報告書を発表し、車両部品の過熱が一因となった可能性があるとの見方を示した。
報告書によると、列車は制限速度内で走行していたが、乗務員には一部車両の軸受けが過熱しているとの警告が発せられていた。
https://www.sankei.com/article/20230224-3HOUPBRJMVI2HNPANJUVL44EZQ/
2023年2月10日22時18分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は10日、カーブでの速度超過防止用として、客車などを牽引(けんいん)する機関車に搭載したATS-P(自動列車停止装置)で、カーブを通過する際の速度データの入力に誤りがあり、10年以上設定速度を超えても減速できない状態だったと明らかにした。
設定速度を最大で時速30キロオーバーしていた。
実際に速度超過した事例は確認されていない。
JR西は、30キロオーバーしたとしても事故につながるおそれはなかったとしている。
JR西によると、平成14年、ATS-Pにカーブに対して許容できる通過速度を決めるデータを誤って入力。
当時は、このデータを用いずに速度超過を測定するシステムだったが、23年に機能が追加され、このデータが用いられるようになった。
その後は、誤った設定のまま、速度超過を測定することになっていたという。
今年1月の動作確認でミスが判明した。
JR西は確認不足だったとしている。
誤ったデータが入力されたATS-Pを搭載していた機関車は、EF65(5両)、EF81(1両)、DD51(5両)の計11両。
東海道線や大阪環状線、阪和線などの路線でカーブ245カ所のうち、145カ所で速度超過して走行できる状態になっていた。
平成24年~令和2年の9年間で寝台特急「トワイライトエクスプレス」など、約1800本の客車を牽引していたという。
https://www.sankei.com/article/20230210-T5SEP4HJWROTDKYSO5HYY4ROS4/
2月10日22時24分にYAHOOニュース(神戸新聞)からは、奈良線で機関車の試運転時にミスが判明した、2002年のシステム導入時から設定誤りがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は10日、保有する機関車11両の自動列車停止装置(ATS)の設定に誤りがあり、2011年から10年以上にわたり、カーブで設定速度を超えて運転できる状態だったと発表した。
ATSは05年の尼崎JR脱線事故の現場カーブに未設置で、再発防止に向けて増設された。
実際の速度超過や事故の記録は残っていないという。
JR西によると、誤りがあったのは列車の運行頻度の高い区間で使うATS-P。
京阪神の大都市周辺のカーブ245カ所に設置され、うち神戸線や宝塚線を含む145カ所で本来の設定時速を5~30キロ超過して走行できる状態だった。
車両はEF655両とEF811両、DD515両。
15年に廃止された大阪-札幌間の寝台特急「トワイライトエクスプレス」や「サロンカーなにわ」「日本海」の特急にも使われた。
複線化工事が進む奈良線で今年1月、機関車の試運転時にミスが判明した。
ATS-Pは地上設備と車両装置が連動して機能するが、車両側のカーブ進入時の速度を判断する設定に02年の納入時から誤りがあったという。
設定は当初は使っていなかったが、11年の機能追加以降は活用。
その後も検査をしてきたが、古いデータは対象外で見過ごされたという。
同年11月と14年には地上設備の設定の誤りが判明しており、JR西は「安全に関わる重要な機器で誤りを見つけられなかったことは問題。検査時の確認方法を見直し、再発防止に努める」と陳謝した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cdbf2aa72a5c3b36ddf3d1e984cd929b7658b1ef
(ブログ者コメント)
2月10日付でJR西のHPには、下記趣旨の記事が掲載されていた。
1.概 要
2023 年 1 月 19 日、新設線路の切換工事に伴う ATS-P 装置の動作確認を行っていたところ、機関車の一部車両において ATS-P装置の設定データに誤りがあることが判明しました。
詳細な確認を実施したところ、2011 年の省令改正による機能の追加に伴い、曲線に対する速度の設定値が計画値より高い状態となっていたこと(+5km/h~+30km/h)が判明しました。
これは、2002 年に設定したデータに入力誤りがあったためです。
・・・
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230210_00_press_ats.pdf
※キーワード;変更管理
2023年1月31日15時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
JR西日本の近畿エリアで、線路のポイントに積もった雪をとかす装置の6割が現場で点火する旧式であることが、同社への取材でわかった。
ボタンで遠隔操作できる電気式への交換を豪雪地域から進めてきたが、予算の制約もあり、都市部では旧式が多く残る。
最強寒波で東海道線の列車が立ち往生した原因となったポイント故障を起こした場所も大半は旧式で、JR西は電気式への交換を急ぐ。
雪をとかす装置は、灯油入りタンクを線路下に設置して着火する旧式の点火式と、遠隔操作で作動させて電力で温める電気式がある。
JR西によると、近畿では2600か所に設置され、1500か所が点火式、1100か所が電気式という。
点火式は現場で作業員が火をつけるため、労力がかかる。
始発前など、列車の走っていない時間帯を見計らって作業するという制約もある。
一方、電気式は駅などでボタンを押せば、すぐに作動できる。
東海道線の高槻(大阪府)―山科(京都市)間では24日夜~25日朝、最強寒波で雪がポイントに挟まるなどして故障し、駅間で15本が立ち往生。
約7000人が最長約10時間閉じ込められた。
同区間の装置は点火式が8割で、故障した21か所では20か所が点火式だった。
JR西は、予想降雪量が装置を使う社内基準以下だったとして、24日朝の段階では作動させなかった。
冷え込みを受けて午後2時以降に電気式を作動させたが、点火式は列車が運行中だったため着火できず、雪がポイントに付着して故障が相次いだ。
これを教訓に、JR西は、都市部でも電気式への置き換えを加速化する。
近畿の他の私鉄では、京阪は大半が電気式で、阪急は大半が点火式など、各社によって差がある。
ただし、24日の寒波では、京都周辺を通る各社は装置を早めに作動させ、ポイント故障はなかった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230131-OYT1T50149/
(ブログ者コメント)
24日夜から25日朝にかけてのトラブルは本ブログでも紹介スミ。
2023年1月25日23時47分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今季最強の寒波による大雪が各地で猛威を振るった。
立ち往生した列車の中では、最長で10時間近く乗客が閉じ込められ、JR西日本が25日、対応の不手際について謝罪した。
高速道路でも多数のトラックなどが動けなくなり、運転手らは疲れ切った表情を見せた。
「長時間、列車の運転を見合わせ、ご迷惑をお掛けしたことをおわびします」
JR西は25日午後、大阪市北区の本社で記者会見を開き、三津野・近畿統括本部長が頭を下げた。
24日夜から25日朝にかけて、東海道線の高槻(大阪府)―山科(京都府)間に、特急や新快速、普通列車など計15本の列車が駅間で立ち往生した。
乗客計約7000人が最長で10時間近く車内に閉じ込められた。
原因は、分岐器(ポイント)が計21か所で凍結したり、雪が挟まったりして故障したためだった。
ポイントには雪をとかす装置があり、社内規定では降雪が予想される場合は事前に点火する。
目安は「6時間の降雪量が10センチ」で、気象予報会社から提供された予報では8センチ程度とされ、点火させなかった。
24日午後6時以降に激しく雪が降り、短時間で15センチ積もった。
点火が間に合わず、次々と故障した。
その結果、各地で立ち往生が発生し、ガスバーナーなどでポイントの雪を除去する作業を行った。
修復したところから列車を最寄り駅へ動かして乗客を降ろしたが、山科駅近くのポイントは修復できなかった。
同駅近くで停車していた2本は約3時間半後にその場で乗客を降ろし始め、同駅へ徒歩などで移動してもらった。
15本の列車で、乗客が列車内に閉じ込められた時間は最短で1時間42分。
最長は湖西線の普通列車の9時間50分だった。
立ち往生していたある列車の車掌から「乗客を降ろした方がよい」と運転指令に進言があったが、「ポイントの修理を優先する」とされ、実現しなかったという。
湖西線の列車には約1400人が乗っており、24日午後7時40分に山科駅の手前で停車。
そのまま動けず、午後11時5分から乗客を降ろし始め、完了したのは翌25日午前5時半だった。
この列車に乗っていた大津市の高校2年男子生徒(17)が外に出たのは、25日午前1時30分頃。
家族の車で帰宅した。
「もう少し早く降ろすことはできなかったのか」と憤っていた。
乗客を長時間降車させなかった理由について、三津野本部長は「夜間でかなり雪が降る中、多数の乗客を安全に誘導できるか、 躊躇 した」と釈明した。
災害級の悪天候が予想される場合、事前に運転の取りやめを決める「計画運休」は、一部区間で実施したが、東海道線などの主要区間では未実施だった。
気象予測の数値が計画運休を行う基準を下回ったためという。
JR西によると、15本の列車で16人が体調不良で救急搬送された。
多くの乗客が帰宅難民となり、山科駅の構内などでは約1300人が一夜を過ごした。
同社は今後、雪をとかす装置を作動させる目安の設定や、乗客を降ろすタイミングが適切だったかどうかなどを検証するという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230125-OYT1T50327/
1月26日14時52分に産経新聞からは、閉じこめられた環境と情報量不足で救急搬送された16人を含め乗客には急激なストレスがかかっていた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大雪の影響でJR東海道線で複数の列車が立ち往生した問題では、長時間車内に閉じ込められた乗客が体調不良を訴え、少なくとも16人が救急搬送された。
いつまで続くか分からない車内での閉じ込めという過酷な環境に、JR西日本からの情報提供の不足も影響し、乗客に急激なストレスがかかっていた可能性がある。
どう対処すればいいのか、専門家に聞いた。
JR西の説明では、24日夜から立ち往生した15本の列車には計約7千人が乗っていた。
乗客によると、一部列車では車内に2つあるトイレの1つが使えなくなるトラブルも起きたという。
「今後の見通しが分からない中、(列車が)長時間動かない。情報も不足し、不安になっただろう」と指摘するのは、危機管理教育研究所の国崎信江代表。
不安や不満が募ると息苦しさを覚える人もおり、「(乗客は)どう対処していいか分からず、ストレスが大きくなっていったのではないか」と推測する。
こうしたトラブルは悪天候時に限らず、いつ、どこで起きるか分からない。
「日頃からカバンの中に最小限の防災用品を入れておいてほしい」と国崎代表。
トイレが使えない状況も予測されることから、利尿作用が弱いゼリー飲料などを常備しておくのも手だとする。
モバイルバッテリーのほか、冬場はカイロも心強い。
所持しているだけで気持ちにゆとりも生まれるという。
複数人が巻き込まれた状況では、「隣の人に声をかけるなどし、つらいのは自分だけではないと共有することも大切」(国崎代表)。
また、現場では多くの人が同様の情報を知りたがる傾向があるとして、国崎代表は「情報を共有すればバッテリーの消費も抑えられる」と話した。
今回立ち往生した車内では20~30分おきに同じ内容のアナウンスが繰り返されるだけだったといい、JR西の情報発信に強い不満を抱く乗客もいた。
国崎代表は、「30分間隔で情報を流す」とアナウンスするだけでも乗客の不安を緩和する効果はあったと指摘。
「乗客の心をつなぐ情報は大切。それだけで救われる人もいる」と述べた。
https://www.sankei.com/article/20230126-T3RBZ6QOUJOWZKBWIN4GAJWBD4/
1月27日3時41分に毎日新聞からは、JR西のルールでは停車が1時間経過したら乗客に降りてもらうか判断することになっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西では停車が1時間経過したら乗客に降りてもらうか判断するとのルールがあった。
しかし、雪で転倒する危険などを考慮し、分岐器を復旧して列車を動かすことを優先したという。
https://mainichi.jp/articles/20230126/k00/00m/040/157000c
1月27日7時0分に読売新聞からは、阪急京阪近鉄の3社は融雪装置を作動させる目安はないが事前に作動させていた、JR西の社長は「最悪の事態を想定して物事を決めるスタンスが重要だが・・・」と述べたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
阪急、京阪、近鉄の鉄道3社が今回の寒波に備えて、京都を通る路線で分岐器(ポイント)の雪をとかす装置を事前に作動させて故障を防いでいたことが、各社への取材で分かった。
・・・
阪急、京阪、近鉄はいずれも装置を作動させる予想降雪量の目安はないが、「今季最強の寒波」を警戒し、京都を通る路線で23日夜~24日未明に装置を作動。3社ともポイントの故障は起きなかった。
JR西の長谷川社長は26日、東京での定例記者会見で立ち往生に触れ、「多大な迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝。
「最悪の事態を想定して物事を決めるスタンスが重要だが、その点で私たちの考えが不十分だった。これだけの輸送障害を起こす雪になると判断できなかったことに問題があった。(他の)私鉄に学ぶべきことは学びたい」と述べた。
今後について「京阪神エリアでの雪への対応の見直しが必要と考えている」とし、具体的な検討を進めていく考えを示した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230127-OYT1T50078/
(ブログ者コメント)
〇数日前から、10年に1度あるかないかの強烈な寒波が24日~25日に襲来すると報じられていた。
(例;2023年01月23日16:26 tenki.jp)
『10年に一度の強烈寒波で考えられる影響は? 日本海側ドカ雪 太平洋側も積雪・低温』
https://tenki.jp/forecaster/t_yoshida/2023/01/23/21529.html
そのような状況下、「予報会社の8cm積雪予報はあくまで予報、トーチ点火基準目安の10cmを2cmしか下回っていないので、10年に1度の寒波下、安全サイドに点火しておいたほうがいいのでは?」といった話しは出なかったのだろうか?
〇一方、阪急など3社の対応から考えると、基準となる予報積雪量の目安があったばかりに、それに判断が縛られてしまった、という可能性も考えられなくはない。
※トラブルのあった翌日1月26日には山科駅で融雪装置を作動させていたにもかかわらず分岐器に詰まった雪が解けずダイヤが乱れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(2023年1月26日22時54分 毎日新聞)
東海道線は26日、始発から通常通り運行。
しかし、午前6時45分ごろ、山科駅で特急や新快速などが走る下り線の信号が赤色から変わらなくなった。
担当者が調べたところ、車両をホームに引き込むレールの分岐器に雪が詰まり、動かなくなっていた。
特急などは山科駅を通過させ、詰まった雪を取り除くなどして、約2時間後に復旧した。
山科駅と高槻駅(大阪府高槻市)の間では24日、雪の影響で複数の分岐器が動かなくなり、列車15本が立ち往生。
乗客約7000人が最大10時間閉じ込められる問題が起きたばかりだった。
JR西によると、今回トラブルがあった分岐器は、24日に故障した計21個とは別の分岐器。
熱で雪を溶かす装置を作動させていたが、十分に機能しなかったという。
一方、ダイヤの乱れを修正するシステムは午前8時ごろ、一部が何らかの原因で停止した。
東海道線など各路線で計330本が運休。計892本が最大約3時間50分遅れた。
https://mainichi.jp/articles/20230126/k00/00m/040/178000c
※その翌日1月27日にも、また同じ山科駅で特急などから落ちた雪で?分岐器が動かなくなるトラブルがあった。
これも、事故は起きる時には続けて起きるという一例か?
(2023年1月27日17時31分 毎日新聞)
27日午前7時55分ごろ、JR東海道線の山科駅(京都市)で、下り線の信号が赤色から変わらなくなった。
JR西日本によると、車両をホームに引き込むレールの分岐器が動かなくなったためで、雪が原因とみている。
26日も同じ分岐器に雪が詰まり、同様のトラブルが起きたばかりで、連日ダイヤが乱れる事態となっている。
大阪指令所の職員が遠隔で分岐器を動かす作業を続け、約20分後に復旧。
この影響で4本が運休、24本が最大約30分遅れ、約1万6000人に影響が出た。
トラブル時に降雪はなく、JR西は走行中の特急などから分岐器付近に雪が落ちた可能性があるとしている。
https://mainichi.jp/articles/20230127/k00/00m/040/169000c
※溶雪装置の一つであるカンテラについては、乗客がその火を火災と間違えたトラブルも発生している。
(2023年1月30日11時36分 朝日新聞 ;カンテラの写真付き)
『火災と見間違えたカンテラの炎 列車の運行を止めた「二重の勘違い」』
https://www.asahi.com/articles/ASR1Z3QMTR1ZOXIE00K.html
2023年2月17日17時31分にNHK京都からは、融雪装置稼働基準を変更し、駅長にはそれを目安として柔軟に判断させるなどとした報告書が運輸局に提出されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は一連の対応の検証結果や再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめ、近畿運輸局に提出しました。
この中では、気象会社からの予測をもとに大規模な輸送障害は発生しないと判断し、対策本部を設置しなかったことが事態を悪化させたとしたうえで、今後、気象庁から特別な注意が呼びかけられている場合には対策本部を設置するとしています。
そのうえで、雪をとかす装置を稼働させる際の目安となる予想降雪量について、これまで「6時間で10センチ」としていましたが、寒さによってポイントで雪が固まり作業に時間がかかったことを踏まえて、気温が0度以下で、降雪などが見込まれる場合に装置を稼働させることになりました。
この基準をあくまで目安として駅長が現地の状況を踏まえて稼働させるかどうかを柔軟に判断するとしています。
また、ポイントの雪をとかす装置については、京都駅などでは多くが列車の運行前に設置する「手動式」でしたが、今回の事態を踏まえて、京阪神エリアを対象におおむね1年以内に、遠隔で稼働できる「電気式」や「手動式」でも稼働時間がより長いタイプに切り替えていく方針を示しました。
こうした設備投資には、40億円程度の費用を見込んでいるということです。
一方、乗客が長時間、車内に閉じ込められたことを踏まえて、駅の間で列車が止まっているときは復旧作業と乗客の救護準備を並行して行うほか、1時間以内に乗客を降ろすかどうか判断することを徹底するなどとしています。
・・・
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20230217/2010016713.html
2023年1月5日22時42分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市交通局は5日、市営地下鉄西神中央駅(同市西区)で4日、ホームにいた女児が停車中の電車の運転席に立ち入り、機器を操作するトラブルがあったと発表した。
電車は終点の同駅に到着後、折り返し運転のため運転士と車掌が先頭と最後尾の乗務位置を交代する途中で、運転士が内規に反して運転席の扉の鍵をかけていなかった。
同市交通局によると、4日午後7時55分頃、発車前の西神中央発新神戸行き電車(6両編成)の運転席に女児がいるのを車掌が発見。
女児は約3分間、機器を触っており、車内の照明や行き先の表示が一時消えた。
電車は動かせない状態だった。
運行への支障を確認する作業が行われた影響で計23本が最大18分遅れ、約3000人に影響が出た。
女児は車掌に注意されて運転席から出たが、その後、別のホームの電車の運転席にも立ち入った。
この電車も無施錠で、市交通局は「迷惑をかけ、深くおわびする。施錠を徹底する」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230105-OYT1T50191/
1月5日21時29分に朝日新聞からは、女児は1人で駅に来ていた、停車中の列車は運転操作や扉の開閉はできない仕組みになっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市営地下鉄西神・山手線の西神中央駅(神戸市西区)で4日夜、停車していた車両の乗務員室に女児が入り込んで機器を触り、車内の照明が消えるなどのトラブルがあった。
5日、神戸市交通局が発表した。
同局などによると、車両が4日午後7時50分ごろ同駅に着き、運転士と車掌が先頭と最後尾の乗務位置を交代する際、運転士が扉の施錠をし忘れて乗務員室を離れた。
その3分後に1人で駅に来ていた女児が乗務員席に立ち入って機器類を触ったため、照明や行き先表示が消えた。
照明が消えていることに気づいた車掌が乗務員室内で女児を発見。
安全確認のため乗客を別の列車に振り替えて約11分後に運行を再開した。
約3千人に影響がでた。
同局によると、停車中の列車は乗務員以外による運転操作や扉開閉ができない仕組みになっているという。
https://www.asahi.com/articles/ASR157337R15PIHB01C.html
1月5日19時12分に産経新聞からは、運転席に立ち入ったのは幼児だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市は5日、市営地下鉄西神・山手線西神中央駅(同市西区)で4日、停車中だった列車の運転席に幼児が無断で立ち入って機器を操作し、車内の電気が一時消えるトラブルがあったと発表した。
乗務員が交代で運転席を離れた際、扉の施錠を忘れていたという。
市によると、4日午後7時55分ごろ、同駅始発で新神戸行き列車の運転席に幼児がいるのを車掌が発見。
幼児は機器を操作し、車内の電気が消えた。
運転操作はできない仕組みだった。
安全確認のため別の車両に振り替えるなどし、計23本が最大18分遅れ、約3千人に影響が出た。
https://www.sankei.com/article/20230105-ZFEYOM5LEBIO7LN2WBJZFRPSGU/
(ブログ者コメント)
1人で駅に来ていたという女児(幼児?)。
年齢や駅に来たいきさつについて報じられた記事がないか探してみたが、見つからなかった。
2022年12月19日付でMerkmalから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東海道新幹線の停電事故が12月18日、発生した。
東京~新大阪間では最大4時間の運転見合わせとなり、74本が運休、114本が最大4時間28分遅れるなど、約11万人に影響が出た。
過去同様の件について振り返る。
【約11万人の足に影響】
東海道新幹線の停電事故が12月18日、発生した。
東京~新大阪間では最大4時間の運転見合わせとなり、74本が運休、114本が最大4時間28分遅れるなど、約11万人に影響が出た。
事故発生が日曜午後ということもあり、旅行者などの多いターミナル駅では多くの人たちが右往左往し、大混乱となった。
JR東海によると、停電は13時頃に豊橋~名古屋間の上下線で発生した。
上り線はすぐに運転を再開できたものの、安城市内の下り線でトロリー線をつり下げる吊架線(ちょうかせん)が切れていたことから、復旧のため上下線で運転見合わせとなった。
【36年前は「5時間14分」の遅れ発生も】
架線が切断し停電に至った理由は現在も調査中だが、鉄道で架線切断が原因となり列車が運転見合わせになるのは、まま起きる。
新幹線でも数年に一度は、なにがしかの理由で架線が切断したり、電気を送ることができなくなったりして、乗客の足が乱れる事故が起きている。
事故理由は、不可抗力なものから、完全にミスだったものまで、さまざまだ。
1986(昭和61)年11月12日に東海道新幹線の三島~静岡間で発生した停電では、最大で「5時間14分」の遅れが発生し、約2万1000人の足が乱れた。
国鉄は当時、東京駅に「列車ホテル」を準備するとともに、会議室を開放した。
さらに13日午前2時半と3時半、国電区間で臨時列車を走らせる対応を取っている。
この停電は架線が切断したことによるものだが、原因は保守点検のミスだった。
当時利用されていた架線は直径12.34mmで、耐用年数は3年とされていた。
直前点検の際には直径が6.5mmまで摩耗しており、取り換え基準の8.5mmを下回っていた。
ただ、激しい摩耗は一部だったため、
・耐用年数に達していない
・近々架線の総取り換えが予定されていた
ことを理由に「まだしばらくは耐えられる」と判断したところ、切断に至ってしまった。
【停電の最中にさらなるトラブル発生も】
明らかな保守の判断ミスで運行に支障が出たわけだが、架線に支障が出る理由はほんとうにさまざまだ。
1992(平成4)年11月21日、静岡県静岡市の東海道本線で起きた停電では、約3時間半にわたって東京~新大阪間の全線が不通となり、56本が運休した。
加えて、この事故の最中に、三島~静岡間において大雨で運転見合わせも起こったため、ダイヤが終日乱れる騒ぎとなった。
この停電の原因は新幹線ではなく、「東名高速道路」で行われていた工事だった。
事故が起きたのは静岡市駿河区用宗巴町の東海道本線と東名高速道路の交差する地点だ。
この日、東名高速道路の外側で足場を組んで工事を行っていたところ、足場が幅約40mにわたって垂れ下がり、約6.5m下の新幹線の架線に接触、停電した。
新幹線にとっても災難だが、こんなに大規模に足場を崩壊させてしまった東名高速道路はさらに真っ青だったろう。
ただ、事故後の数時間で足場を撤去して、運行を再開させているため、その技術力は評価に値するだろう。
停電理由には人為的なもの以外もある。
1994年6月10日、東海道新幹線の静岡~新富士間で事故が発生した。
理由は、カラスが架線と架線を支える支柱の間に挟まったためだった。
この事故では高圧電流がカラスと支柱を伝って地面に流れ、静岡駅構内にあるポイント制御用のケーブルと信号回路が焼き切れた。
このため、自動列車制御装置が使用不能になり、1時間11分にわたって、全線で運転見合わせとなった。
このように、さまざまな理由で停電が発生し、新幹線のダイヤが乱れる事故が起きている。
ちなみに、携帯電話の普及以前は、現在以上の混乱が見られた。
【立ち往生が当たり前の時代】
前述の1986(昭和61)年のケースで、「深夜に臨時列車を運行する」という措置を取っているのも、現在のように乗客がスマートフォンを持っていないため情報を得られず、駅員も「遅れているが接続は間に合う」と案内。
その後、深夜になって到着した乗客が駅に滞留したためと考えられる。
1994(平成6)年のケースでは、多くの新幹線の遅れが2時間以内だったため、特急券の払い戻しは行われなかったが、東北・上越・山形新幹線などに乗り継ぐ客が最終列車に間に合わず、東京駅で立ち往生する結果となった。
これを報じた記事には、「京都駅で駅員が間に合うと言ったから乗ったのに、だめだった」という乗客の証言も書かれており、JRも現在ほど緊急時の乗客への対応が洗練されていなかったことがわかる。
【緊急対応の発展は2010年代から】
緊急時の対応がより発展したのは、2010年代に入ってからだ。
2010(平成22)年1月29日には、東海道新幹線で部品交換の際にボルトをつけ忘れたのが原因でパンダグラフが外れ、架線が切れる事故が起きている(神奈川県横浜市)。
このとき当初、乗客に対して「沿線火災で架線が切れた」との案内が行われたため、パンダグラフの落下が原因とわかると、「わざとウソの情報を流したのか」などの苦情が、JR東海と国土交通省に殺到した。
これを受けてJR東海は、トラブル発生時、各部署(指令)に臨時の情報責任者を設置。
情報を集約した後に、旅客指令を通じて列車や駅に情報を伝えることを明確化している。
現在は在来線でも運転見合わせの際、事故内容や復旧見通しなどを細かくアナウンスすることが多いが、それはこうした情報の集約と役割分担が明確になったからだ。
ただ、どんなに対策しても、今回のようにトラブルや混乱は必ず起こる。
利用者にもそんな心構えが必要だ。
https://merkmal-biz.jp/post/28234
12月20日23時38分に読売新聞からは、トロリ線を吊るすハンガという棒状金具が折れていたなど下記趣旨の記事が、破断か所の図解付きでネット配信されていた。
JR東海は20日、架線をつるす金具が折れ、別の架線と接触し、ショートして停電したことが原因だったと発表した。
新幹線の車両には、上部に張られたトロリ線から電力を供給している。
トロリ線は、その上に張られた「吊架線」からハンガという棒状の金具でつり下げられている。
JR東海によると、トラブルの原因となった愛知県安城市内の下り線は、トロリ線が並行して2本張られている区間で、うち1本をつるすハンガが何らかの原因で折れた。
折れたハンガは並行する2本のトロリ線のうち、本来は触れるはずのない線と接触。ショートを起こし、停電したという。
JR東海によると、この部分の架線が設置されたのは2016年11月で、今年6月の目視点検では異常はなかったという。
今月12日にも線路上を係員が歩いて巡視していた。
同社はハンガが切断された理由を調べるとともに、同じ構造をしている56か所を緊急点検する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221220-OYT1T50222/
(2023年2月25日 修正1 ;追記)
2023年2月22日18時50分に毎日新聞からは、列車が通過するたびに金具が大きく揺れ、金属疲労で破断したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JR東海は22日、昨年12月に約4時間にわたり東海道新幹線が運転を見合わせた停電トラブルは、車両に電力を供給するトロリ線をつり下げる棒状の金具が金属疲労で折れ、ショートが起きたことが原因だったと明らかにした。
既に同じ構造の61カ所の金具を新品に交換しており、従来の直径6ミリから同7ミリのものに順次置き換える。
同社によると、発生箇所では列車が通過するたびに金具が大きく揺れる「共振」という現象が起き、金属疲労が進んだという。
折れた金具が動いて別のトロリ線に接触、ショートが起きて停電した。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20230222/k00/00m/040/239000c
2月24日19時0分にYAHOOニュース(Response)からは、2014年から順次導入されてきた「高速ヘビーシンプル架線」でハンガが長くなった結果、共振が発生したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は2月22日、東海道新幹線・豊橋~三河安城間の下り線(愛知県安城市古井町内)で2022年12月18日に発生した架線断線事故の原因と事故防止対策を明らかにした。
東海道新幹線の架線は、車両に電力を供給する「トロリ線」、トロリ線を吊る「吊(ちょう)架線」、トロリ線を吊るための「ハンガ」と呼ばれる金具から構成されている。
従来は「補助吊(ちょう)架線」がある3架線の「ヘビーコンパウンド架線」が使われていたが、部品点数やコスト削減を図るため、補助ちょう架線を省略して2本の架線とする「高速ヘビーシンプル架線」が2014年から曲線半径2500m以上の明かり区間(トンネルとトンネルの間の区間)へ順次導入されてきた。
JR東海では今回の事故原因を、この高速ヘビーシンプル架線において「トロリ線を吊るための金具であるハンガの下部が折損し、エアセクション(架線を電気的に区分する箇所)内でトロリ線とちょう架線が短絡し、ちょう架線が断線したため」として、遠因となったハンガの折損原因を調査してきた。
その結果、高速ヘビーシンプル架線では、ちょう架線・トロリ線間のハンガが長くなり、その吊上げ力が小さくなった場合に振動の振幅が大きくなる「共振」と呼ばれる現象が発生。
それが列車通過のたびに10数秒程度続いた結果、金属疲労が促進され折損に繋がったとしている。
これを受け、暫定対策としてハンガのすべてが新品に交換されており、ほかにハンガ径を太くしたものへの順次置換え、10日に1回の巡視点検による列車通過時の振動状況確認が行なわれる。
また恒久的な対策としては、ハンガの長さを短縮して共振を抑えるよう改修される。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a8b689de02a84becf1c4d94a0c126c550607d79
2月22日18時20分に朝日新聞からは、共振は過去に例がない現象だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は22日、架線の金具が金属疲労で折れたことでショートし、架線が断線したと発表した。
新幹線が通過する際に発生する想定外の揺れによって金具が疲労破断したといい、「過去に経験がない事象だった」と説明している。
JR東海によると、停電は昨年12月18日午後1時ごろに起きた。
下り線で、列車に電力を供給する「トロリ線」をつり下げるための「吊架(ちょうか)線」が、愛知県安城市内で切れているのが確認された。
トロリ線と吊架線をつなぐ「ハンガ」と呼ばれる金具の下部が折れ、別のトロリ線に接触。
通常とは異なる回路で電流が流れて吊架線が断線し、停電に至ったとみられる。
断線があった場所でハンガを新品に置き換えて調査したところ、列車が通過する際に通常より振動の振れ幅が大きくなる「共振」と呼ばれる現象が続くことがわかったという。
JR東海はこの揺れについて「ハンガの長さやつり上げ力など特定の条件が重なった。ハンガの共振は過去に経験がない」と説明している。
断線があった場所と架線構造が同じ区間で、太いハンガに順次置き換えるなどの対策を進めていくという。
https://www.asahi.com/articles/ASR2Q61NJR2QUTIL046.html
2022年12月8日20時20分にYAHOOニュース(ねとらぼ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道が一部路線で「減速運転」を実施するというニュースが話題になる中で、Twitterでは対象となった路線の実態を記録した映像が話題になっています。
北海道では、シカなどの野生動物と列車の衝突事故が多発しており、車両が破損してしまう被害が発生しているほか、運休や遅れが発生するなど問題になっていました。
そんな事情があって、JR北海道・花咲線と釧網線で、視認性が落ちる夕方から夜間にかけて、通常よりも速度を落として走行する「減速運転」の実施が決まったそうです。
報道によれば、実施期間は2022年12月5日から2023年3月末までとなっており、減速運転によってダイヤに遅れが発生するものの、急ブレーキや衝突によって車両が故障して、動かせなくなる事態を避けるのが狙いとみられます。
話題になっている映像は、Twitterユーザー・サロハネさんが「花咲線の実態」と添えて投稿したものです。
2022年2月27日に減速運転の対象となっている花咲線・別当賀駅から落石駅に向けて走行中の車内から撮影した映像で、走行中の車両の前に現れたシカの群れに四苦八苦している様子が記録されています。
数頭のシカが線路付近を歩いているだけならまだしも、走行中の車両の前を横切るなど、あわや事故という場面も。
さらに進行方向の先には数え切れないほどのシカの大群……!
明るい時間帯でも危険な状況で、視認性が落ちる暗い時間帯では、いつ事故が起きても不思議ではありません。
Twitterでは「こんなにいるんだ!?」「嘘みたいな光景でビックリした」など、想像以上にシカが多くて驚いたという反応が寄せられ、JR北海道の対応について「これはシカたないですね」「そりゃ減速必須だわ」と納得する声がみられました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b70b4ed50eebed3807b2ee6bac37f8b0069447f6
(ブログ者コメント)
本ブログではこれまで、シカは線路の鉄を舐めにやってきてハネられるなど、さまざまな情報を紹介してきた。
それらの情報から、シカは線路付近に立ち止まっていて、あるいは歩いていてハネられるという感触を持っていたのだが、今回の映像を見て、急に飛び出してきてハネられるケースも多そうだという感触を持った。
それにしても、線路のすぐそばに出没するシカ。
これを逆手にとって、観光資源として活かせないものだろうか?
2022年12月3日0時11分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後10時すぎ、東急東横線の横浜駅の線路内で煙があがっていると警察に通報がありました。
警察によりますと、これまでにけが人などの情報はありませんが、地下のホームに煙が充満したため、駅員がホームにいた乗客などを一時的に避難させたということです。
現場では、改札口に降りる階段はカラーコーンで封鎖され、駅員が「警察が現場検証をしているため駅に入ることができません」と呼びかけていました。
階段の周囲には人だかりができ、駅員に状況を尋ねたり、携帯を操作する様子が見られました。
警察や消防が現在、詳しい状況や煙が出た原因を調べています。
この影響で東急東横線は、菊名駅と横浜駅の間の上下線で運転を見合わせています。
また、直通運転を行っているみなとみらい線も、全線で運転を見合わせています。
東急電鉄によりますと、運転再開の見通しは立っていないということです。
【横浜駅のホームで撮影された映像】
2日午後10時過ぎに東急東横線の横浜駅のホームで撮影された映像です。
線路の奥の部分で白い煙のようなものがあがっているのが確認できます。
また、駅員がホームにいる人たちにマイクを使って「安全のため改札の外に移動してください」と呼びかけています。
撮影した男性は、「線路の奥の方から煙が押し寄せてきて徐々に濃くなり、焦げ臭い匂いがしました。周囲の人たちは落ち着いた様子で駅員の指示に従って行動していました」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221202/k10013911881000.html
12月3日1時27分に毎日新聞からは、ブレーキ時の火花が線路脇のホコリに引火した可能性ありという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後10時8分ごろ、横浜市西区の東急東横線横浜駅の線路内で煙が上がり、東横線全線で運転を見合わせた。
再開したのは0時10分ごろだった。
上下線合わせて55本が運休し、約1万4100人の乗客に影響が出た。
東急電鉄によると、電車がブレーキをかけた際に出た火花が線路脇のほこりに引火し、発煙した可能性があるという。
煙の影響で、ホームにいた乗客は一時避難した。
https://mainichi.jp/articles/20221203/k00/00m/040/001000c
12月3日1時29分に日本経済新聞からは、線路の切り替えポイント付近から出る火花が周囲のホコリに引火したらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後10時ごろ、横浜市西区の東急東横線横浜駅の線路から発煙していると110番があった。
神奈川県警戸部署によると、午後11時40分ごろに鎮火し、けが人はいなかった。
署によると、煙が出たのはホーム先端から反町駅方面へ約70メートル進んだ先の線路脇で、線路を切り替えるポイント付近から出る火花が周囲のほこりに引火したとみられる。
東急電鉄によると、東横線の菊名―横浜間と、直通するみなとみらい線横浜―元町・中華街間の上下線で一時運転を見合わせ、横浜駅にいた客らは地上に避難誘導したという。
東横線は上下計55本が運休し、約1万4千人に影響した。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE02DQN0S2A201C2000000/
2022年11月24日18時44分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は24日、東北新幹線の線路保守作業中の22日未明から行方不明となっていた男性作業員が24日未明に見つかったと明らかにした。
JR東は「本人から家族に連絡があった。発見場所は線路上ではない」と説明。
詳細は明らかにしていない。
JR東によると、22日午前3時25分ごろ、大宮―小山間で男性作業員と連絡が取れないことが判明。
線路内にいる可能性があったため、速度を落として運転するなどした。
東北と上越、北陸新幹線に運休や最大約1時間10分の遅れが出て、約2万3300人に影響した。
JR東は当初、現場で作業をしていたのは6人と説明していたが、7人だったと訂正した。
https://www.sankei.com/article/20221124-RGZXJNXNLFMTJFO2KF26S5KSAE/
(ブログ者コメント)
大勢の乗客に迷惑をかけた一時失踪事件。
大雑把でもいいから理由を明らかにすべきではないだろうか?
今後の他社労務管理に活かせる教訓があるかもしれないので。
2022年11月20日7時11分にYAHOOニュース(Merkmal;鉄道ライターの寄稿文)から、下記趣旨の記事が3枚の参考写真付きでネット配信されていた。
【ドアコックによる運行妨害は年数回】
東急の運転士が小田急の運行妨害の疑いで逮捕――。
そんな奇妙な事件が11月9日、報じられて話題となった。
報道によれば、この運行妨害は2022年7月に小田急電鉄の柿生駅で発生した。
当事者である東急電鉄の運転士は通勤中で、当日、遅刻しそうだったため、鉄道車両の外部にあった非常用ドアコック(以下、ドアコック)を使い、出発しそうだった電車のドアを開けて乗車した。
要は、運転士としての経験をうまく使ったわけだ。
結果、乗車できたものの、安全確認のため、電車の出発は5分ほど遅れ、運転士は威力業務妨害の疑いで逮捕された。
ドアコックは、鉄道車両の内外に設置されている。
操作するとドアを閉める空気圧が下がり、手で開けられるようになる。
安全装置として必須のものだ。
とりわけ、車内に設置されたものは、乗客にもわかりやすい形で掲示されている。
鉄道を使う大半の人は、「非常時になったら、ドアコックでドアを開ける」 と知っているだろう。
ただ、そのわかりやすさゆえに、「乗り間違えた」「降り損ねた」などのさまざまな理由で、乗客が勝手にドアを開ける事件が何度も起きているのだ。
全国の新聞過去記事を調べてみると、ドアコックの操作による運行妨害は、年に何度か、必ず報じられている。
かつては、「犯人」は見つからないことが多かったものの、近年は防犯カメラなどが整備されたためか、逮捕されることが多い。
報道では、「威力業務妨害の疑い」で逮捕されたものが多いが、このほかにも鉄道営業法違反、新幹線の場合は新幹線特例法違反などのさまざまな刑事罰に加えて、損害賠償を請求される可能性もある。
つまり、 「個人的理由でドアコックを操作する = 犯罪」 という考えは広く知られているが、それでも手を染める者は後を絶えないのだ。
【ドアコックが登場した理由】
2019年には、走行中の山陽新幹線で酒に酔った男が2度にわたってドアコックのふたを開け、列車を緊急停車させたとして逮捕されている。
また、新幹線では乗車後に乗り間違いに気づき、ドアコックを使って運行を妨害しただけでなく、転落死したり、大けがをしたりする事件も起きている。
そのため、新幹線車両では近年、列車が時速5km以上になるとドアコックをロックする機能を追加している。
こうした不用意な使用が絶えない背景には、ドアコックが安全装置、すなわち、手動で扉が開き、問題なく列車を乗り降りできるという 「素朴な思い込み」 があるようだ。
ドアコックは、1951(昭和26)年4月に神奈川県横浜市で発生した桜木町電車事故を契機として義務化された。
車両火災で多くの死傷者が出たこの事故では、ドアコックの表示が行われていなかったことが被害を拡大した原因のひとつとされた。
そのため、この事故以降、座席下のドアコック周りには赤ペンキが塗られ、「非常の時にはこのコックを開いて扉を手で開けてください」と表示されるようになった。
また、すべての車両に設置が義務化された。
ところが、1962年5月に発生した三河島事故では、脱線した貨物列車に衝突した電車から多数の乗客がドアコックを使って脱出。
線路を歩いて避難しようとしていたところに、事故を知らない後続の列車が進入し、大惨事となった。
この事例が示すように、ドアコックは万が一の時に欠かせない安全装置であるものの、決して万全なものではない。
これが改めて示されたのは、2021年10月に京王線で発生した、「ジョーカー」(米人気漫画『バットマン』の悪役)の衣装を着た男が車内に放火し、乗客を襲った京王線刺傷事件だった。
この事件では、乗客がドアコックを操作したことで、加速できなくなった車両が国領駅(東京都調布市)の所定位置から2mずれて停車。
国領駅にはホームドアが設置されているため、ドアを利用できず、多くの乗客が窓から脱出することになった。
線路側にあるホームドアの非常開閉ボタンも使用できなかった。
【国交省がガイドライン化】
この事件を受けて、国土交通省は2021年12月、鉄道会社に対して、新規に導入する車両に防犯カメラの設置を義務づけるとともに、非常通報装置やドアコックなどの操作方法について、ピクトグラム表示を共通化する方針を示している。
京王線の事件では、結果的に脱出が困難になったことから、これらの導入と並行して、ドアコックの是非や使用方法に関する議論も盛り上がった。
しかし現時点では、脱出時や、脱出後にさらなる事故を生む懸念はあるものの、必要な設備であることは一致している。
そこで、国土交通省が2022年6月、「車内用非常用設備等の表示に関するガイドライン」を発表し、各鉄道会社はこれに基づいた表示を実施している。
このガイドラインに基づく表示では、日英2か国語で、使用方法と危険性が記されている。
いざというとき、ドアコックは当然使われるべきものだが、それでみだりに車外から出るのは危険である。
また、車両から地面までの高さにも注意が必要だ。
改めて、ドアコックの適切な使い方が周知されなければならない。
最後に繰り返したい。
「個人的理由でドアコックを操作する = 犯罪」 である。
皆さん忘れないように。
弘中新一(鉄道ライター)
https://news.yahoo.co.jp/articles/30fa47873ae1a95c8887b9f38abc6e1e038c06c6
ちょっと前、11月9日17時50分にテレビ朝日からは、遅延証明書目的だった可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年7月、小田急電鉄柿生駅で始発電車の出発が5分ほど遅れるトラブルがありました。
その理由は、なんと、出発しようとしていた電車のドアを乗客が外から無理やり開けたことでした。
果たして、そんなことができるのでしょうか。
鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:
「一般的に電車には、車両の外側からでも緊急時などに備えて扉を開けられるように、非常用のドアコックというのが設けられている。
こちらを操作すると、普段は自動で閉まっている扉が手で開けられるようになります」
乗客がなぜ、そんな知識を持っていたのか…。
実は、ドアを開けた乗客は東急電鉄の運転士で、勤務のために小田急電鉄を利用。
遅刻しそうだったため、運転士としての知識を使い、車体の外にある非常用装置を操作してドアを開け、車内に乗り込んだとみられています。
次の電車に乗れば済むのに、なぜ、こじ開けてまで乗ったのでしょうか。
鉄道の専門家は、ある可能性を指摘します。
鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:
「例えば、『電車が遅れました』という理由だと遅延証明書が出ますし、遅刻の言い訳にはなるのかなと思います。そういうことを考えたのかもしれない」
警察は8日、東急電鉄の運転士・保田容疑者(男性、43歳)を威力業務妨害の疑いで逮捕しました。
保田容疑者:
「やったことは間違いないが、妨害したつもりはない」
と容疑を一部、否認しています。
威力業務妨害罪は3年以下の懲役、または50万円の罰金が科せられます。
大澤孝征弁護士:
「そう軽い罪ではない。
『列車を妨害するつもりはなかった』と言っても、それは通用しない話。
5分間遅れるということは、かなり、場合によっては大きな影響を及ぼすことがある。
乗車している人にとっては、そのこと自体が大きな問題になることもあり得る」
被害を受けた小田急電鉄は、取材に対して「極めて遺憾、お客様の安全に関わるので、このような危険な行為はやめてほしい」とコメント。
一方、東急電鉄の担当者は「今後の警察の捜査に全面的に協力して参ります」と答えました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000275095.html
(ブログ者コメント)
〇1951年の桜木町電車事故は、以下のようなものだった。
(失敗知識データベースより引用)
京浜東北線桜木町駅で、垂れた架線にモハ63が接触、ショートしたことから火災が発生し、逃げ場を失った乗客106名が焼死、92名が重軽傷という大惨事を起こした。
架線工事のミスが火災発生の直接の原因であったが、 多くの死傷者が出たのは、運転士が事故発生と同時にパンタグラフを下ろしてしまったため、自動扉が開かず、また窓が中段の開かない3段窓で乗客が脱出できなかったためである。
http://www.shippai.org/fkd/cf/CA0000603.html
〇外から操作できるコックがあるとは知らなかった。
テレビ朝日のイラストで画像をボカしてある、あの辺にあるのかもしれない。
2022年11月14日1時0分にYAHOOニュース(テレビ朝日)から、下記趣旨の記事が画像の写真付きでネット配信されていた。
西武鉄道は、遮断機が下りた踏切内に取り残された人を検知するため、AI(人工知能)や3D画像解析による「踏切異常検知システム」を開発し、14日から本格的な運用を始めました。
西武鉄道沿線の約7割の踏切には「踏切支障検知装置」が設置されています。
この装置は自動車の検知がメインとなっているため、人が踏切内に取り残された場合、誰かが非常ボタンを押して列車に異常を知らせる必要がありました。
西武鉄道では、人が鉄道と衝突する事故を防ぐため、踏切監視カメラ映像をAIで画像処理したり、3Dカメラ映像を解析したりして線路内に取り残された人を検知し、接近する列車に知らせる踏切異常検知システムを開発しました。
14日から池袋線や新宿線の踏切、合わせて3カ所で本格的な運用が始まりました。
AIは人を骨格で検知しますが、このシステムでは雨の日などに傘を差して骨格が隠れている場合でも検知できるということです。
今後、車が通れない踏切を中心に設置される予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be23bf7dc6888cbe19fc5f93742fa64fb375fb07
2022年11月5日付で毎日新聞大分版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は4日、JR九州の列車9両で走行中のドア開閉を防ぐ保安回路が作動しない不備があったと発表した。
豊肥線で10月、走行中にドアが開いたとみられるトラブルがあり、調査の過程で判明。
他の鉄道事業者でも同様の不備がありうるとして、国土交通省に情報提供した。
安全委によると、豊肥線でトラブルのあった車両は、スイッチを誤操作しても走行中はドアが開閉しないよう制御する回路の一部が動かなかった。
JR九州が保有する他の同型車全26両を調べたところ、8両で同じ不備が見つかった。
回路内のリレーと呼ばれる装置で、誤って隣の端子にケーブルが接続されていたのが原因としている。
トラブルは10月17日朝に発生。
竹田市を走行していた下り列車が豊後竹田駅に到着後、乗客が「ドアが開いたり閉まったりしていた」と運転士に連絡した。
けが人はなかった。
安全委は、事故につながりかねない重大インシデントとして、さらに詳しく調べる。
https://mainichi.jp/articles/20221105/ddl/k44/040/366000c
11月4日19時9分にYAHOOニュース(テレビ大分)からは、ドアは走行中に2回開閉したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR豊肥本線で走行中の列車のドアが開き、国が重大インシデントと認定した問題について、トラブルが起きた車両の安全装置に配線ミスがあったことが分かりました。
この車両以外にも、JR九州のあわせて8両で同様の配線ミスが見つかったということです。
この問題は10月17日、JR豊肥本線の普通列車のドアが走行中に2回、開閉したとみられるものです。
これについて国の運輸安全委員会は事故につながりかねない重大インシデントと認定し、原因を調査しています。
こうした中、運輸安全委員会は4日、トラブルが起きた車両の安全装置に配線ミスがあったと公表しました。
本来接続するべき場所とは異なる場所にケーブルがつながれていたということです。
このほか、同様の配線ミスがJR九州に26両ある同じ型の車両のうち8両でも確認されたということです。
運輸安全委員会では、配線ミスがトラブルの原因となった可能性があるとみて、さらに調査を進める方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/96d5d80cd3e69c3d9ed733db7edca3eb4f026c26
※トラブル発生当時、10月17日22時34分に産経新聞からは、車両右後方のドアに開く指令が
出ていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午前6時35分ごろ、大分県竹田市を走行していたJR豊肥線の下り列車(1両編成)が豊後竹田駅に到着した後、乗客が「ドアが開いたり、閉まったりしていた」と運転士に連絡した。
運転士が確認した結果、走行中に開いていたとみられる。
乗客約20人にけがはなかった。
運輸安全委員会は17日、事故につながりかねない重大インシデントに認定。
鉄道事故調査官2人を指名した。
国土交通省によると、到着時は閉まっていたが、運転士が記録装置を確認したところ、車両右後方のドアに開く指令が出ており、走行中は開いていたとみられる。
JR九州によると、豊肥線は宮地(熊本)―豊後竹田間で6時間以上運転を見合わせた。
同社は「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。原因究明に努めてまいります」とコメントしている。
https://www.sankei.com/article/20221017-F2OMGFC3BJMNVBSOIEHSMTYFJM/
2022年11月2日10時32分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後11時50分すぎ、茨城県日立市にあるJR常磐線の日立駅で、出発した下りの普通電車が夜間作業のために線路上に置かれていた赤色の表示灯に衝突しました。
表示灯はポイントの状態を確認する作業のためのもので、本来は最終電車の運行が終わっていた上り線に設置される予定でしたが、作業員が誤って下り線に置いたということです。
誤って置かれた表示灯は電車の進行方向とは反対向きに点灯していたため、運転士が気づいたのは衝突の直前で、急ブレーキをかけても間に合わなかったということです。
電車の乗客およそ10人と乗務員、それに近くにいた作業員にけがはありませんでしたが、この事故で電車はおよそ30分遅れました。
JR東日本水戸支社は「ご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。社員に対し注意喚起を徹底してまいります」としています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20221102/1000086370.html
(2022年11月24日 修正1 ;追記)
2022年11月3日付の茨城新聞紙面には、赤色表示灯の大きさなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
赤色表示灯は幅約80センチ、高さ約110センチ、重さ約1.2キロ。
いわき駅方面に向かって置かれていたため、運転士の発見が遅れ、非常ブレーキをかけたものの、衝突してしまったという。
2022年6月17日19時28分にYAHOOニュース(読売テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日正午前、大阪府島本町で、高齢の男性が長さが20m以上ある踏切を渡り切れず、電車にはねられ死亡しました。
事故があったのは大阪府島本町にあるJR京都線の堂の後踏切で、午前11時40分ごろ、大阪駅方面に向かう新快速電車が高齢の男性をはねました。
男性は持っていた身分証から近くに住む70代とみられ、全身を強く打ち、死亡しました。
府警が防犯カメラを調べたところ、男性は杖などは持たず一人で歩いていて、警報機が鳴り始める前に踏切を渡り始めました。
しかし、この踏切は長さが約21mあり、男性が渡っている間に警報機が鳴って遮断棒が降り、渡り終える直前に電車にはねられたということです。
府警は、男性が踏切を渡り切れずにはねられたとみて調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2bda81a1170d8a29d7aa0a78be19843d166d462e
2022年5月2日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12454/
(2022年6月1日 修正2 ;追記)
2022年5月25日15時9分に毎日新聞からは、現場に新しい点字ブロックが設置されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、市は24日、現場に新たな点字ブロックを設置した。
古いものは設置から年月が過ぎて摩耗するなどし、視覚障害者に情報が伝わりにくくなっていた。
踏切を通る市道にある点字ブロックは15、16年前に市が設けたが、事故後の調査で、摩耗したり、一部がはがれたりしていたことが判明していた。
24日は、作業員らが踏切の入り口に計4カ所ある点字ブロックを、真新しいものに交換した。
線状の突起で進む方向を示す誘導用のほか、点状の突起で踏切などの危険な場所があることを知らせる警告用のブロックを、1カ所あたり10~11枚設置した。
前回より耐久性があるものに替えたという。
市によると、市内には近鉄とJRの踏切が計49カ所ある。
市の担当者は、「要望があれば設置を検討し、事故を無くせるような対策をしていきたい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/08ab8b54be5dcb9b596156156a34854c8e5cf518
5月24日12時21分にNHK奈良からは、点字ブロックの面積も増やした、しかし踏切の内部に点字ブロックがないので視覚障害者側は納得していないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月25日、大和郡山市の近鉄橿原線の踏切で、近くに住む目の不自由な女性が列車に接触して死亡し、警察は、女性が踏切の中で自分の立ち位置が分からなくなってしまい、事故に遭ったとみて調べています。
この事故を受け、24日朝、市の担当者と委託業者らが、現場の踏切の手前で注意を促す点字ブロックを設置し直す作業を行いました。
本来、踏切手前の道路の両側の、左右あわせて4か所に、点字ブロックが4枚ずつ設置されているはずでしたが、市によると、事故当時は、劣化するなどして一部が剥がれていました。
作業員は、古い点字ブロックを剥がしたあと、道路に塗料を塗る剥がれにくいタイプの点字ブロックに設置し直していきました。
目の不自由な人により注意を促し、道路の方向を示せるように、点字ブロックの種類や面積を増やしたということです。
大和郡山市管理課の佐野課長補佐は、「関係団体と協力しながら、事故がなくなるよう、これからも対策を進めていきたい」と話していました。
市では今後、市内にあるほかの踏切についても点検を進め、点字ブロックの設置が必要かどうかを、検討していきたいとしています。
【辰巳会長コメント】
点字ブロックが設置し直されたことについて、奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳会長は、迅速に修復されたことはありがたいとしたうえで、「踏切の内側には点字ブロックがないことなど、修復の内容についてはまだ納得がいくものではない。安心して踏切を渡れるように、引き続き、検討を続けてほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20220524/2050010463.html
・・・
【手前と勘違いか】
奈良県警郡山署によると、白杖を持った高垣さんは、踏切(幅約4メートル、長さ約9メートル)に入った後、警報音が鳴り、2本目の線路を過ぎた付近で立ち止まった。
あと少しで踏切の外に出られる位置だったが、後ろに戻ろうとしたところをはねられた。
同署は、高垣さんが踏切の手前にいると勘違いし、踏切から離れようとして後方に引き返したとみている。
現場の踏切内に点字ブロックはなかった。
踏切手前の道路の両端計4か所に点字ブロックはあったが、高垣さんは存在に気付いていなかったとみられる。
静岡県三島市でも昨年8月、目の不自由な男性(当時26歳)が電車にはねられて死亡。
国土交通省中部運輸局によると、男性も同様に踏切の外にいると勘違いしたとみられる。
踏切内や付近の道路に点字ブロックはなかった。
「足裏でわかる」
点字ブロックは踏切事故防止の有効策とされる。
踏切内にある点字ブロックは「エスコートゾーン」と呼ばれ、道路管理者の自治体が設置する。
踏切外側の道路の点字ブロックとは突起の配列や形状が違っており、奈良県視覚障害者福祉協会の辰己会長は、「足裏の感触で踏切の内か外かがわかる。設置されていたら、事故を防げたかもしれない」と話す。
しかし、JR西日本、阪急、阪神、南海、京阪、近鉄の6社の踏切計7669か所のうち、踏切内に点字ブロックがあるのは大阪府内の4か所(阪急2、南海2)しかない。
近畿地方整備局によると、管内(近畿2府4県と福井県、三重県の一部)でもこの4か所だけ。
日本視覚障害者団体連合(東京)は「関東でも確認されておらず、設置は大阪の事例だけとみられる」としている。
【基準なし】
求められる対策が、なぜ遅れているのか。
国交省によると、2006年施行のバリアフリー法により、障害者らの利用が多い道路の横断歩道や踏切付近などは点字ブロックの設置は努力義務とされているが、踏切内に基準はない。
大阪のエスコートゾーンは、府が11年以降、視覚障害者団体の要望を受け、豊中市の阪急宝塚線など、障害者がよく通行する踏切に試験的に導入。
しかし、近年、設置がストップしており、府の担当者は「明確なルールがないことが大きく、進んでいない」と明かす。
一方、ある鉄道会社の担当者は、「踏切だけでなく、周辺道路との一体整備でないと効果が薄い。まずは道路管理者の自治体に動いてほしい」と話す。
国交省は、「設置が好ましいが、基準策定まで至っていない。要望が少ないことが要因とみられる」とする。
筑波大の徳田克己教授(バリアフリー論)は、「国は踏切内の設置について早急にルールをつくるべきだ。自治体は視覚障害者から要望を聞きながら、障害者がよく通行するなど、必要とされる踏切から優先的に導入を進めていくことが求められている」と指摘する。
【障害物検知装置は作動せず】
奈良の事故現場の踏切には障害物検知装置はあったが、作動しなかった。
主に自動車を想定した装置だったためで、人も検知できる装置があれば防げた可能性があるが、導入は遅れている。
国土交通省によると、大きな障害物だけでなく、取り残された人を面的、立体的に高い精度で検知する装置は2019年度、全国の踏切約3万3000か所のうち、5%にあたる1800か所にとどまる。
同省の担当者は、「設置費用が高く、ネックとなっている。補助制度を活用して導入を進めてほしい」と話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220530-OYT1T50164/
(2022年6月7日 修正3 ;追記)
2022年6月6日17時21分に毎日新聞からは、市は踏切内に県内初のエスコートゾーンを設置するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
奈良県大和郡山市の近鉄踏切で4月、全盲の女性が特急電車と接触して死亡した事故で、市は踏切内で視覚障害者を誘導する「エスコートゾーン」を設置すると明らかにした。
障害者団体からの要望を受けて近鉄側と協議し、設置に合意。
鉄道各社によると、県内の踏切にゾーンが設けられるのは初めてという。
エスコートゾーンは点字ブロックに似た突起が付いた通行帯で、視覚障害者が進行方向などを把握しやすいようにする設備。
現場の踏切を通る市道は道幅が狭く、市などは安全確保が必要と判断した。
市は7日深夜から設置工事をする予定で、「敷設後は視覚障害者団体に利用しやすさを検証してもらう」としている。
ゾーンは踏切手前の点字ブロックと形状や幅を変える。
近鉄の広報担当者も「安全対策について行政や警察と協力し、何ができるか考えていく」と話した。
事故を巡っては、国土交通省も踏切内の安全確保強化を検討しており、踏切手前と踏切内に点字ブロックの設置を求めていく方針。
踏切に入ったことが分かるよう、踏切内のブロックは、手前のものと突起のパターンが違うものが望ましいとしている。
https://mainichi.jp/articles/20220606/k00/00m/040/166000c
(2022年6月11日 修正4 ;追記)
2022年6月8日15時35分にNHK奈良からは、踏切内に点字ブロックが設置されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大和郡山市は、踏切の中に点字ブロックを設置することを決め、8日未明から作業が行われました。
設置されたのは、すでに踏切の外に設置されている点字ブロックより、突起の形が少しとがっていて、1枚あたりの突起の数も多いことなどから、足で踏むと踏切の中と外を区別できるようになっています。
踏切内への点字ブロックの設置については、これまで、どのような形状のものを設置すればよいかなどについて、国のガイドラインがありませんでした。
こうしたことなどから、これまで設置された踏切は、関西でも4か所にとどまっており、奈良県内では、これが初めてとなりました。
完成したあと、踏切内への点字ブロック設置を要望してきた、視覚障害者の団体の関係者が現地を訪れ、足で踏んだり、手で触ったりして、ブロックの感触を確認していました。
国は、今回の事故を受けて、踏切の手前の点字ブロックや、踏切内で立ち位置を認識するためのブロックの設置を、自治体などの道路管理者に求めていく方針を決め、今月中にも関連するガイドラインを改定することにしています。
今回の設置は、事故のあと、大和郡山市と警察、視覚障害者の団体、それに近鉄が協議して設置を決めたもので、国のガイドライン策定を待たずに実施されました。
奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳会長は、「設置されてうれしいです。事故で亡くなった女性の思いや私たちの活動が実ったのだと思います」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20220608/2050010573.html
6月8日22時44分に読売新聞からは、国交省は踏切内にも点字ブロックを設置するよう運用指針を改める方針だが、義務化は見送る方針など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は、道路のバリアフリーに関する運用指針を改定し、視覚障害者が鉄道の踏切の位置を把握できるように点字ブロックを整備することを道路管理者に求める方針を決めた。
近く、全国の自治体などに通知する。
国交省によると、運用指針はバリアフリー法に基づき作成され、点字ブロックの整備が必要な場所を定めている。
これまで踏切については記載がなく、道路管理者の判断に任されていた。
改定後の指針では、点字ブロックを「踏切の手前」だけでなく「踏切内」にも設置し、判別できるようにすることを求める。
このうち踏切内のブロックのデザインは、既存のものがないため、今後検討する。
ただ、国交省では、設置の義務化は見送る方針だ。
指針では整備を「義務」「標準的」「望ましい」の3段階で分類しており、手前のブロックは「標準的」、踏切内は「望ましい」という位置づけにとどめる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220608-OYT1T50196/
6月11日0時19分にNHK関西からは、国交省は交通環境のバリアフリー化を進めるためのガイドラインを改定したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、国土交通省は交通環境のバリアフリー化を進めるためのガイドラインを改定しました。
この中で、踏切の手前については、目の不自由な人などに注意を促す点字ブロックや、適切に踏切まで誘導する線状のブロックを設置することを「標準的な整備内容」としています。
さらに、踏切内についても、立ち位置を認識し、誤って車道や線路にそれずに進むためのブロックを設置し、その形状は踏切手前のものとは異なるようにすることを「望ましい整備内容」として盛り込んでいて、国土交通省は、自治体などの道路管理者に通知しました。
ただ、これらの設置は国が指定する主要な箇所以外は「努力義務」にとどまり、歩道がない狭い踏切での設置方法は決まっていないなど、生活に密着した道路にまで広げるには課題もあり、ブロックの設置方法などについて有識者による検討を進めることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220611/2000062197.html
2022年4月29日19時3分にYAHOOニュース(読売テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
奈良県の近鉄橿原線の踏切で、全盲の女性が列車に接触し死亡した事故で、女性が「点字ブロック」に気づかず踏切に進入していたことがわかりました。
点字ブロックが一部破損していたことが影響した可能性もあります。
事故直前の防犯カメラの映像です。
白杖を持った女性が、点字ブロックに気づかず踏切に進入します。
渡り終える直前に警報機が鳴りますが、女性は踏切に“入る前”と錯覚したのか、立ち止まり、事故は起きました。
4月25日午後6時過ぎ、奈良県大和郡山市の近鉄橿原線の踏切内で、近くに住む高垣さん(当時50)が列車と接触し、死亡しました。
高垣さんは全盲の女性でした。
藤本記者:
「事故に遭った女性は、踏切前にある点字ブロックに気づかずに踏切を渡ろうとしました。その後、警報機が鳴り、踏切内だと気づかなかった女性が立ち止まった後、電車に接触したとみられています」。
事故はなぜ、防げなかったのでしょうか。
高垣さんを古くから知る、視覚障害のある岩さん(男性)が28日、事故現場を訪れました。
岩さんと同じく視覚障害のある花田さん(女性):
「あんまり(道路の)端に行くと線路に落ちるので、やっぱりこう(真ん中)歩きます。真ん中へんを」
視覚障害のある人が現場の踏切を渡る場合、道が狭いことから、線路側に落ちないように、少し、道の真ん中の方を歩くといいます。
現場の点字ブロックは踏み切りの四隅にだけ設置されていますが、事故当時、点字ブロックは経年劣化によって一部破損していたことがわかりました。
視覚障害者は、白杖と、足の裏の感覚を頼りに道を歩きます。
そのため、点字ブロックが正確な役割を果たさなければ、命の危険に繋がります。
花田さん:
「たまたま、そこ(点字ブロック)を踏んだら分かるけど、踏まなければ分からないという位置に置かれると、見えていない者にとっては、どこを踏んで良いのかがわからない」。
岩さん:
「全体的に(点字ブロックを)張ってもらうということが、これからの要望になる」
現場近くの他の踏切では、点字ブロックそのものが設置されていないところも数多くありました。
今回の事故を受け、奈良県視覚障害者福祉協会の辰巳会長は、「自ら命を守るため、危機意識を高める必要もある」といいます。
「レールから遮断機までは何十センチあるとか、踏切内の行動の研修を当事者がやって把握しておくということが必要だと思う」
藤本記者:
「人や車の多く行き来う踏切で、誰かひとりでも女性の異変に気づいていれば、事故は防げたかもしれません。私たちが目の不自由な方々に寄り添い、困っていれば声をかけ、危険があれば知らるなど心がけることが大切です」
https://news.yahoo.co.jp/articles/61390486b910c4677b5ed382baa03cc056d1eb39
4月28日19時50分にNHK奈良からは、1週間前に引っ越してきたばかりだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
高垣さんは、糖尿病をわずらったあと、21歳の時、目が見えなくなりました。
1人で旅行に行くほど活発だったということで、鍼灸師の資格を取り、1週間前には、現場近くに引っ越したばかりでした。
【点字ブロックなく 位置を把握するのが難しい】
事故の翌日の26日、奈良県の視覚障害者でつくる団体の辰巳会長が現場を視察し、花を手向けました。
団体はこれまで、視覚障害者が踏切の中か外かを把握できる点字ブロックの設置を求めてきましたが、団体によりますと、奈良県内ではまだ、どこにも設置されていないということです。
辰巳会長は今回の事故を踏まえて、改めて国などに対して踏切内の点字ブロックの設置を求めていく考えを示した上で、「事故に遭いそうな視覚障害者を見かけた場合は、すぐに声をかけて危険を知らせてほしい」と話していました。
【立ち位置を把握できる 豊中市の踏切は】
大阪・豊中市にある阪急宝塚線の服部天神駅近くの踏切では、中に点字ブロックが設置されています。
ここでは、踏切の中と外で、点字ブロックの突起の形や配置が異なり、視覚障害者が自分の立ち位置が把握できるようになっています。
大阪府では、近くの福祉施設を利用する視覚障害者の要望を受け、警察、鉄道会社などと協議したうえで、平成22年に設置しました。
設置後も、視覚障害者の意見を取り入れて点字ブロックの位置を変更するなど、調整を続けているということです。
設置費用はおよそ20万円でした。
大阪府池田土木事務所の山口主査は、「安心して渡ってほしいと設置しました。鉄道会社などとの調整のためにも、全国的な基準の整備が必要だと思います」と話していました。
【点字ブロックの設置基準は】
点字ブロックの設置基準は、国の省令やガイドラインで示されています。
国土交通省によりますと、点字ブロックは省令で「必要な場所に設置する」と定められていて、「必要な場所」がどこかは、関係者が協議して個別に判断するということです。
設置は、その道路の管理者が行います。
ただ、踏切内については、ガイドラインなどはないということで、「自治体が地域の状況に応じて個別に判断していほしい」としています。
このため、踏切内に点字ブロックが設置されているのは、関西では阪急電鉄の2か所と南海電鉄の2か所の、あわせて4か所に留まっています。
JR、近鉄、京阪電鉄、それに阪神電鉄には、踏切内に点字ブロックが設置されている場所はないということです。
【バリアフリーに詳しい専門家は】
踏切内の点字ブロックの設置が進んでいない現状について、バリアフリーに詳しい筑波大学の徳田克己教授は、「点字ブロックがあれば、その上に乗っていれば踏切の中にいて危険だとわかるので、命を守るために必要だ。国や自治体は優先度を高く考え導入を進めてほしい」と話していました。
そのうえで、視覚障害者側の対策としては、「踏切内に取り残された場合の避難のしかたなどを学ぶ勉強会を福祉関係者や障害者団体が開いて、知識を得てほしい」と話していました。
・・・
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20220428/2050010291.html
(ブログ者コメント)
道路の端は落ちるかもしれないので歩かないとのこと。
映像を見ても、実際、高垣さんは道路端から距離をとって歩いており、仮に点字ブロックが破損していなくても、その上は通っていなかったように見えた。
この点字ブロックを設置した際、設置位置について視覚障碍者の方の意見を聞いたのだろうか?
(2022年5月20日 修正1 ;追記)
2022年5月18日15時31分に毎日新聞からは、踏切内はゴム鋪装かつ傾斜もあるので道路との違いは分かるなど、全盲の記者?が現場に行っての感想などが、下記趣旨でネット配信されていた。
事故の状況や考えられる原因は何か。
再発防止策はあるのか。
全盲の私自ら体験して確かめるべく、白杖(はくじょう)を手に、日本歩行訓練士会事務局長で日本ライトハウス養成部部長代理の堀内K子さん(59)と共に現場に立った。
【点字ブロック、かなり摩耗】
「かなり危険な踏切」。
私が現場で最初に感じた印象だ。
踏切は幅4・7メートル、奥行き8・2メートル。
電車が南北に走り、1車線一方通行の道路が東西に横切る。
車はひっきりなしに通る。
踏切につながる道に歩道はなく、白線で区切られた路側帯だけ。
しかし、踏切から2歩ほど手前の白線上には,黄色い警告用の点字ブロックが敷かれている。
堀内さんから「点字ブロックがかなり摩耗している」と教えられ、手を伸ばす。
縦横2枚ずつ並ぶ点字ブロックのうち、右上の1枚が完全にはがれていた。
道路と踏切の違いは、私にはよく分かった。
踏切の手前には上りの傾斜があり、踏切内の路面は硬いゴム製でつるつるしていて、渡り終えると下りの傾斜になるからだ。
近鉄によると、2005年にアスファルトからゴム製舗装への改良工事を行ったという。
点字ブロックの敷設も,この時期のようだ。
視覚障害者団体が2、3年要望して実現した。
【カメラに残る事故状況】
亡くなったのは、近くで治療院を営む高垣Y子さん(50)。
近鉄によると、運転士が踏切内にいる人に気づき、急ブレーキをかけたが、間に合わなかった。
踏切には「障害物検知装置」が設置されている。
装置から出た光線が踏切内で立ち往生した車などで4秒以上遮られると、運転士に知らせるシステムだ。
しかし、今回は検知できる状況ではなかったため、作動しなかった。
事故の状況は、警察が入手した監視カメラに残っていた。
高垣さんは踏切の西側から道路左端の白線付近を歩いていく。
右手に白杖を持ち、路面をたたいて進む。
やがて白杖を左手に持ち替え、右のポケットから取り出したスマートフォンのようなものを胸のあたりに構え、うつむいたまま歩く。
踏切内の中央を越え、2本目の線路を過ぎたあたりで足を止める。
遮断機が下りる警報音が鳴ったようだ。
その後、スマホのようなものを右ポケットにしまい、白杖を右手に持ち替え、車から身を守るように左に1歩動く。
あと少しで踏切の外に出る位置だ。
しばらく立ち止まっているが、急に回れ右をして戻ろうとし、南から走ってきた電車にはねられる。
奈良県警郡山署によると、目撃者は、高垣さんとすれ違った人が1人、踏切近くから見た人が1人。
事故そのものを見た人はいない。
同署は、高垣さんが立ち止まったのは踏切の手前と勘違いしていた恐れがあると考えている。
電車の警笛で踏切に近づきすぎていると思い、離れようとしたのではないかとみる。
映像を見た堀内さんは、「警報音を聞き立ち止まった時点では踏切の手前にいると判断したかもしれないが、電車の警笛で踏切の中にいると思い、慌てて外に出ようとしたのでは」と推測する。
私も、踏切の手前の傾斜は緩やかで、終わる直前は平たんなうえ、足裏の感覚も似ていると感じた。
急に鳴り出す警報音は、初めかなり大きく、びくっとする。
そのうえ電車の警笛を聞けば、相当動転するだろう。
【迂回路あったが…】
事故現場には、迂回(うかい)路がある。
約66メートル南にある踏切を通るルートだ。
この踏切の幅は事故現場の半分ほどで、車は通らない。
視覚障害者からの要望で、手前の中央には13年、4枚の黄色い警告用点字ブロックがT字形に付いた。
だが、高垣さんの治療院からは遠くなり、そもそも、この迂回路を知らなかった可能性もある。
【再発防止へ提案】
現場を歩いたという奈良県視覚障害者福祉協会の会長で全盲の辰巳さん(男性、64歳)は、次の三つを提案する。
①踏切内のエスコートゾーン(点字ブロックのように足裏で分かる突起)の設置
②踏切内の様子を確かめ、危険回避の行動を学ぶ研修会
③踏切での街行く人からの声かけの啓発
事故後、大和郡山市や障害者団体、近鉄、警察による話し合いも持たれている。
そこでは、踏切の中にいるのか外にいるのかが、遮断機に触ったり警報音を聞いたりして分かるような工夫を求める声も出たという。
市は、「早期に改善したい」と話す。
まずは、はがれた点字ブロックの早急な修復など、考えうる限りの手立てで再発防止に全力を尽くしてほしい。
https://mainichi.jp/articles/20220518/k00/00m/040/083000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。