2015年1月14日付で毎日新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月14日6時30分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌−函館を結ぶJR北海道の特急北斗が約1カ月間にわたり自動列車停止装置(ATS)が作動しても非常ブレーキが利かない状態で走行していた問題で、同社は13日、整備担当社員がブレーキの開閉を切り替えるコックを取り違えたのが原因と推定されるとの調査結果を明らかにした。
コックの点検にあたった別の社員も見逃していたという。
JR北海道によると、非常ブレーキは空気弁で作動する仕組みで、通常はコックを開いて針金で固定して運行する。
昨年11月28日、函館運輸所での運行前の検査で、整備担当の社員が誤って約13cm手前にある別のコックを開けた状態で固定し、本来開けるべきコックを閉じたまま整備を終了した。
別のコックが開いた状態となっていたため、コックを取り違えたとみられる。
点検担当の社員も、問題なく整備したと記録していた。
非常ブレーキを巡っては、一昨年10月にも札幌−網走を結ぶ特急オホーツクでコックが閉じていた同様の問題が見つかり、対策として針金による固定などを実施していた。
再発防止策としては、コックの開閉を行った場合はATSを作動させて非常ブレーキの動作確認を行い、また、2つのコックを判別しやすいように表示を改める。
札幌市の本社で記者会見した西野副社長は、「重く受け止めて再発防止に取り組む」と謝罪した。
整備担当と点検担当の社員の処分はしないという。
問題は昨年12月28日、札幌運転所で、この特急のコックがある運転席床下の機器室の封印シールがはがれていたため発覚した。
封印シールは運転手の靴でこすれたり、雪でふやけたりしてはがれた可能性があるという。
特急は43回運転し、約1万3800kmを走行、乗客約1万人が乗車した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150114ddr041040003000c.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/585724.html
(ブログ者コメント)
JR北海道からのプレスリリースは、下記。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150113-2.pdf
写真を見ると、床下に2つのコック弁が並んで設置されており、両バルブともに銘板が取り付けられていたが、取り付け場所がバルブの側面だったため、上からは見にくい?見えない?状態だった模様。
恒久対策としては、銘板の位置変更ならびに、作業終了後のチェックを確実に行うため、現場現物を見ないとチェック表に記載できない仕組みに改める由。
2014年12月3日11時0分に産経新聞から、『「流線形」がアダ、新幹線よじ登り25000ボルト感電自殺の"衝撃想定外"』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東海道新幹線新横浜駅構内で11月15日、新幹線の車両の屋根によじ登った男性(25)が高圧電線に触って感電し、大やけどを負った事故をめぐり、鉄道業界に衝撃が走っている。
男性はその後、搬送先の病院で死亡したが、JR東海の広報担当者は「まさか電圧2万5千ボルトの電線に触って自殺を図るとは…」と驚きを隠さない。
同社を含め鉄道業界では、「車両の屋根の上」は運行トラブル対策上の盲点となっているのが現状で、鉄道各社は新たな対策が求められそうだ。
「始発前にとどろく衝撃音、車両最後尾の屋根の上には焼けた男性 『ドカーン』」
11月15日午前5時40分ごろ。早朝の静寂に包まれた始発前の新横浜駅構内に衝撃音がとどろいた。
東海道新幹線の車掌らが、音がした方向に急いで向かうと、発車準備中の新横浜発広島行き「ひかり493号」(16両編成)最後尾の車両の屋根の上で、髪や着衣が燃えた男性が倒れていた。
車掌らが消火器で消し止めた際、男性は3.5m下の線路に転落した。
警察によると、倒れていたのは無職男性。防犯カメラの映像などから、男性は入場券で改札を通り、運転席のボンネットから屋根によじ登る姿が確認されている。
駆けつけた警察官に「死にたい」と漏らしており、車両の屋根の上にある高圧電線に触れて自殺を図ろうとしたとみられている。
詳しい状況については、警察が男性の回復を待って聴取する予定だったが、男性は11月24日に搬送先の病院で死亡した。
一方、JR東海では、新幹線車両の屋根の上で男性が架線に触れて感電したことに困惑の声が広がる。
同社によると、屋根の上での作業は感電死のリスクが非常に高いため、必ず送電を止めたのを確認してから行うという。
広報担当者は、「まさかあんな危ない高圧電線に近づく人がいるとは…」と今でも驚きを隠さない。
「過去には6万6千ボルトで存命も」
電流が体内を瞬時に流れて死傷する感電事故は、低い電圧でも危険だ。
日本電気協会(東京都千代田区)によると、人体が著しくぬれている状態や金属製の電気設備などに人体が常時触れている状態では、25ボルトでも感電死する可能性はあるという。
とすれば、東海道新幹線の屋根の上で男性が触れた2万5千ボルトの電線は完全に「致死の領域」といえるが、奇跡的に助かるケースもあるという。
例えば、高圧の場合、電線に触った瞬間や接近しただけで体が吹き飛ばされ、感電死を逃れることがあるからだ。
「トラックの荷台で作業員が気づかないうちに6万6千ボルトの送電線に接近して吹き飛ばされ、背中に大やけどを負いながらも一命を取り留めたことがあった」。
感電防止を長年研究する独立行政法人「労働安全衛生総合研究所」(東京都清瀬市)電気安全研究グループの冨田一部長は、偶然助かったケースを説明した。
ただ、高圧電線をめぐる事故ではほとんどは感電死しており、「絶対に高圧電線に近づかないでほしい」と注意を呼びかける。
家庭用などの600ボルト以下の低圧でも注意は必要だ。
厚労省の統計資料によると、平成22年までの5年間で感電死した81人のうち、低圧の電気を取り扱う作業員らの死亡者数は69%、56人に上る。
低圧での感電死が多い点について、日本電気技術者協会(文京区)の担当者は、「取扱者が高圧に比べて低圧を扱うことが多いのも理由だが、低圧に対し高圧より警戒感が少ないことも背景にあるのではないか」と話している。
「流線形がアダ? 再発防止に頭抱えるJR東海」
新横浜駅での感電事故で東海道新幹線は、品川-小田原駅間が一時停電して上下153本が最大1時間26分遅れ、約16万人に影響した。
JR東海によると、列車が遅れた場合、遅延原因をつくった責任者や関係者に対し、
○乗客への特急料金の払い戻し分
○設備や車両の修理代
○トラブル処理に携わった社員の残業代
などを損害賠償請求するのが通例だが、今回の遅延時間については特急料金の払い戻し義務が生じる2時間より短いため、払い戻し分は損害賠償請求には含まれない。
ただ、JR東海によると、こうした運行トラブルは昭和62年の民営化以降初めてといい、社内でも想定外のトラブルへの再発防止策が見当たらない状況だ。
駅員らがホームを定期的に見回っているが、先頭や最後尾は監視の目が届きにくいのも事実で、しかも、車両編成の両端の形状はなだらかな流線形となっており、「ボンネットを伝って屋根まで簡単に登れる」(鉄道関係者)という声もある。
今年10月に開業から半世紀を迎えた東海道新幹線。
「安全・安定輸送」を至上命題とするJR東海は、今回の運行トラブルを契機に、いま一度リスクを洗い直す必要がありそうだ。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/141203/afr1412030001-n1.html
(ブログ者コメント)
半世紀に一度、新幹線の車両に登って自殺を試みる人間がいたとしても、それはリスク管理の対象外にしてよさそうな気がするのだが・・・。
2014年11月4日付で読売新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月5日7時0分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道稚内市のJR宗谷線で3日朝、稚内発札幌行きの特急「スーパー宗谷2号」(4両編成、乗客36人)が、社内規定で運行中止の基準となる風速30mの強風が吹いていたにもかかわらず、通常運行をしていたことが分かった。
JR北海道は、事故につながる恐れがある「インシデント」に当たる可能性があるとして、国交省北海道運輸局に報告した。
同社によると、3日午前7時15分頃、特急が抜海―勇知間を走行していたところ、抜海駅の風速計が風速30mを観測した。
同区間を管轄する名寄市内の指令センターのパソコンのモニター上には警報を示す表示が出たが、警報音が鳴らなかったため、指令員が気づかず、特急に運行中止の指示を出さなかった。
観測結果は札幌や旭川の指令室にも届いていたため、約10分後、札幌から旭川経由で名寄に問い合わせたことで警報に気づいたが、特急は規制区間をほぼ通過していたため、そのまま通常運行させた。
幌延発稚内行き普通列車(1両編成、乗客1人)は規制区間を走行中だったため、停車させた。
警報装置のスピーカーに不具合があったという。
事故やけが人はなかったが、国交省は、脱線事故につながる恐れがあり、「インシデント」に該当するとして、JR北に対策などを報告するよう求めた。
3日の道内の天候は大荒れで、稚内地方気象台は当時、稚内市に強風注意報を出していた。
山形県庄内町のJR羽越線では2005年、特急電車が突風を受けて脱線し、5人が死亡する事故が起きた。
北海道新得町でも1994年、暴風で特急列車が脱線し、けが人が出た。当時は風速30m以上で運行見合わせと定めていたが、現場付近の風速計が故障していた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20141104-OYTNT50029.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/572529.html
(2014年11月14日 修正1 ;追記)
2014年11月12日16時25分に産経新聞から、警告表示が見えにくい場所にあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道が強風下で特急列車の運行を続けた問題で、同社の島田社長は12日、札幌市の本社で記者会見し、「さらに風が強まれば重大事故になりかねなかった。お客さまにあらためて深くおわびする」と陳謝した。
JR北海道によると、この問題は3日に発生。稚内発札幌行き特急列車スーパー宗谷2号(4両編成)が稚内市の宗谷線抜海-勇知間を走行中、近くの風速計が風速30m以上の強風を観測した。
しかし、運行管理に当たっていた宗谷北線運輸営業所指令室(名寄市)では指令員が防災システムの警告表示を見逃し、機器の不調で警報音も鳴らなかったという。
島田氏は、警告表示が室内で指令員から見えにくい場所にあったことを明らかにし、「警告表示を指令員の近くに移したり、警告と同時にランプを点滅させたりする対策を検討したい」と述べた。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/141112/afr1411120018-n1.html
2014年10月28日13時17分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午前5時半ごろ、大阪府摂津市東一津屋の大阪モノレール摂津−南摂津間で、門真市駅に向かっていた回送列車(4両編成)が、レール沿いの足場の上に置かれていた工事用の脚立(高さ約2m)に接触し、停止した。
脚立は列車の先頭部分にめり込み、脚立を外して列車を動かした直後の午前6時半ごろ、接触部分付近から出火した。
約40分後に消えたが、始発から約2時間半、全線で運転を見合わせた。けが人はいない。
大阪高速鉄道によると、この日は午前1〜5時、委託業者がレールの塗装作業をしていた。
作業後に脚立を足場に置き忘れたとみられる。
脚立の一部が車両に残っており、摩擦などで出火した可能性が高いという。
モノレールは午前8時から南茨木−門真市間を除いて運転を再開。
正午現在、約4万4000人に影響した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20141028k0000e040169000c.html
10月28日10時18分に産経新聞westからは、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午前6時半ごろ、大阪府摂津市東一津屋(ひがしひとつや)の大阪モノレール南摂津駅の北側約150mで、事故のため停車中の回送車両(4両編成)下部から出火。約45分後に消し止められた。
運営する大阪高速鉄道などによると、1両目と2両目のゴム製タイヤが燃えるなどした。
男性運転士(30)ははしご車で救助され、けがはなかった。
車両は門真市駅に向かっていた28日午前5時半ごろ、軌道上にあった脚立と接触して停車。
脚立を撤去した後、送電を再開したところ出火したという。
現場付近では、始発前の午前4時ごろまで橋桁の塗装作業が行われており、脚立は業者が置き忘れたとみられる。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/141028/wst1410280022-n1.html
10月28日12時53分に共同通信からも、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
復旧作業中に車両から出火した。間もなく消し止められ、けが人はいなかった。
大阪高速鉄道などによると、午前1~5時に実施したレールのさび止めの塗装工事で、脚立を置き忘れた可能性がある。
接触で停電が発生し、復旧作業をして通電したところ、車両の下部から煙が出た。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201410/CN2014102801001346.html
2014年9月11日2時0分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月10日23時9分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道の島田社長は10日の定例記者会見で、スピードアップを目指し2006年から進めてきた新型特急車両の開発を中止すると発表した。
鉄路の安全向上と1年半後に迫る北海道新幹線の開業に集中投資する経営方針に照らし、在来線に今以上に高性能な車両は必要ないと判断した。
新型車両は、
①振り子装置と空気バネによる車体傾斜システムを組み合わせ、曲線区間でも速度を落とさず走行できる
②ディーゼルエンジンとモーターの組み合わせによる燃費向上
が大きな特徴で、これまで25億円を投じて開発してきた。
しかし、特急出火など重大事故が相次いだことから、同社はすでに、優先課題を車両の高速化から安全対策へ転換しており、量産化への費用や保守の負担などから開発中止を決めた。
JR北は183、261、281、283系の4種類の特急気動車を所有している。
今後、車両を更新する際には「スーパーとかち」「スーパー宗谷」に使われている261系を採用し、10年ほどかけて261系に一本化する。
車種を減らすことでメンテナンスにかかる労力やコストを減らすことができるほか、車検や故障などの場合に必要な予備車両として保有する台数を30両減らせる見通しだという。
観光客の多い路線とビジネス客主体の路線では、車両に求める性能や仕様は異なる。
島田社長は、「客のニーズにこたえたいという努力があったのも事実。だが、結果としてはもう少しシンプル化しておくべきだった」と話した。
約25億円を投じた試作車3両は完成し、今月下旬に納品の予定だった。
島田社長は、レール異常を調べるマヤ車(高速軌道検測車)に試作車を転用することを検討するとした。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/562076.html
http://www.asahi.com/articles/ASG9B6KGVG9BIIPE02N.html
2014年8月25日20時23分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州は25日、九州新幹線が7月14日に緊急停止したトラブルについて、コンプレッサー関係の弁に約0.2mmの鉄粉が挟まり、空気圧が低下したことが原因と発表した。
鉄粉はコンプレッサーの除湿装置の弁に付着し、弁が開いた状態となり、空気が漏れて自動非常ブレーキが作動した。
メンテナンス作業で、弁を覆うカバーを取り付ける際に、カバーに付着した鉄粉が弁に入ったとみられる。
同社は対策として今月22日から、微細な異物を確実に取り除けるように、メンテナンス時にカバーを洗浄液で洗う方法を取っている。
トラブルは14日夜、新水俣(熊本県水俣市)~出水(鹿児島県出水市)間で、博多発鹿児島中央行き「つばめ」のブレーキが作動し、出水駅の約1km手前で立ち往生した。
乗客にけがはなかったが、車内で約1時間待機させられるなどの影響が出た。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140826k0000m040084000c.html
(ブログ者コメント)
設備に不具合が生じた場合、安全サイドに設備が作動する。
これが、フェイルセーフの考え方だ。
2014年8月13日7時30分に毎日新聞から、「コンクリ劣化:鉄道で落下相次ぐ 人に当たったケースも」というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トンネルや橋、駅などの鉄道施設で、劣化したコンクリート片などが落下する事案が相次いでいる。
東日本にある11の主な鉄道事業者によると、昨年度以降で計32件あり、このうち15件は駅構内など職員以外の一般客らが出入りする場所で、重さ約8.5kgのコンクリート片が落ちたこともある。
幸い、人的被害はないが、専門家は「頭を直撃すれば命を奪われる可能性もある」と指摘する。
防止にはハンマーでたたき、音で異常を確かめる「打音検査」が有効だが、ほとんど実施していないのが実情だ。
毎日新聞がJR東日本、東日本の大手私鉄9社、都営地下鉄の11事業者に取材し、結果をまとめた。
落ちたのはコンクリート片、モルタル片などで2013年度に27件、今年度も5件あった。
原因は、雨水や鉄筋の腐食、経年などによる劣化が17件で、寒冷地でコンクリートの内部で水が凍って膨張する「凍結融解」の10件が続く。
今年度の5件のうち4件は一般客らの出入りする場所で発生した。
東京都江戸川区臨海町6では6月21日、JR京葉線の高架橋からコンクリート片が約10.5m下の駐輪場に落ちているのが見つかった。1984年に建設された高架橋の経年劣化が原因とみられる。
コンクリート片は複数あり、最も大きなものは縦横各約20cm、厚さ約9cmで、重さ約4.2kg。自転車の車輪に衝突した形跡があったが、けが人はなかった。
日本大大学院の櫛英彦教授(救急医学)は、「10mの高さから4kgのコンクリート片が落ち、頭にぶつかったら、即死する可能性が高い。体の他の部位に当たっても死に直結する危険性がある」と指摘する。
6月8日には、東京都足立区の東武スカイツリーライン北千住駅で、重さ約5.8kgの天井板が落下した。
乗降客が行き交う駅の地下通路で、天井板を留めるネジの緩みが原因とされる。
5月1日にも、東京都東大和市の西武拝島線東大和市駅で、高架橋から重さ約8.5kgのコンクリート片が剥がれ落ち、コンコースの天井を直撃。天井板の一部とともに約5m下の階段わきに落下しているのが見つかった。
80年建設の高架橋の施工不良が原因とみられる。
利用者に当たったこともある。
4月30日には東京都世田谷区の京王線下高井戸駅で、雨水によって劣化した重さ約3.6kgの天井板が落下した。乗降客の肩に当たったが、けがはなかった。
これら4件について、JR東は13年6月、東武は今年5月、西武は12年3月、京王は13年2月に目視点検をしたが、いずれも異常は見抜けなかった。
国交省によると、鉄道施設のうちトンネルの一部については、中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故(12年12月)を受け、13年3月までに打音などによる緊急点検を実施した。
しかし、トンネル以外の場所の打音検査は、目視で異常が見つかった場合に限られている。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140813k0000m040165000c.html
(ブログ者コメント)
コンクリート片などの落下は、鉄道に限らず、道路橋などでもしばしば起きており、本ブログでも、目についたものは紹介してきた。
高度成長期に数多く作られた橋やトンネルなどが一斉に寿命を迎え始めると言われている現状、今後とも起き続けることだろう。
そういった事故・トラブルに関し、今回の報道では、原因面を含め、よくまとめられており、これで事例紹介としては一区切りした感がある。
よって、今後は特段のものでない限り、この種の事故・トラブルの事例掲載は、省略することにする。
2014年7月14日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
(新情報入手に伴い、タイトルも修正しました)
2014年7月29日22時8分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
JR北海道HPにも同趣旨のお知らせが掲載されていた。
7月29日19時38分にNHK北海道NEWS WEB新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は29日、ブレーキの作動で生じた火花が車両床下の隙間に吸い込まれ、4本のセンサー用配線を束ねたゴムチューブなどを焦がしたことが原因とみられる、配線は4本のうち2本の被覆に焦げ痕があるだけで電線の電気的異常は認められずショートではないと判断した、と発表した。
JRによると、この車両の床下から車内へ通る配管3カ所の周りに5〜12mm程度の隙間があり、ここから車輪とブレーキ部品の摩擦で生じた火花やタンポポの綿毛、草の切れ端、ほこりなどが入り込み、燃え移ったとみられる。
ほこりなどは、約800gたまっていた。
発煙箇所周辺に堆積していた鉄粉の成分分析を行ったところ、制輪子(鋳鉄製)と類似した成分が検出された。
この車両は1993年製造。隙間は、車両の製造段階でパテで埋めて処理することになっているが、所有する同型車両のうち、この車両を含む同一メーカー製の12両で隙間が空いたままになっていたという。
床下のごみを取り除き、隙間をパテで埋める対策を取った。
難波・車両部長によると、床下は定期点検の項目に含まれておらず、隙間に気付かなかった。今後は車両の完成前に社員がメーカーに出向いて行う検査で、隙間の有無を点検項目に入れるという。
記者会見した西野副社長は、「最終的な責任はJR北海道にある。利用客に心配と迷惑をかけたことをおわびする」と陳謝した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140730k0000m040105000c.html
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140729-3.pdf
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/553915.html
(ブログ者コメント)
車両の製造段階で隙間をパテ埋め処理するという件、それは、今回のようなトラブルを防止するためのことだろうか?
2014年7月18日18時38分にYAHOOニュース(時事通信)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日午後1時40分ごろ、東海道新幹線新横浜―小田原間で、列車自動制御装置(ATC)の信号がつかなくなったことに新幹線の指令職員が気付き、近くを走っていた東京発新大阪行きのぞみ355号を停車させた。
JR東海が原因を調べたところ、神奈川県綾瀬市の線路際で除草作業中だった関係会社の作業員が、線路脇の地表に設置されたATC用の信号ケーブルを誤って切断したことが分かった。
ケーブルを交換する約2時間半の間、現場を通過する列車は上下線とも徐行したため、34本の列車に最大で78分の遅れが発生。乗客約3万2000人が影響を受けた。
出典URL
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140718-00000142-jij-soci
2014年7月14日16時53分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年、JR北海道の特急列車で走行中にドアが開いたトラブルについて、国の運輸安全委員会が原因を調べたところ、ドアを閉めるために使う空気が誤って別の配管に流れ込み、必要な空気圧がかかっていなかったとみられることが、関係者への取材で分かった。
運輸安全委員会は、配管の取り扱いにミスがあったと見て、近く調査結果を公表することにしている。
去年1月、JR北海道の根室線を時速およそ90kmで走行していた特急列車でドア1か所がおよそ30cm開くトラブルがあり、国の運輸安全委員会が原因を調べている。
問題のドアは空気圧をかけて閉める仕組みで、ふだんは、空気を送る2本の配管のうち、空気中の水分を取り除いて凍結を防止する除湿装置が取り付けられている1本の配管を使っている。
しかし、これまでの調べで、当時、除湿装置がないもう1本の配管のコックが開いていたことが関係者への取材で分かった。
また、配管の途中に水がたまっていることが確認されたということで、除湿装置がない配管に空気が誤って流れ込み、さらに空気中の水分が凍って目詰まりしたため、ドアを閉めるのに必要な空気圧がかかっていなかったとみられるという。
運輸安全委員会は、配管の取り扱いにミスがあったと見て、近く調査結果を公表することにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140714/k10013000101000.html
(ブログ者コメント)
計装用などの空気配管立ち下がり部に水が溜まり、あるいは今回のように溜まった水が凍ることで空気流れが阻害されトラブルに至る事例は、過去、たまに発生している。
そういったトラブルを防止するため、定期的に水抜きする、あるいは自動的に水を抜き出す装置を設置している事業所もある。
今回の事例と直接の関係はないが、ご参考まで。
(2014年7月27日 修正1 ;追記)
2014年7月25日14時19分にmsn産経ニュースから、調査報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は25日、床下の配管にたまった水が凍って目詰まりし、開閉に必要な圧縮空気を送れなくなり、ドアの閉鎖を保てなくなったのが原因とする調査報告書を公表した。
報告書によると、特急スーパーおおぞらが時速約90kmで走行中、5両目の前寄り右ドアが開いた。
戸締まりを示すランプが消え、運転士が緊急停車させた。けが人はいなかった。
ドアは空気圧で開閉する仕組みで、圧縮空気が供給されなかったことで閉める力が低下し車両の揺れなどで約30cm開いたという。
配管に水がたまったのは、除湿装置を通らない予備の配管の栓が閉まっておらず、湿った空気が入り込み水分が凝縮したとみられる。
予備配管の栓は閉じて針金で縛り固定するが、車両保守部署への指示や引き継ぎが不十分で周知されていなかった。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140725/dst14072514190003-n1.htm
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は下記参照。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1833
予備配管の栓が開いていた件については、以下の表現になっている。
本来、「閉」位置で緊縛固定されているはずの除湿バイパスコックが開いていたことについては、北海道旅客鉄道株式会社の車両保守関連部署への指示伝達及び車両転属配置時の引継ぎが不十分かつ不適切であったため、除湿バイパスコックを「閉」位置で緊縛固定することが、車両の定期検査の実施工場及び車両転属配置先などに周知されていなかった状況において、何らかの理由により誤って除湿バイパスコックが開いたままとなった可能性があると考えられる。
2014年7月11日23時50分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東急東横線の元住吉駅(川崎市)で2月、乗客19人が負傷した列車の追突事故で、東急電鉄は11日、レールに塗られた潤滑油が一因で、非常ブレーキが利かなかった可能性があると発表した。
事故当時は記録的な大雪で、油がレール脇に積もった雪に混ざり、車輪に押し当てられるブレーキパッドに付着したという。
同社は、車輪との摩擦が強くなる急カーブなどで、車輪がレールに乗り上げて脱線するのを防ぐため、一部の列車につけた自動装置で、レール上部の内側の角に潤滑油を塗っている。
しかし事故当時は大雪のため、レールの油が雪に混じり、その雪が車輪に巻き込まれていったとみられる。
さらにブレーキパッドに付着していたゴミも、ブレーキの能力を低下させた一因と判断した。
追突した列車のブレーキパッド付近に、油分を含んだゴミなどが確認されたという。
同社はすでに、大雪時の制限速度を40~60km以下に下げた。
今後、降雪期には、最低でも10日に1度行う定期検査で、ブレーキパッドに付いたゴミを取り除く。
事故原因は国土交通省の運輸安全委員会が調査しており、同社はその結果を踏まえ、追加の対策をとる。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG7C63HKG7CUTIL03K.html
(ブログ者コメント)
雪国の鉄道では、こういったトラブルは過去に起きていなかったのだろうか?
起きていたとしたら、その情報は他社に伝わっていなかったのだろうか?
(2017年2月7日 修正1 ;追記)
2017年2月6日18時39分に朝日新聞から、管理上の責任を問われ運行責任者と運転士が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月6日17時37分にNHK横浜から、2月6日20時8分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
川崎市の東急東横線元住吉駅で、2014年2月15日の大雪の際、停車中の列車に後続列車が追突して乗客65人が重軽傷を負った事故で、神奈川警は、6日、現場の運行責任者だった当時の電車区長(60)と後続列車の運転士(36)を、業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで書類送検した。
捜査1課によると、元住吉電車区の電車区長だった男性は、大雪の影響で過去に多数のオーバーランが起きたことを知っていたのに、徐行など運行を規制する対策を取らなかった疑いがある。
運転士の男性は、雪でブレーキの利きが弱まっていることに気づきながら、速度を落とさず運転した疑いがある。
事故現場は、当時、約20cmの積雪があり、2人は「通常の速度では止まれないかもしれないという認識はあった」と話しているという。
このうち運転士は、「この日、別の駅でオーバーランしたが、元住吉駅では停止できると考えていたが、追突してしまった」と説明しているという
国の運輸安全委員会は、15年5月、再現実験などから、ブレーキの力を車輪に伝えるブレーキパッドに付いた油やちりが雪と混ざり、ブレーキの利きが弱まったと結論づけた。
今回、運転士らが書類送検されたことについて、東急電鉄は「安全を使命とする公共交通機関として重く受け止めている。全社一丸となり、お客様の安全が最優先の行動を取れるよう対応力を高めていく」というコメントを出した。
出典
『東横線追突、運転士ら書類送検 速度落とさなかった疑い』
http://www.asahi.com/articles/ASK264TW0K26ULOB00S.html
『雪の東横線事故 2人書類送検』」
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1053651681.html?t=1486415706987
『東横線元住吉駅脱線、運行指示責任者ら書類送検』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170206-OYT1T50101.html?from=ycont_top_txt
(2017年10月6日 修正2 ;追記)
2017年10月5日17時43分にNHK神奈川から、不起訴になったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、雪を考慮してただちに徐行運転などの対策をとらなかったことが事故の原因だったとして、当時37歳の電車の運転士と運行を指示した61歳の責任者を、業務上過失傷害などの疑いで書類送検していたが、2人について横浜地方検察庁川崎支部は、5日、不起訴にした。
処分の詳しい内容や理由は明らかにしていない。
出典
『大雪の東横線事故運転士ら不起訴』
http://www.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20171005/1050000256.html
2014年7月7日23時52分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月8日7時55分に読売新聞からも、同趣旨の記事が図解と写真付きでネット配信されていた。
6日午後9時半ごろ、北海道長万部町のJR室蘭線静狩~長万部間を走行中の札幌発函館行き特急スーパー北斗18号(7両編成)で、1号車の後方デッキ床下から白煙が上がり、緊急停止した。乗客約230人にけがはなかった。
JR北では2011年5月〜13年7月、特急列車で出火・発煙するトラブルが相次いで発生しており、整備時間を確保するためのダイヤ改正をするなど安全対策を取ってきたが、再発を防げなかった。
JR北によると、煙が出ているのに気づいた乗客が非常通報ボタンを押し、運転士が煙を確認した。
エンジンを停止すると発煙は止まったが、煙が客室に流れ込んだため、1〜3号車の乗客は後方車両に一時避難した。
列車の運転は、午後11時50分ごろに再開。乗客は約2km先の長万部駅で別の列車に乗り換え、約3時間半遅れの7日午前2時半ごろ函館駅に到着した。
JR北は7日、札幌市の本社で記者会見し、発煙したのは配電盤とエンジンをつなぐ配線などを収納した機器室(高さ174cm、幅70cm、奥行き30cm)で、塩化ビニール製の配線の被覆の一部が焦げていたと発表した。
配線同士が擦れるなどして被覆が摩耗して破れ、配線がショートした可能性もあるとみて、車両を函館運輸所に運んで原因を詳しく調べている。
床下には、エンジンの排気温を感知するセンサーの配線束と、空調や自動ドアなどに使われる配線束の2束があった。
配線は約20年使われていたが、耐用年数は30年程度で問題はないという。
配線は、直近の5月22日に検査した際は、異常はなかったという。
JR北は、構造が同じ9両の配線を緊急検査したが、不具合はなかった。
原因が判明するまで、90日ごとに行う配線の検査を45日ごとに短縮する。
JR北の難波・車両部長は、「漏電などが起こるとブレーカーが落ちて電源を遮断するので、最悪の場合でも火災には至らない」と説明。今回の事故でブレーカーは作動していなかったという。
西野副社長は、「お客さまに心配と迷惑を掛けたことを深くおわびする。最悪のケースを考えて対応を検討し、安全性の向上に取り組む」と謝罪した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m040103000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140708-OYT1T50021.html
7月7日付でJR北海道のHPにプレスリリースが掲載されており、その中で、検査については、以下のように記されている。
床中など目視での確認ができない配線を含め、車両全体の配線状況の確認は、交番検査(90日毎)、要部検査(約1.5年毎)、全般検査(8年毎)で、絶縁抵抗試験を行っている。
当該車両の直近の交番検査は5月22日に実施しており、異常なかった。
出典URL
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140707-1.pdf
7月9日17時50分にmsn産経ニュースから、配線ではなく配線を束ねていたゴム製のチューブが焦げていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道の島田社長が9日、札幌市の本社で定例記者会見を開き、6日に起きた特急列車の発煙について「あらためて深くおわびする」と陳謝した。
以前から相次ぐ車両からの出火や発煙を念頭に、「一連の事故を思い出させる事象だ。深刻に受け止めている」とも述べた。
また同社は、これまで「1号車デッキの床下にある配線が焦げていた」としてきた説明を撤回。「約80本の配線を束状にして収めていたゴム製のチューブが焦げた」と訂正した。
配線の被覆に残った黒い部分を当初は焦げ跡と判断していたが、その後、実際にはチューブが焦げ、被覆に付着していただけだったと判明したという。
チューブが焦げた原因は調査中という
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140709/dst14070917500014-n1.htm
7月9日19時4分にNHK北海道NEWS WEBからは、ゴム製のバンドが焦げていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
焦げたのは、配線の束を保護するために巻かれていたゴム製のバンドだったことがわかった。
7月10日2時51分に日本経済新聞からは、ゴム板が焦げていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島田社長は9日、定例記者会見で、エンジンと配電盤を結ぶ複数本の電気配線を束ねるゴム板に焦げ跡が見つかったと発表した。発煙の原因はまだ分かっていない。
8日夕の調査で、電線を束ねる横11cm、縦10cmのゴム板の表面に長さ約4cmの焦げ跡が見つかった。
既に発表していた塩化ビニール製の電線カバーの焦げについては、ゴム板の焦げカスの付着だったと修正した。
出典URL
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO74036570Q4A710C1CC1000/
(ブログ者コメント)
○読売新聞の写真を見ると、床板を取り外せば見える位置にある部分が焦げていた模様。
5月の検査では、床板を取り外して目視点検しなかったのだろうか?
それとも、目視点検はしたが、当時は臭いとか変色などの焦げる前兆は見られなかったということだろうか?
○「チューブ」か「バンド」か「板」か表現は異なるが、いずれにせよ、ゴム製の平べったいもので配線が覆われていた模様。
とすれば ケーブルから発せられた熱がこもって・・・という可能性も考えられる。
被覆ではなくゴムが焦げたのは、種類によってバラツキがあるのでなんともいえないが、ゴムのほうが発火点が低かったから、ということかもしれない・
○団子状に置かれていた電線が熱をもって発火する事故はしばしば起きており、本ブログでも何件か紹介済。うち3例を以下に示す。
2013年12月 つくば市の高エネ研で束になった送電用ケーブルが焼損
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3548/
2013年6月 赤坂見附駅で束ねてあった電気ケーブルから白煙
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2960/
2011年5月 名古屋市の住宅でパソコン配線が過密だったため出火
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/414/
2014年6月27日12時17分に神戸新聞から、下記趣旨の記事が写真と図解付きでネット配信されていた。
昨年2月に乗客ら13人が重軽傷を負った高砂市の山陽電鉄脱線事故で、運輸安全委員会は27日、踏切内で立ち往生した車載用トラックの運転手が、荷台後部に立てていた積み降ろし用スロープを下げたため、特急電車が乗り上げて脱線したとする調査報告書をまとめた。
事故は昨年2月12日午後3時50分ごろ、同市荒井町の踏切で発生。先行の乗用車が踏切前方にある交差点の信号で止まったため、トラックは渡り切れず、荷台を踏切内に残した。
時速約95kmで走行中の特急はブレーキをかけたが間に合わず、荷台とスロープに衝突。1、2両目が脱線して電柱やブロック塀を壊しながら進み、約120m先の荒井駅ホームにぶつかって止まった。
報告書によると、トラックの運転手は、スロープを遮断棒に引っかけずに前進して踏切から出るため、車外に出てスロープを事故直前に下ろした。
長さ9.6mのトラックは遮断棒の内側に1.7m以上残っていたため、スロープ(2.8m)を下げると線路2本を完全にまたいだという。
運転手が踏切の非常ボタンを押していれば、特急のブレーキが間に合った可能性があった。
踏切内の障害物検知装置はトラック荷台より上に位置し、下ろされたスロープを検知しなかったとみられる。
また、同委は、事故直後に特急の乗務員が運転指令に連絡せず、後続車両の適切な列車防護ができていなかったと指摘している。
事故を受け、県などは、同踏切や類似の踏切の道路を赤茶色に舗装して注意を呼び掛けるなどの再発防止策を講じている。
出典URL
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201406/0007092176.shtml
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は下記参照。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1836
2014年6月17日23時44分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月17日18時52分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午前10時50分ごろ、東京メトロ東西線の門前仲町~茅場町間にあるトンネル換気室から煙が発生し、トンネル内に一時煙が充満した。
このため、東西線の一部区間で運転を見合わせ、約4時間20分後の午後3時10分ごろに全線での運転を再開した。
乗客約12万4千人に影響が出たが、けが人はいなかった。
東京消防庁が出火原因を調べている。
東京メトロによると、換気室内で作業員が照明を点検中、換気用送風機のモーター音が通常より大きいことに気付き、いったん電源を切り、点検終了後に再び送風機の電源を入れたところ、煙が出たという。
ファンのモーターが若干燃えたが、駆けつけた消防隊によって消し止められた。
門前仲町と茅場町の両駅には消防車や救急車計39台が出動し、一時騒然となった。
東京メトロ広報担当は、「今回のような送風機の発煙トラブルは初めて」とし、長時間にわたる運転見合わせを陳謝した。
東京メトロでは、昨年6月にも丸ノ内線赤坂見附駅構内で送電ケーブルの一部が焼けるトラブルがあり、4時間余りにわたって一部区間で運転を見合わせた。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140617/dst14061723440003-n1.htm
http://mainichi.jp/select/news/20140617k0000e040285000c.html
6月18日付で朝日新聞東京西部版(聞蔵)からは、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トンネル上部にある換気室で、送風機(縦4m、横3m、高さ4m)から煙が出た。
送風機は、トンネル内の空気を外へ排出している。
作業員が蛍光灯の点検のために送風機の電源を切り、再起動させたところ煙が出た。
作業員が消火器で消火し、消防が出動した。
モーターの発熱がおさまるまで時間がかかったという。
送風機は、東西線開業時の1972年に設置された。
同社は、同様の送風機を緊急点検している。
2014年6月11日10時50分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後10時12分ごろ、群馬県高崎市新町のJR高崎線・新町駅で、上野発高崎行き下り特急「スワローあかぎ」(7両編成、乗客約100人)が、駅を約110m行き過ぎて停車した。
降車予定だった乗客2人は、本来通過する次の倉賀野駅で臨時停車して降ろした。2人は上り普通電車に乗り換え、12分遅れで新町駅に着いた。
新町駅からの特急乗車客はいなかった。
影響で特急は約4分遅れた。
JR東日本高崎支社によると、運転士が一瞬考えごとをしていたため、ブレーキが遅れたという。
スワローあかぎはJR東が今春のダイヤ改正で導入した特急で、「座席指定しなくても指定席に座れる」ことを売り文句にしている。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140611k0000e040181000c.html
(ブログ者コメント)
業務中の一瞬の考えごとがトラブルにつながった事例として紹介する。
2014年6月2日10時35分にmsn産経ニュースwestから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
阪神電鉄は1日、神戸市兵庫区の神戸高速線新開地駅で5月31日夜、ホームとは反対側にある特急電車の扉が、到着直前に開いたと明らかにした。乗客約70人に転落やけがはなかった。
阪神電鉄によると、扉が開いたのは31日午後11時25分ごろ。電車は山陽姫路発梅田行きの6両編成で、片側に18カ所ある扉すべてが、停止する約2m手前で3秒間ほど開いた。
気付いた男性車掌(49)が到着後、すぐに扉を閉めた。
車両の所有や乗務員は山陽電鉄で、両社が原因を調べている。
阪神電鉄は1日、近畿運輸局に報告した。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140602/waf14060210350012-n1.htm
(ブログ者コメント)
○もし、ドアにもたれかかっている人がいたら、転落してケガしていたかもしれない。
事故というもの、まこと、偶然に左右されることが多いものだ。
○今回のヒヤリについて、山陽電鉄がどのように対応するか分からないが、一般論で言えば、ヒヤリで済んだ事例と実際に事故が起きた事例とでは、対応の力の入れ方に差があることが多い。
しかし、ヒヤリで済んだ事例であっても、実際に起きた事故と同じレベルで対応することが必要なケースも、中にはあるはず。
そういった観点でヒヤリ対応するのも、また、一つの方法だ。
今回のケースがそうだというわけではないが・・・。
2014年5月30日14時43分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前3時40分頃、相模原市緑区のJR橋本駅構内で、レールを運搬する工事用車両(3両編成)が脱線し、約1時間20分にわたって立ち往生した。
乗っていた作業員5人にけがはなかった。
この影響で、横浜線、相模線の上下線が始発から4本運休したほか、7本が最大約30分遅れ、約3500人に影響した。
JR東日本横浜支社によると、工事用車両は相模線と、車両が待機する留置線の分岐点付近を時速10kmで走行中、最後尾の車両の車輪二つがレールから外れた。
相模線相武台下駅から橋本駅に戻る途中だった。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140530-OYT1T50063.html
2014年5月9日19時10分にNHK福岡NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日朝早く、粕屋町のJR篠栗線で遮断機が下りず、警報機も鳴っていない踏切に列車が侵入するトラブルがあった。
JR九州によると、9日午前5時44分ごろ、篠栗線の始発列車の運転士が、粕屋町中原の踏切の手前で、遮断機が下りていないのに気づいた。
運転士が警笛を鳴らすとともに、非常ブレーキをかけたが、2両編成の列車のうち、1両目が踏切を通過し、2両目が踏切にかかる状態で停止した。
踏切は警報機も鳴っていなかったが、幸いにも渡っている人や車はなく、このトラブルによるけが人はいなかった。
JR九州によると、この踏切では、夜間から午前5時過ぎまで保守作業を行っていて、この際、係員が踏切が作動しないようにスイッチを操作したまま、戻すのを忘れたことが原因だという。
JR九州は「再発防止に向け、徹底した原因究明と対策実施を行いたい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20140509/4336441.html
(ブログ者コメント)
○映像を見ると2車線道路の踏切で、結構交通量がありそうな感じだ。警笛で直前に気付いたのかもしれないが、通過する車がなくて幸いだった。
○先日も同じようなトラブルを紹介したが、あのケースでは遮断機は下りていなかったものの、警報は鳴っていた。
それが今回は、警報も鳴らず。
踏切では一旦停止して左右確認というルールがあるが、そのルールを守ったがゆえに近づいてくる列車に気付き難を免れた・・・・そんな車はなかっただろうか?
○それにしても、今回の夜間作業では、作業前後の安全を確認するためのチェックリストなど、使っていなかったのだろうか?
2014年5月2日4時8分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後5時すぎ、芦屋市春日町を走行していた阪神電鉄の6両編成の特急電車の運転士が、およそ250m先の踏切を車とオートバイが渡っているのに気付き、急ブレーキをかけたが、電車はそのまま走行し、2か所の踏切を通りすぎてから止まった。
このトラブルで車などへの接触はなく、特急電車の乗客およそ900人にけがはなかった。
阪神電鉄によると、2か所の踏切では警報機は鳴っていたということだが、遮断機はいずれも下りていなかったという。
阪神電鉄が踏切近くの遮断機を制御する装置を調べたところ、ヤモリの死骸が付着していて、回路がショートし正常に作動しなくなっていたという。
阪神電鉄では、「利用客や近くの住民にご心配とご迷惑をかけ深くおわびします」としている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140502/k10014177151000.html
(ブログ者コメント)
○小動物によるトラブル事例として紹介する。
○遮断機は下りていなかったが警報が鳴っていたので踏切内に入るのを止め、それで事故を免れた・・・そんな車はなかったのだろうか?
○そこから更に考えるに、こういう事態をも想定して、警報を鳴らす装置と遮断機を制御する装置を別個に設置していた・・・そんなことはなかったのだろうか?
その点が気になり、ざっと調べてみたが、書かれている資料は見つからなかった。
(2014年5月24日 修正1 ;追記)
2014年5月2日付の神戸新聞夕刊紙面に、若干詳しい下記趣旨の記事が掲載されていた。
制御装置は地上約1mの高さの鉄柱に付けられ、ヤモリが鉄柱を伝って装置の隙間から入り、回路をショートさせた可能性が高いという。
梅田~元町駅間には制御装置が数100あり、今後、装置の点検とともに、小動物の侵入を防ぐため隙間を埋める作業を進めるという。
2014年4月25日12時15分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
吹雪のJR奥羽線で昨年3月、秋田新幹線こまち(E3系車両)が秋田県大仙市で脱線した事故で、運輸安全委員会は25日、レールが3本ある「三線軌」の吹きだまりが発生しやすい区間で車両は床下に大量の雪を抱え込んで押し上げられ、レールに滑り上がるように乗り上げ脱線したとする調査報告書を公表した。
こまちは昨年3月2日、徐行運転中に衝撃を伴う異常音で停車。6両編成のうち先頭車両の前台車2軸がレール左側に脱線した。
けが人はなかった。車両床下の機器に雪で生じたへこみが残っていた。
現場は、在来線のレール2本の外側に車幅の広い新幹線用のレール1本を加えた三線軌で、狭いレール間に雪が残りやすい状況だった。
除雪に使う専用車両は在来線用で、雪を完全に排除できず、付近に風を遮る柵のような設備もなかった。
新幹線の事故では、平成16年10月の新潟県中越地震で上越新幹線、23年3月の東日本大震災で試験走行中の東北新幹線が脱線。
今回は在来線で起き、安全委は新幹線事故と見なしていない。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140425/dst14042512150003-n1.htm
4月25日21時20分にNHK秋田からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
秋田新幹線「こまち25号」が雪の中を走行中、先頭車両が脱線した事故で、運輸安全委員会は、25日、事故報告書を公表した。
それによると、脱線した車両は床下に大量の雪を抱き込んでおり、この雪で車体が押し上げられて車輪が浮き上がり、脱線した可能性が高いとしている。
また、雪は、床下の左側に、より多く入り込んでいた。
現場は在来線との共用区間で、在来線用の幅が狭い2本のレールのさらに左側に、幅が広い新幹線用のレール1本が設置されていたことから、運輸安全委員会は、横幅の狭い在来線が押しのけた雪が、外側にある横幅の広い新幹線用のレール付近に残り、この雪を抱き込んだため脱線した可能性が高いとしている。
このほか、4日前に走行した除雪車が、狭いレールに対応した在来線用だったため、外側の新幹線用のレールの除雪が十分行われなかったことも影響した可能性があるとしている。
このため運輸安全委員会は、新幹線と在来線の共用区間については、除雪の方法を見直すよう求めている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/akita/6013949811.html?t=1398457523864
4月25日19時50分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書によると、当時は大雪でレール脇に約1mの雪が積もっており、「車体の左側下部に大量の雪を巻き込み脱線した可能性が高い」とした。
JR東日本は事故後、現場周辺に防雪柵を設置するなどの対策をした。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140426k0000m040058000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。