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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年2月5日付の読売新聞群馬版と毎日新聞群馬から、また2月5日付の朝日新聞群馬全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
4日午前9時25分頃、高崎市の鉄パイプ製造会社「T精密管」小串工場から「タンクの清掃中に気分が悪くなった人がいる」と119番があった。
24~58歳の男性作業員5人が搬送され、このうち、Aさん(58)が有機溶剤中毒で重症となった。Aさんは、タンク内で意識を失い倒れていたが、搬送先の病院で意識を回復した。残る4人は有機溶剤中毒や急性薬物中毒になったが、いずれも軽症。


警察などによると、搬送された作業員は、同社に清掃を委託された清掃会社の従業員で、同日午前8時頃から金属のパイプを洗浄するためのタンク(縦0.95m、横7.6m、深さ2.45m)の清掃作業をしていた。

機械で抜き取れなかった塩素系有機溶剤のメチレンクロライドをタンク内で処理していた作業員2人が気分が悪くなり、1人は自力で脱出、倒れた1人をAさんら3人が助け出そうとタンク内に入ったところ、Aさんが意識を失って倒れたという。
警察は、タンク内で有機溶剤のにおいをかいだため、中毒になったとみている。

作業員はマスクや清掃着を着用していて、タンクにも破損などはなかったという。

工場周辺は畑などで、民家はほとんどない。
 
現場にいた社員などによると、タンクの清掃は数年に1度程度で、板倉町内の清掃会社が請負っていたという。

 
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20120205-OYT8T00105.htm
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20120205ddlk10040076000c.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□タンク内にいた2人は、マスクを着用していて、なぜ気分が悪くなったのだろう?
正規のマスクを着用していたのだろうか?
 
□同じ会社が毎回清掃を請負っていたようだが、それでいて何故、事故が起きたのだろう?
初めて清掃を請け負った会社であれば、メチクロの危険性など周知不徹底ということも考えられるのだが・・・。
 



(2012年3月1日 修正1 ;追記)
 
2012年2月5日付の上毛新聞紙面に、以下のような趣旨で補足的情報が掲載されていた。
 
警察によると、清掃を委託されていたゾーンケミカル社は、工場などから排出される廃油の再生や処理を行う業者。
4日は小串工場の操業が休みで、午前8時ごろから、金属部品の汚れを洗い流すために使用する洗浄槽の有機溶剤を抜き、清掃していた。
洗浄槽には普段、有機溶剤を約4分の1の高さまで入れ、パイプを浸している。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
上毛新聞紙面に洗浄槽の写真が掲載されていたが、屋内に設置された金属製の槽だ。
その写真からは、槽は3つのブロックに分かれていて、ブロック毎に蓋が取り付けられているように見えた。
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2012年2月2日付の新潟日報から、また2月3日付の朝日新聞新潟全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

2日午前10時半ごろ、上越市の日本曹達二本木工場で、落雪で屋外の配管が壊れ、塩素ガスが漏れ出した。
近くで除雪作業していた同社社員男性(49)がガスを吸ってせきこみ、喉の痛みを訴えて病院へ搬送されたが、軽傷という。
警察によると、男性は命に別条はなく、工場周辺の住宅にもガスによる影響は出ていない。

男性は同日朝から同僚8人で、塩素ガスの配管が通る施設周辺で除雪をしていた。
警察によると、高さ数mの鉄製の足場の雪が落ちて、直径17cmある配管の樹脂製のつなぎ手が壊れ、男性はガス漏れに気付いて逃げる際に吸い込んだという。

出典URL
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/31819.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□上越市といえば直江津のイメージだが、ブログ者は、以前、新潟といっても雪が積もるのは山間部だけで、海岸部にはさほど積もらないと地元の人に聞いたことがある。
今年は海沿いでもかなり積もっているのだろうかと気になり、該工場の場所を確認したところ、なんと上越市といっても海沿いではなく、高田の奥、妙高市に囲まれた山間部だった。
これなら今年は、さぞや例年以上の豪雪に見舞われていることだろう。
 
□雪による事故については、2011年2月に雪の重みで配管から灯油が漏れた事例2件を本ブログに掲載したが、落雪による事例は初掲載だ。
雪国の設備管理は大変だ。
 
 

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2012年1月26日付で毎日新聞新潟版から、また1月26日16時6分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

上越市教委は25日、同市内の直江津中など6中学校で23日に出された給食のゆで麺に、食品などの消毒や殺菌に使う次亜塩素酸ナトリウムが付着していたと発表した。
袋を開けた際、「プールのような臭いがする」などと訴えた生徒らがいたが、不調を訴える生徒、教職員はいなかった。

麺は同市内の製麺業者が製造。同業者は先週末、製麺機に付属するボイラーを業者に修理させた後、内部を次亜塩素酸ナトリウムで消毒したが、製麺機の洗い流しが不十分だったため、23日に製造した麺に一部が付着したらしい。
業者は「
中華麺をゆでたお湯に混じった可能性があるが、基準の希釈倍数の消毒液を使っており、人体に影響はない」と説明しているという。

市教委によると、学校側が業者に問い合わせるなどして安全性を確認し、回収はしなかったが、市教委は業者に対して生産管理を徹底するよう厳重注意した。


出典URL
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20120126ddlk15040174000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120126-OYT1T00324.htm
 
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2012年1月22日付の読売新聞千葉版紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。また22日10時13分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
 
21日午後3時50分ごろ、千葉市のJFEスチール東工場の第6コークス炉付近の冷却用パイプから冷却水が噴出し、パイプの補修作業をしていた45歳と67歳の男性作業員が冷却水を浴びた。
同社などによると、冷却水には約0.7%のアンモニアが含まれており、作業中に突然、噴出したという。


45歳の作業員はアンモニア中毒、67歳の作業員はアルカリ損傷の中等症といい、2人は経過観察のため入院した。

同社によると、作業員がパイプの結合部分のボルトを緩めたところ、継ぎ目から噴出したという。
作業前に抜くべき冷却水がパイプ内に残っていたとみられ、同社が原因を調べている。
同社によると、工事は配管の中の液体を抜いた上で行うことになっているという。


JFEでは去年からことしにかけて事故が相次いだため、事故の防止と安全対策を徹底するよう、今月16日に千葉市長から指導を受けたばかり。

 
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/chiba/1006604821.html
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
関連会社を含め、半年で4件目だ。たしかに多い。
しかし、1件1件の事故をみると、現状では何の共通点もみられない。
それで安全対策の徹底といわれても、JFEとしては具体策に窮しているだろう。

 
以下は、本ブログに掲載済の事故。

2012年 1月  6日 停電で黒煙と爆発音発生
2011年12月  2日 硫酸タンク爆発(JFEケミカル)
 〃     9月22日 ゴンドラのワイヤーが切れて5人死傷
2010年11月25日 冷却塔から出火
 
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2012年1月20日12時20分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
20日午前9時5分ごろ、北名古屋市の路上で、男性作業員から「マンホール内で作業中の同僚が倒れた」と119番があった。
消防隊員らが内部から男性2人を救出し、地上にいた男性4人も気分の悪さを訴えて病院に搬送された。
いずれも酸欠のような症状で、命に別条はない。
警察は作業状況などを調べるとともに、安全管理に問題がなかったか関係者から事情を聴いている。
 
警察によると、現場は直径1.5m、深さ5mのコンクリート製の縦坑。
縦坑につながるプラスチック製下水管(直径15cm)の埋設工事の仕上げをするため、作業員5人が交代で縦坑の壁に水漏れ防止のモルタルを塗る作業の準備をしていた。
 
ところが、縦坑に最初に入った作業員1人が「(空気が)おかしい」と異常を訴えたため、ほかの作業員と警備員1人が救出を試みて次々と縦坑に出入りし、気分が悪くなったらしい。
最終的には2人が縦坑内に倒れて意識不明となったが、病院で意識を回復した。
 
工事は北名古屋市が市内の業者「T工事」に発注。
市によると、工事の期間は昨年7月から今年2月までで、現在は下水管とマンホールを接続する作業中だった。
新設工事の場合、現場の酸素濃度の計測など酸欠防止の措置は義務付けられていないという。

 
出典URL
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012012090120338.html
 
 
※以下は、他のメディアからの特記的報道。
 
20日12時25分 NHK名古屋
消防によると、マンホール内で酸素濃度を計測したところでは異常はみられなかったという。
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagoya/3005407822.html
 
20日12時13分 朝日新聞
警察によると、午前9時から作業員のうち3人がマンホールから下水管に入り、壁にモルタルをつめる作業をしていたが、約5分後に1人が「気分が悪くなった」と作業を中断して地上へ出てきた。
マンホール内に残った2人を助けようと地上にいた作業員2人と警備員2人が中に入り、自力で外へ出た作業員が消防に通報した。残った2人は駆けつけた消防隊員に助け出されたという。

http://www.asahi.com/national/update/0120/NGY201201200005.html
 
20日20時27分 中京テレビ
警察などは作業で使っていたポンプのエンジンから出た一酸化炭素による中毒の可能性もあるとみて、原因を調べている。
作業をしていた会社の社長によると、マンホールにたまった水を抜くため、ポンプを使っていたが、ホースが短く、マンホールの中で動かしていたという。

http://news24.jp/nnn/news8626439.html
 
 
 
(2012年1月31日 修正1 ;追記)
 
2012年1月21日付の中日新聞紙面に、当時の詳しい状況が下記趣旨で掲載されていた。
 
一時意識不明になった作業員2人はCO中毒だったことが、警察の調べで分かった。
エンジン付きポンプをマンホール内で動かしてしまい、酸素不足で不完全燃焼してCOが発生したものとみられる。
 
工事は、直径1.5m、深さ5mのマンホール内の縦穴に直径15cmの下水管をつなぐ作業などを予定していた。縦穴内に水が溜まっていたためポンプで抜いていたところ、穴の中にいた下請け会社の社員2人が倒れて意識不明となり、救助を試みた4人も気分が悪くなり、病院に運ばれた。
 
警察などによると、「初めはポンプを外に置いていたが、ホースが短くて底まで届かないので穴の中に下ろした」と話しているという。
深さ2.7mのところに鉄網の床があり、そこにポンプを置いたらしい。
 
T工事の社長は、「密閉に近い状態の場所にエンジンポンプを入れることは常識では考えられない」と陳謝。一方、深さ2m以上の穴で作業前に義務付けられている酸素濃度測定を行っていなかったことも明らかにし、「甘いところはあったかもしれないが、穴の深さや地質の状況から、測らなくてもいいと判断した」と話した。
 
 
(ブログ者コメント)
 
□誰がエンジンポンプをマンホール内に入れることを決めたのか?そこが問題だ。
下請け社員が作業していたということは、T工事の監督も現場にいた筈。監督であれば、社長のようにCO中毒の知識があってしかるべしだと思うのだが・・・。現場を離れていたのだろうか?
 
□酸素濃度未測定の件、正直な社長だ。小規模事業者の意識はその程度なのが実状なのだろう。2010年10月に起きた古河市のマンホール内酸欠死亡事故でも、やはりその程度の意識だった。
 



(2012年2月2日 修正2 ;追記)
 
2012年1月20日付の朝日新聞名古屋版夕刊(聞蔵)から、事故時の状況に関し、かなり違った下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ただ、翌21日付の中日新聞がこのことに触れてないので、本情報は参考扱いとしたほうがよさそうだ。
 
消防によると、意識を失った作業員は、地上から約3mの足場にポンプを置き、さらに約1.5m下にある下水管から排水をしていた。
救出時、ポンプはスイッチが入りながら、作動していない状態だったという。
消防は、ポンプの誤作動で燃料が不完全燃焼を起こした可能性があるとみている。
 



(2012年10月23日 修正3 ;追記)

2012年10月17日2時20分に毎日新聞名古屋版から、ポンプをマンホール内に設置したのは現場監督の指示だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

県警西枇杷島署は16日、工事を市から請け負った「T工事」の男性現場監督(56)を、業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
県警によると、現場監督は「責任者として、原因は全て私にある」と話しているという。


容疑は1月20日午前9時5分ごろ、工事現場のマンホール内にエンジン付き排水ポンプを持ち込んで作業をさせたため、下請け業者の男性作業員(57)を全治約6カ月のCO中毒に、20〜60代の作業員や警備員ら4人を全治1日の酸欠などにさせたとしている。

県警によると、エンジンが不完全燃焼になり、COが発生したとみられる。
吸水用ホースの長さが足りず、通常は地上で動かすポンプを現場監督の指示でマンホール内に設置していた。


出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20121017k0000m040173000c.html



(ブログ者コメント)

現場監督は、作業が工程どおりに進むよう管理する立場であり、他方、作業安全を管理する立場でもある。
今回は、前者の意識が勝ってしまったようだ。
一人で相反する性質の管理を行うのは、よほど意識していないと難しい。

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2011年12月26日21時11分にNHK富山から、27日1時17分に47NEWSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

26日午後3時50分ごろ富山市の木炭を作っているK開発株式会社とやまリサイクルセンターから、製造された木炭を貯蔵するサイロの中に男性が倒れていると消防に通報があった。
男性は病院に運ばれたが、午後5時半すぎに死亡した。 警察によると、死亡したのはパート従業員の男性(64)。

警察によると、男性は午後3時半ごろ、サイロに入ったところ倒れたということで、男性を助けようとした金原開発の常務の男性(58)も病院に運ばれ、治療を受けている。

この工場は、建設現場から出た廃材をチップにして脱臭や湿度を調整するための木炭にリサイクルしている。

警察は、CO中毒か酸欠が原因となった可能性があるとみて死因を調べるとともに、当時の状況を詳しく調べている。


出典URL■■■



(2012年1月7日 修正1 ;追記)

2011年12月27日付の朝日新聞富山全県版(聞蔵)から、もう少し詳しい下記情報がネット配信されていた。

不調だったサイロ(高さ4m40cm)の点検のため内部に入ったところ、突然倒れた。



(2012年2月1日 修正2 ;追記)
 
2011年12月27日付の北日本新聞紙面に、より詳しい状況が下記趣旨で掲載されていた。
 
倒れた2人は、もう一人の60代の男性従業員と3人で、家屋の柱や梁などを砕いて作った木炭を貯めておく金属製のサイロ(幅、奥行き約2.5m、高さ約8.8m)から炭を取り出す作業をしていた。
 
サイロ下部にある木炭の取り出し口が詰まったため、パート従業員の男性が最上部にある出入口からサイロ内に入り、その直後に倒れた。
救助するため、常務も中に入り、もう一人の従業員が敷地内の事務所に助けを求めに行った。従業員が戻ってきたところ、常務も中で倒れていた。
 
サイロは、同社敷地内にある「炭化工場」内に設置されており、計3基あった。
 
パート従業員の男性が中に入る前にサイロ内に水を撒いたといい、警察は、2人が倒れた原因になったかどうか、関連を調べている。

 
 
また、2011年12月28日付の北日本新聞紙面に、死因はCO中毒死だったことなどが、下記趣旨で掲載されていた。
 
パート従業員の男性の死因がCO中毒だったことが、27日、司法解剖の結果、分かった。
 
警察は、同日、実況検分をして原因を調べた。
警察によると、パート従業員の男性らが中に入ったサイロには、火が付いた状態の木炭が入っていた可能性がある。
警察は、木炭の燃焼によってCOが充満していたとみて、メーカーなどから構造などを聴く方針。
警察によると、サイロ下部にある木炭の取り出し口が詰まったのは、今回が初めてだった。
作業手順などが適正だったか調べている。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□初めて経験したトラブルらしいが、トラブル対応の手順書はなかったのだろうか?
手順書はなくても、常務が運転責任者であり、常務を交えて現場で皆で対処方法を話し合っておれば、それが手順といえるのだろうが・・・。

□サイロ内に水を撒いて中に入った件、熱かったからだろうか?もしそうだとすれば、それほど急いでサイロ内に入る必然性があったのだろうか?



 
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2011年12月23日付の毎日新聞山口版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

美祢市のホテルで09年に発生したCO中毒による6人死傷事故で、山口区検は22日、業務上過失致死傷容疑で書類送検された4人のうち、同市のプロパンガス販売業で、ボイラーを設置した男性(69)を同罪で在宅で略式起訴した。

事故は09年6月2日、同市秋芳町の山口秋芳プラザホテル(既に廃業)で発生。
ボイラーの不完全燃焼により、高槻市の小学校の修学旅行に同行していたカメラマンの男性(当時26歳)が亡くなり、男性教諭(同49歳)ら5人が重軽傷を負った。

起訴状によると、男性は07年4月2~4日ごろ、給湯用ボイラー1台の設置工事の際、排気経路を確保する確認義務を怠り、ふたつきの煙突にボイラーの排気筒をつないだとしている。

一方、送検された総支配人らホテル関係者3人については、
・前兆事案の原因がCO中毒との認識がなかった
・ふたのある煙突にボイラーをつなぎ、排気経路としているとの認識があったか疑わしい
・不完全燃焼の原因となるスポンジ製のフィルターを混入したと特定することが難しい
として、それぞれ不起訴処分(容疑不十分)とした。


出典URL■■■


事故時の状況など、過去の主だった報道は下記。


2009年6月3日付 朝日新聞夕刊(聞蔵)
最初の異変は、2日午後5時45分ごろだった。
児童らは午後5時にホテルに到着。約30分後には、一旦、客室に入った。
その15分後、3階にいた女性教員から男性教員に「看護師の体調が悪くなった」と連絡があった。児童は食事のため、1階に下りた後だった。
男性教員は1階にいた校長に口頭で知らせ、119番通報した。
校長は、別の女性教員に様子を見に行かせた。
間もなく女性教員から校長の携帯に連絡が入る。「1人が倒れ、自分も気分が悪い」。携帯は途中で切れた。
異変を感じた校長は、最初に連絡してきた男性教員にも部屋に様子を見に行くよう指示したが、その男性教員も現場で倒れた。
現場に到着した救急隊員が、3階の客室などで女性3人と男性1人が倒れているのを発見し、屋外に搬送した。 別の救急隊員が他の客室を調べたところ、男性が横たわっていて心肺停止状態だった。


2009年6月3日付 朝日新聞山口西部版夕刊(聞蔵)
被害が集中した3階の2部屋の下には、1階に調理室、地下にはボイラー室があった。
館内の全部屋には火災報知器があるが、COには反応しないタイプだった。


2009年6月4日付 朝日新聞朝刊(聞蔵)
警察は、地下1階の給湯ボイラーから屋上の煙突につながる排気管に破損した箇所があることを確認した。
3日の現場検証で、ボイラーで意図的に煙を発生させたところ、煙は2、3階部分から漏れ出し、屋根裏にまで充満した。


2009年6月5日付 朝日新聞山口西部版夕刊(聞蔵)
事故当時稼働していたボイラーは99年4月に設置されたもので、07年2月にボイラー製造会社に故障したと連絡があり、新品を納入した後、古いほうは撤去された。
ところが、このボイラー会社が今年4月、新しいボイラーの修理に訪れたところ、古いボイラーも置いてあったという。
支配人は、「古いほうは予備的に使っていた。事故時は古いほうを使っていた」と話している。


2009年6月7日付 朝日新聞山口西部版朝刊(聞蔵)
ホテルの屋上にある煙突の出口がふたで覆われていたことがわかった。
ホテルは70年に建設されたが、当時は煙突にふたはなかったという。


2009年6月10日付 朝日新聞山口西部版朝刊(聞蔵)
煙突上部のふたが取り付けられたのは、旧経営会社時代の5年前だったことがわかった。
07年に経営を引き継いだ現経営会社は、危険性を把握しないまま、ボイラーを使っていた可能性もあり、警察は設置の経緯などを調べている。
煙突上部のふたは金属製。約70cm四方で、煙突上部の全体を覆うように設置されていた。特注品で、専用の接着剤を使って煙突に頑丈に固定されていたという。
旧経営会社時代の04年ごろ、ホテル側がふたの設置を決め、専門業者に取り付けさせていた。
ボイラー製造業者などによると、事故を起こしたボイラーは98年12月に製造され、99年からホテルで稼働。煙突にふたがついた後の07年2月に故障し、一時、撤去されたが、その後に再び煙突につながれ、もう1基の予備として使われていた。
ホテルの経営は、07年12月に現在の会社に引き継がれた。


2009年12月31日付 朝日新聞山口西部版朝刊(聞蔵)
ホテルの煙突側の屋根や外壁に吹き付けた強い南風の影響で、COが屋根などの隙間から外へ出ず、客室などに流れ込んだ可能性が高いことがわかった。

2010年6月7日付 朝日新聞山口西部版夕刊(聞蔵)
ホテルの総支配人ら4人を、業務上過失致死容疑で書類送検した。
事故前にも、従業員がCO中毒の疑いで倒れたのに、対策をとらず、煙突にふたがあるのを確認せずにボイラーを稼働させたことなどの過失が複合して事故につながったと判断した。
ホテルでは、事故2ケ月前の昨年4月中旬、客室点検中の従業員がCO中毒の疑いで意識障害となって倒れる事故が起きていた。


2010年6月8日付 朝日新聞山口版朝刊(聞蔵)
書類送検された4人の容疑は下記。
・事故の約2ケ月前、客室点検中に従業員がCO中毒で倒れたのに、原因を調べず対策もとらなかった(総支配人)
・煙突のふたを確認せず、ボイラーを稼働した(支配人)
・ボイラーの送風ダクトにスポンジ製のフィルターを詰まらせ、高濃度のCOを発生させた(元従業員)
・事故の2年前、ふたで閉鎖された煙突にボイラーを接続した(リース業者)
死亡した男性カメラマンがいた3階の部屋は、普段は利用していなかったが、事故当日は、シーズン初の修学旅行客で満室だったために使用。 部屋付近では、5000ppm以上のCOが検出されていた。
警察が、昨年1月1日から事故があった同6月2日までの記録を調べたところ、
□事故を起こしたボイラーが稼働
□3階の部屋を使用
□南風
の3条件が揃ったのは事故当日だけだったという。
担当者は、「一つでも重ならなければ、事故は起きなかったかもしれない」と説明する。




(ブログ者コメント)

□2004年に旧経営会社が煙突にふたをした理由については、調べたが分からなかった。
まだ稼働しているボイラーの煙突にふたをするとは、考えられない。
どんな理由があったのだろうか?

□今回略式起訴された男性が設置したボイラーとは、記事全体の文脈から考えると、07年2月に故障したほうのボイラーであろう。
この男性、結果的には、当該ボイラーを再設置する際に排ガス系統を確認しなかったことで責任を問われているが、もし、「2ケ月前までこの排ガス系統に接続して運転していた」などと説明されていたとしたら、確認する必要なしと考えても、不思議ではない。

□ブログ者は、煙突にふたをすることを決めた人の責任のほうが大きいような気がするのだが、その点については、なにも報道されていない。
04年ごろにふたを設置して、事故が09年6月。
ということは、業務上過失致死の時効である5年(10年4月以降は10年;刑事訴訟法250条の3)が経過しているためだろうか?
それならそれで、一言ぐらい報道があってよさそうなものだ。

□他方、CO警報機能付き火災報知器については、以下のパンフレット(ガス警報器工業会)でPRされている。
      
 ■■■



(2012年1月7日 修正1 ;追記)

2012年1月5日18時42分に、NHK山口から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

山口簡易裁判所は、ボイラーの設置工事をした69歳のプロパンガス販売業の男に罰金100万円の略式命令を出した。

山口区検察庁は、事故の2年前にホテルの地下室に給湯用ボイラーを設置した際、排気のための経路を十分に確保せずに工事をしたため不完全燃焼で発生した高い濃度の一酸化炭素がホテル内に流れ込んだなどとして、工事を請け負った被告を業務上過失致死傷の罪で略式起訴していた。



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2011年12月8日付の朝日新聞大分全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

豊後大野労基署は、豊後大野市の特養ホームで2月に作業員が死亡した事故で、防水塗装業「S社」の代表者(40)を7日、労安法違反容疑で書類送検した。

2月21日にあった貯水槽の防水塗装工事中に、使用義務がある送気マスクや有機ガス用防毒マスクを従業員2人に使用させなかった疑い。
有機溶剤中毒で従業員男性(60)が死亡し、もう1人の男性(35)も中毒症状で9日間、休業した。



当時の状況は、2011年2月22日付の朝日新聞大分全県版(聞蔵)に下記趣旨で掲載されていた。

21日午後6時20分ごろ、豊後大野市にある特養ホームの工事関係者から「作業中に2人が倒れて現場に1人取り残されている」と119番通報があった。
消防が出動して2人を病院に搬送したが、1人(60)の死亡が確認された。もう1人(35)は軽い意識障害がみられるが、命に別条はないという。

警察などによると、この特養ホームではスプリンクラーの設置工事をしていた。
2人は土中に埋めた貯水用水槽(縦横2.5m、深さ2m)内で防水加工をする作業をしていたという。




(ブログ者コメント)

たまたま、ブログ者の家では現在、ベランダの防水工事中。今日も日曜なのに職人さんが来てくれている。
そこで、使っている一斗缶のラベルを確認したところ、「キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル」と書かれていた。全て有機則の対象物質だ。
豊後大野の事故でどんな溶剤を使っていたか明らかでないが、同じようなものを使っていた可能性がある。



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2011年12月3日21時26分にmsn産経ニュースから、4日1時8分に日テレNEWS24から、また4日付の毎日新聞神奈川版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

3日午後6時ごろ、川崎市の日清製粉鶴見工場の倉庫内の約3000m2の区画で、フォークリフトの排ガスを吸った18~43歳の男性作業員7人が頭痛や吐き気を訴え、病院に搬送された。
消防によると、いずれも一酸化炭素中毒とみられる。うち4人は入院が必要と判断されたが、命に別条はない。

当時は作業員15人がプロパンガスを燃料とするフォークリフト2台で小麦粉の袋を運ぶなどしていた。
倉庫は換気扇は回っていたものの、扉は閉め切っていた。


出典URL■■■
      ■■■
      ■■■



(ブログ者コメント)

換気の悪い場所でフォークリフトを動かしていてCO中毒になった事故は、今年6月に別海町でも発生している。(本ブログ掲載済)



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2011年11月16日8時47分に、読売新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東日本大震災後の計画停電で発電機や木炭の使用が注目されていることを受け、都は「密閉された室内では使用しないでほしい」と注意を呼び掛けている。

都の実験では、6畳の部屋の場合、小型発電機では10分以内、木炭の場合は約1時間で、室内の一酸化炭素濃度が高まり、「2時間いると死亡、または失神するレベル」に達したという。

都によると、東京電力が計画停電を行った3月22日、八王子市内のアパートに住む61歳の男性が玄関で発電機を使用して死亡。七輪で炭をおこして暖を取っていた青梅市内の84歳の男性と炭で湯を沸かした63歳の女性が、一酸化炭素中毒で救急搬送されるなど、同日だけで都内で3件の一酸化炭素中毒事故が発生した。

都は「発電機は必ず屋外で使用してほしい。木炭や練炭も換気が必要なので、暖房には適していない」としている。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

小型発電機を6畳程度の広さの密閉空間で使用した場合、数10分程度で危険レベルに達する恐れがあるという知見が、この記事から得られた。



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事故状況など報道内容が各社微妙に違うので、以下、4つの記事を併記する。


「10日19時45分にHTVニュースからネット配信された記事」

10日午前11時ごろ、当別町の下水道工事現場で、下水道管につながる深さ2.8mの立て坑の中で作業員の男性(36)が倒れているのを仲間の作業員が見つけた。
男性は、すぐに救助されたが、意識不明の重体。また、助けようと中に入った作業員2人も、気分が悪くなるなどして病院に搬送された。

警察などによると、立て坑の中では排水作業が行われており、使っていたポンプの排気ガスで、一酸化炭素中毒を起こしたとみられている。

     ■■■


「10日19時53分にNHK札幌からネット配信された記事」。

10日午前11時ごろ、当別町の下水道管工事の地下の現場で「作業員が倒れた」と工事関係者から消防に通報があった。
消防がかけつけたところ、男性作業員3人が意識を失っていたため、病院に搬送され、その後、2人は意識を取り戻したということだが、警察によると、1人は今も意識不明の重体。

警察などによると、現場では作業員およそ10人が、10日朝から老朽化した下水道管を交換する工事をしていて、古い下水道管から水を抜くため、地下に入ってポンプを動かしていたという。

警察は、このポンプの排気ガスによる一酸化炭素中毒とみて、安全管理に問題がなかったか調べている。
    
 ■■■


「10日付でSTVニュースからネット配信された記事」

当別町の下水道管の工事現場で、午前11時ごろ、排水ポンプを使って下水道管の内部の水を抜く作業をしていたところ、中の様子を見に行った作業員ら3人が相次いで倒れた。
この事故で一番最初に中に入った作業員(36)が一時、心肺停止となり病院に運ばれたが意識不明の重体。ほかの2人はいずれも軽症だという。

現場では排水ポンプの発動機を下水道の中に入れて作業していたということで、3人は、一酸化炭素中毒の症状だという。
    
 ■■■


「11日付で朝日新聞北海道版(聞蔵)からネット配信された記事」

警察などによると、マンホール内の踊り場(深さ約3m)にいた作業員が地上からの呼び掛けに応じなかったため、作業員数人が中に入ったところ、2人が相次いで体調不良を訴えたという。
消防がマンホール内のガス検知をしたところ、一酸化炭素や硫化水素が検出された。

警察は、踊り場にあったポンプの発動機の排気が内部に充満したことが原因とみて調べている。




(ブログ者コメント)

朝日新聞の記事が最も的確に状況を伝えているようだ。



(2011年11月30日 修正1 ;追記)

2011年11月11日付の北海道新聞紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。

長さ3mのマンホール内で、地下約2mの踊り場に置いたポンプの発動機に燃料を補給するため中に入ったところ、倒れたとみられる。
2人は助けようと中に入り、相次いで体調が悪くなったという。



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2011年10月13日に、msn産経ニュース埼玉から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

13日午前9時半ごろ、行田市の「O精機工業埼玉工場」で、工業用貴金属の加工作業をしていた21歳から63歳の従業員の男女5人が体調不良を訴え、救急車で病院へ搬送された。
うち女性2人は軽症で、点滴治療を受けた。残る男女3人は特に異常はなく、その後、全員帰宅した。

警察の調べでは、別の男性従業員が工業用のサファイアを洗浄するアセトン剤を一斗缶からポンプを使って容器に小分けしている際、現場を離れたすきにアセトン剤が床にこぼれた。 従業員がこれを布きれで拭き取って作業をしていたところ、気分が悪くなったという。
同署では気化したアセトン剤を吸引したのが原因とみている。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

□四つん這いになって拭き取っていたのではないか?
もしそうなら、顔と床との距離は数10cm程度。これでは高濃度のアセトン蒸気を吸いこんでしまう。
アセトンのような揮発性の高い可燃性液体を大量にこぼした場合は、まず火気厳禁とした後、モップなどを使って床面に顔を近づけない方法で拭き取ることが望ましいのだろう。

□「拭き取った後、研磨作業中に気分が悪くなった」のか、それとも「拭き取り作業中」なのか、他に報道がないため確認できず。
ブログ者は、後者であろうと考えてタイトルをつけ、コメントした。


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2011年10月11日22時56分に読売新聞から、同日13時51分に毎日新聞から、同日12時34分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

11日午前9時55分頃、武蔵野市のマンション建設現場で、汚水槽の設置作業をしていた建築業者(65)と弟(53)の2人が倒れ、搬送先の病院で死亡した。
2人に転落したような外傷はないといい、現場では高濃度の一酸化炭素(CO)が検出されたということで、警察は、2人が作業中にCO中毒にかかったか、あるいは酸欠状態に陥るなどした可能性もあるとみて、詳しい状況を調べている。

警察によると、汚水槽は地下5mにあり、2人はマンホールから槽の底に入り、作業をしていた。
別の作業員が地下から物音がしなくなったことに気付き、119番通報した。
その作業員も体調不良を訴え、病院に搬送されたが、軽症という。


出典URL■■■
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             ■■■


(ブログ者コメント)

わざわざCO濃度を測定した・・・。それは現場になんらかのCO発生源があったからかもしれない。
過去には、地下で水抜きのためガソリンエンジン駆動のポンプを動かしていてCO中毒で死亡した事例がある。




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2011年9月10日付で、中国新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

9日午後0時10分ごろ、広島市の中国新聞ビルで「数人が『気分が悪い』と訴えている」と、119番通報があった。
防水工事で使った塗装剤から異臭を伴う化学物質が発生したとみられ、同ビルに入居する団体職員3人が病院に搬送された。

消防などによると、同日午前11時ごろ、同ビル9階ベランダの防水工事で使った塗装剤を作業員がエレベーターで1階に運ぶ際、直径約20cmの容器内で化学物質スチレンが発生。ふたが溶けて気体が外部に漏れた。8階でエレベーターの扉が開き、周辺に広がったという。
8階にいた団体職員たち6人がめまいなどを訴え、うち搬送された女性2人と男性1人が病院で一時、治療を受けた。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

□スチレンは、ポリパテの粘度調整用に使う溶剤ということだろうか?
□なぜ蓋が溶けたのか、本当に溶けたのかを含め、臭気が広がった経緯が、上記の記事ではイマイチ不明だ。
たしかにスチレンは臭気がキツイが、置きっ放しでもない直径20cmの容器の蓋が開いたくらいで、6人もがめまいを訴えるほどフロアーに充満するとは、ちょっと考え難いのだが・・・。




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2011年8月25日付の千葉日報紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。


24日午前9時50分ごろ、鹿島共同火力の発電所敷地内でボイラーの保温材を取り外していた作業員3人が、一酸化炭素を含むガスを吸って病院に搬送された。
警察によると、いずれも一酸化炭素中毒で、30代と60代の男性が1週間程度、50代の男性が3日程度入院する見込み。

 近くでパイプラインを点検していた別の作業員が、ボイラーに流れるガスパイプの点検孔を誤って開けたのが原因とみて調べている。



 

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2011729日付の毎日新聞北海道版に、下記趣旨の記事がネット配信されていた。


更別村の酪農家敷地の地下に埋設されているふん尿貯蔵槽(深さ約3.5m)で今月、この家の夫婦が死亡していたことが28日、分かった。
事故前、北海道開発局帯広開発建設部の職員がフタを誤って落下させており、夫婦は拾うために中に入った可能性がある。
開発局は原因調査と再発防止策の検討のため、事故調査委員会を26日設置した。

死亡した夫婦は12日に外出後、行方不明になり、13日に貯蔵槽で死亡しているのが見つかった。死因は不明。

貯蔵槽はふん尿を肥料にする施設で、開発局がモデル事業として95年に設置した。6月24日に同部職員2人が資料写真の撮影のため訪れた際、金属製のフタ4枚のうち1枚(長さ約1.2m、幅約40cm)を内部に落とした。同部は「フタの落下後、職員が適切な対応を取ったのか調査している」としている。

 

出典URL

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/archive/news/2011/07/29/20110729ddlk01040273000c.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

「拾うために中に入った」という表現から考えると、死因は打撲ではなく、酸欠あるいは硫化水素中毒の可能性がある。

 

 

 

(2011年8月5日 修正1 ;追記)

 

201182日付の朝日新聞(聞蔵)から、「焦点」と題して下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

帯広開発建設部の職員が貯留槽のふたを槽内に落としたまま20日間ほど放置。夫婦はふたを拾いに入ってガス中毒死したとみられることが、開建部などへの取材でわかった。

ふたを落とした当日、職員がそのことを伝えると、夫は「取っておく」と話したとされる。

 

開建部は、ふたの放置に加え、有害ガスの発生や酸素が欠乏しやすい貯留槽内の危険性を十分に伝えていなかった可能性がある。警察によると、死因は硫化水素中毒だった。

 

貯留槽は、家畜の糞尿と灌漑用水を調合し、液体肥料にする設備の一部。開口部が2箇所あり、それぞれに鋼製のふた(長さ1.2m、幅43cm)を4枚かぶせていた。落としたのは、そのうちの1枚。

 

夫婦は、開口部と地下をつなぐはしごの下で並ぶように倒れていた。槽内の様子を探るために使おうとしたとみられる木の棒や、ふたを引き上げるために準備したのか、地上からはロープが垂らされていた。

 

開建部は、「貯留槽内のリスクを適切に説明したかどうかは、今後の調査で明らかにしたい」と答えるにとどまった。

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

酪農家の方にとって、酸欠とか硫化水素中毒といった危険は馴染みがないだろう。

この職員が、仮に危険性を伝えていたとしても、「即死する場合がある」程度のことを伝えないと、真の危険性は伝わらなかった可能性がある。

逆に、危険性をまったく伝えていなかったとしたら、そういった職員を養成した開建部の責任でもある。

はてさて、被災者が2名とも死亡している現状、どこまで真の原因に迫れるだろうか?

 

 

 

 

(2011年8月7日 修正2 ;追記)

 

201186110分に、北海道新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

開建部は5日、職員は、槽内に発生する有毒な硫化水素の危険性を認識しておらず、夫妻にも注意するよう伝えていなかったことを、事故調査委員会の初会合で報告した。

出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/310195.html

 

 

 

(2012年7月14日 修正3 ;追記)

 

20127122049分にmsn産経ニュースから、また713日付で毎日新聞北海道版と朝日新聞北海道総合版(聞蔵)から、遺族が損害賠償提訴した旨、ネット配信されていた。

 

遺族が12日までに、管理を怠ったとして国に約1億円の損害賠償を求め、釧路地裁帯広支部に提訴した。

訴状によると、帯広開発建設部の職員2人が酪農家方を訪れ、敷地内にある槽のふたを槽内に落とした。職員は硫化水素が発生する恐れを告げずにふたの回収を依頼し、同7月12日、取りに入った酪農家夫妻が中毒死したとしている。

帯広開発建設部が設置した事故調査委員会は昨年12月、有毒ガスが発生する認識が職員にも夫婦にもなかったとする報告書をまとめた。

 

遺族は、職員が中毒の危険性を伝えなかったために夫妻が死亡したと主張。遺児2人の未成年後見人として、夫側の両親が提訴した。

父親(71)は、「北海道開発局は、(職員が)危険性を知らなかったから仕方がないというような返答だけで、責任の所在は曖昧な返事ばかり。納得いかず、不信感を持っており、どちらに非があるのか、法廷で責任の所在をはっきりさせたい」と話している。


開発局は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

 

出典URL

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120712/trl12071220490008-n1.htm

http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20120713ddlk01040201000c.html

 

 

 

(2014年4月22日 修正4 ;追記)

 

20144212322分に毎日新聞から、国に賠償を命じる判決がくだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

北海道更別村で2011年7月、酪農家夫婦が道開発局帯広開発建設部の設置した家畜ふん尿貯留槽内で硫化水素ガス中毒死したのは、同開建職員が危険性を夫婦に説明する義務を怠ったためだとして、遺族が国に約1億1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、釧路地裁帯広支部であり、裁判長は国に約4947万円の支払いを命じた。


判決は、貯留槽の管理責任は開建側にあり、職員が説明義務を怠ったと認定。死亡した夫婦にも貯留槽内に立ち入った落ち度はあるが、「事故防止の第1次的な義務は被告(開建側)が負うべきだ」と結論づけた。


貯留槽は、開建が国の試験事業として夫婦宅の敷地に設置し、事業終了後は夫婦が継続して利用していた。

夫婦は、調査で訪れた職員が誤って落としたふたを回収するため貯留槽内に入り、中毒死した。


同開建は事故後、事故調査委を設置し原因を調べたが、責任の所在が明確にならなかったため遺族が12年7月に提訴。

被告側は夫婦が日常的に管理、使用する施設だったことなどから、「職員に説明義務はない」として全面的に争っていた。


判決後、開発局の沢田局長は、「判決内容を精査し、今後の対応を検討したい」とのコメントを発表した。

 

出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140422k0000m040125000c.html

 

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20117161238分と1727分にmsn産経ニュースから、161923分にNHK和歌山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
16日午前6時40分ごろ、和歌山市のクリーニング店兼住宅で、経営者(80)から「自宅が煙で充満している」と119番通報があった。消防が駆けつけ、妻(80)を救助したが、間もなく死亡、経営者も煙を吸ってのどに軽傷を負った。
室内には白い粉状の漂白剤の入った一斗缶が蓋が開いた状態で置かれてあり、消防がかけつけた時、一斗缶から白い煙が出ていて、そばに妻が意識不明の状態で倒れていた。
住宅周辺への流出は確認されていない。警察は事件と事故の両面で調べている。

警察によると、足が不自由な妻は1階作業場の隣室で寝ており、経営者も2階で就寝中だった。一斗缶は普段から妻の居室に置いてあり、前日も漂白剤を使っていた。
消防によると、一斗缶から発生した煙の成分を分析した結果、硫化水素が検出されたという。

 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□一斗缶に入っていたのは、ハイドロサルファイトナトリウムあるいは二酸化チオ尿素だった可能性がある。両者、クリーニング店で使われる硫黄系漂白剤だ。
□前者のMSDSには、「湿気や少量の水があったり75~80℃以上に加熱すると分解して亜硫酸ガスを発生する」とある。
□後者のMSDSには、「110℃以上で分解する」とある。
□両MSDSともに、硫化水素の記述はない。実際は亜硫酸ガス中毒だったのだろうか?
□硫化水素検知器で亜硫酸ガスも検知するものか調べてみたところ、北川式検知管であれば二酸化硫黄にも反応するようだ
□硫化水素も亜硫酸ガスも、本来は無色。白い煙とはなんだったのだろう。「充満」という言葉から考えると水蒸気とは思えないし・・・。
 
 
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2011721333分に、msn産経ニュースから下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
2日午前11時25分ごろ、兵庫県のサントリー高砂工場から「誤って塩素ガスを発生させた」と通報があった。喉の痛みなどを訴え従業員6人が病院に搬送されたがいずれも軽症。
警察によると、ガスは午前10時ごろ発生。食品を殺菌するための機械に誤って薬品を入れたため、塩素ガスが発生したという。
 
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
サントリーほどの会社であれば、このような事故を防止するため、マニュアル面、教育面など、多岐にわたり対策をとってきたと思われるが、どこをどうすり抜けて事故に至ったのだろうか?
 

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20116211223分に、朝日新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
21日午前11時15分ごろ、日本橋大伝馬町の「U工業」東京支社から「薬品を吸い込み気分が悪くなった社員がいる」と119番通報があった。警察などによると、同社の男性社員(34)がシアン化ガスを吸い込んで病院に搬送されたが、意識ははっきりしているという。
同社はメッキ用の化学品の製造などをしているという。警察によると、男性は6階実験室で青酸ナトリウムと硫酸などを混ぜて、メッキに使うシアン化銀を作る実験をしていたが、その際に発生したシアン化ガスを過って吸い込み、気分が悪くなったという。
 
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20116181259分に、NHK青森から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
18日午前0時ごろ、八戸市の「八戸製錬所」で、50代の作業員1人と20代の作業員2人のあわせて3人が次々に意識を失って倒れ、救急車で市内の病院に運ばれた。
警察などによると、手当てを受けた結果、3人とも意識が回復し、命に別状はないという。

事故当時、製錬所は操業中で、3人はガスが流れる配管を修理していた。
警察では何らかの原因で配管から一酸化炭素を含んだガスが漏れ、3人が中毒を起こしたとものとみて、原因を調べている。

八戸製錬所は、亜鉛や鉛の製錬を行う工場で、東日本大震災の津波によって電気関連の設備と亜鉛の純度を上げる施設に大きな被害を受け、今月13日に操業を再開したばかりだった。
八戸製錬所では先月2日にも工場の復旧作業をしていた60代の男性作業員が、機械から外れた鉄製のホースの直撃を受け、死亡する事故が起きている。
 
 

(ブログ者コメント)
 
上記記事にある「先月2日の事故」に関しては、2011年5月3日付の朝日新聞秋田版(聞蔵)に下記趣旨の記事が掲載されていた。
 
油圧機械の鉄製ホースが何らかの原因で外れて吹き飛び、近くで作業していた嘱託社員(64)の頭を直撃。約3時間後に死亡が確認された。
 


(2011年7月3日 修正1 ;追記)
 
2011619日付の東奥日報に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
 
17日夜から、十数人で、屋外にある配管の補修工事をしており、何らかの原因で廃ガスが漏れたとみられる。
作業員のうち3人が呼吸困難を訴え、意識がもうろうとした状態になったため、119番通報した。



(2012年1月16日 修正2 ;追記)
 
2012年1月11日付の毎日新聞青森版から、また10日18時51分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
八戸労基署は10日、「八戸精錬」と、当時の現場責任者の男性(59)を労安法の特定化学物質障害予防規則違反(特定化学物質作業主任者の職務)の疑いで書類送検した。

同署によると、作業長は昨年6月18日午前0時20分ごろ、溶錬工場の溶鉱炉排ガス配管からガス漏れを発見したため、7人に粘土でガス漏れ箇所を埋める補修作業をさせたが、配管のさびた部分が崩れ落ち大量にガスが漏れ、作業長と従業員2人が一酸化中毒で病院に運ばれ、4日間の入院をした。

同規則では、会社が選任する特定化学物質作業主任者が、一酸化炭素を吸引しないよう作業方法を決めて補修作業を指揮しなければならない。
事故では、会社などが主任者に職務をさせなかったとしている。


出典URL
http://mainichi.jp/area/aomori/archive/news/2012/01/11/20120111ddlk02040046000c.html
 

※NHKからは、若干ニュアンスの異なる、下記趣旨の記事も掲載されていた。
 
八戸労基署が調べた結果、現場の責任者が配管から漏れたガスに一酸化炭素が多量に含まれていることを知りながら、従業員に排気ガスを吸わないように指導しなかったという。

このため、同署は、従業員の安全対策を十分にとらなかったことが事故につながったとして、労安法違反の疑いで「八戸製錬」と当時の現場責任者の59歳の男性を10日、書類送検した。

同署によると、県内では去年1年間に、このほかにむつ市や五所川原市などの4か所の工事現場で、一酸化炭素中毒の事故が起きたという。

 
 
 
(ブログ者コメント)
 
両方の記事から推測すると、ガス漏れが拡大した場合に備えた安全対策を講じていなかった模様だ。
現に漏れている場所を補修するのに、漏れ拡大を想定するのは当たり前のことだと思うのだが、どこがどうなっていたのだろうか?

 
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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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