本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。 それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。 本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。 一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。 (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年1月12日17時42分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR福知山線を走行中の快速電車で昨年12月15日、30代の男性運転士が居眠り運転をしていたことが乗客の指摘で発覚し、JR西が運転士を乗務停止にしていたことが12日、分かった。
乗客はJR福知山線脱線事故の遺族だった。
JR西によると、運転士は12月15日午後0時20分、大阪発篠山口行きの快速電車を運転。 西宮名塩駅で、乗客が車掌に「運転士があくびをして『かっくん』となっていた」と申告した。
調査に対し、運転士は北伊丹駅から宝塚駅あたりまでの約10分間に「眠気を感じ、3回ぐらい『かく、かく』となった」と説明したという。
居眠り運転などを防ぐため、1分以上運転操作をしなければ警報音が鳴る緊急列車停止(EB)装置と自動列車停止装置(ATS)は正常に機能していたが、作動していないという。
JR西は「ヒューマンエラーのため、公表はしなかった」としている。
JR西は同月27日まで運転士を再教育し、復帰させた。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
福知山線は、大阪~尼崎~塚口~北伊丹~宝塚~篠山口とつながっている。
あの事故が起きたのは尼崎~塚口間。
その事故現場からカックンしたゾーンまでは、最短だと塚口~北伊丹間の6km、長くても尼崎~宝塚間の18km。時間にすると8分~20分程度で、事故現場のすぐそばといってもいいゾーンだ。
居眠り防止装置が作動していないので、カックンしては起き・・・という状態だったのだろうか?
それはブログ者も会議室などで、よく経験したことだ。
しかし、いくら生理現象といっても、最低限、福知山線だけは緊張感を持って運転してほしいものだ。
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2012年1月12日21時8分にNHK三重から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日夜、三重県の近鉄山田線の明星駅で、ホームから車庫に向かっていた回送電車の運転士が、停止を指示する信号機に気づかずに電車を走らせ、遮断機が上がったままの踏切を通過した。
当時、踏切を渡っていた人はおらず、けが人はいなかった。
近鉄によると11日午後10時すぎ、明星駅の、ホームから180mほど離れた場所にある踏切で、遮断機が上がったままの状態で6両編成の回送電車が通過した。
回送電車は、車庫に入るため、踏切の先にある方向転換用の線路に時速20kmほどの速さで向かっていたという。
ホームそばにある信号機は停止を指示していたが、59歳の運転士が気づかず、自動的にかかる非常停止ブレーキも誤動作と思い込んで、社内規程に反して勝手に解除し電車を走らせたという。
近鉄によると、この踏切は、自動車は通れず付近の住民が通勤通学などに使うということで、当時踏切を渡っていた人はおらず、けが人はいなかった。
近鉄は「今回の事態を重く受け止め指導や教育を再度徹底し再発防止に努めたい」としている。
(ブログ者コメント)
停止信号に気付かなかったこと自体はヒューマンエラーで、仕方がないところがある。
しかし、ヒューマンエラーによる事故を防止するために設置された非常ブレーキが正常に作動したのに、これを誤作動だと思い込んで勝手に解除したこと、これは、同じヒューマンエラーであっても、質が違う。
なぜ、誤作動だと思い込んだのか? なぜ、勝手に解除したのか?
背景には、誤作動が頻繁に起きているとか、他の社内規定に違反しても問題視されることはないとか、そういった要因が潜んでいるのではないか?
そのような観点からの解析をしないままの指導や教育の再徹底では、不十分だろう。
12月17日に東海道新幹線の三島―静岡間の上り線で停電が発生し、約1100人に影響したトラブルに関し、JR東海は20日、送電線を固定するボルトのピン穴が規格よりも大きかったことが原因だったと、下記趣旨でプレスリリースした。
1.停電に至った経過(別図あり;添付省略)
U字型の金具を留めているボルトが外れ、「き電線」を掴んでいる金具(懸垂クランプ)が、「き電線」の上部へ引き上げられる力により持ち上げられ、「ガイシ」の上部に接触したため、地絡(ショート)しました。
※き電線:変電所から出た電力をトロリー線に供給する電線。3万V。
2.ボルトが外れた原因(別紙あり;添付省略)
(1) 本来のボルトは割りピン穴が4mmであるところ、今回のボルトは規格違いの6mmのものでした。
(2) 平成2年に電源増強等のためのき電線新設工事の際に、今回のボルト(割りピン穴6mm)が誤って使用されました。
この時は6㎜穴用の割りピンが使用されていましたので問題はありませんでした。
(3) その後、平成11年のガイシ取り換えの際に、ボルトは再利用したので6mmの割りピン穴に対して、定められた4mm穴用の割りピンを使用しました。(割りピンは緩い状態)
(4) この結果、長い年月のなかで、割りピンが折れたか抜け落ちたと推定しています。その後、ナットが外れ、ボルトが外れました。
※割りピン:振動などによって、万が一ナットが緩んでも外れないようストッパーの役割をするもの。
3.対策
全線の同種設備(約900箇所)について、以下の対策を行います。
(1) 緊急点検
昼間に、割りピンの抜け落ちや折れがないことを地上から目視で点検します。(平成23年12月28日まで)
(2) 至近距離検査
夜間に至近距離で本来品であることを確認し、本来品と異なるボルトがあった場合は交換します。(平成24年1月末まで)
出典URL■■■
2011年12月9日23時34分に読売新聞から、10日8時17分にNHK大阪から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後8時20分頃、JR湖西線近江今津駅に設置された地震計が作動して揺れの強さを表す加速度が3910ガルを示し、東海道線や大阪環状線など近畿全域と北陸の一部の計19路線を走行中の大半の列車が緊急停止した。
11分後にも作動し、686ガルを記録したが、地震は発生しておらず、誤作動と判明。
運転を再開したが、約600本の列車が遅れ、約25万人に影響した。
気象庁によると、3910ガルは震度7以上、686ガルは震度6強から7にそれぞれ相当するという。
JR西日本は、地震計のうち揺れを感知する機器の周辺には、当時作業員などはいなかったことから、何らかの揺れや振動を感知して誤作動した可能性は低いのではないかとみて、原因を詳しく調べている。
同社によると、地震計が250ガル以上を感知すると、地震情報早期伝達システムが作動して走行中の全列車に伝わり、運転士が緊急停止させる。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
9日22時26分に配信された共同通信の記事中、誤作動した地震計の写真が掲載されていた。
■■■
それを見ると、外見だけでは分らないが、地震計は1つだけなのかもしれない。
もしそうだとすれば、誤作動、即、今回のような広範囲の列車緊急停止につながる。
これが石油産業、化学産業であれば、地震計と連動して装置を緊急停止させるシステムの場合、地震計の誤作動を考慮して、例えば3つの地震計を違う場所に設置し、2つ以上が地震を感知した場合に緊急停止信号を送るようにしている。
JR西日本のシステムは、どのような思想で設計されたのだろうか?
(2011年12月30日 修正1 ;追記)
2011年12月28日付で、JR西日本から下記のとおりに原因などがプレスリリースされていた。
1 誤作動に至った経過
地震計に記録されている加速度の波形を確認しましたところ、今回の誤作動では異常な波形が信号処理装置に送信されていることが判明しました。
また誤作動を起こした当日の状況を再現する試験を実施し、地震計への電源を強制的に変化(電圧を降下)させた場合に異常な波形を出力することを確認しました。
2 原因
電圧が変化する原因は、電源ケーブルの外来からのノイズ(通常と異なる電気的な信号)の混入(例:落電による地面の電圧の上昇など)によるものと推定されます。
ただし、現地調査などを行いましたが、ノイズが混入した経路については不明です。
3 対策
(1)近江今津駅設置の地震計には12月21日に外来からのノイズを除去する機器を設置しました。
(2)対策の必要な他の地震計(約30カ所)に対し、ノイズを除去する機器の設置にむけて検討を行っています。
出典URL■■■
2011年12月7日18時22分にNHK横浜から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午前2時すぎ、東京・江東区の東京メトロ有楽町線の豊洲駅の付近で、レールの交換作業中に、チェーンでつり上げたレールがバランスを崩して傾き、作業員が壁との間に挟まれて1人が死亡、3人がけがをした。
有楽町線は、始発からおよそ3時間半、一部の区間で運転を見合わせ、およそ6万人に影響が出た。
横浜市にある国土交通省関東運輸局は、7日午後、東京メトロの責任者を呼び、利用者に大きな影響が出たことを受けて、事故原因や工事の進め方を検証し、再発防止の措置を取るよう文書で警告した。
東京メトロの専務取締役は「犠牲となられた方のご冥福を祈るとともに、事故の原因を究明して再発防止に努めたい」と述べた。
事故時の状況はメディアによってバラバラの報道。こんなに違うことも珍しい。本ブログでは、最も配信時間の遅かった上記情報を掲載したが、それ以外の情報は下記(報道時間順)。
7日4時58分 読売新聞
ポイント改良工事中の作業員4人が、機械でつり上げた枕木などと側壁の間に挟まれた。
機械でつり上げた枕木とレールが、何らかの原因で大きく横に揺れ、壁際に退避していた4人が挟まれたという。
■■■
7日6時32分 朝日新聞東京版
ポイントの交換工事中に事故が発生。つり上げた分枝器と壁の間に挟まれた。
■■■
7日7時6分 NHK首都圏
古いレールや枕木を交換する作業が進められていた。
20人ほどの作業員がレールや枕木を載せた台車を現場まで押して運んだあと、レールが崩れたという。
7日8時39分 msn産経ニュース
古いレールと枕木を新しいものに交換する作業中だった。
交換用の長さ約15m幅2mのレールと枕木を載せた台車を現場まで運ぶ途中でレールが崩れ、4人が壁との間に挟まれたという。
■■■
7日9時45分 共同通信
分岐器の交換中に事故があった。
交換のためにつり上げていた新しい分岐器(長さ約15m、重さ約4.5トン)が、何らかの原因でトンネルの壁側に傾き、作業員が挟まれたとみられる。
■■■
7日付 毎日新聞夕刊
レールの交換作業をしていたところ、コンクリート製枕木が付いたレール(長さ約15m、幅約2m、重さ約4.5トン)を載せた台車がバランスを崩した。
近くにいた60代の男性作業員が台車と壁に胸を強く挟まれ死亡。
■■■
2011年12月2日21時23分に、共同通信から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後5時20分ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線の天王寺―動物園前間で煙が上がっているのを、通過した電車の乗務員が発見した。
連絡を受けた天王寺駅の職員が駆け付け、水をかけて煙を止めた。
御堂筋線は全線で約55分間運転を見合わせ、約9万人に影響した。
警察などによると、煙が上がっていたのは天王寺駅から約100m離れた地点。
警察は、電車の走行中に出る火花が線路上にたまったほこりに飛び、発煙したとみて詳しい原因を調べている。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
電気コンセントの隙間にたまったほこりが発火するトラッキング現象は、たまにテレビなどで紹介されることがあるが、このようなダダっ広い場所でほこりが発火したという事例は滅多に報道されることはない。
しかしながら、ブログ者の記憶では、産業現場でも同じような事故が過去に起きたことがある。
着火源のある場所付近では、ほこりを溜めないようにすることが大切だ。
2011年11月22日20時19分に読売新聞から、23日7時55分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市のJR山陽線舞子駅で昨年12月17日午後9時45分ごろ、ホームから転落した主婦が出発直後の電車にひかれて死亡した事故で、運輸安全委員会は22日、異常を知らせる回転灯の設置場所に問題があり、車掌や運転士が転落に気付くのが遅れたと発表した。
委員会から情報提供を受けた国土交通省は、各鉄道事業者に対策を講じるよう求めた。
発表によると、事故では、主婦が転落したことに乗客が気付き、転落場所近くの非常停止ボタンを押し、回転灯とブザーを作動させた。
ボタンの上に設置された黄色の回転灯が作動したが、調査で、約160m離れた電車最後尾の車掌からは、案内板などが邪魔になって回転灯が見えづらかったことが分かった。
異常を知らせるブザー音も、電車が動く騒音で聞き取りづらかった可能性があるという。
ホームには駅員が不在で、異常はすぐに車掌らに伝わらなかったという。
委員長は「直接の事故原因と確定したわけではない」とした上で、「非常装置を運転士や車掌から見えやすい位置に設置するなどの改善が必要だ」と述べた。
運輸安全委は事故後、調査官2人を現場に派遣。車掌が転落に気付かなかった原因などを調べている。
出典URL■■■
■■■
以下は、過去の関連記事。
①「2010年12月28日15時00分 神戸新聞」
「舞子駅の非常装置増設へ」
事故を受け、JR西は28日、同駅のホームの異常を知らせる非常ボタンや非常報知灯を来年1月末までに増設するなど当面の対策をまとめた。
JR西によると、女性が転落したのは12両編成の快速電車4~5両目の連結部で、そのまま発車。
連結部は先頭車両同士が向き合っており、転落防止用のカバーがなかった。
舞子駅には現在非常ボタンが14個あり、ボタンを押すと回転灯が光って警報音が鳴り、ホーム端にある非常報知灯が点滅して運転士に知らせる仕組みになっている。
しかし、回転灯は運転士や車掌から見えにくい位置にあり、非常報知灯はホームに入る前の運転士しか見ることができなかった。
そのためJR西は、同駅の非常ボタンを21個に増やし、非常報知灯も2個から6個に増設。警報スピーカーも6個新設する。
さらに、事故現場に転落防止用のステンレス柵(長さ2.5m、高さ1.2m)を設置。 車掌が安全を確認するテレビモニターを設置したり、照明を増やしたりすることも検討する。
全社的な対策としては、先頭車両同士の連結部の運転席を終日点灯させ、連結部があることを分かりやすくする。
先頭車両の連結部の下に警告音を出すスピーカーを設置することも検討する。
■■■
②「2011年6月16日11時25分 msn産経ニュース」
「車掌を書類送検」
兵庫県警は16日、業務上過失致死傷容疑で、JR西日本の男性車掌(49)を書類送検した。
「人影が見えて2度確認し、大丈夫だと思い発車させた」と一部否認しているという。
送検容疑は、快速電車(12両)に乗務していた昨年12月17日午後9時45分ごろ、ホームでの異常を認識しながら安全確認を怠り、運転士に出発合図を送って発車させたため、女性を死亡させ、助けようとした知人女性(29)を負傷させたとしている。
県警によると、死亡した女性は4、5両目の連結部分から転落し、ホームに上がろうとしたが、動き出した電車に挟まれるなどしたという。
■■■
③「2010年12月28日 朝日新聞夕刊(聞蔵)
「JR西の再発防止策」
JR西は28日、再発防止策として、ホームの非常ボタンと連動する従来の回転灯とは別に、ホームの端や中ほどで点滅する「非常報知灯」を増設することを決めた。
同社はまた、女性が転落した車両連結部付近に固定柵(2.5m、高さ1.2m)を設置する。
このほか、乗客が連結部があることを認識しやすいよう、連結時に使用しない運転室の室内灯を常時点灯する。
④「2010年12月9日 朝日新聞(聞蔵)
「点滅灯の設置思想」
ホーム上に一定間隔で設けられた点滅灯が、非常ボタンを押した地点しか作動しない仕組みであることが、警察への取材でわかった。
警察は、車掌の直近の点滅灯が作動しない仕組みだったため、転落に気付くのが遅れた疑いがあるとみている。
JR西などによると、点滅灯は非常ボタンが取り付けられた鉄柱に設置され、スピーカーから警報音も鳴る。
ホームには14ケ所設置されており、事故時、転落現場に近い2つが押されたという。
警察によると、押された一つは電車最後尾にいる車掌まで約160m、運転士までは約80m離れていた。
点滅灯が、その場所でしか作動しないことについて、JR西は「異常があった場所を乗務員や駅員らに知らせるためのものだ」と説明している。
⑤「2010年12月18日 朝日新聞夕刊(聞蔵)」
「事故時の状況(補足) 」
一緒にいた女性が警察に「乗客がホームの非常ボタンを押したので発車しないと安心したら、電車が動き出した」と説明していることがわかった。
一方、車掌はJR西に「非常ブレーキを作動させて停車した後にボタンが押された」と説明しているという。
JR西によると、車両の連結部分には通常、転落防止用のゴム状のガードがついているが、女性が転落した部分は先頭車両が向かい合う形の連結だったため、ガードがなかった。
JR西は、転落を検知して近くの電車を緊急停止させる装置の整備を進めているが、舞子駅は未設置だった。
⑥「2010年12月18日 朝日新聞朝刊(聞蔵)」
「事故時の状況」
JR西によると、発車の際、ホームの乗客が電車を止めるような合図をしているのに気付いた車掌が、非常ブレーキを作動させて停車させたという。
車掌はJR西の調査に対し、「約10m進んで停車した」と話しているという。
JR西によると、舞子駅の駅員は通常、ホームにはおらず、駅2階の改札付近で業務しているという。
当時は2人の駅員がいた。
1階にあるホームの安全確認は、主に車掌がするという。
安全確認後、運転手に相図して発車するが、その際、車掌は窓から顔を出し、「車掌弁」と呼ばれる非常ブレーキのレバーを握り、すぐに停車できる状態にしているという。
今回の事故当時も、発車直後にホームで複数の乗客が手を振って電車を止めようとする合図をしていたのに気付いた車掌が「車掌弁」を下ろして非常停車させたという。
車両は4両編成と8両編成が連結しているタイプ。その連結部分からホームに転落した。
(ブログ者コメント)
□回転灯がどの程度見え難い位置に設置されていたのか、図解でもないかと運輸安全委員会HPを含め調べてみたが、図が掲載された記事は見つからなかった。
□この回転灯は、JRにまだ人的余裕があり、ホームに駅員がいた頃に設置されたものではないだろうか?
もしそうだとすれば、たしかに駅員から見える位置に回転灯を設置しておけばよく、運転士や車掌にとって見え難い位置でも関係はなかったのだろう。
□それが、今ではホームに駅員はいなくなった。
これ、安全をとりまく環境が大きく変わったのに、安全設備は昔の設計思想のまま見直しされていなかったための事故だったのかもしれない。
運輸安全委員会は、こういった切り口でも調べているのだろうか?
2011年11月16日付の神奈川新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付でネット配信されていた。
横浜市港北区で5月、道路を横断中の女性(当時59)が乗用車にはねられ死亡した事故を受け、警察などが、現場となった県道の中央分離帯に横断防止用の柵を設けた。
事故後も歩行者の横断が絶えず、再発の危険性が高いと判断したためだ。
しかし、設置後も無謀な横断が続いている。
事故が起きたのは、綱島東4丁目の県道と東横線の高架に沿った細い道路が交わる地点。
5月28日午前7時40分ごろ、女性が県道を横断中、左から直進の乗用車にはねられ、全身を強く打つなどして亡くなった。歩行者用の横断歩道のない場所だった。
事故当時、県道中央には約16mにわたり、高さ約30cmのコンクリートの土台に高さ約65cmのゴム製ポールを立てた分離帯が設けられていた。
乗用車は転回や横断ができない構造だが、歩行者は別だった。
約80m離れた歩行者用の信号と横断歩道のある交差点に回れば安全だが、歩行者にとって綱島駅に向かうのは、こちらが近道。無理な横断が続いていた。
死亡事故から約1カ月が経った6月。朝の通勤通学時間帯に現場を訪れると、約1km先の綱島駅に向かうためか、現場と同じ場所を渡る歩行者らの姿が目に付いた。 「駅に行くのに便利」。そう言って足早に横切っていく。
警察の調査によると、事故後も現場の横断者は午前7時から同8時半までの間、1日平均9.3人に上ったという。
警察などが対応を協議し、新しい中央分離帯の設置を決めた。
コンクリートの土台の長さを約34mに延長、その上に高さ80cmの金属製の防護柵を新たに設けた。約110万円をかけ、約1カ月の工事を経て9月中旬に完成した。
現場近くを自転車で通行していた男子学生(21)は「以前は横断していたが、柵ができてからは渡りにくくなった」。一方で、近くの主婦(40)は「柵をまたぐなどして横断する人は今も絶えない」と話す。
11月の朝、再び現場を訪れた。柵設置で少なくはなったものの、まだ横断者がいる。交通インフラは変われどマナーの悪さは変わらない。
柵が切れた部分から、行き交う車が途絶える瞬間に小走りで渡った男性会社員(30)は「急いでいるときは構わず渡っている。柵ができて煩わしくなった」。そう言い、駅に向かっていった。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
事故防止のためのソフト対応には限界がある。場合によってはハード対応が必要だ。
この道路、横断禁止表示などのソフト対応では効果がなかったのでポールを設け、それでもダメだったので柵を設置したのだろうか?
しかし、乗り越えられる高さの柵だったため、完全に事故を防止することはできないようだ。
考えてみれば、乗り越えること自体にも危険がある。柵を作ったことで、横断の危険プラス、逆に危険が増したのかもしれない。
しかし、そんなことはお構いなしに、急いでいるからという理由で柵を乗り越えていく人が後を絶たない。
ことほどさように人間というもの、多少の危険は承知の上で、近道行為をしたくなるものだ(このケースは、本当の「近道」だが) 。
この道路で横断中の事故ゼロを狙うなら、乗り越えることのできないほど高い柵を設置するしかないのだろう。
報道どおりの状態だとすると、仮に信号をつけたとしても意味はないと思われる。
2011年11月11日19時18分にmsn産経ニュースから、12日付で毎日新聞多摩版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。また同日付で京王帝都電鉄のホームページに、同トラブルに関するお詫び文が掲載されていた。
11日午前9時50分ごろ、京王線高幡不動2号踏切で遮断機が下りてないのに電車が通過したと、通行人から駅に通報があった。
同社が調べた結果は下記。
①列車が踏切の手前約394mの動作開始地点に到達した際、踏切では通常通り警報が鳴動し、遮断かんの降下が完了した。
②その後、踏切の手前約313mにおいて誤作動が生じ、一旦降下した遮断かんが上昇した。
③列車は誤作動が生じた時点でATCの非常停止信号を受信し、非常ブレーキがかかり、踏切の約171m手前で停車した。
④運転士は運輸指令所へ連絡。運輸指令所は高幡不動駅への進路に列車が存在しないことを確認したので、時速25km以下の速度規制での運転を指示した。
⑤運転士は指示により、約3分後に時速25km以下の速度で運転を再開した。
⑥列車は遮断かんが降下していない踏切に時速25km以下の速度で進入した。
運転士は「踏切で遮断機が下りていなかったことに気付かなかった」と話している。 現状、駅員2人を踏切に配置し、運行を続けている。
ATCで急停車した場合、同社のマニュアルは前方列車の確認を求めているが、遮断機の動作確認については何も記載がない。
同社は「マニュアルの改正を含め、安全対策を徹底する」としている。
同社では遮断機が下りないなどの同様のトラブルが昨年から5件あり、国土交通省関東運輸局から警告文書を2度にわたり受けている。
出典URL■■■
■■■
(ブログ者コメント)
ATCのような緊急停止装置が作動した場合、作動した原因を調べ、対策を講じてからでないと運転を再開してはいけない。それが基本だ。
ブログ者が勤務していた会社でも、会社のルールとして、設備の緊急停止装置が作動した場合には、作動した原因を、場合によってはFTAを構築するなどして追及し、原因を明らかにして対策をとってからでないと、装置の運転再開は許可されなかった。
今回、京王電鉄の説明から推定すると、ATCが作動する条件の一つが「遮断機が下りていない」ことらしい。
それならば、進行方向の遮断機が上がったままになっていないか、調査したと思うのだが、現実問題、調査はされていなかった。
何故だろう?
今回のケースでは、ATC作動から運転再開まで、時間的に、そう長くはかかっていないようだ。
ダイヤの乱れを気にして、さほど原因追及することなく運転を再開したということはなかったか?
はたまた、トラブルがしばしば起きるため、またか・・・といった感じで流し作業になっていなかったか?
もし、そのようなことがあったのなら、大問題だ。
なぜなら、今回はヒヤリレベルで済んだが、そのうち大事故につながる危険性をはらんでいる、ブログ者はそう思うからだ。
そこに一連の報道が何も触れていないのは何故だろう?
その点も気になるところだ。
(2011年12月1日 修正1 ;追記)
2011年11月27日7時6分に東京新聞から、「下りない踏切 通過防げた?」というタイトルで、以下の趣旨の解説記事がネット配信されていた。
このトラブルで、同社による調査・分析が進められている。
発端となった踏切の誤作動の原因は分かっていないが、運転士や運輸指令所が十分に注意していれば防げた可能性があることが分かってきた。
けが人はなかったものの、同社では昨年6月~今年3月、同様のミスが5件発生。一歩間違えば大事故になりかねないだけに、徹底した検証が求められる。
同社は、遮断機が下りていない踏切に電車が進入するミス5件について、国交省から警告を2回受けている。
同省関東運輸局は今回のケースについても「(指令所と運転士が安全確認後)注意して運転していたのに遮断機が上がった踏切に進入した例は聞いたことがない」と驚く。
11日のトラブルで、踏切手前で電車がATCにより非常停止した後、運転を再開した運転士は遮断機が上がったままなことに気付かずに踏切を通過してしまったが、気付くチャンスはあった。
踏切の手前には、遮断機が下りると点灯する踏切遮断表示灯があり、これを見ていれば下りていないことが分かったかもしれない。
ただ表示灯は保守用途で設置されたもので、同社では日常の運行で運転士に確認義務はなく、今回も確認していなかった。
一方、指令所にも踏切の状況が分かるモニターがあり、異常を知ることはできた。 しかし、運行を指示するフロアとは別の場所に設置されており見落としていた。
同社はモニターの確認状況は明らかにしていない。
京王電鉄は再発防止策として、「今回のような事例が起きた場合、運転再開後も踏切の手前ではいったん停止し、遮断機が下りていることを運転士が目視で確かめるよう指示した」としている。
他社はどう対応しているのか。
東急電鉄は、踏切手前に京王と同様の表示灯があり、運転士に通過時の目視確認を定めている。
小田急電鉄は表示灯の確認義務はないが、活用するよう指示し、指令所でも全踏切の状態が確認できる。
JR東日本は、ヒューマンエラーの発生を防ぐという考え方から表示灯は設置しておらず、システム上、二重に安全が確保できる仕組みを採用している。
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2011年11月5日9時31分にNHK青森から、同日20時40分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 また、9日付の朝日新聞青森全県版(聞蔵)から新情報がネット配信され、5日付の東奥日報にも同趣旨の記事が掲載されていた。
4日午後1時半ごろ青森市の青い森鉄道の線路でJR東日本が乗り入れている「リゾートあすなろ下北3号」(2両編成)が電気系統の故障で停車した。
機関車につないで車両基地まで動かすため、線路上に車止めを置いてブレーキの空気を抜いたところ、列車が車止めを押しのけて下り坂の線路を自然に動きだし、1.6km先の東青森駅まで走行して停車した。
列車には運転士が乗っていたが、エンジンなどは停止しており、電気制御式のブレーキが効かない状態だった。
乗客33人は、すでに降りていたため、ケガ人はいなかった。
JRが調べたところ、牽引用車両と連結する前に係員が故障車両のブレーキの空気を抜いてしまい、ブレーキが利かなくなったことが原因とわかった。
本件に関しJRは8日、JRのマニュアルには、連結時のブレーキの扱いについて記載がないことを明らかにした。
JRは、「通常であれば救援列車との連結後にブレーキを緩めるが、ブレーキの手順に関してマニュアルに記載はない」と話す。
「今後はマニュアルも含めて指導を統一し、全社を挙げて再発防止に取り組みたい」としている。
「リゾートあすなろ」は、ディーゼルエンジンと蓄電池を組み合わせたハイブリッド車両で、昨年12月に導入された。
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(2011年11月13日 修正1 ;内容一部変更)
5日に「手順書には、連結後にブレーキの空気を抜くと定められている」と報じられていたが、9日に「手順書にそのような記載はない」と報じられた。
5日の情報より9日の情報のほうが正と判断し、内容を書き替えた。
(2011年12月1日 修正2 ;本文一部追記)
2011年11月5日付の東奥日報紙面に掲載されていた、「電気制御式ブレーキだった」、「ハイブリッド車両だった」ことを、本文に追記した。
2011年11月2日19時4分にNHK秋田から、また3日付で毎日新聞秋田版から、一方、月日不詳だがNNNニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし8月8日午前7時過ぎ、北秋田市の鷹巣駅で比立内発鷹巣行の1両編成の普通列車がオーバーランしてホームに止まらず、およそ13m先の車止めに衝突した。
高校生など乗客39人と運転士にけがはなかった。
警察の調べでは、通常使っているブレーキが動かないときは非常用ブレーキで列車を止めることになっているが、この運転士(61歳、嘱託職員)は、常用ブレーキの圧力が下がり、非常ブレーキをかけなければいけなかったのに、非常用ブレーキを作動させていなかったという。
運転士は「列車のスピードが遅かったので大丈夫だと思った」と話しているという。
警察は、運転士が非常用ブレーキを作動させなかったのが事故の原因だとして、2日に業務上過失往来危険の疑いでこの運転士を書類送検した。
秋田内陸縦貫鉄道は「書類送検の報告を受けていないためまだコメントできない。運転士の処分などは今後、事実に沿って真摯に対応したい」と話している。
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(ブログ者コメント)
途中で記事がキレてはいるものの、NNNニュースからは、運転士が「停止位置の70mほど手前で速度が落ち過ぎたため、一度加速した。再度ブレーキを・・・」と話していると報道されている。
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2011年10月28日10時14分に時事通信から、28日10時26分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市営地下鉄で昨年3月15日、自動列車制御装置(ATC)が故障した始発電車が、別の電車の約60m手前で緊急停止したトラブルで、運輸安全委員会は28日、運転士や指令員のミスが積み重なったことが原因とする調査報告書をまとめ、「エラーをカバーし合う仕組みも働いていなかった」と指摘した。
報告書によると、始発電車は運行中にATCが故障し、運転席に表示される車内信号機も表示されなくなった。
指令員はこうした際、一定区間に電車1編成しか入れないようにして、細かく指示を出さなければならないが、指令員は代替電車を乗り入れさせた。
また、どこまで走ってよいのか明確にしないまま、ATCが故障した始発電車に手動運転で先に進むよう指示したため、運転士は信号が見えない状態で運転を続けた。
そして、ポイントが切り替わっていたのに、始発電車の運転士らは十分に確認せず、そのまま走行を続けた。
そのポイントを乗り越えた直後から指令所の機器で認識されなくなり、代替電車が停車していたホームの線路に進入して、緊急停止した。
ポイントを乗り越えた際、指令所では異常を知らせる警報も鳴ったが、別の指令員は内容を確かめずに警報を止めたという。
安全委幹部は「安全を担保する基本的な手続きが全く取られていなかった」とした。
出典URL■■■
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(朝日新聞には図解あり)
以下は調査報告書。
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(ブログ者コメント)
□指令員と始発電車運転士、それに別の指令員の3者3様のミスが重なって起きたトラブルだが、ブログ者は、中でも、別の指令員が、なぜ内容を確かめずに警報を切ったのか、そこが一番の問題だと感じた。
□そこで調査報告書を調べたところ、21ページに指令員B(44歳、指令員経験10ケ月)の口述として、以下のようなことが書かれていた。
「いろいろな警報が鳴っていたが、そのときは警報が鳴りっぱなしだったから、警報の音を止めるのがやっとだったので、確認しなかった。指定員Aから他部署で警報が出ているがこちらでも出ていないかと聞かれたが、確認せずに返答した。本来はモニターを見なければいけないが、コンピュータ数字入力など自分の仕事を100%するために、それを重視して、音を止めただけで画面は見ていない。」
□調査報告書の51ページには、再発防止策として、以下のようなことが書かれている。
「異常時の判断とその際に最も優先すべきことは何かを理解させることなど、異常時の適切な指示や運転取り扱いが行えるように教育訓練を徹底する必要がある。 」
□その通りだとは思うが、どのように教育訓練していくか、そこが一番の問題だ。
(2012年1月30日 修正1 ;追記)
2012年1月27日21時27分に朝日新聞から、指令員ら5人が書類送検されたと報道されていた。
大阪府警は27日、運転指令所の運輸助役(51)ら指令員3人と運転士2人(いずれも当時)を業務上過失往来危険の疑いで書類送検し、発表した。
乗客ら約20人にけがはなかったが、府警は「基本的な安全管理をいくつも怠り、脱線や衝突の重大事故につながる危険があった」と判断。
大阪地検に対し、起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。
5人とも容疑を認めているという。
http://www.asahi.com/national/update/0127/OSK201201270081.html
大阪市営地下鉄で昨年3月15日、自動列車制御装置(ATC)が故障した始発電車が、別の電車の約60m手前で緊急停止したトラブルで、運輸安全委員会は28日、運転士や指令員のミスが積み重なったことが原因とする調査報告書をまとめ、「エラーをカバーし合う仕組みも働いていなかった」と指摘した。
報告書によると、始発電車は運行中にATCが故障し、運転席に表示される車内信号機も表示されなくなった。
指令員はこうした際、一定区間に電車1編成しか入れないようにして、細かく指示を出さなければならないが、指令員は代替電車を乗り入れさせた。
また、どこまで走ってよいのか明確にしないまま、ATCが故障した始発電車に手動運転で先に進むよう指示したため、運転士は信号が見えない状態で運転を続けた。
そして、ポイントが切り替わっていたのに、始発電車の運転士らは十分に確認せず、そのまま走行を続けた。
そのポイントを乗り越えた直後から指令所の機器で認識されなくなり、代替電車が停車していたホームの線路に進入して、緊急停止した。
ポイントを乗り越えた際、指令所では異常を知らせる警報も鳴ったが、別の指令員は内容を確かめずに警報を止めたという。
安全委幹部は「安全を担保する基本的な手続きが全く取られていなかった」とした。
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(朝日新聞には図解あり)
以下は調査報告書。
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(ブログ者コメント)
□指令員と始発電車運転士、それに別の指令員の3者3様のミスが重なって起きたトラブルだが、ブログ者は、中でも、別の指令員が、なぜ内容を確かめずに警報を切ったのか、そこが一番の問題だと感じた。
□そこで調査報告書を調べたところ、21ページに指令員B(44歳、指令員経験10ケ月)の口述として、以下のようなことが書かれていた。
「いろいろな警報が鳴っていたが、そのときは警報が鳴りっぱなしだったから、警報の音を止めるのがやっとだったので、確認しなかった。指定員Aから他部署で警報が出ているがこちらでも出ていないかと聞かれたが、確認せずに返答した。本来はモニターを見なければいけないが、コンピュータ数字入力など自分の仕事を100%するために、それを重視して、音を止めただけで画面は見ていない。」
□調査報告書の51ページには、再発防止策として、以下のようなことが書かれている。
「異常時の判断とその際に最も優先すべきことは何かを理解させることなど、異常時の適切な指示や運転取り扱いが行えるように教育訓練を徹底する必要がある。 」
□その通りだとは思うが、どのように教育訓練していくか、そこが一番の問題だ。
(2012年1月30日 修正1 ;追記)
2012年1月27日21時27分に朝日新聞から、指令員ら5人が書類送検されたと報道されていた。
大阪府警は27日、運転指令所の運輸助役(51)ら指令員3人と運転士2人(いずれも当時)を業務上過失往来危険の疑いで書類送検し、発表した。
乗客ら約20人にけがはなかったが、府警は「基本的な安全管理をいくつも怠り、脱線や衝突の重大事故につながる危険があった」と判断。
大阪地検に対し、起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。
5人とも容疑を認めているという。
http://www.asahi.com/national/update/0127/OSK201201270081.html
2011年10月24日11時55分に、山形新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前7時10分ごろ、米沢市のJR奥羽本線峠駅構内で、新庄発東京行きのつばさ120号が、線路に放置されていた工事用の電灯(高さ約1.4m)と接触し、緊急停車した。
JR東によると、電灯は三脚付きで同駅の暖房設備整備工事のため夜間に使っていた。作業終了後、作業員が片付け忘れたという。
車両と線路に異常がなかったため、列車は17分後に運転を再開した。約250人に影響した。
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2011年10月6日8時30分に、神戸新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2005年4月に起きた尼崎JR脱線事故の反省からJR西日本が設立した「安全研究所」で、1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故を経験した元日本航空社員のAさん(59)が、指導・助言にあたっている。
人的ミスが起こることを前提に対策を考える航空業界の安全思想を鉄道にも定着させるため、社員らの意識改革に取り組んでいる。
安全研究所は06年6月に発足。人間を取り巻くさまざまな要因(ヒューマンファクター)を解明し、人的ミスを防ぐ研究などに取り組む。社内外の31人が所属し、Aさんは研究主幹として研究全般を指導する。
Aさんは1975年に日本航空に入社し、主に運航部門を歩んだ。
85年の墜落事故の一報は、羽田のオペレーションセンターで聞き、徹夜で情報収集に奔走した。1週間後には群馬県の遺体安置所に派遣され、肉親を失った遺族の絶望感、喪失感に接した。「とんでもないことをしてしまった」との思いを今も背負い続ける。ほぼ毎年、慰霊登山で御巣鷹山を訪れ、安全への誓いを新たにしているという。
航空業界では90年代以降、「人は間違いをする」という視点で安全管理に取り組んできた。ど
んなに優秀な人でも言い間違いや聞き間違い、勘違いなどのミスをする。それを前提に防護策を考え、トラブルが起きても影響を最小限に抑える。 そんな航空のノウハウを鉄道に取り入れたいと考えた同研究所の所長に誘われ、Aさんは09年4月、運航安全推進部長を最後にJR西へ出向。昨年5月には転籍もした。
JR西では脱線事故前はヒューマンファクターの視点が乏しく、「事故はミスをした本人の責任」という発想が根強かった。安全研究所はこうした発想を180度転換させようと、研究員が「出前講義」にも出向く。
管理層などに染みついた意識を変えるのは容易ではないと感じる場面も多いが、「話にうなずいてくれる人が増えてきた。時間はかかるだろうが少しずつ変わりつつある」とAさん。 「つらい経験から生まれた研究所だからこそ、鉄道分野のヒューマンファクター研究を引っ張る存在になれれば」と話している。
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(ブログ者コメント)
事故が起きたという結果報道ばかりでなく、こういった未然防止のための地道な取り組みについても、マスコミには随時、報道してもらいたいものだ。
2011年9月30日10時33分に、msn産経ニュース長崎から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎電気軌道で昨年10月21日、単線区間の軌道に、路面電車2台が向かい合って進入するトラブルがあり、運輸安全委員会は30日、一方の運転士が、他の電車が掲げる衝突事故防止用の標識を確認せずに運転したことが原因とする調査報告書をまとめた。
報告書によると、石橋行き電車の運転士は、単線区間に入るため、部分的に複線になっている停留場で発車待ちをしていた。
対向してきた1台目の電車が「後続電車がいる」と伝える標識を掲げたが見落とし、「後続電車はいない」と思い込んで単線の軌道へ進入。
前から来た2台目の電車と向かい合う形となり、約46mまで接近し停止した。
この単線区間では昨年1月にも同様のトラブルがあり、運輸安全委は社員教育の徹底と安全管理体制の充実を図るよう同社に勧告した。
出典URL■■■
ちなみに、当時の状況は、2010年10月23日付の朝日新聞長崎版(聞蔵)に、以下のように記されていた。
会社によると、単線区間には通常1両しか入れないが、当時は修学旅行の生徒や観光客が多く、特別に3両を同時に入れて、複線区間との間で折り返し運転をしていた。
ところが3両のうち1両が単線区間から出ていないのに、逆方向から1両が進入。これに気付いた電停の係員が車両を追いかけて停止を指示した。
(ブログ者コメント)
●昨年1月のトラブルとは、以下のようなものだった。
(2010年1月12日13時49分の共同通信ネット配信記事)
運輸安全委員会は、12日、長崎電気軌道が運行する路面電車で、運転士が信号を見落として別の電車に衝突しそうになるなど2件のトラブルがあったと発表した。
けが人はなかったが、安全委は重大事故につながる可能性があったとして、調査官2人を派遣した。
安全委などによると、9日午後6時3分ごろ、1両編成の路面電車が、駅の信号が赤だったにもかかわらず出発し、約200m先の駅にいた別の電車の約90m手前で停止した。
2つの電車は約10分後、その一つ先の終点駅で順番に折り返しで出発したが、先行の電車が通過後、後続電車が別の路線から入ってきた電車と衝突しそうになった。約60mの間隔を空けて止まったという。
運転指令からの指示がきちんと伝わっていなかった可能性があり、調査官は聞き取り調査などを行う。
出典URL■■■
●昨年10月のトラブルの報告書は下記。
29ページにわたり、事実情報、分析、結論、勧告、現場見取り図、時系列表などが掲載されている。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/serious/RI11-3-2.pdf
●同報告書には、トラブル要因として以下の趣旨のことが記載されている。(14、20ページ)
※報告書の表現は分かり難いので、以下はブログ者が咀嚼した内容。
①作業基準では「通票」が対向電車の前面に掲示されていることを確認してから出発することと定められているのに、この運転手は確認しないまま出発した。
②なぜなら単線区間にいる対向電車は3両なのに2両だと思い込んでしまっていたからだ。よって2両目が来た後に出発してしまった。
③この運転士は今までも、電停にいる係員の指示を受けずに出発したことが何回かあった。
●また、背後要因として下記が記載されている。(21ページ)
①同社の教育不十分。
②現場は渋滞しがちな場所であり、乗客を長時間待たせることに関係社員がプレッシャーを感じていた。そのため作業基準と異なる取扱いが慣行となっていた。
③現場の社員の中で事故防止や業務改善に関する議論や検討をする場が少なく、指示命令によって動く受身的な組織になっている。
□ブログ者、思うに、マニュアルに書かれた手順と現場で実際に行われている手順とが違う・・・それは、しばしば起こり得ることだ。しかし、そういった状態を放置しておくと、いつか事故の原因となる恐れがある。
些細なことであっても、現場の手順とマニュアル記載手順が違うことに気が付いた場合は、両者を一致させておくことが必要だ。
また、そういった目で現場の作業内容を確認することも、安全に携わる者の仕事の一つだ。
2011年9月24日17時56分に、msn産経ニュース埼玉から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午前9時25分ごろ、川越市のJR川越線で、除草作業中の作業員が草刈り機の回転刃で誤って信号用電源ケーブルを切断。復旧のため、川越線と八高線の一部区間で最大約5時間、運転を見合わせた。
JR東日本によると、川越線と八高線の一部で信号と踏切の電源が一時的に切れたが、すぐに予備電源に切り替わり、列車の運行に支障はなかった。
このトラブルのため、川越線で上下25本、八高線で15本が運休し、計約6300人に影響したという。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
「最大5時間運転見合わせ」とか「運行に支障はなかった」、「25本と15本が運休」といった具合に記述に整合性がないが、これは元記事記述のままだ。
2011年9月20日11時51分に、読売新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本和歌山支社は19日、紀勢線・岩代―切目間で、串本発新大阪行き特急「オーシャンアロー32号」(9両)が台風12号の被害による徐行区間(時速30km)を18日午後、通常の時速90kmで進入したと発表した。
支社の調査に対し、男性運転士(48)は「荒れた海が目に入り、『また台風が来るのか』と考えていて信号を見落とした」と話しているという。
発表によると、現場は台風で線路脇の斜面が崩れ、同支社が応急復旧して約150mを徐行区間に設定。
運転士は約500m手前に設けられた徐行の予告信号を見落とし、約100m手前で気づいて減速したものの、区間の終了地点では時速60kmだったという。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
緊張を長時間持続させることは難しい。誰しも、今回のように、ふとヨソ事を考えることが絶対にないとは言えない。たとえ、それが緊張を強いられる大事な場面であってもだ。
幸い、今回は何事もなく済んだが、一つ間違えば大事故になった恐れもあった。
事故防止対策のうち、ハード対応とソフト対応は、カネと時間さえかければ、それなりの効果が期待できる。 しかしヒューマンエラー対応だけは、いくらカネと時間をかけても、全く効果がないことがある。
まことに悩ましく、永遠の課題だ。
2011年9月17日10時21分に、NHK岡山から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午前9時過ぎ、JR宇野線で、宇野駅に向かっていた2両編成の電車が、ブレーキが壊れたときなどに自動で列車を停止させるATS装置の電源を入れないまま、およそ1kmにわたって走行していたことが分かった。
JR西日本岡山支社によると、この電車は備前田井駅で、停車位置を調整するため運転士が、ATSの電源を切ったが、その後、電源を入れ忘れたまま駅を出発したという。
ATSは、手動でブレーキをかければ電源が入る仕組みで、およそ1km走った地点でスピードを下げるためブレーキをかけてATSの電源は入ったが、それまではATSが効かない状態だった。
当時、電車には乗客30人ほどが乗っていたが、大きな影響はなかった。
岡山支社は、16日、車両を点検していた際、停車のデータを見てATSの入れ忘れに気づいたという。
「安全運転に取り組んでいたがこのようなことになってしまい申し訳ない。今後、再発防止に努めたい」と話した。
(ブログ者コメント)
□翌日の車両点検時に入れ忘れに気付いたという件、フォロー体制がしっかりしていると感じた。
□このような些細なヒヤリでも、JR西は発表した。これは、福知山線事故を契機として安全に対する考え方が変わってきたことを示す一つの証左かもしれない。(以前から発表していたのかもしれないが)
2011年8月16日18時30分に、msn産経ニュースから下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午前1時すぎ、JR中央線猿橋駅に到着した大月行き最終電車(10両編成、乗客約40人)がドアを開閉しないまま発車、乗客の指摘で気づいた運転士が非常ブレーキをかけ、約80m先で停止するトラブルがあった。
JR東によると、車掌のスイッチ操作が不十分でドアが開かなかったが、車掌はドアの状態を確認しておらず、発車ベルを鳴らしてから閉まったままなのに気付いた。ベルを止めた後、再操作しようとしたが間に合わず、運転士もドアの開閉を示すランプを十分確認せずに発車させた。
電車は駅までバックして乗客約10人を降ろし、6分遅れで運転を再開した。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
二重チェック体制をとっていてもミスは起こり得る、そういう事例として紹介します。
2011年7月27日21時59分に、読売新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前11時40分頃、北九州市のJR日豊線西小倉―南小倉駅間を走行中の博多行き特急「ソニック22号」(7両編成)で異常音がして非常ブレーキが作動し、緊急停止した。
運転士が点検したところ、先頭車両の床下に取り付けられていた自動列車停止装置(ATS)の送受信機(重さ約11kg)が外れ、約100m後方の線路上に落下していた。乗客約260人にけがはなく、約20分後に運行を再開した。
JR九州によると、落下したのは「車上子(しゃじょうし)」と呼ばれる板状の装置(長さ41cm、幅38cm、厚さ1.5cm)。先頭車両と最後尾の車両に1個ずつ取り付けられ、カーブまでの距離など走行に関する情報を受信する。緊急信号を受ければ自動ブレーキがかかる。
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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。