2017年1月27日10時38分にNHK首都圏NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長時間遮断機が開かない、いわゆる「開かずの踏切」や、事故の危険性が高い踏切など、全国500余りの踏切について、国交省は27日、「改良すべき踏切」に新たに指定し、鉄道会社や自治体に対して、鉄道の高架化や歩道橋の設置などの対策や計画の策定を義務づけた。
新たに指定されたのは、道路を遮断する時間が1時間にのべ40分以上になっている、いわゆる「開かずの踏切」や、5年間で2件以上交通事故が起きるなど、危険性が高い踏切、それに通学路になっていたり近くにお年寄りや障害者が利用する施設があったりして、安全を確保する必要がある踏切などで、全国42の都道府県の529か所にのぼっている。
指定された踏切について、鉄道会社や自治体は、平成32年度までに鉄道の高架化や歩道橋の設置、それに近くに駐輪場を整備して踏切を横断する人を減らすなどの対策をとることが義務づけられる。
また、対策が平成32年度中に終わらないと見込まれる場合には、計画の提出が義務づけられる。
指定は、去年4月1日に施行された「改正踏切道改良促進法」に基づいて行われ、施行直後の4月13日にも全国で58か所が指定されていて、今回を含めると「改良すべき踏切」は587か所に達している。
国交省は、平成32年度までに全国の1000か所余りを「改良すべき踏切」に指定する予定で、今後、残る400か所以上についても選定を進めることにしている。
「改良すべき踏切」を全国で新たに500か所余り指定したことについて、石井国土交通大臣は、閣議のあとの記者会見で、「踏切の改良は、交通事故の防止および交通の円滑化をはかる上で、極めて重要だ。課題のある踏切は、まだ残っているので、現場の状況を勘案しながら、順次、指定に向けた検討を行っていきたい」と述べ、今後、さらに指定する踏切の選定を急ぐ考えを示した。
また、今回の指定に先立って去年4月に指定した全国58の踏切については、「3割にあたる19か所については、踏切の拡幅や保安設備の整備などの工事が完了しているか、もしくは着手している。今回、新たに指定された踏切とあわせて、地域の実情を踏まえた対策が着実かつ円滑に進められるよう、しっかりと取り組んで行きたい」と述べた。
今回指定された踏切は42の都道府県にあり、最も多いのが愛知県で69か所、次いで東京都が58か所、神奈川県が53か所、兵庫県が48か所、埼玉県が45か所、大阪府が32か所などとなっている。
今回は、都市部にある、いわゆる「開かずの踏切」だけでなく、通学路にあって安全を確保する必要性があったり、歩道が狭く危険性が高かったりするなどして地方にある踏切も、多数指定されているのが特徴。
今回の指定は、去年4月に施行された改正踏切道改良促進法に基づいて行われているが、この改正法の施行前にも、「改良すべき踏切」は指定されてきた。
しかし、鉄道事業者と道路を管理する自治体が対策について合意してから指定されていたケースが多く、時間がかかるのが実情だった。
改正法の施行後は、対策の合意がされていなくても指定することができるようになり、今回は、500を超える踏切が一度に指定された。
指定された踏切では、鉄道事業者や自治体、それに住民などが協議会を作るなどして、対策を話し合うことになる。
国交省によると、このうち、いわゆる「開かずの踏切」については、鉄道の高架化や、踏切が閉まっていても歩行者が行き来できる歩道橋を設置するなどの対策が求められる。
また、事故の危険性が高いとされた踏切については、踏切の歩道の幅を広げたり、歩道に色を塗って車道と歩道との境目をはっきりさせたりするなどの対策が求められるという。
このほか、駐輪場を駅の周辺に整備することで踏切を渡る歩行者の数を減らすことも、対策の1つにあげられている。
「改良すべき踏切」に指定された踏切では、平成32年度までに対策を実施することが義務づけられるが、高架化のように時間がかかる事業など、期限までに対策が完了しないと見込まれる場合は、計画の提出が求められる。
東京と埼玉を結ぶ西武新宿線では、東京の中野区や練馬区、それに杉並区などにある踏切の多くで、朝夕のラッシュ時に遮断される時間の合計が1時間あたり40分程度と長くなっているほか、踏切を通る歩行者や車も多くなっていることなどから、「改良すべき踏切」に指定された。
このうち、練馬区の上石神井駅の近くにある踏切は、朝のラッシュ時には遮断機が上がる時間が20秒から30秒程度と非常に短いときもあり、踏切の前に中学生などの歩行者が列を作ったり、車が連なって渋滞が起きたりしていた。
近くに住む女性は「踏切が通れない時間が長く、急いでいる時はとても困ります。踏切をくぐって渡ってしまう人もいて、非常に危ないと感じているので、早く対策を進めてほしいです」と話していた。
国交省によると、今回、「改良すべき踏切」に指定された西武新宿線の都内にある踏切では、東京都などが鉄道を高架化や地下化して踏切を無くす方向で検討を進めているが、工事を行う具体的な区間や着工のめどは立っていないというす。
国交省は、今回の指定によって、対策を加速化して欲しいとしている。
出典
『“改良すべき踏切”新たに指定』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170127/3383941.html
2017年1月14日18時56分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月15日付で東京新聞夕刊からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前7時すぎ、埼玉県蕨市にあるJR蕨駅で、京浜東北線の南行きのホームにいた盲導犬を連れた男性が線路に転落し、電車と接触した。
男性は病院に運ばれたが、死亡した。
警察によると、死亡したのは埼玉県川口市に住むマッサージ師の63歳の男性で、目が不自由だったという。
警察などによると、現場のホームには点字ブロックが設けられているが、転落防止用の柵などは設置されていなかった。
ホームの幅は約10mあったが、転落現場は階段の壁からホームの端までは約2mと、狭くなっていた。
警察が、電車に設置されたカメラの動画を調べたところ、男性は白杖を持たずに点字ブロックの線路側ぎりぎりの位置におり、その左後ろに盲導犬がいる様子が確認され、男性はその後、右足を踏み出して転落。
運転士が非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。
男性は、転落する際にハーネスから手を離し、盲導犬は転落を免れたという。
当時、男性の周囲には誰もいなかったということで、警察は、誤って転落した可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。
JR東によると、京浜東北線の蕨駅は1日およそ12万人が利用していて、駅員は平日朝のラッシュ時に限定して配置している。
14日は休日のため、事故当時、ホームには駅員はいなかったが、改札には駅員が1人いたという。
国交省によると、昨年度までの6年間に、視覚障害者がホームから転落したり列車と接触したりした事故は、合わせて481件に上っている。
JR蕨駅を通勤で利用している目が不自由な50代の女性は、「私も以前、蕨駅で転落して、周囲の人たちに引き上げてもらったことがあります。目が不自由な人にもその位置が正確にわかるような形で、転落を防ぐドアの設置を進めてほしいです」と話していた。
出典
『盲導犬連れた男性が線路に転落 電車と接触し死亡 埼玉 蕨』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170114/k10010839511000.html
『盲導犬男性が転落、死亡 JR蕨駅 ホームドアなし』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017011502000121.html
1月17日付で毎日新聞東京版朝刊からは、視覚障害者協議会の会員が現場を調査したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月18日18時13分にNHK首都圏NEWS WEBからは、別団体も調査したという記事がネット配信されていた。
JR蕨駅で、全日本視覚障害者協議会(東京)の会員4人が、16日、転落したホームを調査した。
会員らは、再発防止策の早急な実行を訴えた。
会員らは、献花の後、実際に盲導犬を連れたり白杖を突いたりしながらホームや階段を歩き、通路の幅や電車の音の聞こえ方などを調べた。
会員らは、「蕨駅のホームは、構造上、隣の線路を走る電車の音が反響して自分側の音と紛らわしく、音を頼りにする視覚障害者は、自分の位置や方向を見失いやすい」、「点字ブロックに沿って歩いていると柱に肩が当たりそうになり、避けた時に歩く方向が変わって危険」などと指摘した。
JR東は、2020年度末までに同駅にホームドアを設置する予定。
同会理事の山城さん(60)は、「設置前倒しをJR東や国交省に要望していきたい」と語った。
国交省は鉄道各社に対し、昨年12月にまとめた転落防止のソフト対策の徹底を呼びかける方針だ。
ホームドア未設置駅で駅員が視覚障害者を見かけたら、案内を申し出て介助し、断られた場合でも乗車まで見届けるよう求める。
JR東によると、今回の事故直前に駅員1人が、盲導犬を連れて自動改札を通過する男性に気付いた。
しかし、男性がほぼ連日、介助なしで駅を利用していたため、駅員は声をかけなかった。
出張
『埼玉・JR蕨駅の男性転落 「点字ブロック近くに柱、危険」 視覚障害者が調査』
http://mainichi.jp/articles/20170117/ddm/012/040/131000c
『転落事故で視覚障害者団体調査』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170118/3116811.html
1月17日付で毎日新聞東京版夕刊からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
視覚障害者の駅ホーム転落事故防止のため、国交省と鉄道会社が昨年12月にとりまとめた安全対策について、JR東が駅員に通知していなかったことが分かった。
JR東は、「現場への教育指導が不十分だった」としている。
国交省は、全国の鉄道会社に対し、改めて安全対策の徹底を呼びかけるほか、マニュアルの改定状況や周知方法を確認する方針だ。
JR東によると、「バリアフリー応対マニュアル」があり、従来、視覚障害者らへの声かけなどを駅員らに指導していた。
昨年8月に東京都港区の東京メトロ銀座線青山一丁目駅で視覚障害者の転落死事故が起きた後も、マニュアルの徹底を求めたという。
大阪府柏原市の近鉄河内国分駅でも10月に転落死事故があったため、国交省と鉄道会社は12月、ホームドアがない駅で駅員が一人で移動する視覚障害者を見かけた場合、原則として構内を誘導し、乗車を介助するなど、駅員の誘導案内の強化を打ち出していた。
この安全対策について、JR東は駅員らに通知していなかった。
JR東は、「新たな規定を盛り込んだマニュアルを策定中で、まだ完成していなかったために通知していなかった。安全対策を早期に通知すべきだった」としている。
出典
『埼玉・JR蕨駅の男性転落死 視覚障害者事故 JR東、駅員に転落対策通知せず 国交省策定後』
http://mainichi.jp/articles/20170117/dde/041/040/024000c
(ブログ者コメント)
国交省などが策定した安全強化策をそのまま、マニュアル改定前に暫定的に現場に流しておけばよかった・・・ということだろうか?
それも一つの方法だが、内容によってはマニュアルが2つできたことにより混乱することもあるのではないか・・・そんなことも頭に浮かんだ。
2016年12月14日7時47分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午前10時5分ごろ、神戸市営地下鉄西神・山手線の三宮駅(中央区)で停電が発生した。
券売機や改札機が停止し、ホームの照明なども消えたが、3分後に復旧した。
駅構内にいた約1000人に、けがはなかった。
市交通局によると、大倉山変電所で年に1度の機器の点検作業を行っていた作業員が誤ってスイッチを切り、送電が止まったことが原因。
通常は2つの回線で送電しているが、もう一つの回線は機器の更新のため、動いていなかったという。
出典
『間違ってスイッチオフ…神戸市営地下鉄三宮駅で3分間停電、券売機・改札機停止、照明も消える』
http://www.sankei.com/west/news/161214/wst1612140012-n1.html
2016年12月2日付で神戸新聞から、下記趣旨の記事が現場状況等の写真付きでネット配信されていた。
駅ホームからの転落事故が後を絶たない中、JR西日本は、2日、酔客の蛇行などを自動検知する「遠隔セキュリティカメラ」を、三ノ宮駅(神戸市中央区)のホームとコンコースに導入した。
検知し、危険と判断すれば、駅係員が現地へ向かい対応する。
京橋、新今宮(いずれも大阪市)に続き3駅目で、兵庫県内では初めて。
国交省によると、ホームから転落し列車に接触するか、ホーム上で接触する事故は、2014年度、全国で227件(自殺を除く)あり、うち6割強の142件を酔客が占める。
同社は、ホームでの事故防止やテロへの警戒を目的に、昨年8月に京橋駅、今年5月には新今宮駅に同カメラを設置した。
カメラは、
▽著しい蛇行
▽ホーム端からの線路内侵入
▽長時間の座り込み
▽不審物の置き去り
▽うろつき
などを画像解析装置で自動的に検知し、センターの担当係員に知らせる。
係員が危険と判断すれば、駅に連絡し、現地対応を依頼する。
同カメラでの検知件数は、1駅当たり1日平均200~250回あり、うち現地対応に至るのは2~3日に1回程度という。
来春には、西明石、天王寺、鶴橋の3駅にも導入を予定している。
三ノ宮駅では、この日、上下線ホームやコンコースで、同カメラ計54台の運用を始めた。
防犯カメラに新たな機能を加えたもので、カメラ側面に「作動中」のシールを貼っている。
JR西は、「今後も、ホーム柵やカメラなどのハード対策と、利用客への啓発活動を含むソフト対策の両面から、ホームの安全性向上に努めたい」としている。
同社はホーム柵の設置も進めており、在来線では六甲道駅(上りホーム)など5駅に整備済み。
三ノ宮、神戸、明石、西明石、姫路の県内5駅を含む15駅にも設ける方針を明らかにしている。
出典
『転落防げ!JR三ノ宮駅に‘千鳥足発見‘カメラ』
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009717131.shtml
(ブログ者コメント)
蛇行する人を捉えた映像写真では、フラフラしている軌跡が黄色い線で表示されている。
説明用かもしれないが・・・。
2016年12月1日付で毎日新聞東京版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
視覚障害者が8、10月に駅ホームから転落死する事故が相次いだことを受け、国交省は、全国の鉄道会社に対し、原則として視覚障害者の乗車を駅員が介助するように求める方針を固めた。
従来は各社の裁量に任されていたが、駅員が介助を申し出るよう徹底を図ることで、ソフト面での安全対策を進める。
これまでは、駅を利用する視覚障害者を見かけた場合、駅員が必要に応じて声をかけ、介助を提案するという鉄道会社が多かったが、統一の指針はなく、実際に介助するかも現場の判断に委ねられていた。
声をかけてもらった経験がなく、駅員が介助してくれることを知らない視覚障害者もいるとみられる。
このため国交省は、駅員が改札やホームで視覚障害者を見かけた場合、原則として声をかけて介助を提案するよう、求める。
視覚障害者が希望すれば、駅員が寄り添ってホームの乗り場まで案内し、乗車行為もサポートする。
どのような声かけをするかを含めて、共通の指針を作成し、各社の規則に明記してもらう考えだ。
出典
『視覚障害者 事故防止 乗車時、駅員が原則介助 国交省指針』
http://mainichi.jp/articles/20161201/ddm/001/040/124000c
同時に、以下の記事もネット配信されていた。
鉄道駅のホームで視覚障害者が転落する事故が後を絶たないなか、駅員による乗車介助が原則化される方向になった。
車両によって扉の位置が異なることから転落防止の「決め手」とされるホームドアの設置は、一気には進まない。
国は、まずソフト面の対策を強化することで、被害防止を図りたい考えだ。
視覚障害者がホームから転落したり、列車と接触したりする事故は、2009年度からの6年間で426件発生している。
国交省は、駅員による介助を原則化する一方で、視覚障害者がホームの端を歩いていたり、介助を求めていたりする場合、今まで以上に周囲の乗客に協力を求めていくことにしている。
今年8月、ホームドアがない銀座線青山一丁目駅で盲導犬を連れた視覚障害者が転落死する事故が起きた東京メトロ。
事故後、駅員らが視覚障害者の介助を申し出る取り組みを既に始めている。
「何かお困りですか?」「お手伝いしましょうか?」。
駅員や警備員が改札やホームで視覚障害者を見かけた場合、声をかけるよう、社内指示を徹底している。
駅利用者にも声かけをお願いする趣旨のポスターを、全駅に掲示した。
10月以降、ホームドアが設置されていない上、混雑がひどかったり、視覚障害者の利用が多かったりする38駅55カ所に警備員を増員し、配置する時間帯も広げた。
これで、ホームドアの未設置駅すべてで、対応可能な駅員か警備員が配置されたことになるという。
このほか、体の不自由な人の応対や介助ができるように、サービス介助士の資格取得を社内で推進しており、来年度中に全駅員の取得を目指すとしている。
主要な鉄道会社は、現在、車いす利用者が乗車時に改札で申し出れば、ホームと電車の間の「渡り板」を持った駅員が乗車をサポートしている。
降車駅も聞き取って事前に連絡し、車いすの利用者が乗った位置に待ち構えて板を渡す。
国交省によると、近年、こうした車いす利用者の乗車手順は全国的に統一されてきたが、視覚障害者への対応は、現場の判断に委ねられている現状があった。
同省幹部は、「車いす利用者に限らず、視覚障害者への対応も徹底し、悲惨な事故を繰り返さないようにしたい」と話す。
国交省は、東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)と近鉄大阪線河内国分駅(大阪府柏原市)で相次いだ視覚障害者の転落死亡事故を受け、鉄道各社を集めた再発防止策の検討会を開いている。
12月の検討会で駅員による介助の原則化を提案し、各社に導入してもらう方針だ。
出典
『視覚障害者 転落防止「乗客も」まず一声 鉄道事業者呼びかけ 駅員にサポート
資格推進』
http://mainichi.jp/articles/20161201/ddm/041/040/125000c
(ブログ者コメント)
駅ホームからの視覚障害者転落事例については、対応状況などを含め、本ブログで何件か紹介済。
2016年11月12日3時5分に西日本新聞から、図解付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前5時42分ごろ、福岡県筑紫野市のJR鹿児島線で架線が破断して停電が発生し、同8時ごろには、佐賀県江北町や吉野ケ里町の長崎線でも架線の部品が損傷しているのが確認された。
この影響により、JR九州は、鹿児島線の門司港-鳥栖間で最大約10時間、長崎線の鳥栖-諫早間で最大約5時間、運転を見合わせ、約11万人以上に影響が出た。
JR九州によると、筑紫野市内の天拝山-原田間にある、架線の電気を分ける絶縁部分で、「デッドセクション」と呼ばれる直径16mm、長さ8mの繊維強化プラスチック製のパーツが破断していた。
さらに、長崎線の吉野ケ里公園駅や肥前山口駅の架線でも、損傷が見つかった。
車両を調べたところ、破断した筑紫野市の架線を通過した列車4本で、パンタグラフの損傷を発見。
通過していない別の列車1本でも、損傷が見つかった。
JR九州は、通過した列車の1本が長崎線を運行した際に、異常があるパンタグラフで架線を傷つけ、別の列車は、その架線で損傷したとみている。
この事故の影響により、午後2時半時点で、鹿児島、長崎両線の上下線で特急108本、普通284本が運休した。
長崎線で同2時7分、鹿児島線で同3時40分に全区間で運転が再開されたが、列車の大幅な遅れは続き、久大線や佐世保線、日豊線でも運休や遅れが出ていることから、影響人員は大きく増える見込み。
事故を受けてJR九州は記者会見を行い、福永・取締役運輸部長が、「早朝より、大規模な輸送障害を発生させてしまいました。ご利用のお客さまに大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
出典
『JR不通11万人超影響 長崎、鹿児島線、架線損傷で停電 392本運休』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/288540
(2016年12月6日 修正1 ;追記)
2016年11月29日1時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JR九州の青柳社長は28日の記者会見で、今月2度にわたって停電で大規模トラブルを起こしたことについて、「大変ご迷惑をおかけした」と陳謝した。
また、最初に起こした11日の事故は、想定していなかった部品劣化が原因だとし、来年9月までに管内54カ所で部品を交換する方針だ。
11日の事故は、JR鹿児島線の天拝山―原田の架線のうち、電気を通さない「デッドセクション」と呼ばれる約8mの部分が破断。
通過した列車のパンタグラフが壊れ、その列車が鹿児島線と長崎線の架線を損傷。568本が運休し、約17万人に影響が出た。
JR九州によると、デッドセクションは繊維強化プラスチック(FRP)製の線を樹脂のカバーで覆った架線を使っていたが、何らかの原因で隙間ができ、内部に水が入った。
FRPに含まれる化学物質と水に電気の火花が加わり、内部で化学変化が起き、劣化。
架線にかかる力も加わって、破断したと考えられるという。
担当者は、「経験もなく、想定もしていない損傷だった」という。
JR九州管内にはデッドセクションが83カ所あり、うち計54カ所で同じFRPを使っていた。
来年9月までに、すべて別の部品に取り換える。
JR九州は、22日にも約6万5千人に影響が出るトラブルを起こした。
仮設の架線を設置する際に、必要な部品の取り付けを忘れたことが原因だった。
出典
『化学変化で架線が劣化 JR九州、11日の破断原因説明』
http://www.asahi.com/articles/ASJCX527CJCXTIPE01L.html
2016年11月10日18時33分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
人身事故でダイヤが乱れた近鉄奈良線の駅で、乗客に対応していた車掌が突然、高架線路から飛び降りるという異例の事態があった。
ネットでは、車掌を擁護する声が盛り上がった。
なぜなのか。
大阪府東大阪市の東花園駅。
近鉄秘書広報部によると、車掌の男性(26)が飛び降りたのは、9月21日午前11時すぎのことだ。
30分前に別の駅で人身事故が起き、ホームは多くの客で混乱していた。
車掌は客に対応していたが、制服の上着や帽子を脱ぎ捨てて高架線路の柵から7m下に飛び降り、腰と胸の骨が折れる重傷を負った。
当時、何があったのか、近鉄は「本人の心理的負担を考慮し、公表は差し控えたい」としている。
だが、ツイッターでは、目撃者の情報として、車掌が乗客に取り囲まれて強い口調で責められ、10分ほどしたころに叫んで飛び降りたという情報が拡散。
行きすぎたクレームがあったのではないかという見立てが広がり、「お客様は神様だから、パワハラを我慢しなければならないの?」、「クレーマーから社員を守るのも企業の責任」と、同情の声が次々に書き込まれた。
ネット上では、車掌への寛大な処遇と心のケアを求める嘆願書への署名活動が始められ、賛同者は5万7千人を超えた。
署名を呼びかけた千葉県浦安市の電気技師の男性(40)は、「状況ははっきりわからないが、職場放棄というより、限界に達した末の出来事ではないか。お客様第一主義が行きすぎ、クレーマーがモンスター化している状況への警鐘になると思う」と話した。
鉄道係員への過剰なクレームは、以前から問題になっていた。
暴力行為も高止まり。
日本民営鉄道協会によると、大手私鉄16社の鉄道係員への暴力行為は、2001年度は81件だったが、08年度以降は200件を超える状況が続く。
15年度は225件だった。
鉄道業界だけではない。
学校現場では「モンスターペアレント」の存在が問題となり、医療現場でも、院内暴力が深刻化している。
「カレー専門店なのに、味がちっとも専門的でない」、「後から来た客に先に料理が運ばれた」。
クレームの問題に詳しい池内裕美・関西大教授が消費者に調査したところ、こんな理由で店員に激しく苦情を言った経験を挙げる人がいた。
池内教授によると、クレームを受けることが多い仕事を「感情労働」と呼ぶことがある。
肉体労働、頭脳労働に次ぐ概念で、フライトアテンダントや飲食業、介護・福祉職などが代表的だ。
感情を押し殺して対応し、ストレスをため込んでしまう。
「揚げ足を取るようなクレームの問題がメディアでも取り上げられるようになり、誰もが思いあたる節がある。それが今回の擁護の声につながっているのでは」
感情労働を支えるには、従業員同士で語り合うなど、横のつながりで助けあうことが有効だが、「それだけでは足りない」と池内教授。
日本では、客を最優先にすることを当たり前ととらえる風潮が強い上、最近はSNSであおられる傾向があり、「クレーム社会」ぶりが過熱していると池内教授はみる。
「消費者も謝罪を受け入れる寛容さや、『自分だったら』と想像する力が必要。過剰なサービスを再考する時期に来ている」
飛び降りた車掌は退院し、通院治療中。
寛大な処分を求める声が多く届いた近鉄は、「鉄道従事者は可能な限り安全優先に努めるのが義務で、制服を脱ぎ捨て線路に直行する行為は許されない。ただ、寄せられた声も考慮し、当時の状況などを聞いた上で、精神的なケアも含めて今後の対応を検討する」としている。
出典
『飛び降りた車掌に同情論 モンスター生むクレーム社会』
http://digital.asahi.com/articles/ASJC97RMPJC9UTIL04R.html?rm=750
(ブログ者コメント)
ブログ者も、何回か、駅員に激しく詰め寄る乗客の姿を見て、「あの駅員に細かい情報は入ってないはず・・・文句を言っても仕方がないのに・・・」などと思いながら通り過ぎたことがある。
一方、たまに乗客に暴力をふるわれることもある由。
駅員さんも大変だ。
顧客と直接コンタクトする企業にとって、社員をトンデモ客から守ることも「安全確保」の一つではないかと感じた事例につき、紹介する。
関連報道として、以下が目についたので、タイトルのみ紹介する。
(2016/10/ 5 11:30 週間朝日)
『近鉄車掌飛び降りで浮かぶ「お客様は神様か?」問題』
https://dot.asahi.com/wa/2016100400204.html
(2016.11.2 10:00 産経新聞west)
『何が追い詰めたのか? 職務放棄して高架から飛び降りた近鉄車掌、寛大処分求める署名運動も』
http://www.sankei.com/west/news/161102/wst1611020005-n1.html
2016年11月5日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本の輸送管理システムにトラブルが発生し、高崎線(東京-高崎)の全線と湘南新宿ラインの前橋-小田原間の上下線が、4日、始発から約10時間にわたり不通となった。
システムにデータを送信する北上尾駅(埼玉県上尾市)構内の配電盤に収納されている通信ケーブル(直径2cm)が損傷したことが原因。
このトラブルで計66本が運休し、15万2000人に影響した。
同社によると、同日午前4時32分ごろ、東京圏輸送管理システム(ATOS)が管理する高崎線の一部区間で、列車の位置などが正確に表示されなくなった。
約5時間後に通信ケーブルを修復したが、ATOSを再起動させた際に再びトラブルが起き、トラブルが拡大した。
再起動時に、処理能力を超えるデータが流れたためという。
一方、警察によると、北上尾駅事務所内の配電盤内にあるケーブルの一部は切断された状態で、切断面にはかじられたような跡があった。
配電盤には、小動物が入り込める隙間があり、県警は、小動物がケーブルをかじったことがトラブルの原因とみて調べている。
トラブルが発生したATOSは、輸送管理業務の近代化のため、JR東日本東京総合指令室が1996年に導入した。
今回のようなトラブルは「初めての事例」(電気ネットワーク部)で、同社は、原因調査と再発防止対策に乗り出す。
ATOSは、ダイヤ管理、旅客案内、保守作業管理など、列車運行に関する機能を担っている。
管理機能は各路線ごとに分割されており、今回は、高崎線を管理する部分で発生した。
小動物によるケーブルの損傷を防ぐため、各社は
▽ケーブルの外側を被膜で覆うなど、材質を強化する
▽設置場所を工夫する
などの対策を実施している。
信号ケーブルメーカーも、唐辛子を被膜にすり込むなど、工夫を凝らしている。
ただし、「決め手に欠けている」(メーカー関係者)のが実情という。
出典
『鉄道トラブル 高崎線10時間不通 ケーブル損傷、小動物かじる? 15万人影
響』
http://mainichi.jp/articles/20161105/ddm/041/040/082000c
11月4日23時39分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
長時間にわたったJR高崎線の運転見合わせは、ATOSと呼ばれるシステムに関する2つのトラブルが原因だった。
アトスは、東京都内にある総合指令室から各駅やポイントなどに列車の運行全般の指示を出すシステムだ。
初めのトラブルは、アトスと北上尾駅の端末を結ぶケーブルの損傷。
光ファイバー(直径約0.5mm)で8本あり、シリコーン製の保護チューブ(直径約4.5mm)で束ねられていた。
同じチューブがもう1本あったが、両方とも切れていたため、バックアップとして機能しなかった。
駅構内で金属製の箱に入っていたが、隙間があった。
ネズミなどの小動物がかじった可能性が指摘されており、警察などが調べている。
2つ目は、駅側端末のデータ滞留。
ダイヤの修復作業をした際、桶川や吹上など5駅で発生した。
端末内部でシステムが2系統になっていたが、容量オーバーになった。
その後、再立ち上げと再度のダイヤ修復に時間がかかった。
鉄道アナリストの川島令三さんは、「自動化、中央化の落とし穴だ。便利だが、システムダウンすると全部動かなくなる」と指摘した。
出典
『高崎線運転見合わせ 「自動化の落とし穴」 2つのトラブルで長時間に』
http://www.sankei.com/affairs/news/161104/afr1611040026-n1.html
11月5日5時0分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
ケーブルは室内に設置され、直径約2cm。
ケーブルの中に鉄製の軸と、光ファイバー8本入りのシリコーン製チューブが2本入っている。
破損したのは、金属製の箱の中でチューブがむき出しで配線されている場所で、2本とも切れていた。
箱には隙間があり、警察によると、チューブには小動物がかじったような跡があった。
午前9時半ごろまでにケーブルを交換し、運転再開に向けて通信を再開したところ、今度は、近隣の5駅で通信によるシステムトラブルが発生した。
今回、運休が長期化したのは、東京都内で一元的に全列車の運行状況を把握するシステムが不具合を起こしたためとみられる。
出典
『高崎線、再開に10時間 小動物、ケーブルかじる?』
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12643119.html?rm=150
11月5日6時43分にNHK前橋からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ケーブルは事務室の壁に取り付けられた配線盤の中に設置されていて、直径2cmのケーブルから直径4.5mmの光ファイバーケーブルに分かれたあとに、並列する2本が切れていたという。
ケーブルは、いずれも腐食の痕跡はなく、外側のゴムと中の芯が同じ位置で切れていることなどから、JRは、何らかの力が加わって切れたとみている。
配線盤は金属製で施錠されておらず、底にはケーブルを通すための隙間があるという。
JR東日本は、同じような状態でケーブルが設置されているおよそ100か所を緊急に点検したところ、異常は見つからなかったということで、ケーブルが切れた詳しい原因を調べている。
出典
『通信ケーブルに力加わり切断か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/1066020441.html?t=1478376685684
11月8日18時17分に共同通信からは、対策として首都圏にある配電盤の隙間を塞いだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本の冨田社長は、8日、ケーブルをネズミなどの小動物が損傷した可能性があるとして、首都圏の路線にある配電盤約100カ所の隙間を埋めて、入り込めないようにする対策を取ったと説明した。
一度に大量のデータを送信したことが原因とみられるシステムトラブルについても、データ入力時の作業手順を見直す意向を示した。
出展
『JR東、高崎線不通で小動物対策 隙間埋めケーブル損傷防止』
http://this.kiji.is/168650788615061507?c=39546741839462401
2016年10月25日8時53分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
大阪府柏原市の近鉄大阪線河内国分駅で16日に視覚障害者の男性(40)がホームから転落し、特急にはねられて死亡した事故を受け、近鉄は、2017年度末までに、1日の利用者が1万人以上の全駅で、点字ブロックに線状の突起が付いた「内方線付き点状ブロック」を整備する方針を決めた。
通常の点字ブロックより、視覚障害者がホームの端を判別して転落を防ぐのに効果的とされるが、近鉄では整備が進んでおらず、当初20年度末までとしていた計画を前倒しした。
「内方線」は、線路に沿って点字ブロックのホーム側に敷設される高さ5mm程度の突起で、視覚障害者がブロック上で方向を見失った場合でも、ホームの内外を区別しやすい。
このため国土交通省は、11年、鉄道事業者に対し、利用者10万人以上の駅ではホームドアまたは「内方線付き」を、1万人以上の駅については「内方線付き」を優先的に整備するよう要請した。
出典
『線付き点状ブロック整備へ…近鉄、転落事故受け』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161025-OYT1T50008.html
(ブログ者コメント)
近鉄HPの「安全・社会・環境・広報活動」「5.安全への取り組み(駅)」の項目で、下記記事が現場写真付きで掲載されている。
・内方線付き点状ブロック
ホームの縁端を警告する「黄色い線」(点状ブロック)は全駅整備済みですが、さらにホームの内外方を判別するための内方線の整備を進めています。利用者1万人以上の駅を中心に順次整備しています。
・ホーム先端の注意表示
ホームからの転落事故を防ぐため、一部の駅においてホーム先端に注意表示を施しています。
http://www.kintetsu.jp/kouhou/anzenhoukoku/sa_station.html
HPの記事ならびに写真によれば、ホームの端には線上の突起がついたブロックが全駅で整備されており、前倒しで整備するのは、そのブロックと並列で1mほど離れた内側に設置されたブロックの模様。
この点、読売新聞の報道とはニュアンスが異なるように感じた。
2016年10月17日3時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省によると、視覚障害者が駅ホームから転落する事故は、2009年度38件、10年度58件、11年度74件、12年度91件、13年度74件、14年度80件、起きている。
転落防止に最も効果があるとされるのが、乗降時以外はホームから出られないようにするホームドアだが、設置は進んでいない。
私鉄で最長の営業距離(約500km)の近鉄も、全286の駅で、ホームドアが設置された駅はない。
また、複数種類の車両がある近鉄では、「編成数やドアの位置が異なるため、技術的に課題がある」との理由も挙げる。
このため、視覚障害者のためには、点字ブロックなどで対応している。
全国に鉄道の駅は約9500あると言われるが、国交省によると、ホームドア設置駅は665駅。
国交省は、11年、10万人以上が利用する都心部の駅で特に危険性が高いとして、20年を目標に、ホームドアを優先して設置するよう、鉄道各社に求めていた。
多くの鉄道会社にとって、ハードルになっているのがコストだ。
1駅あたりの設置費用は数億〜十数億円で、ホームが狭かったり湾曲したりしている場合には、技術的なハードルも高くなる。
そこで、ホームドア設置には、国と自治体がそれぞれ費用の3分の1を補助する制度がある。
国交省は、16年度第2次補正予算と17年度当初予算で、計約67億円をあてる方針。
日本盲人会連合の調査では、事故防止に有効な手立てとして、ホームドアに次いで「駅員の配置」と「周囲の人の声かけ」を挙げる人が多かった。
点字毎日記者で、視覚障害者の転落事故を長年取材している全盲の佐木記者(42)は、「目の不自由な人は、自分のいる場所を勘違いしていることもある。駅で見かけたら、迷っている様子がなくても、声をかけてあげてほしい」と話す。
出典
『線路に転落 視覚障害者の事故 後絶たず』
http://mainichi.jp/articles/20161017/k00/00m/040/081000c
(ブログ者コメント)
本件、下記事例の関連報道と思われる。
(下記事例については、これまで何件かの関連報道を本ブログで
紹介済)
2016年8月21日掲載
2016年8月15日 東京メトロの青山一丁目駅で盲導犬の左側(線路側)を歩いていた視覚障害者がホームから転落し電車にはねられて死亡、点字ブロックに一部かかっていた柱を犬が避けた?
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6196/
一方、今回報道の直近にも、2件の転落事故が起きている。
2016年10月9日 東京都国分寺市 JR中央線
『視覚障害者、ホームから転落して骨折 西国分寺駅』
http://www.asahi.com/articles/ASJBB3TFNJBBUTIL002.html
2016年10月16日 大阪府柏原市 近鉄大阪線
『ホームドアがあれば… 視覚障害者、また転落死亡事故』 ※解説記事主体
http://digital.asahi.com/articles/ASJBK2PNMJBKPTIL002.html?rm=297
2016年10月10日19時45分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
障害者に対して、周りの人の「気付き」が大切-。
全盲に近い症状で、駅ホームから転落し重傷を負った鍼灸マッサージ師、向井さん(56)=兵庫県明石市=は、そう実感する。
昨年8月、向井さんは知人に会いに行こうと、正午前、自宅最寄りのJR大久保駅(明石市)に到着。
白杖を手に、ホームの点字ブロック上を歩き始めた。
ブロック上に人がいた。
「すみません」と言うが、道を空けてくれない。
スマホか、イヤホンから流れる音楽にでも気を取られているのか。
かわし、再びブロック上に戻った。
また、人がいた。
声を掛けても、動く気配はない。
同じようにブロックから離れ、戻る。
3人目。また同じ。
よけようとした時、方向感覚を失った。
右足を踏み外し、線路に落ちた。
ホームに引き上げられ、その1、2分後に電車が来た。
骨盤の一部を粉砕骨折し、1カ月半入院。
仕事復帰に4カ月かかった。
「最大限に注意して歩いたつもりだったが…。恐ろしくて、もう1人でホームに行けない。ホームドアさえあれば」。
一方で思う。「あの時、3人が3人とも反応してくれなかった。そういう世の中が問題なのかもしれない」。
出典
『ホーム転落の男性 誰も「反応してくれなかった」』
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/0009570180.shtml
2016年10月4日17時11分と19時54分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
停電の影響で一部区間で運転を見合わせていた東京メトロ銀座線は、4日午後4時56分、全線で運転を再開した。
約6万6千人に影響が出た。
東京メトロ広報部によると、午後3時ごろ、渋谷駅-表参道駅間でショートによる停電が発生。
一時、全線の運転が止まった。
約30分後から、溜池山王-浅草駅間で折り返し運転をしていた。
原因は、線路脇のケーブル落下。
東京メトロによると、東京都渋谷区の東京メトロ銀座線渋谷駅近くの線路脇の送電ケーブルを支える金具が折れ、ケーブルが落下。
その際に橋桁と衝突し、ショートしたという。
東京メトロは、「ケーブルの重みで金具が損傷し折れた」と説明、詳しい原因を調べている。
出典
『東京メトロ銀座線が運転再開 6万6千人に影響』
http://www.sankei.com/affairs/news/161004/afr1610040012-n1.html
『銀座線停電の原因はケーブル落下』
http://www.sankei.com/affairs/news/161004/afr1610040018-n1.html
2016年10月3日15時10分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解と写真付きでネット配信されていた。
今年5月に東京都板橋区の東武東上線で起きた脱線事故で、事故車両の台車に脱線前から亀裂が生じていたことが、関係者への取材で分かった。
亀裂が見過ごされたまま運行が続けられ、拡大して脱線につながった可能性がある。
国の運輸安全委員会も、こうした状況を把握し、経緯を調べているとみられる。
運輸安全委や東武鉄道によると、事故は中板橋駅近くで5月18日昼、成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)の前から5両目の車軸4本のうち、後ろの2本が脱線した。
直後の調査で、この2本を支える台車枠の側面に長さ15cm、最大幅12mmの亀裂が見つかった。
関係者によると、この亀裂の下部にさびが生じていた。
亀裂ができた後、風雨などに一定期間さらされたためらしい。
当初は小さかった亀裂が広がって、台車のバランスが崩れたため、脱線が起きた可能性がある。
亀裂の発生場所は、鋼鉄製の台車枠と補強用鋼材の溶接部分に近く、金属疲労が起きやすいという。
運輸安全委は、亀裂発生の原因や時期などを、慎重に調べている。
事故車両は1989年10月製造。
東武鉄道は、国土交通省令に基づく8年ごとの全般検査(全部分解)を2009年11月、4年ごとの重要部検査(重要部分解)を13年5月、3カ月ごとの検査を今年3月に行い、6日ごとの自主的検査は5月16日に実施していた。
これらの検査が適切に行われていたかどうかも、ポイントになりそうだ。
脱線は、枕木の傷などから、中板橋駅を出てすぐのポイント付近で発生したことが判明している。
駅発車直後に運転士が異常を感じて非常停止させ、乗員・乗客約400人にけがはなかった。
事故後、東武鉄道は、事故車両と同型の198両を一斉に緊急点検したが、問題は見付からなかった。
東武広報部は、「運輸安全委員会の調査に協力している。東武としても独自の調査を進めており、安全安心を確保したい」としている。
出典
『東武東上線脱線 台車に事故前から亀裂 見過ごされ運行か』
http://mainichi.jp/articles/20161003/k00/00e/040/209000c
事故当時の報道は下記。
(2016年5月18日22時32分 毎日新聞)
東京都板橋区の東武東上線中板橋~大山駅間で、18日午後0時12分ごろ、走行中の成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)が脱線した。
東武鉄道によると、事故当時の乗車率は30%。
駆けつけた駅員らが周囲の安全を確認した後、乗客を車外へと誘導した。
車両からの脱出時には車内のベンチシートを取り外し、滑り台式の脱出用シューターのように扉部分と線路上に架け渡した。
線路までの高さは1m以上あり、飛び降りるとけがをする恐れがあるためという。
脱線した電車が通過した踏切では、コンクリート製の枕木に削り取られたような跡が残り、砕けたコンクリート片が散らばっていた。
踏切は事故後に遮断機が下りたままとなり、付近は迂回する車で一時混雑した。
中板橋駅前で果物店を営む市川さん(78)は、「ガンガンガンという連続した大きな音を聞いてびっくりした。踏切事故かと思ったが、死者が出るような惨事でなくて良かった」と驚いていた。
近くを走行中の下り電車に乗っていた60代女性は、「脱線した電車では長いシートを線路上に立てかけて、おそるおそる滑るように車外に降りていた」と話した。
出典
『東武東上線脱線 「ガンガンガン、連続の大きな音」に驚く』
http://mainichi.jp/articles/20160519/k00/00m/040/105000c
(2016年10月19日 修正1 ;追記)
2016年10月18日19時37分に朝日新聞から、亀裂が入った箇所は電流による点検の対象外だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東武鉄道は、18日、5月に東上線で起きた脱線事故について、台車の亀裂が原因と推定する中間報告を国交省に提出した。
亀裂は少なくとも3年以上前からあったとみられるが、この部分には1989年の製造以来、電流による亀裂点検をしていなかった。
脱線は5月18日、成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)が、東京都板橋区の中板橋駅を出た直後に起きた。
各車両には、車輪が4つついた台車が前後に2つある。
そのうち、先頭から5両目後方の台車の車輪4つが、最大10cm脱線した。
乗客約400人にけがはなかったが、遅れなどで約18万人に影響が出た。
台車には、車両の重さを車輪に均一に伝える「側(がわ)ばり」と呼ばれる鉄製のはりが、左右に2本ついている。
中間報告によると、脱線した台車は、はりの1カ所に縦横ともに約18cmの亀裂が入り、断裂しかかっていた。
このため、亀裂近くの車輪の荷重が少なく、浮き上がり、他の車輪もつられて脱線したとみられる。
一方、レールなどに不具合はなかったとしている。
東武鉄道は、国交省令により、台車は4年以内に1回など、電気を流して亀裂を点検している。
だが、検査箇所は事業者が決める仕組みで、同社は、今回の亀裂箇所を対象外としていた。
亀裂の広がり具合から、少なくとも3年以上前から亀裂があったと計算されるという。
3カ月に1回の月検査と6日に1回の列車検査の際、目視で点検しているが、東武鉄道は、「脱線前は、亀裂の割れ目に幅がなくて見つけられなかった可能性がある。亀裂の発生原因は調査中」としている。
同社は、亀裂の起きた場所を、今後は検査の対象に加える。
類似の構造の2072台車に異常はなかった。
出典
『東上線脱線、原因は台車亀裂か 東武鉄道が中間報告』
http://digital.asahi.com/articles/ASJBL5FWKJBLUTIL02Q.html?rm=441
2016年9月27日付で毎日新聞東京版長官から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後5時35分ごろ、東京都千代田区霞が関2の東京メトロ日比谷線霞ケ関駅構内の線路から白煙が上がっているのを、乗務員が見つけた。
駅員が間もなく消火し、けが人はなかった。
消火と設備点検のため、2度、全線で運転を見合わせ、計約13万2000人に影響が出た。
東京メトロによると、線路の切り替えポイント付近が燃え、電気系統のトラブルとみられる。
出典
『鉄道トラブル 霞ケ関駅で白煙 13万2000人に影響 日比谷線』
http://mainichi.jp/articles/20160927/ddm/041/040/118000c
9月26日19時12分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後5時40分ごろ、東京都千代田区霞が関の東京メトロ日比谷線の線路内で「火災が発生している」と、乗務員から119番通報があった。
東京メトロによると、火災は霞ケ関駅から中目黒駅方面に約50m進んだ線路上で発生した。
線路を分岐させるつなぎ目の部分から煙が出ているのを乗務員が発見。
駅係員が消火に当たり、5時50分ごろに鎮火した。
けが人はいなかった。
消防によると、レールのつなぎ目の絶縁体が燃えたという。
この火災で、一時、日比谷線全線が運休し、通勤客ら約6万2000人に影響が出た。
出典
『メトロ日比谷線のレールから煙 6万2千人に影響』
http://www.sankei.com/affairs/news/160926/afr1609260014-n1.html
2016年9月26日13時41分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月26日13時39分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前10時ごろ、東京発広島行きの新幹線「のぞみ103号」の車内にヘビがいるのを乗客が見つけ、乗務員を通じて警察に通報した。
新幹線は、本来、通過するはずだった浜松駅に急きょ停車し、駆けつけた警察官がヘビを捕獲した。
乗客がかまれるなどの被害はなく、新幹線は数分後に運転を再開し、ダイヤに大きな乱れはなかった。
ヘビは全体が茶色、体長は30cmほどで、専門家によると、模様や頭の形などから、国内に生息しているシマヘビの子どもではないかという。
JR東海によると、ヘビは12号車の中央付近にある窓側の座席のひじ掛けに巻き付いているところを、座席に座ろうとした20代の女性客が見つけ、車掌を通じて110番通報したという。
ヘビは、人に危害を加えるおそれがあるため、車内への持ち込みが禁止されていて、新幹線の車内放送で持ち主がいないか尋ねたが、名乗り出る人はいなかったという。
警察が、なぜ、新幹線の車内にヘビがいたのか、詳しい状況を調べている。
JR東海によると、東海道新幹線の車内では、平成23年7月にもヘビが捕獲されたことがあったという。
出典
『新幹線車内にヘビ 浜松駅で停車し捕獲』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160926/k10010707011000.htm
『東海道新幹線車内でニシキヘビを捕獲 浜松駅に臨時停車 けが人なし』
http://www.sankei.com/affairs/news/160926/afr1609260007-n1.html
2016年9月16日11時32分にNHK神戸から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ベンチから立ち上がった人が、まっすぐ歩いて線路に転落する事故を防ごうと、JR西日本福知山支社は、管轄する兵庫や京都の駅のホームで、ベンチの向きを線路に対して横向きになるよう変更する工事を進めている。
このうち、篠山市にあるJR篠山口駅では、3つあるホームで、線路側を向いて座る形で設置された従来のベンチを撤去し、線路に対して横向き、垂直になるよう変更した。
JR西日本が、駅のホームで起きた人身事故を分析したところ、約6割が酒に酔った客によるもので、ベンチから立ち上がり、そのまままっすぐ歩いて線路に転落するケースが多いことがわかったという。
このため、転落事故を防ぐ安全対策として、去年から、ホームのベンチの向きの変更を進めていて、JR西日本福知山支社では、今月から来年3月までに、48の駅で工事を行うことにしている。
福知山支社管内では、昨年度、3件のホームからの転落事故が起き、その原因は、
▽酒に酔ってが1件
▽体調不良が1件
▽歩きながらスマートフォンを操作したが1件
だという。
JR篠山口駅の神田駅長は、「ベンチの向きとともに人の動きも変わり、転落防止に役立つと思う。客自身も行動に注意して、駅を安全に利用して欲しい」と話していた。
出典
『転落防止 駅ベンチの配置変更』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025520231.html?t=1474144056487
(ブログ者コメント)
本件、過去に以下のような同種記事もネット配信されていた。
(2016年9月3日7時3分 朝日新聞)
JR伊丹駅(兵庫県伊丹市)のホームにあるベンチは、線路と反対向きに置かれている。
線路を背に座ると、目の前には金網越しに駅前の風景が広がる。
実はこれ、転落事故を防ぐため。
JR西日本が過去の例を調べると、ベンチから立ち上がった酔客が、線路に向かって歩いて落ちるケースが最も多かった。
他の駅では、ベンチの向きを線路と直角に変えているが、ホームが狭い伊丹駅は反対向きになった。
外の景色に気をとられ、後ろの電車を逃さないように。
出典
『ホームのベンチ、線路と反対向き JR伊丹駅の工夫と』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8V53JBJ8VPTIL021.html
(2015年4月26日 日刊ゲンダイ)
写真は、JR新大阪駅のホーム。
な~んか普通と違うなと思ったら、ベンチの向きが線路と垂直になるように設置されていた。
なぜか。
JR西日本東京広報室に聞いた。
「数年来、酔ったお客さまがホームから転落する事故が増えています。その防止策です」
国交省のこんなデータがある。
2013年度に発生した「ホームでの接触」による人身障害事故は221件。
そのうち133件が酔客に関わるもので、33件だった10年前の実に4倍だ。
これを受けて、JR西日本安全研究所が事故映像を分析した結果、酔客の行動パターンが明らかになった。
転落の状況は、
▽「ホーム上から突然線路に向かって歩きだし、そのまま転落」が約6割を占め、
▽次いで、「直立状態から突然大きくバランスを崩して転落」が約3割。
▽「ホームの端を線路と平行に歩いている最中に、ふらついて足を踏み外して転落」は、意外にも約1割だった。しかも、大半が歩きだして数秒後に転落していたという。
そこで、まずは新大阪駅のホームのベンチの向きを、線路と垂直になるよう設置した。
線路への方向を変えて距離も延ばすことによって、ベンチから突然立ち上がった酔客の転落事故を未然に防ぐのが狙いだ。
「新大阪駅では、4本あるホーム(1本は工事中)の25カ所のベンチすべてに対策を講じ、手始めに1月18日から供用を開始した新13番、14番ホームで実施しました。現在、JR西日本で少なくとも1カ所は導入している駅は、近畿地方に9駅(尼崎、摂津富田など)、中国地方に6駅(広島、宮島口など)あります。今後もホームの幅や形状などを考慮しながら、安全への取り組みを進める方針です」(同)
ちなみにJR東日本は――。
「新宿駅の中央線特急ホームをはじめ、線路と垂直になったベンチは数カ所ありますが、目的は明解ではありません。導入する予定も、現時点ではありません」(広報部)
出典
『街中の疑問 新大阪駅ホームのベンチ なぜ「向き」が線路と垂直なのか』
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/159354
2016年9月11日付で読売新聞鹿児島版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月10日18時28分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州は、9日深夜から10日未明にかけて、九州新幹線の車両を使った異常時の避難誘導訓練を薩摩川内市などで行った。
鹿児島、熊本、佐賀県などのJR九州支社や警察、消防、運輸局などから約150人が参加し、万一の事態に備えた連携を確認した。
JR川内~鹿児島中央駅間を走行中の新幹線で火災が起き、緊急停止したとの想定。
走行中の車内にブレーキがかかり、「非常ブザーが確認されました」との放送が流れ、緊急停止した。
鎮火したが運転再開はできないとの設定で、乗務員は訓練の具体的なシナリオを事前に知らされておらず、その場で話し合いながら誘導を進めた。
車両に煙が充満するなか、車外にはしごをかけ、乗客役の約100人を避難させた。
手足に重りを付けた高齢者や重傷者役の乗客に対しては、はしごや担架を使って車外に避難させた。
訓練の直前には、車両内に煙を充満させる「煙体感訓練」も実施。
火災時にどれだけ視界が悪くなるかを、実際に体験した。
2012年3月、九州新幹線が福岡県内で6時間半にわたって立ち往生し、乗客が車内に閉じこめられたトラブルが発生。
訓練は、それ以来、毎年行っているが、火災発生を想定した訓練は今回が初めて。
JR九州の古宮・鉄道事業本部長(53)は、「いろいろな条件で対応できた。乗客の安全確保を第一に考え、「様々な『想定外』に対応できるよう、今後も様々なことを想定した訓練を行いたい」と総括した。
出典
『新幹線で避難誘導訓練 火災想定』
http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20160910-OYTNT50069.html
『九州新幹線で火災避難訓練、車内の煙体感も 鹿児島』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9B113FJ99TLTB015.html
2016年9月2日11時55分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月2日11時53分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前8時前、東京・世田谷区にある東急田園都市線の用賀駅構内で、中央林間発清澄白河行きの上りの電車の窓ガラスが割れた。
割れたのは、10両編成の電車の前から5両目にある乗客が乗り降りするドアの窓ガラスで、近くにいた乗客の男子高校生が顔を切るなどのけがをしたという。
当時、車内はラッシュ時で混み合っていて、ドア付近にいた複数の乗客がバランスを崩し、その勢いで高校生が頭から窓ガラスにぶつかり、割れたという。
この影響で東急田園都市線は、一時、最大で25分程度の遅れが出た。
割れたのは強化されたガラスで、こうした状況になるのはあまり例がないということで、東急電鉄は原因を調べている。
電車は用賀駅で12分停車した後、ガラスの割れた部分を段ボールで覆うなどして、運行を再開した。
出典
『東急田園都市線 ドアの窓ガラス割れ高校生けが』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160902/k10010665611000.html
『満員車内揺れて…頭当たりガラス割れる 東急田園都市線』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9233WVJ92UTIL009.html
9月6日16時6分にNHK横浜から、東急は同じ型の全車両のガラスを厚いものに交換するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東急電鉄は、同じ型の車両のガラスを強度を高めたものに、順次、交換することにした。
東京・渋谷を発着する東急田園都市線は、9月2日の朝、ラッシュで混み合う上り列車の車内で、乗客がバランスを崩してドアの窓ガラスにぶつかり、ガラスが割れて顔を切るなどのけがをした。
この車両のドアの窓ガラスは厚さが3mmあり、2.2トンの重さに耐えられるものだったが、ガラスが割れたことを受けて東急電鉄は、およそ5トンの重さに耐えられる、厚さ4mmのものに交換することにした。
ドアの窓ガラスの交換は、田園都市線と大井町線で運行している同じ型の車両164両すべてを対象に、およそ2か月かけて順次行われるという。
東急電鉄は、「多くのお客様にご心配とご迷惑おかけしておわび申し上げます。2度と起きないよう安全性をさらに向上していきたい」と話している。
出典
『東急 車両ドア窓ガラス強化へ』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056001271.html?t=1473196964433
(ブログ者コメント)
○東急電鉄HPに、下記趣旨のお詫びと報告記事が掲載されていた。
・当時の混雑率は約140%。
・ドアガラスは厚さ3mmの強化ガラスで、2.2tの重さが加わっても割れない強度があり、列車混雑によりお客さまが押し付けられることで割れることはありません。
これまでに、硬い物体(石など)がガラスの一点に衝突した場合に、破損するという事例はありました。
・安全性のさらなる向上のため、厚さ3mmの強化ガラスを使用している車両は、順次4mmのガラスに交換してまいります。
これにより、強度は2.3倍程度になります。(該当車両164両)
http://www.tokyu.co.jp/information/list/?id=888
○JISの「鉄道車両用安全ガラス」によれば、長方形又は正方形の平面強化ガラスの寸法は以下の模様。
1 枚の面積が 0.9m2以上,又は辺の長さが 1 200mm を超えるときは3.2mm
1 枚の面積が 1.8m2以上,又は辺の長さが 1 800mm を超えるときは4mm
http://kikakurui.com/r3/R3213-2008-01.html
このことから類推するに、1ランク上のガラスに交換する、ということかもしれない。
2016年8月20日20時16分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月20日付で読売新聞大阪版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県姫路市の山陽電鉄西飾磨駅で、7月、視覚障害のある50代男性が点字ブロック上に置かれた工事用フェンスに白杖が引っかかって転倒、左足の太ももを骨折する重傷を負っていたことが分かった。
同社は男性に謝罪した。
同社などによると、事故は7月2日朝、ホームへ通じる階段途中の踊り場で発生。
通路や階段の壁を修理するために設けたフェンスの一部が点字ブロックをふさいでおり、男性は、フェンスに挟まった白杖を抜こうとしてバランスを崩して倒れた。
関係者によると、全治2カ月という。
同社は男性に謝罪した際、「点字ブロックの周囲30cmには物を置かないようにしていたが、今後は徹底する」などと改善を約束したという。
同社は、事故後、点字ブロックにできるだけかからない位置にフェンスを設置し直したほか、音声案内でも、工事終了まで注意を呼び掛けた。
今後、工事で点字ブロックをふさぐ場合は、仮設のブロックを敷くなどの対策をとる。
今月15日には、東京メトロ銀座線で視覚障害者の男性がホームから転落死する事故が起きている。
同市身体障害者福祉協会の田中理事長は、「小さなトラブルは数多くある。一過性の対策で終わるのではなく、根本的な解決を目指してほしい」と話している。
出典
『視覚障害者 駅で転倒し重傷…点字ブロック上に工事柵』
http://mainichi.jp/articles/20160821/k00/00m/040/029000c
『駅点字ブロック上に工事柵、視覚障害者転び重傷』
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160820-OYO1T50000.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。