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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2020122360分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

アスベスト(石綿)が含まれたバスマットなどが11月から、大阪府貝塚市のふるさと納税の返礼品、大手ホームセンター「カインズ」や「ニトリ」の販売商品で相次いで見つかり、大規模な商品の回収が進められている。

 

いずれの製品にも「珪藻土(けいそうど)」という吸水性の高い素材が使われているため、ネットなどでは珪藻土を危険視する意見が散見される。

 

だが専門家らは「今回のケースは珪藻土の問題ではない」と指摘する。

 

一連の問題の本質に迫った。

 

鉱物繊維である石綿は、安価で耐火性などに優れる。

197090年代を中心に、これまで日本に約1000万トンが輸入され、建材などで広く利用された。

 

石綿を吸い込むと、数十年の潜伏期間を経て、中皮腫や肺がんなど深刻な健康被害を引き起こす。

 

国は2006年に労働安全衛生法施行令を改正し、石綿が重量の01%を超えて含まれる製品の輸入、製造や販売を禁止している。

 

一方、珪藻土は、藻類の一種である珪藻の殻が化石になり堆積(たいせき)して生成された土の塊を砕いて作ったものだ。

吸水性、吸湿性に優れていることから、建材や雑貨などに広く使われている。

地中から産出されるが、天然の状態では石綿をほとんど含まないとされる。

 

今回、回収対象になった一連の製品の流通の背景には、規制の「盲点」がいくつか潜んでいる。

 

まずは、貝塚市のふるさと納税返礼品のケースを見ていきたい。

 

 

【珪藻土使用のバスマットとコースターを回収】

 

貝塚市は11月、ふるさと納税の返礼品として168月から202月まで取り扱っていた、市内のメーカー「H木工所」が製造したバスマット約15000枚とコースター約2500枚に石綿が含まれている恐れがあると発表した。

 

調査した厚生労働省や市によると、石綿の濃度はバスマットの大きいサイズが038%、小さいサイズが061%、コースターが0103%で、いずれも国の規制値の01%を超えていた。

 

これらの製品は珪藻土を含む材料を使った成形板から作られ、日常的な手入れとして、吸水性を保つため表面を紙やすりなどで削る方法が推奨されている。

 

厚労省によると、そのまま使用している限りは問題ないが、削ったり割ったりすると、石綿を含む破片が飛散する恐れがある。

 

市によると、製造したH木工所は返礼品を受け取った人に連絡し、石綿を含まない代替品を送るなどの対応をとった。

 

では、なぜ規制しているはずの石綿が含まれていたのだろうか。

 

 

【規制強化前に製造の材料が今も流通か】

 

厚労省によると、バスマットとコースターは、同社が01年に北九州市の会社から仕入れた成形板を加工して作っていた。

 

石綿が重量の「01%」以下と定めた06年の施行令改正前で、当時の規制では重量の「1%」以下は一般に「石綿は含まれていない」としていた。

 

つまり、仕入れ当時は合法だった石綿製品が十数年間保管され、流通してしまったのだ。

 

実は、このようなケースは、20年中だけでも頻発している。

 

三菱重工は9月、0615年に出荷した建設機械用のガスケット(配管などの接続部分の密閉に使用される部品)などに、重量の01%を超える石綿が含まれていたと発表。

 

11月には小松製作所も同様の内容を公表した。

 

厚労省によると、いずれも規制強化前に作った製品が流通してしまったケースだという。

 

相次ぐトラブルを問題視した厚労省は11月、約500の関係団体に対して、06年以前に購入・製造した工業製品や原料について改めて点検を行うことなどを文書で要請した。

 

 

【規制緩い国から輸入されたケースも】

 

規制の「盲点」はほかにもある。

それは、石綿の規制の緩い国から、製品が日本国内に輸入されているケースだ。

 

貝塚市の返礼品の問題を知った「カインズ」は、返礼品と同じように珪藻土を使った約50品目を自主的に検査した。

すると、バスマットなど5種類の製品に石綿が0213%含まれていることが判明。

同じ製法や工場で作った製品も合わせ、17品目の約29万点を回収すると発表した。

 

カインズによると、これらの製品は契約した中国の工場で作られており、担当者は「どこで石綿が混入したのかは分かっておらず、調査を進めている」と話す。

 

同様の問題は、ニトリでも見つかっている。

厚労省は22日、ニトリで162012月に販売されたバスマットとコースターの9品目計約240万点に石綿が含まれる可能性があると発表した。

これらの製品も、委託された中国の工場が製造して日本に輸入されていたといい、ニトリは回収作業を進めている。

 

中国は日本に比べて石綿の規制が格段に緩く、石綿を含む建材などが広く製造されている。

 

日本は税関で石綿が輸入されないように対策をしているが、石綿問題に詳しい「石綿対策全国連絡会議」(東京都)の古谷事務局長によると、中国産の製品の仕様書に石綿含有と記されていないケースが想定され、そのまま日本に輸入されている恐れがあるという。

古谷さんは「日本では石綿の輸入禁止が担保されていない」と問題視する。

 

また、今回相次いで石綿の含有が発覚したバスマットなどは、いずれも珪藻土が原料に含まれていたが、厚労省の担当者は「もともと珪藻土に石綿が入っていたとは想定していない。成形板を作る過程で、石綿が入ってしまったと推測している」と説明する。

 

古谷さんも、「この問題は珪藻土だから起きたわけではなく、ほかの製品でも起こる可能性がある。石綿が含まれた製品が流通しないように、規制を徹底する仕組みを作っていかなければならない」と指摘している。

 

https://mainichi.jp/articles/20201222/k00/00m/040/108000c

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

1224日午前に放映されたTBSのワイドショーでは、中国の工場で製造したものは、珪藻土を固めるための接着剤に石綿が含まれていた可能性がある、などと報じられていた。

 

〇ブログ者の家にも当該製品があった。

お叱りを覚悟で、試しに紙やすりで削ってみると簡単に削れた。

削りカスは粉状で、微量ではあるものの、とてもアスベストが入っているようには見えない。

 

その後、透明袋に入れてカインズに持っていったが、お詫びの言葉と共に、ラップ1巻をいただいた。

1年ほど使ったものなのに、かえって申し訳ない気がした。
 
   

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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