2018年7月28日付で東京新聞夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は8月1日から、駅のホームにある発車ベルを押して流れるメロディーが駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、ベルを使わず、車両に設置された車外向けのスピーカーでドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
常磐線各駅停車の亀有(東京都葛飾区)~取手(茨城県取手市)間が実験対象で、駆け込み乗車を減らす有効性が確認されれば、拡大していく考えだ。
駆け込み乗車への対応で列車が遅れるケースは日常的で、死亡事故も発生。
同社は、大音量のメロディーがホームから離れた改札口付近でも聞こえてしまうことが駆け込みを誘発しているとみて、実験を決めた。
スピーカーからの音声が聞こえる範囲は、ホーム上にとどまるという。
ホームのベルを使わない方法が広がれば、蒲田駅(東京都大田区)の「蒲田行進曲」や高田馬場駅(新宿区)の「鉄腕アトム」など、一般的なメロディーの代わりに使われている「ご当地メロディー」が消える可能性もあるが、JR東は「検討段階で、決まっていない」としている。
JR東によると、実験では、乗務員室の「乗降案内スイッチ」を操作して、ホームに向け発車を知らせる音と「扉が閉まります。駆け込み乗車はおやめください」との自動音声を流す。
従来は、乗務員がホームに降り、ベルを押していた。
常磐線各駅停車に乗り入れる東京メトロや小田急電鉄の車両も、同様の取り組みをする。
出典
『発車ベルやめます JR常磐線が来月から実験』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072802000248.html
8月1日11時30分にFNN PRIMEからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
【8月1日からJR常磐線で実証実験がスタート】
JR東日本は8月1日から、駅のホームにある「発車ベル」を押して流れる「発車メロディー」が駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、常磐線の一部区間で、「発車ベル」を使わずに、車両に設置された車外向けスピーカーからドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
実験の対象は、常磐線各駅停車の「亀有~取手」間。
検証結果を踏まえて、拡大を検討するという。
「発車ベル」と「発車メロディー」の違いもいまいち分かりづらいが、今回の実証実験によって、どのような効果が期待できるのか?
JR東日本・東京支社の広報担当者に聞いた。
【「発車メロディー」が聞こえる範囲を狭める】
Q あらためて、「発車ベル」を使わない実証実験をやることにした理由は?
A 従来の発車メロディーは、駅のホームにある「発車ベル」を押して、ホームに設置されたスピーカーから「発車メロディー」を流しているので、音量が大きく、広範囲に聞こえるため、駆け込み乗車を助長している可能性があります。
そのため、ホームに設置されたスピーカーから発車メロディーを流すのをやめ、代わりに、電車の車両に設置された車外スピーカーから発車メロディーを流します。
発車メロディーの聞こえる範囲を狭めることで、駆け込み乗車を減らすことができるかどうかを検証します。
国交省のデータによれば、10分未満の電車の遅れにあたる小規模な遅延が起きる原因は、「乗車時間超過」、次いで「ドア再開閉」が約6割を占める。(「電車が毎日遅れるのはナゼ?」)
こうしたことからも、駆け込み乗車を減らすことが電車のスムーズな運行につながることはうなずける。
【混同しがちだが「発車ベル」と「発車メロディー」は別の
もの】
Q 「発車ベル」を押すのをやめるだけで、発車メロディーは流すということ?
A はい。車両の車外スピーカーから発車メロディーを流します。
Q 「発車ベル」と「発車メロディー」は同じものと捉えて
いたが?
A 違います。
「発車ベル」は、駅のホームにある「発車メロディー」を流すスイッチのことです。
Q 車外スピーカーから発車メロディーを流す場合、スイッチはどこにあるの?
A 車両内にあります。
Q 実証実験の対象を常磐線各駅停車の「亀有~取手」間にした理由は?
A 他の路線では駅独自の発車メロディーがあるため、自治体などの調整が必要なのですが、常磐線各駅停車には駅独自の発車メロディーがないことから、今回選定しました。
Q 実証実験は8月1日から始めて、どのぐらいの期間やる予定?
A 現時点では決まっていません。
確かに、発車メロディーが聞こえると急いでしまう心理はわかる。
聞こえる範囲を狭めるという今回の試みが電車の遅れによる乗客のイライラを解消できるのか、結果を待ちたい。
出典
『駆け込み乗車防止で「発車ベル」をやめる?JR東日本に意図を聞いた』
https://www.fnn.jp/posts/00344300HDK
2018年7月21日付で中日新聞静岡版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
静岡市葵区のJR東海道線東静岡駅で19日、中学3年の男子生徒(14)が列車とホームの間に挟まれ死亡した事故で、男子生徒が歩行中にスマートフォンに気を取られ、ホームから転落していたことが、警察関係者への取材で分かった。
警察関係者によると、ホームの防犯カメラに、男子生徒が下を向き、手にしたスマホを見ながら歩く様子が写っていた。
複数の同級生と下校していたが、エスカレーターからホームに降りた後、一人だけ線路側に向かって斜めに歩行。
そのままホームから左足を踏み外し、後ろから入線してきた列車と接触し、ホームとの間に挟まれたという。
JR東海静岡広報室によると、「歩きスマホ」の危険性を訴えるため、県内の主な駅に啓発ポスターを貼り付けているほか、ホームのアナウンスで歩行中のスマホの使用を控えるように呼び掛けている。
担当者は、「転落事故や利用客同士の衝突を防ぐため、歩きスマホは控えてほしい」と話している。
◇
男子生徒が命を落としたのは、歩行中にスマートフォンの画面を見る「歩きスマホ」が原因だった。
スマホを含む携帯電話使用時の線路上の転落事故は増加傾向にあり、専門家は、「視界が著しく狭まり、気付かずに蛇行して歩いてしまう人もいる。事故に遭う可能性は非常に高い」と警鐘を鳴らす。
国交省が鉄道会社の報告をまとめた統計によると、携帯電話使用時に線路上に転落した人は、2010年度には10人だったが、15年度に42人、16年度に24人に達した。
県警鉄道警察隊によると、今回の事故を除けば、県内でこれまでに歩きスマホが原因の人身事故は確認されていない。
しかし、八木副隊長は、「歩きスマホで線路に転落しても、自力でホームに上がる人もいる。けがや人身事故がなければ計上されず、他に転落者はいる可能性もある」と話す。
過去には、主に首都圏で大事故につながったケースもある。
13年5月、東京都新宿区のJR四ツ谷駅ホームで、携帯電話を操作しながら歩いていた小学5年の男児が線路上に転落し、重傷を負った。
10月には東京都板橋区で、携帯電話を見ながら歩いていた男性が誤って踏切内に進入。列車にはねられ死亡した。
繁華街の交差点や駅ホームで歩きスマホの危険性を検証している愛知工科大の小塚一宏名誉・特任教授(交通工学)は、「視界が狭まり、目線が足元を向くため、前方から近づく人に気付きにくく危険だ」と説明。
小塚教授の検証実験によると、通常歩行時の視界は左右に約3mの広がりがあるが、歩きスマホは20分の1に縮まるという。
前方の人や物を認識するのは、約1.5mまで近づいた時点とされ、向かってくる歩行者を避けられない。
また、小塚教授は、「実験では、真っすぐ歩いているつもりでも、画面に熱中すると無意識に蛇行して歩く人もいた」と指摘。
「事故防止にはモラルの向上が必要だが、条例制定や通信会社の対策も有効ではないか」と語る。
出典
『転落中学生 歩きスマホ 東静岡駅死亡事故』
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/tokai-news/CK2018072102000099.html
(ブログ者コメント)
板橋区の事例は、本ブログでも紹介スミ。
2018年7月4日20時3分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後3時10分ごろ、埼玉県越谷市のJR武蔵野線越谷レイクタウン駅で、構内に進入してきた貨物列車(19両編成)のコンテナ上部を覆うカバーが開き、隣の線路で停車中の府中本町発東京行き普通電車(8両編成)の前部にぶつかった。
けが人はいない。
貨物列車は、構内で緊急停止した。
JR東日本などによると、カバーは鉄骨にシートを張ったもので、縦約10m、横約3m、重さ約450kg。
貨物列車は、18両目のカバーが開いて車両側面にぶら下がった状態で構内に入ってきた。
JR貨物は、走行中に外れたとみて原因を調べる。
出典
『貨物車カバーが電車に接触 埼玉の越谷 JR武蔵野線』
http://www.sankei.com/affairs/news/180704/afr1807040051-n1.html
(ブログ者コメント)
はずれたカバーがどのようなものかは、ネットに写真が出回っているので、そちらを参照。
2018年7月1日1時11分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午後6時55分ごろ、東京都世田谷区の東急世田谷線松陰神社前駅で、三軒茶屋発下高井戸行き下り電車(2両編成)が扉の一部を開閉せずに出発した。
乗客計13人が松陰神社前駅で降車できず、2人が乗車できなかった。
東急によると、扉は1両に2つずつ、2両で計4つある。
30代の運転士は、1両目の前の扉が開いたため、残り3つの扉も開けたと勘違いした。
出発した後に、同乗する案内係に指摘されてミスに気付いたという。
降車できなかった客は、次の世田谷駅で降りた。
車内には当時、約100人の乗客がいた。
出典
『東急世田谷線 電車の扉開閉せず15人乗降できず』
https://mainichi.jp/articles/20180701/k00/00m/040/107000c
7月1日1時14分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午後6時50分過ぎ、東急世田谷線の松陰神社前駅で、三軒茶屋発下高井戸行きの下り電車(2両編成)の4つのドアのうち、3つが開かないまま出発するトラブルがあった。
東急電鉄によると、30代の男性運転士が、2つある開閉ボタンのうち1つを十分に押し込まなかったとみられ、操作後の開閉の確認も怠ったという。
この影響で、乗客13人が降りられず、2人が乗れなかった。
13人の乗客には次の世田谷駅で降りてもらい、松陰神社前駅までの乗車券を渡したという。
東急は、「ご迷惑をおかけしたことをおわびします。乗務員を再教育し、正しい作業を徹底します」としている。
出典
『ドア開かないまま出発、乗客降りられず 東急世田谷線』
https://www.asahi.com/articles/ASL71059YL6ZUTIL02D.html
2018年6月29日20時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
走行中の東海道新幹線「のぞみ」車内で乗客3人が殺傷された事件を受け、JR東海は29日、催涙スプレーや耐刃ベスト、盾など、乗務員が使うための護身用品を新幹線内に常備すると発表した。
今後の乗務員教育では、乗客の避難誘導などに加え、反秩序行為への対応や、けが人救護も充実させていくという。
JR東海によると、今回の事件では、車掌がシートから取り外した座面やキャリーバッグで身を守りながら、刃物を振るう容疑者を約15分間にわたって説得した。
新たに搭載する護身用品は、どの車両でトラブルが起きても対応できるように、車内の複数箇所に配備。
止血用具なども搭載する予定だ。
出典
『新幹線内に催涙スプレーなど護身用品を常備 JR東海』
https://www.asahi.com/articles/ASL6Y4W80L6YUTIL01X.html
6月30日付で毎日新聞東京版(夕刊)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は29日、東海道新幹線殺傷事件を受け、乗務員や警備員が列車内で使う防犯スプレーや盾などの装備を配備すると発表した。
三角巾や止血パッドといった医療用品も拡充する。
同日の記者会見で金子社長は、「警察と相談しながら、できるだけ早期に、実効性のある装備を充実させる」と話した。
JR東海によると、9日夜に起きた殺傷事件では、小島容疑者(22)に対し、男性車掌長がシートやキャリーケースで身を守りながら、「やめてください」と説得を続けた。
今後は、スプレーや盾のほか、耐刃手袋やベストを、車内の複数箇所に置く。
JR東海は事件後、既に、民間警備会社の警備員や警察官による車内巡回を強化した。
乗務員全員がスマートフォンで同時に会話し、情報共有する仕組みも導入する。
一方、乗客のボディーチェックや手荷物検査について金子社長は、「鉄道の利便性を著しく損なうので実施しない」と明言した。
出典
『東海道新幹線殺傷 事件受け、新幹線に防犯スプレーや盾配備 JR東海』
https://mainichi.jp/articles/20180630/dde/041/040/040000c
(ブログ者コメント)
座席シートを車掌が盾として使用した件、よくぞ思いついたものだと感心していたが、以下の報道によれば、JR東海ではそのような教育を行っていたとのこと。
教育を受けていたからといって、今回のようなケースでは頭がパニックになり、実践できないこともありそうな気がするが、この車掌の方、よくぞ、教育されたとおりに対応できたものだ。
(2018年6月11日 20時16分 NHK NEWS WEB)
今月9日、東京発・新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ265号」の車内で乗客3人がなたのような刃物で切りつけられ、兵庫県尼崎市の男性会社員が死亡したほか、20代の女性2人がけがをした。
この事件が起きたとき、現場に駆けつけた新幹線の車掌は警察に対して、「座席を外して容疑者に近づいたが、倒れた男性を見下ろすような形で無言で切りつけていた」と説明していたという。
また、発生直後の車内の様子を映像で見ると、座席のシートがいくつも取り外されて、乗客が身を守る盾として使った様子がうかがえる。
【JR東海では前から教育】
実際、JR東海では、日頃から乗務員に対して、不審者が暴れるなどした際、座席のシートを取り外して利用したり、カバンを使ったりして相手との距離を取り、安全を確保するよう教育しているという。
JR東海によると、平成28年5月に新幹線「のぞみ」の車内で男が包丁2本を持っているのが見つかり、男を取り押さえる際に、車掌の女性がけがをする事件が起きた。
その後、乗務員に対する安全教育が徹底されたということだが、「座席のシートを盾に」するよう教育し始めた時期は分からないという。
・・・・・
【他の鉄道会社では?】
実は、「座席のシートを盾に」するよう乗務員に教育している鉄道会社は、少数派のようだ。
JR東日本では、「盾のように使うことは想定していない」。
JR北海道でも、「座席は汚れた時のために取り外しが可能だが、盾として使うことは想定していない」とのこと。
新幹線ではないが、私鉄にも聞いてみた。
小田急電鉄では、「ロマンスカー5種類のうち、古いタイプを除いて、座席のシートは外れるが、飲食をしてこぼしてしまったときなどのため。簡単に外せるし、車内にはシートのスペアも置いてある。盾として使うことは想定していない」とのことだった。
近鉄も、「盾のように使うことは想定していない」とのこと。
一方で、通勤電車などに使われる長い「ロングシート」も、数人がかりなら取り外しが可能。
小田急や名鉄など、多くの私鉄では、事故が起きたときなどにとり外して、線路に乗客を降ろす「はしご」のように使うことが想定されているという。
少なくとも、回答のあったJR5社と大手私鉄の6社では、「シートを盾に使う」ことは想定されていなかった。
・・・・・
出典
『「座席を盾に」は有効か』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180611/k10011473131000.html
2018年6月29日11時7分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地方の鉄道でレール2本の間(軌間)の拡大が原因の脱線事故が平成28年10月~29年5月に4件相次ぎ、木製枕木の状態の悪化に起因していたことを受け、国交省は第三セクター鉄道や中小私鉄、貨物鉄道計116事業者に、コンクリート製枕木への交換を進めるよう通知した。28日付。
通知では、木製に比べコンクリート製の方が耐久性が高く、保守も容易だとして、交換を推進。
コストがかかることから、全面的な交換が難しい場合、数本に1本の割合でコンクリート製にすることも有効だとし、国が費用の3分の1を補助する制度の活用も求めた。
4件の脱線は、岐阜県の西濃鉄道、和歌山県の紀州鉄道、熊本県の熊本電気鉄道、群馬県のわたらせ渓谷鉄道で起きた。
運輸安全委員会は、木製枕木やレールと枕木を固定する部品の不良が連続していたことが軌間拡大につながったと結論付け、国交相に事業者への指導を求めていた。
出典
『木製枕木の交換を推進 脱線4件受け国交省通知』
http://www.sankei.com/affairs/news/180629/afr1806290004-n1.html
6月28日10時3分に朝日新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
全国の地域鉄道で8カ月に4件も脱線が相次ぎ、国の運輸安全委員会は28日、レールを支える「枕木」を木製からコンクリート製に換えるよう促す提言書を、石井・国交相に提出した。
国交省は、全国の鉄道事業者に対応を求める方針だ。
提言書などによると、和歌山県御坊市の紀州鉄道で2017年1月、1両編成の車両が左カーブを走行中に脱線した。
調査の結果、木製の枕木が腐食したり割れていたりしていた。
その結果、くぎでレールを固定する力が低下し、外側にレールが傾いて2本の間隔が広がり、間に車輪が落ち込むように脱線したという。
1カ月後には熊本市の熊本電気鉄道で、右カーブを走行中の2両編成が脱線。
木製の枕木にレールを固定するくぎが緩み、レールが傾いて間隔が広がったことが原因だった。
17年5月には群馬県桐生市のわたらせ渓谷鉄道でも、同様の事故が起きた。
16年10月に岐阜県大垣市の西濃鉄道で同様の脱線が起きてから、約8カ月で4件も脱線が続いたことになる。
運輸安全委は、対策として、線路の枕木を木製から、より耐久性が高く固定する力が強いコンクリート製へ交換していくことを提言。
コスト的に難しい場合は、数本に1本の割合で交換するだけでも事故防止に有効だという。
他の対策としては、脱線防止ガードの設置などを挙げた。
運輸安全委によると、都市部の鉄道では枕木のコンクリート化が進んでいるが、経営環境が厳しい地方の中小民間鉄道では、今も木製の枕木が高い割合で使われている。
同委は、国や自治体の補助金や鉄道・運輸機構による技術支援制度などを活用できるよう、地方への情報提供を進めることも石井・国交相に求めた。
出典
『鉄道の枕木「コンクリ製に交換を」 運輸安全委が提言』
https://www.asahi.com/articles/ASL6W0SNQL6VUTIL079.html
(ブログ者コメント)
上記記事に記されている4件の事故のうち、わたらせ渓谷鉄道の事例のみ本ブログに掲載スミ。
2017年5月28日掲載
2017年5月22日 群馬県桐生市のわたらせ渓谷鉄道でJRから借り受けた線路点検車両が脱線、木製枕木の劣化で通常車両より1.5倍重い点検車両に耐えられなかったか? (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7161/
2018年6月29日21時58分にNHK鳥取から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米子市と兵庫県を結ぶJR山陰線の普通列車が、ATS(自動列車停止装置)などの安全装置が作動しても自動の非常ブレーキがかからない状態で、1週間以上走行していたことがわかった。
JR西日本米子支社によると、自動の非常ブレーキがかからない状態で走行していたのは、鳥取県の米子と兵庫県の城崎温泉を結ぶ山陰線の普通列車で、通常は開いているはずの、非常ブレーキを空気圧で作動させるためのコックが閉まった状態だったという。
28日の定期点検で明らかになった。
20日、検査担当の社員が誤ったチェックリストをもとに点検したため、コックを閉じたままにしていたという。
車両は、20日と22日から28日にかけて1週間以上走行を続けていたが、通常のブレーキは正常に作動しており、乗客にけがはなかった。
ミスについてJR西日本米子支社は、「乗客に不安な思いをさせ、深くおわび申し上げます。作業の仕組みを改善し、再発防止に努めてまいります」としている。
出典
『JR西が自動の非常ブレーキ不備』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20180629/4040000721.html
6月29日付でJR西のHPには、下記趣旨の記事が掲載されていた。
4 概況
6月28日、検査担当社員は当該車両を点検中、保安装置(ATS,EBなど)が動作した際、ブレーキを動作させるための配管に取り付けられているコックが「閉(へい)」となっている事を認めました。
調査の結果、同装置が動作した際、自動的にブレーキが動作しない状態で走行していたことが判明しました。
※注釈:ATSとは、信号が赤信号であるにもかかわらず、運転士が適切なブレーキ操作をしなかった場合、自動的に列車を止める装置です。
※注釈:EBとは、1分間以上運転士が運転機器を全く操作しないと警報ブザーが鳴動し、運転士が5秒以内に運転機器を操作しない場合に、自動的に列車止める装置です。
※注釈:この事象によるお客様のおけがはありません。
5 原因
当該コックを「開(かい)」とする作業を失念したため
です。
出典
『非常時に自動でブレーキが動作しない状況での走行について』
https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/06/page_12602.html
(ブログ者コメント)
「誤ったチェックリストをもとに点検した」ことが原因だったのか?
それとも、「作業を失念した」ことが原因だったのか?
そのどちらかによって、ミスの意味あいが大きく違ってくると思うのだが・・・。
2018年6月18日0時32分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後1時56分ごろ、宮城県内の仙台~古川間を走行中の下りの東北新幹線で一時的な停電が起き、非常ブレーキが作動した。
列車は立ち往生が続き、乗客約800人は、上り線路を使って横付けされた救援用車両に乗り移り、約3時間後に仙台駅に戻った。
この影響で、東北、秋田、山形各新幹線は6時間近くにわたって全線が上下線ともストップ。
午後7時40分ごろに運転再開した後も、ダイヤの乱れが続いた。
JR東日本によると、停電が起きたのは、東京発新函館北斗・秋田行き「はやぶさ・こまち21号」(17両編成)。
電気はすぐに復旧したが、自動的に作動した非常ブレーキが緩まない状態が続いたため、運転を再開できなかったという。
同社が車両を点検したところ、車体屋根のパンタグラフ下部に何かがぶつかってショートした痕跡があり、これが停電の原因になったとみられる。
また、停電が起きた場所付近では、鳥の死骸が見つかった。
この事故により、上越、北陸新幹線を含め計25本が運休したほか、154本に遅れが出て、計約15万人に影響したという。
はやぶさ21号に乗っていた青森県むつ市の男性(75)によると、仙台駅を出てまもなく列車が止まり、「電気系統の故障のため、緊急停車しました」、「点検のため停電します」とアナウンスが流れた。
「車内が暗かったので不安だった。みんな静かに待っていた」。
仙台駅に戻った後、臨時列車に乗り込んだ男性は、「午後一番に帰ろうと思ったのに」と疲れた様子だった。
出典
『東北新幹線、6時間近く全線不通 鳥衝突が停電の原因か』
https://www.asahi.com/articles/ASL6K54Z9L6KUTIL01F.html?iref=com_rnavi_arank_nr03
(ブログ者コメント)
非常ブレーキの作動確認など、定期的に行っていると思うのだが、なぜ緩まない状態が続いたのだろうか?
2018年6月17日17時50分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後1時40分ごろ、兵庫県伊丹市のJR宝塚線猪名寺~伊丹間で、一部の信号が赤から変わらなくなった。
大阪総合指令所の指令員がモニターで確認。
近くを走っていた新三田発高槻行き普通電車が40~50分ほど停車した。
JR西によると、伊丹駅の約100m南に設置された信号近くで線路上に数gの鉄粉があり、誤って電車通過と認識したとみられる。
鉄粉を取り除き、午後3時ごろに通常速度の運転を再開。
上下21本が運休し、計11本が最大84分遅れ、約7100人に影響した。
同社は、なぜ鉄粉があったのかを調べる。
出典
『線路上に鉄粉、信号誤作動 JR宝塚線で運行乱れ』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201806/0011362705.shtml
(ブログ者コメント)
鉄粉があった理由はともかくとして、数gの鉄粉でも感知した、その精度に驚いたので、参考までに紹介する。
2018年6月15日0時45分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後2時11分ごろ、北九州市の小倉駅を発車した博多発東京行きの東海道・山陽新幹線のぞみ176号の先頭車両のボンネットに割れがあるのを、同駅ですれ違った別の新幹線の運転士が発見した。
JR西によると、山口県下関市の新下関駅で臨時停車し、緊急点検を実施。
破損部分から人体の一部が見つかった。
博多~小倉駅間で人と接触したという。
警察によると、北九州市八幡西区の線路上で、体の一部が複数見つかった。
この影響で、博多~広島駅間の上下線は17日の運転を取りやめた。
九州新幹線にも影響が出た。
新幹線の乗客にけが人はいなかったという。
出典
『新幹線ボンネット割れる 博多―小倉間で人と接触』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3176356014062018AC8000/
6月15日12時11分に朝日新聞からは、運転士は小動物とぶつかったと思ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同じ朝日新聞から6月15日18時44分にも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
運転士は、衝突音を聞いた後、総合指令所から破損による停止を求められるまで、指令所に異音を報告しなかったことが、JR西への取材で分かった。
同社福岡支社は、「安全上、速やかに報告すべきだった」との認識を示した。
JR西によると、運転士は博多~小倉間を走行中、「ドン」という衝突音を聞いた。
だが、「駅間に人が立ち入ることはなく、小動物とぶつかったと思った。以前も大きなトラブルになっていないので、今回も大丈夫だと思った」と、報告すべきだと判断しなかったという。
昨年12月には、のぞみ34号の乗務員が異音に気付きながら、台車に入った破断寸前の亀裂を発見するのが遅れる事案があった。
同社が2月に公表した「安全考動(こうどう)計画」では、異常を感じたり安全が確認できなかったりした場合は迷わず列車を止め、結果的に異常がなくても安全を最優先にすることを全社員で共有するとしていた。
山陽新幹線では、異音などによる停止が今年1月~4月17日に18件あり、昨年4~12月の1件から大幅に増えていた。
しかし今回、運転士は異音の報告をせず、すれ違った別の列車の運転士がのぞみ176号の破損に気づいて総合指令所に報告し、指令所が停止を指示した。
福岡支社の担当者は、取材に「運転士が報告項目に当てはまらないと独自に判断した。反省すべき点だ」と話した。
出典
『衝突音「小動物と思った」指令所に報告せず 山陽新幹線』
https://www.asahi.com/articles/ASL6H2FQ1L6HTIPE00D.html
https://www.asahi.com/articles/ASL6H6284L6HPTIL04B.html
6月16日0時29分に毎日新聞からは、衝突後に停車した小倉駅の駅員も血痕などに気付いたが鳥だと思ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
前掲の6月15日18時44分発信の朝日新聞にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
運転士は、衝撃音を聞いた時は前面のモニター装置を見ていたという。
一方、小倉駅の駅員は、ホーム中央付近でのぞみが入ってくるのを確認。
同社の聞き取りに対し、「先頭車両に血のりがあり、鳥と衝突した跡だと思った。少しひびが入っているように見えた」と説明、運転に支障はないと考えたという。
駅員が指令所に連絡したのは、小倉駅を出発後、指令が臨時停車を命じた後だった。
15日に大阪市の本社で記者会見した平野副社長は、「運転士はマニュアルを失念か誤解していた。駅員も直ちに指令所に伝えていれば、早い段階で次の行動を引き出せた」と述べた。
同社によると、事故は、北九州市八幡西区の石坂トンネルから西に約600m離れた高架橋で発生。
点検用のはしごを上り、線路内に侵入した形跡があるという。
福岡県警は15日、遺体の身元について、同県直方市の男性介護士(52)であることを明らかにした。
自殺の可能性が高いとみている。
連結器カバーは炭素繊維強化プラスチック製で、縦70cm、横35cm、奥行き45cmにわたって損傷。
一部は線路に落ちたが、後続車両が粉砕したとみられ、脱線の危険性はないという。
【日本大生産工学部の綱島均教授(鉄道工学)の話】
新幹線の先端には、軽量で強度が強く、加工しやすい素材が使われている。
今回のような破損状態ならば、走行自体に問題はなく、脱線の危険性も極めて低い。
一方、剥がれた破片が風圧で巻き上げられ、人や架線などにぶつかる問題は起こり得る。
小動物だと思ったとしても、念のための情報共有を怠らず、外観のチェックなどで安全確保につなげることが重要だ。
【安部誠治・関西大社会安全学部長(交通政策論)の話】
今回は明らかに、小倉駅で運行を止めて点検すべき事案。
運転士や駅員のヒューマンエラーがなぜ起こったのか、最優先で要因を調べるべきだ。
会社の安全方針が現場まで浸透していないのならば、すぐに対処しなければならない。
出典
『のぞみ事故 ひび認識、停車させず JR西が謝罪』
https://mainichi.jp/articles/20180616/k00/00m/040/106000c
2018年6月6日19時40分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は6日、安全管理体制について第三者機関から受けた評価結果を公表した。
報告書は「現場からの気がかり報告に対して適切に対処する」など、8項目で改善を求めた。
「安全マネジメントの仕組みの基礎を完成させる道筋は見えてきた」と、取り組み全体を評価しながらも、組織風土の改善に初めて言及した。
尼崎JR脱線事故の遺族らでつくる「安全フォローアップ会議」の提言で実現し、3回目。
神戸市中央区に日本法人のあるノルウェーの評価機関が2017年5月末から約1年間、国交省のガイドラインに基づき調べた。
8項目のうち、安全管理体制の整備や有効性向上の分野で、3項目が該当した。
経営層の安全に対する取り組み姿勢を人事評価に盛り込むことや、人事異動のたびに社員の技量や方向性が変わらないよう、仕組みを構築することを求めた。
調査中、書類の提出遅れや一般社員の聞き取り中に上司が同席したケースなどにも触れ、「過度な組織防衛的、権威勾配的風土の改善に取り組むことが必要」と指摘した。
緒方副社長は、「多くの気付きをいただいた。スピーディーに是正したい」と述べた。
一方、駅業務の現場間でメールマガジンを共有する活動など、6項目が評価され、前年度に指摘された16項目のうち、6項目は改善が「完了」とされた。
出典
『JR西の安全管理 8項目で要改善 第三者機関が評価』
https://kobe-np.co.jp/news/sougou/201806/0011330065.shtml
6月6日22時5分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書は、社員が内部監査を受けた際、事前にレクチャーを受けていた可能性や、上司が同席するケースがあったと指摘。
「過度に組織防衛的で、安全最優先の姿勢に負の影響を及ぼしかねない」などとして、組織風土の改善を求めた。
出典
『組織風土など8項目で「要改善」 JR西の安全管理体制、第三者評価報告書』
https://www.sankei.com/smp/west/news/180606/wst1806060101-s1.html
6月6日22時55分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3回目の今回は、委託先の外資系認証機関の日本法人が昨年5月~今年5月、JR西の安全管理体制の内部監査に同行して評価した。
期間中の昨年12月、新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかったが、新幹線管理本部の内部監査は、今回の対象に含まれていないという。
評価報告書は、組織風土について「(監査に)ありのままを答えようとせず、可能な限り指摘を避ける」、「情報や資料をできるだけ開示しない」などの姿勢が見られたと指摘。
「現場からの報告への適切な対処」、「経営層の安全への姿勢が厳しく評価される仕組み」など、7項目で「改善が望まれる」とした。
出典
『JR西の安全管理体制「過度に組織防衛的」外部評価公表』
https://www.asahi.com/articles/ASL664CQ4L66PTIL00D.html
※以下はJR西のHPに掲載されている記事の序文。
鉄道の安全を向上させていくためには、安全管理体制が有効に機能しているかを定期的に確認し、必要により改善していくことが大切です。
その確認の機能として、「安全管理体制監査」を実施しておりましたが、一般的に内部であるがゆえの課題がありました。
その課題への対処として、社外の第三者機関である「DNV GLビジネス・アシュアランス・ジャパン」による安全管理体制の評価を2015年度から導入しました。
「第三者評価」を導入した目的は、客観的な評価、安全マネジメントシステムに関する専門的なアドバイスを受けることで、より有効な安全管理体制に向けた仕組みの構築と運用について、さらにレベルアップを図るためです。
・・・・・
https://www.westjr.co.jp/safety/report_safety/
2018年5月30日17時32分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月30日15時23分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前8時半ごろ、千葉県勝浦市浜行川のJR外房線行川アイランド~上総興津間の全長約510mのトンネル内で、走行中の安房鴨川発千葉行き普通電車(6両編成)の窓から同市の漁師の男性(19)が転落し、右脚の骨を折るなどの重傷を負った。
警察によると、男性は当時、窓を全開にして窓枠に腰を掛けていた。
下半身は車内、上半身を車外に出した状態だったという。
警察によると、男性は「車内が暑かった」と理由を説明。
バランスを崩して落ちたとみて調べる。
男性は友人と2人で遊びに行く途中で、友人が警察に通報。
男性は出口から約100mの地点で地面に落下。
線路脇に倒れており、病院に搬送された。
JR東日本によると、事故の影響で、上下線の一部区間に運休が出たほか、最大約100分の遅れが生じ、約500人の足に影響が出た。
出典
『JR外房線 「暑かった」電車の窓から19歳転落し重傷』
https://mainichi.jp/articles/20180531/k00/00m/040/020000c
『列車の窓から転落、漁師の少年重傷 「電車の中が暑かった」 JR外房線のトンネル内』
http://www.sankei.com/affairs/news/180530/afr1805300011-n1.html
(ブログ者コメント)
まさか今の時代に、このような事故が起きるとは・・・。
想定外も想定外・・・の事例として紹介する。
2018年5月21日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前7時25分ごろ、仙台市青葉区のJR仙台駅東北線下りホームで、列車の屋根から煙が出ていると駅員から119番通報があった。
市消防局などが、一時、ホームを閉鎖し、現場を確認。
東北線と仙石東北ラインの上下線計7本が運休となり、約1500人に影響した。
警察によると、1番線ホームに停車中の仙台発利府行き(6両編成)から破裂音がし、先頭から3両目の屋根の計器用変圧器が破片となって焼け落ちていた。
消火作業前に鎮火し、乗客30人や運転士らにけがはなかった。
JR東日本仙台支社によると、同日午前7時20分ごろに東北線長町~東仙台駅間で、一時、停電が発生。
列車火災の影響とみられ、JRなどが原因を調べている。
火災発生直後、仙台駅は在来線のほとんどの運転を一時、見合わせ、改札周辺は再開を待つ人であふれた。
宮城野区の病院職員の女性(52)は、「常磐線に乗って山下駅に行き、友人と待ち合わせて食事に出掛ける予定だった。乗れないなら、キャンセルしなければならない」と不安を募らせた。
仙台駅には消防車など16台が出動。
東松島市の自宅に向かう途中だった病院職員の男性(53)は、「ホームも閉鎖されるなんて物々しい」と話した。
出典
『JR仙台駅で列車屋根から煙 東北線ホーム閉鎖、7本運休』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180521_13011.html
5月20日12時13分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察やJR東によると、車両は1番線に停車していた東北線仙台発利府行き普通列車(6両編成)。
「バーン」という破裂音を聞いた運転士が、3両目上部から白煙が出ているのを確認した。
ホームや線路上には、変圧器の破片が散らばっていたという。
出典
『JR仙台駅で列車から出火 けが人なし』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3074063020052018000000/
2018年5月16日21時11分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後5時前、春日市の春日原駅で、西鉄福岡・天神駅行きの4両編成の普通電車がドアの1つが開いたまま発車したのをホームにいた乗客が気づき、この電車の車掌に伝えた。
車掌が確認したところ、前から3両目の車両の、片側に3つあるドアのうち左側の1つが完全に閉まらず、幅40cmほど開いていたという。
車掌は、ドアに近づかないよう周囲の乗客に呼びかけたものの、電車はおよそ1.5km先にある隣の雑餉隈駅まで、およそ4分間、そのまま走り続けたという。
ドアが開いた車両に乗っていたおよそ70人に、けがはなかった。
西鉄によると、ドアを開閉させる装置とドアをつなぐ金具が外れていたということで、運輸安全委員会は、事故につながりかねない重大インシデントにあたるとして調査を進めている。
運輸安全委員会の長田・統括鉄道事故調査官は、「きょうは関係者から聞き取りを行い、どのような異常が起きたのかや、どのような確認を行ったのかを把握した。あすは車両について調査したい」と話している。
出典
『ドア開け走行の西鉄を調査官調査』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20180516/0000831.html
5月16日1時8分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本鉄道は15日、西鉄天神大牟田線の大善寺発、西鉄福岡行き普通列車(4両編成)が、春日原(かすがばる)駅(福岡県春日市)から雑餉隈(ざっしょのくま)駅(福岡県博多区)までの約1.5kmを約4分間、一部の扉が開いた状態で走行したと発表した。
時速は最大60kmだった。
扉が開いた車両の乗客約70人にけがはなかった。
扉が閉じなかった原因は調査中という。
西鉄によると、普通列車は15日午後4時50分ごろ、春日原駅を発車。
直後にホームの客が「扉が開いている」と男性車掌(23)に教えた。
車掌は走行中に3両目へ移動し、扉が約40cm開いていることを確認。
緊急停止ボタンで停車させるという内規を守らず、周囲の客に注意喚起しただけで、指令所に報告した。
雑餉隈駅で停車中に扉を施錠して発車したが、次の井尻駅(福岡県南区)で念のため全員を降ろし、運休したという。
出典
『西鉄列車、ドア開いたまま4分間走行 緊急停車させず』
https://www.asahi.com/articles/ASL5H7JC3L5HTIPE03K.html
5月18日5時5分に朝日新聞からは、片面のドアが2駅間で全開状態だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西鉄は17日、扉はさらに1駅手前の白木原(しらきばる)駅(福岡県大野城市)から雑餉隈(ざっしょのくま)駅(福岡市博多区)まで、2駅(約2.8km)間で開いたままだったと発表した。
乗客がインスタグラムに投稿した動画を社員が見つけ、発覚したという。
西鉄によると、列車は大善寺発西鉄福岡(天神)行きの上り普通列車(4両)で、15日午後4時47分に白木原駅を出発した。
約3分後、次の春日原(かすがばる)駅(福岡県春日市)を出発する際、車掌がホームの客から、3両目の扉1カ所が開いていることを指摘された。
車掌は、車内から扉が開いていることを確認したが、次の雑餉隈駅まで約4分間、最高時速60kmで走行した。
当初、扉の開き幅は車掌の目視から40cmと発表したが、動画を元に約65cm、両開き扉の左側が全開だったと確認した。
車両は1987年製。
最後に扉を詳しく検査した2016年9月時点で異常はなかったが、事故後の西鉄の調査では、扉の上にある開閉装置と扉をつなぐ金具が外れていた。
出典
『西鉄のドア、実は2駅間で開いたまま 投稿動画で発覚』
https://www.asahi.com/articles/ASL5K6F3NL5KTIPE027.html
2018年5月14日16時45分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月14日18時29分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
小田急電鉄は14日、神奈川県伊勢原市の小田急小田原線の線路脇で4月30日、盛り土が陥没したトラブルは、線路下を横断する市の汚水管が破断し、土砂約4.5トンが流れ込んだことが原因と発表した。
破断した直接の原因は不明。
市は下水管のバイパス工事を行い、小田急が穴を埋め戻したという。
小田急によると、汚水管が水平方向に9cm破断し、上下に10cmずれ、隙間に土砂が徐々に流入したとみられる。
この汚水管は、約10m離れた線路下でも亀裂が見つかったため、影響を詳しく調べるほか、全線の線路下を通る配管約1200カ所も目視で点検する。
陥没は4月30日午前10時35分ごろ、点検中の係員が気付き、小田原線の一部区間で一時、運転を見合わせ、新宿(東京)と箱根湯本(神奈川)などを結ぶ特急ロマンスカーが同日夜まで運休した。
ゴールデンウイークを利用した観光客ら、約3万5千人に影響した。
出典
『線路下の汚水管破断が原因 小田急陥没トラブル』
http://www.sankei.com/affairs/news/180514/afr1805140020-n1.html
『小田急線の線路脇陥没、下水管の破断が原因』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3369288.html
5月14日18時21分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小田急電鉄は14日、同市が線路下に敷設した汚水管の破損が原因だったと発表した。
小田急電鉄は、沿線に埋められた上下水道や電気・ガスの配管についても、今月中に緊急点検するという。
小田急電鉄や市が調べたところ、陥没は上り線の線路脇で幅1m、深さ4.5mにわたり発生しており、陥没現場の真下にある汚水管で最大約9cmの亀裂が発見された。
市によると、汚水管は直径70cmのコンクリート製で、1991年度に地下約5mに敷設した。
また、陥没は起きていないが、下り線側の地下でも、管に最大約9cmの亀裂が見つかったという。
小田急電鉄などは、今後、この亀裂の付近の状況についても詳しく調査する。
出典
『小田急線の線路脇陥没、汚水管の破損が原因』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180514-OYT1T50066.html?from=ycont_top_txt
5月14日18時9分にNHK神奈川からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小田急電鉄などが陥没の原因を調べた結果、線路の地下4m余りに敷設された下水管が破損し、およそ4.5トン分の土砂が流出して起きたことがわかった。
この下水管は鉄筋コンクリート製で、設置してから27年がたっていたが、管理する伊勢原市によると、耐用年数は50年とされていたという。
出典
『小田急線路脇の陥没は下水管破損』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20180514/1050002550.html
5月15日8時0分にYAHOOニュース(神奈川新聞)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
汚水管は1991年に、市の委託で小田急電鉄が設計・設置した。
耐用年数は約50年で、老朽化はしていないという。
事故後、管はつぶれないようにモルタルを流し込み、バイパス管を設けたため、現在は汚水は流れていない。
この事故を受け国交省は、全国の自治体に6月末までに目視で点検し、報告するよう通知を出した。
出典
『線路脇陥没、原因は下水管破談 伊勢原の小田急』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180515-00025845-kana-l14
2018年5月12日18時5分にmBS NEWSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本の豪華寝台列車「瑞風」で、食器洗いに使用されていた水から大腸菌などが検出され、12日の運行を中止した。
JR西日本によると、年に1度行われる定期検査で、「瑞風」のバーなどがあるラウンジカーの貯水タンクの水から大腸菌や飲み水としての基準値の約7倍の細菌が検出されたという。
水は、運行前に車両基地内でタンクに給水していて、食器を洗うためだけに使用していた。
今のところ、健康被害は確認されていないという。
これを受け、JR西日本は12日の「瑞風」の運行を取りやめていて、今後は水質の安全が確認され次第、運行を再開する方針。
出典
『豪華寝台列車「瑞風」運休、水質検査で大腸菌』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20180512/GE000000000000022543.shtml
5月12日0時51分に共同通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本によると、年に1度の定期検査で2車両を調べて判明。
宿泊用車両の水は飲用に適していた。
今後、水タンクを搭載している残り6車両も検査する。
出典
『瑞風、水質検査で不適格 JR西の豪華寝台列車』
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250664
5月18日19時11分に毎日新聞からは、運行が再開されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は18日、21日から運行を再開すると発表した。
同社によると、ラウンジカーの5号車にある食器洗浄用の水から大腸菌群などが検出されたことが11日に発覚。
翌日から運休していた。
全てのタンクと配管を洗浄して再検査し、基準を満たしていることが確認された。
ただ、詳しい汚染の原因は不明だという。
出典
『豪華寝台列車 「瑞風」21日から運行再開』
https://mainichi.jp/articles/20180519/k00/00m/040/060000c
(ブログ者コメント)
年1回の検査頻度が妥当かどうか調べたところ、マンションなどの飲料用貯水タンクでも、検査は年に1回以上とのことだった。
瑞風では、食器洗い水は飲料用に準じるものとして衛生管理しているということかもしれない。
以下は、埼玉県HPに掲載されている、マンションなどでの受水槽管理方法(抜粋)。ご参考まで。
ビル、マンション、学校等に設けられた受水槽(タンク)などの給水装置は、「簡易専用水道」として水道法の適用を受けるものがあります。
「簡易専用水道」の設置者は、常に安全で衛生的な飲み水を確保するために正しい管理を行って、定期的に検査を受けなければなりません。
【簡易専用水道とは】
・市町村や水道企業団などの水道事業者から受ける水のみを水源とし
・その水を一旦受水槽に貯めた後、建物に飲み水として供給する施設で
・受水槽の有効容量の合計が10立方メートルを超えるもの
(1)受水槽から先の部分が簡易専用水道
受水槽の容量が10立方メートルを超えても、
・まったく飲み水として使用しない場合(工業用水、消防用水などとして利用する)
・地下水(井戸水)を汲んで受水槽に貯めている場合は、
簡易専用水道ではありません。
※ただし、地下水を汲んで受水槽に貯めて、飲料水として給水しているような施設は、「専用水道」、「自家用水道」として別の規制を受ける場合があります。
【管理方法】
簡易専用水道の設置者は、次の事項の管理を行ってください。設置者自ら管理を行わない場合は、実際に管理をする人を決め、適切な管理を行ってください。
(1)水槽(受水槽、高置水槽)の清掃
・1年以内ごとに1回必ず行わなければなりません。(水道法施行規則第55条)
・掃除は、専門的な知識、技能を有する者に行わせるのが望ましいとされています。
水道法に定められた定期的な検査
設置者は、1年以内ごとに1回、厚生労働大臣の登録を受けた簡易専用水道検査機に依頼して、簡易専用水道の管理について必ず検査を受けなければなりません。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0706/suidou/kansensui.html
2018年4月26日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8282/
(2018年5月16日 修正1 ;追記)
2018年5月10日付で河北新報から、線路わきの側溝が2~3cm沈下しケーブルが損傷したことが原因らしいという下記趣旨の記事が、模式図付きでネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
市交通局は9日、送電ケーブルの火災があった八乙女~黒松間の南行きの線路脇で、側溝の沈下が確認されたと明らかにした。
側溝の下を通るケーブルが損傷し、漏電が起きた可能性があるという。
推測される事故原因は図の通り。
八乙女変電所からの2本のケーブルは金属製の電線管に包まれ、北行き側から線路や側溝の下を通り、電柱に付設されて地上で架線に接続する。
側溝の沈下は2、3cm程度。
電柱が立つコンクリート擁壁と側溝の間にも1cm弱の隙間が見つかった。
側溝には、何かが燃えた痕とみられるすすがあった。
監視カメラによると、送電が止まった午後5時15分ごろ、電柱の2カ所で発火し、側溝から煙が上がった。
当初、電線管を金属バンドで電柱に固定した部分がケーブルの老朽化で漏電し、発火したとみられたが、焼けたのは電線管と金属バンドだけで、ケーブルに目立った損傷はなかった。
市交通局は、側溝が沈下した影響で地下ケーブルが押しつぶされたか、老朽化していて漏電が発生し、高圧の電流が電線管に流れ、金属バンドで固定した部分などが焼けたと推測する。
詳しい原因究明のため、9、10両日の営業運転終了後、消防と合同で側溝周辺を掘削し、地下ケーブルの損傷状況を確認する。
出典
『<仙台南北線停電>ケーブル損傷し漏電か 側溝の沈下確認』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180510_13029.html
同じ5月10日付の河北新報からは、下記趣旨の解説的記事もネット配信されていた。
市交通局によると、現場は黒松トンネルを八乙女方面に出て高架に差し掛かる区間。
斜面に盛り土をしてコンクリートの擁壁で土留めをし、線路を敷設した。
こうした場所に電柱が立つのは、南北線、東西線で、この1カ所だけ。
送電ケーブルが線路や側溝の下を通り、電柱に付設されて架線とつながる。
事故前に盛り土が沈下、側溝も沈んだとみられるが、現時点で原因は不明。
現場付近では、東日本大震災後、地震の揺れでレールの高さが8mm低くなったことが分かり、全線復旧前に補修工事を行っている。
市交通局は、側溝が地下ケーブルを押しつぶした可能性があると推測。
4月25日の現地調査で地下ケーブルを撤去しようとしたが、3トンの力をかけても引き抜けなかったという。
市交通局は9日、幹部職員による高速鉄道事故等調査委員会を設置。
事故調の委員長を務める森研一郎交通局理事は、「発火したのは地上だったが、ケーブルに損傷はなく、地下のどこかで漏電した仮説が成り立つ」と語った。
事故調は鉄道電力の専門家をオブザーバーに招き、助言を求める。
出典
『<仙台南北線停電>あすまでケーブル調査、原因究明へ』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180510_13020.html
(2018年5月20日 修正2 ;追記)
2018年5月19日付で河北新報から、漏電した経緯などについて、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
市交通局は18日、八乙女~黒松間で線路脇の側溝が沈み、地下の送電ケーブルが異常に変形して損傷、漏電が起きたことが原因と断定したと発表した。
再発防止に向け、事故現場のケーブルは地上を通すなど、配線を見直す。
市交通局によると、事故原因は図の通り。
当初2、3cmとみられた側溝の沈下は、現地調査で6cm程度と判明した。
直径3.9cmのケーブルに下方向の力が加わり、側溝と擁壁の接続部分で損傷、漏電した。
回収したケーブルを検証したところ、上側につぶれた跡があり、黒く焼け焦げていた。
樹脂の被覆は破れ、漏電に伴う高熱で溶けた銅線がむき出しだった。
ケーブルを覆う金属製の電線管も、一部が粉砕していた。
ケーブルの下側は損傷がなかった。
押しつぶされて発熱し、徐々に損傷が進んだのではなく、側溝の重みに耐えられなくなり、一気に折れ曲がって損傷した可能性が高いという。
地下ケーブルから地中に漏れた高圧電流は、レールを伝って広範囲に流れたとみられ、全4カ所の変電所で安全装置(ブレーカー)が作動。
影響が全区間に及んだ。
市交通局は、今後、鉄道電気設備の専門家にも意見を求め、側溝が沈下した理由などを調べ、事故調査委員会で改善策を検討する。
当初、ケーブルの老朽化が指摘された経緯もあり、メーカーに調査を依頼する。
出典
『<仙台地下鉄南北線停止>送電ケーブル損傷、漏電と断定 配線見直しへ』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201805/20180519_13009.html
5月19日7時4分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
現場は、線路の地下を横断してケーブルが埋設され、線路脇のコンクリート製の側溝の下部を貫いて電柱に接続される構造。
側溝の沈下によりケーブルが押しつぶされ、ある時点でさらに損傷し、漏電した可能性が高いという。
市交通局は、側溝の沈下の原因について現地調査を進めるが、「東日本大震災の地震の影響も可能性としてある」としている。
損傷したケーブルは昭和61年に設置。
市交通局は、漏電の複合的な要因として考えられるケーブルの老朽化の可能性について、メーカーに調査を依頼する。
出典
『4月の仙台・地下鉄南北線停電はケーブル損傷による漏電が原因』
https://www.sankei.com/region/news/180519/rgn1805190022-n1.html
2018年5月3日6時30分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鉄道の電化方式の種類は直流と交流に分かれ、またがって列車が運行する場合は、車両の電気方式を切り替える必要がある。
このような区間は、JRでは北陸線敦賀~南今庄(福井)など全国に7つ。
切り替えの手順は、境界に「デッドセクション」という架線に電気を流さない区間を設定し、列車が惰性で走る間に運転士が電気方式をスイッチで変えるというもの。
一瞬とはいえ、電気が通っていないため、国鉄時代の車両などは車内の照明が消え、驚く乗客も見られた。
【鳴り響く自動音声】
JR西の北陸線を走る普通電車521系。
福井側から長い北陸トンネルを抜けると、敦賀駅(福井)は目前だ。
すると、運転席に自動音声が繰り返し鳴り響く。
「間もなく交直切り替え」。
同線の上り線は、トンネルを出た直後の地点で、電化方式が交流から直流に変わるのだ。
切り替えは、架線に給電されていない数10mあるデッドセクションを惰行で通り抜けるときに運転士が行う。
その注意喚起のアナウンスだ。
切り替えずに直流区間に突入すると、車両故障につながる。
また、デッドセクションの途中で列車が停止してしまうと、電気の供給が受けられずに立ち往生する。
実際、過去にこのような事故は発生している。
敦賀駅に向かっては、下り勾配とはいえ、長さ13kmを超える長大トンネルの暗闇の中を運行し、出てすぐにデッドセクションを通るのは、運転士にとっては緊張の連続だろう。
その後、運転席の自動音声は「交直切り替え確認」に変わり、列車はスムーズにデッドセクションをクリア。
やがて、敦賀駅到着を告げる車内放送が流れた。
【動く切り替え境界】
日本の鉄道は、車両が比較的安く製造できる直流と、変電所などの初期投資が抑えられる交流に分かれている。
運行数が多い首都圏や関西圏は直流で電化されている一方、本数が少ない北陸、東北などは交流だ。
北陸線は昭和32(1957)年、敦賀~田村(滋賀)間で、日本主要幹線としては初めて交流電化された。
「交直切り替え」の歴史は紆余曲折をたどってきた。
当時、直流電化されていた東海道線の米原(同)と田村の間は非電化で残されたため、この区間の列車は蒸気機関車、ディーゼル機関車が牽引した。
田村駅が現在も広い構内を持つのは、機関車の待避線などが設けられた名残りだ。
37年にようやく米原~田村が直流電化され、田村の米原寄りに初めてデッドセクションが設けられた。
そして面白いことに、このデッドセクションは徐々に北上していく。
平成3年に新快速を長浜(滋賀)まで乗り入れるため、交流だった田村~長浜間を直流に変えたため、デッドセクションは長浜~虎姫(同)間へ。
さらに新快速延伸のため、18年に敦賀まで直流化。
敦賀以北は交流電化で、デッドセクションは敦賀寄りの北陸トンネル出入り口に移動した。
【3セクに移行】
平成35(2023)年春に予定されている北陸新幹線の敦賀延伸が実現すれば、並行する敦賀~金沢間は第3セクターへ移行するため、敦賀付近のデッドセクションは、その3セク区間となる。
また、交直切り替えで唯一、架線に流す電気を切り替え、パンタグラフの上げ下げで対応する方式が東北線の黒磯駅(栃木)に一部存在したが、ことし1月に廃止され、敦賀などと同じタイプに統一された。
運用が複雑な上、保守にも経費がかかるためという。
古い国鉄型の車両では、デッドセクションを通過する際、車内は非常灯だけになったものだが、新型車両は蓄えた電気で消えない。
乗客にとってはあまり関係ない存在になった交直切り替え。
しかし、運転士はきょうも緊張しながら、デッドセクションに突入する。
出典
『デッドセクションを切り抜けろ―列車運転士、緊張の一瞬「交直切り替え」JRに7カ所』
http://www.sankei.com/west/news/180503/wst1805030005-n1.html
(ブログ者コメント)
「デッドセクション」と同じような名称で「エアセクション」という区間もある。
本ブログで何件か紹介しているのは「エアセクション」におけるトラブル。
「デッドセクション」におけるトラブルは、一昨年の筑紫野市架線トラブルのみ紹介。
2018年5月4日19時0分に日テレNEWS24から、現場の映像やイメージ図付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後7時過ぎ、この踏切内で山梨市に住むSさん(女性、85歳)が、下りの「特急あずさ」にはねられ死亡した。
現場は山梨市駅と春日居町駅の間、住宅地にある「赤斐山踏切」で、線路を渡りきるまでの距離は約10m。
Sさんは「シニアカー」と呼ばれる4輪の電動車いすを使用していたという。
なぜ、事故は起きたのだろうか?
警察によると、電動車いすで踏切を渡ろうとしたSさんは、特急列車が接近していることに気付いたのか、車いすの後ろ側に立ち、列車に手を振る。
それに気付いた列車の運転士がブレーキをかけるが間に合わず、列車にはねられたという。
畑作業から1人で自宅に帰る途中だったSさん。
ほぼ即死状態だった。
警察は、何らかの理由で電動車いすが線路上で立ち往生した可能性があるとみている。
【今年1月にも兵庫で同様の事故が…】
踏切内での電動車いすの事故は今年1月にも。
事故の目撃者「(電車と衝突して)ぼーんといって、(電動車いすが)ガラガラガラといって、そこでストップしたんです」
兵庫県高砂市にある踏切内で、電動車いすに乗っていた高齢の女性が普通列車にはねられ死亡した。
【相次ぐ事故について、専門家は・・・】
鉄道に詳しいライトレール・阿部等さん
「車いすのタイヤがレールの溝にはまって動けなくなってしまったとか、故障して動けなくなってしまったとか。障害物検知装置は車をターゲットにして開発しているので、車いすでは検知できないケースがあります」
JR東日本によると、今回の事故で列車の乗客400人にけがはなかった。
また、非常停止ボタンは押されていなかったということで、警察が事故の詳しい状況を調べている。
出典
『踏切で車いす女性はねられ死亡 同様事故も』
http://www.news24.jp/articles/2018/05/04/07392277.html
5月4日18時55分にテレビ山梨からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
踏切りは幅約2m、全長約10mで、警報機と遮断機は正常に動いていた。
捜査関係者によると、現場検証の結果、踏切内には車いすが脱輪したような目立った跡は見当たらなかったという。
また特急の運転士は、「車椅子の後ろで手を振る女性が見え、ブレーキをかけたが間に合わなかった」、「車いすが何かにはまっている様子は見受けられなかった」と話している。
一方、踏切内の障害物を自動的に検知して600m手前で運転士に知らせる装置は、事故当時は作動しなかったこともわかった。
出典
『山梨踏切り事故・障害物検知装置作動せず』
http://www.uty.co.jp/news/20180504/4143/
5月3日23時0分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転士は「女性が手を振って合図を送ってくるのが見え、ブレーキをかけたが、間に合わなかった。女性は車いすを後ろから押そうとしていたようだ」と話しているという。
出典
『踏切で手を振り合図の車いす女性、はねられ死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180503-OYT1T50093.html
(ブログ者コメント)
障害物センサーがシニアカーを感知しなかった例は、踏切以外でも起きている。
2017年4月4日掲載
『[昔の事例] 2016年9月 東京都武蔵野市で車庫からシニアカーで道路に出ようとした住人が下りてきた電動シャッターに挟まれて大けが、センサービーム2本ともに隙間をすり抜けていた』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6958/
2018年4月25日付で読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午前7時45分頃、近鉄南大阪線矢田(大阪市東住吉区)~河内天美(大阪府松原市)間の大和川にかかる橋(197m)に設置されたセンサーが異常を感知した。
近鉄は徐行運転を続けていたが、約25分後、橋を通過した列車の乗務員が揺れを感じたため、同8時10分頃、大阪阿部野橋~河内天美間で運転を見合わせた。
近鉄によると、橋上のレールにゆがみが確認された。
現在、橋では9本ある橋脚のうち1本を補修工事中で、センサーはその傾きを検知するために設置されていた。
近鉄が原因を調べている。
25日中の運転再開は困難といい、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)やJR、南海で振り替え輸送を実施している。
南大阪線は大阪阿部野橋(大阪市阿倍野区)と橿原神宮前(奈良県橿原市)を結ぶ約40km。
駅は28あり、1日の利用客は約16万人に上る。
通勤時間に重なり、大阪阿部野橋駅は利用客らでごった返した。
出典
『線路にゆがみを確認、近鉄南大阪線が部分運休』
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20180425-OYO1T50008.html
4月26日9時17分に毎日新聞からは、原因などに関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「大和川橋梁」上の線路がゆがんだトラブルで、近鉄は25日、雨で川が増水し、橋脚下の川底が削られて傾いたことが原因とみられると発表した。
同日午前から大阪阿部野橋~河内天美駅間の上下線で運転を見合わせているが、再開のめどは立っておらず、影響人員は、この日だけで約16万2000人に達する見通し。
近鉄によると、橋脚は9本あり、矢田駅側から4本目の橋脚上部が上流側に7.8cm傾き、線路も上流側に最大で2.4cmずれていた。
3本目が昨年10月の台風21号で川底が削られて約2cm傾き、この2本の補強工事を実施している最中だった。
25日午前6時半ごろ、橋脚に設置した計測器が約8mmの傾きを検知したと、工事会社から近鉄に連絡があった。
その後、工事会社から線路がゆがんでいるとの報告があり、同7時44分から橋梁上では徐行運転。
乗り込んだ社員が通常より大きな揺れを感じたため、同8時8分に運転見合わせを決め、JRや南海、大阪メトロによる振り替え輸送を実施した。
近鉄によると、大和川橋梁付近の水位は、雨のない時と比べ、約3m上昇していた。
水位が下がるのを待って対応を検討する方針で、担当者は「水位が下がり、これ以上傾かないように措置をすれば、運転を再開できる」と説明している。
府内では、昨年10月の台風21号で、府南部の男里(おのさと)川にかかる南海本線の橋上の線路がゆがむトラブルが発生。
現場を通過した普通電車が一時脱線するなどして、乗客5人がけがをした。
出典
『近鉄 橋脚、上流側に7.8センチ傾く 南大阪線・大和川』
https://mainichi.jp/articles/20180426/k00/00e/040/210000c
4月25日17時31分に京都新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近鉄は25日、記者会見し、橋脚が上流側に78mmずれていたことを明らかにした。
枕木などがあることからレールのゆがみは24mmにとどまったという。
運転再開のめどは立っておらず、同日は約16万2000人に影響する見込み。
近鉄によると、雨のため水位が24日夜から上昇し、川底が削られた可能性があるという。
橋の強度に問題はなく、水位が下がり次第、原因を調査する。
出典
『近鉄南大阪線橋脚78ミリずれる レールもゆがむ、16万人影響』
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180425000125
(ブログ者コメント)
今回は、たまたま工事用にセンサーが設置されていたため、事なきを得た。
仮にセンサーが設置されていなかったら、どうなっていただろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。