2021年2月13日5時0分に北海道新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
苫小牧市しらかば町4の新築中の住宅で12日、建物内部が全焼し、2人が重軽傷を負った火災を受け、苫小牧ガス(同市末広町)は同日、苫小牧市役所で会見を開き、前日の夕方から現場付近でガス漏れが発生していたことを明らかにした。
検知したガスの濃度が微量だったため、近隣住民に周知しなかったという。
本間社長は、「火災は(漏れ出したガスによる)着火、爆発事故ととらえている」と説明し、陳謝した。
同社によると、11日午後4時半に近隣住民から「警報器が鳴った」と通報を受け、住宅近くでガスを検知。
社員6人が漏えい箇所を特定するための調査を行っていた。
検知したガスの濃度が引火して爆発を起こす下限値を下回っていたため、地域住民に周知をしなかったという。
岩井統括部長は、「(住民周知の)重要性を当時、判断できなかったことが、この結果を招いた」と述べた。
周辺の別の住宅でも、ガス漏れによる爆発事故の可能性があったという。
同社は、全焼した住宅前から3メートルほど離れた市道の地下1メートルに埋設した鋳鉄(ちゅうてつ)管でガス漏れが発生したと特定し、午後6時までに修理を終えた。
鋳鉄管は内径15センチで、1971年に埋設され、耐久年数は60~70年。
2018年7月16日の4年に1度の定期点検では、ガス漏れは確認されなかったという。
消防署の指示で近隣住民約40人が近くの公共施設に一時避難。
同社は周辺の約75世帯でガスの供給を停止し、住民立ち会いの下で順次供給を再開している。
苫小牧市内では、2016年8月、日新町の社宅で、同社が管理するガス管の腐食によるガス漏れが原因で、1人が死亡する爆発事故が発生。
同社は周辺地域で、ガス漏れを起こしたガス管と同じ種類の鋳鉄管を腐食しづらいポリエチレン製の管に交換する作業を進めていた。
ただ、今回のガス漏れは家庭に分配する低圧の管のため、交換対象になっていなかったという。
本間社長は、「管に掛かる内圧が違うので、理論的には長く持つはずだが、亀裂がなぜ起きたのか検証が必要」としている。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/510989/
2月12日20時36分にNHK北海道からは、爆発した住宅では内装工事中だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前8時20分ごろ、苫小牧市しらかば町4丁目の建築中の住宅で、「ガス爆発のような音がして、建物から黒煙が出ている」と、近くを通りかかった人から消防に通報がありました。
火はおよそ2時間半後に消し止められましたが、平屋建ての建築中の住宅はほぼ全焼しました。
警察と消防によりますと、この火事で内装工事をしていた作業員など男性2人がやけどのけがをして、このうち50代の作業員は重傷だということです。
近くに住む40代の女性は、「ドーンと大きな音がして家がゆれたので、最初は地震がきたと思った。家を出てみると、住宅2階くらいの高さまで火が燃え上がっていた。ガス爆発の可能性があると聞いてすごくぞっとした」と話していました。
この火事を受けて、苫小牧ガスが12日午後に記者会見を開きました。
それによりますと、11日夕方、「ガスのにおいがする」と近所の人から連絡があり、12日朝にかけてガス漏れの場所を調査していた最中に火事が起きたということです。
その後、火事が起きた建築中の住宅から3メートルほど離れた場所に埋まっているガス管に亀裂が見つかったということです。
苫小牧ガスの本間社長は会見で、「ガス管から漏れたガスが地中を伝わり、住宅内に充満して、引火した可能性がある。なぜガス管に亀裂が発生したのか、原因を明らかにしたい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210212/7000030559.html
(ブログ者コメント)
爆発下限濃度以上のガスが住宅内に溜まったというのに、内装工事をしていた人はガス臭さに気が付かなかったのだろうか?
一気に濃度が上昇した・・・ということも、ありえない話しではないが・・・。
2021年2月6日14時50分にYAHOOニュース(北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月6日午前、北海道札幌市のアパートで、別々の部屋に住む3人の男性が、体調不良を訴え、病院に搬送されました。
3人は一酸化炭素中毒とみられ、警察では、1階の車庫でエンジンをかけたまま駐車していた軽自動車の排ガスが原因と見て調べています。
事故があったのは北海道札幌市東区北32条東1丁目の3階建てのアパートです。
2月6日午前10時前、このアパートの2階に住む70代の男性から「ろれつが回らなくて動けない」などと、警察に通報がありました。
駆け付けた消防がアパート内で一酸化炭素を検知し、住人を確認したところ、通報した男性のほか、3階に住む60代と30代の男性も体調不良を訴え、病院に搬送されました。
3人は一酸化炭素中毒とみられ、治療を受けていますが、命に別状はないということです。
警察によりますと、このアパートは1階部分が車庫となっていて、当時、シャッターを閉めて、エンジンをかけたままの軽自動車が駐車されていたということです。
軽自動車は搬送された60代の男性が所有していて、警察では軽自動車の排ガスがアパート内に広がったとみて調べています。
警察では暖機運転のため、エンジンをかけていた可能性もあるとみて、男性からさらに詳しい事情を聴くことにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/91ba2e28e735218ed1f767a253d0bd7924cb3dd2
2021年1月30日11時31分にYAHOOニュース(FNN PRIME)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「鬼は外、福は内」という掛け声とともに豆をまく「節分」。
今年は例年とは異なり、2月2日となるが、節分を前に消費者庁が、「5歳以下の子どもには豆を食べさせないで」と注意を呼びかけている。
同庁によると、2010年12月から2020年12月末までに、医療機関から寄せられた情報のうち、14歳以下の子どもの食品による、「窒息」や誤って気管などに入ってしまう「誤えん」の事故が164件あったという。
このうち、5歳以下の事故が141件で、全体の86%を占めている。
その原因となった食品は、「菓子」が最も多く61件で、次いで「豆・ナッツ類」の31件だった。
こうした状況も受け、「豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は、5歳以下の子どもには食べさせないでください」としている。
消費者庁によると、乳幼児は、食品をかみ砕く力や、飲み込む力が未発達なため、豆やナッツ類で窒息することがあり、大変危険。
特に節分の豆は、乾燥していて軽いことから、飲み込む準備ができていないときに、のどに落ちたり、息を吸ったときに不意にのどに移動して、のどに詰まることがあるのだという。
また、小さく砕いた場合でも、気管に⼊りこんでしまうと、肺炎や気管⽀炎になるリスクがあるとのことだ。
そして、窒息・誤嚥事故防止のために注意すべきことを挙げている。
▽食べているときは、姿勢をよくし、⾷べることに集中させま
しょう。
物を⼝に⼊れたままで、⾛ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりすると、誤って吸引し、窒息・誤嚥するリスクがあります。
▽節分の豆まきは、個包装されたものを使用するなど工夫して行い、子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底しましょう。
なお、消費者庁は、これまでも節分の前に同様の呼びかけをしてきたが、今年は、これまでとは異なる点がある。
それは年齢だ。
これまで「豆やナッツ類は3歳頃までは食べさせないようにしましょう」と呼びかけていたのが、今年は「5歳以下の子どもには食べさせないで」に変わり、年齢が引き上げられたのだ。
今年、注意喚起の対象となる年齢を引き上げたのはなぜなのか?
消費者庁・消費者安全課の担当者に話を聞いた。
【「3歳頃まで」を「5歳以下」に引き上げた理由】
――これまでは「3歳頃まで」。それを今年、「5歳以下」と年齢を引き下げたのはなぜ?
昨年、島根県松江市のこども園で、4歳の子どもが豆をのどに詰まらせ、亡くなる事故が起きました。
これをきっかけに、シミュレーションを行った結果、豆の形状のものが子どもの食べ方によって、のどに詰まりやすいことが分かりました。
たとえば、口に含んだまま走ったり、寝転んだり、という食べ方です。
また、日本小児科学会のHPにも「豆は5歳以下には与えないで」という記載がありました。
さらに、今回のシミュレーションを監修した、武蔵野赤十字病院の道脇幸博医師の意見も踏まえ、年齢を「5歳以下」に引き上げました。
「5歳以下の子どもには豆を食べさせない」。
繰り返しになるが、これが、窒息・誤嚥事故を防ぐための最善の方法だ。
そして、「もし、子どもののどに豆が詰まった」場合については、消費者庁は「すぐに救急要請し、指示を仰いでください」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/66d844c5179f753cdac6b0e907098f7f4edb0175
(2021年6月13日 修正1 ;追記)
2021年6月11日17時1分にNHK島根からは、松江市の事例に関し報告書がまとめられた、山中医師は誤嚥による子供の死亡事例は少ないが気管から取り出した事例は何10倍もあるなどと解説したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年2月、松江市の認定こども園で、節分の行事に参加していた、当時、4歳の男の子が豆をのどにつまらせて死亡し、これについて専門家などでつくる松江市の検証委員会が、再発防止策などに関する報告書をまとめたことが、関係者への取材で分かりました。
報告書では、豆が気道につまったことが亡くなった原因とみられるものの、豆がつまったのは豆まきの時か、その前に炒り豆を食べたときか、わからないとしています。
その上で、3歳未満の幼児には豆を食べさせないようにしていたものの、そのほかの園児は年の数だけ豆を食べたり、豆まきを行ったりするなど、3歳以上でも誤えんの危険性があるという認識が欠けていたなどと指摘しています。
今回の事故を受けて、消費者庁はこれまで「豆などは3歳頃までは食べさせないで」としていた呼びかけの内容を「5歳以下には食べさせないで」と変更しました。
報告書でも、再発防止のために、豆だけでなく、ぶどうやミニトマト、餅など、誤えんを起こすリスクの高い食材や食事の方法について、職員全員が知識を共有することや、豆まきや餅つきなど、食を伴う保育を行う場合は常に子どもの安全を見守る職員を配置することなどを提言しています。
委員会では来月、松江市に報告書を提出することにしています。
今回の事故のように子どもが食べ物をのどに詰まらせたり、窒息したりする事故は、決して珍しいものではありません。
消費者庁が全国の医療機関から寄せられた情報をまとめたところ、14歳以下の子どもの食品による「窒息」や、誤って気管などに入ってしまう「誤えん」の事故は、去年までの10年間で、164件にのぼっています。
このうち、5歳以下の子どもの事故は141件と、全体の9割近くを占めました。
原因となった食品別では、あめやグミ、せんべいなどの「菓子」が61件で最も多く、次いで、「豆・ナッツ類」が31件、「果物」が22件、「肉・魚」が18件、「ごはん・パン」が14件などとなっています。
また、消費者庁によりますと、平成26年からおととしまでの6年間で、「誤えん」による窒息で亡くなった14歳以下の子どもは80人で、9割を超える73人が5歳以下の子どもだったこともわかっています。
子どもの事故防止に取り組むNPO法人の理事長で、小児科医の山中龍宏さんは、
「豆まきで亡くなるお子さんは10年とか10数年に1人かもしれませんが、実は『誤えん』といって、気管の中に入ってしまって、取り出さなければいけなくなる、そういうお子さんたちは、何十倍も発生しているんです。いったん気管に入ってしまうと、それを取り出すことはできませんし、見守っていても防ぐことはできない。それをぜひ認識して頂いて、とにかく危険なんですよという情報を、あるいは、食べさせてはいけませんよという情報を、身近な人たちに伝える必要があると思います」
と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20210611/4030008799.html
2021年1月18日13時13分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沿岸部を中心に発生した大規模な停電で、凍結防止用のヒーターが止まった影響で、秋田市内では、家庭用給湯器の故障が相次ぎ、業者が対応に追われています。
秋田市では、暴風などの影響で、今月7日から大規模な停電が発生しました。
この影響で、家庭用給湯器の配管の凍結を防ぐヒーターが止まって、配管の破裂が相次ぎ、業者には修理の依頼が殺到しています。
このうち、秋田市外旭川八柳にある業者には、修理の依頼がこれまでに300件以上寄せられていて、連日、破損した部品の交換や水漏れの修理に追われています。
18日も、担当者が依頼者の家を訪れて、状況を聞き取った後、破損場所を確認していました。
依頼した60代の女性は、「給湯器が故障することは考えていませんでした。やかんでお湯をわかしたり、知り合いの家で風呂を借りたりして過ごしていますが、修理のめどがたっておらず、困っています」と話していました。
ガス機器の修理などを手がける「A社」の高橋さんは、「休日返上で対応していますが、回りきれていない状況です。部品も手配していますが、入荷のめどがたっていません。入社から20数年たちますが、今回のようなことは初めてです」と話していました。
※水が何筋も垂れている状態。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20210118/6010009380.html
(2021年2月9日 修正1 ;追記)
2021年2月8日18時37分にNHK秋田からは、高所作業基準以上の強風が吹いていたため復旧作業が遅れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
県内では、先月7日の午後7時以降に、秋田市など沿岸部を中心に最大5万7000戸あまりが停電し、解消するまでおよそ28時間かかりました。
東北電力ネットワークによりますと、その後の調査で、先月7日から8日にかけて、秋田市など14市町村のあわせておよそ300か所で、強風や飛来物の影響で電線が切れる被害などが出たということです。
さらに、被害が出た多くの現場では、2メートル以上の高さの場所で作業できるか判断するため、国が定めた基準の風速10メートルを超えていて、一夜明けた8日朝まで電線などの本格的な復旧作業に取りかかれず、長期化したと分析していることがわかりました。
東北電力ネットワークは、復旧作業を行えなかった時間帯は、県外から社員などを集めて現場の態勢を整え、風が弱まってから一斉に作業を進めたということで、今後も同じような事態に備え、引き続き、応援態勢などを強化するとしています。
また、強風が続くと停電が長期化するケースがあるとして、電気を使わない暖房器具や携帯用のラジオなどを事前に準備しておくよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20210208/6010009596.html
2021年1月14日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前10時45分ごろ、秋田県羽後町西馬音内字町田の会社役員の女性(54)方から出火、火元と東隣の木造一部2階建て住宅計2棟が全焼したほか、東隣と西隣の木造一部2階建て住宅計2棟が部分焼した。
火元の焼け跡から性別不明の遺体が見つかった。
女性の母(77)と連絡が取れなくなっており、湯沢署が身元の確認を進めている。
https://www.sakigake.jp/news/article/20210114AK0022/
1月20日21時41分にYAHOOニュース(秋田テレビ)からは、落雪によりガス管が破損し爆発した、家の周囲には雪が積み上げられておりガスが滞留したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月14日、秋田県羽後町で住宅など4棟を焼き、1人が死亡した火事について、経済産業省は原因が落雪による設備の損傷で、ガス漏れして引火した可能性があると発表した。
この火事は1月14日、秋田県羽後町西馬音内で住宅4棟を焼き、火元に住む77歳の女性が亡くなったもの。
警察には周辺住民から爆発音があったという情報が、多く寄せられた。
経済産業省が現地調査を行い、原因は火元の屋根から落雪があり、ガスボンベとメーターをつなぐ「ガス管」が破損。
ガス漏れが発生して引火・爆発を引き起こしたと推定されることがわかった。
火元の住宅の周りには、除雪で積み上げられた雪があったため、漏れたガスが住宅の床下などにたまり、何らかの原因で引火したとみられている。
秋田県LPガス協会の船木専務理事は、「隣家との間に相当の雪が堆積していた。屋根に積もった雪を降ろさなければいけないという地域が、県南を中心に多いと思う。ガス容器周りの雪寄せをしてほしい」と呼び掛けた。
経済産業省では、同じような事故が起きないよう、雪下ろしや除雪の際はガス設備に衝撃を与えないこと。そして緊急時にガスボンベのバルブを閉められるよう、設備周りの通路を除雪しておくことなどを呼び掛けた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f2587d7a56c44018334024baf965107dc27080d
1月20日19時24分にNHK秋田からは、配管接続部などに落雪で損傷した跡が見つかった、雪下ろし時は隣家のガス設備にも注意が必要など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火事のあと、経済産業省が火元の住宅の屋外にあるガスの設備を調べたところ、ガスメーターの配管の接続部やガスボンベと別の機器との接続部に、落雪で損傷したとみられる跡が見つかったということです。
こうしたことなどから、経済産業省は、落雪で損傷した設備のいずれかの部分からガスが漏れたと推定されると発表しました。
その上で、住宅の周りに除雪で積み上げられた雪があった影響で、漏れたガスが住宅の周辺や床下に滞留し、何らかの原因で着火して爆発が起きたと推定されるものの、詳しい状況はわかっていないとしています。
警察によりますと、火事のあと、現場周辺の建物で窓ガラスが割れるなどの被害が確認されたということで、警察と消防が火事の詳しい原因を調べています。
経済産業省は、雪下ろしや除雪作業の際は、屋外のガス設備に衝撃を与えないようにするほか、雪下ろしの際は、隣接する住宅などのガス設備にも注意するよう呼びかけています。
また、緊急時にガスの配管の弁を閉められるように、ガス設備周辺の通路を除雪しておくほか、ガスのにおいを感じたら、火気の使用をやめるよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20210120/6010009411.html
1月20日付で秋田魁新報からは、前日に屋根の雪下ろしが行われていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
経産省によると、火元の住宅でガスボンベと圧力調整器の接続部などが落雪により損傷し、漏れたガスに何らかの原因で火が付いたとみられる。
前日に屋根の雪下ろしが行われ、家屋の三方向が雪に囲まれていた。
そのため、家屋の周辺や床下にガスが滞留していた可能性があるという。
https://www.sakigake.jp/news/article/20210120AK0003/
2021年1月9日6時12分にYAHOOニュース(文春オンライン)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『「死んだふり10分後、立ったら顔を殴られ重傷」山中で熊と遭遇したときの最善の対処法とは?』
下肢が食害された「戸沢村3人殺人事件」の衝撃』という記事も
ネット配信されていたが、類似記事紹介スミにつき、当該記事は
この記事の末尾で冒頭部分のみ紹介する。
2020年のクマによる被害は4月~10月の間に限っても132人。
環境省のデータによると、過去最悪となった2019年の157人に迫るペースとなっている。
山中に立ち入るにあたって、誰もがクマとの遭遇に無自覚ではいられないのが現状だといえるだろう。
ときに人を襲い、殺害してしまうこともあるクマ。
もしも遭遇した場合はどのような対処をとれば、最悪の事態を逃れられるのだろうか。
日本ツキノワグマ研究所理事長を務める米田一彦氏による著書『 熊が人を襲うとき 』より、誰もができる最善の対処法を引用し、紹介する。(全2回の2回目)
◇◇◇
【死んだ振りは有効だ】
『明治43年9月17日、栃木県塩谷郡で鉱物調査中の男性(55)が寝ているクマと遭遇、手、額に重傷。「死人の真似」をした。』 読売新聞(1910・9・20)
この日、クマ事故で初めて「死んだ振り」の対応をした人が紙面に現われた。
子牛ほどのクマと遭遇して、言い伝え通りに死人の真似をしたそうだ。
そうする以外にないほど重傷で、防御体勢をとったと思われる。
『大正15年5月6日、福島県湯本村二岐温泉で、男性4人(68、67、60、58)が親子3頭のクマと遭遇、一斉に「地面に伏せ」無傷。』 読売新聞(1926・5・16)
敵と遭遇したら発見されないように「地に伏せる」ことはあるが、死んだ振りをして、クマをやり過ごした面白さを記者が捉えたのだろう。
温泉の湯煙に酔ったようなおじさんたちが揃って地面に伏せた。
微苦笑を誘われる記事だ。
「死んだ振り」、「死んだ真似」、「寝たまね」、「死人を装い」と、文字になっているものは80人いる。
「伏せた」と発言している人も、女性を中心に85人いる。
これは、女性が無意識に顔を守るために取った行動と思われる。
女性ではクマに遭遇して動転し、気絶状態で地面に寝そべる例が多数ある。
(1)基本型
『31年10月5日、福井県加戸村で、水汲みの男性( 58 )が遭遇、「死んだ真似」をしたら、同人の肩を二、三度叩き、無傷。』 朝日新聞(1931・10・9)
クマの大出没年だった昭和6年(31年)に3件の「死人を装う」、「死んだ真似」事故が見られる。
このころにはクマに遭遇したときの対応のひとつになっていたようだ。
同人の肩を三度まで叩いたのは、通り過ぎるときに当たったのではないか。
『59年10月17日、福井県大野市で、農作業中の女性(51)が遭遇「死んだ真似」。クマは同人の後頭部を叩いて通り過ぎて軽傷。』 福井新聞(1959・10・18)
「後頭部を叩いた」は、通り過ぎるとき、爪でも当たったのではないか。
「死んだ真似」という用語は戦後期に日本海側に限定的に使用されている。
【クマのささやき】
53年10月5日付けの福井新聞に、この秋のクマ大出没を受けた特集記事に「クマ報道での名文中の名文」が載っている。
『クマと出くわしたら騒いだりせず、付近の窪地へ素早く伏せ、とくに顔を地面に、へばりつき静かに息を殺しているとクマは一応、背中を、なでる程度で危害を加えず、しばらくすると行き過ぎると言われている。これを「クマのささやき」という。』
私も一貫して、この文章の論旨と同じ言い方で対処法を勧めている。
最初の小さなクマの手出しが「ささやき」で、その後、被害者がどういう対応を取るかで重大事故へと拡大するか、その軽減法を私は近年の事故例から探っている。
「クマのささやき」は、どこかに原典があるのだろうか。
誰が言ったのだろう。
(2)監視型
『53年10月23日、長野県永田村で男性(34)がキノコ採り中、後ろから突然に襲われて重傷、咄嗟に身を伏せて死んだ振りをした。クマは20分間ほど、周りを歩き続けて去った。』 信濃毎日新聞(1953・10・24)
このように、受傷して死んだ振りをし、10分後、20分後、30分後に見回したら、クマの姿が消えていた例が18人ある。
『76年4月28日、滋賀県木之本町でワラビ採り中の女性(66)が親子3頭と遭遇、死んだふり10分後、立ったら顔を殴られ重傷。』 読売新聞(1976・4・29)
前2例の死んだ振りは、その後の様子が異なる。
後者のように襲われて小さな被害を受けて死んだ振りをし、その体勢を5分、10 分、1時間と続けた後、立ちあがって逃げようとすると、ガツンと殴られて重傷に変じた事故が22人もある。
《クマは死んだ振りをした人を遠くから長時間、監視して
いる》――米田
監視後にクマが去った人が18人あった。
立つと、ガツンとやられたのが22人。
待つべきか、立つべきか、難しい問題だ。
後者は「遺体を守って24時間、蟠踞」の類型なのだ。
こんなときは「クマの攻撃性が低い段階なので追い払う」爆竹が役立つだろう。
(3)核心例
次例は、この項の最も核心的な事例だ。
『86年6月5日、山形県大蔵村で営林作業中の男性(58)がクマと遭遇し、背を向けて逃げると襲われると思い、斜め方向に走った。前に転び死んだ振り。クマの息吹が聞こえたが、去った。』 山形県庁調書
当時、私は山形県庁の担当者から話を聞いており、クマが男性の周りを歩いて様子を窺ったという。
6月の交尾期の雄グマの行動で、「雌グマかどうか情報を集めるため」近寄ったと思われる。
山形営林署管内では、クマと遭遇したら「背を向けて逃げるな」と教育されているようで、例がいくつかある。
死んだ振りをしたことで九死に一生を得たこの遭遇戦、クマと正対しつつ斜めに移動し、積極的に反撃せずに地面に倒れて静かになった男性に、クマが攻撃性を低下させたように見える。
長年山仕事で足腰を鍛えた営林署員でも、山野で走れば、転ぶ。
【死んだ振りをしている男性を恐れたクマ】
(4)躊躇い型
次の例は、時間を追って想像してもらいたい。
若いクマの攻撃生態を活写している最重要な例だ。
死んだ振りをしている男性を恐れ、攻撃を躊躇っているようだ。
『84年6月2日、岩手県遠野市で山菜採りの男性(64)がクマに足を咬まれて転倒。クマは木に登り、痛がっている男性を見下ろした。男性が逃げるとクマは飛んできて男性を引っ掻いて、また木に登った。男性は困惑し、クマと根競べに入り40分、男性は堪らず逃げ出すと、クマは木から降りてきて男性を襲い、斜面を50m、転落、クマは逃げた。首など全身、11 箇所を咬まれて全治1ヵ月の重傷。』 河北新報(1984・6・3)
《クマの強襲には柔らかく対応するべきだ》――米田
女性被害者497人中、確実に鈍器を振ったのは16人だけで、多くはごく自然に地面に伏せるので「首をガードして顔を守る」方が現実的だ。
山に不慣れな行楽客、都会人が、逃げた途端に不整地に足を取られて転び、恐怖で頭を両手で抱えるのは自然な心の動きと身体動作だ。
ナタ、カマなどで反撃し、その後で「死んだ振り」に転じても、クマの攻撃性は継続することが多く、その結果、重体、重傷など受傷程度を上げるのは不適だ。
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
【攻撃されても死んだ振りをすることで…】
・クマの一撃後に被害者が「死んだ振り」に転じた場合、クマは攻撃性を低下させている。
・クマは「強反撃には強襲」で反応してくる。
・クマは「静対応には力を弱める」習性がある。
2008年9月17日、登山家の山野井泰史氏は東京都の奥多摩で子連れのクマに襲われ、顔、腕に重傷を負った。
流石に道を究めた人だけあって、コメントが秀逸だ。
「生きているクマに触れられるなんて……貴重な体験をした」。
同氏は『岳人』12月号で事故の詳細を語っている。
最初にクマの吠え声がして、右腕を咬まれて引かれ倒され、次いで顔面を咬まれたそうだ。
なにより私が興味を覚えるのは、事故直後のこの発言だ。
『クマは鼻付近に食いついて放さなかった。これ以上抵抗するともぎ取られると思い、抵抗をやめたら力が抜けたので脱出した』
ここに被害軽減の極意があるように思える。
同氏が最後まで頑強に抵抗していたらどうなっていただろう。
もう一撃を受けていたら、より重体化したに違いない。
同じ日、北海道中標津町で男性がヒグマに顔面粉砕されて死亡しているが、こちらは小さく報道されただけだった。
『クマに襲われたカナダ人女性、「死んだふり」で命拾い』 ロイター(2010・7・29)
米モンタナ州ギャラティンのキャンプ場で28日未明、男女3人が野生のクマに襲われたが、そのうちの1人は「死んだふり」をして命拾いした。
デブ・フリールさん(58)はテント内で就寝中、痛みで目が覚め、『クマの歯が腕に食い込み、骨が折れて悲鳴を上げたらクマは、さらに歯を食い込ませてきた。それで死んだふりをして、筋肉をだらりとさせたらクマも力を抜いて、自分を離して去った』
【闘うよりも現代の高度医療に頼るべき】
繰り返しになるが、我々クマ研究家は、クマが攻撃してきたら「首を両手でカバーし、体を丸めて地面に固着することによって、重要器官を守れ」と提唱している。
頭頚部を守るために死んだ振りをするのは、現代のクマ研究者が勧めている「うつぶせ首ガード法」と同義なのだ。
人間の体の前面は加害に弱く、攻撃は背で受けて凌しのぐべきだ。
我々も怖く感じる大グマほど攻撃は短時間で終わり、悠々と森に隠れる。
闘うよりも現代の高度医療に頼るべきだ。
《クマの攻撃性が低い状態で襲われたときは、首をガードして「死んだ振り」をした方が重傷化を防ぐ。山に慣れていない一般人には適した方法だ》――米田
「死んだ振りは致命的だ、ナタで闘え」とする発言は、昭和期の医療水準の低い山間僻地で行われた手法なのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61c5dcbd080cd34498aac1373f596be3c484f309
※以下は前編の記事。
クマ被害の事例中心で、事例の一部は本ブログでも最近紹介したばかりにつき、各段落の冒頭部分のみ紹介する。
2016年5月から6月にかけてタケノコ採りに出かけた一行がクマに襲われた「十和利山クマ襲撃事件」。
4人が死亡し、4人が重軽傷を負うなど、本州で発生した事件としては記録上最悪といっても過言ではない大きな被害をもたらした。
なぜクマはこのような凶行に及んでしまったのか。
さまざまな要因が重なるものの、なかでも大きな原因として考えられているのは、“空腹からくる強い食害意欲”によるものだ。
しかし、熊が満腹状態である場合も、決して安全だと言い切ることはできない。
空腹でなかったにもかかわらず、人を襲い、喰らった事件が記録に残されているのだ。
その事件こそ「戸沢村3人殺人事件」である。
ここでは、日本ツキノワグマ研究所理事長を務める米田一彦氏による著書『 熊が人を襲うとき 』を引用。
日本で起きたクマによるおぞましい食害事件を紹介する。
◇◇◇
【88年山形県戸沢村3人殺人事件】
十和利山クマ襲撃事件が発生するまで、クマによる死亡事故で最も衝撃的だったのは、1988年に山形県戸沢村で3件連続した食害事件だ。
発生直後と近年の三度、私は現地入りして状況を聴取している。
その後、遺体の詳細な資料も入手した。
・・・・・
【満腹でも人を襲う】
加害グマは調査の結果、年齢は4歳とされた。
体長が140㎝で体重は84㎏とされたが、写真で見るクマの死体は秋にしては体に張りがなく、疾病を思わせたが、それについての情報はない。
・・・・・
【事件が継続する地域がある】
一見して何頭ものクマが出没して事故が多発したように見えるが、クマの家族サイズ、体型などが類似していることなどから、実は同一家族系のクマが事故を起こし続けた、再犯を疑わせる例がある。
・・・・・
【多人数事故】
『94年8月31日早朝、新潟県笹神村で90分間に農作業中の男女4人が、別々に襲われ女性(72)顔に重傷、クマは大きく移動し女性(72)腕を骨折、男性(62)腕に重傷 、女性(76)腕に重傷を負わせた。』 新潟日報(1994・9・1)
・・・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/10f1512f9d49de02b711d38e85303c3d25e8e07f?page=3
(ブログ者コメント)
昨年暮れ、クマと遭遇した場合、武器の携帯で生存率は上がるという報道を紹介したが、今回の報道は、それとは逆。
相手のクマ次第ということかもしれない。
2021年1月9日12時15分にYAHOOニュース(北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道中標津町の路上で、除雪作業をしていた24歳の男性が、除雪機に手を巻き込まれて負傷する事故がありました。
事故があったのは1月9日午前7時ごろ、中標津町東16条南6丁目の歩道です。
除雪作業をしていた男性が除雪機に不具合が出たため、詰まっているものを取り除こうと扉を開け、手を差し込んだところ、動いていた刃に指を巻き込まれました。
男性は手袋をしていましたが薬指を切断したほか、中指と小指もケガをしました。
男性は除雪作業を請け負う会社で働いていて、業務中の事故だったということです。
北海道は急速に発達した低気圧の影響で各地で大雪となっていて、中標津町は8日時点で平年の倍の58センチの積雪を記録していました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1474e9c416b2194909f5822e3018ca7cfc87244c
(ブログ者コメント)
9日前後は記録に残るほどのドカ雪で、他市でも除雪機使用中の巻き込まれ・下敷き事故が多発していた。
『除雪機での事故が相次ぐ』
(1月10日8時38分 NHK富山)
射水市消防本部によりますと10日午前6時ごろ、射水市三ケにある福祉施設の敷地内で除雪作業をしていた42歳の男性が除雪機に右手を巻き込まれ、中指を切断する大けがをしたということです。
意識はあるということです。
県内では除雪作業中の事故が相次いでいて、9日も、射水市の県道で除雪作業にあたっていた24歳の男性が右手の指を巻き込まれる大けがをしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20210110/3060006342.html
『新潟の除雪中死亡は4人に 上越で87歳女性が除雪機に足巻き込まれる』
(1月11日 19時10分 毎日新聞)
上越地方を中心に記録的な雪になっている新潟県で、10日午後から11日までに除雪中に4人が死亡した。
いずれも1人で作業中だった。
2メートル超の積雪がある上越市では、頸城区の無職の女性(87)が10日午後5時半ごろ、手押し式の除雪機に足を巻き込まれ、出血性ショックで死亡した。
新潟市秋葉区の農業の男性(84)や三条市の無職の男性(66)、同市の会社員の男性(64)も、屋根の雪下ろし中の転落や、落雪に巻き込まれるなどして死亡した。
https://mainichi.jp/articles/20210111/k00/00m/040/118000c
『除雪機に上半身を巻き込まれ70代男性が重傷 北海道深川市』
(1月12日21時5分 YAHOOニュース;北海道放送)
12日午後0時半すぎ、深川市深川町で、自分の所有する牧場の除雪作業をしていた西原さん(男性、70歳)が、除雪機のドリル上の羽根=オーガに、上半身を巻き込まれました。
西原さんは、左腕を骨折するなどの重傷です。
西原さんは午前10時から除雪作業をしていましたが、近くで、別の作業をしていた西原さんの息子が、西原さんの「オーイ」という呼びかけで事故に気付き、消防に通報したということです。
警察は、事故の原因を調べています。
深川では、先月も69歳の男性が除雪機の下敷きになる事故があり、男性は死亡しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7179bb7dc8cf84b2c944b74c633e183906afac1
一方、今月3日には柏崎市で、除雪機使用中の父親が目を離した隙に9歳男児が巻き込まれて死亡している。(本ブログ紹介スミ)
結構多い除雪機使用中の事故。
そこで、一冬でどの程度、除雪機関連の事故が起きているものか調べたところ、2018年11月~2019年3月までの間、北国の12道県で54件、その前の2017年度には98件起きていたということだった。(昨冬の情報は見つからなかった)
『除雪機の事故に注意 昨冬54件、ひかれて死亡も』
(2019年11月13日 18時59分 朝日新聞)
降雪が本格化するのを前に、消費者庁は13日、手押し式除雪機の安全な使用を呼びかけた。
昨冬は54件の事故が発生。
除雪機の安全装置を固定して働かないようにするのはやめるよう求めている。
除雪機による事故は昨年11月から今年3月、北海道、青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、福井、長野、鳥取の12道県で54件あり、2人が死亡、22人が重傷を負った。
投雪口に手を入れてけがをしたり、除雪機にひかれて死亡したりした例があった。
2017年度には98件の事故が発生。
8人が死亡、51人が重傷を負った。
除雪機には手を離すと自動で停止する安全装置がついているが、作業しやすいよう、ひもで縛るなどして固定する人がいる。
そのため安全装置が働かずに事故につながった例もあった。
同庁は、
▽定期点検を行い、安全装置が正常に動くか確認する
▽エンジンをかけたまま投雪口などに手を近づけないようにし、雪が詰まった場合はエンジンを止めて雪かき棒を使う
▽移動中や収納中、後進時にも気をつける
などの注意も呼びかけている。
https://www.asahi.com/articles/ASMCF5R8HMCFUTFL00L.html
2020年1月4日0時34分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県警は3日、大雪による事故で3人が死亡したと発表した。
同日午後1時20分頃、柏崎市の住宅兼会社の駐車場で、この家に住む男児(9)が手押し式の除雪機に巻き込まれ、脳挫傷で死亡した。
発表によると、男児は父親らが除雪作業をしているそばで雪遊びをしていた。
父親が除雪機のエンジンをかけたまま数分間、目を離した際に巻き込まれたという。
・・・・・
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210103-OYT1T50260/
1月4日12時4分にYAHOOニュース(新潟総合テレビ)からは、父親らは別の作業をしていたなど下記趣旨の記事が、当該除雪機の写真付きでネット配信されていた。
3日午後1時すぎ、柏崎市宮之窪の住宅兼会社事務所の駐車場で、この家に住む小学3年生の9歳の男の子が除雪機に巻き込まれ死亡しました。
警察によりますと、当時、会社を経営する父親と従業員が除雪機のエンジンをつけたまま別の作業をしていたところ、雪遊びをしていた男の子が除雪機に近づき、巻き込まれたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c0be5269ee8159d98fb1f144a99b84eb4dd0195
1月3日18時33分にNHK新潟からは、右腕などを巻き込まれたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後1時20分ごろ、柏崎市内の会社を兼ねた住宅の敷地内で、9歳の男の子が除雪機に巻き込まれました。
警察の調べによりますと、男の子は右腕などを巻き込まれ、病院に運ばれて手当てを受けていましたが、その後、死亡しました。
3日は男の子の父親が除雪機を使って敷地内の除雪作業を行っていたということで、警察は事故の詳しい状況を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20210103/1030015081.html
2030年12月30日10時56分にYAHOOニュース(デイリー新潮)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本は海外に比べ入浴中の事故死が非常に多い。
これまでその原因は「ヒートショック」、つまり急激な温度変化が血圧の乱高下を招き、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすのだと考えられていた。
だが、最新の調査から衝撃の事実が判明。
思わぬ死因が浮かび上ってきたのだ。
寒さが厳しくなると、熱い湯船にゆっくりつかりたくなる。
世界を見渡しても、国内のほとんどの家に浴槽が設置され、毎日のように湯をためて入浴する習慣をもつ民族は珍しい。
豊富な水資源と温泉が身近にあったことで、日本人は風呂好きになったといわれている。
しかし、日本は海外と比べて、入浴中に死亡するケースが非常に多い。
2018年に自宅で不慮の事故のために死亡した約1万5千件のうち、4割近い5374人が「浴槽における溺死」とされている。
厚生労働省は2012年、入浴関連の事故について大規模な調査を行い、その結果が昨年、日本内科学会英文誌などに発表された。
調査は2012年10月から13年3月の間に東京都、山形県、佐賀県で、脱衣所や浴槽、洗い場など入浴に関係した場所から119番を要請した4593件を対象に行われた。
そのうち死者は1528人。
男女ともに年齢が上がるほど死亡率が高かった。
この調査対象区域の人口あたりの入浴関連の死亡率から、全国の年間推定死亡者数を計算すると、その数なんと約1万9千人にのぼる。
さらに、それを高齢者数が増加している2020年現在の人口にあてはめると、入浴中の急死は2万人を超えていると推計された。
「現場感覚としても、それくらいの数だと思います」と語るのは、実際に調査を実施した東京歯科大学市川総合病院教授で、救急科部長の鈴木昌(まさる)医師である。
「入浴できるのは、寝たきりでない自立した状態の方です。高齢者とはいえ、比較的健康な人が毎年2万人死亡するのは、1年間に数千人死亡する交通事故よりも、社会的には大きな問題といえます」
さらに鈴木医師はこうも指摘する。
「海外で溺死というと子供が溺れるケースが多い。
しかし日本の場合は、圧倒的に高齢者が浴槽の中で死亡しています。
30年以上前から問題視されてきたものの、特別な対策はとられてきませんでした。
これは入浴中の死亡事故の死亡診断に明確な規定がなく、地域によっては心不全、溺死、異常死などといった状態で統計がとられ、正確な死者数が把握できなかったことや、解剖しても死因がはっきりわからなかったためです」
これまで死因は、いわゆる「ヒートショック」と考えられ、注意が促されてきた。
ヒートショックとは“急激な温度変化に伴う体調不良”を指す造語で、正式な医学用語ではない。
暖かい居室から廊下、浴室と室温が下がっていく環境で服を脱ぐと、血管が収縮して血圧が上がる。
直後に風呂につかって体が温まると、今度は血管が拡張して血圧が低下する。
そのような“血圧の乱高下”によって心筋梗塞や脳卒中などが引き起こされるといわれてきた。
今でも循環器を専門とする医師を中心に、このような指摘をする専門家が大勢を占める。
しかしながら、鈴木医師らの大規模調査はそれを覆す結果となったのだ。
【意識障害と脱力感】
「私たち救急医療の現場では、入浴中の急死者に遭遇することはあるものの、入浴中の心筋梗塞や脳卒中で運ばれてくる患者さんに出会うことは稀です」(鈴木医師)
では、その原因は何なのか。
入浴事故4593件のうち死亡した1528人は、119番コール、すなわち救急車の要請があった時点で心停止であった。
発見された場所について、「(脱衣所などの)浴室外」、「浴室内」で分けると、1461人が浴室内。それも浴槽の中での死亡が1274人とほとんどを占めた。
死亡はしなかったが、一人で風呂から出られず救助が必要だった人は935人で、こちらもそのうち854人が浴槽内の事故である。
鈴木医師らを中心とした調査チームは、入浴事故の「生存者の体にどのようなことが起きていたのか」を調べれば、死因が推測できると考えた。
もし心筋梗塞や脳卒中が原因で死亡する人が多いなら、生存者にはその数以上に、そのような病気が起きているはずである。
ところが、 「心電図の異常、心筋梗塞の兆候は、1%未満だったのです。
頭部のCT検査を行っても、脳出血などの脳卒中は10%未満。
ということは、心臓や脳血管の病気によって入浴中にこれだけの死者が発生した可能性は非常に少ない。
それでは何が起こったのかというと、助けだされた人の半数以上に“意識障害や脱力感”がみられたのです」(鈴木医師)
入浴中に救急搬送されてきた患者は、「体温が高い人ほど意識の状態が悪い」こともわかった。
そして体温が平熱に下がるに伴って、意識障害が回復していったという。
「そうであれば、入浴という高温の中に身を置くことで体温が上昇し、熱射病、熱失神、あるいは熱疲労などが進行した、すなわち浴槽内で“熱中症”を発症したと考えられるのではないでしょうか。
意識障害や脱力感が起こると、浴槽から外に出られなくなってしまいます。
そうするとさらに体温が上がる。
そのまま誰も助けてくれなかったら、最後には湯の中に沈んで、死に至ってしまうと推察されます。
実際に、多くの人が顔を湯につけて死亡しているのです」(鈴木医師)
入浴時間と湯温によって、どの程度体温が上昇するかをシミュレーションした研究がある。
長年、住宅と健康について調査研究を続けてきた慶應義塾大学理工学部の伊香賀俊治教授らが中心となって行ったもので、それによると42度のお湯に10分つかれば、36度だった体温が38度近くまで上がるという。
「42度のお湯に10分つかっていると、汗がだらだら流れますね。
汗が流れるというのは、体温が上がっているということ。
それも運動によってではなく、周りから温められたために汗が出るのです。
私たちは常に熱を産生し、放熱しながら生きています。
放熱しすぎれば体温が下がって生命の危機となりますが、放熱ができない状態でも熱中症になって危なくなってしまうのです」(鈴木医師)
たとえると、高温全身浴は“ゆでたまご”を作る時のように、お湯の中で人の体がゆでられている状態という。
お湯の中に入ると、体は放熱できず熱を吸収するのみで、急速に体温は上昇する。
そして最終的には湯温よりも体温が高くなるという。
いわれてみれば、夏場は熱中症を避けるため、高温環境にいないように私たちは気をつけている。
そして夏は、38度程度の高温でない湯につかり、短時間で済ませる人が多いだろう。
しかし冬の寒い日は、42度~44度に至る高温湯で長風呂をする人も少なくないのではないか。
実際に入浴事故は、最低気温の低下とともに増加することもわかっている。
特に「寒い家に住む人」は、“熱い湯に長くつかる”傾向があるのだとか。
「冬に居間14度、脱衣所10度程度の家に住んでいた人が、家の断熱改修工事を行い、それぞれ3度程度室温が上昇(居間17・4度、脱衣所13・6度)すると、熱め・長めの危険入浴をする頻度が明らかに減少することがわかっています」(伊香賀教授)
WHOは2年前に「冬の室内温度は18度以上にすること」を強く勧告している。
全世界の中でも高所得国は、一般市民が一日のうち約7割を自宅などの屋内で過ごすとされ、重度の熱中症や低体温症の多くは自宅で発生している。
熱い湯が恋しくならないようにするためには、室内を暖かく保つ工夫が必要なのだ
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
【湯温41度で10分以内】
そして何より、安全な入浴法を理解しておく必要がある。
前出の体温上昇のシミュレーションの研究で、体温を37・5度以下に抑えるための入浴法は「湯温41度以下で10分以内」であることがわかった。
これを根拠に、消費者庁も「入浴前に脱衣所や浴室を暖める、湯温は41度以下、湯につかる時間は10分まで」と呼びかけている。
鈴木医師は「カラスの行水がいい」と話す。
「救急の現場で入浴中に動けなくなったという人は体温38度くらいで運ばれてきて、しばらく経過観察をしていると、体調が良くなって帰宅していきます。
でも、もう少し入浴時間が長いと、おそらく死亡した状態で搬送されてくることになったでしょう。
特に高齢者は暑さ・寒さに対する適応力が落ちていますし、入浴中にのぼせた時に浴槽から這い出していく運動機能も落ちていますから、注意が必要です」
こうしたリスクを知って、入浴回数を減らそうと考える人もいるかもしれない。
しかし入浴そのものは健康寿命を伸ばすのにつながる。
日本温泉気候物理医学会が65歳以上の高齢者約600人を対象に5年間の追跡調査を行ったものを紹介しよう。
高齢者を入浴の頻度別にグループ分けして要介護認定者数を調べると、「週7回以上」入浴する群は、「週1~3・5回」や「週4~6回」入浴する群に比べて自立度が1・85倍も高かった。
温泉療法専門医で東京都市大学の早坂信哉教授らを中心とした研究でも、1万4千人弱の高齢者を対象に調査したところ、毎日入浴する人は、そうでない人より「3年後に要介護になるリスクは29%低かった」という。
つまり、毎日の入浴習慣があるほうが要介護になりにくいということである。
「いくつかの理由が考えられますが、入浴による“温熱効果”が一番大きいと思います。
温かいお湯につかることで血管の拡張が起こり、血液の流れが良くなります。
睡眠の質を高めたり、免疫力の向上が期待できるでしょう。
また、体が温まることで神経の過敏を抑えることがわかっていて、腰や膝などの痛みが緩和されるという効果もあります。
慢性的に体が痛いと動くのが億劫になりますから、痛みがとれることによって動き続けられ、結果的に要介護の予防になると考えられます」(早坂教授)
また、早坂教授が行った別の研究では、「入浴習慣と幸福度」について調べたものがある。
静岡県在住で20歳以上の男女3千人へのアンケート結果をもとにデータを解析すると、毎日入浴する習慣のあるグループは、そうでないグループと比べて主観的幸福度の高い人が10%も多かった。
「“毎日入浴”は心身ともに良い影響を与える」と、早坂教授は繰り返す。
「海外の習慣であるシャワー浴でなく、湯船につかる浴槽浴であって初めて健康効果が望めます。
一度入浴すれば、8時間程度、高めの血圧を下げる作用があるという研究結果もあります」
早坂教授が推奨する入浴時間も10分。
しかもこれは延べ時間で、最初に5分入って途中であがって体を洗い、再度5分入って出るという“分割浴”でもいいそうだ。
また基本は肩までつかる「全身浴」がお勧めだが、心臓や肺に疾患がある人や高齢者は、体への負荷が減る「半身浴」という手もある。
「時間がない時は足湯でもいいでしょう。
体温が0・2~0・3度程度上昇するという研究報告があり、シャワー浴よりは効果が望めます」(早坂教授)
【食事直後は避けて】
また、入浴時の熱中症予防には、入浴前後にコップ1杯程度の水分補給をしておくことも欠かせない。
大塚製薬の研究データでは、41度の風呂に15分間入浴すると、約800ミリリットルの水分が失われると報告されている。
体が脱水状態になると熱中症が重症化しやすく、また風呂あがりであっても血液の粘度が高まって血栓ができやすくなる。
管理栄養士の望月理恵子氏は「白湯か温かい麦茶」を提案する。
「冷たい飲みものですと温まった体の芯が冷えてしまいますので、風呂あがりには常温が適しているでしょう。
麦茶は大麦を煎った時に生まれる香り成分のアルキルピラジンに血液の流動性を高める働きがあり、血栓ができるのを防ぐ効果が期待できます」
牛乳も、脱水を回復させる効果が高いという報告があるため、風呂あがりに適している。
一方で、緑茶などに含まれるカフェインは利尿作用があり、脱水を進めてしまう。
また風呂あがりのアルコールはおいしいが、カフェインより強力な利尿作用がある上、血管内の脱水を進めてしまうため、これも避けたほうがいいだろう。
そしてやってしまいがちなのが食事直後の入浴。
「特に飲酒後の入浴は血行が良くなりすぎて脈拍数があがり、心臓に負担がかかってしまいます。
飲酒をしなくても、食事直後は消化のために血液が消化器系に集まっています。
それが入浴で体が温まると全身に血液が拡散してしまい、消化吸収の妨げになってしまいます。
入浴による水圧で消化器系を圧迫し、消化不良を起こしたり、吐き気を催す可能性があることからもお勧めできません。
食事後1時間ほどしてからか、食事前の入浴がいいと思います」(望月氏)
言うまでもなくコロナ禍での入浴習慣は清潔を保つ上でも重要で、またいくつかの研究では温かいお湯に一定時間つかることで体内の免疫細胞が増加することがわかっている。
しかし今回新たに判明したのは、冬場の入浴時の死亡事故の大半が、これまで常識とされていたヒートショックではなく冬の熱中症だったという目からウロコの事実である。
入浴は、湯温が高く、また時間が長くなるほど、体に悪影響を与える。
過ぎたるは、なお及ばざるが如し。
健康効果を求めつつ、入浴時の急死リスクを下げるため、「41度以下10分以内」の入浴を習慣にしたい。
笹井恵里子(ささいえりこ)
1978年生まれ。ジャーナリスト。
「サンデー毎日」の記者を経て、フリーに。
医療や衣食住の生活分野を中心に執筆活動を続ける。
著書に『救急車が来なくなる日』『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』など。
「週刊新潮」2020年12月24日号 掲載
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e1c78bcdc653e35ffc72254f6309a163e3f2d83
2020年12月16日20時12分にYAHOOニュース(ESSE online)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大掃除の季節です。
洗剤を使う機会も増えますが、なかには注意が必要なものも。
「掃除に使うことも多い、便利な酸素系漂白剤。じつは注意すべき点があるんです」というのは、ライフオーガナイザーの尾花美奈子さん。
詳しく教えていただきました。
* * * *
大掃除の季節。洗剤の注意書きはよく読んで使用しましょう
皆さんは掃除のときにどのような洗剤をお使いでしょうか。
私が使っている洗剤の1つに「酸素系漂白剤」があります。
ふきんやまな板の漂白、衣類の漂白、排水口の洗浄、洗濯槽のカビ落としなど、1つでマルチに使える便利アイテムです。
お使いの方もいらっしゃると思われますが、じつは扱う上で注意すべき点があり、私もそのことを知らずに使っていて、知ったときはとても驚きました。
そこで今回はその話をシェアしたいと思います。
●酸素系漂白剤で破裂事故?
たまたま見ていたテレビ番組で「酸素系漂白剤の破裂の危険性」について取り上げていました。
麦茶ポットをつけおき、漂白しようと水と酸素系漂白剤を入れフタをして就寝したところ、深夜に大きな音がして麦茶ポットが割れて飛び散っていたそうです。
原因はフタをして「密閉状態にしたこと」。
じつは酸素系漂白剤は少しずつ酸素を出しているらしく、密閉すると酸素がいっぱいになったときに破裂することがあるらしいのです。
なので、酸素系漂白剤を使っているときは絶対に「密閉しないこと」。
麦茶ポットが破裂するくらいの圧力がかかるので、場合によってはケガにつながることもあるかもしれません。
●読んでいなかった!きちんとあった注意書き
そのテレビ番組で「パッケージの裏の注意書きをよく読んで下さい」と説明があり、「そんなこと書いてあった?」と確認するときちんと書いてありました。
「本品は酸素系漂白剤のため、保管中少しずつ酸素を発生します。破裂防止のため製品上部に穴が空いておりますが、異常ではありません。酸素が発生するので、本品や本品を溶かした液をペットボトルやガラス容器等に密閉して保管しないでください」
「溶液を作り置きし、密封した容器に長時間放置しないでください。酸素を出し続け破裂することがあります」
小さい字で書いてあるので気づいていない方も多いと思いますが、ぜひお手持ちの漂白剤のパッケージを確認することをオススメします。
●安全性を優先させるならつめ替えない
洗剤をステキな容器につめ替えておしゃれインテリアを楽しんでいる方もいますが、メーカーからの注意に従うなら、入れ替えずにパッケージそのままで保管を。
もしパッケージが目立つと気になるなら、ボックスの中に入れて隠すように保管してはいかがでしょう。
また、「チャックつきポリ袋で、ふきんをつけおき漂白していたら泡立ってきた」とSNSに投稿された場面に出くわしたことがあり、破裂の危険について急いでコメントしたことで事なきを得ましたが、こういうときはチャックをあけるか、ボウルなど別のものを使うかした方がよさそうですね。
●注意書きはきちんと読もうという意識変化
恥ずかしながら、それまでは小さな字で書かれたことなんて面倒で読んでいなかったのですが、メーカーは消費者の安全のために表示をしてくれているのできちんと読もうと、意識が変わりました。
皆さんもご自身とご家族の安全のために、ぜひ読んでくださいね。
●教えてくれた人 【尾花美奈子さん】
ライフオーガナイザー、親・子の片づけインストラクター。
片づけが苦手なワーキングマザーやこどもの立場に立った、楽で早く片づく収納のアドバイスやセミナーを実施。
ブログ「片づけられない家族とのスマートシンプル空間」を日々更新
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f06d7e72e25207a1dff49471ea195991c87b289
2020年12月15日10時8分にNHK山口から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
野犬の増加が問題になっている周南市で、60代の女性が野犬にかまれて足にケガをしていたことがわかり、市は、野犬を捕獲するため、新たにおりを設置することにしています。
周南市によりますと、13日の朝、周南市久米で、60代の女性が、野犬に右足のふくらはぎをかまれ、ケガをしたということです。
当時、女性が市道を歩いていたところ、首輪のない犬2頭が突然現れ、このうち1頭にかまれたということです。
周南市では、公園や住宅街で野犬が増え、市民がかまれてケガをするなど問題になっていて、今回の現場近くでは、ことし10月にも帰宅途中の中学生が襲われ、手をかまれる被害を受けています。
市は、付近に捕獲のためのおりを設置していますが、今回の被害を受けて、今月中にも新たなおりを追加で設置することにしています。
周南市環境政策課は、「野犬を見かけたら刺激せず、静かに立ち去ってほしい」と呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20201215/4060007956.html
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、以下の記事が見つかった。
(2019年8月31日10時33分 毎日新聞)
墓地や公園に野犬が頻繁に出没し、地元自治体が対応に追われている山口県周南市。
住宅地近くで実際にどのように生息しているのか。
お盆の時期に数日間、現地に足を運んでみると、野犬の行動パターンが少しずつ見えてきた。
野犬が特に多いのは、周南市徳山の市営大迫田共同墓地と、隣接する周南緑地東緑地公園の一角。
地元の人によると、野犬は十数年前から出没するようになったという。
【墓参者やランナーに動じず】
日が陰った8月12日午後6時すぎ、東緑地公園の駐車場に野犬が3頭うろついていた。
人が車から降りてきても、逃げ出す気配はない。
墓地に向かう途中のグラウンドにも2頭いて、数メートルわきをランナーが走っていく。
墓地は公園から続く坂道を上った高台にある。
野犬は、墓掃除をする人たちのそばを歩いたり、通路にたたずんだりしている。
人が何もしなければ、ほえもせず近づいてもこない。
墓参に来た人も、犬が目の前を通り過ぎても、ほぼ騒がない。
ただし、ほとんどの野犬は、カメラを向けると立ち止まってこちらを凝視する。
黙って様子をうかがい、対面した人との距離をおおむね4、5メートル以上に保つ。
それ以上に近づくと、すぐ後方に退いた。
午後7時すぎ、墓地入り口の階段付近に寝そべる野犬の群れを、駐車場を挟んで撮影していると、野犬たちが「ワンワン、ワンワン」とほえ始めた。
黒い犬と茶色い犬の2頭が、走ってこちらに近づいてくる。
黒い犬が尾を立てて「ウー、ウー」とうなっては立ち止まり、また「ウー、ウー」とうなって記者の約3メートル手前まで近づいてきた。
さすがに危険を感じて撮影をやめると、野犬はしばらく記者を見ていたが、近づいてこなくなった。
後で気づいたが、陰にいた子犬を守るための威嚇だったようだ。
【午後6時半ごろからすみかへ戻る】
墓地の斜面の茂みに、野犬のすみかが2カ所あった。
野犬は午後6時半ごろから断続的にすみかに戻っていく。
戻ると集団でほえ始め、「ワンワン、ワンワン」と大声が響き渡った。
この日は1カ所で長時間続き、かなりうるさかった。
13日午後6時ごろ、野犬十数頭が墓地の斜面下にある公園の一角にたむろしていた。
カメラを向けると、一斉に立ち止まって記者を警戒する。
やがて群れをなして約10メートル離れたブランコの後方に移動し始めた。
すぐ隣のアスファルトの道路を、ウオーキングやランニングをする人たちが横目で見ながら通り過ぎる。
野犬の群れはグラウンド近くの複合遊具の奥で折り返し、たむろしていた場所に去っていった。
道路を挟んだ草の上にも野犬が4頭いて、「ワン、ワン」とほえる。
グラウンドでは、野犬を気にせず親子連れがサッカーを始めた。
ジョギングをしていた市内の会社員の女性(48)は、「犬とはお互い距離を取っています。運動するのに一番いい場所なので、犬がいてもジョギングに来ます。一度野犬がすぐそばまでついてきたことがあり、怖くて乗ってきた車に飛び乗りました。行政は対策を取ってほしい」と訴える。
周南市のホームページによると、今年度は5月末現在、市内で野犬に囲まれたり、追いかけられたりした被害が9件、ペットなどの被害が1件、物損が1件起きている。
野犬の捕獲は、狂犬病予防法に基づき、山口県が行う。
県周南環境保健所によると、周南市での捕獲頭数は過去5年間500頭以上が続き、昨年度は750頭。
捕獲用のおりを設置しているほか、保健所の職員が毎日パトロールし、網で捕獲しているという。
対策強化のため、県や市、警察が連携して「周南地域の野犬問題に関する連絡協議会」を7月に設置した。
8月からパトロールの職員を2人から4人に増やし、おりも1基増やした。
県と市が協力して、緑地公園の草刈りやパトロールに取り組む。
保健所によると、野犬が隠れる雑木林が多く、えさを与える人もいるため、目撃情報は一向に減らない。
16日午後6時前、公園入り口のあずまやに、野犬が次々と集まってきた。
黒いTシャツとズボン姿の中年男性がえさを放り投げている。
犬は黙ってほおばり、去っていく。
近くに「野犬にエサを与えないでください」と市の立て札があるが、男性はお構いなしだった。
午後7時すぎ、暗くなってキャッチボールやランニングをする人がいなくなった後、グラウンドに野犬7、8頭が現れて寝そべり始めた。
解決の決め手も乏しく、地元の苦慮もまだ続きそうだ。
https://mainichi.jp/articles/20190831/k00/00m/040/044000c
(2020年12月1日更新 周南市HP)
『野犬の現状と取組み』
周南市では、周南緑地や住宅街で野犬の目撃情報や実際に被害に遭われた方からの苦情が多数寄せられ、市民生活に深刻な影響が出ています。
・追いかけられ転んでケガをした。
・通学路に野犬が現れ登下校できない。
・野犬の群れに囲まれ、吠えられて怖い思いをした。
・鳴き声がうるさくて眠れない。
・庭を荒らされる、物が壊された。
野犬による被害状況一覧表(平成29年度~令和2年度)
咬傷 1~4件
囲われ・追われ 17~41件
etc
野犬が多い原因
・棲みやすい環境
・むやみなエサやり
・モラルの無い飼い主が遺棄した犬が繁殖
https://www.city.shunan.lg.jp/soshiki/18/1348.html
(2021年1月6日 修正1 ;追記)
2021年1月5日10時38分にNHK山口からは、また女性が噛まれたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月1日の午後3時半ごろ、周南市古泉で、飼い犬に散歩をさせていた20代の女性が白色の野犬に左足をかまれ、病院で手当てを受けました。
ケガの程度は軽いということです。
周南市では、公園や住宅街で野犬が増え、市民がかまれてケガをするなど問題になっていて、去年10月には帰宅途中の中学生が野犬に襲われて手をかまれたほか、先月にも60代の女性が野犬に足をかまれて、それぞれケガをする被害が出ています。
周南市は、今回の被害を受けて、野犬を捕獲するためのおりを追加で設置するとともに、現場の周辺でパトロールを行っているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20210105/4060008202.html
2020年12月8日16時13分にYAHOOニュース(ハフポスト日本版)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
寒くなり、ほくほくのサツマイモや肉まんが食べたくなる季節に。
ただ、電子レンジで加熱する際には注意が必要だ。
東京消防庁は、「電子レンジ火災」が増加傾向にあるとして、安全に使用するよう注意を呼びかけている。
東京消防庁は公式サイトで、電子レンジにまつわる次のような火災の事例を紹介している。
【事例1】
マンションの居住者の女性が、生のサツマイモを温めようと電子レンジで10分間加熱した。
さらに5分間加熱し、その場を離れたところ、異音が聞こえた。
戻って確認すると、サツマイモから出火し電子レンジから煙が出ていた。
【事例2】
共同住宅の居室で、カップ麺を電子レンジで加熱したところ、カップ麺の容器から出火。
火災に気付き、消火しようと電子レンジの扉を開けたところ、火が服に燃え移り死亡した。
・・・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/095bf63a259f72814fcb3ff7858d4241ea07baf5
(ブログ者コメント)
本ブログでは昨年、同種記事を掲載スミ。
2019年12月6日掲載
『2019年11月27日報道 電子レンジで焼きいも等を加熱すると炭化して可燃性ガスが発生し炭化部分の帯電スパークで火災になる、活発化した電子が火花となって飛び出すので金属も危険』
(1/2)
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10242/
(2/2)
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10243/
今回の報道では、そこに書かれていなかった事例も記されていたので、その部分だけを抜き出して紹介する。
2020年11月21日0時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ヨーグルトを配達していた男性が配達先の民家敷地内で放されていた大型犬に顔などをかまれけがをしたとして、犬の飼い主に約613万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁は20日、飼い主に約172万円の賠償を命じた。
古市文孝裁判官は「リードなども付けずに大型犬を放していたこと自体、飼い主の過失だ」と判断した。
判決によると、2015年3月、福岡県大野城市の戸建て住宅にヨーグルトの配達に来た男性が、敷地内に放されていた大型犬のバーニーズマウンテンドッグ(当時4歳半)に左手人さし指と顔をかまれ、出血を伴うけがをした。
男性側は「犬にリードを付けたり、かみつき防止用のマスクを着けたりするなどすべきだった」と主張。
一方で飼い主側は、配達者はインターホンを鳴らすことや門扉の外に商品を置くことができたなどとして、責任はないと反論していた。
古市裁判官は、犬は大型で家族以外にほえることがあったとし、「何らかの事情で警戒を示し、かみつく可能性があった」などと指摘。
配達員の鼻に残った全長33ミリのU字形の傷痕を後遺障害と認定し、治療費や慰謝料などを算出した。
一方、この犬はしつけがされ、比較的温厚な性格であったことや、配達員は犬が放されていることがあると認識しており、ほえ始めた段階で配達を中断できた点などを指摘し、過失割合は飼い主5割、配達員5割として過失相殺した。
https://mainichi.jp/articles/20201120/k00/00m/040/379000c
11月21日6時0分に西日本新聞からは、前の配達担当者は敷地内での放し飼いに同意していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
乳製品の配達中に犬にかまれて後遺障害が残ったとして、元配達員の40代男性が飼い主に約613万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁は20日、飼い主の責任を一部認め、約172万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は乳製品などの配達会社に勤務していた2015年3月、福岡県大野城市の飼い主宅に配達。
玄関付近で商品を置こうとした際、敷地内で放し飼いにされていた大型犬バーニーズ・マウンテンドッグ(体長約1メートル)に指と顔をかまれ、鼻に約3センチの傷痕が残った。
判決理由で古市文孝裁判官は、犬が人をかんだことがなく、前配達担当者が敷地内での放し飼いに同意していたことを踏まえても、「かみつき事故が生じる可能性は否定できず、相当の注意をもって犬を管理していたと言うことはできない」と指摘。
一方で、男性も玄関付近で犬に気づきながら配達作業を続けた点について、「相当な注意を欠いた」と述べた。
◇ ◇
新型コロナウイルスの影響による外出自粛で宅配便の利用が増える中、配達員が飼い犬にかまれるといったトラブルは増加が懸念される。
食料品宅配などを手掛けるエフコープ生活協同組合(福岡県篠栗町)は、「配達が予想される場合には、犬をつなぎ留めておくなど、協力をお願いしたい」などと定期的に注意を呼び掛けている。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/666284/
2020年11月8日18時29分にYAHOOニュース(北陸放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前8時40分ごろ、金沢市田上本町の介護老人保健施設「P」で、玄関を掃除していた49歳の女性職員がクマに襲われました。
女性は顔や腕などに大けがをしましたが、命に別状はないということです。
施設の担当者は当時のようすについて、「(女性は)モップブラシを持っていたので、それで応戦したが、1発2発叩けたかどうか。すぐにクマに襲われ馬乗りになった」と話していました。
クマはその後、住宅街に近い山に逃げていったとみられ、猟友会などが探しましたが、これまでのところ見つかっていません。
施設からおよそ200メートル離れた住宅街では、6日もごみ捨てに出かけた69歳の男性がクマに襲われていて、石川県内で今年けがをした人は、これまでで最も多い14人となりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/21798f20adc67067569ab8ea6b3af030af3afdd9
11月9日20時16分にFNN PRIME(石川テレビ)からは、施設の外に出て数秒後に襲われたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
血で染まった玄関口。
金沢市田上本町の老人介護施設です。
8日午前、女性職員がクマに襲われ、顔や腕にけがをしました。
女性が襲われたのは施設の外に出てからわずか数秒後のこと。
こうした中、金沢市も消防活動用ドローンを使った新たな対策に乗り出しました。
上空からクマを見つける作戦です。
実はこのドローン作戦、8日加賀市でも一足早く行われていました。
赤外線カメラで色の変化を見つけ、通常のカメラでクマかどうかを確認します。
・・・・・
https://www.fnn.jp/articles/-/105587
(ブログ者コメント)
〇以下はマピオンで調べた現場付近の地図。
山を切り開いた造成地のような感じだ。
〇今年は、ドングリなどの不作もあってか、人間と遭遇したクマが人間を襲ったという報道が相次いでいる。
それらは本ブログの掲載対象外。
ただ今回の事例はモップで応戦しており、先日紹介した、クマと遭遇したら光るものを振り回して自分を大きく見せるのも一つの方法だという情報に関連しているので、紹介する。
〇一方、関連情報調査中、11年前に乗鞍岳のバスターミナルで大勢が襲われたという事例が目についたので、併せて紹介する。
この事例、ブログ者の記憶にはなかった。
(2020年11月9日6時1分 YAHOOニュース;現代ビジネス)
【衝撃!駐車場にクマが出た…】
前回は1970(昭和45)年7月に日高山脈で起きた「福岡大ワンゲル部ヒグマ事件」について取り上げたが、この事件から約40年後の2009年、今度は北アルプスでツキノワグマによるセンセーショナルな人身被害事故が発生した。
場所は乗鞍岳の登山基点となる岐阜県畳平。
標高2702メートルのこの地には、バスターミナルをはじめ駐車場や宿泊施設、遊歩道などが整備され、代表的な山岳観光地ともなっている。
長野県側からはエコーライン、岐阜県側からだったら乗鞍スカイラインという観光道路を利用して労せずここまで来れば、標高3025メートルの乗鞍岳の山頂までは、歩いてわずか1時間半ほどの距離だ。
この年の9月19日は3連休の土曜日にあたり、天気にも恵まれたことから、畳平は朝から大勢の登山者や観光客で賑わっていた。
そこへ突然、乱入してきたのが、一頭の雄のツキノワグマだった。
時刻は午後2時10分過ぎ。
クマは畳平の北東にある大黒岳のほうから駆け下りてきて、乗鞍スカイラインを走るバスに接触したり、利用休止中の駐車場の鉄柵に挟まったりしているうちにパニックに陥り、大勢の人が行き来しているバスターミナルの駐車場に飛び出してしまった。
思いもよらぬ野生のクマの出現に「クマが出たぞー」という声が上がり、その場は騒然となった。
クマもまた、いきなり多くの人間に取り囲まれ、いっそう興奮状態に追い込まれた。
その直後から周囲にいた人々を次々に襲いはじめたのは、退路を求めての行動だったと思われる。
このとき、たまたま友人らと畳平を訪れていた66歳の男性は、「助けてー」という女性の声を聞いて遊歩道の階段を20メートルほど駆け下りた。
そこでは、うつ伏せに倒れた女性の背中にクマがのしかかっており、周囲にいた人々が石を投げつけてクマを引き離そうとしていた。
女性を助けるため、男性も石を投げながらクマに近づき、持っていた杖でクマの鼻っ柱を殴りつけた。
だが、次の瞬間には、もうクマは女性から離れて男性の前に仁王立ちとなり、左前脚を頭部に振り下ろした。
その一撃で男性の右目の眼球がぽろっと落ち、上の歯も吹っ飛んだ。
さらにクマにのしかかられて左腕に噛み付かれているうちに、男性は意識を失った。
畳平にある山小屋「銀嶺荘」のオーナー(59歳)が騒ぎに気づいたのは、ちょうど男性が襲われているときだった。
彼は周囲にいた人たちに対してバスの中や建物内に避難するように呼びかけたのち、約10メートル離れた場所からパンパンと手を叩いて大声を上げ、クマの注意を引きつけようとした。
それに気づいたクマは男性への攻撃をやめて、猛然と突進してきたので、急いで山小屋の中に逃げ込もうした。
ところが、そばにいた男性従業員が、いっしょに逃げる途中でつまずいて転倒してしまった。
そこにクマが追いついて従業員を攻撃しはじめたので、オーナーは引き返して再び手を叩き、クマを自分のほうに引きつけてから走って逃げた。
だが、山小屋の玄関の前まできたところで、ついうしろを振り返ってしまった。
その目の前には、二本足で立ち上がったクマの顔があった。
次の瞬間、左前脚で顔面に一撃を食らい、倒れ込んだ上からクマがのしかかってきた。
そこへオーナーの長男が駆けつけてきて、思い切りクマの腹を蹴りつけた。
するとクマはオーナーから離れ、長男に襲いかかっていった。
【バスターミナルに逃げ込んだクマ】
次々と人がクマに襲われている間、周囲からは怒号と悲鳴が上がり、バスやタクシーの運転手はクラクションを鳴らしてクマを威嚇した。
そのなかのひとりが軽トラックを接近させてクラクションを鳴らし続けると、クマは標的を軽トラックに変えて攻撃を加えようとした。
その隙にほかの車が負傷者をピックアップして、バスターミナル内にある救護室や飛騨高山の病院へと搬送していった。
その後、クマは3階建てのバスターミナルの建物の中へ逃げ込もうとした。
ターミナル内には大勢の観光客や登山者らが避難していて、正面玄関入口には長椅子を並べたバリケードを築いていた。
玄関に向かってくるクマを見て、従業員が入口のシャッターを閉めようとしたが、間一髪間に合わず、クマが飛び込んできてバリケードを突破した。
避難していた人々(50人とも100人前後とも言われている)は、パニックに陥りながら逃げ惑い、テーブルの上に飛び乗るなどしてクマの攻撃をかわそうとした。
一般客を守るために、従業員らはモップやイス、消化器などを武器に、あるいは素手で、必死でクマに立ち向かった。
そんななかで数人が引っ掻かれたり咬まれたりして傷を負った。
最終的にクマはターミナルの1階にある売店コーナーに逃げ込み、従業員が仕切りのシャッターを下ろして売店内に閉じ込めた。
そして午後6時前、高山猟友会丹生川支部のメンバー4人が現地に到着し、シャッターの隙間からクマを射殺して、悪夢のような出来事にようやく終止符が打たれた。
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
【クマの爪痕は体にも心にも…】
この事故による負傷者は計10人に及んだ。
襲撃された人のほとんどは、顔を狙われていたという。
いちばん重傷だったのが最初に登場した66歳の男性で、右目は完全に失明し、左腕と左足にも重い後遺症が残った。
山小屋のオーナーも、唇の上から喉にかけて100針以上縫う重傷を負い、話をするのに若干不自由するようになった。
なお、事故を伝えた当時の報道には、「畳平に現れたクマを、男性が棒で叩くなどして興奮させたことがきっかけとなって、次々と人が襲われた」というニュアンスものが多かった。
しかし、これは事実ではない。
男性がとった行動は、あくまでクマに襲われていた女性を助けようとしたためであり、決して好戦的にクマに向かっていったのでない。
ただ、事故は彼の心身に大きな傷を残した。
体が不自由になって好きな山に登れなくなっただけではなく、いっしょに畳平を訪れていた友人らは、「助けられなかった」という負い目から彼のもとを離れていき、その後の人生は大きく変わってしまった。
【なぜバスターミナルにクマが?】
もともと乗鞍岳一帯はツキノワグマの生息域であり、周辺ではこの事故以前にもクマがたびたび目撃されていた。
しかし、ほとんどの野生のクマがそうであるように、乗鞍岳に生息するクマも人間を恐れており、登山者らに干渉することなく、ある一定の距離を保っていた。
では、なぜこのときに限って、バスターミナルにいた人の集団のなかに、クマは自ら飛び込んでいったのだろうか。
この点について、岐阜大学応用生物科学部プロジェクトチームがまとめた『乗鞍岳で発生したツキノワグマによる人身事故の調査報告書』は、「クマが大黒岳の上部で採食に夢中になっているときに、近くにいた登山者が大声を出すなどしたため、驚いて斜面を駆け下りた可能性が考えられる」と推測している。
ところが、駆け下りた先が車の往来する道路であり、バスに接触したり鉄柵に挟まるなどしてパニック状態が続き、大勢の人がいるバスターミナルに飛び出してしまった。
そこには身を隠す場所がなく、大声を出されたり石を投げられたりしたため、精神的に追い詰められて人への攻撃に転じたというわけである。
クマにしてみれば、あくまでも脅威から逃避しようとして行動したのに、その先々でさらなる脅威に直面し、それまでに体験したことのないほどの身の危険を感じて、死に物狂いでそこから逃れようとしただけなのだろう。
そう考えると、被害に遭った人たちにとっても、射殺されたクマにとっても、不運で不幸な出来事であったとしか言いようがない。
この事故以降、乗鞍岳一帯でクマによる人身被害は、今のところ出ていない。
しかし、乗鞍岳がクマの生息域であること、また多くの登山者や観光客が訪れる山岳観光地でもあることに変わりはない。
実際、周辺では毎年たくさんの目撃情報が寄せられており(今年度は10月21日現在、36件の目撃情報がある)、ときに登山道や遊歩道の近くに出没することもある。
そうした状況では、人間のなにかしらの行動がトリガーとなってクマがパニック状態に陥るのは充分に予測できることであり、同様の惨事がいつ起きても、なんら不思議ではない。
それは乗鞍岳にかぎった話ではなく、クマが生息するほかのエリアについても同じことがいえる。
登山であれキャンプであれ観光であれ、自然のなかで活動するときには、そうしたリスクがあることを、我々は忘れてはならない。
【「自分を守る」ために行動する】
とくに今年は全国各地で例年以上にクマの出没・目撃情報が相次ぎ、石川県や新潟県、山形県では、市街地や観光地で人がクマに襲われる被害も発生した。
その要因としては、今年はクマの食料となるドングリが凶作であること、人間を怖がらない新世代のクマが現れはじめていること、過疎化や高齢化により里山が荒廃してクマの生息域が広がっていることなどが挙げられている。
いずれにせよ、これまでになく人間とクマの距離が近くなっているのは間違いなく、両者の関係はより緊張の度合いを増しており、突発的な事故には充分警戒する必要があろう。
なお、乗鞍岳の事故のように、人がクマに襲われている場面に出食わしたとしたら、どう対処すればいいのだろうか。
残念ながら、周囲にいる人たちにできることはほとんどなにもない。
乗鞍岳の事故のときのクマは、体長136センチ、体重67キロだった。
体格的には人間の成人男子より小さいにもかかわらず、人の力では制御できず、10人もの重軽傷者が出てしまった。
たとえどんなに屈強な男性でも、まともにクマとやりあったのではとても勝ち目はない。
襲われている人を助けようとしてヘタにクマを刺激すると、いっそう興奮させて被害がより拡大してしまう。
たとえナイフやナタ、あるいはクマスプレーを持っていたとしても、クマを確実に撃退できる保証はなく、逆に返り討ちに遭ってしまう可能性が高い。
だから、まず行なうべきは、自分の身を守る行動をとる、すなわち避難することだ。
「襲われている人を助けたい」と思う心情は理解できるが、もし助けようとするのなら、「もしかしたら自分も命を落とすことになるかもしれない」という覚悟が必要である。
また、自分がクマに襲われた場合は、クマスプレーを携行していればそれを噴射すべきだが、そうでなければ防御姿勢(首や腹部への致命傷を防ぐために、地面にうつ伏せになり、手を首の後ろで組む体勢)をとって、クマの攻撃をやり過ごすしかない。
負傷するのは避けられないだろうが、力ずくで対抗しようするよりは賢明だろう。
---------- 参考文献 『乗鞍岳で発生したツキノワグマによる人身事故の調査報告書』(岐阜大学応用生物科学部プロジェクトチーム) ----------
羽根田 治(フリーライター)
https://news.yahoo.co.jp/articles/08ba99e80b3c68734f0d376eec361cf9a48e7de2?page=1
2020年10月28日0時6分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
網戸を上下に動かすひもに首が引っかかり、女児(当時6歳)が死亡したのは製品の欠陥が原因だとして、兵庫県内に住む両親らがアルミ建材大手「YKK AP」(東京)とリフォーム業者に計約8000万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
窓のブラインドなどのひもが首に絡まる事故は過去にも多発しており、父親は27日の第1回口頭弁論で「安全対策を講じていれば事故は防げた」と訴えた。被告側は争う姿勢を示した。
訴状などによると、女児は2019年11月18日午後、自宅で網戸のひもが首に引っかかった状態で家族に発見され、病院搬送後に死亡が確認された。
事故は、自宅のリフォームで網戸を設置した直後に発生。
輪状になった樹脂製のひも(約175センチ)を引くと、窓枠の上部に収納された網戸が下まで引き出せる構造だった。
両親側は、網戸の本体に事故を警告する表示がなく、一定の重さがかかるとひものつなぎ目が外れるなどの安全対策が取られていないと指摘。
「子供の首に引っかかると窒息死する危険がある時点で欠陥がある」と主張している。
製品には、子供の手が届かない高さにひもを束ねるクリップが付属しており、このクリップには事故への注意を促す表示があった。
しかし、出荷時にクリップはひもに装着されておらず、両親側は「使用の必要性を認識できる状態ではなかった」と言及。
リフォーム業者についても、クリップを袋に入れたまま放置し、使い方を説明しなかった責任があるとしている。
事故当日、病院に駆けつけた父親は「パパ来たよ」と語りかけたが、女児の意識は戻らなかった。
20年4月から小学生になるはずだった女児の紫色のランドセルは、今も自宅に残されたまま。
父親は法廷で「幼い命が二度と奪われないよう再発防止を要請したい」と涙ながらに訴えた。
YKK APは訴えに対し、「製品自体に欠陥はないと主張していく」と答弁。
取材に対し、事故後の19年12月以降は、ひもにクリップを装着した状態で出荷しており、安全性を高める措置を取っていると説明している。
【同様の事故、後立たず】
窓のブラインドやスクリーンなどのひもを巡っては、過去にも事故が多発しており、消費者庁が繰り返し注意を呼びかけてきた。
同庁によると、2007~13年にひもが子供の首に絡まるなどの事故は国内で10件あり、このうち12年の3件では死亡した。
6カ月男児が亡くなった事故では、寝返りをしてベッドから落ちた際、近くのひもが首にくい込んだとみられる。
経済協力開発機構(OECD)の調査(16年)では1996年以降、世界15カ国で250件以上の死亡事故が確認されている。
消費者庁は、ひもが首に絡まると窒息などで15秒以内に気絶し、2~3分で死亡する危険性があると指摘。
事故は寝室やリビングで静かに起き、保護者が気づかない可能性もあるといい、
▽ソファやベッドをひもの近くに置かない
▽ひものループ部分がない製品や小さい製品を使う
▽ひもをクリップでまとめる
などの対策を求めている。
一方、東京都が設置した「都商品等安全対策協議会」は14年、クリップなどの付属品があっても消費者が使わないケースがあるとして、安全器具が一体化した商品開発をメーカー側に提言した。
https://mainichi.jp/articles/20201027/k00/00m/040/194000c
(ブログ者コメント)
ブラインドなどのヒモの危険性については、過去にも本ブログで紹介している。
(2022年11月19日 修正1 ;追記)
2022年11月17日19時17分に毎日新聞からは、製品欠陥はなく業者も使用方法を説明していたと裁判で認定されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
網戸を上下に動かすひもに首が引っかかり、6歳だった女児が死亡したのは製品の欠陥が原因だとして、兵庫県内に住む両親らがアルミ建材大手「YKK AP」(東京)とリフォーム業者に計約8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は17日、請求を棄却した。
池上尚子裁判長は「事故を防ぐための安全対策が取られており、製品に欠陥はない」と判断した。
判決によると、女児は2019年11月、網戸のひもが首に引っかかった状態で家族に発見され、死亡が確認された。
網戸は自宅のリフォームで設置され、輪状のひもを引くと、窓枠の上部から引き出せる構造だった。
池上裁判長は、この製品について、ひもを子供の手が届かない高さで束ねられるクリップが付属し、クリップには事故への注意を促す表示も記された状態で出荷されたと指摘。
製品の危険性や適切な使用方法について指示・警告がなされていた」と述べ、「YKK AP」の賠償責任を認めなかった。
リフォーム業者についても、両親にクリップの使用方法などを説明していたと認定した。
両親側は「子供の首に引っかかると窒息死する危険がある時点で製品に欠陥がある」と主張。
クリップも、ひもに装着された状態で出荷されていないとして、「使用の必要性を認識できなかった」などと訴えていた。
https://mainichi.jp/articles/20221117/k00/00m/040/292000c
(2024年3月16日 修正2 ;追記)
2024年3月14日8時50分に毎日新聞からは、1審判決が変更になり倍賞支払い命令が出た、裁判長はこうした網戸は一般的ではないと指摘したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
両親らが製造元のアルミ建材大手「YKK AP」(東京都千代田区)とリフォーム業者「Tホームトピア」(札幌市)に計約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が14日、大阪高裁であった。
黒野裁判長は、両親らの請求を棄却した1審判決を変更。
「製品に欠陥があり、企業の製造物責任が認められる」などとして、2社に計約5800万円の支払いを命じた。
判決によると、兵庫県の自宅にいた女児は2019年、網戸を開け閉めするひもが首に引っかかった状態で家族に発見され、死亡が確認された。
網戸はリフォームの際に設置。
輪状のひもを引くと、窓枠の上部に収納されている網戸が引き下ろせる構造だった。
製品には、子どもの手が届かない高さにひもを束ねられるクリップが付属していたが、出荷時にクリップはひもに装着されていなかった。
黒野裁判長は、こうした網戸は一般的ではないとして「危険性が広く認知されているとは言えない」と指摘。
出荷時にひもとクリップは別々の袋に入れられ、取扱説明書も同封されていなかったことから、「十分な指示や警告がなく、安全性を欠いていた」として、製品の欠陥を認めた。
リフォーム業者についても、製品を窓に設置することや、ひもの危険性を両親に説明することを怠る注意義務違反があったと認定した。
22年11月の1審・大阪地裁判決は「製品に欠陥はない」と判断し、両親側が控訴していた。
事故が起きたのは、母親の実家を2世帯住宅にリフォームした3日後だった。
母親は「リフォームしなければよかった」と自分を責め続け、体調を崩したという。
https://mainichi.jp/articles/20240314/k00/00m/040/303000c
2020年10月26日11時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国でクマが人里に出没し、人を襲う事件が相次いでいる。
今月中旬には石川県のショッピングセンターに現れ、射殺された。
もしもクマに遭遇したらどうすればいいのか。
目を離さずに静かに後ろへ下がるなどの方法が報道されているが、よく言われる「死んだふり」は効果があるのだろうか――。
専門家に聞いてみた。
日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田(まいた)一彦理事長(72)は、これまでに3千頭のクマに遭遇し、8回襲われた経験がある。
「熊が人を襲うとき」(つり人社)という著書もある。
「ばったり出くわしたら、地面に伏せて首をガードし、1撃目を食らわないのが大事」。
クマが攻撃してくるときは、抱きついてきて鼻にかみつき、窒息させることもあるため、立ったままでいると重篤化し、死亡することも多いという。
そのため、米田さんは「死んだふりは効果がある」と話す。
また、ステッキやスコップ、ピッケルなどを振り回すと、クマは怖がるらしい。
「クマはクマが怖い。ピッケルなどキラキラ光るものが、クマの爪にみえる」。
鎌などを持っていた場合は、振り回し、できるだけ自分の体を大きく見せるのがいい、とも。
90代の女性が、熊手を振り上げて助かった例もある。
一方で、目の前で遭遇したのではなく、山の中で離れたところで見つけたときは、木の後ろに隠れ、木のふりをすることが有効だとする。
クマは動くものには目が早いが、じっとしているものは何か判別できないという。
平野部で遭遇したときの対応も同様だ。
電柱や木立の後ろに隠れ、見つからないようにする。
仮に襲われたときは、側溝に伏せたり、電柱に抱きついたりして、腹を押しつけて体を守り、表面積をできるだけ小さくするといいという。
【襲われても、おなかを守れ】
酪農学園大学の佐藤喜和教授(野生動物生態学)は、「ばったり出くわして驚いているのはクマも同じ。急に走り出したり、大声で叫んだりすると刺激してしまうので、まずは刺激しないことが大切です」と話す。
「死んだふり」については、「いきなり倒れたら、興味を示してクマは近寄ってくるかもしれない」とするが、「威嚇突進してきたときにも、人を食べるつもりではないので慌てずに。仮に襲われても、両手を首の後ろで組んで首を守り、うつぶせになるなどして、おなかを守ることが必要」といい、この姿勢が「死んだふり」に近いものだと説明する。
次第にクマは離れていくという。
ただ、「かなりまれなケース」と佐藤さんがあげるのは、過去に人を襲って食料を得た経験があるクマだ。
「人=おいしいものを持っている」という学習をしているクマは、ふらふらと近寄ってくるという。
ぶつかってきたときに、死んだふりをしても効果はないという。
そんなときは「持てるすべての物を使って戦うしかない」。
石川県のケースのように、もし街中で出あったら?
クマはパニック状態になっており、クマが落ち着けるように、クマとの間に障害物を挟みながら距離をとるのがいいという。
佐藤さんは「ヒグマの会」事務局長も務める。
会では、お役立ちグッズも数多く紹介。
クマを撃退する「ベアスプレー」は「4メートル以内から吹いて顔に命中させれば、撃退効果は高い。ただ、風向きには要注意。こっちにダメージがあり、クマ対応どころではなくなる」。
クマに人の食料を食べさせないため、特殊な容器で食料を保管することなども紹介している。
結論は、クマよけの鈴を鳴らしたり目撃情報を把握したりと、クマに遭遇しないようにし、遭遇してしまったら、焦って急いで行動しないことのようだ。
https://digital.asahi.com/articles/ASNBT76GDNBRUTIL01Y.html?pn=6
(2020年11月7日 修正1 ;追記)
2020年11月6日20時0分にYAHOOニュース(Forbes JAPAN)からは、鈴の音には慣れることもあるのでペコペコ音など、山の中では聞かない音をたてるほうが効果的など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
「鈴の音」がクマ除けになることからもわかるように、クマは元来、人を恐れ、できることなら遭遇を回避しようとする動物だ。
それでもクマが人を襲うのは、クマ自身が身を守るための最後の手段だと感じた場合や、子グマを守るためである場合が多いとされる。
また稀に、人を恐れるに足りない存在だと学習した場合、積極的に人を襲うケースも報告されているため、過度に人に慣れさせないことが重要とされている。
餌付けするなどは言語道断の行為だ。
また、「クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉崎等(姉崎等、片山龍峯著/筑摩書房)」という書籍では、アイヌの猟師である姉崎氏が、鈴の音に慣れてしまうクマも存在することを語っており、興味深い話だと感じた。
クマ除けの鈴をつけた人が、しょっちゅう分け入る山中では、普段は山では聞かれない音、例えば空のペットボトルをペコペコと鳴らす音などのほうが、クマを警戒させる効果があるのだという。
いずれにしても、ここに人がいるから近づくな、人は怖い存在だ、という警告を発しておくことが重要で、クマも根本的には人を恐れ、危険を回避しようとしていることに変わりはない。
・・・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/d41e723466f9c03ae8399528cd3c71f4fe32dcd2
2020年10月22日11時0分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
インターネットなどを通じて買った中古のパソコンや家電から出火する事故が相次いでいる。
フリーマーケットアプリなどで個人間の取引も広がるなか、売り手の改造や欠陥によるリコールを知らずに購入していたケースが目立つ。
購入時には、製品の情報をしっかり確認する必要がある。
国民生活センターによると、関東地方の20代女性は2019年にフリマアプリで中古の冷蔵庫を購入し、自宅で使っていたところ、6月に突然、冷蔵庫の背面から出火した。
家族で消火してけがもなかったが、一時は40センチほどの炎が上がったという。
製品評価技術基盤機構(NITE)が9月にまとめた調査結果によると、2015~19年度に発生した中古品の事故のうち、266件(82%)は製品からの出火などによる火災だった。
中には、死亡(11件)や重傷(14件)に至った重大なケースもあった。
事故があった製品別ではパソコン(32件)が最も多く、石油ストーブ(25件)、冷蔵庫(19件)が続いた。
中古品の入手方法は、譲渡が最多の42%を占め、購入ではリユースショップ(25%)やインターネット(11%)が多かった。
電気ストーブの事故では、電源コードを別のコードとつないだ改造部分が接触不良を起こして発火していた。
ネットオークションで購入したノートパソコンが燃えた事故は、非純正のバッテリーの異常発熱が原因だった。
リコール対象と知らずに購入した洗濯機から出火した事故もあった。
フリマアプリでも多くの電化製品が売買されるなか、メルカリは9月から、製品の欠陥によるリコールがあった場合に購入者らに注意喚起する取り組みを始めた。
メーカーの情報を基に購入者や出品者にリコールを伝え、対象製品が出品されている場合は削除する。
ネットの個人間取引で製品の安全性を第三者が確認するのは難しく、こうしたメルカリのような動きはまだ珍しい。
NITEは、買い手側に修理・改造の履歴などを確認するよう呼びかける一方、売り手側にも「自分で修理・改造した製品は提供しない」、「リコール対象製品でないことを確認する」といった対応を求めている。
製品安全に詳しいMS&ADインターリスク総研の伊納正宏上席コンサルタントは、「製品についての情報を多く持っている売り手側の対応が重要だ。リスクについて適切に情報提供することが事故の削減につながる」と指摘している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65302460S0A021C2CE0000/?n_cid=NMAIL007_20201022_Y
(ブログ者コメント)
ネタ元と思われる資料は下記。
『中古品に潜む危険!リユース時の注意 ~安全で持続可能な社会を目指して~』
(令和2年9月24日(木)製品評価技術基盤機構 プレスリリース)
フリマアプリ※1などの登場により、個人間の物品の売買が気軽にできるようになりました。
また、おうち時間を活用するなどして、断捨離を始める方も少なくありません。
製品のリユース(再使用)を促進することは、限られた資源を有効活用するとともに廃棄物の発生抑制につながり、環境への負荷の少ない持続可能な社会の形成に貢献します。
一方で、中古品※2を使用することで思わぬ事故が発生しています。
特に、製品の使用状態など入手前の情報が得られず事故に至るおそれに気がつくことができなかったために、発生している例もあり注意が必要です。
NITE(ナイト)は、事故の未然防止のため、中古品の事故について注意喚起します。
2015年度から2019年度までの5年間にNITEに通知のあった製品事故情報※3のうち、中古品の事故は合計325件※4確認されました。
そのうち死亡事故は11件(12人)、重傷事故は14件(14人)発生しています。
品目別では家庭用電気製品での事故が多く、特にパソコンで32件の事故が発生しています。
また、入手方法別では、譲渡された製品による事故が最も多く発生しています。
中古品の事故を防ぐためには、提供する側、入手する側のそれぞれで気を付けるべきポイントがあります。
中古品を提供する側として、修理・改造した製品やリコール対象製品などは譲渡や売却をしないこと、製品を選ぶのに必要な情報を伝えることなどが重要です。
また、中古品を入手する側として、リコール対象製品でないことを確認する、製品の製造年や製品に破損や変形などの不具合が発生していないことを確認するなどして、事故を未然に防ぎましょう。
■事故事例
○譲渡された電気ストーブの電源コードが途中で切断され別のコードが接続されていたため、接続部が異常発熱し、出火した。
○リユースショップで購入した電気洗濯機がリコール対象製品であり、不具合のあったコンデンサーが内部ショートを起こして出火した。
○インターネットで購入した中古品のノートパソコンを充電中、非純正品のバッテリーパックが内部ショートし、出火した。
○譲渡された扇風機の内部配線が長期使用による劣化で断線し、スパークが生じて出火した。
■事故を防ぐポイント
●提供する側(譲渡、売却などする場合)
○提供者自らが修理・改造した製品は提供しない。
○製品がリコール対象製品でないことを確認する。リコール対象製品だった場合は、提供を止め、事業者に連絡する。
○非純正バッテリー※5を取り付けた製品である場合は、その旨を伝える。
○製品の製造年数を伝えるとともに、異常など不具合のあった製品は提供しない。
●入手する側(譲受け、購入などする場合)
○製品の修理や改造の履歴を確認した上で判断する。
○製品がリコール対象製品でないことを確認する。また、入手した製品がリコール対象製品だった場合は、使用せず事業者に連絡する。
○非純正バッテリーが製品に取り付けられているかどうかを確認し、取り付けられていた場合は、製品本体の事業者などのホームページで事故情報などの注意喚起が掲載されていないか確認する。
○製品の製造年数や製品に破損や変形などが生じていないか確認する。
(※1) インターネット上で、フリーマーケットのように物品の売買を行えるスマートフォン用のアプリ。
(※2) 本資料では、中古品販売店で購入したもの、インターネットオークション及びインターネット通販で購入した中古品、譲渡された物、中古住宅などに既設で設置されていたものなどを「中古品」と呼ぶ。
(※3) 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含める。
(※4) 重複、対象外情報を除いた事故発生件数。
(※5) 非純正バッテリーとは、いわゆる互換品として販売されている他社製のバッテリー製品を指す。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs200924.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。