2015年7月8日9時26分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月7日19時20分にNHK東海NEWS WEBから、7月7日付で朝日新聞名古屋版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
また、7月8日付の岐阜新聞紙面にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
岐阜県岐南町の名古屋鉄道名古屋本線・岐南駅で、走行中の電車の電源が落ちてブレーキが効かなくなり、停止位置を大きく超えてオーバーランした問題で、名鉄は7日、問題の車両が別の車両を切り離した後、「電気連結器」と呼ばれる部品の鉄製カバーが閉じるまでの間に雨水が入り込み、ブレーキなどを制御する電気系統のショートを引き起こした可能性があると発表した。
名鉄によると、先頭車両にある電気連結器の内部に雨水が入りこんだためショートが起きた可能性が高いとみて、専門機関に電気連結器に残っていた物質の分析を依頼していた。
その結果、電気連結器の内部に雨水の痕跡が確認されたほか、ショートを起こした際に発生する銅の炭化物も見つかったという。
このことから、電気連結器内で「電源切」の信号をやりとりする端子付近に水分が入り、100ボルトの電流がショートし、電源が落ちたと結論づけた。
電気連結器にはカバーがついていて、切り離すと通常は自動的にカバーが閉まり、水分が入らない構造。
当日は雨が降っていたが、早朝に連結切り離し作業をした際には、カバーが閉じていることを確認したという。
名鉄は、水分が入った経緯を「切り離した際に何らかの原因で雨水が入ったとみられる。特定はできない」としている。
この電車は、オーバーランした当日の6月3日朝、茶所(ちゃじょ)駅(岐阜市)で連結していた車両を切り離し、4両編成から2両編成に変更。
名鉄はこの日、国交省中部運輸局に検査機関の調査結果を提出。
電源喪失に備え、空気圧を使った非常ブレーキのかけ方などのマニュアルを作成し、連結器カバーの動作確認徹底や、連結器内部の清掃の頻度を増やすといった対策を取ったことも報告した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150708-OYT1T50075.html
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20150707/3144141.html
7月8日付で朝日新聞名古屋版(聞蔵)からは、オーバーランした時の状況が、詳しくネット配信されていた。
オーバーランし、分岐でポイントを壊して停止した。
約5分後に電源が戻ると、客を乗せたまま、終点の須ケ口まで運行した。
後続電車3本は、安全が確認されていないポイントを通常の速度で通過していた。
名鉄で走行中の車輌の電源が落ちたのは初めてで、対応が混乱。
運転士は、非常ブレーキの利きが悪いと感じて一旦緩め、電源が落ちて利かなくなった普通ブレーキをかけようとした。
本社の運転指令は、通常運行の再開を指示し、ポイント故障に気付いたのは、事故の20分後だった。
7月8日付で毎日新聞岐阜版からは、運行上の問題についての対策などが、下記趣旨でネット配信されていた。
岐南駅で電車の電源が落ちオーバーランした問題で、同社は7日、原因究明の外部調査結果を公表するとともに、運行に関するマニュアルに同様事例の対策を加えたことを明らかにした。
会見した井上運転保安部長は、発生直後に運転指令が状況を把握できなかったことや、この電車がトラブル後に通常の安全確認のみで運転を再開させたことは問題だったとした。
その上で、運転指令の教育徹底を図るとともに、運転士や車掌が持つ運行に関するマニュアルに非常ブレーキを入れることなど、電源喪失時の対応を加えたという。
一方、電源が落ちた原因について東海技術センターが調査し、連結器の内部に雨水などが入って短絡したと特定した。
名鉄は、3カ月ごとに実施していた連結器絶縁部分の清掃を1週間ごとへと短くしたという。
井上部長は、「電源喪失は想定外だった。同様のことが起きないよう、安全運行に努めたい」と話した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20150708ddlk21040096000c.html
(2015年7月19日 修正1; 本文に修正追記)
岐阜新聞に掲載されていた、電気連結器に水が入ったことに関するやや詳しい記事を、本文に追記修正した。
2015年6月22日7時7分にNHK北海道NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後2時40分ごろ、黒松内町白井川のJR函館線で、小樽発長万部行きの普通列車の運転士が線路の枕木から煙が出ているのを見つけ、指令センターに連絡した。
消防が現場にかけつけ、枕木1本が焼けているのを確認してすぐに消し止め、煙は収まった。
JRによると、列車は現場をそのまま通過し、次の駅で停車したが、乗客45人にけがをした人はいなかったという。
この影響で、JR函館線の小樽駅と長万部駅を結ぶ普通列車上下2本に、1時間あまりの遅れが出た。
現場は、JR函館線の熱郛駅から目名駅方向におよそ600mのささやぶに囲まれた場所で、一般の人は近づけないということで、警察や消防が、枕木が焼けた原因について調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20150622/5741421.html
6月21日付で産経新聞からは、推定原因に言及した下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後2時40分ごろ、北海道黒松内町のJR函館線目名-熱郛間で木製枕木から煙が上がっているのを小樽発長万部行き普通列車の運転士が見つけた。
煙は約20分後に収まったが、枕木1本の一部が炭化していた。
警察や消防によると、レールを枕木に固定する特殊な金具「犬くぎ」が緩んでおり、列車通過時の振動でくぎが枕木を摩擦し、熱を帯びたのが原因とみられる。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150621/afr1506210028-n1.html
(ブログ者コメント)
枕木の発煙トラブルは過去に何件か紹介しているが、原因は、ほぼ、急ブレーキ時の火花らしいということで、現在では、原則、掲載対象外としている。
それが今回は、犬くぎと枕木の摩擦熱らしい、ということなので紹介する。
2015年6月10日7時4分に産経新聞鹿児島版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月9日1時22分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後10時45分ごろ、鹿児島県日置市のJR鹿児島線伊集院駅で、ホームに進入した鹿児島中央発川内行き上り普通列車(2両編成)が、ホーム手前の線路上にあった鉄パイプなどの工事用資材に衝突、車両の前面ガラスが一部破損した。
脱線はしておらず、乗客約30人にけがはなかった。
警察などは、駅関連の工事で線路周辺にあった足場の鉄パイプの一部が強風で飛ばされたとみて、調べている。
列車は運休し、乗客はタクシーなどで振り替え輸送された。
出典URL
http://www.sankei.com/region/news/150610/rgn1506100012-n1.html
http://mainichi.jp/select/news/20150609k0000m040160000c.html
(2015年6月21日 修正1 ;追記)
2015年6月10日付で朝日新聞鹿児島全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(当該情報に基づき、タイトルも修正した)
運転士は鉄パイプに気付き、急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
同駅では、南口駅前広場トイレが工事中で、鉄パイプは現場用足場として組まれていた。
警察は、鉄パイプが強風にあおられて倒れかかったとみている。
2015年6月8日14時43分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前10時ごろ、福岡市営地下鉄七隈線の車両基地(西区)で、教習のため試運転準備をしていた運転士が携帯式の緊急停止ボタンを誤って押し、七隈線を運行していた全列車9本が一斉に停止する騒ぎがあった。けが人はいなかった。
まもなく運行を再開したが、遅れにより約1500人に影響した。
福岡市交通局によると、市営地下鉄の運転士は事故などに備え、ベルトに付けた専用フォルダーに無線方式の緊急停止装置を差し込んでいる。
装置に異常はなく、何らかの理由で気付かずにボタンを押したという。
七隈線は、西区の橋本駅と中央区の天神南駅を結ぶ12kmのルート
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015060801001754.html
(ブログ者コメント)
携帯式緊急停止装置とはどのようなものか調べてみたが、わからなかった。
ちょっと触れたぐらいで緊急停止しては困るので、何らかの誤作動防止対策をしているとは思うのだが・・・。
2015年5月25日19時35分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月26日20時49分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
伊勢鉄道(三重県鈴鹿市)は25日、津発四日市行き普通列車(1両編成)が、津市の東一身田駅を誤って通過したと発表した。
2人が乗車できなかったという。
伊勢鉄道によると、列車はワンマン運転で、25日午前8時47分に津駅を出発。
次の東一身田駅に停車するはずだったが、男性運転士(63)が地名のことなどを尋ねてきた乗客に対応するうち、駅を通過。
案内の車内放送も流さなかった。
列車を待っていた男性が伊勢鉄道に連絡してミスが発覚。ホームにはもう1人男性がいたという。
列車の乗客4人は、同駅で降りる予定がなかったという。
伊勢鉄道が列車の速度や距離が分かる運転記録を調べた結果、停車した形跡がなかったことが判明。
聞き取り調査に、運転士は当初、「停車したつもりだった」と説明。その後、運転記録の結果を示したが、「乗客に声を掛けられて、止まったかどうか覚えていない」と話したという。
伊勢鉄道は、「ご迷惑をお掛けし、おわび申し上げます。再発防止に努めます」と話している。
出典URL
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015052590193528.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150526-OYT1T50039.html
(ブログ者コメント)
こういったヒューマンエラーを防止するため、電車でもバスでも、運転中の運転士に話しかけることは「遠慮」することになっていると思うのだが・・・・。
2015年5月23日7時8分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真と図解付きでネット配信されていた。
一歩間違えれば大惨事になる可能性もあった。
佐賀県白石町のJR長崎線肥前竜王駅で22日起きた特急同士のすれ違いミス。
同一線路上で向かい合って停車した2本の特急の距離はわずか93mしかなかった。
JR九州は同日夜、記者会見で謝罪し、運転士と指示を出すJR九州指令との間の情報伝達ミスがトラブルにつながったことを明らかにした。
「(重大事故につながりかねない)インシデントを発生させてしまいました。それによりお客様に多大な迷惑をおかけして、深くおわび申し上げます」。トラブルから約7時間半後の午後8時、福岡市のJR九州本社で始まった会見には報道陣約40人が詰めかけ、冒頭、松本・安全推進部長は深々と頭を下げた。
同社によると、博多発長崎行きの「かもめ19号」と長崎発博多行きの「かもめ20号」は、一駅長崎寄りの肥前鹿島駅ですれ違うはずだった。
しかし、19号の運転士が肥前竜王駅に入る直前に異音に気付いたため、駅の手前の信号機のほぼ横で停車した。
この間に20号が一駅進み、肥前竜王駅ですれ違うことになった。
20号が肥前竜王駅の待避線に入ったことを受けて、JR九州指令が19号の運転再開を指示した。
この時点で、ポイントは両方向とも待避線側になっていたが、19号の運転士は自分の側は直進方向になっていると誤解。
約120m先のポイントを時速約35kmで通過して待避線に進入して初めて気付き、急ブレーキをかけた。
列車は、2両目まで待避線に入って停車した。
誤解が生じた理由が、19号の停車位置だった。
19号の運転士は、目視で既に信号機を越えていると認識していたが、信号機のセンサーを感知する車輪はまだセンサーを越えておらず、実際は信号機のわずか手前で止まっている状態だった。
一方、運転士は停車位置について指令に「鳥栖から49km地点」と伝えた。
だが厳密には、信号機は鳥栖から49.16kmの場所にあり、指令側は信号機の160m手前で停車していると理解した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150523k0000m040111000c.html
5月24日11時8分に産経新聞からは、より詳しい状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
異音トラブルにより停止した特急の運転士が運転席のモニターに表示された位置情報を過度に信頼し、指令側に正確な停止位置の情報が伝わっていなかったことが、23日、JR九州への取材で分かった。
JR九州によると、特急かもめ20号が停車中の待避線に、本線から進入して衝突直前に緊急停止した特急かもめ19号は、現場の肥前竜王駅手前で異音トラブルにより停止していた。
この停止位置は、19号の運転席部分が駅側への進入の可否を伝える信号を通り過ぎた辺りだった。
運転士はトラブル時、指令に停止位置を伝えることになっており、19号の運転士も、運転席に表示される起点駅からの距離を報告。
しかし、車輪の回転から距離を計算するため厳密ではなく、報告された数字は実際の停止位置より約160m手前だった。
司令は、そうした認識のまま、運行再開を許可した。
指令は、19号を信号の手前まで進めて赤信号で一旦止め、待避線への進入に設定されていたポイントを切り替えた上で、本線を走らせようとしていた。
しかし、実際には19号の運転席部分は信号を通過しており、運転士が赤信号に気付くことはなく、指令の許可に従って運行を再開したため、待避線に進入してしまった。
一方、指令側にも車輪の位置から列車の大まかな位置を把握するシステムがあるが、19号の車両が信号を越えたと判定する位置まで届いておらず、指令のモニター上では、列車が信号手前の区間で停止していると表示されていたため、停止位置を正確に把握できていなかった。
運転席に表示される距離は、車輪の回転数に応じたものだが、車輪の摩耗などで誤差が生じることは知られていたという。
同社は今後、電柱や踏切など周囲の視覚情報から現在位置を判断するようマニュアルに盛り込むことも検討する。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150524/afr1505240005-n1.html
関連URL
(2015年6月13日 修正1 ;追記)
2015年6月12日15時33分に朝日新聞から、再発防止に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州は、同様の事故の再発を防ぐため、在来線に新たな標識を設置する方針を固めた。
不備のあった運行ルールはすでに改善したが、再発防止には設備面の対策も必要だと判断した。
同社によると、現場では、信号機の2.5m先の線路に電気を通さない絶縁箇所があり、一番前の車輪がそこまで進まないと、総合指令は列車が信号機を超えたことを認識できない。
こうした場所は、各地にあるという。
緊急対策として、絶縁箇所にペンキで印をつけたが、運転士が気づきやすくするため、標識のような看板を設置することにした。設置する区間は、今後、検討する。
今回のトラブルでは、直前に特急がすれ違う駅を変更したことを、総合指令が下り列車の運転士に伝えていなかった。
緊急停止してから再出発する場合、総合指令が運転士にすべての重要事項を伝えるなど、意思疎通を徹底するよう、運行ルールも見直す。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH6C6CYQH6CTIPE03N.html
関連記事
6月12日 毎日新聞
衝突回避トラブル:乗務員マニュアルを改正 JR九州
http://mainichi.jp/select/news/20150613k0000m040079000c.html
6月12日 NHK佐賀
長崎線トラブルでJRが対策
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/5085513061.html?t=1434142878625
2015年4月20日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は、下記参照。
(第1報 2/2)http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4796/
(第1報 1/2)http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4795/
(2015年5月14日 修正2 ;追記)
2015年5月8日21時13分に毎日新聞から、構造計算ミスがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は8日、構造計算や施工のミス、安全意識の低さなどが重なったのが原因との調査結果を発表した。
問題の柱には2011年7月、架線のたるみを防ぐためのワイヤが結ばれたが、柱の強度は工事当初から、鉄道営業法に基づいて国に届け出た安全基準を下回っていたことが新たに判明した。
同社によると、現場の神田−秋葉原間では架線と柱を順次交換しており、その過程で11年7月、架線をピンと張るため、問題の柱に一時的にワイヤを結びつけた。
当初、てこの原理による倒壊を避けるため、ワイヤは柱の根元に結ぶ予定だったが、土台を大型化することになり、ワイヤは地上から高さ約2mに取り付けられた。
この際、ワイヤの張力に耐えられるかどうかの構造計算が、データ不足でできなかったにもかかわらず、別の新しい柱の計算結果を流用し、担当者は安全基準(張力の2倍に耐えられる)をクリアしていると判断した。
ところが、事故後の調査で実際の耐久力は1.44倍しかなかった。
2カ月後、基礎の大型化は見送られたが、ワイヤの取り付け場所は下げられなかった。
さらに今年3月25日、この柱と線路をまたいで別の柱を結ぶはりが外され、耐久力は0.97倍にまで下がった。
これらは、担当者が安全性の検討を怠った結果といい、ワイヤを外してからはりを撤去するという社内の標準手順も踏まれていなかった。
同社は、現場が高架上で、担当者が、手間のかかるはりの撤去を優先したとみている。
柱が倒れたのは4月12日。
同11日未明に工事関係者が傾きに気付いたのに、部門間の連携不足で情報が迅速に共有されなかった。
これらを踏まえ、同社は、安全リスクが高い工事の内容を検討する組織の新設など再発防止策を公表した。
一方、管内約25万本の電化柱を緊急点検したところ、全てで安全性が確認されたという。
同社は、11日未明と倒壊1時間前の問題の柱の写真も公開し、11日未明時点で約4.5°、1時間前には約10.5°傾いていたことを明らかにした。
記者会見した柳下副社長は、「大変申し訳ない。安全意識をさらに徹底したい」と陳謝した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150509k0000m040104000c.html
5月8日23時59分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付き、かつ若干異なる下記趣旨の表現で、ネット配信されていた。
JR東によると、ワイヤは2011年7月に設置。
ワイヤの張力に対する支柱の抵抗力(安全率)は、規定で2以上が必要だったが、実際は1.4だった。
基礎部が約60年前に製造された古いもので資料がなく、間違った推測のもと強度計算し、2以上を保てると誤認していたという。
14年5月には、倒れた支柱の上部に付いていた鉄製はりから架線のつり下げをなくし、実際の安全率は1.13に。
今年3月25日の鉄製はり撤去で、倒壊の危険性の分岐点となる1を下回った。
ワイヤは、本来は土台のすぐ上につけるが、工事の関係で地面から高さ約2mに設置したことも強度を弱めたという。
事故原因では、倒壊2日前に社員が傾きに気づいたが、工事を先送りした判断の甘さも指摘した。
JR東は、支柱の傾きが一定程度を超えた場合、列車の運行を止めて修復する基準を新たに策定した。
一方、事故後に管内の全支柱約25万本やワイヤを緊急点検したが、異常は見つからなかったという。
今後、国の運輸安全委員会による調査を踏まえ、対策を見直していくという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH585R5SH58UTIL03R.html
※関連記事URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150508/afr1505080014-n1.html
2015年5月8日19時6分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前8時50分ごろ、宮崎市清武町の竹林で、九州電力の作業員が切り倒した高さ約11mのタケノコがJR日豊線の架線に接触し、南宮崎(宮崎市)―財部(鹿児島県曽於市)間で約50分間停電、ダイヤが乱れた。
タケノコは、皮がはがれると若竹と呼ばれるようになる。
九電によると、今回伐採したのは全体が茶色い皮に覆われていたといい、九電の担当者は「タケノコとしてはかなり大きめだ」と話した。
4、5月はタケノコが急成長する時期。
九電が管理する送電線の近くまで伸びていたため、伐採することにしたが、作業員が誤って線路の方向に切り倒し、JRの架線に接触した
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015050801001546.html
2015年4月29日21時29分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午前11時半ごろ、東北新幹線の郡山駅(福島県郡山市)付近で上り線の架線が切れ、新白河−福島間で停電が発生した。
東北、秋田、山形新幹線は午後4時過ぎまで全線で運転を見合わせ、上下58本が運休、66本に遅れが出た。
ゴールデンウイーク(GW)最初の祝日のトラブルで、帰省客ら計約6万1000人に影響した。
JR東日本によると、この停電で、仙台・新庄発東京行き「やまびこ・つばさ136号」(17両編成)が郡山駅から約500mの地点で停車。
乗客約550人は午後0時50分ごろから降車し、郡山駅まで徒歩で移動した。乗客2人が体調不良を訴え、病院に運ばれた。
列車は、架線が破断した場所で止まっていた。
4つあるパンタグラフのうち前方2つが破損しており、原因を調べる。
午前11時5分にも同区間で一時停電が起きており、関連を調査するとともに、管内の新幹線の全架線と車両を緊急点検する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150430k0000m040061000c.html
5月2日0時20分に毎日新聞からは、原因に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
切れた架線は年1回しか検査せず、開業以来33年間、一度も交換されていないことが分かった。
問題の架線は、下り線と上り線をつなぐ「渡り線」にあるため、本線より検査頻度が低く、老朽化などの異常が見過ごされた可能性もある。
JR東日本は、検査に問題がなかったかも含め、調査を進めている。
JR東によると、架線の寿命は一般に約40年とされるが、本線の架線は、パンタグラフとの摩擦で生じる金属疲労による破断を防ぐため、10日に1回程度、摩耗やひずみを専用車両で検査し、寿命を迎える前に交換してきた。
一方、切れた渡り線の架線を通るのは、折り返しの始発など1日5本程度で、摩耗なども進みにくく、開業時の架線がそのまま使用されていた。
検査も年1回、たるみや金具の状態などを係員が調べるだけで、直近は昨年11月だった。
数日前に地上からの目視で確認した際も、異常は発見されなかったという。
切れたのは、上り線と交差する手前の1カ所。切れた架線が車両などに接触してショートし、停電が起きたとみられる。
直前に現場の上り線を通過し、近くで停車した「やまびこ・つばさ136号」は、2両目と4両目のパンタグラフが大きく破損しており、切れてたるむなどした架線と接触した可能性がある。
その25分ほど前に「やまびこ134号」が通過した際、短時間の停電が起き、134号のパンタグラフに軽度の変形があった。
JR東は、134号の通過時に渡り線の架線が損傷したとみて、調べている。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150502k0000m040112000c.html
(ブログ者コメント)
事故が起きるパターンの一つに「付帯設備等の事故」があると、ブログ者は考えている。
これは、メインの設備の安全には皆の目が向いているが、付帯設備の安全となると、そうでもないところがある・・・といった意味あいの事故だ。
今回のトラブルは、そのパターンだったのだろうか?
それとも、たとえば、列車の通過回数に応じて検査・取り換えするといった管理をしていたとすれば、その回数設定などに甘さがあったということだろうか?
今回事故の詳細は不明だが、連休初日の大トラブルの報に数多く接しているうち、そんなことが頭に浮かんだ。
(2015年5月29日 修正1 ;追記)
2015年5月21日23時24分に毎日新聞から、金具の重みなどで架線がたるんでいたことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (タイトルも修正した)
東北新幹線の郡山駅(福島県郡山市)付近で上下線をつなぐ「渡り線」の架線が切れ、停電による全線不通が長時間続いた問題で、JR東日本は21日、この架線がたるんで上り本線を走る新幹線のパンタグラフと繰り返し接触し、急速に摩耗して切れたとの調査結果を発表した。
同社は、張った架線のバランスに問題が生じていた可能性があるとみており、さらに調査を進める。
同社によると、新幹線のパンタグラフは通常、架線を最大約4cm押し上げながら走行する。
このため、折り返し運転などで使う渡り線と本線の架線が交差する部分では、上を通る渡り線側と本線側の接触を避けるため、上下の間隔を5〜8cm程度とするよう、社内規定で決めている。
ところが、現場の渡り線の架線は通常位置より下がっており、本線を走る列車のパンタグラフと接触する形になっていた。
渡り線と本線の架線の電流を整える器具(重さ約10kg)が断線部近くにあり、同社は、架線を張るバランスの崩れが、たるみの原因になった可能性があるとみている。
切れた架線は、33年前の開業時に直径15.5mmで、本線より通過車両が少ないため、昨年11月時点でも14.4mmあった。
しかし、断線部は交換基準の8.5mmを大幅に下回る4.5mmまで摩耗し、鋭い刃物で削られたような形状になっていた。
同社が昨年12月と今年1月に検査した際は、2つの架線の上下間隔に問題はなかった。
東北新幹線は、2013年に最高時速320kmでの運転を始めるなど、スピードアップの過程でパンタグラフによる架線への負荷が急速に高まり、以前より架線のバランス調整が難しくなっているとされる。
こうした事情も、今回の問題の背景にあるとみられる。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150522k0000m040105000c.html
2015年4月23日10時43分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
川崎市幸区のJR川崎駅で昨年2月、回送列車が工事車両と衝突、脱線した事故で、国の運輸安全委員会は23日、工事車両の誤進入が原因とする報告書を公表した。
車両への指示が不明確で、入ってよい範囲を運転手が誤解したと結論づけた。
工事はホームを改修するもので、JR東日本が発注。共同企業体や下請けの社員らが作業していた。
事故は2014年2月23日午前1時11分ごろ起きた。
京浜東北線の北行き回送列車が時速約65kmで通過する際、線路上にいた資材運搬用の「工事用軌陸車」に衝突。1両目が脱線・横転し、乗務員室にいた運転士と車掌が軽傷を負った。
現場付近では、東海道線の上下線と京浜東北線の南行き、北行きが並行して走る。
工事車両が線路を横切るには、終列車の通過後、信号を赤にして列車が入らないようにする「線路閉鎖(線閉)」の手続きが線路ごとに必要で、線閉責任者が携帯端末を操作する。
当日は、午前0時59分までに東海道線と京浜東北線南行きを閉鎖。
同1時5分、工事車両を誘導する指揮者(67)は工事車両の運転手(43)に「ここまでいいですよ」と口頭と手ぶりで東海道線を横切るよう合図したが、明確な指示ではなく、運転手は「『入れていいよ』と言われた」と証言。全線路が閉鎖されたと勘違いし、同1時7分、京浜東北線北行きの線路上に工事車両を止めた。
指揮者は、JR東の内規に反し、工事車両を誘導しなかった。
また内規は、線閉責任者(65)が閉鎖を工事全体の管理者(35)に報告し、管理者が工事車両を誘導する指揮者に作業開始を指示すると定めるが、3人は互いに聞こえる携帯無線を使い、線閉責任者の報告を聞いて指揮者が作業開始を判断した。
運輸安全委は、JR東と下請け会社は「指揮命令系統を明確にし、指示や作業が適切か再確認する必要がある」と指摘した。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH4Q6SDQH4QUTIL066.html
(ブログ者コメント)
関連記事は下記参照。(当時の記事は、本ブログには掲載せず)
2014年3月11日掲載
2014年3月5日報道 JR東日本は2月の脱線事故などの再発防止策として、線路閉鎖が必要な大規模で複雑な工事には社員を立ち会わせる方針
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3726/
2015年4月17日16時54分にNHK大津から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月17日19時14分にmBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
17日朝、彦根市の近江鉄道で始発前に車両から火が出て屋根に穴が開くなどして一部を焼失し、近江鉄道は、当時、雷をともなう雨が降っていたことから、落雷の影響がなかったか、原因を調べている。
滋賀県内を走る近江鉄道によると、17日午前6時前、彦根市高宮町の駅で始発列車の準備をしていた運転士が車両に電気を送るパンタグラフを上げて送電しようとしたところ、バチバチという音が聞こえたという。
確認したところ、2両編成の1両目の座席の一部が燃えていて、火は運転士が消し止めたが、窓ガラスが割れ、車両の屋根に縦50cm、横30cmの穴が開いていたという。
運転士にけがはなかった。
彦根地方気象台によると、当時は彦根市の上空を発達した積乱雲が通過し、雷を伴う雨が降っていたという。
火災は、電車に過大な電流が流れて起こったということで、近江鉄道などは、落雷が原因になった可能性もあるとみて調べている。
近江鉄道では、火災の影響で始発から22本が一部の区間で運休し、川村総務課長は、「朝方は雨もひどく降っていましたし、雷も鳴っているという状況。今、『これが原因です』という答えは持ち合えわせていません。ご迷惑、ご不便をかけ申し訳ありません。原因を究明して再発防止に取り組みたい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/2064112131.html?t=1429304081714
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE000000000000007428.shtml
(2015年8月30日 修正1 ;追記)
2015年8月25日17時51分にNHK大津から、原因は車体屋根上の電線の漏電だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
近江鉄道は、東京・国分寺市の鉄道総合技術研究所に調査を依頼し、25日、結果を公表した。
それによると、車両の屋根の上の電線を保護する樹脂製の管と電線を覆う鉄製の管のつなぎ目に雨水が入ったことで漏電が発生して屋根が溶け、それが座席に落下して出火につながったとしている。
当時は雷をともなう雨が降っていたが、落雷によるものではなかったということで、近江鉄道では、今後2年かけて雨水が入りにくくする工事を行う計画。
近江鉄道工務課の三島電車区長は、「通常の点検では異常はなかったが、車両火災が発生してしまった。対策工事を終えるまでの間、通常3か月に1回の点検を3日ごとに行い、監視体制を強化したい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/2064369191.html?t=1440534441748
8月25日21時22分に京都新聞からは、若干表現の異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近江鉄道は25日、車両の屋根にある配管内部の電線の漏電が原因だったと発表した。
同社によると、屋根上の配管接合部分から雨水が入り、電線を保護する絶縁ポリエチレンが破れ漏電が起き、その熱で屋根が溶け落ちた。
再発防止策として、すべての車両で防水性を高める配管の更新工事を2年以内に完了させるという。
出典URL
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20150825000133
8月26日付で中日新聞からも、若干表現の異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近江鉄道は25日、同市役所で調査結果と再発防止策を公表した。
火災の原因は、金属の電線管と塩化ビニル管の接続部分がさび、雨水が接続部分にたまり漏電したため、と説明した。
再発防止策は、配管の接続部分を新しい部品に取り換え、配管を接続する場所も変更する。
すべての車両の工事を完了するには、少なくとも1年はかかる見込み。
それまでは、配管の定期点検を強化して対応する。
出典URL
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20150826/CK2015082602000014.html
(1/2から続く)
4月13日15時59分に読売新聞からは、土日で作業員が集まらなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東は、10日深夜に支柱の傾きを確認して作業員を手配したが、週末を挟んでいたために作業員を十分に集められず、工事を3日後に先延ばししていたことが、関係者への取材で分かった。
関係者によると、同社は10日深夜に神田―秋葉原駅間で支柱付近を工事した際に傾きに気付き、施工会社に緊急手配をかけた。
しかし金曜日だったため、必要とされる数10人の作業員が確保できず、週明けの13日に工事を行うことを決めた。
緊急度が高いと判断したケースでは、施工会社以外にも要請して人手を集めることもあるが、今回は「倒れるほどの傾きではない」と判断して、先延ばししたという。
JR東は、土日に作業を行わなかったことについて、「判断が甘かった。迷惑をお掛けして申し訳ない」と話している。
また同社は13日、倒れた支柱などと同じ構造を持つ約5万か所を中心に緊急点検をするよう、支社に指示を出した。
JR品川駅付近では、作業着姿の社員ら数人が、柱の傾きの有無などを目視でチェックしていた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150413-OYT1T50079.html
4月13日22時16分に毎日新聞から、傾いている情報が総合指令室に伝わっていなかったなど、下記趣旨の記事が、倒壊に至る経緯説明図付きでネット配信されていた。
4月13日21時8分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
倒れた電化柱が傾いていることを最初に確認した工事担当部署の情報が、列車の運行を管理するJR東日本東京支社の東京総合指令室に伝わっていなかったことが、13日、JR東への取材で分かった。
情報共有の遅れがトラブルの原因となった可能性が出ている。
JR東によると、工事部門の社員が10日夜、現場付近の工事の際に、電化柱2基が傾いていることを確認し、上司に報告していた。
しかし上司は「すぐには倒れない」と判断し、総合指令室を含む他の関係部署に情報を伝えず、13日に改修工事を行うことにしていた。
また11日午後8時半ごろには、勤務を終えた山手線の乗務員から同様の情報が総合指令室の輸送の担当者に伝えられたが、付近を通過する電車の運転士らに現場の状況を確認させるなどの指示は出なかった。
さらに、電力系統の担当者に情報が伝わったのは約5時間半後の翌日午前2時ごろで、電化柱が倒れたとみられる時刻の約4時間前だった。
情報が共有され、電気系統などの担当者が早期に現場を確認していれば、補修などの対処が早くできた可能性がある。
総合指令室は、首都圏の路線を走る列車の運行を管理する。
通報する危険度の基準はなく、社員本人の認識に委ねられている。
同社は今後、小さな異常でも総合指令室に情報を上げ、共有する仕組みを検討する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150414k0000m040098000c.html
http://www.asahi.com/articles/ASH4F635MH4FUTIL02V.html
4月18日0時3分に朝日新聞からは、マニュアルに反し強度計算を怠っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月18日2時29分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は17日、支柱の上部にあった鉄製のはりを事故の18日前に撤去した際、社内マニュアルに反し、事前の強度計算を怠っていた、と発表した。
はりの撤去で架線からの張力への強度が落ち、倒壊を招いた可能性がある。
同社のマニュアルでは、電化柱などの構造物にかかる力が工事により変化すると予想される場合、破損などを避けるために、あらかじめ工事後の強度を計算することを定めているが、今回その形跡はなかった。
理由は調査中だが、工事計画の承認までに経る設計管理者など複数のチェックも素通りしていた。
同社広報は,「事前に強度不足が分かっていれば、今回の工事手法はとらず、事故を防げたかもしれない」と話す。
JR東は社員らへの聞き取り調査を進め、5月上旬にも中間報告として発表する。
工事中だったり、工事が計画されていたりする、同様の構造の支柱がある管内の247カ所では、いずれも正しく強度計算が行われていたという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH4K5J5MH4KUTIL03R.html
http://mainichi.jp/select/news/20150418k0000m040073000c.html
(2015年5月5日 修正1 ;追記)
2015年5月4日19時24分にNHK首都圏NEWS WEBから、支柱は大きく傾いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トラブルの前に支柱が基礎の部分から大きく傾いていたことが、当時、現場で撮影された写真で明らかになった。
専門家は、「現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ」として、教育や訓練のあり方を見直す必要があると指摘している。
この問題では、トラブルの2日前に工事の担当者らが支柱が傾いていることに気づいたが、当時、すぐに倒れる危険はないと判断し、改修は行われなかった。
現在、国の運輸安全委員会やJR東日本などが、トラブルの原因や経緯を調べているが、トラブルの前に支柱が傾いていた時の状況が、当時、現場で撮影された写真で明らかになった。
写真では、支柱がワイヤーに引っ張られる形で基礎の部分から傾き、支柱のうしろに見える工事用の車両や建物と比べると傾きが大きいことが分かる。
これについて、電気鉄道に詳しい工学院大学の高木亮・准教授は、「この状態を見て現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ。大きな力がかかる場所であり、ここから先は倒れるスピードが急速に早まると考えて緊急な措置を講じるべきだった。現場の人たちが危険を予知する感覚を研ぎ澄ませるように、教育や訓練のやり方を再考しなければならない」と指摘している。
こうした状況について、JR東日本は、「緊急性がないと判断し、その後、改修する計画にしていたが、結果的に判断が甘かったと考えている」としている。
また、その後のJRなどの調べで、社内の情報共有に問題があった可能性があることも分かった。
これまでの調べで、倒れた支柱と別の支柱とをつなぐはりを撤去したことで、支柱が単独で立つ状態となり、強度が弱まった可能性があるほか、はりを撤去したあとの支柱の強度を事前に計算していなかったことが分かっている。
その後の調べで、設計の担当が支柱が単独の状態となることを認識していなかった一方、施工の担当は、支柱が単独の状態になると問題があるとは認識せずにはりを撤去していたことが分かった。
運輸安全委員会では、施工と設計の担当の間の情報共有についても調べを進めることにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150504/4529251.html
2015年4月13日7時2分に東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前6時10分ごろ、千代田区神田須田町2のJR神田-秋葉原駅間の線路内で、架線を支える支柱が倒れているのを、走行中の京浜東北線の運転士が見つけた。
影響で、山手線全線、京浜東北線の大宮-蒲田間上下線が運転を見合わせ、約9時間半後の午後3時48分までに順次再開した。
運休は計715本、影響人員は約41万人に及んだ。
倒れた支柱の一部は山手線内回りの線路に接触しており、電車が通過していれば大事故につながった可能性がある。
JR東日本は、支柱が傾いていることを10日深夜に確認したが、撤去は13日深夜の予定だった。
同社の福田常務は、「社員と工事会社が確認し、当面は大丈夫と判断した。過去に支柱が倒れた事例はない」と説明。「結果的に対策を取る前に倒れてしまった。誠に申し訳ありません」と謝罪した。
同社東京支社によると、倒れた支柱は山手線内回りと外回りの線路間に設置されていた。
2本1組で、高さ約7m、直径約20cmの鋼鉄製。
重さ約3トンのコンクリート製の土台上に2本が直立する形状だったが、土台ごと、線路に沿うように倒れた。
倒れた原因は、問題の支柱より神田駅側寄りにあった支柱が傾き、支柱同士をつなぐワイヤによって引っ張られたとみられる。
神田駅寄りの支柱が傾いた理由は、架線がたるまないよう横向きに約五トンの力で引っ張る「引留(ひきとめ)装置」の張力などで、バランスを崩した可能性があるという。
倒れた支柱は、線路をまたぐ形で反対側の支柱とつながっていたが、3月25日からの更新工事のため、梁(はり)状のつなぎ部分が撤去され、安定性が弱まったとみられる。
倒れた支柱の一部は、山手線内回りの線路に接触していた。
通過する電車を直撃したり、後続電車が乗り上げる可能性があり、あわや大惨事だった。
山手線は、平日のラッシュ時には、2分半おきに運行する過密ダイヤ。
仮に、こうした時間帯に支柱が倒れていれば、危険性がより高かった。
JR東日本によると、12日午前6時10分、支柱が倒れているのを京浜東北線の運転士が発見。
緊急停止ボタンを押し、周辺1kmの電車が緊急停止した。
現場では、約1分前に山手線内回り電車が通過したとみられる。
発見時、この電車は約250m先の秋葉原駅に到着していた。
また、後続電車は、神田駅の一つ手前の東京駅に到着しており、約3分後に現場通過の予定だった。
同社の福田常務は、「際どいタイミングだった。(電車の)手前で倒れた場合は、止まり切れたかどうか」と危ぶんだ。
支柱の傾きは、10日深夜に、社員と工事会社が気付いていた。
支柱は2001年に交換したが、コンクリートの土台は古く、設置時期は不明。
土台は約3トンの重さがあり、線路間に置かれた状態で、基本的には何にも支えられていない。
同社は、同様の支柱の撤去工事を東海道線と横須賀線でも進める予定で、約5万カ所を緊急点検する。
出典URL
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041390070228.html
4月13日1時1分に朝日新聞から、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
同社が異常を初めて認識したのは、10日夜、架線設備工事の際のことだ。
支柱は肉眼でわかるほど傾いていた。
だが、1987年の同社発足以降、地震以外で支柱が倒壊したことはなく、現場の社員は、すぐに倒れる可能性は低いと判断。
作業員の手配がつく13日に撤去すればよいと決めた。
11日午後8時ごろにも、現場近くを通った列車の運転士が、支柱の傾きを指摘した。
この報告が12日午前2時には工事担当部署に伝わったが、ここでも4時50分ごろの山手線の始発列車に職員を乗せ、現場の傾きを確認するにとどめた。
重さ1.3トンの支柱は、その約1時間20分後に倒れた。
パンタグラフを介して電車に電力を送る架線は、1本の長さが500~1000mあり、5トンの力で両端から張って,たるまないようにしている。
倒れた支柱は秋葉原寄りの端にあり、架線を引っ張る隣の支柱を3本のワイヤで支えている。
3月25日の工事で、線路をまたいで別の支柱とつなぐ鉄製のはりが外され、強度が落ちていたという。
コンクリート製の基礎(3トン)の重みで固定する構造で、反対の端から引っ張られる張力に耐えきれずに倒れたとみられる。
柱そのものは01年に古いものと取り換えられ、比較的新しいという。
これらの架線設備工事は、周りの老朽架線や支柱の更新に合わせ、複雑に張られた架線をシンプルにするのが目的。
問題の支柱2基も、新しい支柱に架線を付け替え、撤去する予定だった。
山手線のほか、東海道線、横須賀線など、計百数十kmの区間でも実施しており、山手線で建て替えている支柱は数100基ある。
基本的な工事手順は同じで、JR東は、同様の危険箇所がないか洗い出しを進める。
出典URL
(2/2へ続く)
2015年4月10日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4761/
(2015年4月16日 修正1 ;追記)
4月7日付で産経新聞から、今後の避難誘導方法について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
太田国交相は、7日の閣議後記者会見で、「1年後には北海道新幹線の開業が予定されている。避難誘導も含め、万全の体制を取るよう指示したい」と述べた。
JR東日本の冨田社長も同日の定例記者会見で、「避難誘導の在り方を、JR北海道ともう一度よく検討したい」と話した。
今回のトラブルで乗客の避難完了までに約5時間半かかっており、太田国交相は、「青函トンネル内で事故があった時にどうすればいいか、今回の状況を詳細に確認し、避難の在り方を検証したい」と話した。
原因については、「そんなに古い車両ではないが、過電流が発生したとの報告を受けた。全力を尽くし早急に究明すべきだ」と強調した。
冨田社長は、JR北海道と連携して安全対策や訓練を進める考えを示し、「北海道新幹線の線路はJR北海道の区間だが、乗客はかなりの部分がJR東日本のエリアから行く。乗客が不安を持ったまま開業することのないように取り組みたい」と語った。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150407/afr1504070022-n1.html
4月8日21時53分に毎日新聞から、異常表示が点灯し間もなく消えたことがトンネルに入る前に3回あったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
函館駅を出て緊急停車するまでの間、モーターの制御装置の異常を示す表示が運転席で4回点灯していたことが8日、JR北への取材で分かった。
過電流が流れたモーター4個が熱で変色していたことも判明。
過電流の状態でモーターが動き続けていた可能性もあり、JR北は発煙との関係を調べている。
JR北によると、モーターの回転数を制御する「主変換装置」の異常表示が、青函トンネルに入る前に3回、非常ブレーキをかけた際に1回、点灯した。
走行中の3回は間もなく表示が消えたため、運転を続けたという。
難波・車両部長は、「表示が消えれば正常に戻ったことを意味するため、運転継続に問題はなかった」と説明。
一方で、発煙原因が判明するまで、走行中に同様の警告が出たら緊急停車して車両を点検するよう4日付の文書で乗務員に指示した。
また、発煙車両を函館運輸所(函館市)で詳しく調べたところ、白煙が出た5号車の台車で配線だけでなく4個あるモーター全ても赤く焼け焦げ、モーターから伸びた配線計12本と周囲のゴム製部品も焼損していた。
JR北は、10日に車両を苗穂工場(札幌市東区)に移し、過電流の原因をさらに詳しく調べる。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150409k0000m040094000c.html
4月9日付で読売新聞から、避難誘導方法を見直すという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故の後、初めて行われたJR北・島田社長の記者会見。
島田氏は、北海道新幹線の開業に向けて、青函トンネルから乗客を避難誘導するためのマニュアルを改定する方針を明らかにした。
島田社長は会見の冒頭、「お客様に深くおわび申し上げる」と謝罪した。
そのうえで、北海道新幹線の開業後に青函トンネル内で異常が起きた場合は、別の新幹線車両が、対向する線路を走って乗客の元に向かうなどして救出する方法が中心になる、との見通しを示した。
島田社長は、今回の事故を受けて、青函トンネルからの避難誘導方法などを再検証する社内委員会を7日に設置したことを明らかにし、「社外の有識者のアドバイスもいただき、対策をとりたい」と語った。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20150409-OYTNT50001.html
(2015年6月13日 修正2 ;追記)
2015年6月9日21時34分に毎日新聞から、営業運転前の訓練時に行ったスイッチ操作が不適切だっという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は9日、運転前に不適切なスイッチ操作を行ったため、モーターに過剰な電流が流れ配線などを焦がしたとする調査結果を発表した。
同社によると、事故が起きた特急は、営業運転前、見習運転士の訓練を行っていた。
その際、指導役の運転士が訓練のため、5号車の「前進指令スイッチ」を切った状態で走行。
乗客を乗せて出発する前までには再びスイッチを入れたが、モーターへの電流を制御する「主変換装置」は、進行方向を実際とは逆に認識したという。
このため、モーターの回転数を検知する装置が故障していないにもかかわらず、故障と誤認識。基準の約1.4倍の電流が流れ、モーターが過熱し約200℃の排気が配線の膜などを焦がした。
訓練マニュアルでも、スイッチを切り替えるタイミングについて明確に規定されておらず、記者会見した西野副社長は、「メーカーも我々も今回のような事態は想定していなかった。検証が不足していた」と陳謝した。
今後は、主変換装置が故障と認識した際にはモーターへの電流を遮断するよう、同じシステムを持つ14両を6月末までに改修する。
一方、事故の際、全乗客が避難を終えるのに5時間以上かかったことを受け、避難方法などを定めたマニュアルを7月末をめどに改定する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150610k0000m040097000c.html
関連記事
6月9日 NHK青森
特急の発煙は過電流による発熱
http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6085400441.html?t=1433883624843
4月6日3時23分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後5時45分ごろ、渡島管内木古内町のJR江差線札苅―木古内間で、架線に並行して張られ、変電所からの電気を架線を通じて電車に供給する「き電線」がショートし、停電するトラブルがあった。
約3時間後に復旧したが、函館―新青森間の特急2本を含め4本が運休、6本に最大4時間15分の遅れが生じ、約500人に影響が出た。
JR北によると、架線の斜め上に張られたき電線を電柱などからつり下げている磁器製の絶縁体「碍子」が破損。垂れ下がったき電線と架線が接触したという。
同社は、碍子が破損した原因を調べている。
木古内駅―知内信号場(同管内知内町)間では、約160人が乗った函館発新青森行き特急スーパー白鳥38号が停止し、車内は停電で真っ暗になり、トイレも使えない状態に。
列車はいったん引き返し、停止から約3時間後に木古内駅に到着。定刻より4時間以上遅れて青森へ再出発した。
函館―新青森間は、3日に特急スーパー白鳥が発煙トラブルを起こし、青函トンネル内で緊急停止したばかり。
出典URL
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0120069.html
4月8日7時20分に北海道新聞から、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は7日、停電トラブルの原因について、電車に電気を供給する「き電線」を電柱からつり下げていた磁器製の絶縁体「碍子」が老朽化と塩害によって破損したためと発表した。
同社は、江差線五稜郭―木古内間と津軽海峡線木古内―青函トンネル出入り口間に計約750カ所ある同様の設備について、13日までに緊急点検を行う。
JRによると、碍子は1984年製で、88年の津軽海峡線開業当時から交換されていなかった。
2年に1回のペースで点検を行っており、昨年4月の点検では異常はなかったという。
碍子は直径25cmの皿状。5個をつないでいた金属が老朽化と潮風で腐食したという。
碍子が破損した結果、き電線が垂れ下がり、架線を支える金具と接触し、ショートしたとみられる。
出典URL
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0120916.html
2015年4月4日0時32分と11時45分に朝日新聞から、事故の状況を伝える下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後5時15分ごろ、北海道と本州を結ぶJR津軽海峡線の青函トンネル(約54km)内で、函館発新青森行き特急「スーパー白鳥34号」(6両編成、定員345人)の車両から火花が出て、緊急停止した。
乗客124人と乗員ら5人が乗っていた。
乗客は列車を降り、乗員の誘導で、停止位置から約1.2km函館側の旧竜飛海底駅に歩いて避難した。
青森地域広域事務組合によると、78歳と50代の女性計2人が体調不良で病院に救急車で運ばれた。
JR北海道によると、車掌が異臭に気づいて窓の外を見たところ、前から2両目の5号車床下のモーター付近から火花が出ているのを確認し、運転士に連絡して緊急停止した。
火花が出続けたため、運転士が消火器で消し止めたという。
車両は2002年製造。モーターに電気を送る配線の被膜が3本とも焦げており、モーターの回転数を制御する「主変換装置」の異常で過電流が流れて膜が焦げ、発煙した可能性が高い、という。
乗客は午後5時40分ごろから降車し、旧竜飛海底駅の避難場所に到着。午後7時35分ごろからケーブルカーで地上に避難し、バスで青森市に向かった。
1988年の青函トンネル開業以来、乗客がトンネルから避難したのは初めてという。
津軽海峡線は同日、木古内―津軽今別間で上下線とも運転を見合わせ、特急や急行の計9本の運休が決まった。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH4362LWH43IIPE01Z.html
http://www.asahi.com/articles/ASH44351VH44IIPE003.html
4月4日23時55分に読売新聞からは、トンネル内の車両火災早期検知装置に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は4日、トンネル内の熱による火災検知装置では車体の異常を覚知できなかったと明らかにした。
発表によると、青函トンネルには、トンネル内での列車の火災事故を防ぐため、トンネル入り口や青森県外ヶ浜町の旧竜飛海底駅付近など、複数地点に熱で火災を検知する装置が備えられている。
通過列車の車軸付近の温度を遠隔で測定し、220℃に達すると火災と判断して、停止信号を示す仕組み。
今回は、トンネルに入ってから車掌が火花に気付き、非常ブレーキをかけて旧竜飛海底駅から青森側に約1.2km進んだ地点で特急は停止した。
同駅付近の火災検知装置のデータを調べたところ、車軸付近の温度は通常の2倍程度の約160℃まで上昇していたが、220℃に達していなかったため、異常を覚知できなかったという
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150404-OYT1T50098.html?from=ycont_top_txt
4月5日0時30分に朝日新聞からは、乗客の避難状況に関する下記趣旨の記事が図解と写真付きでネット配信されていた。
乗客124人はトンネル内を2.4km歩き、ケーブルカーで地上に逃れた。脱出完了まで5時間半余り。
1988年の青函トンネル開業以来初の脱出劇は、乗客らの落ち着いた対応がパニックを防いだ。
「乗客のみなさん、1号車に移ってください」
車掌が車内放送で、5号車から最も離れた最後尾へと乗客を誘導。乗降口にはしごがかけられ、乗客は荷物を車内に残して降りた。
地上への避難設備のある旧竜飛海底駅をめざし、備え付けの懐中電灯を頼りに線路づたいに歩き始めた。
「高い所がありますよ」。
照明器具のない箇所もあり、乗客は声を掛け合いながら障害物に気をつけて歩いた。
停車場所から同駅まで直線で約1.2km。全員が着くまでに降車から約30分かかった。
さらに連絡誘導路を進み、ケーブルカーが発着する避難場所に到着。
1時間ほど待った後、子どもや70代以上の高齢者、体調の悪い人を優先して15人ぐらいずつケーブルカーに乗り込んだ。
1往復17~38分。9往復し、全員が地上に出たのは午後11時前だった。
出典URL
4月5日10時42分に北海道新聞からは、トンネル火災対応の問題点に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全長53.85kmの海底トンネルで火災などが起きた場合、本当に乗客の命を守れるのか。
青函トンネルで特急列車から発煙した事故は、幸いにもけが人はいなかったが、発生から乗客全員の退避まで5時間以上かかり、地上への避難が現実の課題として急浮上した。
1年後、特急列車に代わりトンネルを走る北海道新幹線は、乗客定員が2倍以上に膨らむ。
トンネル内の消火設備は避難用の海底駅にしかなく、離れた場所で事故が起きれば、より深刻な事態につながりかねない。
JR北によると、青函トンネル内には地上と行き来できる避難用の旧竜飛海底駅と旧吉岡海底駅があり、両駅には上下から水を噴射するスプリンクラーが設置されている。
トンネル内には、列車の火災を検知する設備も複数ある。
火災が起きれば列車を駅まで走らせた上で消火する、というシナリオだ。
ただ、トンネルの最深部から海底駅までは約11kmある。
2011年5月に石勝線トンネルで脱線炎上したディーゼル特急列車は、発生から瞬く間に炎が広がった。
青函トンネルを走行する特急列車や新幹線はすべてモーターを動力とする電車で、危険な燃料は積載されていないが、火災の状況によっては、列車を駅まで向かわせるのが難しい事態も想定される。
煙対策として、旧駅には強制的に排気する設備があるが、その他は通常の換気に限られる。
(後は有料記事)
出典URL
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0119887.html
2015年2月28日10時29分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後9時35分頃、名古屋市西区庄内通の市営地下鉄鶴舞線庄内通駅で、停車中の柏森発豊田市行き電車(6両編成)が、乗降用の扉を開けたまま約50cm後退した。
乗客約70人にけがはなかった。
市交通局の発表によると、男性運転士(41)がブレーキハンドルに誤って腹部を当て、ブレーキが緩んだのが原因。
後続電車への影響はなかった。
市交通局は、「指導を徹底し、再発防止に努める」としている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150228-OYT1T50022.html
(ブログ者コメント)
通行時に人体や荷物などが接触する恐れのある場所には、できるだけスイッチなどは設置しないことが望ましい。
極端な例としては、昨年、下記の事例があった。
2014年11月16日掲載
2014年11月9日 愛知県名古屋市の立体駐車場で乗用車が柱に設置されている消火設備に衝突し始動レバーに触れたため、消火設備が作動して付近の道路が泡まみれ
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4428/
2015年2月21日20時1分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後0時半頃、滋賀県高島市安曇川町のJR湖西線安曇川駅で、網干発敦賀行き新快速電車(12両)の前から5両目に乗っていた乗客4人が降り、「喉が痛い」「息苦しい」などと訴えた。
駅員が119番し、30~70歳代の男女3人が市内の病院に搬送されたが、間もなく回復した。
JR西日本や警察が近江今津駅で調べたところ、車内に不審物などはなく、その後も運行は続けられた。
警察の発表などによると、車内にゴムの焦げたような臭いが残っていた。
ブレーキをかける際、車輪と制動装置の摩擦で同様の臭いが発生することがあるという。
5両目には当時、約60~70人が乗車し、3人は連結部に近い4人掛けのボックス席に座っていた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150221-OYT1T50102.html?from=ycont_top_txt
2013年10月5日に掲載した元記事(第2報)がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3287/
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3314/
(2015年2月4日 修正2 ;追記)
2015年1月29日11時5分に産経新聞から、運輸安全委員会から最終報告書が出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月29日19時16分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は29日、最終調査報告書を公表した。
本来、迅速に補修すべきレール幅の広がりを放置したことが事故原因につながったと、ほぼ断定。
その上で、保線担当者らの基本認識の欠如に加え、本社を含む上部組織の管理体制の不備も指摘した。
同駅での脱線事故をめぐっては、大沼保線管理室の担当者によるレール検査データの改竄が発覚。
国交省と運輸安全委が鉄道事業法違反などの罪で刑事告発し、北海道警が捜査している。
改竄データが提出され調査に遅れが生じた運輸安全委の後藤昇弘委員長は、「データの改竄は言語道断であり誠に遺憾」と厳しく批判し、データの厳正管理を求めた。
脱線事故は25年9月19日に発生。
報告書によると、事故現場付近は左カーブで、事故の約3カ月前の時点では内側のレールが外側より10mm高く、レール幅の広がりも補修基準値(19mm)を大幅に超える40mmに達していた。
さらに、レールが外側に最大70mmゆがみ、列車走行時に車輪がレールを外側に押し出す横圧も通常より強くなりやすい状態だった。
事故は、貨物列車が現場を走行した際、大きな横圧でレールが外側に傾き、6両目後ろ側の台車の左車輪がレール内側に落ち、脱線したとみられる。
レール幅の広がりが補修基準値を超えた場合、15日以内に補修する必要があるが、少なくとも過去3年間の記録がなかった。
運輸安全委のヒアリングに対し、大沼保線管理室の担当者は、本社を介し、「本線を優先したため、(事故現場の)副本線の整備計画をたてる余裕がなかった」と回答したが、運輸安全委は、「担当者として基本認識が欠如していた」と指摘した。
脱線現場は、1日数本の貨物列車しか通らない「副本線」。
管理室の担当者は、検査結果を受け取った別の副本線でも、整備計画を立てていなかった。
報告書は、「管理室全体で検査結果に基づきレールの整備をするという基本的な認識が欠如していた」とも指弾。
検査に責任を持つ上部組織の函館保線所長も、管理室の検査結果や整備状況を確認せず、各地の保線所を管轄する本社保線課には整備状況を確認する手段もなかったとした。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150129/afr1501290008-n1.html
http://www.asahi.com/articles/ASH1X7HTPH1XUTIL056.html
(2015年12月23日 修正3 ;追記)
2015年12月22日23時45分に毎日新聞から、幹部ら19人と会社が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日、幹部ら19人と法人としての同社が、鉄道事業法違反などの容疑で書類送検された。
役員は含まれなかったとみられるものの、北海道警幹部は、「単に(社員)個人がやった話ではなく、会社としても責任がある」と、組織ぐるみの可能性を示唆した。
捜査関係者などによると、検査記録は、各保線管理室の助役がチェックした上で、パソコンによるオンラインシステムで本社工務部の保線課に送信される。
2013年9月の貨物列車脱線事故後、レールのズレが最大70mmあったとする報告書を受け取った本社工務部幹部は、「これは何だ。おかしい」などと指摘。
その後、大沼保線管理室は改ざんしたデータを再提出した。
同室は、本社の意向をおもんぱかって改ざんした可能性もある。
また、記録の改ざんは、社内調査で20年以上前から行われていることが明らかになっており、社内には、「(安全統括管理者の)鉄道事業本部長や工務部長が改ざんを知らないはずはない」という声も漏れる。
14年2月の国交省などの刑事告発を受け、道警は、社長や役員を含む社員ら数百人から事情聴取。
捜査が長期化した理由について、道警は、「捜査対象者と関係資料の数が膨大で時間を要した」と説明している。
JR北の安全対策を監視する第三者委員会の委員を務める向殿政男・明治大名誉教授(安全学)の話;
検査データの改ざんを行った本人が悪いのは当然だが、何人かの社員らを罰しても、あまり再発防止の効果はない。
それよりも、JR北の企業風土など、改ざんしなければならなかった根本的な原因を明らかにし、対処していくことが重要だ。
JR北は、書類送検を機に経営改革を加速させ、風通しのいい企業に再生する必要がある。
鉄道ジャーナリスト、梅原淳さんの話;
一連の改ざん事件は、JR北海道の赤字体質に伴う人員不足が一因にあり、人員不足を解消しなければ、同じようなことが起きる可能性がある。
来年3月26日の北海道新幹線開業を控え、JR北の負担はさらに増えることが予想され、新幹線でのトラブルや事故の発生も懸念される。
改ざん事件の責任をJR北だけに押しつけるのではなく、国も何らかの対策を講じる責任があるのではないか。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20151223/k00/00m/040/115000c
以下は、関連報道。
(2015年12月22日18時32分 朝日新聞)
JR北と社員ら書類送検 レールの検査データ改ざん問題
http://www.asahi.com/articles/ASHDQ4VPFHDQIIPE014.html
(2015年12月22日19時3分 NHK北海道NEWS WEB)
JR改ざん社員19人書類送検
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20151222/4506811.html
2015年1月14日付で毎日新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月14日6時30分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌−函館を結ぶJR北海道の特急北斗が約1カ月間にわたり自動列車停止装置(ATS)が作動しても非常ブレーキが利かない状態で走行していた問題で、同社は13日、整備担当社員がブレーキの開閉を切り替えるコックを取り違えたのが原因と推定されるとの調査結果を明らかにした。
コックの点検にあたった別の社員も見逃していたという。
JR北海道によると、非常ブレーキは空気弁で作動する仕組みで、通常はコックを開いて針金で固定して運行する。
昨年11月28日、函館運輸所での運行前の検査で、整備担当の社員が誤って約13cm手前にある別のコックを開けた状態で固定し、本来開けるべきコックを閉じたまま整備を終了した。
別のコックが開いた状態となっていたため、コックを取り違えたとみられる。
点検担当の社員も、問題なく整備したと記録していた。
非常ブレーキを巡っては、一昨年10月にも札幌−網走を結ぶ特急オホーツクでコックが閉じていた同様の問題が見つかり、対策として針金による固定などを実施していた。
再発防止策としては、コックの開閉を行った場合はATSを作動させて非常ブレーキの動作確認を行い、また、2つのコックを判別しやすいように表示を改める。
札幌市の本社で記者会見した西野副社長は、「重く受け止めて再発防止に取り組む」と謝罪した。
整備担当と点検担当の社員の処分はしないという。
問題は昨年12月28日、札幌運転所で、この特急のコックがある運転席床下の機器室の封印シールがはがれていたため発覚した。
封印シールは運転手の靴でこすれたり、雪でふやけたりしてはがれた可能性があるという。
特急は43回運転し、約1万3800kmを走行、乗客約1万人が乗車した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150114ddr041040003000c.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/585724.html
(ブログ者コメント)
JR北海道からのプレスリリースは、下記。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150113-2.pdf
写真を見ると、床下に2つのコック弁が並んで設置されており、両バルブともに銘板が取り付けられていたが、取り付け場所がバルブの側面だったため、上からは見にくい?見えない?状態だった模様。
恒久対策としては、銘板の位置変更ならびに、作業終了後のチェックを確実に行うため、現場現物を見ないとチェック表に記載できない仕組みに改める由。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。