2018年10月5日に掲載した第7報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第8報修正8として掲載します。
第7報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8895/
(2018年12月17日 修正8 ;追記)
2018年12月11日23時36分に朝日新聞から、岡山駅で乗り込んできた保守担当者は専門の検査員ではなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかった問題が起きてから、11日で1年がたった。
当時、JR西日本の乗務員らが異常に気づきながら走行を止めなかったことが問題視された。
その後、どんな再発防止対策がとられているのか。
「のぞみ34号で異臭がある」。
昨年12月11日午後2時半、JR西日本の東京の指令所から岡山の車両支所に、車両保守の担当者を乗車させるよう、手配があった。
約3km離れた岡山駅に3人が車で向かい、午後3時16分に乗車。
13号車の音が気になり、「床下を点検したい」と申し出た。
指令から「走行に支障があるのか」と問われると、「そこまではいかないと思う」と、トーンを落とした。
臭いや音、もやなど、計30の異変に車掌や保守担当らが気づきながら、停止して車両点検せず、新大阪でJR東海に運行を引き継ぎ、名古屋まで走り続けた。
その後、13号車の台車枠に破断寸前の亀裂が見つかり、国の運輸安全委員会に新幹線初の重大インシデントに認定された。
JR西によると、山陽新幹線の要衝である岡山駅には、1972年の開業当時から、走行中の検査が専門の「走行管理班」が常駐していた。
だが、車両故障の減少で、2000年ごろに班は廃止。
駅から離れた支所の車両検査の社員が「走行管理担当」を兼務し、出動要員として1人を配置した。
だが、のぞみの異変時には、その担当も別の新幹線の巡回で不在だった。
そのため、普段は作業計画を立てる「技術管理担当」が岡山駅から乗車。
JR西の関係者は、「走行中の検査は経験がものを言う。専門外で、停車して点検すると強く言えなかったのだろう」とおもんばかる。
【異変報告、大幅に増加】
平野副社長は11日の会見で、「新幹線の安全性への過度の信頼があった。(走行中の)動的な検査の視点を持っていなかった」と述べた。
車両部門の幹部は、走行管理班を廃止していたことについて、「新幹線に大きなトラブルが少なかったことで縮小していったのは否めない」と漏らす。
今年2月、JR西は岡山駅に走行管理班を再び常駐させた。
2人体制で、異常時に即応できるよう、1人が必ず待機するよう改めた。
例えば、4月13日昼、指令から走行管理班に連絡があった。
「のぞみ21号で異音。すぐに乗ってほしい」
岡山駅から乗り込むと、「ブーン」という、古い冷蔵庫が発するような妙な音と小刻みな振動を確認し、指令に「1回止めて確認させてください」と進言。
三原~東広島間のトンネル内で緊急停止して車両を確認した。
異常は見当たらず、40分後に運転を再開した。
走行管理班の男性社員(34)は、「定期巡回で正常な音を聞いて判断感覚を研ぎ澄まし、待機時は車両データを分析し、異変の予兆を確認している」と説明する。
12月からは、広島駅にも走行管理班が設置された。
また、亀裂が入った台車と同じ、枠の底面が設計基準より薄く削られた川崎重工製の台車101台の取り換えも、5日までに終えた。
JR西は、問題発生後、走行中の安全が確認できない場合は「迷わず列車を止める」と徹底。
指令所に車内の異変が報告された件数は、発生前の約8カ月間は約100件で、停止して点検したのは1件だったが、発生後は大幅に増えた。
6月にあった博多~小倉間の人身事故で、運転士が異音を指令に報告せず問題視されると、さらに増え、11月末までの約1年間で929件、45件で緊急停止して車両点検をした=グラフ。
うち、走行管理班による停止は7件、異常時の出動は84回だった。
走行中の車両検査は専門性が高く、JR西は人材育成を急ぐ。
走行管理班の技術継承のため、車両所の社員と2人1組で乗り込む体制にしている。
来島(きじま)社長は、「車両保守の最前線。多くの社員が経験を重ね、自分で異常を判断できるレベルにしたい」と話す。
◇
《台車亀裂問題の有識者会議委員の臼井伸之介・大阪大大学院教授(安全行動学)の話》
走行中の新幹線の安全を判断する上で、専門の走行管理班は不可欠。
この1年で体制や設備を整えてきた点は評価できる。
ただ、亀裂問題の当事者ではなかった運転士や駅員が、6月に博多~小倉間であった人身事故で適切に報告できず、社員全体への意識付けの不十分さを露呈した。
引き続き、安全が確認できない時は列車を停止して点検する一方で、実践的な訓練を重ねて、判断の精度を向上させることが必要だ。
1年前に得た教訓を風化させてはならない。
出典
『新幹線、走行管理班が復活 安全確保へ「迷わず止める」』
https://www.asahi.com/articles/ASLCP5S6KLCPPTIL01S.html
12月11日16時51分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年12月に新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が見つかった問題を受け、JR西日本が、15年以上前に業務整理の一環で廃止した山陽新幹線の検査専門部署を復活させ、再発防止に取り組んでいる。
亀裂発覚から11日で1年。
問題が起きるまでの安全対策について、専門家から「人的投資が不十分」と指摘され、検査部門を拡充した。
復活した部署は「走行管理班」と呼ばれ、旧国鉄時代に設けられたとみられる。
同社によると、2000年ごろには岡山駅に検査担当1~2人が常駐し、異音などの報告があれば列車に乗り込み原因を調べたり、日常的に乗り心地を検査したりしていた。
車両の性能が上がって故障への対応などの業務が減ったとして、遅くとも02年には廃止された。
その後、岡山駅近くの車両基地に検査担当は配置されていたものの、昨年12月に博多発東京行きの「のぞみ34号」で異音などが報告された際は1人しかおらず、別の列車の冷暖房機器を調べていた。
このため、車両基地にいた教育訓練の計画を策定する内勤の社員ら3人が出動。
のぞみ34号に乗り込んだが、台車に亀裂が入った車両を停止させることなく、JR西が管轄する新大阪駅を通過し、名古屋駅近くに常駐するJR東海の走行管理班が同駅で台車の油漏れを確認して止めた。
こうした事態を受け、JR西は、今年2月に岡山駅に走行管理班2人を復活。
亀裂問題に関する有識者会議で座長を務める安部誠治・関西大教授(交通政策論)が走行管理班の拡充を求めたことを踏まえ、今月1日には、広島駅にも新たに走行管理班2人を配置した。
過去に同社の走行管理班に所属していた元担当者は、「きめ細かい対応には専属の社員が必要だ。安全対策に向けて、ようやく再スタートを切った」と指摘した。
出典
『JR西、新幹線の検査部署を復活 台車亀裂の再発防止』
https://mainichi.jp/articles/20181211/k00/00m/040/101000c
2018年11月30日12時33分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線の台車から異常時に発生する「臭い」を感じ取る訓練を、JR西日本が30日、初めて公開した。
昨年12月にのぞみの台車に亀裂が入ったまま走行を続けた問題を受けて導入した訓練の一つで、運転士と車掌、客室乗務員の計約1000人を対象に、今年2月から実施している。
この日の訓練は、新大阪駅に隣接するJR西の施設であり、運転士5人が参加。
台車内にある歯車箱、軸箱、継ぎ手の各部に実際に使われている3種類の油脂を熱し、焦げたような臭いが用意された。
それぞれ密閉した容器を開けて臭いをかぎ、車内で異臭が発生した際の動きについても確認した。
台車亀裂問題が発生した際、JR西の乗務員らは博多~新大阪間の走行中、車内の異臭に気づきながら、停止して点検できなかった。
その反省からの訓練で、参加した運転士の古市さん(男性、38歳)は、「鼻をつくような刺激臭がして、新幹線を止めないといけない臭いがわかった」と話した。
出典
『異常時の「臭い」感知する訓練 JR西、台車の亀裂うけ』
https://www.asahi.com/articles/ASLCY61QVLCYPTIL01N.html
(ブログ者コメント)
台車亀裂トラブルについては、本ブログで紹介スミ。
2018年11月27日19時8分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京成線が10月、停電により10時間以上も全線運休し、約45万2000人の乗客が影響を受けたトラブルで、京成電鉄は27日、台風で飛散した塩分が配電設備や列車に付着し故障した「塩害」が原因と発表した。
設備の耐塩化などを急ぐ方針。
京成線は10月5日午前7時41分ごろ、車両のパンタグラフが焦げ付いたほか、高圧配電線から施設へ電力を分岐する「ケーブルヘッド」の火災が各所で相次ぐなどして、計1080本が運休。
復旧は遅れ、一部区間は終日、運転を見合わせた。
調査の結果、ケーブルヘッドのカバーに塩分が付着し、雨の影響も受けて絶縁性能が低下し、焼損が発生。
変電所は、異常を感知して停電した。
列車のパンタグラフも、塩害で同様に不具合を起こした。
直前に関東圏を通過した台風24号で巻き上げられた海水の塩分などが付着したとみられる。
同社は、「塩害対策のスピードが遅かった」と陳謝。
送電設備やパンタグラフなどの清掃を強化するほか、平成31年度までに塩害に強いケーブルヘッドへの交換を進めるなどとしている。
出典
『京成線の大規模運休、原因は台風の「塩害」 耐塩化の対策急ぐ』
https://www.sankei.com/affairs/news/181127/afr1811270049-n1.html
11月27日18時45分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
先月5日、千葉県内の京成電鉄で複数の電線から火が出て停電が相次ぎ、7つの路線すべてで9時間余りにわたって運転を見合わせた。
このトラブルについて京成電鉄は、関東地方に接近した台風24号によって巻き上げられた海水の塩分が電気設備に付着した「塩害」が原因だったと発表した。
応急対策として、これまでに損傷した設備の交換や設備の水拭きなどを行ったが、来年度中に電気設備を塩害に強い材質や構造のものに交換することにしている。
また、成田空港線につながる都内の区間は、電線を地上に下ろすケーブル化を検討するとしている。
出典
『京成電鉄 設備の塩害対策強化へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181127/1080004375.html
11月28日付の千葉日報紙面には、やや詳しい下記趣旨の記事が掲載されていた。
停電の主な原因となったのは、変電所からの電力を高圧配電線から踏切や券売機などに分岐する接続部分にある「ケーブルヘッド」という設備。
台風で巻き上げられた海水が付着して絶縁機能が下がり、微弱電流が流れて炭化、高圧配電線がショートして送電が止まった。
再発防止策として、2019年度の早い時期までに、全線のケーブルヘッド約1500個のゴム製カバーを、全て塩害に強いシリコーン製に交換する。
東京都内と成田空港を結ぶ区間では、線路上部にある高圧配電線をコンクリートの箱に入れ、地上に敷設する方針。
京成電鉄では、12年にも塩害による一部運転見合わせがあり、田中・鉄道副本部長は、国交省で報道陣に「打つべき手は打ってきたが、スピードが遅かった。深くお詫びする」と謝罪した。
(ブログ者コメント)
台風24号による塩害の被害は、京成電鉄事例を含め、今年10月に本ブログで紹介スミ。
2018年11月15日10時57分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月14日20時19分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後5時前、東京・渋谷区のJR代々木駅で、山手線の内回りの電車がホームに進入したところ、ホームドアに取り付けられた柵が外れ、電車を待っていた40代の男性にあたった。
男性は、右足の脛に軽いけがをしたという。
この柵は、ホームドアが開いた際に車両とホームドアのすき間への侵入を防ぐためのもので、ステンレスでできていて、縦75cm、横10cmほど、重さは3kg余りあるといい、ビスで固定されていた。
電車の先頭車両のドアに乗客の荷物が挟まっていたという目撃情報があったということで、JR東日本は、この荷物が柵にぶつかって外れた可能性があるとみて、詳しい原因を調べている。
出典
『代々木駅ホームドア 柵外れけが』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181115/0021346.html
『代々木駅 ホームドアに接触し破損 部品当たり男性けが』
https://mainichi.jp/articles/20181115/k00/00m/040/102000c
11月14日20時25分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
内回り電車(11両編成)が進入したところ、先頭車両のドアに挟まっていた荷物がホームドアに衝突した。
衝撃で壊れた部品がホーム上にいた男性の足にぶつかり、男性は軽傷を負った。
JR東日本東京支社によると、壊れたのは、ホームドアの一部のステンレス製の柵。
縦75cm、横10cm、重さ3.4kgの部品がはじけ飛んだ。
荷物の持ち主は立ち去ったため、何が挟まっていたのかはわかっていない。
電車が直前の新宿を出発する際、車両側の安全装置はドアが閉まったと認識しており、挟まったのは薄いものとみられるという。
出典
『はみ出た荷物がホームドアに衝突 ホームにいた男性けが』
https://www.asahi.com/articles/ASLCG6F9PLCGUTIL041.html
2018年11月9日22時6分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後0時40分ごろ、札幌市厚別区のJR千歳線新札幌駅構内で、線路上に出発信号機が倒れているのを札幌発苫小牧行き普通列車の運転士が見つけた。
JR北海道によると、倒れた信号機は上下の線路上に乗る形で、列車は現場の数10m手前で停止した。
信号機を撤去して午後3時半ごろ運行を再開したが、札幌~新千歳空港間の快速エアポートなど90本以上が運休した。
同社の説明では、信号機は金属製で高さ約5m、重さ約220kg。
コンクリート製の土台に固定するボルト8本は、柱についた状態で全て抜けていた。
信号機は1980年に設置され、最後に外観点検をした今年6月11日に異常はなかった。
胆振東部地震発生翌日の9月7日に安全確認した際にも、傾きなどは見られなかったという。
同社鉄道事業本部の土田・電気部長は、「おわび申し上げる。外部から何かがぶつかって倒れたということはない。地震の影響はわからず、これから原因を調査したい」と説明した。
運輸安全委員会は、今回の事故を重大インシデントと判断。
10日に鉄道事故調査官2人を派遣してJR関係者から聞き取りを行い、現地調査も予定している。
同事務局は、「列車が衝突すれば脱線、火災が起きる可能性が高く、重大な事故につながりかねなかった」と説明した。
出典
『JR千歳線 信号機倒壊、90本以上が運休』
https://mainichi.jp/articles/20181110/k00/00m/040/093000c
11月9日18時3分に毎日新聞からも、同趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
この日、札幌市内は最大瞬間風速が20mを超えるなど、風が強かった。
出典
『JR千歳線 新札幌駅構内で信号機倒れる 65本が運休』
https://mainichi.jp/articles/20181109/k00/00e/040/326000c
11月15日2時20分に北海道新聞からは、施工ミスの可能性もあるという下記趣旨の記事が、アンカーボルト打ち込み方法の模式図付きでネット配信されていた。
国交省運輸安全委員会は14日、現地調査の内容を同省鉄道局に情報提供した。
現地調査では、支柱を土台に取り付ける金属部品「アンカー」が土台の中で固定されていなかったことが判明。
JR北海道は同日、会見を開き、「施工ミスの可能性は排除していない」とし、部品の取り付けが不十分だった可能性を明らかにした。
JR北海道によると、信号機は、旧国鉄時代の1980年10月に設置された。
信号機の支柱の台座は、通常、コンクリート製の土台に金属部品で固定されている。
固定する部品は、ボルトのほか、筒状で片側に切れ込みがあるアンカーと、アンカーの切れ込みを広げるためのくさびとなる部品「コーン」がある。
台座の固定方法は、土台に穴を開けてコーンを入れ、次に切れ込みを下に向けたアンカーを挿入。
上からハンマーでたたくと、コーンがアンカーに刺さり、切れ込みが広がって土台の穴の側面に食い込む。
さらに、上からボルトを挿入して締める手順となっている。
同委が10日に行った現地調査の結果、倒れた支柱の台座にボルト8本がアンカーを付けたままの状態で見つかった。
アンカーの切れ込みは広がっておらず、土台の穴にはコーンが残っていた。
JR北海道によると、コーンがアンカーに刺さっていない場合、切れ込みが広がらず、設計通りの強度が得られない恐れがある。
会見で同社の島田社長は、「一歩間違えれば重大事故につながるトラブル。深くおわびする」と陳謝。
土田電気部長は、「施工不良の可能性も含めて調査する」と述べた。
同委は、「施工方法、土台や部品の材質、強度などあらゆる視点で検証し、原因を突き止めたい」としている。
同委からの情報提供を受け、国交省は14日、全国の運輸局に、今回倒れた信号機の状況などを報告。
同様の施工方法で信号機を設置している鉄道事業者には注意喚起を図るとともに、安全確認や点検の実施を行うよう呼びかけた。
出典
『JR信号倒壊施工ミスか 新札幌駅 部品が固定されず』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/248238/
11月14日19時43分に産経新聞からは、アンカーボルトの写真付きで、打ち込み方法に関する上記とは異なる表現の記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
運輸安全委員会は14日、信号機の支柱をコンクリートの土台に固定するアンカーボルト8本が全て、土台側に埋め込まれた「雌ねじ」と呼ばれる部品ごと抜けていたと明らかにした。
施工不良の可能性もあるとみて、詳しく調べる。
同委によると、アンカーボルトは雄ねじと雌ねじに分かれ、土台に雌ねじを埋め込む際、くさびと共に打ち込んでコンクリートに食い込ませる。
現地調査では、雌ねじに刺さっているはずのくさびが全て土台側に残り、雌ねじは雄ねじと共に抜けて支柱側に付いていた。
同委は、「通常なら、こうした状態にはならない」としている。
出典
『ボルト固定部に施工不良か JR千歳線の信号機倒壊』
https://www.sankei.com/affairs/news/181114/afr1811140029-n1.html
(2019年12月22日 修正1;追記)
2019年12月20日2時21分に北海道新聞からは、信号機設置時にアンカー穴の中にコンクリート粉末が残り、アンカーボルトが穴の底まで入り切らなかったなど、下記趣旨の記事がアンカー設置穴の図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国土交通省運輸安全委員会は19日に公表した調査報告書で、支柱を土台に取り付ける金属部品「アンカー」の施工不良が、原因の可能性が高いと結論づけた。
JR北海道には、手引書に沿った確実な施工など、再発防止策を求めた。
安全委は発生当日、危険な事故につながりかねない「重大インシデント」に認定していた。
報告書によると、発生は昨年11月9日午後。
高さ約5メートル、支柱部分を含め重さ約440キロの信号機が倒れ、線路をふさいでいるのを走行中の列車の運転士が見つけた。
けが人はいなかった。
信号機は1980年に設置。
支柱の根元に当たる台座を固定するにはコンクリートの土台に穴を開け、筒状のアンカーと、アンカーの切れ込みを広げて抜けなくする部品「コーン」を挿入し、ボルトで固定する。
倒れた支柱は折れておらず、支柱の台座はボルト8本にアンカーが付いたままだった。
土台の穴にはコンクリートの粉末があった。
報告書は、穴を開けた際に生じたコンクリートの粉末が穴に残ったことで、コーンが穴の底まで入りきらず、切れ込みが広がらなかったため、強度が不足した恐れがあると結論づけた。
原因について、安全委は当時の施工技術や点検が不足していた可能性があると指摘。
再発防止策として、専門機関が策定した手引の条件に従い、専門資格を持つ作業員による施工を徹底するよう求めた。
さらに、万一倒れた場合に列車に接触する可能性のある信号機の補強の追加や、耐久性を高めるためにコンクリートの防水加工を行うことなどが望ましいとした。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/376295/
12月19日16時19分にdmenuニュース(HBC北海道放送ニュース)からは、穴の清掃が不十分で粉じんが残っていたなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会の報告書によりますと、1980年に信号機が設置された際、土台の穴の清掃が不十分で粉じんが穴に残り、信号機を土台に固定する部品が十分に機能していませんでした。
その後、部品が徐々に浮き上がり、当日の強風も加わって倒壊に至ったということです。
JR北海道は同様の構造の信号機について、すでに補強を行ったと説明しています。
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/hbc/region/hbc-df6a863ef8636a52a1f0468666ffd399?fm=topics
12月22日19時13分にNHK北海道からは、設置後38年の間に風や地震、列車の振動で徐々に浮き上がったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書によりますと、信号機の支柱を土台に固定していた金属製のボルトが浮き上がり、当日の風速20メートルの強風で倒れたとみられるということです。
信号機は旧国鉄時代の昭和55年に設置され、38年の間に風や地震、列車の振動でボルトが徐々に浮き上がったとみられています。
浮き上がった原因については、コンクリートの土台にドリルで穴を開けた際に出たくずを十分に取り除かないままボルトを差し込んだことで、十分に固定されなかったためだと分析しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20191222/7000016466.html
2018年11月6日15時50分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は6日、台風などの際に予告して運行を取りやめる「計画運休」を、実施前日に公表することを明らかにした。
計画運休の可能性がある場合でも、同様に公表する。
深沢社長は同日の記者会見で、「前日に公表するよう努め、状況に応じて判断していきたい」と話した。
JR東は9月30日、台風24号の接近に伴い、初めて首都圏全在来線の計画運休を行った。
影響は約45万4000人に及び、翌朝も、点検活動や倒木の処理のためダイヤが乱れ、通勤者や通学者が駅に列をなすなど、一部で混乱が生じた。
計画運休については、「安全確保のためには仕方がない」など、利用者の反応はおおむね肯定的だったが、計画運休の公表から実施まで8時間しかなかったことについては、発表の遅さを指摘する声がJR東に寄せられていた。
JR東は10月以降、情報提供のタイミングや方法について検討。
今後の計画運休は、実施の可能性も含めて、前日に公表する方針を決めた。
情報提供には、これまでのような各駅やホームページでの告知のほか、交流サイト(SNS)も活用する。
訪日外国人も情報を理解できるよう、英語や中国語などでも情報を流す準備も進める。
JR西日本は、計画運休を実施する場合は前日に告知しているが、深沢社長は、「(前日までにとは)明確に取り決めない」とし、災害状況などをみたうえで柔軟に対応するという。
10月、国交省と鉄道22社で行われた検証会議では、できるだけ早く広く計画運休の情報を伝達することを確認。
訪日外国人も情報を理解できるよう、多言語での発信やSNS活用の必要性が指摘されていた。
出典
『JR東日本、計画運休公表は前日に SNSの活用も』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37423980W8A101C1CR8000/?n_cid=NMAIL007
(ブログ者コメント)
台風の進路や通過時の被害は時々刻々と変化するため、前日の計画運休発表は、かなり難しいのではないかと思われる。
10月に行われた検証会議は本ブログでも紹介スミ。
2018年11月2日13時0分に東洋経済オンラインから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県豊橋市内にある日本車輌製造(日車)豊川製作所。
今から5年前、N700系新幹線や東京メトロ銀座線、名古屋市営地下鉄鶴舞線といった国内向け車両に混じって、見慣れない先頭形状の車両が製造されていた。
白地に赤く彩られた車両は、台湾鉄路管理局(台鉄)向けの特急列車「プユマ号」に使われるTEMU2000型。
豊川製作所は2012年から2015年にかけて152両を製造した。
作業員がほぼ完成したTEMU2000型の運転席をくまなくチェックしている。
車両の上には、「品質こそ生命、一作業・一清掃の徹底」という看板が掲げられていた。
そのスローガンは、かけ声倒れだった・・・。
【台鉄がチェックしているはず】
10月21日に台湾で起きたプユマ号の脱線事故は、18人が命を落とす大惨事となった。
運転士によるスピードの出し過ぎが事故の原因とみられているが、車両の安全装置「自動列車防護装置(ATP)」に設計ミスがあったことを11月1日、日車が発表した。
ATPには、指示された速度を超えた場合に列車を停止させる機能がある。
運転士がATPを切ると、その情報は自動的に運行指令所に伝えられる。
日車は「ATP自体には問題がない」としながらも、「設計ミスで配線の接続が仕様書と一部異なり、指令所に情報を伝える機能が働かなかった」と説明する。
通常は、車両が完成してから鉄道会社に納入するまでに、車両が仕様書どおり造られているかどうか、入念なチェックが行われる。
しかし日車によれば、TEMU2000型は、ATPを切った際に指令所に情報が伝えられるかどうかのチェックは行われなかったという。
「台鉄の指令所に情報が伝えられるかどうかのチェックは、日本ではできない。このチェックは納車後、台鉄が行っているものと考えていた」と日車の担当者は語る。
作業手順のミスではなく、設計ミスであるため、日車製TEMU2000型の全編成について、今後、再整備が必要になる。
この点について日車は、「台鉄と相談しながら進めたい」としている。
報道によると、21日の脱線事故では、運転士は指令所の同意を得て事故が起きる30分前にATPを切ったと証言しているが、台鉄は「報告は受けていない」として、食い違いが見られる。
今回の設計ミスが事故の直接的な原因という可能性は低そうだが、もしATPを切った情報が指令所に伝えられていれば、速度超過に対して、より早い対応が取れていたかもしれない。
最近になって、車両製造時の不備による車両トラブルが頻発している。
2017年12月11日に起きた新幹線「のぞみ34号」の台車亀裂トラブルは、車両を製造した川崎重工業の製造ミスが原因だった。
日立製作所は今年10月16日夜、イギリス向け高速列車「クラス802」が、現地での試験走行時に架線を引っかけて切断し、翌日の運行ダイヤが大混乱をきたした。
くしくも昨年の同じ10月16日には、やはり日立製の高速車両が、運転初日の一番列車で、空調トラブルにより天井から水が流れ落ちるという失態を招いている。
国内では新規開業路線がほとんどなく、車両製造は更新需要くらいしか期待できない。
どの車両メーカーも、今後の成長市場として、海外に目を向けている。
しかし、「海外向けの車両製造はリスクが大きくて、割に合わない」と、ある鉄道メーカーの幹部は指摘する。
日本とは安全基準が異なるため、車両開発費がかさむ。
日本向け車両の知見が役に立たず、当初見込みよりも作業工程が増える可能性がある。
現地生産の場合は、鉄道技術に精通した作業員が不足している。
そして、為替リスクも忘れてはいけない。
計画どおり完成すれば利益を得られるが、少しでもリスクが露呈すると、すぐに赤字案件になるという。
【川重は最終赤字に転落】
川崎重工業は、10月30日に発表した2018年第2四半期の決算で、最終赤字に転落した。
2019年3月期の連結純利益業績見通しも、当初予想を160億円下回る310億円となった。
その原因は、川重が得意とするはずの北米向けの鉄道車両。
ワシントンDCの地下鉄車両では配線の施工不良が発生し、改修費用などで、当初計画から営業利益が50億円悪化。
ロングアイランド鉄道向け車両では、資材費の増加などで、同じく営業利益が85億円悪化している。
同社では、社長をトップとする「車両事業再建委員会」を設置して再建に取り組むが、事業撤退も視野に入れているという。
日車は、2016年に、総額3.5億ドルというアメリカ向け大型鉄道案件が車両強度テストをクリアできず、期限までに車両を納めることができなかった。
このため、多額の違約金を支払うとともに、鳴り物入りで開設したイリノイ州の工場が閉鎖に追い込まれている。
川重も日車も、海外展開の歴史は古い。
最近になってトラブルが頻発している理由について、「以前とは違う車両製造にチャレンジしたことが、結果的にはこうした結果を招いた」(日車)としている。
これ以上、トラブルが続けば、日本製車両の「安全神話」が揺らぎかねない。
出典
『台湾脱線車両「設計ミス」、海外で相次ぐ失態 鉄道メーカー大手各社、揺らぐ安全神話』
https://toyokeizai.net/articles/-/247133
11月1日19時37分に朝日新聞からは、台湾での事故に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本車両製造によると、事故から2日後の10月23日、運行する台湾鉄道から、安全装置を切った際に自動的に指令に連絡が入る機能についての調査要請があった。
調査の結果、同29日に、設計担当者のミスで配線の接続が仕様書と一部異なり、この機能が働かなかったことが判明した。
10月21日に発生した事故は、列車が高速のままカーブに進入して脱線し、200人以上が死傷した。
運転士は台湾検察の調べに、事故が起きる約30分前に安全装置を自分で切ったことを認めている。
車両の動力などにトラブルがあったとしており、無理に運行を続けようとして装置を切った疑いが出ている。
台湾行政院(内閣)の調査チームは、無線記録などから、指令員は運転士とのやり取りを通して、事故の約3分前には装置が切れていたことを知っていたとみているが、設計ミスがなければ、より早い段階で事態を把握できた可能性がある。
台湾当局は、安全装置の運用に加え、なぜ車両にトラブルが発生したにもかかわらず運行を続けたのかなど、原因を幅広く調べている。
出典
『台湾脱線事故の車両に設計ミス 製造元の日本企業が発表』
https://www.asahi.com/articles/ASLC15DSNLC1OIPE023.html
(ブログ者コメント)
各種設備やシステムが設計通りに機能するか、営業運転前に念入りにチェックしていたはずだが、現地でなければできないチェックが漏れていた模様。
現地でなければできないチェック項目の処遇は、どのように取り決めていたのだろうか?
たとえば、発注者側がチェックするとか、製造元が現地に赴いてチェックするとか・・・・。
それとも、そういった取り決め自体が抜けていたのだろうか?
2018年8月30日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8738/
(2018年11月2日 修正1 ;追記)
2018年10月24日19時15分にmBS NEWSから、JR西は当該研修方法を大幅に見直すという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
JR西日本は、新幹線のトンネル内に社員を座らせ、時速300kmを体感させる「風速体感研修」を行ってきたが、来島社長は24日の会見で、やり方を大幅に見直す考えを示した。
「今後は、線路外の作業用通路での実施などに見直しをしていきたい」(JR西日本 来島社長)
研修のやり方を見直す考えを示したJR西日本の来島社長。
問題となっていたのは、おととし2月から小倉〜博多間などのトンネル内で月に1回程度実施している「風速体感研修」だ。
トンネル内の線路の間にある幅約1m、深さ約1mの通路に数人が座り、間近を通過する新幹線2、3本の風圧を体感する。
ヘルメットをかぶった社員数人が、線路と線路の間の通路にうずくまる。
敷石などがはねて飛んできた場合に備えてか、大きな防護盾のようなものも。
こうした研修は、これまでに28回、車両検査の担当者約230人が受けたという。
「風圧がものすごくて、敷石がはねて当たったら命に関わると思うと怖かった」(かつて研修を受けた社員の感想)
最高時速300kmで走る新幹線。
フェンス越しに通過する新幹線が見える場所で、実際に状況を確認してみることにした。
「風が強いのはもちろんですが、轟音が響いて耳がキーンとします」(山田ひかる記者リポート)
通過に要するのは数秒だが、騒音とともに、風のすさまじさがわかる。
実際の研修は、さらに走行車両と近いことになるが、なぜ、こうした研修が行われているのだろうか。
研修は2015年、福岡県のトンネルで新幹線の部品が落下し、衝撃で乗客1人がけがをしたことを受けて始まった。
安全意識の向上が目的だが、一部の労働組合は、危険性などから研修の中止を求めている。
この研修について専門家は、
「(トンネルの)風は外よりもはるかに強くなるので、さらにリアルさが増すが、そこまでやる必要はない。トンネルの外で柵があるところで体感するので十分」(鉄道の安全に詳しい関西大学 安部誠治教授)
10月16日には、国土交通大臣がJR側に安全性などに疑問を呈していたことも明らかになった。
「(JR西日本の)やり方につきましては、効果もさることながら、安全性の確保や必要性についての問題意識を伝えているところであります」(石井啓一 国交相)
来島社長は、研修を見直した理由について、次のように述べた。
「(走行中の)パンタグラフの状況がどうなのか、走っている台車がどういう状況で走っているのかを自分の目で確認することが大事だと思っています。効果をより高めることを期待して見直しをする」
研修の危険性を指摘され見直すのではないと強調した上で、今後は、トンネル外の安全性が確保された場所で実施するとしている。
出典
『JR西日本、安全性や必要性を問われていた「風速体感研修」をトンネル外へ見直し』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20181024/GE000000000000024981.shtml
10月24日10時59分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トンネル外の線路脇で行う従来の新人研修と同じ内容に改める。
来島社長は24日の定例記者会見で、安全性に問題はなかったとの認識を示したうえで、「検査体系や人材育成の観点から見直した。走行車両を目視する方法に改め、より研修の効果は高まる」と述べた。
出典
『JR西 新幹線の体感研修廃止 トンネル線路間で頭上通過』
https://mainichi.jp/articles/20181025/k00/00m/040/069000c
10月24日23時24分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月から、トンネル外の線路沿いの柵ごしに見る方式に変更するという。
出典
『新幹線トンネルで「風圧体感」研修…内容変更へ』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181024-OYT1T50095.html
10月24日22時45分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
来島社長は、研修は安全に問題はなかったと強調した上で、中止の理由について、「(トンネルに)立ち入るための手続きに、きわめて労力がかかるため」と説明した。
出典
『新幹線トンネル内での風圧体感、中止 JR西日本の社員研修』
https://www.sankei.com/west/news/181024/wst1810240032-n1.html
2018年10月19日12時14分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市北区の京福電鉄北野線で今年7月、遮断棒の下りていない踏切にタクシーが進入し、普通電車と衝突する事故があり、京都府警は19日、京福電鉄の運輸課長(53)ら社員4人を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
当時、踏切や信号を手動で操作する訓練中で、遮断棒や警報音が作動していなかった。
北署によると、4人は7月17日午後1時すぎ、踏切に社員を立たせず、警報音や遮断棒が正常に作動するかの確認を怠り、衝突事故を招いて、タクシー運転手の男性(74)に6カ月の大けがを負わせた疑いがある。
いずれも「間違いない」と容疑を認めているという。
男性は腰の骨が折れ、現在も入院している。
同電鉄によると、指令台で踏切を手動で操作した場合、4秒以内に信号を手動で切り替えないと遮断棒が下りず警報音も鳴らないが、4人ともこの仕組みを把握していなかった。
鉄道部の担当者は、「今年中に4秒制限のある手動システムを修正したい」と説明した。
北署は、進入前に一時停止せず、安全確認が不十分だったとして、男性についても過失往来危険の疑いで書類送検した。
出典
『京福電鉄課長ら書類送検 踏切遮断棒下りず、事故の疑い』
https://www.asahi.com/articles/ASLBM3DN5LBMPLZB003.html
10月19日13時19分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
府警や嵐電によると、事故当時は同市右京区の運転指令所から手動で踏切を作動させる訓練中だった。
警報は鳴ったものの、社内の周知不足が原因で、北野白梅町駅に設置された信号機を一定時間内に操作しなかったため、遮断機が下りなかったという。
出典
『遮断機下りずに事故 京福課長ら書類送検 業務上過失傷害疑い』
https://www.sankei.com/affairs/news/181019/afr1810190018-n1.html
10月19日6時42分にNHK NEWS WEBからは、以下の記事がネット配信されていた。
京福電鉄は、この日、踏切を制御するシステムの訓練をしていましたが、警報機や遮断機が正常に作動しているか確認しておらず、現場で安全確認する社員なども配置していなかったということです。
警察は、重大な事故につながるおそれがある危険な状態だったとして、訓練の責任者だった運輸課長など4人を19日にも、業務上過失傷害の疑いで書類送検する方針です。
出典
『京福電鉄の踏切事故 遮断機下りず 課長ら書類送検へ 京都』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181019/k10011677041000.html
(ブログ者コメント)
NHKから、監視カメラの映像が放映されていた。
それによると、線路沿いの道路を走ってきたタクシーが、ほとんどスピードを緩めることなく、右折して踏切に侵入。
その直後、タクシーと同方向から走行してきた電車と衝突している。
(2021年3月9日 修正1 ;追記)
2021年3月8日18時7分にNHK京都からは、運輸課長は無罪判決を受けたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平成30年7月、京都市の京福電鉄北野線の踏切で遮断機が下りず、電車とタクシーが衝突し、タクシーの70代の運転手が大けがをしました。
当時、京福電鉄は踏切を制御するシステムの訓練を行っていて、責任者だった56歳の運輸課長が安全管理を怠ったとして業務上過失傷害の罪で在宅起訴され、罰金50万円を求刑されていました。
8日の判決で、京都地方裁判所の入子裁判長は、「システムを手動で操作する場合、手順によっては遮断機が降下しない仕組みが組み込まれていたことは事故が起きるまで会社内で知られておらず、事故を予見することはできなかった。被告に注意義務を怠った過失があるとは認められない」として運輸課長に無罪を言い渡しました。
判決について京福電鉄は「引き続き、全社を挙げて安全運行に取り組んで参ります」というコメントを出しました。
一方、京都地方検察庁の北次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210308/2010009678.html
3月8日20時35分に毎日新聞からは、システム開発会社は4秒以内切り替えの仕組みを嵐電に説明していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
判決などによると嵐電は、システムに不具合が生じた場合に備え、踏切の遮断機などを手動で遠隔操作する装置を導入。
この装置を使って訓練を実施している際に事故が起きた。
入子裁判長は判決で、装置は踏切の警報機を作動させて4秒以内に電車用の信号機を切り替えないと遮断機が下りない仕組みだが、実際に信号機が操作されたのは約6秒後だったと指摘。
ただ、装置開発会社は嵐電にこの仕組みを説明しておらず、運輸課長の注意義務違反は問えないと判断した。
https://mainichi.jp/articles/20210308/k00/00m/040/225000c
2018年4月2日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第7報修正7として掲載します。
第6報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8209/
(2018年10月5日 修正7 ;追記)
2018年9月28日21時0分に産経新聞westから、台車構成部品のプレス作業を別会社に変更後、精度にばらつきが出始めたが問題視されなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台車の鋼材が薄く削られた経緯などを検証した川崎重工業の委員会は28日、製造元の同社内のコミュニケーション不足に、過度な現場依存が加わる「負の連鎖」が引き起こしたとの結論を明らかにした。
新幹線の重大事故に繋がった恐れのある台車の製造不備は、現場任せの企業体質に原因があった。
【甘い判断「それほど大きな問題は出ない」】
「台車枠の不備は、偶然、発生した事象ではなく、品質管理体制の弱点に起因するものであった」。
川重が4月に立ち上げた全社品質管理委の中條武志委員長(中央大教授)はこう述べ、複数の誤った行動や判断が背景となり、台車の整備不備につながったと結論づけた。
一つは、台車を構成する「側(がわ)バリ」と呼ばれる部品をプレスして抱き合わせる課程で起きていた。
プレス加工を従来外注していたメーカーが、鉄道向け部品の製造を取りやめたため、川崎重工業は平成18年6月から、別の業者に加工を任せるようになった。
発注先や加工方法の変更により、加工部分の精度にばらつきが生じるようになったが、「それほど大きな問題は出ないと判断していた」(志磨・車両カンパニー品質保証本部長)。
新幹線の台車枠の製造プロセスの問題点をあぶり出す目的の会議も開かれたが、発注先の変更については、議論の対象にもならなかった。
また、委員会は側バリに「軸バネ座」と呼ばれる部位を溶接する作業でも、情報伝達などに課題があったと指摘した。
【詳しい説明を怠るスタッフ】
製造時の注意事項をまとめた「作業指導票」は、強度に影響が及ぶとして、台車枠の鋼材を削ってはいけないと規定。
しかし、指導票を作成したスタッフは、現場班に詳しい内容を説明せず、作業員らも指導票を見ることはなかった。
結果として、作業員らは、加工部分のがたつきを抑えようと、独自の判断で台車枠を削った。
底面が広範囲にわたり削られたため、中には厚さが基準の7mmを大幅に下回る箇所もあった。
石川副社長は、「現場の班長らの方が(指導票を作った)スタッフよりも現場に詳しいとの思い込みがあった。過度な現場依存、現場任せの体質が出ていた」とこぼした。
一方、委員会の調査でも明らかにならなかった点もある。
破断寸前の亀裂が起きた台車は、削り込みの補正や寸法調整のために施される「肉盛(にくもり)溶接」がなされていた。
しかし委員会が、OBを含めた関係者に聞き取っても、「全員が肉盛をした記憶がないという回答だった」(志磨品質保証本部長)。
この肉盛溶接について、国の運輸安全委員会は、調査の経過報告で、亀裂の発生や進展に関与した可能性を指摘する。
見解を問われた本川・車両カンパニープレジデントは、「運輸安全委が原因究明している」と述べるにとどめた。
出典
『負の連鎖が引き起こした亀裂 「偶然発生でない」 』
http://www.sankei.com/west/news/180928/wst1809280093-n1.html
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2018年9月26日6時0分に西日本新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州が福岡県みやま市のJR鹿児島線の線路にまいた除草剤が飛散し、沿線の約7kmの範囲で、大豆の葉が生育不良で萎縮する被害が相次いでいることが分かった。
沿線の早場米の稲からは非農地用の農薬成分が検出され、地元JAは早場米の出荷を見合わせている。
JR九州は非を認め、農家への被害補償や見舞金の支払いを検討している。
同社によると、各線で年2回程度、専用の作業車両を使って除草剤を散布しているが、農産物の被害が広範囲で発生したのは初めてという。
みやま市のJR鹿児島線では、8月1日と7日の深夜から未明にかけて散布しており、「日中の猛暑で除草剤が揮発し、周辺の田畑に影響した可能性もある」(広報部)とみて、原因を調査している。
他の沿線自治体や農家からの被害の訴えはないとしている。
JAみなみ筑後(みやま市)によると、8月中旬、大豆農家から被害が相次いで寄せられたため、調査を開始。
瀬高駅から渡瀬駅まで全長7km、線路を挟んで最大30mの範囲で、葉の萎縮を確認した。
市と連携して民間検査機関に大豆と稲の葉の残留農薬検査を依頼したところ、稲から微量の農薬成分「ジカンバ」を検出。
ジカンバは、JR九州が散布した非農地用の除草剤に含まれており、農地用には使用されない成分という。
JA側は、JR九州に検査結果を報告したほか、「安全性が確認できない」として、収穫済みの早場米計8トン(約160万円相当)を出荷せずに保管している。
大豆は11月から収穫が始まるが、出荷を見送る農家もあるという。
沿線の農家男性(36)は、「私たちは、農薬散布の際には、隣の水田や畑に飛散しないように細心の注意を払っている。JR九州のいいかげんな作業が原因ではないのか」と憤る。
JR九州は取材に、「迷惑を掛けたことをおわびする。原因究明を進め、(被害にも)真摯に対応する」と話した。
出典
『JR線路除草剤で沿線農作物被害 早場米の出荷自粛も、みやま市 今夏猛暑で揮発、飛散か』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/452443/
(ブログ者コメント)
同じような事例は2012年、滋賀県の近江鉄道沿線でも起きている。
2012年9月6日掲載
2012年8月30日報道 滋賀県の近江鉄道で鉄軌道上に散布した除草剤で沿線の稲が広範囲に枯れる、例年より位置高く量が多目だったことが原因か? (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2209/
2018年9月25日0時8分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後4時55分ごろ、札幌市白石区のJR函館線苗穂~白石間で、橋りょうの下から煙が出ているのを札幌発新千歳空港行き快速エアポートの運転士が発見し、緊急停止させた。
乗客や車両、線路への被害はなかったが、快速エアポート21本を含む函館線や千歳線などの計62本が運休し、約1万4000人に影響が出た。
JR北海道などによると、現場付近では同日午前中に枕木を固定するボルトを焼き切る作業をしていた。
橋りょうの下で雑草や木材が燃えていたといい、警察などが出火原因を調べている。
出典
『JR函館線 橋りょうの下から煙 千歳線含む62本運休』
https://mainichi.jp/articles/20180925/k00/00m/040/119000c
2018年9月16日付でサンテレビから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日夜7時すぎ、神戸市灘区中原通の阪急神戸線の王子公園駅と六甲駅の間にある踏切で、神戸市灘区に住む無職の向井さん(男性、73歳)が普通電車にはねられ、病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。
警察によると、向井さんは電動車いすに乗り、南から北に渡っている途中で、近くにいた人が非常ボタンを押したものの、間に合わなかったという。
また、「遮断機が下りた踏切内で、車いすの前に立っている男性がいて、頑張って動いて出ようとしていた」という目撃情報があるほか、電車の運転士は、「車いすらしき物影があり、非常ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話しているという。
警察は、向井さんが電動車いすで踏切を横断していた際に、何らかの事情で立ち往生したとみて、詳しい状況を調べている。
出典
『車いすの男性が電車にはねられ死亡 阪急神戸線』
https://www.youtube.com/watch?v=EoeFHjyhNXM
9月18日6時30分に神戸新聞からは、踏切内の起伏にタイヤが引っ掛かったらしいという下記趣旨の記事が、当該踏切の写真付きでネット配信されていた。
踏切内に起伏があり、車いすが立ち往生した可能性が高いことが17日、警察への取材で分かった。
警察によると、「男性が車いすから立ち上がって、北へ向かおうとしているように見えた」との目撃情報があり、踏切内の起伏がある部分に車いすのタイヤが引っ掛かるなどした可能性があるという。
近隣住民によると、この踏切は、車いすやシルバーカーを押す住民らが通行に苦労する光景がよく見られたという。
現場近くに住む自営業の女性(82)は、「踏切内の凹んだ部分にタイヤが引っ掛かり、強く押したり持ち上げたりして通る人が多い。電車もスピードが出るし、普段から危ないと思っていた」と話す。
阪急電鉄によると、現場の踏切には、主に身動きできなくなった車などを赤外線で感知する「障害物検知装置」があったが、作動しなかった可能性が高い。
同装置は、高さ約80cm以上の障害物にしか反応せず、車いすや人では作動しない場合があるという。
踏切の非常停止ボタンも押されていたが、間に合わなかった。
出典
『踏切内に起伏 死亡の男性、立ち往生か 神戸・灘』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201809/0011649975.shtml
(ブログ者コメント)
近所の人はヒヤリ情報を持っていたということだが、そういった情報を鉄道会社が吸い上げる仕組みはあるのだろうか?
たまに「〇〇の際は××に連絡ください」と書かれているプレートを目にすることがあるが、そういった形で危険情報を収集するのも、一つの方法のような気がする。
2018年9月11日11時43分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日、大分県内のJR日豊線の一部区間が、停電により最大10時間半にわたって運転見合わせになった交通障害について、JR九州は、架線に鉄道施設とは関係のない金属製のワイヤーが引っかかっていたことを明らかにした。
JRでは、このワイヤーで特急列車のパンタグラフが壊れて架線を傷つけたことで、停電が発生した可能性が高いと見ている。
JR日豊線は、10日午前7時20分ごろ、大分県の中津駅と宇佐駅の間の上り線で停電が発生した影響で、中津駅と杵築駅の間の上下線が最大で10時間半、運転を見合わせた。
JR九州によると、この影響で、特急と普通列車合わせて81本が運休するなどして、およそ1万6200人に影響が出たという。
これまでのJR九州の調べでは、停電が起きた時に、宇佐市内を走行していた上りの特急列車「ソニック6号」の3つのパンタグラフが、すべて壊れていたという。
さらに、この特急列車が通過したおよそ900m手前の架線が切れていたという。
また、これより手前の区間で、架線に鉄道の施設とは関係のない金属製のワイヤー1本が引っかかっているのが見つかった。
このためJR九州では、特急列車のパンタグラフがこのワイヤーに接触して破損し、そのままの状態で走行したことで架線を傷つけ、停電が発生した可能性が高いとみている。
JR九州は、ワイヤーがひっかかっていた原因について調べることにしている。
出典
『日豊線ワイヤー引っかかり停電か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180911/5070001887.html
9月12日3時1分に大分合同新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は11日、停電の原因になったとみられるワイヤの提供をJR九州から受け、所有者は誰なのか調査を始めた。
何らかの法律違反に当たる可能性も含め、詳しく調べる。
警察やJR九州によると、ワイヤは鉄製で、長さ約1.5m、太さ約1cm。
西屋敷(宇佐市)~立石(杵築市)間の架線に引っ掛かっていた。
同社の所有物ではないという。
付近の線路は国道10号が並走。
線路と国道は10数メートル離れ、道路が線路より約10m高い位置にある。
警察は、ワイヤがなぜ引っ掛かっていたのか、ワイヤが停電の原因になったのかも調べる。
停電は10日午前7時20分ごろ発生。
上り特急列車の車掌が異常音に気付き、宇佐市長洲で緊急停車した。
車両の約1km後方の同市西大堀付近で架線が切れていた。
列車81本が運休し、1万6000人以上に影響が出た。
同社の調査では、ワイヤが見つかった場所から架線の切断箇所までは約11km。
特急のパンタグラフがワイヤに接触して破損し、架線を傷付けたとみている。
出典
『日豊線の停電トラブル ワイヤ所有者調査へ 杵築日出署』
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/09/12/JD0057306498
9月12日12時24分にNHK大分からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察やJRによると、ワイヤーは長さが1.5m、重さがおよそ1kgで、鉄道とは関係がなく、クレーンで物をつるす際に使われるものに似ているという。
警察は、ワイヤーが架線に引っかかっていたいきさつを知るためにはワイヤーの所有者を割り出す必要があるとして、製造元や販売先からたどるなどして所有者を調べている。
出典
『停電の原因かワイヤー所有者調査』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180912/5070001894.html
(ブログ者コメント)
国道を走っていたトラックなどから落ちたワイヤーの可能性も考えられる。
2018年9月10日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後3時半ごろ、東京都江戸川区臨海町6のJR京葉線新木場~葛西臨海公園間の下り線の鉄橋上で、線路付近から煙が出ているのを乗務員が見つけた。
いったん消火したが、その後に火花が確認されたため、東京~南船橋間、西船橋~市川塩浜間の上下線で、終日、運転を見合わせた。
JR東日本千葉支社によると、10日の始発からは通常通り運行しているが、日曜日に沿線にある東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)などを訪れた人たちがJR京葉線舞浜駅で足止めされるなどし、約12万4000人に影響があった。
同社は、上り線に問題はなかったことから、9日深夜から10日未明、舞浜駅や新木場駅などから東京駅に向かう電車4本を臨時で運行し、利用客らを輸送するなど対応。
東京駅では停車中の新幹線を開放し、約180人が車内で一夜を過ごした。
同社によると、線路に流れる電流が鉄橋に伝わらないように遮るための絶縁体が燃えていた。
何らかの原因でショートが起こり、線路の下の絶縁体に引火したとみられる。
消火後の復旧作業のため、線路上を流れる電気を停止しようとしたが、止めることができず、断続的に火花が出たという。
けが人はいなかった。
【「早く帰りたい」 舞浜駅に長い列】
東京ディズニーリゾート(TDR)の最寄りのJR京葉線舞浜駅では、9日夜、TDR帰りのグループや家族連れが、駅前の路線バスやタクシー乗り場に長い列をつくった。
東京メトロ浦安駅行きのバスを待っていた高松市の主婦(48)は、「そのうち電車が動くと思ってレストランで食事をしていたけれど、動かないまま。午後9時ごろから2時間近く並んでいる。習志野市のホテルに戻りたいのに、終電に間に合うか不安」と疲れた様子。
タクシー乗り場に並んで3時間以上という東京都江東区の男性会社員(25)は、「明日は仕事だから早く帰りたい」とこぼしていた。
列に並ぶのをあきらめ、家族に車での迎えを頼む人や、徒歩で宿泊先や別の駅を目指す人も目立った。
神奈川県小田原市の看護師女性(53)は、「終電に間に合わないので、長男に車で迎えに来てもらう」。
舞浜駅近くを歩いていた長野市の女性会社員(26)は、「途中でタクシーに乗れるといいんだけれど、潮見(江東区)のホテルまで一時間半ぐらい歩くことになるかも」と困惑していた。
出典
『京葉線で煙、運転見合わせ TDR客ら12万人影響』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018091002000058.html
9月10日11時59分にテレ朝ニュースからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本によると、線路に流れる電流が何らかの原因で鉄橋にも伝わり、ゴム製の絶縁体に引火して煙が発生した。
電流が漏れる状態がその後も続き、繰り返し、同じ場所から煙が上がって、おさまらなかったという。
出典
『同じ線路から何度も発煙…12万人超に影響 JR京葉線』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000135870.html
2018年9月4日20時22分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、装備一式の写真付きでネット配信されていた。
JR東日本は4日、新幹線車内のセキュリティー向上策として、車掌らが使うために車内に積み込む防護盾や防刃服(ベスト、手袋)を公開した。
今年6月に東海道新幹線「のぞみ」車内で起きた乗客殺傷事件を受けたもので、運転台や車掌室など、1編成あたり3カ所に配備する。
これとは別に、車掌ら乗務員はフラッシュライトと催涙スプレーを携帯する。
新幹線駅や在来線主要駅には、さすまたや防刃服を配備する。
血圧計や止血用具などの医療器具とともに、年内には配備を済ませる予定という。
防護盾はポリカーボネート樹脂製で、狭い車内でも使えるサイズに設計し、中型(縦80cm、横50cm)と小型(縦50cm、横30cm)の2種類を用意。
長さ1.3mの警戒杖は、不審者との距離を保つために使う。
JR東海やJR西日本も、東海道・山陽新幹線に、同様の護身用具や医療器具を搭載する方針だ。
出典
『新幹線に盾や防刃服配備へ JR東、乗客殺傷事件で対策』
https://www.asahi.com/articles/ASL945QJRL94UTIL02W.html
9月4日18時54分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東海道新幹線の車内で乗客が襲われ3人が死傷した事件を受け、JR東日本は、新幹線の車内に防護用具を配備すると発表した。
JR東日本では、乗務員や警備員が新幹線の車内で不審者に対応することを想定し、防護用の盾や防刃ベストなどを年内に配備する。
東海道新幹線の事件では、車掌が座席シートを外して身を守ったが、JR東日本の新幹線はシートが取り外しにくいことから、一部を外しやすい構造に変えるという。
出典
『JR東日本、新幹線車内に防護用具を配備へ』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3464027.html
(ブログ者コメント)
今年7月には、JR東海が護身用品を新幹線車内に常備するという情報を本ブログで紹介している。
2018年5月16日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8336/
(2018年9月5日 修正3 ;追記)
2018年8月29日18時58分にNHK東北から、東日本大震災後に側溝の沈下が確認されたものの対策が取られなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日、市の事故調査委員会が開かれた。
会合では側溝の沈下の原因について話し合われ、東日本大震災のあと、今回事故のあった辺りを調査したところ、側溝の沈下が確認されたものの、対策をとっていなかったことが報告された。
また、線路の下に設けられている排水路の入り口に騒音対策としてマットを敷いていたため、雨水が排水されず、側溝の下にしみ込み、盛り土が浸食されたことも沈下の原因と考えられるという。
さらに今回の調査で、火が出た場所以外の2か所でも側溝の沈下が確認されたという。
調査委員会は、こうした内容を盛り込んだ報告書を10月中にまとめたいとしている。
出典
『側溝の沈下を把握も対策せず』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180829/0002568.html
2018年8月24日16時41分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がイメージ図付きでネット配信されていた。
JR西日本が新幹線のトンネル内に、通常業務では線路内に立ち入らない車両検査の社員を座らせ、最高時速300kmを間近で体感させる研修をしていることが、同社や関係者への取材で判明した。
同社は、ボルト締め付けの確認などの重要性を学んでもらう目的だと説明するが、労働組合や専門家には、効果を疑問視する声がある。
【社員「怖かった」】
JR西によると、トンネル内には上りと下りの線路の間に、幅約1m、深さ約1mの中央通路がある。
研修は、通路に数人がうずくまり、頭上の間近を通過する新幹線2~3本の風圧を体感する。
2015年に福岡県のトンネル内であった部品落下事故を受けて、車両検査を担う博多総合車両所と同広島支所が16年2月に始めた。
今年7月末現在、小倉~博多間と広島~新岩国間で計24回実施し、車両検査の担当者約190人が体感した。
50代のベテラン男性社員によると、研修は「300km/h近接体感研修」と呼ばれる。
怖いと聞いていたため、上司に「行きたくない」と申し出たが、「順番なので」と認められなかった。
当日は2班に分かれて順にトンネルに入り、ヘルメットと防護眼鏡を着けて通路内に座り、新幹線が近づくと頭を下げた。
男性社員は上下3本をやり過ごしたが「風圧がものすごく、ドンと押さえつけられるようで怖かった。研修に何の意味があるのか」と言う。
グループごとに議論し、感想を書いて研修は終了。
別の日に研修を受けた同僚も「怖い」と話していたという。
研修のきっかけとなった事故は、15年8月8日に発生。
国の運輸安全委員会の報告書によると、新幹線2両目下部のアルミ合金製の板(幅71cm、高さ62.5cm)が落下して側壁や車体側面に当たり、衝撃で3両目の乗客が負傷した。
ボルトの締め付けが不十分だった可能性が高く、検査時の確認不徹底も一因とされた。
男性社員は、「ボルトが緩かったらどうなるか、トンネル内で速度を体感せずとも理解できる。社員を危険にさらすのは問題だ」と訴え、別の社員も「見せしめのようだ」と憤る。
JR西日本労働組合(JR西労、組合員約700人)は昨年5月以降、中止を申し入れているが、会社は応じていない。
同様の研修は、JR東海が15年度まで約5年間、一部社員を対象に実施していた。
JR西は、「中央通路での待機は、線路内に通常業務で立ち入る機会のある社員は経験している。車両関係の社員にも経験する機会を与え、作業の重要性を学んでもらうことが目的。安全には十分配慮している」と説明する。
【方法として問題】
中村隆宏・関西大教授(ヒューマンエラー論)の話
労災防止のため、疑似的に危険を体感させる安全教育は一般にあるが、トンネル内はリスクがゼロでなく、研修方法として問題がある。
インパクトがある経験で人間は変わるという前提かもしれないが、そんなに簡単にヒューマンエラーはなくならない。
トンネル内で体感することと検査の重要性を実感することは、ステップが離れすぎている。
間を埋める教育がないと意味がない。
出典
『JR西 新幹線300キロ体感 トンネル内で座らせ研修』
https://mainichi.jp/articles/20180824/k00/00e/040/305000c
8月25日付で東京新聞からは識者のコメントが、下記趣旨でネット配信されていた。
<甲南大の熊沢誠名誉教授(労使関係論)の話>
走行中の新幹線を間近で体感させるという研修は労務管理の良識に反しており、研修の域を超えている。
社員に恐怖感や閉塞感を与えるもので、ハラスメントに近く、今すぐやめるべきだ。
列車の整備について学ぶためなら、列車が停止した状態の方が適切であり、走行中の列車であるべき技術的な合理性はない。
出典
『JR西、時速300キロ風圧研修 新幹線トンネル内 至近距離』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018082502000163.html
(ブログ者コメント)
〇この研修方法については賛否分かれるところかもしれないが、座学でいくら部品取り付けの重要性を教えても、そこには限界があるのではないかとブログ者は感じている。
というのは、一般論として、教育を受けて頭では理解しても、どこかに他人事という気が潜んでいる・・・そんな気がしているからだ。
しばしば聞くのは、過去に事故を起こした人は、その危険性を肌で感じているので、二度と同じ事故は起こさない、ということ。
そういう観点から考えると、頭上を新幹線が通る際の恐怖感が頭に残り、車両検査時の確実な作業につながる・・・そのような考え方もあってしかるべしだと考える。
ただ、気になるのは、JR西が「安全には十分配慮している」という、その内容、ならびにJR東海が同じような研修を行い、その後は止めているという経緯だ。
そのあたりも、毎日新聞には取材してほしかった。
その内容次第では、ブログ者の考えも変わるかもしれない。
〇2015年の事例は下記参照。
『2015年8月8日 福岡県のトンネルで山陽新幹線のカバーが脱落し架線接触で緊急停止、カバー衝突で乗客軽傷、カバーのボルトは走行試験担当者が素手で締めただけだった』
(第1報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5124/
(第2報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6078/
2018年8月24日9時18分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取と京都を結ぶ特急「スーパーはくと」で座席の足置きを手で操作した際に指を挟まれ、切断するけがを負った60歳代の女性が、運行する智頭急行(鳥取県智頭町)とJR西日本(大阪市)に対し、計約4200万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
23日にあった第1回口頭弁論で、2社は争う姿勢を示した。
訴状によると、女性は2014年11月、JR大阪駅から乗車。
足置きの高さを調節しようとしたがうまくいかず、左手で操作した際、金具に中指が挟まれ、第一関節付近で切断した。
女性側は、「足置きに不具合があったのに、それを発見し、改善する義務を怠った」などと主張している。
スーパーはくとは智頭急行の車両で、JR西の路線に乗り入れている。
智頭急行は女性に約285万円の支払いを提案し、足置きは指が挟まりにくいよう改善。
JR西は治療費など約640万円を支払っている。
出典
『特急足置きで手の指挟まれ切断…乗客が損賠提訴』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180824-OYT1T50019.html
(ブログ者コメント)
以下は、ウイキペディアに掲載されている鉄道車両の足置き。
ブログ者も何回か使ったことがあるが、足で操作したため、危険性を感じたことはなかった。
しかし、いざ、挟まれ事故があったという情報に接すると、たしかに2か所ほど挟まれ危険個所があるようだ。
ただ、手で操作することまでを想定しての器具とは思えないような気もする。
2018年7月28日付で東京新聞夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は8月1日から、駅のホームにある発車ベルを押して流れるメロディーが駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、ベルを使わず、車両に設置された車外向けのスピーカーでドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
常磐線各駅停車の亀有(東京都葛飾区)~取手(茨城県取手市)間が実験対象で、駆け込み乗車を減らす有効性が確認されれば、拡大していく考えだ。
駆け込み乗車への対応で列車が遅れるケースは日常的で、死亡事故も発生。
同社は、大音量のメロディーがホームから離れた改札口付近でも聞こえてしまうことが駆け込みを誘発しているとみて、実験を決めた。
スピーカーからの音声が聞こえる範囲は、ホーム上にとどまるという。
ホームのベルを使わない方法が広がれば、蒲田駅(東京都大田区)の「蒲田行進曲」や高田馬場駅(新宿区)の「鉄腕アトム」など、一般的なメロディーの代わりに使われている「ご当地メロディー」が消える可能性もあるが、JR東は「検討段階で、決まっていない」としている。
JR東によると、実験では、乗務員室の「乗降案内スイッチ」を操作して、ホームに向け発車を知らせる音と「扉が閉まります。駆け込み乗車はおやめください」との自動音声を流す。
従来は、乗務員がホームに降り、ベルを押していた。
常磐線各駅停車に乗り入れる東京メトロや小田急電鉄の車両も、同様の取り組みをする。
出典
『発車ベルやめます JR常磐線が来月から実験』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072802000248.html
8月1日11時30分にFNN PRIMEからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
【8月1日からJR常磐線で実証実験がスタート】
JR東日本は8月1日から、駅のホームにある「発車ベル」を押して流れる「発車メロディー」が駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、常磐線の一部区間で、「発車ベル」を使わずに、車両に設置された車外向けスピーカーからドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
実験の対象は、常磐線各駅停車の「亀有~取手」間。
検証結果を踏まえて、拡大を検討するという。
「発車ベル」と「発車メロディー」の違いもいまいち分かりづらいが、今回の実証実験によって、どのような効果が期待できるのか?
JR東日本・東京支社の広報担当者に聞いた。
【「発車メロディー」が聞こえる範囲を狭める】
Q あらためて、「発車ベル」を使わない実証実験をやることにした理由は?
A 従来の発車メロディーは、駅のホームにある「発車ベル」を押して、ホームに設置されたスピーカーから「発車メロディー」を流しているので、音量が大きく、広範囲に聞こえるため、駆け込み乗車を助長している可能性があります。
そのため、ホームに設置されたスピーカーから発車メロディーを流すのをやめ、代わりに、電車の車両に設置された車外スピーカーから発車メロディーを流します。
発車メロディーの聞こえる範囲を狭めることで、駆け込み乗車を減らすことができるかどうかを検証します。
国交省のデータによれば、10分未満の電車の遅れにあたる小規模な遅延が起きる原因は、「乗車時間超過」、次いで「ドア再開閉」が約6割を占める。(「電車が毎日遅れるのはナゼ?」)
こうしたことからも、駆け込み乗車を減らすことが電車のスムーズな運行につながることはうなずける。
【混同しがちだが「発車ベル」と「発車メロディー」は別の
もの】
Q 「発車ベル」を押すのをやめるだけで、発車メロディーは流すということ?
A はい。車両の車外スピーカーから発車メロディーを流します。
Q 「発車ベル」と「発車メロディー」は同じものと捉えて
いたが?
A 違います。
「発車ベル」は、駅のホームにある「発車メロディー」を流すスイッチのことです。
Q 車外スピーカーから発車メロディーを流す場合、スイッチはどこにあるの?
A 車両内にあります。
Q 実証実験の対象を常磐線各駅停車の「亀有~取手」間にした理由は?
A 他の路線では駅独自の発車メロディーがあるため、自治体などの調整が必要なのですが、常磐線各駅停車には駅独自の発車メロディーがないことから、今回選定しました。
Q 実証実験は8月1日から始めて、どのぐらいの期間やる予定?
A 現時点では決まっていません。
確かに、発車メロディーが聞こえると急いでしまう心理はわかる。
聞こえる範囲を狭めるという今回の試みが電車の遅れによる乗客のイライラを解消できるのか、結果を待ちたい。
出典
『駆け込み乗車防止で「発車ベル」をやめる?JR東日本に意図を聞いた』
https://www.fnn.jp/posts/00344300HDK
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。