2024年2月9日12時55分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前6時40分頃、山口県周南市のJR山陽線新南陽―福川駅間を走行していた普通列車の窓ガラスが割れ、乗客の女性1人が擦り傷を負った。
この時間帯に線路沿いの工業用水管から大量の水が噴き出しており、JR西日本中国統括本部は「水の影響で窓ガラスが割れた可能性がある」としている。
同本部によると、窓が割れたのは柳井(山口県柳井市)発下関(同県下関市)行き普通列車(4両編成)で、約100人が乗車。
乗客が窓ガラスが破損しているのを見つけ、運転士に届け出た。
列車は、割れた窓に段ボールを貼った状態で新山口駅(山口市)まで運行した。
トラブルの影響で午前11時現在、徳山(山口県周南市)―新山口(山口市)駅間の上下線で運転を見合わせている。
県周南工業用水道事務所によると、管は直径45センチの鋳鉄製で1960~70年代に地下2、3メートルに埋設。
2021年8月には今回の現場近くで破損が見つかった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240209-OYT1T50092/
2024年2月6日18時52分にYAHOOニュース(関西テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
午前6時半過ぎの大阪市西成区の踏切で一台の車が待っていました。
遮断機が上がると、ゆっくりと踏切内に進みます。
すると…そこに電車が。
踏切内に入っていた車に接触して緊急停止しました。
この事故で車を運転していた50代の男性にケガはなく、電車の乗客にもケガ人はいなかったということです。
【事故を目撃した近隣住民】:
「朝の6時半ごろに警笛が鳴った、
滅多にこんな所で警笛鳴るのは、よっぽどなのでびっくりして飛び起きた。
(Q.運転手の方は?)
「いてましたよ。(運転手は)茫然としていた感じで」
南海電鉄によると、電車は当時踏切の約200m先にある、西天下茶屋駅で停まるため、ブレーキをかけて時速約35キロで走行していました。
【近隣住民】:
「今まで見たことがない。50年以上、何十年ここに住んでるけど」
「ひとごととは思えないというか。(踏切が)上がったら安全やと思うので、子どもが先にぱっと行っちゃったりすることもあるので」
「しょっちゅう通る。そういうのは怖いわね。やっぱりきちっと直していただかないと」
午後4時40分、南海電鉄は全線で運転を再開しました。
■原因はレールとボルトの接触
南海電鉄によると、事故の原因は「レールとボルトの接触」。
枕木に取り付けられたボルトが、1~2センチ離れたレールに、電車の振動等により接触し、システムの電気信号にトラブルが生じたということです。
このトラブルで、遮断機の開閉を行う装置が「電車が線路上にない状態」と判断してしまう状態ができ、遮断機が上がってしまったと説明しています。
■このような事例は他にもある
交通運輸の安全に詳しい専門家は、「実はこういった事例は他にもある」と話します。
【関西大学 安部誠治名誉教授】:
「無遮断状態で列車が通過する事例というのは、年間20件前後は起こっている。
ドライバー側も、踏切というのはリスクの高いところだと認識して、たとえ遮断機が上がっても注意をしながら運転をする心構えを持つ必要があると思います」
南海電鉄は今回の事故を受けて、「同様の条件が考えられる箇所についても早急に確認作業を進める」とコメントしています。
(関西テレビ「newsランナー」2024年2月6日放送)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdda937ea507346d83756b799efbff357ecaf7d
2月6日18時54分にYAHOOニュース(ABCテレビ)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。(本文は転載省略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a8616d1ebb5a331807f09dfef78d05c1dee40c6
2月7日20時4分に也(テレビ朝日)からは、枕木ボルトに電流が流れたため、そちらのセンサーが作動したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の機械の誤認。
そのメカニズムとは…。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん :
「レールに踏切を作動させるためのセンサーの仕組みがあるが、(枕木の)ボルトに電気が流れてしまって、そちらのセンサーが働いてしまった。
つまり、『電車が通り過ぎたと判断してしまった』ので遮断機が開いてしまった」
幸い、けが人はいませんでした。
南海電鉄は当該のボルトを撤去していて、今後、枕木交換を実施する予定で、他の場所についても確認を進めています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8925fedd3dfc56801df76de10f374685eec024b
2月7日12時18分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、枕木などの劣化でボルトが緩んでいたらしい、1月31日の目視点検でチェック漏れだった可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南海電鉄によりますと、レールと枕木を固定するボルトが、電車の振動などにより、レールと接触し、電気回路に不具合が生じたことで、電車が近付いていることが把握できず、遮断機が開いてしまったということです。
枕木や部品などが劣化し、ボルトが緩んでいたとみられています。
1月31日の目視による点検では異常はありませんでしたが、チェックが漏れていた可能性もあり、南海電鉄は、早急に確認作業を進めるとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec9a6abf0938e4261b804ae1f186d6250ac0cd48
2月6日20時30分にNHK関西からは、南海電鉄の踏切では線路に設置している箱型の装置で列車を検知している、過去10年間に電車通過の直前に遮断機が上がったトラブルが2回あったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南海電鉄によりますと、南海高野線では電車が通過する直前に踏切の遮断機が上がるトラブルが過去10年間でほかにも2件起きているということです。
このうち、大阪・住吉区の沢ノ町4号踏切では2019年5月、作業用の車両が通過する直前に遮断機が上がりました。
この時は、車両と踏切を渡ろうとしたタクシーが衝突し、タクシーの運転手が軽いけがをしたということです。
南海電鉄の踏切は、線路に設置されている箱形の装置で電車の接近や通過を検知し、遮断機が下りたり上がったりする仕組みです。
この時は、車両側の電気系統の不具合で装置が車両が通過したと誤って認識し、遮断機が上がったということです。
また、堺市堺区の三国ヶ丘1号踏切でも2021年5月、電車が通過する直前に遮断機が上がりました。
事故はありませんでしたが、原因を調べた結果、線路の装置の部品を交換した際に設定のミスがあったことが分かったということです。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240206/2000081836.html
2月7日9時12分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、棒が上がったことに気づいた運転士が非常ブレーキをかけ警笛も鳴らしたが間に合わなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
電車は約110メートル先の西天下茶屋駅に停車するため減速していた。
遮断棒が上がったことに気づいた運転士が非常ブレーキをかけて警笛を鳴らしたが、間に合わなかったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3818cd8161309b58f07307037e552738a56d0abe
(ブログ者コメント)
車も気付いて急ブレーキをかけたらしく、動画では前につんのめっているように見えた。
2024年2月6日13時55分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後9時55分ごろ、千葉市若葉区都賀3のJR総武線都賀駅で、久里浜発佐倉行き下り快速列車(15両編成)がドアの開閉を行わずに発車するミスがあった。
都賀駅で降りる予定だった約50人の乗客が降りられず、乗ろうとした客1人とホームに降りていた車掌が取り残された。
JR東日本千葉支社によると、同列車は駅に到着後、最後尾の乗務員室にいた車掌がホーム上の停止位置目標を車内から目視で確認しようとしたが、積雪で見えなかったため、乗客のドアを開ける前に降車して雪をどけていた。
この際、一番前の車両にいた運転士がドアの開閉ランプの確認をし損ねたまま、乗客の乗り降りが完了したと思い込み、発車してしまったという。
当時、同列車には約260人が乗車していた。
都賀駅で降り損ねた約50人は次の四街道駅で降りて上り列車に乗り換えて戻り、都賀駅で乗車予定だった1人は後続列車に乗車した。
このミスで上下計3本の列車に遅れが出て、約830人に影響が出た。
千葉支社は「ご迷惑とご心配をおかけして深くおわびを申し上げます。乗務員に厳しく指導しました。再発防止に努めていきます」とコメントした。
https://mainichi.jp/articles/20240206/k00/00m/040/070000c
2024年1月29日19時19分にYAHOOニュース(RSK山陽放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は、警報機や遮断機のない踏切の安全性の向上を図ろうと、岡山県内に、新たに開発した「踏切ゲート」を導入することを決めました。
【写真を見る】警報機や遮断機のない踏切通行者に一旦停止促す仕組み JR西日本が「踏切ゲート」導入で事故防止【岡山】
岡山県内の踏切に初めて設置される「踏切ゲート‐Lite(ライト)」です。
歩行者などが通行する「第4種踏切」に導入されるもので、一旦停止や左右確認を促し踏切事故を防ごうと開発されました。
JR西日本によりますと、警報機や遮断機のない踏切は管内に330か所あり、 歩行者が誤って線路内に進入してしまうケースもあるといいます。
すでに導入しているエリアでは、通行者の約9割が一旦停止をしているということで、安全性の向上が期待されます。
(JR西日本岡山支社 藤原支社長):
「この一旦停止を促すようなゲートを設置することで、少しでも安全度を高めたいということで今回導入しました」
設置コストも低いという「踏切ゲート‐Lite」は、今年3月までに県内7か所に導入される予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be52ea16e147e9bf83fab96c1f7c68d191f30353
1月29日19時52分にYAHOOニュース(テレビせとうち)からは、岡山県には第4種踏切が76ケ所あり、本年度は7ケ所、来年度は20ケ所に取り付け予定など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は、遮断機も警報器もない踏切での事故を防ごうと、通行人に一時停止を促す新型の踏切ゲートと呼ばれる装置を岡山県内で導入することになりました。
装置が設置されるのは、第4種踏切と呼ばれる、遮断機も警報器もない踏切です。
新型の「踏切ゲートLite」は、従来型より低コストで素早く設置できるのが特長です。
歩行者や自転車が踏切に入る時には、上に持ち上げて通行し、踏切から出る時には、前に押すもしくは上に持ち上げて通行します。
歩行者らに一旦停止と左右確認を促すことで事故の防止が期待されます。
第4種踏切は岡山県内に76カ所あり、JR西日本は本年度中に県内7カ所、新年度中にはおよそ20カ所へ「踏切ゲートLite」を導入する予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a9fdd8e20b0db5b77e8a720e5b08c3a32f9bb2c
2月4日13時0分に毎日新聞からは、中国地方にはJR西の管内にある第4種踏切の9割近くがある、21年度から「踏切ゲート」を設置してきたが今回公開されたのは更に狭い場所にも設置できる簡易型など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本中国統括本部は、警報機も遮断機もない「第4種踏切」での事故を防止するため、歩行者や自転車などの利用者が自分でバーを持ち上げて通行する新型の「踏切ゲート―Lite(ライト)」を開発した。
2023年度、山口県と広島県で先行導入しており、3月末までに岡山県内の伯備線や姫新線など7カ所と、島根、鳥取両県の各1カ所に設置。順次増やしていく。
中国地区にはJR西管内にある第4種踏切の9割にあたる330カ所が集中する。
通行者に一旦停止や左右の安全確認を促し、列車通過直前の横断を防ぐため、21年度からバーが横方向にのみ開閉する「踏切ゲート」を設置してきた。
今回、さらに狭い場所にも設置できる簡易型の「Lite」を開発した。
バーは繊維強化プラスチック製で、持ち上げるとゆっくりと自動で閉じる。
横方向は線路の外側にのみ動き、踏切を出る際は持ち上げることも、前に押し開くこともできる。
中国統括本部の担当者は「短時間で設置できるので、事故防止のため増やしていきたい」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20240204/k00/00m/040/045000c
2024年1月17日7時24分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
国土交通省は15日、踏切内に点字ブロック設置を進めるため「道路のバリアフリーに関する指針」を改定した。
設置について「望ましい」から、積極的な対応を求める「標準的」に引き上げて、これまで指針で定めていなかった設置方法やブロックの形状も示した。
改定は、2022年4月に奈良県大和郡山市の点字ブロックのなかった踏切の中で、全盲女性(当時50歳)が列車にはねられ死亡した事故を受けたもの。
国交省は同年6月に指針を改定し、従来は明記されていなかった踏切内の点字ブロック設置について、設置が「望ましい」と記載した上で、さらに踏み込んだ対応について当事者団体などと協議していた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240117-OYT1T50039/
(ブログ者コメント)
大和郡山市の事例は本ブログでも紹介スミ。
2023年12月26日23時21分にYAHOOニュース(ABCテレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は、26日午後5時半すぎに東海道新幹線の京都~岐阜羽島間で発生した停電について、「車掌のスイッチの誤操作が原因だった」と発表しました。
博多発東京行きの「のぞみ38号」の車内で、車掌が急病の乗客に対応する際に誤って、路線の一定の区間の送電を停止させる「保護接地スイッチ」を操作してしまったということです。
車掌は、車内に設置されているAEDを使おうとして、取り外す際に鳴るブザーを切ろうとしていました。
東海道新幹線は、この停電の影響で、京都~岐阜羽島間を走る上下線の10本の列車に最大28分の遅れが発生し、約7000人に影響が出ました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6eaba5ba2d2596986f88bb37aeeb8fa6c537865
12月26日23時40分に産経新聞からは、緊急時の安全確認に使うスイッチを誤って操作したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は26日、東海道新幹線岐阜羽島-京都間で発生した停電の原因について、車掌の操作ミスだったと発表した。
車内に急病人がおり、停電の影響で搬送が20分ほど遅れたとみられる。
JR東海によると、午後5時25分ごろ、博多発東京行き「のぞみ38号」の7号車トイレで急病人が発生。
同35分ごろに意識不明になり、救命のため、車内のAED(自動体外式除細動器)が使われた。
AEDを収納場所から取り出した際にブザーが鳴り、止めようとした車掌が緊急時の安全確認に使うスイッチを誤って操作したことで同区間の送電が停止したという。
送電再開後、列車は米原駅に停車して急病人を搬送した。
このトラブルの影響で、東海道新幹線は上下計10本に最大28分の遅れが生じ、約6900人に影響した。
JR東海は「遅れが生じ、ご迷惑をおかけした。おわび申し上げます」とコメントした。
https://www.sankei.com/article/20231226-R4X5JK4KQNKVXCWQLKQDNZWFLU/
(ブログ者コメント)
両スイッチの位置関係、形状、色合いについて調べてみたが、情報は見つからなかった。
2023年12月12日7時0分に産経新聞から下記趣旨の記事が、写真と解説図付きでネット配信されていた。
神戸市灘区の阪急電鉄踏切で10月、手押し車を利用していた女性(94)が電車にはねられ死亡する事故があり、手押し車のタイヤがレールに挟まって女性が転倒し、踏切内に取り残されたとみられることが11日、捜査関係者への取材で分かった。
遮断機が下りた後に女性の転倒に気づいた目撃者の男性が非常停止ボタンを押そうとしたが、男性の側にはなく、約15メートル離れた反対側のボタンを押すまで数秒かかっていたことも判明した。
現場は、踏切内の線路に対し道路が斜めに交差する構造。
兵庫県警は、女性が方向を見失って斜めに延びていく道路から外れ、軌道との境界付近で転倒したとみている。
こうした構造の踏切は事故の危険性が高いとされ、阪急電鉄は新たな事故防止装置の設置を決定。
道路を管理する神戸市も通行環境の改善を検討している。
事故は10月24日午前7時15分ごろ、神戸市灘区篠原中町の阪急神戸線「篠原第二踏切」で発生。
近くに住む女性が通勤急行にはねられて死亡し、現場には手押し車のものとみられる部品が落ちていた。
県警灘署は周辺の防犯カメラなどを解析し、事故の経緯を特定した。
捜査関係者らによると、女性が踏切に到着した際、すでに遮断機が下りていたため、道路の左端付近で待機。
電車の通過を待って線路に対して直進した。
右手で小型の手押し車を押しながら左手にも荷物を持ち、かなり前かがみの状態だった。
道路は女性の進行方向に対して右斜めに延びて線路と交差しているが、女性は直進を続けて道から外れ、軌道との境界付近で転倒した。
その後、遮断機が作動。
女性はいったん起き上がりかけたが、再び転び、電車にはねられた。
同署は女性がかなり前かがみの姿勢で視野が狭くなっていたため、進路が道路からそれていることに気付かなかったとみている。
踏切には障害物検知装置があったが、主に車が対象となるため、倒れた女性には反応しなかった。
阪急は今回の事故を受け、現場に、取り残された人を検知できるシステムの設置を決めた。
神戸市は、道路に色を付けるなど、注意喚起のための対策を検討している。
【非常ボタン間に合わず…反対側のみ】
今回の事故では、踏切内で女性が転倒するのを目撃した男性が非常停止ボタンを押していた。
しかし目撃場所からボタンの場所まで距離があり、結果的に間に合わなかった。
件数自体は減少傾向にある踏切事故だが、危険性は構造によって異なる。
専門家は、それぞれの踏切の特徴に合った対策が必要だと指摘する。
捜査関係者らによると、目撃者の男性は踏切の北西角付近で踏切内に女性が倒れているのを発見。
すでに遮断機は下りており、非常ボタンを押そうとした。
しかし、現場で非常ボタンがあるのは南西と北東の2カ所。
男性は約15メートル離れた北東まで走ってボタンを押したが、ほぼ同時に電車が踏切を通過した。
ボタンを押せば自動的に電車のブレーキがかかる仕組みだが、運転士が女性の存在に気づき、ブレーキをかけた方が先だったとみられる。
非常ボタンは踏切を横断する自動車ドライバーらの使用を想定し、進行方向左手前に設置されているのが一般的という。
鉄道の安全対策に詳しい関西大の安部誠治名誉教授は、非常ボタンは通常2カ所としつつ「道幅が広いなど状況に応じて4カ所設置すれば、目撃者がすぐ押せるようになる」と指摘する。
【踏切「個性」に合わせた対策を】
今回の事故を受け、阪急電鉄は現場踏切に新たな事故防止装置を導入する方針だ。
同社によると、これまでも踏切内に照射されたレーザーが障害物で一定時間遮られると、接近する電車に自動ブレーキがかかる装置があった。
しかし、ある程度の高さや大きさがないものは検知できず、今回は作動しなかった。
来年度には、踏切内の障害物を高精度で検知する装置を導入するという。
安部氏は、こうした対策を評価した上で、「そもそも、転倒して人が取り残されないように、歩行環境を整備するなどの対策も重要だ」と指摘。
「踏切には個性があり、それぞれが抱えるリスクに合わせて対策を取る必要がある」と強調した。
https://www.sankei.com/article/20231212-3AJVLPFKBFLKHA4O54XMV5NH5U/
12月19日19時00分にYAHOOニュース(産経新聞)からは、記者が死亡した女性と同じように腰を曲げ前かがみで踏切に入ってみると、視覚上、道路から徐々に外れていくのもやむなしと感じたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故の背景として浮上したのは、線路に対し道路が斜めに交差するなどの現場の構造。
なぜ、女性は亡くなったのか。
現場を歩き、探った。
先月下旬、女性と同じように南西側から踏切に入った。
道路は進行方向右斜めに線路と交差しているが、軌道との境界に沿って黄色のラインが引かれている。
「これなら道路から外れることはないのではないか」。
そんな印象を抱いた。
ところが、腰を曲げて前かがみになってみると、考えは一変した。
踏切内には線路に対し直角に、舗装のつなぎ目のような線がある。
視野が極端に狭く、踏切全体の構造を把握できない中、こうした線や「線路に対して直進」という感覚に頼って歩くと、徐々に道路から外れていく。
女性は当時、右手で小型の手押し車を押し、左手に荷物を持っていた。
周辺の防犯カメラの映像などによると、進路が道路から外れ、軌道との境付近でレールに手押し車のタイヤが挟まって転倒した。
年齢などを合わせて考えると、こうなってしまうことは十分あり得ると感じた。
・・・
この踏切のように、線路と道路が斜めに交差する構造は珍しくなく、より急角度で交差する踏切も多い。
それでも、現場ではこれまで、ベビーカーのタイヤが挟まるなどのトラブルも起きていたという。
現場では速度を上げて横断する車を警戒し、道路の端を歩く人も多かった。
しかし、軌道との境に引かれた黄色のラインを越えると、すぐに段差になっていたり、道路の端がくぼみのようになっていたりもする。
こうした点にも危険を感じた。
道路を拡幅する、分かりやすいよう色分けする-。
電車に関する事故には駅ホームの転落防止など取り組むべき課題が多いのは理解するが、今回の現場でも、できる対策はいろいろとあるのではないか。
同じような悲劇が起きてほしくないと切に願う。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e85397fdff0d7a2cb4f3292c3456cc47c6bceadf
2023年12月5日20時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地震の本格的な揺れが来る前に新幹線を止める「早期地震検知システム」について、JR東日本と鉄道総合技術研究所は5日、最初の揺れの検知から送電を停止して非常ブレーキを作動させるまでの時間を従来の約3分の1に縮めることに成功したと発表した。
2024年3月から新システムを導入するという。
早期地震検知システムは、伝わる速度の速い初期微動(P波)を検知して震源地や地震規模を推定。
主要動(S波)が到達する前に影響が予測される沿線の送電を止め、走行中の新幹線に非常ブレーキをかける仕組み。
JR東によると、今回は、P波を検知した際にその振幅から地震規模を推定する方法を改善。
より早く送電停止が必要かどうかを判断できるようになった。
過去3年間に起きた13地震をみると、P波検知から送電停止までに平均3・9秒かかっていたが、新たな方法ならば3分の1の平均1・3秒に縮まるという。
その結果、時速320キロで走行中の新幹線が止まるために必要な距離も約230メートル短くなった。
深沢社長は、「被害軽減には、走行中の新幹線を1秒でも早く止めることが重要。今回の改良は非常に大きな効果を持つと考える」と話した。
https://www.asahi.com/articles/ASRD562RYRD5UTIL021.html
2023年11月26日16時4分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本山形支店は23日、山形県の米沢駅構内で分岐器の検査をした作業員が、分岐器を同駅構内に列車が入れない状態のままにし、山形新幹線や奥羽線に運休や遅れが生じ、約1400人に影響が出たと発表した。
発表によると、同日朝、作業員3人は分岐器を同駅構内に列車が入れない状態にし、測定器でゆがみやずれを確認していた。
その後、測定器を線路の外に運び出すのに気を取られ、元に戻すのを忘れたという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231123-OYT1T50178/
2023年10月9日20時1分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日正午ごろ、JR仙台駅で「(東北新幹線の車内で)薬品のようなものに触れ、子どもがけがをした」と119番通報があった。
宮城県警仙台中央署によると、東京都内の40代の男性のバッグから薬品が漏れ、この男性や乗客の男児(5)ら計4人が足や手、尻をやけどする軽傷を負った。
署によると、他に30~40代の男児の両親がやけどを負い、発生した気体を吸い込んだ乗客の30代女性とJR職員の20代男性が体調不良を訴えた。
薬品は地質調査で使うものとみられ、ペットボトルのような容器で持ち運ばれており、署は業務上過失致傷容疑も視野に、運搬方法が適切だったかどうか調べる。
騒動は新青森発東京行きの東北新幹線はやぶさ52号で起きた。
仙台駅に停車する直前、都内の男性は、足元の黒いバッグから薬品が漏れていると他の乗客から指摘され、バッグを持ってデッキに移動。
その際、薬品が通路にこぼれ、自身の両足にもかかってやけどを負った。
さらにその後、トイレに行こうとした男児が薬品で足を滑らせて転倒し、尻をやけど。
助けようとした両親も足首や手にやけどを負った。
ホームで新幹線を待っていた男性によると、新幹線がホームに停車した後、駅員が「煙!」と叫ぶのが聞こえた。
近づくと、ドア付近に置かれたバッグから白い煙のようなものが出ていたという。
JR東日本によると、はやぶさ52号は乗客全員を降ろして運休となった。
東北新幹線の上り12本にも最大55分の遅れが生じるなど、約7300人に影響が出たという。
https://www.asahi.com/articles/ASRB94CH3RB9UTIL009.html
10月9日19時46分に朝日新聞からは、男性は試薬の硫酸が爆発したと話していたなど、発生直後の車内の様子が下記趣旨でネット配信されていた。
・・・
8号車に乗車していた男性会社員(37)は、この日正午前、仙台駅で降車しようとデッキに向かうと、「駅員さんを呼んでください」と言うスーツ姿の男性を目撃した。
トイレから出たばかりで、足元は大きくところどころに穴が開き、足首が見えていたという。
ほかの乗客が乗務員を呼びにいく間、この男性は「試薬の酸が爆発してしまった」と話し、「危ないものではないです。試薬の硫酸なので大丈夫です」「ご迷惑をおかけしてすみません。大丈夫なので」などと繰り返していたという。
別の30代の会社員女性は、帰省先から戻るために新幹線に乗り、座席で寝込んでいるところだった。
見知らぬ乗客から急に起こされ、車外に避難するよう言われた。
乗っていたのは10両編成の6号車。
車内に目をやると、床に液体が広がっているのが見えた。
そのすぐ後に、7号車につながる通路のドアを乗務員が封鎖した。
ドア向こうの通路では、煙のようなものが充満しているのがガラス越しに見えた。
車内には異臭も漂っていた。
「何かが燃えるような、たばこの煙のような臭い。少し刺激があるような感じだった」。
車内を行き来する乗務員はせきこんでいる様子だった。
7号車の方からは、「子どもがやけどした」と叫ぶ女性の声が聞こえた。
他の乗客が「トイレで酸性の薬品の入れ物が破裂し、中身が漏れ出したようだ」と話しているのも聞こえ、すぐに車両から避難した。
・・・
https://www.asahi.com/articles/ASRB953JGRB9OXIE00G.html
10月10日21時35分に朝日新聞からは、男児は尻に「3度」の大やけどを負ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台中央署によると、男児は尻や右手首、右足首に大やけどを負った。
尻のやけどは皮下組織まで達する「3度」と診断された。
30~40代の男児の両親もやけどを負ったほか、発生した気体を吸い込んだ乗客の30代女性とJR職員の20代男性が腕のしびれやのどの痛みを訴えた。
薬品を持っていた男性は入院しており、任意の聴取に「青森県内から薬品を新幹線で運んだ」と説明しているという。
https://www.asahi.com/articles/ASRBB74L8RBBOXIE02S.html
10月9日16時19分にNHK宮城からは、0.5ℓ以内の密閉容器に入れて破損しないよう荷造りした硫酸であれば列車内に持ち込むことができるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は「旅客営業規則」の中で、手回り品として列車の車内に原則持ち込むことができない危険品をまとめています。
危険品に指定されているのは13の品目で、
▼火薬類
▼高圧ガス
▼マッチと軽火工品
▼油紙など
▼ガソリンや軽油などの「可燃性液体」
▼マグネシウムや硝石などの「可燃性固体」
▼リン化カルシウムなどの「吸湿発熱物」
▼硫酸や塩酸などの「酸類」
▼過酸化ナトリウムなどの「酸化腐しょく剤」
▼クロロホルムやホルマリンなどの「揮発性毒物」
▼放射性物質
▼セルロイド類
▼農薬
となっています。
このうち、ガソリンや灯油、軽油、ベンゼンやメタノール、アルコールといった可燃性の液体そのものは、量に関係なく、車内に持ち込むことはできないとしています。
一方、「酸類」「酸化腐しょく剤」、それにクロロホルムとホルマリンなどは、密閉した容器に入れた上で破損するおそれがないよう荷造りした0.5リットル以内のものは、手回り品として持ち込むことができるとしています。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20231009/6000025227.html
10月10日17時34分にYAHOOニュース(東北放送)からは、漏れたのは濃硫酸だった模様、専門家はペットボトルで運ぶのは考えられないと述べたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「報道であったいろいろな事象を見てみると、いずれも濃硫酸で矛盾はない」
こう指摘するのは、東北医科薬科大学の薬学部長・吉村祐一教授です。
吉村教授:
「煙が出ている。
服がぼろぼろになったという話しがありますが、腐食性が非常に強いので、洋服とかにかけると綿製品などは簡単に穴が開いてしまいます。
逆に言うと、薄い硫酸だったら、なかなかそうはならない。
ちょっとかけても穴が開く程度なんですけど、ぼろぼろになるというのは、かなり濃い硫酸がかからないと、そういう現象はおこらない」
「通常、硫酸と何かを一緒に運ぶっていうことは、同じかばんの中にというのは危険なのでやらないです。
そもそも、報道であったペットボトルを使ってというのは、我々の中では考えられないやり方です」
https://news.yahoo.co.jp/articles/338c8decdf27548acde44ae3eb39b30719ea3939
10月12日11時51分にYAHOOニュース(Merkmal)からは、危険物車内持ち込み規則が制定された背景は不明、昔は3kg以内なら車内持ち込み可能だったガソリンも車内放火事件を受け持ち込み禁止になったように規則は必要の都度制改定されるなど、下記趣旨のルポライター寄稿記事がネット配信されていた。
・・・
いったいなぜ、多くの人が利用する鉄道で劇薬の持ち込みが許されているのだろうか。
今回の事故原因とされる硫酸を含む、酸類の持ち込み条件は以下のとおりだ。
1.酸類で、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造した0.5リットル以内のもの。
2.薬液を入れた鉛蓄電池で、堅固な木箱に入れ、且つ、端子が外部に露出しないように荷造したもの。
このように条件を守れば、火薬や硫酸を車内に持ち込める。
しかし、この規則が制定された背景や理由は明確ではない。
JR各社の営業規則は、1942(昭和17)年に当時の鉄道省が定めた「鉄道運輸規程」を基に戦後の国鉄が定め、それが受け継がれている。
また、火薬や硫酸は、規程を順守すれば車内に持ち込める一方、ガソリンの持ち込み自体は禁止されている。
以前は、ガソリンも3kg以内ならば“手回り品”として車内に持ち込めるとされていた。
しかし、2015年6月に東海道新幹線「のぞみ225号」で発生した車内放火事件を受けて、ガソリンなど一部の危険物に関する持ち込み規程が見直され、禁止となった。
【持ち込みできるワケ】
そもそも、鉄道運輸規程は危険物の持ち込みをなぜ許容し、国鉄もそれを受け継いだのか――。
この経緯も、今となってはわからない。
国土交通省鉄道局にも聞いてみたが 「今となっては、当時、なぜ一定の条件下でこれらの危険物の車内持ち込みを認めたかは、わからない」 という。
さらに担当者は、現在でもさまざまな危険物が持ち込み可能になっている理由をこう語る。
「規則というものは、必要があって制定されたり、変更されたりするものです。
これまで規程を変更する機会がなかったため、現在まで残ってきたのでしょう。
ですので、今回の事件を受けて、硫酸などの劇物に関する規則が変更される可能性はあります」
今回の事故において 「車内に危険物を持ち込むのは許されない」 との声が、SNSなどでは多く見られた。
だが、この考えが常識となるまでは、長い時間を要している。
かつての日本人は、車内に危険物を持ち込むことにためらいがなく、それが原因で事故が発生していた。
しかも、事故の多くは、持ち込まれた火薬やガソリンに 「たばこの火が引火する」 ケースだった。
車内でのポイ捨て、混雑する車内での喫煙など、モラルのなさと複数の不注意が組み合わさり、事故を引き起こしていたのだ。
【過去の持ち込み事故】
・・・
【個人のモラル頼みは危険】
その後、昭和30年代までは、車内に持ち込まれたガソリンや花火などの危険物にたばこの火が引火した事故が幾度も報じられている。
しかし、その後は、このような事故はまったく姿を消している。
意図的に爆発物を仕掛けた事件は、その後も発生している。
同様の事故が繰り返し発生するなかで、その危険性が周知され、「電車やバスには危険物を持ち込まない」 というモラルが形成されていったと考えられる。
結果、事故がないため、規則を変更する機会は訪れなかったわけだ。
実際、現代では、多くの人は 「たとえ規則で許可されていても、危険物を車内に持ち込まない」 と考えている。
しかし、今回の事故は、そのような“常識”が通用しないことを明らかにした。
これまで、個人のモラル形成が事故を未然に防いできた。
しかし、それに頼るだけでは事故を完全に防げないということも広く認識された。
これを機に、鉄道会社の危険物持ち込みに関するルールが大きく見直されることになりそうだ。
昼間たかし(ルポライター)
https://news.yahoo.co.jp/articles/842aa29372dd6d16dc3bb65e5424ea8c1ae67fae
(2023年10月29日 修正1 ;追記)
2023年10月26日18時5分に読売新聞からは、容器は溶けて原型をとどめていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は仕事で鉱物を採取するため、薬品を青森県十和田市の倉庫からペットボトルのような容器に入れて持ち出したが、容器は溶けて原型をとどめておらず、かばんの一部も溶けていた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231026-OYT1T50193/
10月26日18時34分にYAHOOニュース(東北放送)からは、硫酸と硝酸が検出されたが濃度や量はわからなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は26日、鑑定の結果、薬品から硫酸と硝酸が検出されたことを明らかにしました。
濃度や量はわからなかったということです。
警察によりますと、薬品を持ち運んでいた40代の男性は東京都の地質調査会社の社長で、自らが管理する青森県十和田市内の倉庫から薬品を運んでいました。
男性は「薬品をペットボトルに入れて運んでいた」と話していて、硫酸と硝酸は鉱物の採取の際に使うものだと説明しているということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb4c16b8138ee6adb9563ea5440aafa249c50a39
10月27日18時27分にYAHOOニュース(東北放送)からは、耐薬品性表によればPETは濃硫酸に不適、硝酸に含まれている水分も影響した可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東北大学大学院の上田実教授は、「状況から判断すると、硫酸は濃硫酸」と推測したうえで、「強い酸をペットボトルに入れるのはありえない」と話します。
東北大学大学院有機化学第一研究室 上田実教授:
「PETは「ポリエチレンテレフタラート」と言うが、最も酸とかアルカリといった薬品、有機溶媒に弱いプラスチック。
酸を持ち運ぶ時にPETに入れるのはまずありえない」
こちらはプラスチック製品の薬品への耐性を示した表です。
濃硫酸の場合、PET=ポリエチレンテレフタラートは「大きく影響があるため使用に適さない」と評価されています。
上田教授:
「PETはエステルという系統の化合物。
エステルは酸で加水分解という反応が起こって、分解してしまう」
さらに、新幹線の車内には煙が発生していたという情報もあり、これについて上田教授は「硝酸」の中の水分にも注目します。
上田教授:
「硝酸は、濃硝酸であっても「水」を含んでいる。
濃硫酸は水と混合すると熱を発する。
硫酸のペットボトルが溶けて、漏れてきた濃硫酸と(硝酸が)混合することで熱が出たことは考えられる。
漏れてきた濃硫酸が紙とか布のバッグなどと反応すると「脱水作用」が起きるので、それで煙や熱が出たと、一つの仮説として考えられる」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fae1907032c6c75ed0921fb702c7c9577322f4b4
(ブログ者コメント)
耐薬品性表は多数、ネットに掲示されているが、表にPETが含まれているものは少なかった。
以下は、少ない中の一点。
PETは10%、50%硫酸には使用可だが、98%硫酸には使用不可と書かれている。
https://www.himac-science.jp/rotor/pdf/chemical_chart.pdf
2023年10月5日20時50分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県鎌倉市のJR東海道線で8月、電車が線路脇の電柱と衝突した事故で、JR東日本は5日、電柱の根元部分のひびから雨水が入って内部の鉄筋の腐食が進み、折れて線路側に傾いたことが原因と発表した。
渡利副社長は記者会見で、「多くのお客さまにご迷惑をおかけしたことを改めて深くおわび申し上げる」と謝罪した。
JR東によると、1980年の設置後、何らかの原因でひびが発生。
架線の引っ張る力で割れ目が開いたままの状態となり、雨水が内部に入り込んだ。
その結果、鉄筋の腐食が徐々に進んで10本中4本が破断するなどし、最終的に線路側に傾いて電車と衝突したと推定した。
昨年5月にこの電柱を検査した際、異常は確認されなかった。
再発防止策として、ひび割れ検査や設計方法を見直すほか、同種電柱の補強工事を実施することを決めた。
JR東はこれまで、設置状況などが似た電柱約8700本を点検。
このうち特に類似する99本を重点的に管理することとし、追加点検で千葉県内と東京都内の計2本にひびを確認した。
既に補強しており、残りも2カ月程度で順次補強する。
けがを申告した乗客が7人に上ったことも明らかにした。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20231005/k00/00m/040/299000c
10月5日18時28分に読売新聞からは、昨年5月の目視点検で細かいヒビ割れを見逃していた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東によると、ひび割れができた時期や原因は不明。
同社では3年に1回、目視で電柱の定期点検を実施しており、今回倒れた電柱は昨年5月に点検していたが、ひび割れは確認できていなかった。
細かいひび割れは目視ではわかりにくく、見逃していた可能性があり、同社はひび割れを見つけやすいよう、水などを吹き付けるなど点検方法を見直す。
事故は8月5日夜に発生。
小田原発横浜行き臨時電車が大船駅構内を走行中に電柱に衝突し、運転士1人と乗客7人がけがをしたほか、乗客12人が熱中症の症状など体調不良を訴えた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231005-OYT1T50250/
10月5日15時38分に産経新聞からは、一時的に大きな荷重が加わり、根元に微小なヒビ割れが発生していた、ヒビ割れが閉じない可能性がある99本を重点管理柱に定めたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東によると、折れたコンクリート製の電柱は、何らかの原因で一時的に大きな荷重が加わり、根本に微小なひび割れが発生していた。
ひび割れは荷重がなくなると閉じるが、折れた電柱は常時荷重が加わっていたため、ひび割れが閉じない状態が続いていた。
ひび割れから雨水が浸入し、柱内部の鉄筋が腐食しやすくなったとみられ、鉄筋10本のうち3本が破断していた。
さらにもう1本の鉄筋も腐食が進展していた。
その結果、電柱が折れ、線路側に傾いたと推定している。
JR東は対策として、ひび割れの閉じない可能性のあるコンクリート製の電柱99本を「重点管理柱」と定め、今後、補強工事などを実施する。
https://www.sankei.com/article/20231005-AHQHZ2H3WRKBRLVEQ5JKW4WEH4/
(2024年11月29日 修正1 ;追記)
2024年11月28日13時21分に朝日新聞からは、調査報告書が公表された、倒れた電柱は走行中の電車の数m先に突然現れた、電柱の直撃を受けた車両は天井部が先につぶれて衝撃を吸収する構造を取り入れていたため被害軽減に寄与した可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
あわや電柱が客席部を直撃するところだったことが、国の運輸安運輸安全委員会が28日に公表した調査報告書で明らかになった。
事故は昨年8月5日夜に発生。
乗客約1500人を乗せた小田原発横浜行きの臨時列車(15両編成)に倒れてきた電柱が衝突し、運転士1人と乗客4人の計5人が打撲などの軽傷を負った。
調査報告書で明らかになった運転士の証言などによると、走行中、2~3メートル前方に電柱が突如現れ、先頭車両前面の左脇部分に衝突した。
1両目に座っていた乗客は、衝撃の際、火花が飛んできて背中に当たり、軽いやけどを負った。
車内は一時白く煙ったという。
運転士や乗客が乗っていた1両目は、天井部が先につぶれて衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンと呼ばれる構造を採り入れており、報告書では、クラッシャブルゾーンが「被害軽減に一定程度寄与した可能性がある」と指摘している。
報告書によると、電柱を支える10本の鉄筋がいずれも事故後に折れており、断面がさびていたという。
腐食の状況などから、このうち3本は事故発生前に折れてから「相当の時間が経過した」とし、もう1本も事故発生前には亀裂ができていたとしている。
電柱は架線を引き留めるため常に一定方向に強い力がかかる構造で、風速40メートルの風圧下では設計上の許容値を超える力がかかっていた。
風や地震などの影響で電柱にひび割れが発生し、割れ目が閉じない状態が続くなかで雨水などが入ったため、鉄筋が腐食したとしている。
運輸安全委は、電柱の根本に生じたひび割れから雨水が浸入し、鉄筋が腐食したため電柱が倒れたと結論づけた。
電柱の定期検査は2022年5月に行われていたが、目視での確認だったことから、「検査で横ひび割れが発生していたが発見できなかった可能性がある」と指摘した。
JR東日本は事故後、再発防止策として折れた電柱と同様に、架線を引き留めるために一定方向に強い力がかかる構造の電柱100本を「重点管理柱」に指定。
強度の高い鋼管柱への交換や補強などを今年9月までに終えているという。
https://www.asahi.com/articles/ASSCX1CSTSCXUTIL023M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
11月28日10時0分にYAHOOニュース(TBS NEWS )からは、電柱は衝突3分半前に電車とぶつかる角度まで傾いた、根元のヒビ割れは線路に敷かれた小石に隠れた部分にあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
傾いた電柱は事故発生前に風や地震などの影響で、架線から一時的に強い力で引っ張られ、電柱の根元部分にひび割れが起きていました。
そのひびから雨水が入り電柱の中の鉄筋が腐食したため、10本ある鉄筋のうち3本が折れたほか、1本の腐食が進んだ結果、衝突するおよそ3分半前に電柱が電車とぶつかる角度にまで傾いたということです。
また根元部分のひび割れは、線路に敷かれている小さな石に隠れた部分にあり、事故のおよそ1年2か月前に行われた定期検査では、発見できなかったとしています。
運輸安全委員会は、▼電柱の補強や建て替えなどの実施、▼検査方法の見直しなどの再発防止策が必要だとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4ca6a9be0bbee9daaaa74cb7121a6f936ea9612
2023年8月28日22時27分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午後5時45分ごろ、秋田新幹線は赤渕(岩手県雫石町)―田沢湖(秋田県仙北市)間の落石を検知する装置が作動しなくなり、同区間の運転を見合わせた。
JR東日本は安全確認をした上で、午後8時半過ぎに運転を再開。
東京発秋田行きこまち31号が約3時間遅れるなど、4本に遅れが出た。
このほか、こまち2本と、同じ線路を走る普通列車2本が区間運休した。
約1300人に影響が出た。
https://www.sankei.com/article/20230828-2UDKTLD5BNL3JEAJFMDOJG7B6M/
(ブログ者コメント)
〇滅多に起きない?起きても報じられない?トラブルだと感じたので
御参考までに紹介する。
〇落石検知システムについては、JR東の下記報文が分かりやすかった。
『長大延長を 一括監視可能な 落石監視システムの開発』
https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_21/Tech-21-50-53.pdf
2023年8月16日19時42分にYAHOOニュース(北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月16日、道南いさりび鉄道の北斗市にある踏切で、列車が通過しているにも関わらず、遮断機が下りないトラブルが発生しました。
幸い、ケガ人などはいませんでした。
16日午前6時53分ごろ、道南いさりび鉄道線の北斗市茂辺地にある「茂辺地道路踏切」で、列車が通過する際に遮断機が下りない状態のまま、列車が踏切内を通過しました。
列車は速度60キロで通過。
1両編成で乗客は10人いました。
当時、踏切には人や車はおらず、けが人はいませんでした。
道南いさりび鉄道によりますと、原因はレール上に発生したサビにより、列車が接近している状態を検知できなかった可能性があるということです。
道南いさりび鉄道の担当者は、「踏切のレールはここ数年で取り替えている。約10メートル先が海なので、もしかしたら潮によりサビが発生したのかもしれない」ということです。
レールの改修工事には数日間かかるため、踏切の両端にバリケードを設置し、車や人が侵入できないようにするということです。
なお、列車は通常通り運行する予定で、ダイヤに変更はありません。
道南いさりび鉄道は「今後、こういう事案が発生しないように対応していきます」とコメントしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a6ad6ce716dbc15d3b2c3e07642c1fa99d8f1ca
(ブログ者コメント)
レール上に錆が出ると列車を検知できなくなる点については、以下の「㈱昭和テックス」ホームページ記事が分かりやすかった。
・・・
鉄道用レールには列車を検知するための電流が流れており、列車の車軸(車輪)でこの電流を遮断することで列車を検知しています(接触型検知)。
また、レールには列車検知用に加えて電車の駆動電流も流れています(図2)。
このため、軌道回路に不具合が発生すると列車は正常に運行することができなくなります。
いわゆる「信号機故障」の一つの原因となり、列車遅延等を引き起こすこととなってしまいます。
・・・
レールは電流を通すと同時に列車重量を支持しています。
このため、列車が通過する時、レールには強烈な振動が発生しています。
その大きさは民需レベルをはるかに超える強烈なものです。
このため、レールボンドや送着ボンドはこの振動を受けて次第に破壊が進みます。
このためボンドの耐久性が大きな課題となっています。
また、列車本数が少ない閑散線区や入換線等においては、時折、レールに錆が発生し、列車が検知できない状態に陥ることがあります。
・・・
http://www.showatecs.co.jp/about-tecs/total-solution_j/
2023年8月2日22時35分に長野放送から下記趣旨の記事が、車輪脱輪状態図など複数枚の解説写真付きでネット配信されていた。
利用者に大きな影響が出た、しなの鉄道の脱線事故です。
しなの鉄道は2日、会見を開き、「木製の枕木の老朽化でレールの幅が広がったことが事故の原因とみられる」と発表しました。
来年度末までに一部をコンクリート製の枕木に変更するなどの対応をするということです。
6月12日午前8時45分ごろ、しなの鉄道の上田駅構内で回送列車が脱線しました。
4両編成の車両のうち3両が脱線しましたが、けが人はいませんでした。
車両の撤去作業や安全確認のため、一部区間は3日間運休が続き、およそ2万3000人に影響が出ました。
原因は…。
事故からおよそ2カ月。
2日、しなの鉄道が会見を開きました。
しなの鉄道・土屋社長:
「木(製)枕木の老朽化による軌間拡大が原因とみられる」
事故現場の木製の枕木は、およそ30年間使われていました。
回送列車は、踏切のカーブを超えた所で脱線したとみられます。
カーブでは一方向に力が加わります。
木製の枕木が老朽化していたためレールを固定するクギが倒れ、幅が広がり脱線したということです。
しなの鉄道によりますと、年1回、枕木の点検をしていましたが、異常は見つからなかったということです。
しなの鉄道・北原運輸担当部長:
「外見上ではわからなかった。
表面上はいいけど、中が腐っていて、くぎがしっかり効いていない。
力が弱くなっているのが分かりづらかった」
事故を受け、木製の枕木は、曲線部分はすべてコンクリート製に。
直線部分は3本に1本をコンクリート製に、2024年度末までに変更するということです。
しなの鉄道によりますと、およそ30万本ある枕木の1割が木製ですが、「本線」は既に全てがコンクリート製だということです。
しなの鉄道・土屋社長:
「本線は安全、社員一同安全運行を心がける。お客さまには安心して利用いただきたい」
https://www.nbs-tv.co.jp/news/articles/?cid=15086
8月2日18時35分にTBS NEWS(信越放送)からは、脱線したのは本線と車庫をつなぐ線路で、枕木の内部が腐食していたこと、また現場がカーブだったことからレールが外側にずれたことが原因など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
現場は、上田駅のホームから100メートルほど離れた、本線と車庫をつなぐ電留線(でんりゅうせん)と呼ばれる線路です。
列車は車庫に引き揚げる途中で、乗客はおらず、乗員にけがはありませんでした。
しなの鉄道によりますと、緩いカーブに設置された木製のマクラギの内部が腐食。
その結果、釘で固定されたレールが列車の荷重で外側にずれ、レールの間隔が広がったことで脱線したということです。
事故の後、車体のつり上げ作業など撤去に時間がかかり、運転を再開したのは3日後。
その間、田中駅と戸倉駅の間で運休し、バスによる代替輸送が行われるなど、2万3千人余りに影響が出ました。
・・・
しなの鉄道は、2024年度末までに曲線部分の木製マクラギは全てを、直線部分でも3本に1本をコンクリート製に取り換えるとしています。
交換の対象はおよそ6000本で、費用は2億円程度かかると見込んでいます。
しなの鉄道は、2022年度まで3期連続の赤字で、再発防止策の実施に行政の支援を求めていく考えを示しました。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbc/640023?display=1
2023年7月6日21時30分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京メトロは6日、日比谷線の上野駅で、ホームと電車の隙間を埋める転落防止ゴムを社内基準で定めた場所に設置せず、子供が落下する事故があったと発表した。
すぐに駅員らに引き上げられて病院に搬送された。
けがはなかった。
東京メトロは「設置場所を緊急点検し、再発防止に努める」としている。
東京メトロによると、6月25日午後5時5分ごろ、子供が乗車しようとした際、両足を踏み外して、ホームと車両の間にあった約15センチの隙間に転落した。
社内基準では、隙間が一定程度広い箇所に、くし状の転落防止ゴムを設置することになっている。
事故のあった場所は、令和2年3月にホームドアを設置した際に取り外したままにしていた。
https://www.sankei.com/article/20230706-OUTCMEBYWVMZDCQ2SI4RYRJEDI/
※以下は転落防止ゴムに関する東京メトロHPの記事。
「駅・車内の安全対策」
「転落防止ゴムの設置」
車両とホームの隙間が大きい箇所のホーム先端に転落防止ゴムを設置し、隙間を少なくすることでお客様の軌道内転落を防止します。
https://www.tokyometro.jp/safety/prevention/station/index.html
2023年7月3日19時28分に九州朝日放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐賀県小城市にある遮断機のない踏切で、52歳の男性が列車にはねられ死亡しました。
3日午後3時ごろから、国交省などによる調査が行われています。
現場では事故当時の状況について、列車や道路からの見え方などが調べられました。
警察などによりますと、2日午後6時ごろ、小城市のJR唐津線「二十の坪踏切」で、佐賀駅行きの普通列車が近くに住む52歳の男性をはねました。
男性は、その場で死亡が確認されました。
運転士は警察に対し、「走ってくる人を確認し、汽笛を鳴らして緊急停車しようとしたが間に合わなかった」などと話しています。
男性の家族の話や服装などから、事故当時、男性はイヤホンをつけてランニングをしていたとみられています。
運輸安全委員会の鉄道事故調査官は、「警報機がないっていうことで、踏切の手前ではいったん立ち止まって左右確認するところを注意喚起していければ」と話しています。
警察は、イヤホンの音で列車の接近に気づかず、はねられたとみて詳しい経緯を調べています。
https://kbc.co.jp/news/article.php?id=10464541&ymd=2023-07-03
7月3日19時3分にYAHOOニュース(サガテレビ)からは、列車は250mほど進んだところで停車したなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後6時前、小城市三日月町にあるJR唐津線の踏切で、上りの列車と人が衝突しました。
この事故で、小城市に住む52歳の男性が死亡しました。
列車はブレーキをかけたものの間に合わず、衝突後、約250メートルほど進んだところで止まりました。
運転士は「人が走って踏切に入ってきたため、警笛を鳴らし止まろうとしたが気付く様子はなかった」と話しているということです。
警察によりますと、シューズなど服装からみても男性は日課のランニング中だったとみられています。
また、男性のイヤホンが列車の前方に引っかかっていて、イヤホンによって周囲の音が聞こえず列車の接近に気付かなかった可能性があります。
さらに、現場はいわゆる“第四種踏切”で、警報器の音や遮断機の進入制限がありませんでした。
警察は自殺の可能性は低く事故とみて捜査していて、踏切の手前では必ず立ち止まって左右の安全を確かめるよう注意を呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/28f7406e91e48a1908b7ad4b8b41a753ba86167a
今回は自分自身の死亡事故だったが、車や自転車運転中だったら、加害者になっていた可能性もある。
2023年6月26日17時39分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は、24日発生したシステム障害について、工事の操作手順書に誤りがあり、現場の担当者もそれに気がつかずに別のブレーカーが落とされ、電源が遮断されたことが原因だと明らかにしました。
JR東日本では24日未明にシステム障害が発生し、駅の構内や券売機などでクレジットカードが使えなくなったほか、運賃の支払いなどを行う「モバイルSuica」でアプリでのチャージができないなど、影響は最大で12時間余り続きました。
JR東日本が詳しく調査した結果、システムサーバーの電源工事で操作手順書に誤りがあり、現場の担当者もそれに気がつかずに別のブレーカーが落とされ、電源が遮断されたことが原因だと明らかにしました。
会社のマニュアルでは、工事の前に手順書に間違いがないかを管理者や現場の担当者などがそれぞれで確認することになっていましたが、ミスを見つけることはできませんでした。
このためJR東日本は、手順書をチェックする人数を増やしたり工事の工程に照らして確認をより入念に行ったりするなど、再発防止を徹底するとしています。
また、システム障害ではネット上で新幹線の指定席などを予約する「えきねっと」も利用できなくなったため、キャンセルなどができなかった場合には全額を返金する対応を取ることにしています。
JR東日本は「多くのお客様にご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」としています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230626/1000094159.html
6月26日付で該社HPには、操作する盤のナンバーに誤記があったという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
・・・
3. 原因
盤NO.6は通称CV6と呼ばれており、当日の操作手順書には下記のとおり誤りがありました。
(正)盤NO6(CV6)内のブレーカーを「切」にする 。
(誤)盤NO6(CV4)内のブレーカーを「切」にする。
・・・
https://www.jreast.co.jp/info/2023/20230626_ho04.pdf
(ブログ者コメント)
〇複数人によるチェックでも見逃された誤記。
全員、作業方法の妥当性をメインにチェックしていたからだろうか?
作業する機器はこれで間違いないか?といった観点でチェックしていれば気が付いた?
〇複数人がチェックしていても見逃してしまった。
そのことを逆に考えれば、これまで複数人がチェックしていたからこそ事前にミスに気が付いた・・・という事例はあったのだろうか?
2023年6月16日18時9分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月31日、横浜市の日吉駅の構内の線路から二度にわたって煙が出て、東急東横線と目黒線、新横浜線のいずれも一部区間で、最大6時間近く運転が見合わされ、17万人余りの乗客に影響が出ました。
東急電鉄は16日会見を開き、煙が出た場所は、東横線と新横浜線のレールのつなぎ目部分で、ことし3月から東急電鉄と相模鉄道の相互直通運転を開始するのに合わせて新たに作った箇所だったことを明らかにしました。
東横線と新横浜線は、レールに流れる電気の電圧が異なっていて、この影響で、列車が通過する際に火花が断続的に発生し、ショートしたとみられるということです。
電圧が異なるレールをつなぐ場所はほかにも8か所あるということで、東急電鉄は、今月中にすべての点検を終えたいとしています。
東急電鉄電気部の藤江統括部長は、「改めておわび申し上げます。再発防止を徹底し、安全運行に努めていきます」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20230616/1050019422.html
6月16日17時4分に産経新聞からは、電車が通過するたびに絶縁が保てずショートした、複数路線が接続する他の駅では既に対策がとられていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東急電鉄は16日、5月に横浜市港北区の東横線日吉駅で線路が発煙したトラブルの調査結果を発表した。
電圧が異なる路線同士が接続する箇所で、電車が通過する際に絶縁が保てずにショートして火花が出たことが原因。
日吉駅の線路で電圧差を弱める改修をした。
東急電鉄によると、3月に開業した新横浜線と東横線はレールの電圧に差がある。
通常はレールの継ぎ目で絶縁されているが、電車が通過する際、瞬間的にショートして火花が散り、この繰り返しで煙が出た。
複数路線が接続する他の駅では既に対策が取られていた。
日吉駅の発煙は5月31日に発生。
東横線などで計約6時間運休した。
https://www.sankei.com/article/20230616-Q2DQW747BVPN5L25D7VPQYX3ZU/
6月16日18時46分に読売新聞からは、想定以上に大きな火花が散る状態になっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月31日に東急東横線日吉駅構内の線路から煙が出て長時間運転を見合わせたトラブルで、東急電鉄は16日、レール継ぎ目の絶縁部が劣化してショートし、焼損したことが原因だったと発表した。
同社によると、劣化は列車が通り過ぎる度に発生する火花によるもので、想定以上に大きな火花が散る状態になっていたという。
同社は火花を小さくするための改修工事を行った。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230616-OYT1T50214/
2023年5月12日21時58分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、当該レールカートの写真ならびに無人走行した区間の地図付きでネット配信されていた。
12日午前2時5分ごろ、福岡県久留米市花畑1の西鉄天神大牟田線花畑駅から、作業用のレールカートが福岡市方面に向け、線路上を無人で走り出した。
連絡を受けた作業員が22分後、約8・3キロ先にある小郡市福童の端間(はたま)3号踏切付近で停車させたが、この間に時速約20キロで14カ所の踏切を通過していた。
西日本鉄道(福岡市)によると、けが人や事故は報告されていない。
同社によると、カートは長さ1・78メートル、幅1・55メートル、重さ130キロのアルミ製で2人乗り。
動力はガソリンで、作業員が移動する時に使用する。
この日は花畑駅構内で関係会社の社員4人が信号の点検作業をしており、うち2人がカートを手で押しながら移動させていた。
何らかの原因でスイッチが入り、ライトをつけたまま走り出したという。
カートが通過した14カ所の踏切には遮断機や警報機は付いていたが、作動しなかった。
同社は「ご迷惑とご心配をおかけし、心よりおわび申し上げます。再発防止の徹底に努めます」と謝罪した。
https://mainichi.jp/articles/20230512/k00/00m/040/277000c
5月12日21時5分にNHK福岡からは、カートは本来は作業員が乗って動かすものなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西鉄によりますと、レールカートは本来は必ず作業員が乗って動かしますが、今回は作業員が後ろから押して移動させていたということです。
何らかの原因でカートのエンジンがオンになり無人走行したとみられ、西鉄は原因を調査するとともに再発防止を徹底したいとしています。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20230512/5010020251.html
5月12日19時30分に朝日新聞からは、脱線させて止めたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
約20分後、端間駅(小郡市)近くで別の点検をしていた作業員がレールカートを押して脱線させて止めた。
https://www.asahi.com/articles/ASR5D6CR3R5DTIPE00M.html
2023年4月24日19時35分にYAHOOニュース(神戸新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「変わった様子はなかった」。
彼の家族や同僚はそう口をそろえた。
事故前日、当日の朝についても。
乗客106人が死亡し、493人が重軽傷を負った尼崎JR脱線事故で、死亡した男性運転士=当時(23)=は乗務中に何を思い、電車を暴走させたのか。
25日で丸18年になるのを前に、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調委)の報告書などから直前の経緯を改めて振り返る。
【写真】脱線してマンションに衝突し、大破した車両=2005年4月25日、尼崎市
■〈8時9分 京橋駅、50秒の遅れ〉
午前8時9分50秒ごろ、男性運転士は京橋駅から当時44歳の男性車掌を乗せ、7両編成の尼崎駅行き普通電車を出発させる。
既に定刻より50秒ほど遅れていた。
その2時間前の午前6時8分、森ノ宮電車区放出(はなてん)派出所で点呼した係長は、男性運転士の様子について「特に異常は感じなかった」と証言する。
京橋駅からの出発遅れは、直前の松井山手駅発京橋駅行きの区間快速で、混雑による遅れが徐々に拡大したためだった。
走り始めた普通電車は、その後も各駅を45~50秒遅れで出発し、加島駅直前の左カーブに差しかかる。
その時、速度超過を感知するATS(自動列車停止装置)が働き、運転室に警報音が鳴り響いた。
ブレーキをかけるも、ATSの自動ブレーキが先に働いて減速し、ほぼ制限速度の65キロで曲線に入った。
運転士は事故5年前の2000年4月、JR西日本に入社している。
家族は「4人兄弟の中で一番明るい。新幹線の運転士になるのが夢と言っていた」と話した。
友人らは、「落ち込んでいるところを人に見せない」、「スノーボードなど、器用に何でも無難にこなす」という印象を持っていた。
その4年後の04年5月に京橋電車区所属の運転士になり、運転技量審査は平均点よりやや上。勤務評価では平均を大きく上回っていた。
ただ、運転士になって直後の6~7月、片町線放出駅で停止位置を約4メートル通り過ぎ、同線下狛駅で約100メートル行き過ぎるなど、3度のオーバーランをした。
これは「日勤教育」と呼ばれる懲罰的な研修の対象となった。
脱線事故は、その後1年足らずで起きる。
■〈8時53分 宝塚駅、非常ブレーキ再三始動〉
京橋駅から尼崎駅に着いた普通電車は8時31分ごろ、回送に切り替えて宝塚駅へ向かう。
そして到着寸前の8時53分ごろ、男性運転士の歯車が狂い始めた。
レールの分岐に近づき、速度超過を知らせるATSの警報音が運転席に鳴る。
ブレーキをかけても減速しきれず、25キロオーバーの65キロで通過すると、大きく車体が揺れた。
続いてATSを解除しなかったことで非常ブレーキがかかり、電車は駅手前で急停車した。
本来は輸送指令に報告しなければならない事案だった。
しかし、彼は連絡せずに解除して走り出すと、今度はATSの誤出発防止機能による非常ブレーキが作動してしまう。
結局、定刻より44秒遅れて8時56分14秒、停止位置に止まった。
回送電車は宝塚駅で折り返して尼崎行きの快速電車になるため、運転士と車掌が1両目と7両目を入れ替わる。
ただ、彼はなぜか座ったまま、しばらく席を離れなかったという。
何を思っていたのだろう。
事故調委の報告書は、それまでに経験した「日勤教育」への重圧にさらされた可能性を示唆している。
周囲の人々は取材にこうも答えていた。
前年に運転ミスをした後、彼は「悔しい。もう絶対にオーバーランはしない。絶対だ」と言って、同僚の前で涙を流したという。
そして指導中は乗務を外され、延々と続くリポート作成、浴びせられる罵声…。
期間は13日間に及んだ。
オーバーランや到着遅れなどのミスをした運転士らに課される日勤教育について、JR西のある幹部(当時)は「集中力不足などのミスを自己分析させ再発防止につなげるため」としつつ、「(会社と対立する)特定の労組対策だった」と打ち明ける。
一部の運転士は技術向上に効果のないペナルティーと受け取っていた。
彼は研修を受けた後、親しい知人らにこんな不満をこぼしていた。
「トイレへ行くにも断らねばならない」
「社訓を丸写しするだけで、意味が分からない」
「給料がカットされ、本当に嫌」。
知人の女性にはこうも漏らしていた。
「今度ミスをしたら、運転士を辞めさせられる」
■〈9時15分ごろ 伊丹駅、72メートルのオーバーラン〉
9時4分ごろ、宝塚駅から同志社前駅行き快速電車を発進させる。
出発は定刻より15秒ほど遅れ、中山寺駅の出発時には25秒、北伊丹駅の通過時には約34秒遅れた。
その後、約122キロで突っ走り、伊丹駅が近づくもATSの「停車です、停車です」との警告を聞き逃したのか、減速せずに走り続ける。
そして駅468メートル手前に約120キロで迫ると、再びATSの「停車! 停車!」という警告と警報音が同時に響き、直後にブレーキをかけた。
停止位置を約72メートルも行き過ぎるオーバーラン。
予備ブレーキまで使って9時15分43秒、ようやく止まった。
男性運転士は車内電話を使って「今からバックする」と車掌に告げる。
速度オーバーの約16キロで後退し、ここでも停止位置より約3メートル後ろに行き過ぎた。
午前9時16分10秒ごろ、伊丹駅を出発する。
遅れは、もう約1分20秒に達していた。
車掌が「次は尼崎」と放送した直後、運転士から車内電話があった。
「まけてくれへんか」
伊丹でオーバーランをした距離を小さく報告してほしいという「過少申告」の依頼だった。
車掌は少し考え、「だいぶと行ってるよ」(原文通り)と答えた直後、乗客が車掌室のガラス窓をたたいた。
「なんでおわびの放送せーへんのや」。
応対のため車掌は、運転士の依頼に返答しないまま電話を切った。
当時のやりとりについて、車掌は事故調委の調べに、「運転士は(急に電話を切られたため、自分が)『怒っている』と思ったかもしれない」と述べている。
それでも、乗客へのおわび放送を終えた車掌は、オーバーランの報告をするために輸送指令を無線で呼び出す。
「えー、行き過ぎですけれども…」。
その交信内容は、1両目の運転室でもスピーカーから聞こえる仕組みだった。
「およそ『8メートル』行き過ぎ、運転士と打ち合わせのうえ後退で、1分半遅れで発車しております」
車掌は、明らかな過少申告をした。
この報告を受け、指令は続けて「8メートル行き過ぎ」と復唱する。
この時、運転士の彼は双方のやりとりを聞きながら、「8メートル」につじつまの合う言い訳を考えていた--
事故調委は、そんな可能性を指摘している。
運転に集中できないほど、追い詰められた心理状態だったのか。
〈9時18分 脱線〉
電車は制限速度の120キロを超え、9時18分22秒、塚口駅を1分12秒遅れて122キロで通過する。
車掌との交信を終えた指令は、続いて「運転士応答できますか」と呼びかける。
しかし、返答はない。
電車は、あのカーブに約116キロで突っ込んでいた。
「ガタガタ」と揺れる車体。
運転士はようやくブレーキをかけ、105キロ程度まで減速したが、午前9時18分54秒、650人以上を乗せた快速電車は、1両目から脱線し、マンションへ向かっていった。
事故調委の見立てを振り返ってみよう。
伊丹駅に到着する際にブレーキ使用の開始が遅れたことについては、宝塚駅での非常ブレーキ作動などを気にして注意が運転からそれた可能性が考えられるとした。
そして伊丹駅を出発後、車掌に虚偽報告を求めた車内電話を消極的な応答で切られたと思い、その後の車掌と輸送指令員との交信に特別な注意を払っていたと考えられる。
さらに、日勤教育を懸念して言い訳を考えたり、運転士を辞めさせられると思い呆然としたりしていた可能性もある-などと指摘した。
そのうえで、彼が車掌と輸送指令員との交信内容をメモしようとして、ブレーキ使用が遅れた可能性も考えられるとした。
使用開始の遅れは約16-22秒と推算される。
脱線現場のカーブにはATSの速度照査が付いていなかったため、非常ブレーキはかからなかった。
◆ ◆
男性運転士を巡っては、兵庫県警が08年9月、業務上過失致死傷容疑で書類送検し、神戸地検は死亡により不起訴とした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e50dd92b538f86c52d1b0cf7c8c737b3a5c4be4e
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。