2017年10月24日20時21分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午前9時50分すぎ、JR土讃線の高知駅発岡山駅行きの上りの特急列車が大豊町の豊永駅のおよそ400m手前にある赤信号で止まれず、230mほど行き過ぎて停車した。
乗客と乗員あわせておよそ70人にけがはなかった。
JR四国によると、現場は上りと下りの列車が同じ線路を走る単線で、特急列車の先には下りの列車がいて、駅に向かって走ってきていたという。
特急列車は21分遅れで運転を再開し、この影響で土讃線の特急列車と普通列車あわせて6本に最大で34分の遅れが出たという。
JR四国は、台風21号の影響で落ち葉が線路に残っていたため車輪が滑りやすくブレーキがかかりにくくなっていたのではないかとみて調べている。
出典
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20171024/8010000503.html
10月25日付で秋田魁新報からも、同じようなトラブル事例が下記趣旨でネット配信されていた。
JR東日本秋田支社によると、25日午前5時半ごろ、JR五能線の横磯―艫作間(青森県深浦町)で落ち葉による運行障害が発生し、普通列車は2本が運休、2本に遅れが出た。
出典
http://www.sakigake.jp/news/article/20171025AK0012/
2017年10月25日19時16分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日、南越前町のJR北陸線南今庄駅で、普通列車が駅のホームを通過して停止するトラブルが1日に3回も発生した。
なぜトラブルは繰り返されたのか。
25日、現場で取材した。
25日午前6時5分、福井発敦賀行きの、この列車。
乗っているのは通学の生徒や通勤のサラリーマンだ。
外が暗いうちに出発し、現場の南今庄駅に向かう途中、外が明るくなってきた。
24日、南越前町のJR北陸線南今庄駅で起きたトラブル。
停車するはずの普通列車がホームを通り過ぎてしまったというものだ。
このトラブルが朝と夕方、そして夜の、あわせて3回あった。
JRによると、同じ日に同じ駅で同様のトラブルが繰り返し発生したのは、この10年で初めてで、3回というのは極めて異例だという。
南今庄駅に停車する上りの普通列車は1日に24本ある。
このうちの3本で24日、トラブルが発生した。
JRは最初のトラブルのあと、運転士にホームに確実に停止するよう、注意喚起を行っていた。
しかし、3本の列車が停止位置から行き過ぎた距離は、1回目が60m、2回目が100m、3回目が170mと、だんだん長くなっていた。
原因は現場の地形にあったのだろうか。
南今庄駅はトンネルを抜けた約700m先にあり、駅に向かって緩やかな上り坂になっている。
ただ、JRでは、特に運転士が錯覚を起こしやすいような地形ではなく、ブレーキ操作を誤るような問題がある地形だとは認識していないと説明している。
では、いったい何が問題だったのだろうか。
25日の午前中の現場の様子。
線路の脇には杉の葉が落ちていて、拾い集める作業が行われていた。
駅の周囲は山に囲まれていて、列車の進行方向の左側には林が広がっている。
23日にかけて接近した台風21号の影響で、同じ南越前町今庄では、観測史上最大の36.8mの最大瞬間風速を記録していた。
JRが24日、2回目のトラブルのあと、線路を点検したところ、大量の杉の葉が落ちていたという。
今回トラブルを起こした車両は、車輪を押さえつけて止めるブレーキとディスクブレーキの両方を使っているが、JRによると、ブレーキに不具合はなかったという。
一方で、いずれの列車の運転士も「ブレーキをかけたが、すべって思うように効かなかった」と話しているということで、JRでは、台風の影響で線路に落ちた杉の葉で車輪が滑り、ブレーキが効きにくくなった可能性があるとみている。
トラブルから一夜が明けた南今庄駅では、普通列車を駅のかなり手前から徐行運転させるなどの対策を取っていた。
国交省中部運輸局では、トラブルの原因は現場の状況にあるとみる一方で、トラブルが3度繰り返されたのは明らかに異常だとして、JRからの詳しい報告を待つとしている。
出典
『1日に3回駅通過トラブル原因は』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055112011.html
10月26日7時20分に福井新聞から、オ-バーランは3回ではなく4回だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
既報の3回以外にも約400mにわたってオーバーランした列車があったことが25日、JR西日本金沢支社への取材で分かった。
・・・・・
南今庄駅で停車位置を約400m行き過ぎたのは敦賀発芦原温泉行き普通列車(2両編成)で、午後3時50分ごろ発生。
他の3回と異なり下り線で、踏切を越えていなかったため、バックしてホームに戻った。
乗客約20人のうち1人が降り、9分ほど遅れて出発した。
4回とも別の運転士で、全員が「いつもより手前からブレーキをかけたが、滑った感じがした」と話しているという。
点検の結果、車両に異常は認められなかった。
出典
『オーバーラン「4回目」は400m JR北陸線南今庄駅、落ち葉原因か』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/253322
10月27日21時7分にNHK福井からは、杉の葉が押し潰されると滑りやすくなるという実験結果が、下記趣旨でネット配信されていた。
・・・・・
JRでは、台風21号の強風で落ちた杉の葉で車輪が滑り、ブレーキが効きにくくなった可能性があるとみている。
植物に詳しい専門家福井県立大学生物資源学部学部長の村井耕二教授と、レールと車輪の間で杉の葉が押しつぶされたと仮定して実験を行った。
村井教授は、デンプンなどの多糖類が葉から染み出し、さらに列車の重みで強い力がかかったため細胞が破壊され、油の成分も加わった可能性を指摘した。
村井教授によると、この杉の葉をはじめとする針葉樹は油分が豊富だという。
1日に4度も起きた駅通過のトラブル。
JRでは、再発防止につとめ、線路上に木の葉が落ちた場合には撤去するか慎重に判断したいとしている。
出典
『列車滑った原因は?杉の葉で実験』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055174181.html
(ブログ者コメント)
NHKの映像によれば、村井教授の実験内容は下記。
・緑色の杉の葉を枝から切りとり、乳鉢の中に入れる。
・乳棒を使ってすりつぶしたところ、ヌルヌルの液状になった。
・金属板の上に十円玉を3枚置き、うち2枚の下に水とすりつぶした液を塗る。
・各十円玉に指を添え、板の上でグルグル回すと、何も塗らない場合と水を塗った場合はザラザラ感があるが、すりつぶした液を塗った場合はツルツル感があることが確認された。
2017年10月23日17時39分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月23日12時4分に神奈川新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前5時40分ごろ、横浜市旭区の二俣川駅の手前を走っていた相鉄線の各駅停車の車内で煙が出て、20代と30代の女性、40代の男性の乗客3人が煙を吸い込んで病院に搬送された。
煙が出たのは2両目の天井部分にあるエアコンの吹き出し口とみられ、消防が詳しく調べたところ、車内の蛍光灯の配線の一部が焦げ、吹き出し口にすすが付着していたことが消防への取材で分かった。
2両目の屋根には長さ10cm程度の細長い穴が開いていて、当時ホームにいた駅員が「パンタグラフ付近から火花が出ていた」と話しているという。
走行中に車内天井のエアコン吹出口と蛍光灯から火花が散ったのを目撃した乗客もいたという。
相鉄線は同じ時間帯に停電が起き、およそ3時間にわたって運転を見合わせた。
消防や警察などは、停電との関連がないか詳しく調べている。
電車は二俣川駅の手前で停止し、乗客は歩いて同駅に向かった。
出典
『相鉄線から煙 蛍光灯に焦げた跡』
http://www.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20171023/1050000575.html
『相鉄線の車両から煙、乗客3人搬送』
https://www.kanaloco.jp/article/286108
(ブログ者コメント)
走行中の電車の天井から火花が出る事故は、過去にも起きている。
2014年3月19日掲載
『2014年3月12日 愛知県名古屋市の名鉄名古屋本線で走行中の電車の天井から火花が出て下にいた乗客が軽いやけど、空調装置のアース線に過電流が流れアース線が溶損していた』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3750/
2011年6月18日掲載
『2011年6月17日 西鉄大牟田線で走行中の電車の天井から火花、女児重傷 (修正3)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/478/
2016年10月10日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6362/
(2017年10月14日 修正2 ;追記)
2017年10月13日17時51分に日本経済新聞から、製造時に台車の枠と補強板の溶接が不十分だったため亀裂が入り車輪が浮き上がって脱線したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
東武鉄道は13日、製造時の台車の溶接が不十分で亀裂が入り、車輪が浮き上がったのが原因とみられるとの調査結果をまとめた。
東武鉄道によると、脱線したのは5両目後部にある台車で、1989年に住友金属工業(現新日鉄住金)が製造。
台車の枠と、それを補強する鉄製の板の溶接が適切な形になっていなかった。
数mm程度の範囲で強度に問題はないが、一部に力がかかりやすい状態になっており、亀裂が入った。
このため台車のバランスが悪くなり、車輪が浮いて脱線したという。
脱線した台車は現在製造されていないが、東武鉄道は新日鉄住金に調査結果を知らせ、同種の不具合が起きないよう、再発防止を求めた。
出典
『溶接不十分で台車に亀裂 東武東上線の脱線事故』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22234280T11C17A0CC1000/
10月13日21時44分に産経新聞からは、当該溶接部分で過去に亀裂の発生はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東武鉄道によると、亀裂は台車を構成する空洞状のはりと内部の補強板の溶接部分で発生。
台車の別の溶接がいびつな形状になっているのが複数見つかったことから、亀裂部位にも溶接不具合があったとの見方を示した。
負荷がかかるようになったため、亀裂が発生したと推定した。
過去に亀裂の発生はなく、再発防止策として重点的な検査項目に含める。
台車は平成元年に住友金属工業(現新日鉄住金)が製造。
新日鉄住金は、「(同社が実施した)検証では、溶接の不具合は亀裂に進展しないという結果が出ている」とコメントした。
出典
『昨年の東武脱線事故で「台車溶接に不具合」製造元は反論』
http://www.sankei.com/affairs/news/171013/afr1710130032-n1.html
10月13日10時55分に毎日新聞からは、台車枠の類似部分で数mmの溶接不良が見つかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東武鉄道は、車体を支える鋼鉄製の台車枠と枠内部にある板状の補強用鋼材の溶接不良で亀裂が生じ、台車がバランスを崩して脱線した可能性があると発表した。
調査では、亀裂部分の溶接状況は判明しなかったが、台車枠の類似部分で数mm程度の溶接不良が見つかったという。
東武鉄道は、「亀裂部分でも溶接不良があり、一部に負荷が集中しやすくなって振動などで亀裂が生じた可能性がある」としている。
出典
『東武東上線脱線 鋼材溶接不良が原因か 昨年5月事故』
https://mainichi.jp/articles/20171014/k00/00m/040/053000c
10月13日19時56分にNHK首都圏からは、亀裂発生場所は亀裂検査の対象外だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この台車は平成元年に製造されたもので、同じ台車の部品にわずかな溶接の不具合が見つかったが、亀裂ができた箇所は破損したため、最終的に不具合は確認できなかったという。
また、4年に1度の亀裂検査で、今回亀裂ができた箇所は対象になっておらず、東武鉄道はこれまでに同じ構造のおよそ2000の台車を調べ、異常は見つかっていない。
出典
『東武の脱線 台車溶接不十分か』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20171013/0001798.html
2017年10月2日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
踏切内で転倒するなどして電車にはねられ死亡する事故を防ごうと、警視庁は鉄道各社に高機能の検知装置を導入するよう要請した。
東京都内では今年7人(1日現在)が死亡し、昨年1年間の2人を既に大幅に上回っているためだ。
西武鉄道が、2月に事故が起きた踏切に新型装置を設置して実証実験を始めるなど動きが広がっており、国交省も鉄道各社の対応に関心を寄せている。
国交省によると、2012~16年度の5年間に踏切内で電車にはねられて死亡したのは、全国で381人(自殺を除く)。
事故は鉄道の運行にも大きな影響を及ぼすため、鉄道各社にとって対策が重要課題になっている。
一般的に、検知装置は踏切に車が取り残されたケースを想定している。
犬や猫など動物に反応して電車を止めないように、地面から75cm以上の高さにレーザー光線や赤外線を出し、障害物を「線」でとらえるタイプが多い。
警視庁によると、今年都内で亡くなった7人のうち、4人は検知装置がある踏切で事故に遭った。
2人は光線より低い場所で倒れたまま起き上がれず、他の2人は立っていたが、光線と光線のすき間にいて検知できなかった。
同庁は2月、西武鉄道の東京都豊島区にある踏切で78歳の女性が転倒してはねられ死亡した事故を受けて、緊急の対策会議を開催。
踏切内を「面」でカバーする高機能の装置を導入するよう、鉄道会社に要請した。
西武鉄道は6月、この踏切に「面」で検知できる装置を地面から高さ約13cmに設置して、実証実験を始めた。
この高さでは動物に反応することもあり、最も適した高さなどを検証し、他の踏切でも導入する方針だ。
他の会社でも、高機能の装置の設置は進みつつある。
ただ、価格が従来型の倍ほどするため、多くをすぐに切り替えるのは難しい。
警視庁の担当者は、「老朽化した設備の更新に合わせて導入を」と呼びかけている
東京都豊島区の西武鉄道の踏切で転倒し、電車にはねられて死亡した近くの無職女性Tさん(78)の夫(81)が毎日新聞の取材に応じ、「同じ事故が起きないように対策を取ってほしい」と語った。
事故が起きたのは、西武池袋線の椎名町駅東側にある「池袋第8号踏切」(幅約4m、長さ約10m)。
警視庁によると、Tさんは2月9日午前10時50分ごろに横断中、手押し車の車輪がレールの溝にはまり、引き抜こうとして転倒。
這って線路外に出ようとしたが間に合わず、はねられた。
夫によると、Tさんは膝が悪く、2~3年前から外出時に手押し車を使っていた。
手押し車のかごから保険証が見つかっており、かかりつけの整形外科に行く途中だったとみられる。
踏切は閑静な住宅地にあり、日中は人通りが少ない。
約60m離れた場所には幅が広く、人の通行量が多い踏切があったが、この日は普段は通らない狭い踏切を選んだ。
夫は、「足が悪く、ゆっくり歩くから、他の人の邪魔になると思って、あの踏切を通ったのではないか」と推測する。
踏切で倒れたTさんに気付いた人はいなかった。
西武鉄道によると、現場の踏切には、遮断機が下りると踏切内の地面から約75cmの高さに7本のレーザー光線を張り巡らせ、障害物を検知すれば電車に知らせる装置があった。
しかし、Tさんは倒れたままで、手押し車も転倒したため光線に触れず、装置は反応しなかった。
夫は、「仕方のないことだが、同じ事故は二度と起きないでほしい」と語った。
出典
『踏切事故防止 踏切の異常、見逃さぬ 倒れた人にも反応、高機能検知装置 西武鉄道試行、他社も前向き』
https://mainichi.jp/articles/20171002/dde/041/040/047000c
(ブログ者コメント)
以下は関連記事。
2017年3月7日掲載
『2017年2月28日報道 踏切内での死亡事故が後を絶たない、特に高齢者が関係する事故が目立つ、対策として従来は精度が高すぎて二の足を踏んでいた高精度センサーを鉄道各社は導入中』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6857/
2017年9月28日10時49分にNHK長崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし3月、佐世保市にある遮断機のない踏切で、聴覚に障害がある女性が列車にはねられ死亡した事故について、国の運輸安全委員会は、列車の接近を知らせる警報機の音や赤い光を認識できなかった可能性があるとしたうえで、遮断機の設置などの対策をとることが望ましいとする報告書をまとめた。
ことし3月、佐世保市名切町の松浦鉄道の踏切を歩いて渡ろうとした67歳の女性が、列車にはねられて死亡した。
国の運輸安全委員会がまとめた事故調査報告書によると、現場の状況や聞き取りなどから、事故は運転士が警笛を鳴らし、踏切の警報機も正常に動いていた状況で、女性が踏切に進入したため発生したと考えられるという。
警報機が作動する中で女性が踏切内に進入したのは、聴覚を失っていたことが関係したとみられ、列車の接近を知らせるせん光灯の赤い光も認識できなかった可能性があるとしている。
また、この踏切では、平成8年と平成15年に、歩行者が死亡したりけがをしたりする2件の事故が発生していた。
事故の防止策として、運輸安全委員会は、踏切に遮断機を設置するなどの対策をとることが望ましいとしている。
松浦鉄道は、今回の事故のあと、見えにくくなっていた停止線を、もう一度引いたほか、看板を新たに設置し、警報機のせん光灯をより見やすい全方位型に変更している。
また、遮断機の設置を検討しているが、再来年度以降になるという。
出典
『踏切事故防止へ「遮断機設置を」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034268491.html
9月28日10時48分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
長崎県佐世保市で今年3月、聴覚障害者の女性(当時67)が踏切で列車にはねられて死亡する事故があった。
国の運輸安全委員会は28日、警告灯の点滅が角度によって視認できない状態だったため、女性が列車の接近に気づけなかった可能性があるとの調査報告書を公表した。
報告書によると、事故は3月23日午前11時すぎ、松浦鉄道西九州線の踏切で起きた。
遮断機はないが、音と光で列車の接近を知らせる警報装置はあった。
だが、踏切脇に設置された警告灯の点滅は正面方向からしか視認できないタイプ。
踏切から少し離れた位置からは確認できるが、踏切に近づくと警告灯を横や後ろから見ることになるため、点灯を視認できない状態だった。
女性は子どものころから耳が聞こえない。
事故当時は警報音が鳴り、運転手も警笛を鳴らしたが、立ち止まらなかった。
事故後、現場の警告灯は、点滅が全方位から見えるタイプに変更された。
同委は報告書で「遮断機を設置することが望ましい」とも指摘した。
出典
『踏切の警告灯、見えずに進入か 聴覚障害の女性死亡事故』
http://www.asahi.com/articles/ASK9V6HXHK9VUTIL04Q.html
(ブログ者コメント)
〇朝日新聞掲載図によれば、線路沿いの道を左折したところに踏切りがある。
そして信号機は、左折ポイント手前の線路沿いの道に、踏切に背を向ける形で設置されていた。
〇新しく設置された信号機は、ランタンのように吊り下げられた赤色灯が点滅するタイプ。
これなら全方位から点滅確認が可能だ。
〇同じような事故は、2016年に佐久市でも起きている。
2017年8月5日掲載
『[昔の事例] 2016年11月10日 長野県佐久市にあるJR小海線の踏切で聴覚障害のある女性が列車にはねられたのは、複数の要因が重なり点滅赤色灯が見えなかったことが原因』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7431/
2017年9月15日22時40分に山陽新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
倉敷市のJR山陽線踏切で2015年2月、立ち往生したトラックに列車が衝突、列車の乗客18人と運転士1人が負傷した事故で、岡山県警交通指導課と玉島署は15日、トラック運転手男性(52)=倉敷市=を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と過失往来危険の疑いで、列車の運転士男性(29)=同市=を業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで、それぞれ書類送検した。
県警によると、トラックの停止原因は変速機の不具合だったが、説明書通りに操作すれば必ず復旧することが判明。
列車に関しては、運転士が前方を注視していれば踏切の手前約800m地点でトラックを目視でき回避できたという。
書類送検容疑は、トラック運転手は踏切内で停止した際、変速機の適切な復旧操作を怠って列車の往来の危険を生じさせ、運転士は時刻表などの確認に気を取られてトラックの発見が遅れるなどし、それぞれの過失による衝突で19人にけがを負わせた疑い。
県警によると、トラック運転手は「正しい復旧操作は行った」と容疑を一部否認。
運転士は認めている。
県警は、トラックを所有する運送会社と製造メーカーについても調べたが、管理などに問題はなく、いずれも「過失は問えない」と判断。
JR西日本についても、運転士の健康状態や運転適正などの管理に「問題はなかった」と結論付けた。
事故は15年2月13日午前8時20分ごろ、倉敷市船穂町船穂、西阿知―新倉敷間の八人山(はちにんやま)踏切で発生。
負傷者のうち、乗客の専門学校生が頭の骨を折って、一時意識不明の重体になった。
JR西日本岡山支社の吉田副支社長は、「事故後、さまざまな安全対策を進めてきたが、今回の送検を厳粛に受け止め、再発防止に万全を期してまいります」とコメントした。
出典
『運転双方を過失容疑で書類送検 倉敷のJR衝突事故で岡山県警』
http://www.sanyonews.jp/article/597562/1/
9月15日20時17分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警によると、運転士は容疑を認めた。
運転手は、「トラックに不具合が起き(マニュアルにある)復旧操作をしたが動かなかった」と、一部否認している。
運転士は、電車が非常ブレーキで止まることができる約450m手前の地点より前でトラックを確認することが可能だったにもかかわらず、気付くのが遅れて、約260m手前で非常ブレーキをかけたため間に合わなかった。
電車に異常を知らせる「特殊信号発光機」がカーブなどで視認できない死角区間にあることも判明したが、直接の原因ではなく、JR西日本の過失は問えないとした。
県警は、トラックの整備や管理に問題がなかったかも調べたが、不具合はエンジンを一度切るなど取扱説明書に明記されている操作をすれば復旧が可能だったと断定した。
出典
『JR運転士ら書類送検、乗客ら19人重軽傷の山陽線踏切事故』
http://www.sankei.com/west/news/170915/wst1709150086-n1.html
9月15日19時7分にNHK岡山からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、29歳の男性運転士は、踏切のおよそ260m手前で異常を知らせる信号に気づき、非常ブレーキをかけたものの、間に合わなかったという。
警察の調べによると、この踏切では、少なくとも450m手前でブレーキをかければ衝突を避けられたということだが、実際に踏切にトラックと同型の車を置き、電車の運転席からどう見えるかなどを調べたところ、踏切のおよそ800m手前から先では、トラックを目視で確認できることがわかったという。
これまでの調べに対して運転士は、「時刻表や計器の確認に気を取られ、前方の確認を怠った」などと話しているということで、警察は、前をよく見ていなかったことが事故につながったとして、業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで書類送検した。
出典
『倉敷踏切事故 運転士を書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/4023827882.html
(ブログ者コメント)
NHK岡山からは、線路上を動かすことができるやぐらの上に人が乗り、やぐらを移動させつつ、踏切りが確認できる位置を検証する様子が放映されていた。
2017年9月13日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後3時ごろ、新城市宮ノ西のJR飯田線新城駅に停車中の上り列車内で、男性車掌(23)が左手の親指をハチに刺された。
車掌が手のしびれを訴えたため、この列車が運休。
50人に影響した。
JR東海によると、列車は2両編成の豊橋行き。
豊橋から下り列車として新城駅に到着し、上り線へ折り返す予定だった。
車掌は、ドアを開けたまま車内を見回っている最中に、スズメバチとみられるハチを発見。
追い払おうとして刺され、駅からタクシーで病院へ向かった。
駅で待っていた乗客8人に、けがはなかった。
出典
『新城駅で車掌がハチに刺され運休 JR飯田線』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170913/CK2017091302000050.html
9月13日8時11分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後3時頃、愛知県新城市宮ノ西のJR飯田線新城駅で、新城発豊橋行き普通電車(2両編成)の男性車掌(23)が発車前の車内点検中、スズメバチとみられるハチに左手親指付近を刺され、手がしびれる症状が出た。
このため、JRはこの電車の運転を取りやめ、乗客約50人には約30分後の後続電車を利用するよう案内した。
JR東海によると、車掌は車内にハチがいるのを見つけ、車外に追い払おうとしたところ刺され、その後、そのハチを殺したという。
乗客にけがはなかった。
出典
『ハチの一刺し、電車ストップ…車掌が被害』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170913-OYT1T50014.html
(ブログ者コメント)
蜂は刺激しなければ攻撃してこないと言われているが、今回の場合、放っておくわけにもいかなかっただろう。
すべてのドアを開けて、蜂が出ていくのを待てばよかったのかもしれないが、調べたところ発車は15時11分。
時間的に余裕がなかったのかもしれない。
2017年9月11日21時51分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都渋谷区で10日夕、沿線の建物火災が小田急線の車両に延焼する火事があった。
けが人はなかったが、乗客300人が線路に避難した。
小田急などによると、緊急停止した8分の間に車両に火が燃え移ったという。
小田急や警察などによると、同区代々木5丁目にあるボクシングジムが入るビルから出火したと119番通報があったのは、10日午後4時6分ごろ。
小田急によると、「消火活動をするため電車を止めてほしい」と消防から現場で依頼された警察官が、通報から5分後に近くの踏切にある非常停止ボタンを押した。
列車に自動的にブレーキがかかる仕組みが作動し、新宿行き上り列車(8両編成)が「たまたま火災現場の目の前に止まった」(小田急)という。
ジムの入るビルからわずか3m。
ここで一時とどまっている間に、2両目の屋根に延焼した。
小田急では、沿線で火災が起きた場合、「運転士や車掌が覚知したら電車を安全な場所で止める」のが原則だという。
今回、運転士は白煙は確認したが、火災とは認識しておらず、踏切事故などで非常停止ボタンが押されたと考えた。
安全確認のために電車を降りて初めて、火災に気づいたという。
運転士は手動で非常停止状態を解除し、運転指令に連絡して電車を動かす許可を取った。
停止から8分後、火災から遠ざけるために電車を動かし始めたが、直後、現場にいた消防から屋根への延焼を知らされ、約120m前進したところで再び停車。
乗客を避難させたという。
乗客は、1両目と8両目のドアから、車外に出た。
全車両のドアを開けなかった理由について、小田急は「対向する下り車線の運行が確実に停止されているか確認できていなかったことに加え、車内が燃えていたわけでもないので、乗務員の目が届く場所から降ろすことにした」という。
燃えたのは、電気設備周辺を絶縁するため、ステンレス製の車両に上塗りしているウレタン樹脂。
難燃剤を混ぜるなどして燃えにくくしているが、今回は炎の勢いが強かったと小田急はみている。
【国は社内検証を指示】
国交省は11日、小田急に対し、火災対応や避難誘導が適切に行われたか、社内で検証するよう指示した。
沿線火災は過去にも起きているが、国交省によると、現場のすぐ脇で列車が止まった例はなく、「踏切事故で車両が焦げたことはあるが、沿線火災で車両が焦げたケースは記憶にない」と担当者。
沿線火災への対応は国のルールがなく、列車が焼ける事態も想定していなかった。
一般的には、沿線で火災が起きた場合、列車は現場の手前で非常停止するか、止まることが難しい場合には現場脇をそのまま通りすぎることで、対処しているという。
非常停止は、火災などの危険に気づいた運転士が判断するか、運転指令が運転士に指示して実施されることが多い。
ただ、今回はそのどちらでもなく、非常停止ボタンが押されて自動列車停止装置(ATS)が作動し、ブレーキがかかった。
非常停止ボタンは、ATSと連動するタイプとしないタイプがあるが、小田急は連動式で、運転士や運転指令の意思とは関係なく列車が止まったという。
鉄道の安全対策に詳しい関西大社会安全学部の安部誠治教授(交通政策論)は、「踏切の非常停止ボタンが押されたため、運転士は踏切自体の異常と火災との両方を確認しないといけない状況だった」と分析。
「トンネル内で火災が起きた際には『止まるな』という鉄道業界の原則があるが、トンネル以外には無い。建物の間をぬうように列車が走る都市部では、今回のような火災の可能性があり、鉄道各社は避難誘導の方法も含め対策を練っておく必要がある」と指摘する。
出典
『自動停止し火災に横付け… 小田急延焼、想定外重なる』
http://www.asahi.com/articles/ASK9C5GXYK9CUTIL02Z.html
9月12日12時33分にNHK首都圏からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
石井国土交通大臣は12日の閣議のあとの記者会見で、「住宅密集地などにおいて、線路の間近で火災が発生した場合の列車の運行と消火活動のあり方について検討するよう指示した」と述べ、沿線で火事が起きた際の列車の運行と消火活動の進め方について、消防や警察と連携して検討を始める考えを明らかにした。
国交省によると、これまでトンネル内や地下で火災が起きた際の対応は決められているが、沿線で火事が起きた際の列車の運行や乗客の避難、消火活動については定められていないという。
出典
『沿線火災の列車運行と消火検討へ』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170912/0000348.html
2017年9月6日3時42分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首都圏を走る山手線や京浜東北線などJR東日本の7路線で、5日午前、大規模停電のため電車が一時運転を見合わせたトラブルで、JR東は、埼玉県蕨市にある同社変電所で作業員が機器の操作を誤り、電流の異常を感知して電気が止まったことが原因と明らかにした。
停電は午前10時ごろに発生。
山手線、常磐線の快速電車、埼京線、京浜東北線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ラインの7路線で、最大で約40分間運転を見合わせた。
計75本の列車が遅れ、約4万1000人が影響を受けた。
停電で、駅と駅の間の線路で止まった電車もあった。
一部の駅ではエレベーターが停止して乗客が閉じ込められ、改札機や券売機が、一時、利用できなくなった。
けが人や体調不良を訴えた人は把握していないという。
JR東によると、5日午前、変電所の電気回路を点検しようとした作業員が、手順に反して電気を止めないまま作業を開始。
地面に過大な電気が流れたため、センサーが異常を感知して自動停止し、電気を供給できなくなった。
この変電所はJR東に18ある基幹変電所の一つで、複数の変電所を通じて埼玉県や東京都心を走る各路線や駅に電気を送っている。
このため、蕨市の変電所でのトラブルが、都心の路線にも影響した。
作業は、JR東の関連会社「東日本電気エンジニアリング」が担当。
JR東は、作業の指示や管理が適切だったかどうか詳しく調べる。
出典
『JR東 機器の誤操作が原因 首都圏7路線で大規模停電』
https://mainichi.jp/articles/20170906/k00/00m/040/087000c
9月5日22時22分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR7路線をストップさせたのは、蕨交流変電所での点検作業の操作ミスだった。
JR東管内では近年、多数の利用者に影響を与えるトラブルが相次いでおり、首都圏の重要交通インフラが簡単に機能停止する脆弱性が改めて浮き彫りになった。
点検はJR東の関連会社「東日本電気エンジニアリング」の作業員2人と孫請けの7人の計9人が、5日午前9時15分に開始。
12年に1度実施する、通電装置の「断路器」が正常に動くかを確認する作業だった。
9人はいずれも作業経験があり、手順書も渡されていたが、電源を停止させないまま作業を開始した。
別系統の電源と接続する遮断器も開放せずに断路器のスイッチを入れたため、地面に過大な電気が流れ、センサーが異常な電流を感知。
蕨変電所全体が自動停止した。
JR東は別の基幹変電所から電源を供給するなどしたが、蕨変電所の復旧には約30分を要した。
鉄道の安全管理に詳しい関西大学の安部誠治教授は、「作業は複数人でのダブルチェックが原則。なぜ手順を間違えたか、問題の本質を見極める必要がある」とし、作業員の実務的な知識不足の可能性を指摘した。
JR東のトラブルをめぐっては、平成27年4月、東京都千代田区の山手線で、線路内の支柱がレールに接触する形で倒壊した。
同8月には横浜市内の京浜東北線で、架線のつなぎ目にある「エアセクション」と呼ばれる、原則、停車禁止の部分に電車が停止。
ショートした熱で架線が切れ、35万人に影響が出た。
昨年5月には川崎市内で、今回と同様に変電所のトラブルを原因とする停電が発生し、南武線などで24万人に影響している。
鉄道インフラは犯罪行為の標的になる可能性もあり、2020年に迫る東京五輪に向けて、安定輸送対策は急務だ。
平成27年には、JR関連施設で相次いで放火事件が発生するなどしている。
安部教授は、「鉄道は、事故に対する備えは強化されているが、安定輸送という観点では脆弱な側面もある。本腰を入れて議論を進める必要がある」と指摘した。
出典
『相次ぐJR東トラブル 今度は「人災」 脆弱性浮き彫り』
http://www.sankei.com/affairs/news/170905/afr1709050037-n1.html
(ブログ者コメント)
平成27年4月と8月の事例は本ブログでも紹介している。
2017年8月25日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
認知症の高齢者が徘徊中に踏切事故に遭うなど、不測の事態で家族が高額の損害賠償を求められるケースに対応しようと、神奈川県大和市は24日、賠償金として最大3億円が支払われる保険に加入すると発表した。
市によると、公費によるこうした取り組みは全国で初めてという。
認知症の高齢者を巡っては2007年、愛知県大府市で男性が東海道線の電車にはねられて死亡し、家族がJR東海から720万円の賠償を求められる訴訟があった。
一審、二審とも家族に賠償を命じたが、最高裁は昨年3月、「監督が容易な場合は賠償責任を負うケースがあるが、今回は困難だった」として、JR東海の請求を棄却している。
大和市には、小田急線や相鉄線などの8つの駅と32の踏切がある。
認知症高齢者の家族から「事故が起きた場合、どこまで責任を負うのか」といった相談があったことから、公費で民間保険会社と契約して対応することにした。
対象は、徘徊の危険性が高いとして、発見や保護を目的に市と関係団体がつくる「はいかい高齢者等SOSネットワーク」に登録している人。
7月末時点で237人おり、市は323万円を補正予算案に盛り込み、30日開会の市議会に提案する。
保険金は、鉄道会社などへの個人賠償責任が認められた場合、最大3億円の範囲内で肩代わりする。
対象者が事故で亡くなった場合は、遺族に最大300万円、入院や通院した場合にも一日1200~1800円が支払われる契約になる見通し。
結城康博・淑徳大教授(社会福祉学)は、「認知症の高齢者を抱える家族や本人にとっても住みやすい街づくりへの一歩になり、評価できる取り組みだ。全国的に広げるには、民間保険を活用するのでなく、公的制度としてこのサービスを構築することが求められる」と指摘した。
出典
『認知症で踏切事故 家族に高額請求 大和市が保険加入 最大3億円を賠償』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082502000123.html
(2018年12月2日 修正1 ;追記)
2018年11月19日10時59分に神奈川新聞から、この制度の運用が2017年11月から開始されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大和市は11月から、認知症による徘徊の恐れがある高齢者などを対象に、公費で損害保険の保険料を負担する取り組みを始めた。
徘徊中に踏切事故に遭って高額の損害賠償を求められる事態などを想定し、家族の不安を解消する狙い。
市が保険契約者となり、最大3億円が補償される。
市によると、こうした取り組みは全国で初めて。
対象は、徘徊の恐れがある高齢者の情報を事前登録する市の「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者。
現在、同月初旬までに申請のあった242人が被保険者となった。
補償対象となるのは
(1)踏切内で電車に接触、鉄道会社の車両が壊れる
(2)復旧による代替輸送が生じる
(3)自転車を自ら運転していて通行人にけがを負わせる
などの事態だ。
認知症の高齢者を巡っては、愛知県大府市で2007年、90代の男性が電車にはねられる事故が起こった。
JR東海は約720万円の賠償を遺族に求め、1、2審判決では家族に支払いが命じられた。
昨年3月の最高裁判決では請求が棄却されたが、それまでに「(踏切事故が起きた場合に)家族がどこまで責任を負うのか」と不安に感じる声が市民から出ていた。
取り組みは、そうした家族の不安を和らげるのが狙い。
市は、高齢者本人が事故などで死傷した時に補償される傷害保険にも加入。
死亡時は300万円、後遺障害を負った場合は最大300万円、入院では日額1800円(支払い限度180日)、通院では同1200円(同90日)が補償される。
市高齢福祉課は、「認知症と家族の方が安心して住み続けられる町を目指す」と話した。
問い合わせは、同課電話046(260)5612。
出典
『認知症徘徊、公費で保険 全国で初めて、大和市』
http://www.kanaloco.jp/article/292084
2017年8月15日19時44分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月8日、浜松市中区にある東海道新幹線の浜松工場で、メンテナンス中で徐行していたN700系の新幹線16両のうち、9号車から11号車のあわせて3両が脱輪した。
この事故によるけが人はいなかったが、先頭付近の車両が一般の市道の踏切をふさぎ、踏切は約5時間にわたって通行止めになった。
この事故について15日、JR東海は浜松市内で説明を行い、新幹線が通過した際に現場付近のレールを枕木に固定するくぎが緩み、2本のレールの間隔が広がったことが脱輪の直接の原因だったことを明らかにした。
現場付近でくぎのゆるんだ場所はあわせて17か所で、新幹線が通る際、レールは外側に傾く状態になっていたという。
このためJR東海は、工場内のレールの一部で、固定方法をこれまでのくぎから、衝撃や振動に強い「板バネ」を使う方法に変更し、事故の再発防止を図ることにした。
出典
『新幹線脱輪レール固定のくぎ緩む』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3033031351.html
8月15日12時4分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海の浜松工場(浜松市中区)で8日に起きたN700新幹線(16両)の脱線事故で、同社は15日、レールを枕木に固定するためのくぎ(犬くぎ)が浮き上がり、レールが傾いて間隔が広がったことが原因だったと発表した。
同社によると、脱線は8日夕、工場内にある半径200mの急カーブで発生。
車輪がレールを横に押す力に対し、レールと枕木をつなぐ力が経年で弱まっていたため、犬くぎが浮いたという。
同社は7月15日に目視で確認。その際、異常は見つからなかった。
対策として現場の犬くぎを板ばねに変更。
本線上には現場周辺ほどの急カーブはなく、犬くぎも使っていないという。
この事故では、点検中の新幹線を走行させた際に9~11号車の計17車輪が脱線。
脱線の影響で2号車部分が市道と交差する踏切で立ち往生し、約5時間、市道を塞いだ。
車内に乗客はおらず、けが人はなかった。
出典
『新幹線脱線、レールつなぐ力の弱まり原因 浜松の事故』
http://www.asahi.com/articles/ASK8H32RBK8HUTIL00F.html
8月15日14時29分に静岡新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は15日、カーブで車輪がレールを押す力が働き、レールが外側に傾いて幅が広がり脱線したとの調査結果を発表した。
同社によると、事故現場は半径200mの急なカーブ区間で、車両進行時に車輪がレールを横方向に押す力が働き、レールを枕木に固定する犬くぎが浮いたという。
経年によってレールを固定する締結力が弱まっていたとみられる。
同社は月1度の目視による点検を実施していて、7月15日の検査では異常は見られなかったという。
同社は、半径200m以下の曲線区間11カ所を、順次、犬くぎから板バネによる固定に変更する方針。
板バネに変えることで、衝撃や振動に対する締結力の低下を減少できるという。
事故現場は既に板バネに変更した。
犬くぎを使用しているのは同工場のみという。
出典
『くぎ緩みレール傾く JR東海浜松工場・新幹線脱線原因』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/391588.html
事故時の状況は8月8日23時0分に静岡新聞から下記趣旨でネット配信されている。
8月15日13時5分に産経新聞からも、関連記事がネット配信されていた。
8日午後4時45分ごろ、浜松市中区南伊場町のJR東海浜松工場敷地内で、車庫から出庫中の16両編成の新幹線が脱線した。けが人はいなかった。
車両の一部が市道の西伊場第1踏切をふさいだため、JR東海が同踏切を通行止めにした。
脱線していない車両を切り離して踏み切り外に移動させ、同10時すぎに通行止めを解除した。
JR東海によると、脱線したのはN700系G19編成で、9号車から11号車の複数の車輪がレールから外れた。
車両は試運転のため工場を出庫する途中だった。
事故当時、車両は時速5kmで走行していた。
運転士が異常を知らせる表示灯の点灯に気付き、車両を停止させた。
新幹線の営業運転には影響はなかった。
通行止めにより、周辺の道路が一時渋滞した。
同踏切では2008年10月にも試作中の新幹線車両の脱線事故が起きているが、レールのすり減りが原因で、今回の事故との関連はないという。
出典
『新幹線が工場で脱線 JR・浜松、踏切一時通行止め』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/389532.html
『くぎの力弱まりレール傾く 新幹線脱線でJR東海』
http://www.sankei.com/affairs/news/170815/afr1708150011-n1.html
2017年8月15日17時7分と17時50分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
湿った空気の影響で、関東地方は大気の状態が不安定になり、南部を中心に局地的に非常に激しい雨が降った。
・・・・・
この雨の影響で東京・北区のJR赤羽駅では、午後1時半前、京浜東北線の大宮行きの10両編成の電車で安全装置が作動し、発車できなくなった。
駅の係員が対応して、電車はおよそ12分遅れで発車したが、後続の電車も安全装置が作動して発車できなくなったという。
JR東日本によると、車両とホームドアはいずれも閉まったが、ホームドアのセンサーが雨を誤って荷物などの異物と感知したことが原因とみられるという。
この影響で、京浜東北線は15本の電車に最大で28分の遅れが出て、およそ6500人に影響が出たという。
一方、15日午後3時すぎ、東京・台東区のJR御徒町駅の改札の前で利用客の男性が撮影した映像では、運転状況を知らせる掲示板に、雨漏りのため改札の利用が一部制限されていることが記されている。
映像では、天井部分から水が落ちてきていて、付近の改札にはシートがかけられ使えない状態になっているほか、駅員が掃除をしている様子も映っている。
撮影した男性は、「改札に向かったら床が水浸しで驚きました。改札の利用が制限されていたので10人ほどが列を作って通過していました。こんなことは初めてで早く雨の影響が収まってほしいです」と話していた。
出典
『関東 しばらくは大気不安定続く』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170815/3057622.html
『赤羽駅 雨で安全装置が誤作動か』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170815/3064401.html
2016年8月21日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6196/
(2017年8月20日 修正1 ;追記)
2017年8月13日18時43分に朝日新聞から、転落原因はこれまで報じられてきたことと違うかも・・・という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
東京都港区の東京メトロ銀座線青山一丁目駅のホームから、盲導犬を連れた会社員のSさん(当時55)が転落し、亡くなった事故から1年になる。
妻の直美さん(53)は、「家族にとって主人の死は深い悲しみだが、社会が変わる礎になってほしい」と話した。
・・・・・
事故後、東京メトロから妻の直美さんに「説明したい」と連絡があり、同社の会議室に行くと問いかけられた。「映像をご覧になりますか」
直美さんはしばらく考えた。見たくない気持ちと、何があったか知りたい気持ちと。
通常、映像の開示はしておらず、特別な対応になるという。
「お願いします」と告げた。
パソコンの画面で説明を受けながら、普段と当日の動きを順番に見せてもらった。
Sさんは普段、ホームに電車が到着すると、左手を前に出して車両を探しながら前進し、電車に触れて乗り込んでいた。
ところが事故の日は、向かい側のホームに電車が入って来た直後、いつもの動作で車両を探しながら線路の方に向かって歩き出し――。
「音が反響し、自分側の電車が来たと勘違いしたのかもしれない」と直美さんは考えている。
ワッフル号はホーム上に残されていた。
・・・・・
出典
『盲導犬連れホーム転落「音反響、逆と勘違いも」 妻語る』
http://digital.asahi.com/articles/ASK895WJXK89UTIL05V.html?rm=597
2017年8月13日19時1分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後11時半ごろ、清水町のJR根室線の十勝清水駅で、帯広方面に向かっていた「特急スーパーとかち」が所定の位置よりおよそ70m手前で停止し、一番後ろの6両目の車両がホームを外れた状態で車掌がドアを開けるミスがあった。
けが人はいなかったが、車掌らは6両目に乗っていて、駅で降りられなかった客から指摘を受けてミスに気付いたという。
JR北海道によると、この列車は繁忙期のため通常より1両多い6両編成で運行していて、運転士が誤って5両編成の時の停止位置に止め、車掌もよく確認せずにドアを開けたという。
JR北海道は、「運転士や車掌には、停止位置を確実に確認することを徹底するよう、改めて指導したい」と話している。
出典
『ホーム外で特急のドア開ける』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20170813/3014081.html
(ブログ者コメント)
ホームがあるものとばかり思い込んだ乗客が足を踏み出して転落する・・・そんな事態になっていてもおかしくなかったかもしれない。
2017年7月28日10時27分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
長野県佐久市平賀のJR小海線中込―太田部駅間の「第2新町踏切」で、昨年11月10日夕、近くの女性(当時81歳)が、線路点検用の列車(検測車)にはねられて死亡した事故について、国の運輸安全委員会が27日、調査報告書を公表した。
現場は、警報機のみ設置され遮断機がない「第3種踏切」で、耳が不自由で警報機の音の聞こえない女性は、点滅する赤色灯を見て列車の接近を知る必要があった。
だが、踏切の構造などから女性は点滅を確認できず、報告書は「女性が警報機の作動に気づかずに進入した可能性がある」と指摘している。
報告書によると、検測車の運転士は踏切の約100m手前で踏切内にいた女性を発見し、非常ブレーキをかけて警笛を鳴らしたが、間に合わずにはねた。
運輸安全委の調べに運転士は、「女性は検測車の接近に気づいていない様子で立ち止まっていた」と証言した。
運輸安全委は、「女性の両耳の聴力低下が事故に関与した可能性がある」とする。
女性は20年ほど前から聴力が低下し、身体障害者の認定を受けていた。
踏切では、警報機の赤色灯の点滅に頼るところが大きかったが、事故当時、点滅が見えにくい状況が重なっていた。
現場の踏切は、住宅街を抜ける細い道にあるが、約20m手前にある民家の庭木の枝で赤色灯が見えにくかった。
さらに、踏切直前の停止線まで近づくと、線路手前側の警報機は踏切を渡る人の背後の位置になって赤色灯が見えにくく、反対側の警報機も背面しか見えないため、点滅しているかどうかわからない。
また、赤色灯は警報機の高さ2.5mのところに取り付けられていたが、女性は身長約1m50cmで、当時、つばの広い麦わら帽子をかぶっていたために視界が狭くなり、赤色灯を確認できなかったとみられる。
運輸安全委は、再発防止策として「赤色灯を停止線から確認可能となる位置に増設することや、全方位から見えるものを設置すること、さらに遮断機の設置についても検討が望まれる」とした。
出典
『JR踏切死亡事故、聴覚障害で警報気づかず?』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170728-OYT1T50058.html
7月28日付で毎日新聞長野版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は、再発防止策として、警報機の赤ランプを見やすくするために民家の庭木を切り、全方向からランプが見える警報機を設置した。
出典
『鉄道事故 踏切死亡の女性、聴力低下原因か 運輸安全委報告書 /長野』
https://mainichi.jp/articles/20170728/ddl/k20/040/024000c
7月27日20時10分に信越放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本では、長野支社管内でほかに47か所ある同じ種類の踏切について、今のところ、赤色灯を今回のように改修する予定はないという。
出典
『小海線の踏切死亡事故・耳の不自由な女性が警報に気付かなかったか』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170727-00309748-sbcv-l20
2017年7月13日9時57分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府高槻市の東海道新幹線で6月、架線が切れて停電が起き、運休や遅延が生じたトラブルで、JR東海は13日、架線のつなぎ目部分にあたる「エアセクション」と呼ばれる部分に列車が停止したことにより架線が高熱を帯び、放電が起きたことが断線の原因だったと発表した。
エアセクション部分の断線は、全国の新幹線で初めてだという。
断線したのは、京都-新大阪間の下り線。
東海道新幹線のエアセクションは、熱を帯びる不完全接触を起こす可能性がある範囲が、在来線の約50mと比べると約2mと極めて短い上に、1列車あたりの電流も小さいことから、特に停車を制限していなかったという。
ただ、トラブルのあった際には、大雨の影響で列車のパンタグラフが約2mの部分にかかるように停車。
さらに11分間も止まった上に、近くに12本もの大量の列車が同様に停車していて流れる電流が大きかったことが重なり、異常な高熱を帯び、列車に電力を供給する「トロリー線」が軟化して細くなって断線した。
JR東海から依頼された鉄道総合技術研究所(鉄道総研)の調査では、少なくとも600℃以上の高温になっていたとみられる。
列車の運転士は、エアセクションに停車している認識がなく、列車指令によって移動させるなどの指示も出さなかった。
JR東海関西支社の浜崎運輸営業部長は、「複数の要因が重なって起きた。予見することはできなかった」としている。
同社では、今後、エアセクション区間が分かる標識を東海道新幹線内192カ所に、8月上旬までに設置。
また、やむを得ず停車した際は、在来線と同様にパンタグラフを降下して移動する措置を講じるように運転士らに指示するという。
この停電は約5時間後に復旧したが、約8万9千人に影響した。
浜崎部長は、「今後は再発防止に努める」としている。
エアセクションをめぐっては、平成27年8月にJR東日本の京浜東北線で、電車が停車したことによる架線切断トラブルが発生。
同年11月にも、JR西日本のJR東海道線元町-神戸間で、同様に切断が起きている。
【エアセクション】
電車の架線のつなぎ目にあたる境界部分。境界部分では空中で切れ目が作られ、分離されている。
架線に高低差ができるこの区間では、架線とパンタグラフの間に隙間が生まれ、発車した際に大量の電流が流れるとショートする可能性がある。
出典
『東海道新幹線の架線切断、不完全接触による高熱と放電が原因…運休、遅延多数発生』
http://www.sankei.com/west/news/170713/wst1707130039-n1.html
※以下は、トラブル発生当時の状況を伝える記事。
(2017年6月22日1時30分 朝日新聞)
21日午後7時55分ごろ、大阪府高槻市の東海道新幹線の下り線で架線が切れ、東海道・山陽新幹線の京都―新神戸間の上下線が停電し、運転を見合わせた。
22日午前1時前に復旧したが、この影響で、長時間にわたって東海道・山陽新幹線は、ほぼ全線で運転を見合わせたり、大幅に遅れたりした。
新幹線の架線が切れるのは異例。
JR東海・西日本によると、停電発生時に京都―新神戸で、少なくとも上下10本が駅間などで立ち往生した。
断線のあった京都―新大阪の下り線では6本が立ち往生し、JR東海は、新大阪発の上りの「救援列車」を走らせ、立ち往生した一部の列車に横付けし、乗客に乗り換えてもらって京都駅まで運ぶ作業を進めた。
京都駅では、「列車ホテル」が用意された。
JR東海によると、断線したのは複数の架線のうち、車両の集電装置「パンタグラフ」と接するトロリー線。
トロリー線が断線すると、列車は現場を走行できなくなる。
ただ、ほかの架線からは電気が流せるため、列車内の明かりはつき、空調やトイレも使えたという。
出典
『新幹線停電、深夜に復旧 原因は異例の架線切れ』
http://www.asahi.com/articles/ASK6P7HXGK6PPTIL026.html?iref=pc_extlink
(ブログ者コメント)
平成27年の在来線エアセクショントラブル2件は、いずれも本ブログで紹介スミ。
2017年7月6日11時52分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前3時前、大阪・西成区の南海本線の萩ノ茶屋駅と天下茶屋駅の間の線路上で、レールの保守作業を行っていたところ、作業に使っていた4本のガスボンベの一部が燃えた。
火はおよそ4時間後に消し止められ、現場にいた14人の作業員に、けがはなかった。
南海電鉄によると、当時はレールを磨く作業が行われていて、作業中に飛び散った火花が、付近にあった溶接に使うためのガスに引火し燃えだしたという。
当時、レールの溶接は終わっていたが、作業員がガスボンベのバルブの取り扱いを誤ってガスが漏れ出してしまい、引火したことが原因とみられるという。
この影響で、南海電鉄の南海本線や南海高野線などで、始発から午前7時すぎにかけて運転を見合わせた。
南海電鉄は、「多くのお客様にご迷惑をおかけして申し訳ありません。再発防止を徹底していきます」と話している。
出典
『ガスボンベ燃え一時運転見合わせ』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170706/4915951.html
7月6日13時15分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前2時55分ごろ、大阪市西成区萩之茶屋3丁目の南海電鉄南海線の萩ノ茶屋~天下茶屋駅間で、線路工事中にガスボンベから出火した。
消火作業などの影響で、南海線と空港線、高野線は、一部区間で始発から運転を見合わせた。
同8時35分までに全線で運転を再開したが、上下線計160本が運休、計143本が最大約55分遅れ、約20万人に影響が出た。
南海電鉄によると、コックを開いたままのガスボンベからガスが漏れ、近くで工具を使ってレールを削っていた際に出ていた火花に引火したという。
出典
『南海電鉄、線路工事中にボンベから出火 160本が運休』
http://www.asahi.com/articles/ASK762C2GK76PTIL001.html
2017年6月28日0時32分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は27日、東海道線岐阜駅で26日に停車中の特急列車の線路側ドアが開いたトラブルは、車両連結の際の回線接続ミスが原因だったと発表した。
JR東海によると、トラブルがあった特急は、別の特急と連結作業中だった。
ドアやブレーキを制御する回線の接続が不十分なまま、運転士が自動列車停止装置(ATS)の電源を入れたため、通常とは違う回路に電気が流れ、ホームと反対のドアが開いたという。
同社は、回線接続を確認してから電源を入れるよう、手順を見直した。
(共同)
出典
『JR東海 車両連結時に回線接続ミス 特急で反対ドア開く』
https://mainichi.jp/articles/20170628/k00/00m/040/169000c
6月28日11時19分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は27日、JR岐阜駅で26日午前、特急列車「ひだ」の連結作業中に一部車両でホームと反対側のドアが3枚開いたトラブルがあったとして、その原因と対策を発表した。
発表によると、原因は、作業員が手作業でドアやブレーキなどを動かす電気ケーブル同士を接続する瞬間と、運転士が自動列車停止装置(ATS)の電源を入れた瞬間がたまたま重なったことという。
乗客にけがはなかった。
同社は「今回の事例はまれなケースで、想定できていなかった」とし、再発防止のため、ATSの電源を入れる手順などを変更したとしている。
出典
『駅で特急連結作業中、ホームと逆のドア突然開く』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170628-OYT1T50026.html
JR東海HPには、原因として以下の一文が掲載されていた。
「ひだ」25号と「ひだ」5号を併合しジャンパ線を連結している最中に、ATS(自動列車停止装置)の電源を投入した際、ジャンパ線同士の端子の一部が接続されていない状態であったため、通常とは異なる回路に電気が流れ、「ひだ」25号の反対側のドアを開扉させる電気回路が構成された。
http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000034300.pdf
2017年6月13日19時4分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月14日付で朝日新聞広島版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
広島市の新交通システム・アストラムラインの軌道に、上を走る高速道路の高架橋からコンクリート片が剥がれ落ちているのが見つかり、アストラムラインは、13日朝から一部の区間で7時間あまりにわたって運転を見合わせ、およそ5000人に影響が出た。
広島市の新交通システム・アストラムラインを運行する広島高速交通などによると、13日、始発前の点検中に、作業員が軌道の上にコンクリート片があるのを発見した。
コンクリート片は撤去され、アストラムラインは始発から運転を開始したが、その後、ネクスコ西日本が調べたところ、コンクリート片は上を走る「広島自動車道」の高架橋から剥がれ落ちていたことが分かったという。
このためアストラムラインは、高架橋の点検作業のため、13日午前7時前から、長楽寺駅~広域公園前駅の間の上下線で運転を見合わせた。
見合わせは7時間あまりにわたって続いたあと、午後1時50分すぎに安全が確認できたとして運転が再開されたが、この区間で上り42本、下り41本が運休となり、広島高速交通では、貸し切りバス6台と路線バスで代替輸送を行ったが、およそ5000人に影響が出た。
ネクスコ西日本によると、軌道上に落下していたコンクリート片は4つで、最も大きなもので10cmから15cm四方、重さがおよそ1kgあり、軌道の下を走る県道にも複数、落下していたという。
ネクスコ西日本は、剥がれ落ちる危険性があるコンクリートを除去するとともに、落下防止用のネットを設置した。
現場の高架橋は昭和60年に設置され、去年実施した定期点検では異常は見られなかったという。
コンクリート片の落下を受け、ネクスコ西日本中国支社保全サービス事業部の矢嶋部長らが緊急に記者会見を開き、「通勤や通学などでアストラムラインや県道を利用していただいている方に、深くおわび申し上げます」と陳謝したうえで、施設の管理状況や今後の対応を説明した。
それによると、会社側では高速道路などについて、5年に1度、ハンマーでたたいて異常がないかを確認する打音検査など行うのに加え、鉄道と交差する場所は年に1度、目視で点検しているという。
今回の高架橋は、おととしの5年に1度の詳細な点検で損傷が確認されたものの、機能低下への影響はないとして継続的に監視することになり、去年9月に行った目視による点検でも問題はなかったという。
会社側は、点検のあり方の見直しを検討するとともに、今回の現場のように高速道路と鉄道などが交差する中国支社管内のおよそ100か所について、速やかに点検を行うことを明らかにした。
広島高速交通によると、始発から運転を見合わせるまでに7本の列車が現場の軌道を通行したが、作業員2人を配置し、異常がないか確認を続けていたということで、その後、高架橋に更に剥がれ落ちる危険のあるコンクリート片(長さ約130cm、幅約55cm)が見つかったため、急きょ、運転を見合わせることにしたという。
広島高速交通では、「対応に問題はなかった」としている。
出典
『コンクリ片落下一時運転見合わせ』
http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170613/4210785.html
6月14日19時13分にNHK広島からは、対象100か所のうち54か所を14日に目視で緊急点検したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この問題を受けてネクスコ西日本中国支社は、管内にある鉄道などと交差する高速道路の高架橋100か所のうち、今年に入って点検が行われていない54か所について、14日、一斉に緊急点検を行った。
このうち、広島市安佐南区緑井のJR可部線の線路の上を走る山陽自動車道の高架橋では、担当者3人が目視による点検を行った。
この高架橋は昭和63年に設置され、おととし4月に打音検査などを行った際は異常はみられなかったということだが、担当者は当時の検査結果と見比べながら、双眼鏡を使ってコンクリートが剥がれ落ちそうな所がないか点検していた。
一斉に行われた14日の緊急点検は目視による点検だったが、地上から赤外線カメラを使ってコンクリートの浮きがないかを調べる検査も報道各社に公開され、ネクスコ西日本では、今後、効果的な点検方法として本格的な導入を検討したいとしている。
道路や橋などのインフラの老朽化対策は、自治体にとっても大きな課題だ。
このうち、今回問題となったような高架橋を含めた橋についてみてみると、広島県が管理するものだけで4000か所以上あり、建設から50年以上経過しているものが4割を占め、今後20年では7割を超える見通しだという。
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出典
『コンクリート片落下一斉緊急点検』
http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170614/4247121.html
出典
『高架橋点検で問題見つからず』
http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170616/4335001.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。