







2025年6月28日17時49分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午後4時2分頃、JR東北新幹線の仙台駅―古川駅間(宮城県大郷町)を走行中の東京発、はやぶさ25号(新函館北斗行)・こまち25号(秋田行)がクマと衝突した。
車両点検のため仙台駅―盛岡駅間の上下線で37分間、運転を見合わせた。
けが人や車両故障はなかった。
JR東日本によると、高架などを走るフル規格の新幹線がクマと衝突する事故は、あまり聞いたことがないという。
クマがどのようにして線路に入り込んだかは不明。
衝突前にクマがいるのを運転士が気づいてブレーキをかけたが間に合わなかった。
停車後、線路近くで死骸が確認された。
この影響で計5本の新幹線に遅れが発生し、約2300人の乗客が影響を受けた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250628-OYT1T50099/
2025年6月20日6時27分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富山地方鉄道不二越・上滝線で16日、列車の扉1か所がほぼ全開のまま、約2分半にわたって約700メートル走行するトラブルがあったことがわかった。
乗客約200人にけがはなかった。
運転士と車掌はいずれも見逃しており、専門家は「通常はありえない事態で、大変驚いた。鉄道の安全対策の抜け穴が浮き彫りになった」と話している。
地鉄によると、トラブルは16日午前7時40分頃、富山市の朝菜町―南富山間で発生。
岩峅寺発電鉄富山行き列車(3両編成)の3両目左前部の扉(幅約110センチ)が開いたまま、朝菜町駅を発車した。
列車は最高時速25キロ程度まで加速し、何らかの理由で、走行中に扉は閉まった。
地鉄は16日昼に、乗客からのメールで事態を初めて把握した。
■人為ミス重なる
通常、扉の開閉状況は運転台と車両側面に設置されたランプの点灯状況でわかる。
運転士と車掌はランプを確認し、異常がなければ発車する。
さらに、すべての扉が閉まらないと安全装置が作動し、列車は加速できない仕組みだ。
今回は、これらの仕組みをすり抜ける人為的ミスが重なったとみられる。
列車に乗務していた男性運転士(23)(乗務歴3か月)と男性車掌(21)(同1年)は地鉄の聞き取りに、いずれもランプを確認したと回答。
ただ、ランプに不具合はなかったとみられ、地鉄は「見間違いや見落としの可能性がある」とする。
さらに、運転士は朝菜町駅でブレーキを緩めて発車しようとした際、うまく加速できなかった。
安全装置が作動していたためとみられるが、運転士は列車を止めなかった。
地鉄によると、朝菜町―南富山間は下り勾配で、列車は自然に加速したとみられる。
運転士は、うまく加速できなかった時点で、列車を止めて点検する必要があった。
■「対策必要」指摘も
トラブルを把握後、地鉄は全列車の扉を点検。
異常はなく、異物が挟まって閉まらなかった可能性も視野に調査している。
関西大学の吉田裕 教授(交通システム安全論)は、「運転士と車掌の双方ともに基本動作を怠り人為的ミスをしたことは問題だ」と指摘。
一方、人為的ミスは避けられないとし、「今回は悪条件が重なった結果で、全国の事業者も学ぶべき事案。下り勾配で意図せず列車が加速しない安全対策が必要だ」と述べた。
地鉄は17日に国土交通省北陸信越運輸局に報告し、運輸局は原因究明と再発防止対策の検討を指示した。
地鉄は「あってはならない事案。再発防止を徹底する」とコメントした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250619-OYT1T50246/
2025年6月9日6時1分にYAHOOニュース(北海道新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道で鉄路の異変を点検する「保線」の現場が揺れている。
国土交通省北海道運輸局などは不祥事やトラブルの続発を受け、27日から2年間にわたり集中的に保安監査を強化する異例の措置を取る。
長年繰り返してきた事故や不祥事を受けて作業ルールは複雑化し、一部の現場では保線員の命を守るためのルールすら順守しきれていない。
「安全に必要だ」、「現場の負担になっている」―。
JRがルールの効率化を目指す中、真夜中の作業に同行し、保線員の葛藤に触れた。
4月下旬の深夜、小雨の降る線路上に保線員がかがんだ。
左右のレールの継ぎ目をヘッドライトで照らし、測定器具を差し入れる。
「10、5」。
隙間のミリ数を読み上げると、そばに立つ作業責任者が復唱しながらメモを取った。
隙間は夏場の気温上昇で鋼鉄製のレールが伸びた場合の「伸びしろ」だ。
保線作業の中でも重要で、雪解け後の恒例となっている。
作業が始まったのは午後11時半ごろ。
JR小樽保線管理室に所属する20~40代の保線員6人が、函館線朝里―銭函間約8キロのレールの継ぎ目約500カ所を計測する。
■計測 数十メートルごと
4人が継ぎ目の検査に当たり、離れた踏切近くに1人が見張り員として待機した。
まだ列車が運行していたため、見張り員は作業中であることを知らせる簡易式の信号機を設置した。
JR北海道では2011~13年ごろ、脱線やレール検査データの改ざんなど事故や不祥事が相次ぎ、15年から安全ルールを大幅強化。
ミスや不祥事を防ぐため、取り決めは細かく複雑になった。
保線員は暗闇の中、砂利に足を取られないよう、数十メートルごとにかがんで計測を繰り返した。
別の保線員はレールをハンマーでたたいた音で固定部分に緩みがないか確認する。
「毎春、腰と膝が痛くなる」。
保線員は苦笑するが、事故防止には不可欠だとの自負がある。
午後11時50分すぎ、作業責任者の無線が鳴った。
見張り員が「(最寄り駅の)銭函、発車3分前」と告げている。
責任者が「待避」を呼びかけると、全員が線路脇に移動し、列車を待った。
列車の通過後、見張り員が信号機を再設置したことを確認し、全員で「設置よし」と声を合わせた。
作業時に簡易式信号機を設置するようになったのも、15年に強化されたルールによるものだ。
昨年11月、函館線砂川駅構内の保線工事を行った滝川保線管理室は、ルールを無視して見張り員や簡易式信号機を置かず、貨物列車を非常停止させた。
さらに保線員はルール破りの発覚を恐れて虚偽の報告をしていた。
JRが後に行った調査では、全34保線管理室のうち10保線管理室の保線員が違反をした経験があると判明。
保線員は自らの命を脅かしていた。
「一つ一つの手順が自分たちの命を守る。全てに意味がある」。
案内してくれた同管理室の竹越所長代理が作業とルールの意味を語る。
午前0時半ごろ、2回目の待避で終電を見送り、保線員は作業を加速させた。
■効率化は危険
3月末、北海道運輸局から行政指導の「改善指示」を受けたJRは、煩雑すぎるルールが違反の背景にあったと捉え、効率化を進める方針だ。
現場はどう受け止めているのか。
札幌保線所の町中管理助役は「今のルールは過去の反省の上で出来上がった。効率を求めると危険だ」と指摘。
多くの保線員も「煩雑だが、必要なことだ」と捉える。
願いは「全員が守れるルール」だ。
取材は午前1時半すぎ、約5キロ歩いたところで終えた。
竹越所長代理が言う。
「毎日、始発が定時で出たと聞いて『あぁ良かった』と思う。だから明日も保線に向かう」。
この日の検査でレールの異常は見られなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/628e611bda1a4807776f38d496cd56301d7f1f90
2025年6月6日18時9分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月22日、JR山手線の新橋駅近くの外回りで、車両に電気を供給するトロリ線を支える架線が切れて垂れ下がり、接触した21本の列車のパンタグラフが折れ曲がりました。
切れたのは金具で別の電線と接続していた部分で、JR東日本が調べたところ、接続作業の際に間違った種類の工具を使ったことが原因で架線が発熱して切れたことがわかったということです。
接続作業では2つの線を束ねた金具を工具で圧縮して固定しますが、より太い線に使う工具で作業したため、圧縮が不十分で発熱しました。
また、作業後は別の担当が金具の状態を測定して問題がないか確認する決まりになっていましたが、今回の部分は測定せず別の部分の測定結果を報告していたということです。
当時架線が切れてから気づくまでに少なくとも1時間ほどかかっていて、JR東日本は、「施工会社の再発防止に向けた取り組みを確認するとともに、検測車で架線の温度を把握する仕組みなどを検討し、異常の早期発見に努めたい」とコメントしています。
このトラブルでは復旧作業のため、翌日も運転見合わせが続き、前日からあわせておよそ24万9000人に影響が出ました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20250606/1000118291.html
6月6日18時17分に朝日新聞からは、工具の設定を誤ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR山手線で5月、走行中の電車のパンタグラフが次々と破損し、長時間運休したトラブルで、JR東日本は6日、昨年11月に実施した架線工事の施工ミスが原因だったと発表した。
その後の点検も怠っていたという。
JR東によると、新橋駅構内の架線で、変電所から届く電力をトロリ線に送り込む「き電分岐装置」と、トロリ線を支える「補助吊架(ちょうか)線」の接続部が破断。
吊架線が垂れ下がり、通過した電車計21編成のパンタグラフを壊した。
接続金具を圧縮してつなぐ際、工具の設定を誤って圧縮が不十分となり、吊架線が発熱して破断したという。
施工後は接続金具の状態から仕上がりを確認する決まりだったが、それも不十分だったという。
https://www.asahi.com/articles/AST662QQCT66UTIL02TM.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
6月6日18時59分に産経新聞からは、直近1年間の同種麹箇所を点検したが異常はなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は6日、調査結果を公表した。
昨年11月に架線の取り換え工事をした際、施工業者が使用する工具のサイズを誤ったまま作業し、金具との接続不良が起きて断線したとしている。
JR東によると、作業員は施工後、決められた手順での仕上がり確認をしないまま、正しく完了したと管理者に報告していた。
JR東がトラブル後、直近1年間で同種の工事をした他の箇所を点検したところ、異常はなかったという。
今後、施工状況のチェックなど業者の管理を強化する。
山手線は5月22日夜、外回り電車でパンタグラフの損傷が相次いで見つかったため運転を取りやめ、翌23日は内回りを含む全線で始発から一時運転を見合わせた。
https://www.sankei.com/article/20250606-WVSXNXN5K5ICFBSTLFANBWZFNQ/
2025年5月22日6時11分にFNNプライムオンライン(長野放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後5時50分ごろ、長野・須坂市を走行中だった長野電鉄の普通列車に、農業用ハウスがぶつかりました。
乗客3人が病院に運ばれ、長野市に住む会社員・栗原さん(男性、56歳)が死亡、50代と60代の男性がいずれも軽傷とみられています。
当時、列車に乗っていた人が撮影した画像では、農業用ハウスの屋根とみられるものなどが付近に散乱しています。
国交省によりますと、当時、列車の運転士が線路上の物体を見つけ、非常ブレーキをかけましたが間に合わなかったということです。
国交省は鉄道事故に認定し、国の運輸安全委員会が事故調査官を派遣します。
21日午後6時40分ごろの須坂市内には雨とともに強風が吹いていて、当時、長野県北部には「竜巻注意情報」が出されていました。
警察は、強風により農業用ハウスが飛ばされた可能性があるとみています。
https://www.fnn.jp/articles/-/875453
5月22日20時59分にYAHOOニュース(長野放送)からは、飛ばされたのはトラクター雨濡れ防止のため最近パイプやトタンなどで作った小屋、現場ではダウンバーストかガストフロントによる突風が発生していた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
3人は、先頭車両で割れた窓ガラスの近くにいたということです。
・・・
近所の住民によりますと、線路脇には、最近、パイプとトタンなどで作られた小屋があったということです。
警察も、その小屋が風に飛ばされ、列車と衝突したとみて調べています。
近所の住民:
「トラクターが雨でぬれるからやった(建てた)んだね。
屋根は両端がトタンで青いシートで巻いてあった。
あれはだめだ、飛んじゃう。
(きのうは)空が変わってきて、何かと思ったら雨と風がすごかった」
・・・
気象台は、21日午後5時40分から50分にかけて、現場周辺で発生した突風の種類はダウンバーストまたはガストフロントの可能性が高いと判断したと発表しました。
その強さは風速約30m/sと推定されるとしています。
その根拠について、次のように説明しています。
・突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中であった。
・渦の目撃など、竜巻を示唆する情報が得られない。
・突風は比較的短時間(1~10 分)および比較的長時間(10 分程度)であったという証言がそれぞれ複数得られた。
・突風は強雨またはひょうを伴っていた。
ダウンバーストとは、積乱雲から強い風が吹き下ろす現象です。
ガストフロントは、積乱雲からの下降気流の先端と周囲の暖気の間で形成される前線のことです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0c93397cf4306a7db318c2eb71f28bde7fca1b3
5月23日23時42分に読売新聞からは、小屋は地面に固定されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
強風で線路上に飛ばされてきたとみられる金属製のパイプ小屋を所有する農業男性(40)が23日、読売新聞の取材に応じた。
男性によると、小屋の足は地面に固定しておらず、トラクターの保管用として、事故の3~4日前に線路近くに建てたばかりだったという。
高さ2~3メートル、幅、奥行き4メートルの大きさで、「飛ばされないための対策はこれからするつもりだった」とし、「(事故で)亡くなった人がいるのは残念だ」と話した。
気象庁によると、事故当時、現場周辺では風速約30メートルの突風が吹いていたと推定される。
男性はこの日、国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官から聞き取り調査を受け、小屋の設置場所や、事故当日の気象状況などを尋ねられたという。
県警も男性から任意で事情を聞いている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250523-OYT1T50169/
5月27日20時27分にYAHOOニュース(長野放送)からは、死因は頭蓋内損傷だった、事故当時は推定風速30mの突風が吹いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は27日、男性の死因は「頭蓋内損傷」と発表しました。
男性の頭と首には、何かが衝突したことによる強い打撲があり、頭の内部が損傷していたということです。
また、ガラスによる切り傷もあったということです。
亡くなった男性の隣に座っていて、自身もけがをした男性は、NBSの取材に「ガラスがバーンと、一面に散っていた。(隣の人が)仰向けになって倒れてて、血がばーっと流れていた、シートに。乗務員の『医療関係の方いらっしゃいますか』というようなアナウンスがあって、それで、看護師と医師の方が1人いらっしゃって。(心臓マッサージを?)そう。(倒れてる時の意識は?)全くなかったと思います」と事故直後の緊迫した状況を語りました。
亡くなった男性は大量に出血し、意識のない状態で倒れていたと言います。
現地調査を行った長野地方気象台によりますと、当時、現場周辺で風速30メートルと推定される突風が吹いていたとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/47361b83da0e69425649a50b3d39b35dbbac1b13
2025年5月6日12時15分にYAHOOニュース(毎日新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
動物が線路に入ったことで起きたトラブルにより、鉄道の運行に支障が出るケースが急増している。
国土交通省によると、過去10年で約3倍、20年では15倍以上に増えた。
鉄道各社は対策を講じているが、根本的な解決は難しいのが実情だ。
「1匹のヘビで新幹線が止まるなんて。対策できないのだろうか」。
4月30日夕方、大阪へ帰省途中だった会社員男性(45)は東京駅で足止めされ、混雑する改札前でつぶやいた。
この日の午後5時半ごろ、岐阜羽島―米原間で停電が発生。
列車に電気を送る架線に、ヘビ(体長1メートル)が接触してショートした。
停電の影響で下りは東京―新大阪間、上りは浜松―新大阪間で運転を一時見合わせ、午後7時ごろに再開した。
上下線86本が遅れ、約6万7000人に影響が出た。
ヘビだけでなく、シカやイノシシ、タヌキなどが列車と衝突する事故も相次ぐ。
国交省によると、動物が原因で30分以上の遅れが生じるなどした「輸送障害」は、2003年度に81件だったが、13年度は465件、23年度は1369件に上った。
一部の野生動物が増え、生息域を広げたことが一因とみられる。
動物と衝突すると、列車が遅れるだけでなく、車体の損傷にもつながる。
乗客がけがをする恐れもあるため、各社は動物を線路に近づかせないように対策に知恵を絞っている。
JR九州では、架線を支える電柱のそばのワイヤに、帽子の形をした器具を設置。
ヘビがワイヤを登って架線に近づけないようにした。
電柱には、ヘビが嫌がる臭いがする薬剤をまいている。
ただ、過去にはトンネルの上から落ちてきたヘビが架線に接触し、停電したことがあった。
担当者は「動物が相手なので完全に防ぐことは難しい」と語る。
近畿日本鉄道ではシカの侵入を防ぐため、線路の両側に高さ約2・5メートルのネットを張った場所がある。
列車が通過する時間帯には、特別な装置から、シカが嫌う超音波を発信している。
岩手県のJR釜石線では山間部を通る線路の周辺に、シカの天敵であるライオンのふんの成分を含んだ液剤をまいている。
長岡技術科学大の山本麻希准教授(野生動物管理学)は「東日本のシカは近年、猟師の減少などによって個体数が増え、生息域を広げている。列車との衝突を減らすには、ハード面の対策に加え、野生動物の生息密度を管理する必要がある」と指摘する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/032961d8b04d6e096cc9bc0ed9575e6f99fce290
2025年5月1日20時2分にYAHOOニュース(FNNプライムオンライン)から、下記趣旨の記事が現場遠景など写真付きでネット配信されていた。
東海道新幹線は2025年4月30日、停電の影響で一部区間で運転を見合わせました。
原因は、「ヘビ」によってショートが発生したためとみられます。
ヘビが見つかった現場は河川敷の近くとみられますが、専門家は「止めるのは難しい」と話します。
【画像で見る】“蛇年のGW”にヘビが新幹線止める 架線に引っかかって停電発生し約6万7千人に影響 専門家「止めるの難しい」
■GW真っ只中の新幹線を止めた「ヘビ」客も「仕方ない」
東海道新幹線では4月30日午後5時半ごろ、岐阜県の岐阜羽島駅と滋賀県の米原駅の間で停電が発生し、新幹線は線路上に立ち往生する事態となりました。
影響は広がり、一時、上りは新大阪ー浜松間、下りは東京ー新大阪間で運転を見合わせました。
その原因を招いたのは「ヘビ」です。
体長1メートルほどはあるとみられるヘビが架線に引っ掛かり、停電を引き起こしたということです。
運転見合わせ後のJR名古屋駅では、動かない列車を待ち、あちらこちらに座り込む人の姿もありました。
皆さんも、まさか「ヘビ」とは思わなかったようです。
男性A:
「へび!?すごいな。」
女性:
「動物がぶつかったとかは何回か聞いたことありますけど、ヘビは初めて。」
男性B:
「動物なのでどうしようもないですよね。」
全線での運転再開までにはおよそ1時間半を要し、影響を受けた乗客はおよそ6万7000人にのぼりました。
■ヘビが見つかった現場は…鉄道ジャーナリスト「止めるのは難しい」
一夜明けた5月1日、ヘビが見つかったとみられる現場を確認すると、新幹線の線路は高架状になっていて、その下には河川の堤防があり、草木が生い茂っていました。
近所の人によると、ヘビは河川敷に近い場所で、下り線の架線に引っかかっていたといいます。
近くに住む人A:
「何か、ひもかなと思ったり。まさかヘビだとは。」
近くに住む人B:
「電線のところの上に、ドーンといったらババッと出て。あそこでショートしているんだろうなと。
草を刈っている時によくヘビは見る。」
今回のトラブルについて、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに話を聞きました。
梅原さん:
「沿線の木の枝から来るのかも分からないんですけど、そういったものを100%避けるのは非常に難しい。
全線トンネルとかにしたとしても、水路とかに入ってしまいますから、小さな動物が入ってしまうことを止めるのはなかなか難しい。
■「カメ」が挟まっていたことも…“早く着きたい”場合にできることは
新幹線ではなく在来線のトラブルですが、2025年4月18日、JR関西線の名古屋ー桑名間でおよそ1時間、運転見合わせとなりました。
この原因が、愛西市の永和駅で進路を分けるポイントが転換できなくなったためですが、現場を確認したところ、「カメ」が挟まっていたということです。
JR東海によると、カメが挟まることは年に数回は起きるということです。
こういったトラブルで運転見合わせが発生しても、どうしても目的地に早く着きたい場合があります。
しかしゴールデンウィーク期間中は、「のぞみ」は全車指定席です。
自由席はないため、本来は遅れた分だけ自分の列車が来るまで待つことになりますが、指定の列車ではなくても、デッキに“立つこと”もできます。
デッキが混んでいる場合は、客室の通路に立つこともできます。
また、「ひかり」「こだま」の自由席も利用できます。
(東海テレビ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fa852bb2e6420367902971aa88b07dcd603dc241
4月30日22時56分に毎日新聞からは、過去にもヘビによる新幹線トラブルがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海によると、岐阜県大垣市内の線路内でヘビが死んでいるのが見つかった。
列車に電気を送る架線の上部に、ヘビが絡んでショートしたとみられる。
ヘビは全長約1メートル、体重約150グラム。
過去にもヘビが原因となった電気系統のトラブルで、新幹線の運行に影響が出ている。
2013年には山形県内で、ヘビが変電所のケーブルに接触し、信号を制御する機器が損傷。
山形新幹線が一部区間で1週間にわたり、運転を見合わせた。
15年には、東北新幹線でヘビがパンタグラフに絡まって停電が発生。
07年には長野新幹線(当時)でヘビが架線に絡まって停電した例がある。
https://mainichi.jp/articles/20250430/k00/00m/040/333000c
2025年4月25日6時15分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鉄道運行で起きた運転士のミスについて、全国の主な鉄道事業者7社が社内制度で懲戒処分の対象としていないことが、毎日新聞のアンケートで明らかになった。
JR西日本では20年前の福知山線脱線事故で、ミスをした乗務員への懲罰的な指導が問題視された。
懲戒処分としない制度が「ない」と答えた事業者も柔軟に対応しており、各社はミスを社内で共有しやすくし、安全対策につなげようとしている。
アンケートは3~4月、都市圏などで鉄道を運行する主要な31社に実施した。
人為的なミス(ヒューマンエラー)による事故や誤操作、トラブルなどを起こした運転士への対応について調査した。
回答のあった29社のうち、懲戒処分としない制度が「ある」と答えたのは7社だった。
東急電鉄(東京)は「ヒューマンエラーで迅速かつ、正確な報告には責任追及しない」と回答。
福岡市交通局は「自発的に報告しやすい環境を整えることで、安全指導や教育が効果的となり、再発防止につながる」としている。
一方、制度が「ない」と答えた複数の事業者の中でも、西武鉄道(東京)は「ヒューマンエラーの内容・状況により個別に処分の有無を判断している」。
阪神電鉄(大阪)は「日ごろから小さな情報を収集し、事故の芽をなくすようにしている」と答え、リスク管理に努めているとした。
JR西では脱線事故前、オーバーランなどのミスをした乗務員らへの再教育「日勤教育」を実施。
反省文を作成させるなど「見せしめ」の意味が強かったとされる。
国の航空・鉄道事故調査委員会(当時)は運転士による速度超過などが事故の原因としたうえで、「厳しい運転士の管理方法が関与した可能性がある」と指摘した。
JR西は事故後、軽微なミスについて懲戒処分の対象から外し、2016年からは事故が起きた場合も含めて処分しない制度を導入している。
懲戒処分としない事業者でも、悪意があったり故意だったりするケースは例外としている。
https://mainichi.jp/articles/20250423/k00/00m/040/057000c
2025年4月17日5時0分にYAHOOニュース(読売新聞)から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
中川町のJR宗谷線天塩中川―問寒別間で8日早朝に普通列車が脱線した事故で、JR北海道は16日、線路の下を横断する排水管が詰まって雪解け水が排水できず、地盤が緩んで崩れた可能性が高いと発表した。
JR北によると、事故後の調査で、現場付近の線路の盛り土が2か所にわたって計約90メートル崩れていたことが判明した。
山側から流れる雪解け水を排水するため、線路の盛り土の下に排水管を埋設しているが、入り口が石や木片などでふさがっていた。
JR北は、排水できなかった水が線路のそばにたまり、その水が盛り土にしみこんだ結果、地盤が緩んで崩れたとみている。
排水管の定期検査は2年に1回で、前回2023年6月の検査で異常はなかったという。
対策として、 堆積 物をせき止める鉄パイプを山側に並べて排水管の閉塞 を防ぐほか、盛り土にしみこんだ水を抜くパイプを設ける。
運転再開は26日以降を目指しており、その間は旭川―稚内間でバスによる代行輸送を行う。
https://www.yomiuri.co.jp/local/hokkaido/news/20250416-OYTNT50317/
4月16日13時13分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、現場付近には直径60㎝の排水管6本があり、そのうちの1本が詰まったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月8日、JR宗谷線で盛り土が崩落し普通列車が脱線した事故。
雪解け水で地盤が緩んだためとみられていますが、線路下に設置された排水管に木や石が詰まり、山側の水を排水できなかったことが原因となった可能性があることが分かりました。
排水管は直径60センチ長さ17メートルで、現場付近にあった6本のうち1本が詰まり、山側に水がたまっていたということです。
JR北海道は、水をポンプでくみ上げるなどして復旧作業を進めていますが、運行再開は26日以降となる見通しです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d58e4aff0d8b11ca5b6013912c7a73a0ccd1aa7
4月16日21時53分にYAHOOニュース(北海道放送)からは、類似場所点検結果、道内11か所で水が溜まっていたが、直ちに盛り土に影響するものではなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
脱線の原因についてJR北海道は、事故後の調査で、線路の山側にある沢の雪どけ水などを、川の方向に流す排水管の一部で、木のかけらや石、枯れ草などが管の入り口に詰まり、線路の周辺に水が大量にたまっているのを確認しました。
たまった水が盛り土の中に浸透し、広範囲で崩落したことが、脱線につながった原因と推定されると説明しています。
JR北海道は、今回の現場と似た構造の場所の点検を始め、4月15日までに北海道内の11か所で水がたまっている場所があることを把握しましたが、ただちに線路の盛り土に影響するものではないことを確認したと説明しています。
JR北海道は、運転を見合わせている音威子府~稚内間について、線路の復旧と、盛り土の排水を良くする水抜きパイプの設置などの対策工事を進め、4月26日に運転再開を目指す計画です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/97e92ed8ed5a4e38857f1223555cc6cfec8da1ed
2025年3月26日11時43分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運行トラブルが相次いできた熊本市電で25日、市電の車両同士が追突事故を起こし、7人のけが人が出た。
熊本市中央区の「熊本城・市役所前」電停で午前8時半ごろ、前方に停車していた車両に後から来た車両が衝突。
レール上にはオイルが付着して滑ったあとがあり、国の運輸安全委員会が現場を保全して事故原因の調査に入った。
市交通局によると、乗客26人を乗せて電停に停車していた車両に、後ろから31人を乗せて来た車両が追突した。
搬送された乗客6人は20代~50代の男女で、後続の車両に乗っていた。
2人が肋骨(ろっこつ)を折り、2人が足を縫う手術を受けた。
ケガをした運転士は40代で、先行車に乗っていた。
レール上のオイルは左右両方にあり、市交通局では市電の車両から漏れた可能性が高いと見ている。
疑われているのは、車両の老朽化だ。
熊本市電は45編成を保有しているが、半数が製造から60年以上経過している。
追突事故を起こした2両も1950年代の製造で、市が耐用年数の目安とする30年を大幅に超えている。
市交通局は、車輪の軸受けやブレーキ系統にオイルを使っている14編成の緊急点検に入った。
残りの車両で折り返し運転をすることで、一部区間の運行を再開した。
熊本市電では昨年も年間16件の事故やトラブルが起きた。
年末にはレール幅の広がりから脱線事故が起き、レールも古さが指摘されている。
全線12キロのうち4割が設置から30年を超えており、交換を急いでいる。
荒木・運行管理課長は「安全対策を進めるなかで重大事故を引き起こし、大変に申し訳なく、重く受け止めている」と陳謝した。
https://www.asahi.com/articles/AST3T52X4T3TTIPE005M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
3月26日9時0分に読売新聞九州版からは、追突車両は先行電車との距離が100m以下になっても内規を超えた時速27kmで走行し、50m手前でブレーキを、20m手前で非常ブレーキをかけたが、減速できずに時速17kmで追突した、運転士はブレーキの利きが悪かったと話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市交通局では、先行車両との距離が100メートル以下になった場合、時速15キロ以下に減速するよう内規で定めていた。
追突車両は時速27キロで走行し、約50メートル手前でブレーキ、約20メートル手前で非常ブレーキを操作したが減速せず、時速17キロで衝突した。
市は重大事故として国土交通省九州運輸局に報告し、同局は再発防止策に万全を期すよう文書で警告した。
市交通局は記者会見で、衝突地点から約60メートル手前までレールに油のようなものが付着していたと明らかにした。
運転士は「ブレーキの利きが悪かった」と話しているという。
同局は通常なら止まれる距離だったとしており、油のようなもので滑った可能性に言及した。
市電車両の3分の1はブレーキ作動に油を使っており、これらの車両から漏れ出た可能性があるという。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250326-OYTNT50041/
(2025年4月5日 修正1 ;追記)
2025年4月4日20時1分にYAHOOニュース(テレビ熊本)からは、熊本市電では6割の車両に速度計が設置されていない、国は運転士の国家試験項目に速度認識技能が入っているからと現状追認、他の都市の路面電車でも速度計のついていない車両は結構あるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
■熊本市電全車両に「速度計」設置を検討
熊本市電の事故では、追突した電車が「100メートル以内に前の電車がいる場合には時速15キロ以内に減速する」としている国の規則に違反した可能性があります。
法律などでは路面電車に速度計の設置を義務付けていません。
しかし、今回の事故で追突した電車には速度計が付いていなかったことから、熊本市の大西市長は3日、すべての電車へ速度計の設置を検討すると表明しています。
■大臣 「国家資格で技能を定期的に確認している」
一方、中野大臣は4日の閣議後の記者会見で、「路面電車を運転する国家資格では、どの程度の速度で走っているかを速度計を見ずに認識する技能や、前との距離を認識する技能が備わっていることを定期的に確認している」として、現状の制度を追認する見解を示しました。
そのうえで「今回の事故を受けて行われている国の運輸安全委員会の調査結果も踏まえて、輸送の安全確保に必要な対応をとっていく」と述べました。
■「速度計」と「運転士の肌感覚」専門家の見解
熊本市交通局では、運行している車両(全45両)のうち19両に速度計を設置していて、設置率は約42%です。
速度計がない車両の速度は「運転士の肌感覚」によって制御しています。
鉄道の安全管理に詳しい関西大学の安部誠治名誉教授(72)は、「速度計を設置せず、速度制御を人間の感覚に任せるのは、安全管理上、適切ではない」として、早急な設置が望ましいとしています。
また、路面電車に速度計の規定がない理由については「路面電車は100年以上の歴史があり、現代とは異なる交通事情の中で導入された規制が、現在も残っているためだろう」と分析しています。
■他の都市では?全国の事業者に聞く
RKKは、全国で運行されている路面電車のうち12の事業者に「速度計の設置状況」を取材しました。
他にも「後付けした車両があるか」や、速度計がない車両がある場合は「速度の判断方法」「車両の運行条件」など、合計4つの項目について確認しました。
そのうち、未回答の項目も含めて9事業者から得た回答と、熊本市電の状況は以下の通りです。
■「路面電車」10事業者と「速度計」の設置状況
【熊本市交通局】
約42%(45両中19両) 運転士の肌感覚
【長崎電気軌道】
約15%(68両中10両) 運転士の感覚で判断 感覚の維持修正のため速度感養成研修を毎年実施
【鹿児島市電】
約54%(55両中30両) 技能教育訓練において、速度観測・制限の訓練を実施 速度の判断ができるようにしている
【広島電鉄】
「設置割合は非公表だが、設置していない車両もある」
【富山地方鉄道】
約67%(30両中20両) 経験則で判断
【札幌市電】
100%(36両)
【函館市電】
100%(32両)
【宇都宮ライトレール】
100%(17両)
【東京都電 荒川線】
100%(33両)
【とさでん交通】
非公表
速度計の設置率が「100%」と回答した事業者のうち、「東京都電 荒川線」を運行する東京都交通局や、「札幌市電」を運行する札幌市交通事業振興公社は、「後付けで設置した車両もある」と回答しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/517c71f80144968d190eec18cd3f86801b4a8e75
4月4日20時1分にYAHOOニュース(テレビ熊本)からは、運転士の中にも速度計があった方が心強いという声があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の事故によって市は、車両への速度計設置を検討する方針を明らかにしました。
【尾谷キャスター】
「こちらは2009年製造の比較的新しい車両の運転席です。
たくさんのスイッチがありますが、真ん中に速度計があります。
運転する人の視界に常に入る位置に設置されています」
「一方、こちらは追突した車両と同型の運転席。
運転席自体が狭い空間です。
ブレーキレバーなどありますが、速度計は見当たりません」
市交通局によりますと、速度計が設置されているのは1982年以降製造の車両で、保有する45編成のうち19編成に速度計はありません。
【市交通局運行管理課 荒木課長】
「軌道法上、設置しないといけない義務はないということです。
もともと免許を取るときに速度感覚も試験項目に入っており、そこでまず運転のスピード感覚はプロとして把握できるということを確認している」
免許取得後も運転士に対しては、局内で実務検定を毎年実施して確認、追突した車両の運転士はいずれもクリアしていました。
【荒木課長】
「運転士の補助的なものとしては生かせると思っていますので、積極的につけていく方向で検討したいと思っています」
市交通局は大西市長の指示も受け、今後古い車両への速度計設置を検討する方針です。
今回の事故で追突した車両は1956年製で、速度計はついていませんでした。
市交通局によりますと、運転士の中にも「速度計があった方が心強い」という声があるそうです。
これまで人の感覚に頼ってきた運転技術。
ここへきて、さらなる安全性の確保が求められていると言えそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/caac54958f6ce8790a994839a9f857f019e82780
2025年3月16日11時57分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が外れた蓋の写真付きでネット配信されていた。
15日午前10時半ごろ、愛知県内を走行していた東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ317号」の16号車の窓ガラスにひびが入っているのを乗客が見つけた。
JR東海によると、16号車の乗客約60人は別号車に移動し、列車は一時、速度を落として走行したという。
乗客にけがはなかった。
同社が設備点検をしたところ、豊橋―三河安城間にある坂野坂トンネル内の線路脇にある信号・通信ケーブルを覆うふたが外れているのがみつかった。
ふたは縦約30センチ、横幅約40~60センチ、厚さ約3ミリ、重さ約4キロの鉄板。
このトンネルでは12日から13日朝にかけて通信設備関連の工事を行っていたが、その際にふたを固定するボルトの締め付けが不十分だったという。
列車が通過する際の振動や風でふたが外れてはね上がり、窓ガラスに当たったとみている。
https://www.asahi.com/articles/AST3J0TFFT3JOIPE001M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
2025年3月6日21時20分に読売新聞から、下記趣旨の記事が連結器外れ状況の模式図付きでネット配信されていた。
東北新幹線が走行中に連結器が外れたトラブルを受け、JR東日本の池田・新幹線統括本部長が6日、東京都内で記者会見し、「列車の運行においてあってはならない重大な事態を引き起こし、新幹線の信頼を大きく損なってしまった」と謝罪した。
東北新幹線は昨年9月にも同様のトラブルがあり、乗客の信頼を揺るがす事態となっている。
この日連結器が外れた「こまち」はJR東が、「はやぶさ」はJR北海道が所有している。
昨年9月のトラブルでは、連結器を強制的に分離するスイッチの裏側から金属片が見つかり、この金属片の影響でスイッチが誤作動した可能性が高いことが判明。
今回の2編成を含めた連結運転を行う新幹線全96編成の点検を実施していた。
JR東が連結が外れたこまちを点検したところ、連結器に破損はなかったが、電気系統に不具合があり、分離動作が行われた形跡が確認されたという。
池田本部長は前回とは異なる原因との見方を示した上で、「こまち側にある可能性が高いとみている」と述べた。
分離した「こまち」と「はやぶさ」は緊急停車から約3時間後、別々に大宮駅(さいたま市)まで移動。
乗客は後続列車に乗り換えるなどして目的地に向かった。
今回のトラブルで東北新幹線など計277本に運休や遅れが生じ、約15万3000人に影響が出た。
日本大学の綱島均・特任教授(鉄道工学)は、「立て続けに2度も新幹線が分離するトラブルが発生するのは異常事態。信頼回復には徹底的な原因究明と対策が必要になる」と指摘した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250306-OYT1T50196/
3月7日21時28分に読売新聞からは、昨年のトラブルと同じ事業者、同じ車両形式だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は8、9日も異なる編成をつなげる「連結運転」を取りやめる。秋田新幹線は盛岡―秋田駅、山形新幹線は一部を除いて福島―新庄駅で折り返し運転し、東京方面との直通を中止するなどしたため、輸送力は1日約2万7000席減少。東北新幹線は7日朝から激しく混雑した。
JR東によると、7、8日の連結運転の取りやめによる運休・区間運休は山形、秋田両新幹線で1日あたり計60本以上。乗客は福島、盛岡両駅で乗り換えが必要となる。東北新幹線でも一部で車両数を減らして運行している。JR東は自社による原因調査と対策の実施が済むまで、連結運転を中止する。
一方、運輸安全委員会は7日、連結の外れた車両が収容されたJR東の新幹線総合車両センター(宮城県利府町)などに鉄道事故調査官3人を派遣し、原因の調査を始めた。異常の起きた連結器や運転状況の記録データの確認を進める。
足立雅和調査官は同センター前で報道各社の取材に応じ、「(昨年9月のトラブルと)同じ事業者、同じ車両形式で起きた点に注目している。原因を解明し、二度と起こらないよう対策を提言したい」と語った。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250307-OYT1T50205/
2025年3月6日17時49分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前11時すぎ、南部の長万部町の室蘭線で、小幌駅と静狩駅の間のトンネルを走行していた札幌発函館行きの特急「北斗」6号の運転士が異音に気づいて列車を停止しました。
その場で車両点検を行ったところ、乗客や乗務員にけがはなく、列車はそのまま走行できる状態だったことから運転を再開したということです。
JR北海道によりますと、その後の現地調査で、この特急列車の先頭車両が、「軌道自動自転車」と呼ばれる保線作業員の移動のため線路の上を走る動力付きの自転車と接触したことが分かったということです。
この動力付きの自転車は4日使用されたあと、列車が通るトンネルと接続する「連絡坑」と呼ばれる別のトンネル内に保管されていたということです。
JR北海道は、何らかの原因で動力付きの自転車が動き出し、一部が線路にはみ出して特急列車と接触したとみて、当時の状況や原因を調べています。
JR北海道をめぐっては、◇去年11月に函館線の砂川駅構内で安全管理を怠ったまま保線作業を行った上、社内で虚偽の報告がされていたとして、北海道運輸局が臨時の保安監査を行っているほか、◇去年12月からことし1月にかけて、列車の運行を管理する輸送指令や駅の承認を得ずに除雪作業を行っていた事案が明らかになるなど、安全管理体制が厳しく問われる事案が相次いで明らかになっています。
【JR北海道が記者会見】
JR北海道工務部の向井副部長は記者会見で「ご心配をおかけしていますことをおわび申し上げます」と陳謝しました。
JR北海道の会見によりますと、特急列車と接触した「軌道自動自転車」と呼ばれる保線作業員の移動のため線路の上を走る動力付きの自転車は、当時、列車が通る上りと下りのトンネルを接続する「連絡坑」と呼ばれる別のトンネル内に保管され、上り線に近い場所にあったとみられるということです。
接触のあと現場付近を調べたところ、連絡抗の下り線側にある扉が開いた状態になっていて、JR北海道は下り線を別の列車が通過した際に風圧によって「軌道自動自転車」が上り線の線路に押し出された可能性があるということです。
JR北海道で安全管理体制が厳しく問われる事案が相次いで明らかになっていることについて、向井副部長は「起こったことは事実と受け止めて、いっそうの指導をしていきたい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20250306/7000073842.html
3月6日16時27分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、当該自転車はつららを落す作業に使っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は3月6日に会見を開きました。
以下は会見で明らかにしたことです。
・つららを落とす作業で軌道自動自転車を使っていた。
・直近で使い終わったのは3月4日の朝。
・当該車両は切り替え状態で手押し状態になっていた。
Q.手押し状態になると動くのか?
A. 「風でも動く可能性がある」
Q.慣例で決まっていることは?
A.「ギアを入れた状態で留置をすることになっている」
「車輪止めを置くことになっている」
・連絡坑の扉が、通常は締まっているが、開いていた。
・下り線の列車が通過した時の風圧で上り線に置いてあった軌道自動自転車が押された可能性がある。
・連絡坑には軌道自動自転車が3台あった、そのうちの1台が出て行ってしまった。
JR北海道は「必ず扉を閉める」など対策を徹底するとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c4b403a6f12ab74a6ceb68593592012ff3274c50
3月6日18時55分にYAHOOニュース(HTB)からは、自転車はトンネル内の連絡通路に、通常は動かないようにして保管しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は夕方に会見を開き、自転車はトンネル内の連絡通路に保管されていて、事故当時扉は開いていたということです。
JR北海道鉄道事業本部 向井副部長:
「通常は扉が閉まっています。今回は扉が開いているのが分かっていて、下り線に列車が通った時の風圧で上り線の横にあった軌道自動自転車が押されたのではないか。」
通常、自転車はタイヤに留め具を入れるなどして動かないように保管しているということです。
JR北海道は人為的なミスの可能性もあるとして原因を調べるとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e48291a19b55482b25458bc510428b12104f31db
(ブログ者コメント)
東北新幹線での硫酸漏洩事故は本ブログでも紹介している。
2025年2月25日17時59分に時事通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東北新幹線の車内で2023年、ペットボトルから漏れた硫酸で乗客がやけどを負った事故を受け、JR旅客6社は25日、列車内への危険品持ち込み規制を強化すると発表した。
一定の条件で持ち込み可能だった硫酸や塩酸は4月以降、バッテリー液やトイレ洗浄剤といった日用品以外は持ち込み不可とする。
これまで国鉄時代に制定した旅客営業規則に基づき、破損しない密閉容器に入れていれば、硫酸や塩酸といった強酸類は500ミリリットル以内であれば持ち込み可能としていた。
しかし23年10月、地質調査会社社長が東北新幹線車内に持ち込んだ硫酸が漏れ、男児や両親がやけどを負う事故が発生。
列車内に持ち込める危険品を、小売店で購入できる製品などに限定する必要があると判断した。
2月25日17時12分に産経新聞からは、国交省の改正ガイドラインに基づき規制が強化された、国交省は万博テロ対策も見据えJRをモデルケースとするよう他の鉄道事業者に通知したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東北新幹線の車内事件を受け、国土交通省は今年2月、「鉄道テロへの対応ガイドライン」を改正。
JR各社は危険物の分類方法を見直し、硫酸と塩酸、他の物質と混ざると爆発の恐れがある「さらし粉」の3種類を新たに指定した。
国交省によると、鉄道事業者は省令に基づき、危険物に関するルールを策定。
JR東日本の場合、強酸類は原則禁止だが、密閉した容器に入れて破損しないようにした上で、0・5㍑以内であれば「手回り品」として持ち込みを認めている。
一方、国交省は25日、4月に開幕する大阪・関西万博のテロ対策も見据え、列車内の持ち込み品に関するJR6社のルール改定をモデルケースとして、他の鉄道事業者も導入を検討するよう通知した。
https://www.sankei.com/article/20250225-BRBFIVQW55HWLDPENN6QGR6N5M/
2月25日15時17分にImpress Watchからは、同様の見直しを行っている私鉄名など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JRグループや私鉄各社は、火薬類や毒物など「危険品」の列車内への持ち込み規制を4月1日より強化する。
現在は列車内への持込みを認めている一部 「危険品」の持込みが禁止される。
同社では、可燃性液体、高圧ガス、火薬類、毒物、農薬などの「危険品」の列車への持ち込みを、運送約款により原則禁止にしており、4月1日より運送約款に規定している 「危険品」の項目および分類方法などを見直す。
見直し内容では、例外的に手回り品として列車内に持ち込める「危険品」を、鉄道運輸規定(昭和17年2月鉄道省令第3号)で認められているもの、および日常の用途に使用する小売店などで通常購入できる製品に限定する。
これにより、現在は列車内への持込みを認めている一部の「危険品」の持込みが禁止される。
具体的には硫酸・塩酸で、密閉した容器に収納している場合であっても、バッテリー液やトイレ用強力洗剤等の日用品を除き、一切持込み禁止となる。
また、可燃性液体そのものは引き続き一切持ち込み禁止とする。
今回の見直しは、国土交通省が定めている 「鉄道テロへの対応ガイドライン」において、JRグループの見直し内容がモデルケースとして示されており、同省から全国の鉄道事業者に対して周知。
これを参照して必要に応じて運送約款の見直しを実施することが推奨されている。
この周知を受けて、私鉄各社でも同様の見直しを行なっている。
JRグループのほか、東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京急電鉄、東京メトロ、相模鉄道、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、南海電鉄、京阪電鉄、阪急電鉄、阪神電鉄、西日本鉄道、札幌市交通局、仙台市交通局、東京都交通局、横浜市交通局、名古屋市交通局、京都市交通局、Osaka Metro、神戸市交通局、福岡市交通局などが対応する。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1665449.html
2025年2月9日15時59分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR各社で、夜間の営業終了後や運行の合間を縫って実施してきた線路の保守作業について、日中に路線を運休して集中的に行うケースが広がっている。
作業員の人手不足が問題となる中、仕事を続けやすい環境を整える狙いがある。
「保守工事で運休だとは思わなかった」。
山口県周南市のJR徳山駅で昨年12月26日、岩徳線に乗車しようとした同県防府市の女性(71)は戸惑いの表情を見せた。
JR西日本の岩徳線岩国―徳山間では、同11月から2月7日までの平日15日間の午前9時半~午後4時、レールや枕木の交換を集中的に行った。
この時間帯の列車上下各2本は各日、運休した。
女性は老人ホームで暮らす母のもとを訪ねる予定だったといい、「あきらめるか、バスを探します」と話した。
JR西によると、2019年頃から同様の取り組みが本格化した。
当初は中国地方が主だったが、福井県を中心とする小浜線などにも広がり、昨秋は京都府などの関西線や、滋賀県などの草津線でも実施した。
昼間に運休しても影響が限定的なローカル線が中心だ。
背景にあるのは、人手不足だ。
24年度の社員数は2万4300人と、10年前の3万170人から約2割減少。
保守作業を行う要員も減っている。
人員数に応じ、効率的に作業を進めるため日中に行うことにした。
不規則な勤務を減らして労働環境を改善し、離職を防ぐ狙いもある。
明るい時間帯に作業するため、ミスや事故の防止にもつながるという。
沿線住民らを対象にした作業の見学会も積極的に開催している。
JR西は「お客様にご迷惑をおかけすることになるが、理解してほしい」としており、実施線区の拡大を検討している。
JR九州は10年度頃から、JR北海道も19年からそれぞれ、運休を伴う昼間の工事を行っている。
JR四国は、2月12日から、愛媛県南部の予讃線八幡浜―宇和島間で初めて行う。
平日の5日間、各日特急・普通計14本を運休させ、敷石の交換や線路沿いにある樹木の伐採を行う。
関西大の安部誠治名誉教授(交通政策論)は「線路設備の維持管理は、鉄道の安全を守る上で極めて重要だ。作業員の高齢化や人手不足が深刻化する中、夜間の作業を日中に置き換えるだけでなく、ロボットなど最新技術を有効に活用していくことが求められる」と指摘する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250209-OYT1T50044/
2025年2月4日8時0分にYAHOOニュース(読売新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
通勤・通学など、日々の移動に欠かせない電車で今、不安な出来事が起きています。
JR中央線・総武線の『中野南乗務ユニット』に所属する運転士らの間でナゾの体調不良が相次ぎ、“中電病(なかでんびょう)”と揶揄される事態に。
オーバーランなどのミスが続出していますが、多くの運転士に共通するのが、「記憶が曖昧」という供述です。
一体、何が・・・?
■深刻な事態招く恐れも…目撃者が語る“中電病”の実態「魂が抜けた人形のようだった」
今、JR中央線・総武線の三鷹⇔千葉間で、運転士の体調不良が相次いでいます。
中でも、『中野統括センター中野南乗務ユニット』に所属する運転士の乗務中断が急増。
今年度だけで19件、2024年11月までの3年間で43件も起きています。
一方、千葉にある『津田沼統括センター乗務ユニット』は、今年度2件のみとなっています。
2024年11月20日、停止位置の7m手前で停止してしまった『中野南乗務ユニット』所属の運転士は、「睡魔に襲われ、居眠りしてしまった」と話しました。
その翌日には、別の所属運転士が体調不良で運転士交代となり、20分間の運転停止に。
他にも、「意識が朦朧とした」「速度の感覚が鈍くなった」「記憶が曖昧(多くの人で共通)」といった供述もあり、オーバーランが多発しています。
これらの状況を目撃した社員は、「魂が抜けた人形のようだった。目の焦点が合っていなかった」と話しているということです。
実際に取材した『中野南乗務ユニット』所属の運転士(40代)は、「家に帰って、寝て起きたら、当時の記憶が断片でしかなかった。同様の体調不良で、オーバーランを2回してしまった。血液検査・MRI・脳波の検査をしたが、異常はなかった。持病や、服用している薬はない」と話していました。
所属運転士からは、「職場の飲み水に睡眠成分でも混入されているのでは?」という不安の声が出ています。
そして、中野南乗務ユニット(旧『中野電車区』)は通称“中電(なかでん)”といわれていたことから、運転士らの間で“中電病”と囁かれているということです。
Q.体調不良を訴えた運転士のほとんどに、持病はないそうですが…。
『読売テレビ』野村解説委員)
「これは、『不思議』だけでは済まされません。
乗客の命を預かる鉄道業で、運転士がオーバーランをしているというのは、過去には大事故に繋がったケースもあります。
JR福知山線脱線事故でも、後々調べたらオーバーランが何回かあったとか、そういう話も出てきました」
■水質調査や空気成分測定も異常なし、勤務体制については意見割れるも「共通の原因は見つからず」 神主を呼び安全祈願も…
厚労省も、特定の職場で体調不良が相次ぐ事例は過去にないとしています。
原因特定は困難ですが、一般論として考えられる理由として、産業医で関西福祉大学の教授・勝田吉彰氏は「勤務体制の問題や、建材・内装材・家具から放散される化学物質による眠気や体調不良の可能性もゼロではない」との見解を示しています。
JR東日本も、2024年夏から調査を開始。
しかし、水道やポットなどの水質調査は異常なし、空気成分も測定しましたが異常なし、さらに神主を呼んで安全祈願までしましたが、その後も5件発生したということです。
他にも、ベッドやロッカーを交換や壁紙の張り替えまで行い、産業医を交えた対策チームを発足させました。
ただ、勝田氏も指摘した勤務体制については、労働組合側と会社側で意見が分かれています。
労働組合によると、2019年に勤務制度が改正され、日勤の拘束時間が10時間から1時間延びて11時間に、泊まり勤務は20時間から2時間延びて22時間になりました。
また、泊まり勤務では、車両の点検やベッドメークで実質4時間の仮眠しか取れていないということです。
そして、2020年にジョブローテーション(配置転換)ができて経験の浅い人も入るようになり、経験の浅い人をベテランが支える形で人員不足なども起きたため、休日出勤が増加したと主張しています。
一方、JR東日本は、「勤務制度は改正されたが、乗務距離や拘束時間はほとんど変更なし」「ジョブローテーションはあったが影響はない」と主張しています。
ただ、体調不良の原因については、労働組合は「労働環境の変化とみているが不明」、JR東日本は「ここ2か月弱は発生しておらず、共通の原因は見つかっていません。お客様に迷惑をかけたのは事実。迷惑をかけないのが弊社の務めです」と話しています。
Q.過密なダイヤの中、日々動いている電車で、原因がわからない体調不良は怖いですね?
(野村解説委員) :
「社内で協議して、偉い人が決裁して、『神主も呼ぼう』というところまで深刻に考えているんだと思います。
だとすれば、組合側の言い分や線路のカーブなど、そういう細かい違いについても考えているでしょう。
ただ、いまだに科学的に全然わからないとなっているわけだから、もっと調べる必要があると思います」
安心安全であるべき電車で起きている、謎の体調不良。
一刻も早い原因究明が待たれます。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年1月17日放送)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ee442dcfbb0c40122a31a825d60afd34d96f742
2025年2月1日7時26分に読売新聞から下記趣旨の記事が説明図付きでネット配信されていた。
北海道砂川市のJR函館線砂川駅の上り線で昨年11月、走行中の貨物列車(20両編成)が直前に線路上にいた保線作業員3人に気づき、緊急停止したことが31日、JR北海道への取材でわかった。
作業員はいずれも待避して無事だったが、列車は作業員がいた地点を過ぎてから止まった。
作業員はJR北の社内規定を守らずに作業し、列車の接近を知らせるのに不可欠な見張り役も配置していなかった。
重大事故につながりかねず、専門家は組織としての安全意識の低さを指摘する。
走行中の列車と現場作業員が異常接近するトラブルは「待避不良」と呼ばれる。
読売新聞が入手したJR北の事象報告書などによると、待避不良が起きたのは昨年11月9日午前1時40分頃。
北旭川発札幌貨物ターミナル行きの貨物列車が通過のため砂川駅に進入した際、運転士は約400メートル先の駅構内の線路上に作業員3人がいるのを発見し、汽笛を鳴らして非常ブレーキを作動させた。
作業員は気づいて線路を離れたが、列車はそのまま走り続け、作業地点から約100メートルを過ぎてようやく停車した。
社内規定では、線路内に立ち入って作業をする際、列車が前の駅を通過・出発する時間までに待避するよう定めている。
砂川駅の待避不良では、列車が滝川駅を通過する時刻の午前1時31分には線路を離れる必要があったが、作業員は「接近時間を失念していた」と説明。
列車は時速85キロで走行し、作業員は約17秒前に気づいたことになる。
当時は線路の間に設置した「絶縁ブロック」という部品を交換し、仕上げの作業をしていたという。
また線路内の作業では、前方と、隣の線路を監視する「列車見張員」「隣接線見張員」をそれぞれ配置し、列車見張員は無線で作業員に列車の接近を伝えるとともに、作業中を知らせる赤色のLEDライトを点灯させる決まりになっている。
だが砂川駅では見張員がゼロで、LEDライトも設置していなかった。
理由について、作業員は「マニュアルで定められた保安体制を取るより、作業を(効率よく)遂行することを優先してしまった」と釈明。
さらに「函館線は夜間の貨物列車の本数が少なく、見張員を配置しなくても接近時間が把握できると思った」と述べたという。
JR北は「作業員の命を失いかねない事態で、ルールが守られていない中で起きたことは重大だと受け止めている。これまでもルールを守る重要性について指導をしてきたが、引き続き徹底する」とコメントした。
国土交通省は「鉄道事故等報告規則」で脱線事故や衝突事故、輸送障害などがあった場合、鉄道事業者に報告を義務づけている。
同省北海道運輸局は、今回の砂川駅の待避不良は該当しないことから、JR北やJR貨物から報告は受けていないとしている。
■死傷事故 全国で
全国では、保線作業員が列車にはねられて死傷する事故が相次いでいる。
昨年12月には浜松市のJR東海道線高塚駅近くの線路で交換用レールを溶接していた作業員が貨物列車にはねられ、死亡した。
2023年4月にも富山市の富山地方鉄道で、枕木の下に砂利をまいていた作業員が列車と接触し、亡くなっている。
■仰天するような大問題
日本大の綱島均・特任教授(鉄道工学)の話 :
「見張員を配置しないなど基本ルールが全く守られていないのは大問題だ。
仰天するような話で、他の鉄道事業者でも聞いたことがない。
ヒヤリハットというレベルを超え、重大インシデントに該当しかねない事案で、JR北は安全に対する姿勢が足りないと言わざるを得ない。
現場任せにせず、安全の取り組みが実効性を持って行われているか総点検すべきだ」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250201-OYT1T50043/
2月2日14時43分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、作業中を示すLEDライトもつけられていなかった、岩見沢駅でも類似ヒヤリがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
JR北海道の社内規定では、列車の接近を確認する監視員の配置やLEDライトをつけて作業中であることを示すことが義務付けられていますが、当時はいずれも実施されていませんでした。
この事案を受けての社内調査に対し、作業員は当初、「道具を忘れて取りに戻った」という旨の説明をしていましたが、一転して、「実際は、そのまま保線作業をしていた」と説明内容が変わったため、同社は理由を詳しく調べています。
また、2024年8月4日深夜~5日未明にかけての岩見沢駅~峰延駅間の保線作業の際にも、現場の責任者が誤って線路の閉鎖を解除し、作業中にも関わらず、約20分間列車が走行できる状態になっていました。
このとき列車の通過はありませんでしたが、責任者がすべての作業が終了したと勘違いしたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ddfff866a2bf668bf01d25659a20e29fde49e07
(2025年2月13日 修正1 ;追記)
2025年2月12日16時3分にYAHOOニュース(HTB)からは、工具を取りに戻ったという虚偽報告の口裏合わせを上司が作業員全員に指示していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づきタイトルも修正した)
道運輸局は12日、臨時の保安監査に入りました。
午後1時すぎからJR北海道の本社で始まり、安全管理体制などの確認が行われています。
・・・
その後の社内調査に対し、保線作業員が「工具を忘れたので取りに戻った」と虚偽の報告をしていたことが発覚。
さらに虚偽報告の発覚を恐れた上司が、作業員全員に対し虚偽報告の内容が正しいとするよう伝えたうえ、辻褄を合わせるため現場報告書の内容を改ざんしていたことなども明らかになりました。
鉄道事故に詳しい専門家は、安全管理に対するJR北海道の姿勢を厳しく批判します。
鉄道工学リサーチセンター 綱島副センター長) :
「絶対にやってはいけない、それによって保安監査が入るので非常に重大な問題であると認識」。
JR北海道に対する道運輸局の臨時保安監査は、レール検査データの改ざんが発覚した2013年の貨物列車脱線事故以来です。
綱島副センター長) :
「世の中から非常に厳しい目で見られているそういうことを経験している会社なんです。
手順から逸脱しているのはわかりながら、現実はこうしないと作業ができないからやっていたということを、上層部が理解していなかったこともあるのかもしれない」。
JR北海道で何が起きているのでしょうか。
現役の社員がHTBの取材に答え、保線現場の人手が足りていない現状を明かしました。
JR北海道社員) :
「現場の人が足りないのは実態ですが、若手が育たないから人数的にいてはいても戦力になる人は少ない」。
12年前の脱線事故を教訓に開かれている社員向けの安全教育についても、実効性がないと話します。
JR北海道社員) :
「表向きはやっていますよというだけで社員に浸透していないのが事実。
みんな面倒くさくて行きたくないって言っている。
根本的に幹部が変わらなければ現場は終わりますね」。
JR北海道は今回の臨時保安監査について、このようにコメントしています。
「全面的にご協力し、いただいた指示などを真摯に受け止め、今後の対策に生かしたい」。
道運輸局は、今回の監査結果や報告などを踏まえ、厳正に対処していくとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fce1c9031da77173973559bfbb20a0fed438396e
1月25日に起きたJR七尾線の列車火災。
幸い乗客にけが人はいませんでしたが、七尾線は7時間半にわたり運休しました。
原因は運転士の操作ミスだとわかりましたが、なぜあそこまでのトラブルにつながったのでしょうか。
実は事故があった区間特有の問題がありました。
1月25日土曜日の午後に発生した、JR七尾線、中津幡駅での列車火災。
乗客およそ150人にけがはありませんでしたが、屋根の一部を焼き、七尾線は普通列車17本・特急列車5本の合わせて22本が運休、およそ1710人に影響がありました。
この映像は発生からおよそ8時間後、救援列車に連れられ金沢駅に入線した事故車両です。
撮影した人によると、列車の屋根に着いている機械が溶けていて、焦げ臭かったそうです。
JR西日本がおととい発表した事故の原因、それは…
記者:
「JR七尾線では津幡駅から中津幡駅の区間に電流を切り替える区間がありますが、運転士は手動での切り替えを失念していたということです」
JRが発表した事故の原因は、交流と直流の切り替え操作のミスでした。
そもそも、なぜ電流を切り替えなければならないのでしょうか?
実は北陸線の電源は交流。
しかし交流の路線はコストがかかるため、七尾線などは、直流電源で走っています。
そのため北陸線と七尾線の接続部分にあたる津幡駅ー中津幡駅間に交流と直流を切り替える区間があるのです。
運転士が切り替え操作をしなかったことで屋根の上の機器に大きな電気が流れ出火したと見られています。
火災が発生した津幡と中津幡の区間を撮影した映像です。
うるさいくらいに交流と直流の切り替えをするようスピーカーから流れています。
さらに画面にも…
なのになぜ、切り替え忘れてしまったのでしょうか?
岩谷さん:
「もう中津幡の駅がまじかに迫っているから次のドアはどっちだっけとかお客さんが何人止まっているんだろうとか前に踏切があるけどなにか障害物ないかなとかいろんな確認をしながらの運行なので、相当神経を使うことは否めないです」
こう話すのは、小松市で列車保全などの活動を行う、鉄道に詳しい岩谷さんです。
岩谷さんが見せてくれたのは特急列車の運転席。
岩谷さん:
「もう一つ忘れないようにということでセクションを通過する前に表示が必ずあります。どこにあるかというと運転時刻表です。」
さまざまな注意喚起がある中で起こってしまった操作ミス。
実は同様のミスは、同じ区間で2016年にも発生していました。
さらに、おとなり、福井県にあるハピラインふくいでは、2024年だけで2回発生しているのです。
岩谷さんは、ワンマン運行にもかかわらず運転中に配慮すべき事項が多くあることもミスの原因の一つだと指摘します。
岩谷さん:
「ツーマンにしてこういう事故が未然に防げるであれば運転手の士気向上にもつながる車掌がひとり巡回しているだけでも客室衛生上は安心ですよね」
JRによると、今回火事が発生した列車の運転士は「切り替えの意識が一時的に低下していた」と話しているということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ed97508dedf5d8a9dbe3b9851a8909ff76196d6
キーワード:ヒューマンエラー
2025年1月4日10時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月31日に熊本市中央区花畑町で起きた市電の脱線事故について、市交通局は3日、レールと枕木をとめる釘が緩んでレール幅が広がっていたと発表した。
事故の影響で運転見合わせが続いていた一部区間(水道町―辛島町)も含め、3日朝から全線で運行を再開した。
会見した市交通局によると、事故が起きた区間(約20メートル)を挟んだ前後の場所では、昨年秋の定期検査で、基準を最大十数ミリ超えるレール幅が確認され、昨年12月に幅を調整する工事をした。
その後、今回脱線した区間のレールに両側から力が加わってひずみが生じ、さらに普段の電車の振動もあって、レールと枕木をとめる釘が緩み、レール幅が基準より数センチも超え、脱線につながったとみられるという。
脱線区間のレール幅を調整した上で3日始発から運転を再開。当面は同区間は時速15キロに制限する。
また、定期検査で数ミリ超えている場所が7カ所あり、来年度予定だった補正工事を今年度内に前倒しして対応するとしている。
会見した井芹・交通事業管理者は、「年末年始に大変ご不便をおかけしました。現在実施している安全対策がこのままでよいのかと感じた。信頼回復に努めたい」と謝罪した。
https://www.asahi.com/articles/AST1344JHT13TLVB001M.html
1月3日12時2分にNHK熊本からは、熊本市電では1年間の事故トラブルが今回で16件目など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本市交通局によりますと、線路の幅が基準よりも広がっている場所は、脱線事故が起きた現場以外にもこれまでに7か所で確認されているということです。
市交通局は、いずれも広がりの幅はわずかで、ただちに車両が脱線する危険性はないとしていますが、今回の事故を受けて、この7か所の点検を強化するとともに、来年度に予定していた線路の幅を直す工事を今年度中に前倒して始めることにしています。
熊本市電は、去年1年間に起きた事故やトラブルが今回で16件目となり、熊本市交通局の井芹和哉交通事業管理者は「トラブルが度重なり、安全対策が不十分だったと反省している。現在実施している安全対策を精査し、1日も早い信頼回復に努めたい」と陳謝しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20250103/5000024176.html
※熊本市電で事故が多発しているという件、約3ケ月前の2024年9月21日10時0分に朝日新聞からは、トラブルが10件になった時点で交通局は九州運輸局から教育や管理体制見直しなどの改善指示を受けたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
脱線やドアが開いた状態での走行など、今年に入ってからトラブルが相次いでいる熊本市電。
運行する市交通局が、九州運輸局から運転士への教育や管理体制の見直しなどの改善指示を受ける事態となった。
20日、福岡市博多区の九州運輸局で改善指示文書を受け取った市交通局の井芹・交通事業管理者は「その都度改善してきたが、それでも同じ事象が重なり、食い止めることができなかったのは申し訳なく思っている。熊本市電の信頼回復に努めたい」と話した。
その上で、度重なるトラブルの要因について、退職者が多く出たことによる運転士不足と車両の老朽化を挙げ、「車両と人が疲弊したものと思っている。それがすべての要因ではないが、皆さんの声を聞きながら改善していきたい」と語った。
市交通局は10月21日までに改善措置の内容について九州運輸局に報告が求められている。
市交通局によると、今年になってトラブルは計10件。
車両をつなぐ連結棒が走行中に外れたり、運転士が赤信号を見落としたりするなどインシデントは7件で、そのうちドアを開けたまま走行した3件は重大インシデントに認定された。
他にも脱線事故が1件あり、人身事故も2件あったという。
相次ぐトラブルを受け、九州運輸局は7、8月に保安監査を実施した。
その結果、運転士に必要な教育が行われず、技能が基準に達していないケースのほか、視力が片目0.7以上、両目1.0以上の基準に達していないのに運転業務に就いていたケースなどが明らかになったという。
また、就業前後の点呼を実施していないのに完了した記録が記入されていたほか、軌道(線路)の間隔が基準値よりも広かったり狭かったりした箇所が複数見つかった。
https://www.asahi.com/articles/ASS9N53THS9NTIPE00PM.html
2024年12月15日7時37分に静岡新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡鉄道(静岡市葵区)は、鉄道の線路保守作業員と列車の接触事故発生リスクを軽減するアプリケーション「トレりん」を全国で初めて導入した。
静岡県内では10日に、JR高塚駅(浜松市中央区)付近の線路上でレールの保守点検をしていた作業員が貨物列車と接触し死亡する事故が発生したばかり。
テクノロジーを駆使した新たな保安支援システムで、円滑な列車運行と作業員の安全確保の強化を図る。
アプリは、列車先頭車両に設置したスマートフォンの位置情報をGPS(衛星利用測位システム)で把握し、作業地点から一定の距離に列車が接近すると、安全を監視する列車見張り員のスマートウオッチが振動する仕組み。
2021年に東京都のIT企業「リアルグローブ」に開発を依頼した。
23年4月からテスト運用し、今月に本稼働を始めた。
リアル社は今後、静岡鉄道の導入実績を基に全国の鉄道会社へ利活用を呼びかける。
静岡鉄道では保線作業時に、1班あたり列車見張り員を1人か2人配置。
目視で列車接近を確認し、笛やメガホンで作業員に退避を促しているが、常に緊張を伴う作業のため見張り員の心的負担が課題だった。
アプリ導入で目視とのダブルチェックが整い、より早く確実な退避行動に移せる。
同社では近年、保線作業中の接触事故は発生していないが、急カーブなど見通しの悪い箇所では避難指示が遅れるヒヤリハット案件が報告されていたという。鉄
道部の高田保線区長は「振動による物理的な警告で心の準備ができるだけでも大きな意味がある」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/486bd7ef97d41fd3ded5b7eab6af757861e108d4


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。