6月18日12時34分に産経新聞westから、事故直後の様子に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「壁が崩れて、女の子が下敷きになった」
大きな揺れが収まった直後、門の前にいた警備員の男性(70)のもとに児童が駆け寄り、こう告げた。
男性は近くの住人らと協力して、何とか塀を持ち上げようとしたが、最初はびくともしなかった。
通りかかったトラックの運転手がジャッキを使って上げようとしたが、それでも上がらなかった。
消防が来て、ようやく救助された女児の周囲には血だまりができ、呼びかけにも応じることができなかったという。
出典
『大阪北部地震 都市直撃、機能マヒ 倒壊ブロック塀、ジャッキでも上がらず女児が犠牲に…』
http://www.sankei.com/west/news/180618/wst1806180060-n1.html
6月18日19時27分に朝日新聞からは、女児はあいさつ当番のため普段より10分早く指定通学ゾーンを歩いていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月18日19時10分と6月19日20時59分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
女児は学校で児童会の代議員を務め、クラスの代表として、11日から2週間の予定で朝の「あいさつ運動」の当番だった。
普段は1年の弟と登校していたが、この日は当番で普段より10分早く1人で登校していた。
歩いていたのは、学校の指導で通学路となっていた「グリーンベルト」と呼ばれる壁沿いの通路だったという。
この通学路は用水路と学校敷地の間を通っており、用水路側は危ないため塀側を歩くように市教委が指導していたことも判明した。
ブロック塀の部分は、開校当時は金網だったが、プールが外から見えないよう、目隠し代わりにブロック塀になったという。
出典
『塀倒壊で死亡の女児、「あいさつ当番」へ1人で登校中』
https://www.asahi.com/articles/ASL6L5QZSL6LPTIL06Z.html
『ブロック塀倒壊で犠牲の女児、普段より10分早く学校へ…あいさつ運動のクラス代表』
http://www.sankei.com/west/news/180618/wst1806180102-n1.html
『複数学校に違法ブロック塀 高槻市、女児死亡で点検』
http://www.sankei.com/west/news/180619/wst1806190107-n1.html
2018年6月18日22時57分に朝日新聞からは、塀は建築基準法違反だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小4女児が下敷きになって死亡した高槻市立寿栄小学校のブロック塀について、同市教委は18日、建築基準法に違反していると認めた。
塀は、地面からの高さが全体で3.5m。
建築基準法施行令では、高さが1.2mを超す塀は、一定の間隔ごとに、強度を高めるための「控え壁」を設置することが定められている。
同小のブロック塀は、控え壁がないことに加え、塀の高さも「2.2m以下」という基準を超えていた。
日本建築学会組積工事運営委員会委員長の川上勝弥・小山工業高専嘱託教授(材料施工)によると、控え壁はつっかい棒の役割があり、ないと耐震性は著しく劣る。
ブロック塀が最ももろいのは、土台との接合部。
ブロック塀の鉄筋を土台まで十分差し込んで定着させるが、プールの水や雨が接合部から染みこむなどして鉄筋がさびることもあるという。
川上さんは、「ブロック塀の土台への定着が十分できていなかった可能性がある」と指摘する。
文科省は、学校の安全対策の中で建物の耐震化などを進めてきたものの、ブロック塀は焦点とされてこなかった。
出典
『崩れたブロック塀、建築基準法に違反 9歳女児死亡』
https://www.asahi.com/articles/ASL6L6VPPL6LPLBJ00S.html
6月19日22時27分に朝日新聞からは、塀は定期点検対象外だった?、鉄筋はつながっていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は、ブロック塀を含む校内の建物について、3年ごとに専門業者に依頼して安全点検を実施。
19日夜に開かれた会見では、2017年1月に実施した定期点検結果の報告書が公表された。
報告書には131項目の内容を記載。
各項目には「指摘なし」「要是正」などの欄があり、それぞれ「○」と「-」印がつけられていた。
倒壊したブロック塀も「-」と記されており、この印の意味に質問が集中。
しかし市側は、「当時の業者の記憶があいまい」などと述べ、昨年の調査結果の内容については明らかにされなかった。
出典
『倒壊した塀の点検結果「業者の記憶があいまい」高槻市長』
https://www.asahi.com/articles/ASL6M621QL6MPTIL052.html
6月21日5時1分に朝日新聞からは、ブロック部分に縦方向の鉄筋が20cmしかなかったという下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
この塀の基礎部分とブロック部分をつなぐ鉄筋の長さが短く、塀の上端まで届いていなかったことがわかった。
文科省の依頼で調べた大阪大大学院の真田靖士准教授(コンクリート系構造学)は、接続部分の弱い構造が倒壊の原因になった可能性があると指摘する。
真田さんによると、塀は基礎部分(高さ1.9m)の上に、8段のブロック部分(1.6m)を積んだ構造。
現在の建築基準法施行令では、基礎部分からブロック部分の上端までをつなげる鉄筋が必要となる。
塀には、太さ1.3cmの鉄筋約50本が、約80cm間隔で埋め込まれていた。
だが、鉄筋の長さは計33cmで、基礎部分に13cm、ブロック部分に20cmしかなく、上端に届いていなかった。
さらに、この鉄筋とは別に、ブロック部分には縦と横に40cm間隔で鉄筋が入っていた。
このため、ブロックはばらばらにならず、つながった「壁」の状態で倒れたとみられるという。
塀は、高さが基準の上限を超えていて、後ろから補強する「控え壁」もなかった。
真田さんは、「接続部の構造が弱かったことも、倒壊に影響しただろう」と述べた。
出典
『倒壊の塀、鉄筋の長さ不足 高槻市長、女児遺族に謝罪』
https://www.asahi.com/articles/ASL6N4W6RL6NPTIL01P.html
(2/3へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。