







2020年5月28日15時14分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府寝屋川市は28日、新型コロナウイルス対策として国民1人当たり10万円を配る特別定額給付金を、993世帯2196人に二重給付していたと記者会見で明らかにした。
総額は2億1960万円。
市民に謝罪し、返金を求めていく。
市によると、二重入力や、複数の職員が入力した振込先をまとめた際に重複した可能性がある。
重複がないか確認するデータベースが何らかの原因で1日分更新されておらず、ミスを見つけられなかった。
25日午後10時ごろ、これまでの振込先を確認していたところ、26日午前0時に振り込まれる予定の約2万9千世帯のうち、993世帯が二重給付だったことが発覚。
銀行側の処理を取り消せず、そのまま振り込まれた。
今後は、複数でデータベースの更新を確認していくことにするという。
広瀬慶輔市長は、「市民に負担を掛け、申し訳ない」と謝罪した。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59684200Y0A520C2000000/
5月28日付で毎日新聞東京版からは、8割が申請を終えたので25日から最終確認を始めていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、オンラインや郵送などで申請を受け付け、マスターデータベースで入力漏れや重複が起きないよう管理していた。
24日に市内全11万528世帯の8割が申請を終え、25日から最終確認を始めたが、何らかの理由で993世帯については振り込みが完了していたのにデータベースに反映されず、二重に支給された。
https://mainichi.jp/articles/20200528/dde/041/040/024000c
5月28日12時2分にNHK関西からは、データの最終確認は1人だけで行っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市では、振り込みが終わった人をリスト化したデータをつくり、二重振り込みなどのミスが起きていないかチェックしていましたが、何らかの原因で、このデータの一部が更新されず、すでに給付した人に再び、振り込んでしまったということです。
データの管理は市独自の仕組みで行い、ミスが分かるまでデータの最終確認は、職員1人が担当していたということで、市では、ミスを受けて、ダブルチェックをする体制に改めたということです。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200528/2000030329.html
5月28日11時59分に産経新聞westからは、システムにデータを打ち込んだ際の作業ミスの可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同市では、今月1日以降にオンラインや郵送で申請を受け付け、11日から給付を開始。
24日時点で申請件数が8割以上に達したため手続きの確認作業を行ったところ、計993件2億1960万円分の支払いが二重払いとなっていたことが判明した。
振り込みデータを職員が市独自のシステムに打ち込んで銀行に送っていたが、この打ち込み作業の際にミスが発生した可能性があるという。
https://www.sankei.com/west/news/200528/wst2005280013-n1.html
2020年5月9日19時41分に新潟日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県警は9日、個人情報が含まれた電話相談のメモ1枚を、誤って新潟日報社を含む報道機関や新潟地検など計18機関にファクス送信した。
メモには相談した男性1人の電話番号や名前などが記されており、県警は送信後すぐにミスに気付いてメモの回収を進めた。
県警広報広聴課によると、9日午前、生活保安課所属の40代の巡査部長が本部の休日当直に初めて入り、長岡市の男性から電話相談を受けた。
相談内容のメモを長岡署にファクス送信しようとした際、誤って報道機関への発表時に使う短縮ボタンを押した。
当直室には3台のファクス機器があり、内線専用や報道機関への発表専用に分けて使っていたが、巡査部長は報道発表用の機器に記された長岡署管内の報道機関向けを意味する表示を、長岡署宛てと勘違いしたという。
メモには相談内容のほか、男性の名前が片仮名で記され、住所も手書きされていた。
県警は同日、男性に電話で謝罪した。
報道機関には受信データの削除を依頼し、ほかへの情報流出は確認されていないという。
広報広聴課の高橋課長は、「個人情報が記載された書類を誤送信したことは誠に遺憾。深くおわび申し上げます」とコメント。
再発防止に向け、職員の意識徹底を図るとした。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20200509542430.html
5月9日17時13分に産経新聞からは、作業に不慣れだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
相談は同日午前11時前、県民から24時間対応の窓口に電話で寄せられ、当直勤務中の県警生活安全部の巡査部長が受けた。
巡査部長は同11時10分ごろ、相談者の氏名、住所、携帯電話番号、相談内容などが記載された内部メモ(相談等受理メモ)を所轄の警察署にファクスしようとして、報道各社に誤送信してしまった。
相談は、家庭内暴力を示唆するような内容だった。
また、関係者によると、巡査部長は作業に不慣れだったという。
https://www.sankei.com/affairs/news/200509/afr2005090005-n1.html
5月10日15時8分に読売新聞からは、送信直後に同僚に指摘されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警の発表によると、同日午前11時10分頃、県警本部で当直勤務をしていた40歳代の女性巡査部長が書類を長岡署に送る際、誤って報道機関専用の送信機を使って一斉送信した。
女性巡査部長は初めての当直勤務だったという。
送信直後に同僚に指摘され、発覚した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200510-OYT1T50082/
(ブログ者コメント)
推察するに、「報道機関用」などと表示されたファックス機器の短縮ボタンに「長岡署管内」などと表示されていたことで、その「長岡署」という文字だけを認識してしまい、間違えたものかもしれない。
キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー
2020年5月5日22時43分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県は5日、新型コロナウイルス感染者の個人情報を誤ってホームページ(HP)に一時掲載していたと発表した。
4日現在の感染者490人全員の入院先や入退院日、クラスター(感染者集団)名などの情報で、うち396人分は氏名も掲載されていた。
県によると、誤掲載していたのは5日午前9時半~10時15分の45分間。
県の公式HP内で毎日更新している感染者の一覧表で、本来は年代や性別、居住市町村などに限って掲載するはずが、氏名や入院先の医療機関名なども見られる状態になっていた。
名古屋、豊田、岡崎、豊橋市が県と入院先の調整をせずに発表した感染者の氏名は掲載されていなかった。
誤掲載を指摘する問い合わせが10時5分以降に3件あったことで発覚。
個人情報が含まれた一覧表のファイルには閲覧可能時間内に362人からアクセスがあったが、県は「他媒体への流出は確認できていない」としている。
一覧表をHPに掲載する際には、原本から個人情報を削除したファイルを新たに作っているが、4日夜に作業した職員は原本を削除し忘れたまま掲載操作をしていた。
本来の手順では、別の職員が掲載操作前に確認するはずだが、大型連休中で人員を確保できず、1人で作業していたという。
県庁で記者会見を開いた吉田・県保健医療局長は、「風評被害の防止に率先して取り組むべき県がこうした事態を引き起こしてしまい、関係者に深くおわび申し上げる」と陳謝した。
再発防止策として、原本を作成しているエクセルではなく、複写不可能なPDFに変換したファイルのみをHPに掲載し、複数での確認体制を徹底するという。
愛知県では4月にも、県衛生研究所でのPCR検査で本来は陰性だった24人を陽性と判定するミスが起きている。
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020050590161325.html
5月5日20時41分にNHK東海からは、若干表現の異なる、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
通常、感染状況などをホームページに掲載する際は、担当者が感染者の個人情報をファイルから削除してホームページ用のファイルを作り、別の担当者とともに確認した上で掲載するということですが、担当者は個人情報を削除し忘れ、さらに別の担当者との確認もせずに、そのまま掲載してしまったということです。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20200505/3000010559.html
5月5日22時9分に読売新聞からも、若干表現の異なる、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は、患者の氏名や性別、年代などが入力された表から個人情報を削除したものを「県内発生事例一覧表」として、翌日、県のサイトに掲載している。
しかし、4日のデータ作成時に元データの削除を忘れたため、加工後のデータと元データが両方掲載された。
通常は担当者が2人でチェックしているが、4日は1人で作業していたという。
記者会見した県保健医療局の吉田局長は、「複数でのチェックなどを徹底し、再発防止に努めたい」と述べた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200505-OYT1T50111/
5月5日16時2分にFNN PRIME(東海テレビ)からは、作成者と承認者を1人で兼務していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県によると、ファイルを作成した際に、誤って個人情報の削除をし忘れ、さらに掲載を承認する人が同じ人物だったため、ダブルチェックができず、ミスを防げなかったという。
https://www.fnn.jp/articles/-/39379
5月5日21時50分に毎日新聞からは、業務が重なる中、ダブルチェックの意識が低下していたかもと県は説明したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ミスがあったのは「県内発生事例一覧表」という表形式のファイル。
4日までに確認された県内の全感染者の入転院先医療機関のほか、入退院日やクラスター(感染者集団)の属性も含まれている。
名古屋市や県内の三つの中核市が独自に入院先を決めた感染者以外の396人は、名前も公開されてしまった。
県によると、原本ファイルから個人情報を削除した掲載用ファイルを受け取った担当職員が、誤って原本ファイルをウェブ上に登録してしまった。
登録時に、正しいファイルかを別の職員がチェックするルールだったが、チェックを受けていなかった。
県感染症対策室は、「業務が重なる中で、ダブルチェックの意識が低下していたのだろう」と説明した。
https://mainichi.jp/articles/20200505/k00/00m/040/118000c
2020年2月17日18時26分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区)が従業員向けの電子掲示板に東京新聞の記事の切り抜きやコピーを無断で掲載し著作権を侵害したとして、東京新聞を発行する中日新聞社(名古屋市)は17日、約1250万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
社内の電子掲示板に記事を無断で掲載したとして、新聞社が損害賠償を求める訴訟は初めてとみられる。
訴状によると、首都圏新都市鉄道は、TXが開業した直後の平成17年9月から昨年4月まで、東京新聞に掲載されたTX沿線などの記事の切り抜きやコピーの画像データを社内の電子掲示板に無断で掲載。
本社や駅などに設置されたパソコンから従業員に閲覧させたとしている。
中日新聞社の北嶋・電子メディア局長は、産経新聞の取材に「記事や写真は、新聞製作に携わる多くの人の労力と厳密な作業を経ている貴重な知的財産。業務上利用する場合は、事前に許諾を得たうえで、対価を支払うのは当然だ」とコメント。
首都圏新都市鉄道は、「訴状の内容を把握していないので、コメントは差し控える」としている。
https://www.sankei.com/affairs/news/200217/afr2002170019-n1.html
2月17日18時4分に毎日新聞からは、長期間、組織的に著作権侵害を繰り返していたことが提訴理由など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京)が、東京新聞の記事を無断でコピーして社内の電子掲示板に掲載し、全従業員が閲覧できるようにしていたのは著作権侵害に当たるとして、発行元の中日新聞社(名古屋市)は17日、約1250万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
茨城県つくば市と東京・秋葉原を結ぶTXは2005年8月に開業。
中日新聞社によると、無断使用についての情報提供があり、首都圏新都市鉄道に説明を求めたところ、05年9月~19年4月、許諾を得ずに毎年約300件の記事を使っていたとの回答があった。
訴状によると、首都圏新都市鉄道は、東京新聞を含む複数の新聞から、TXや沿線地域に関係する記事を選び、「新聞掲載記事のお知らせ」として従業員に閲覧させていたとしている。
中日新聞社は、「長期間、組織的に著作権侵害を繰り返していた事実の重大性に鑑み、提訴した」としている。
首都圏新都市鉄道の担当者は、「訴状が届いていないのでコメントできない」と話した。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20200217/k00/00m/040/156000c
(ブログ者コメント)
以下は、中日新聞社HPに掲載されていた、中日新聞社の著作権に関する考え方。
本件、以前から気になっていることではあるが・・・。
中日新聞社の発行する中日新聞・中日スポーツ・北陸中日新聞・日刊県民福井の紙面に掲載された記事・写真・イラストの著作権、およびCHUNICHI Webや中日新聞プラスなどの中日新聞社が運営するウェブサイトのコンテンツの著作権は、中日新聞社またはニュース配信元である通信社、情報提供者に帰属します。
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私的利用の範囲を超えるご利用の場合には、中日新聞社(写真については中日新聞フォトサービス)に著作物使用申請書を提出して許諾を得、著作権料を支払う必要があります。
利用目的によっては、使用料が免除される場合もあります。
https://www.chunichi.co.jp/policy/copyrights.html
2020年1月14日23時0分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県の行政情報が蓄積されたハードディスクドライブ(HDD)が外部に流出した。
廃棄したはずのHDDがネット上で売り出され、消したはずのデータが復元されてしまう。
情報流出といえばインターネットを介したサイバー攻撃に目が向かいがちだが、記録媒体の廃棄に伴うリスクが浮き彫りになった。
東京・秋葉原の電気街にあるパソコンショップをのぞくと、細かな傷がついた100ギガバイトの中古HDDが1つ500円でワゴンに山積みになっていた。
購入した30代男性は、「動画やゲームのデータを保存する。中古でも十分使えるし、新品を買うより安上がり」と話していた。
「2.5インチ、1TB 特価2900円」「500ギガバイト 1980円」――。
パソコン関連機器のインターネット通販サイトでは、「データ消去済み」という中古HDDが数多く出品されている。
価格はデータの容量やメーカーに応じて数百~数万円と幅広い。
「県の情報が含まれるHDDがネット上に出回っている」。
2019年夏、ネットオークションで中古HDDを購入した男性が内部にデータが残っているのに気づき、復元ソフトでファイルを読み取ると、神奈川県の行政情報が見つかった。
HDDの出どころは県からリース会社を通じて廃棄を委託された情報機器事業のB社(東京・中央)。
破壊処理前のHDDを社員だった男が持ち出し、ネットオークションで売却していた。
HDDは県の職員が「初期化」していたが、中には個人、法人名が記された納税情報や、職員の業務記録などのデータが残っていた。
HDDなど記録媒体の構造は、情報を保存する「データ領域」と、情報の内容を閲覧する「管理領域」に分かれる。
いわゆる初期化は、管理領域内の情報を見えなくするだけで、データ領域に残った元の情報を読み取れば復元できてしまう。
パソコンリサイクルのテスアムジャパン(相模原市)が2018年にネット通販で中古の記録媒体50個を無作為に購入して調査したところ、2個は全く消去処理がなされておらず、処理済みだった48個のうち13個でも消去データの復元に成功した。
中には企業の経理や社員の給与などの情報が入っていた。
専門家によると、全ての領域に意味のない情報を上書きするデータ消去用ソフトを使った場合でも、特殊な機器があれば大部分を復元できることがある。
完全に消去するには、ドリルで穴を開けるなどして物理的に破壊したり、強い磁気を当てる専用機器を使ったりする必要があるという。
近年は、画像を添付したメール約330万通を保存できる10テラバイトを超える大容量の機器が普及しており、万が一外部に流出した場合の被害も大きくなる恐れがある。
データ消去サービスを手掛ける磁気研究所(東京・千代田)の斎藤社長は、「英国では、銀行が廃棄したHDDから著名歌手の口座記録が漏洩した事件もあった。重要データがネット上で拡散すればサイバー攻撃以上の脅威となる」と話す。
神奈川県横須賀市は磁気でデータを消去する機器を15年に購入し、市役所内で使ったHDDは基本的に自前で処理してから廃棄している。
箱形の機器を操作すると内部に光が走り、ディスプレーに「Erasure Complete(消去完了)」と表示が出る。
取り出したHDDの見た目に変化はないが、「これでデータは完全に消去される。市民の様々な個人情報が含まれるため、慎重を期している」と同市の担当者は説明した。
神奈川県はB社に廃棄するHDDを渡す際、具体的な消去方法を指示せず、データ消去の「完了証明書」も受け取っていなかった。
黒岩祐治知事は「想定外だった。体制に甘さがあった」として謝罪した。
総務省は自治体向けのガイドラインで、秘密文書を保存したHDDは全ての情報を復元不能な状態にして廃棄するよう求めてきた。
同省は、神奈川県の問題発覚後、重要情報が大量に保存された記録媒体については、職員が立ち会ってデータ消去を確認をするよう、全国の自治体に通知した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53489930Y9A211C1EA1000/
(ブログ者コメント)
〇知っている人にとっては当たり前の情報かもしれないが、初期化だけではダメという理由が分かりやすく説明されていたので紹介する。
〇神奈川県からのデータ流出事例は、本ブログにも掲載スミ。
2019年12月17日14時46分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
東京都中野区などで今月4日に発生したシステム障害について、クラウドサービスを提供する「N電子計算」(千代田区)の山田社長が16日、都内で記者会見し、複数の不具合の解消に時間がかかっているとして、「完全復旧の見通しは立っていない」と述べた。
障害は都内10市区町村で起こっていたことも判明。
バックアップが見当たらず、復元できていないデータもあるという。
一連のシステム障害は、全国の1県47市区町村など計53団体で発生。
住民票や戸籍証明書といった行政書類の発行システム、自治体ホームページ(HP)閲覧などに用いるシステムのほか、メールの送受信で利用するデータサーバーなどに障害が起きた。
同社によると、都内では中野区や練馬区など10市区町村で発生したという。
会見で山田社長は、「自治体や住民に大変な迷惑をおかけしている」と陳謝した。
同社の説明によると、自治体向けクラウドサービス「Jip‐Base」で、データを保管する外部記憶装置(ストレージ)を動かすプログラムに不具合が起きたのは4日昼。
同社幹部は、「ストレージの保守業務を担う別の会社から修正プログラムの提供がなかったために不具合を防げなかった」と述べた。
同社は6日の時点で「9日頃に復旧の見通し」と発表していたが、作業を進める中で複数の不具合が連続して発生し、16日時点で「作業量が膨大で追いついていない」(出席した幹部)状態で、復旧のめどは立っていない。
また、クラウドで管理していたデータについて、バックアップが見つからず復元できていないものもあり、一部は復元不可能の恐れもあるという。
中野区では16日現在、住民票や戸籍証明書の発行業務の障害は解消されたが、要介護認定の進行確認や結果通知ができないなど、一部のシステムが稼働できない状態が続いている。
要介護者と要支援者は区内に計約1万4000人おり、同区では、「手続きを待たせてしまっている。
システム障害がさらに長引く恐れも考え、代替手段の検討を始める」としている。
練馬区でも約3分の1のシステムがダウン。
区立全98小中学校が利用するネットワークにまだ障害が残っており、16日現在、全校のHPが閲覧できない。
授業風景や外部講師による講演会、給食の内容などを日々アップしていた中学校の教員は、「外部への情報発信ができず残念。早い復旧をお願いしたい」と漏らした。
同区教委によると、通知表を作成するシステムに障害が出た影響で、全小中学校で通知表の配布が年明けに延期される。
区教委の谷口・教育指導課長は、「学期末に渡せず、児童や生徒、保護者に申し訳ない」と話した。
あきる野市でも4日午前から、ネットへの接続や、メール受信などができなくなった。
数日後にネット利用やメール確認は可能になり、16日に「一部受信ができないシステム障害も解消した」と発表。
ただ、支障が出ていた間のメール受信への影響などは、今のところ不明だという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191216-OYT1T50216/
12月16日18時10分に日経TECHからは、下記趣旨の専門技術的な記事がネット配信されていた。
N電子計算は2019年12月16日、自治体向けIaaS「Jip-Base」を利用中の自治体でシステム障害が発生している問題について記者会見を開き、山田社長が「大変申し訳なく思っている」と謝罪した。
同社によると、15%のデータはIaaS内のバックアップも見つからず、単独での復旧が不可能。
残りの70%は復旧、15%は復旧作業中であることが明らかとなった。
これまで「50自治体」としていたのは、正確には47自治体と、6の広域事務組合や図書館であることも説明された。
バックアップが見つからない15%には、このうち33自治体のデータが含まれるという。
システム構成も一部が明らかにされ、仮想環境で1318の仮想OSが稼働していたことが判明した。
N電子計算は復旧作業に当たって、IaaS内からOSやアプリケーション、業務データを含む仮想環境のイメージデータを復旧したり、イメージデータを同社のバックアップから取り出したりしている。
その過程でバックアップ機能にも一部不具合が見つかり、これが原因で復旧できないデータが15%あるという。
ただし、この15%分は完全に復旧できないわけではなく、「IaaS内にはデータがないが、自治体が独自に持っているバックアップデータから復元できるものもある」(N電子計算の神尾公共事業部基盤サービス統括部部長)という。
障害の経緯も説明された。
12月4日に仮想環境で異常事態を知らせるアラートが上がり、利用できなくなった。
ストレージのファームウエアの不具合が原因で、ストレージの記憶領域にアクセスできなくなったためだった。
N電子計算は、重要なファームウエアのパッチ情報の提供を受け、緊急時にはリモートでパッチを適用してもらう保守サービスの契約も結んでいたことから、EMCジャパンと協力して原因を分析。
その過程で判明したという。
ただ、今回のファームウエアの不具合は、「EMCジャパンにとっては既知だったそうだが、事前に知らされておらず、障害分析の際に告げられた」(神尾部長)。
もっとも、EMCジャパンが事前に知らせていれば防げたかどうかについては、「EMCジャパンもクリティカルなバグだとの認識ではなかった。重要度の低いものとして知らされていたのであれば、N電子計算側で適用していなかっただろう」(同)とした。
N電子計算は、ファームウエアを修正すれば復旧できると考えていたが、論理的にデータの不整合が発生している部分があり、バックアップデータなどから復旧が必要なことが判明。
その結果、多くの自治体システムで復旧に手間取ることになった。
N電子計算の責任については、「まずは復旧に全力を尽くしてから」(山田社長)とし、EMCジャパンの責任問題についても、「まだ復旧作業中であり、責任を問う段階にはない」(同)と明言を避けた。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/06709/
2019年12月7日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
神奈川県は6日、借りていたサーバーに入っていたハードディスク(HDD)18個がインターネットオークションサイトで転売されていたと発表した。
購入者からの連絡で判明した。
サーバーはリース契約の終了後、データ消去のため専門業者の「B社」(東京)に移されていた。
今年7月から消去作業が始まる予定だったが、その前に同社の男性社員がHDDを抜き取って転売したという。
同社は警視庁に被害を届けた。
HDDには氏名や住所を記した納税記録などが保存され、消去が不十分な状態だった。
黒岩祐治知事は6日、記者会見を開いて「消去の履行確認が不十分で、結果として不安を与えた。こういうことが起きるとは想定外だった。甘さがあったと認めざるを得ない」と謝罪した。
サーバーは富士通リース(東京)から借りたもので、県は契約の終了により、今年4月に表面上データが見えないようにする「初期化」をした上で、富士通リースからデータ消去の委託を受けたB社にサーバーを渡した。
県は、富士通リースとの契約でデータを復元できない状態にするよう求め、富士通リースはB社にデータの完全消去か物理破壊を指示していた。
しかし処理前にHDD18個が抜き出され、オークションサイトで転売されていた。
HDD1個のデータ容量は3テラバイト(3兆バイト)。
1テラバイトの情報量は文庫本約1万冊に相当する。
B社が今月3日、社内で抜き打ちの手荷物検査をした際、データ消去担当の男性社員のカバンに、処理するはずのHDD数個が入っているのが見つかった。
事情を聴くと、これとは別に、問題のHDD18個を持ち出して転売したことを認めたという。
サーバーは入室時に指紋認証が必要な部屋にあり、男性社員は入室できた。
県はHDD18個のうち9個をオークションサイトで購入した人から連絡を受けて、18個は製品番号から県が使っていたものと確認した。
県によると、この購入者が復元したところ、壊れていて開けないファイルも多く、復元された状態でもパスワード付きファイルは開けなかったという。
確認できたデータは自動車税申告書、営繕工事の予定調書、会議に参加した際の書類などで、県は「公開情報や内部資料が多いが、一部、個人情報や重要情報もあった」としている。
この購入者から9個を回収した一方、残り9個は三つのアカウントにより落札され、回収できていない。
一方、サーバーの返却に際しては、データ消去の証明書を受け取るなどの確認手順があった。
しかし県は、問題の18個を含む504個のHDDについて、消去の証明書を受領していなかった。
また、富士通リースがB社に委託していることも認識しておらず、その存在も知らなかった。
県は今後、サーバーを処分する際は「物理破壊」に職員を立ち会わせる方針という。
【防衛省も契約】
防衛省によると、2018年度には海上自衛隊呉地方総監部と防衛大学校がB社と計約66万円で、廃棄対象となったノートパソコンやHDDなど、計867台の売り払い契約を結んでいた。
電子情報を含む機器の処分は、防衛省の内部規定に沿って、同社に渡す前にHDD部分に穴を開けて壊していた。
防衛省は「HDDは復元不可能な状態」として、情報流出はないとみている。
https://mainichi.jp/articles/20191207/ddm/041/040/090000c
12月7日4時50分に朝日新聞からは、ネット購入した男性が漏洩に気付いた時の様子が下記趣旨でネット配信されていた。
神奈川県が持っていた個人情報を含む膨大な行政文書が流出した問題は、本来なら破壊処分されたはずのハードディスク(HDD)を、ネットオークションで落札した男性が見つけたことで発覚した。
「なんだこれは……」。
IT関連企業を経営する男性は、この夏、パソコン画面を見つめながら絶句した。
税金の滞納者と滞納額、差し押さえを検討する書類、入札金額について検討した書類、学校の教職員名簿、発電所の設計図とみられる図面、職員の勤務表、水道局の工事に関する図面……。
これまで見たことがないような情報ばかり。
「これはまずい」と直感し、背筋が寒くなった。
・・・・・
(以下は有料)
https://www.asahi.com/articles/ASMD65CTGMD6UTIL040.html
12月7日16時38分に朝日新聞からは、情報漏洩を発見した男性は朝日新聞の記者を通じて県に伝えたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
表面化するきっかけをつくった男性はIT関連企業を営む。
業務に使うため7~8月、元社員が出品していた中古のHDD9個をネットオークションで落札した。
使用前に大量の文書が保存されているのに気づき、朝日新聞の記者を通じて県に伝えた。
https://digital.asahi.com/articles/ASMD755SBMD7ULOB00B.html?pn=3
12月7日1時37分に朝日新聞からは、指紋認証の作業場に入れる入社4年目の社員(逮捕)が3年前から転売目的で持ち出していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁は7日、HDDの処理を請け負ったB社の社員高橋容疑者(男性、50歳)=横浜市旭区都岡町=を窃盗容疑で6日夜に緊急逮捕した、と発表した。
容疑を認めているという。
捜査3課によると、高橋容疑者は3日午前6時40分ごろ、同社の本部テクニカルセンター(東京都大田区)で、HDD12個(2万4千円相当)を盗んだ疑いがある。
調べに対し、「転売する目的だった。2016年3月ごろから盗んでいた」と供述しているという。
同社が6日、高橋容疑者が今回の問題とは別のHDDを不正に持ち出したとして被害届を提出。
警視庁は高橋容疑者から任意で事情を聴くなど、捜査を進めていた。
同社によると、HDDの流出情報を受けて社内を調査。
3日の退勤時に高橋容疑者に声をかけ、私物用ロッカーの荷物の中から、処分するはずだったHDD5~6個を発見した。
神奈川県庁のHDDについても聞き取ったところ、持ち出してネットオークションで転売したことを認めたという。
高橋容疑者はデータ消去担当で、入社4年目。
作業場に入るにはIDカードと指紋認証が必要で、私物も持ち込めないルールだった。
https://www.asahi.com/articles/ASMD702QGMD6UTIL08X.html
12月6日20時53分に朝日新聞からは、小遣い稼ぎなどでやった、シフトの境目の人目に付きにくい時間帯にカバン(持込み禁止)に入れて盗んだなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁捜査3課などによると、HDDのデータを消す作業をする「消去室」にある防犯カメラの映像などで特定した。
2016年3月の入社直後から盗みと転売を繰り返したとみている。
同社関係者によると、高橋容疑者は技術職で、HDDなどのデータ消去や破壊を担当していた。
今月3日の抜き打ち検査で問題を確認した同社の調査に、「ヤフーオークションで転売していた。小遣い稼ぎで、親族の医療費にも使った」と説明したという。
6日付で懲戒解雇になった。
高橋容疑者の職場は、日勤(午前9時~午後6時)と夜勤(午後9時~午前6時)の時間帯に10~20人の従業員がいるものの、逮捕容疑となった午前6時40分ごろは人目に付きにくかった。
職場への持ち込みが禁止されたカバンにHDDを入れて盗んだとみられる。
3日に盗み出したとされるHDDは神奈川県が借りていたものとは別で、3課の取り調べに「どんな情報が入っていたかは分からない」と供述しているという。
https://mainichi.jp/articles/20191207/k00/00m/040/169000c
12月8日6時0分に朝日新聞からは、毎日のように盗み出していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調べに対し、「簡単にできるから、毎日のように盗み出していた」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
「入社直後からやっていた」とも話しているという。
県庁のHDDの持ち出しについても認め、「中身は知らなかった。転売する目的だった」と説明しているという。
https://www.asahi.com/articles/ASMD75GJ1MD7UTIL00Z.html
(2/3へ続く)
(1/3から続く)
12月9日17時57分にNHK神奈川からは、廃棄予定のものが山積みになっている場所からリュックに入れて持ち出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
その後の調べで、データを消去した後リサイクルするものではなく、ディスクに穴を開けるなどして使えなくし廃棄する予定のものを中心に持ち出していたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
データ消去室には私物の持ち込みは禁じられていましたが、防犯カメラの映像などから、高橋容疑者はリュックを持ち込み、廃棄予定のものが山積みになっている場所から持ち出していたということです。
警視庁は、廃棄されるものなら発覚しないと狙ったとみて調べています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20191209/1050008406.html
12月10日11時16分に産経新聞からは、始業前に行けば簡単に盗めたのでリュックに入れて一度に持ち出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高橋疑者(51)が「始業前に行けば簡単に盗めたので、いつもそうしていた」という趣旨の供述をしていることが10日、捜査関係者への取材で分かった。
逮捕容疑のHDについて「自分のリュックに入れて一度に持ち出した」と話していることも判明。
職場のデータ消去室には私物を持ち込めない決まりで、警視庁捜査3課は、始業前の人目につきにくい時間帯を狙ったとみている。
高橋容疑者は、「インターネットオークションで売却する目的だった。売り上げの一部は介護費用として実家に送金した」などと説明。
神奈川県関連のHDの持ち出しも認めているといい、同課が調べている。
https://www.sankei.com/affairs/news/191210/afr1912100014-n1.html
12月7日20時16分に朝日新聞からは、入社直後にネトオク出品が急増し落札総額は1200万円超だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高橋容疑者はB社に入社した2016年以降、ネットオークションサイト「ヤフオク!」に多数の出品を繰り返していた。
流出したHDDも、ヤフオクを通じて転売されていた。
朝日新聞が高橋容疑者の出品履歴を確認したところ、07年以降の総数は少なくとも5200件に上った。
15年までは多くても年100件ほどだった出品は、16年に約650件と急増。
以降は右肩上がりで増え、19年は今月6日の逮捕までに約2千件。
16年以降の出品数は約4700件で、落札総額は1200万円を超えていた。
出品していたのは、HDDやUSBメモリーといった記憶媒体、スマートフォンのイヤホンや充電器、防水・防塵(ぼうじん)デジタルカメラなどが大半だった。
HDDの出品は18年以降に目立ち、約570件が確認できた。
B社幹部によると、高橋容疑者の出品履歴は流出問題の調査の過程で把握したという。
神奈川県の行政文書を含む18個と今月持ち出そうとした12個のほかにも、不正に持ち出したものがないか調べている。
高橋容疑者は16年2月にB社に入社。
警視庁の調べに対し、「16年3月ごろから盗んでいた」と供述しているという。
【架空の住所使い発送】
・・・・・
https://www.asahi.com/articles/ASMD7547WMD7UTIL00Q.html
12月11日22時18分に朝日新聞からは、県に消去証明書を提出する契約だったリース会社がB社に証明書発行依頼を忘れていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県が使用を終えたHDDについて、リース元の富士通リースがデータ消去を自ら確認せず売却していたことが分かった。
同社は売却先のB社に、県庁からの搬出や処分など、処理を「丸投げ」していた。
「リース物件は、そもそも富士通リースから借り受けたもの。データが完全消去されるのであれば、どう処理しようがものを言える立場ではない」。
神奈川県の幹部は、重要なデータの消去を誰が実際に担っているのか確かめられない現状を、こう受け止める。
富士通リースとB社の売買契約は、HDDが動作すればデータを専用ソフトで消去し、動かなければ物理的に破壊する、という内容だった。
ところが県は、富士通リースがB社との間で売買契約を結んでいることを知らなかった。
11月下旬、朝日新聞の指摘で流出の可能性を把握。
ここで初めて、HDDの処分方法を富士通リースに確認した。
国や自治体はガイドラインで、個人情報が入った記憶媒体の処理について「復元できない状態にする」と定めている。
神奈川県が富士通リースと結んだリース契約によれば、使用後のHDDについて「(富士通リース側が)データ復旧が不可能とされる方法で消去作業を行う」としていた。
だが、実際に引き取りに訪れたのは、富士通リースからHDDを買い取る契約を結んでいたB社側だった。
リース契約には、データが完全に消去されたことを示す証明書を県に提出する内容も含まれていたが、富士通リースは証明書の発行をB社に依頼し忘れていた。
その結果、引き渡しから7カ月以上たっても県は証明書を入手できておらず、結果として流出を把握できなかった。
・・・・・
https://www.asahi.com/articles/ASMDC52K9MDCUTIL01J.html
12月7日付で東京新聞神奈川版からは、データ復元が不可能な方法で廃棄するという契約だった、神奈川県は情報管理体制などを見直すなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
黒岩祐治知事は6日、臨時記者会見を開き、「サイバー攻撃に万全の体制で備えていた。人が物理的に盗み出すことを想定していなかった」と話し、情報管理体制やサーバーのリース業者との契約を見直す考えを示した。
県によると、転売されたのは、庁内の情報管理のための共有サーバーに使っていたHD。
五年の契約期間満了により、別の業者に初期化させた上で、今年二月末、リース元の富士通リースにHD五百四個の廃棄を依頼して返した。
同社HDをB社に売却。
このうち十八個を、売却先の四十代男性社員が、穴あけや溶解処理をする前に持ち出して転売した。
九個は回収したが、未回収の九個は七月後半~八月上旬に、三回に分けて落札された。
県は富士通リースとの契約で「データ復元が不可能な方法で廃棄する」と定め、破壊して廃棄するよう申し合わせていた。
しかし、破壊後に金属として販売することまでは禁止していなかった。
また、データを暗号化せずに復元可能な状態でHDを返し、破壊作業に県職員が立ち会うこともなかった。
市原敬・ICT推進部長は、「契約当時は大量のHDを暗号化する技術がなかった」と釈明した。
知事は再発防止策として、「今後は、HDの搬出から破壊まで県職員が立ち会う」と話した。
契約書に「物理的に破壊する」と明記するなど、転売できないように改める。
情報セキュリティ大学院大学の湯浅墾道(はるみち)教授(情報法)は、「委託業者間のセキュリティーをどう確保するかは課題になっている。県民の情報の安全を優先するなら、コストをかけて全て自前でやるしかない」と話した。
【「消去して業者に」横浜市の対応】
横浜市は、納税や国民健康保険などの情報管理にリース業者のサーバーを使っているが、ハードディスク(HD)を返す際は、原則として、復元できないように処理しているという。
具体的には、市職員が専用ソフトウエアで復元できないよう消去してから返したり、専門業者に消去させてから返したりしている。
リース業者にデータの消去を指示して返すこともあるが、市職員が消去作業に立ち会うなどし、確認しているという。
ICT調達統制担当課は、「データの中身により方法を決めるが、消去は確実に行われていると考えている」と説明。
今回の県の事案を受け、6日付で消去の徹底を庁内に通知した。
川崎市は、HDのデータを消去した上で委託業者と市職員が「上書き」の作業を施し、復元できないのを確認した上で市庁舎外に持ち出す対応をとっている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201912/CK2019120702000155.html
12月6日20時53分に朝日新聞からは、総務省が全国の自治体に物理破壊するよう通知したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
総務省は6日、住民の個人情報などが大量に保存された記憶装置の処分について、物理的に壊すか、強力な磁気をあてて使えなくするよう求める通知を、全国の自治体に出した。
作業の完了まで職員を立ち会わせることも、合わせて求めている。
https://www.asahi.com/articles/ASMD66S9HMD6ULZU00R.html
(3/3へ続く)
(2/3から続く)
12月9日12時19分に産経新聞からは、社長は再発防止策完了後に辞任する、破壊HDDは個数管理されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は9日、東京都内で記者会見し、榊社長が「社会をお騒がせし、深くおわび申し上げる」と謝罪し、全国に6カ所あるデータ消去施設への金属探知セキュリティーゲート設置など再発防止策の完了後に辞任する意向を示した。
高橋容疑者は、都内の施設のデータ消去室から穴を開けて廃棄する前のHDDを持ち出していた。
物理破壊されるHDDは個数管理されていなかったという。
https://www.sankei.com/affairs/news/191209/afr1912090013-n1.html
12月9日17時40分にNHK神奈川からは、元社員はネトオクに記憶媒体を3904個出品していた、会社は金属探知機などの再発防止策をとるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この問題で「B社」の榊社長が会見し、謝罪した上で、逮捕された元社員の高橋容疑者(51)がネットオークションに出品した点数は7844個にのぼり、このうち3904個はハードディスクなどの記録媒体だったことを明らかにしました。
会社ではシリアルナンバーで照合し、会社から持ち出されたものか確認するとともに、企業や官公庁の情報が流出していないか調べるということです。
また、データ消去室から持ち出したものがないか確認する手荷物検査について、これまでは退勤する際にパート従業員に対して行っていて、正社員には不定期に行うだけでしたが、今後は正社員も含めて全員を対象に、退勤だけでなく出勤の際にも行い金属探知機を使うということです。
データの消去や廃棄が適正に行われたか依頼主に示す証明書については、これまでは要望があった場合のみ発行していましたが、今後は要望がなくても発行し、すべてのハードディスクに関して処理前と処理後の写真を撮影し、再発防止に努めることにしています。
榊社長は、「今回の問題は管理態勢に原因があった。再発防止策の実施や管理態勢の強化に向けて全社を挙げて取り組みたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20191209/1050008405.html
12月6日17時14分にNHK首都圏からは、別のHDD廃棄会社でHDDを粉砕処理している様子など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・足立区にあるハードディスクの廃棄を行っている会社では、すべてのディスクを粉砕して、データの流出を防いでいます。
4年前に粉砕する専用の機械を導入したこの会社では、ハードディスクのデータを消去した上で、およそ2センチの大きさの金属片になるまで粉々にします。
粉砕する前と後にハードディスクの写真を撮り、顧客に送って作業の完了を知らせているほか、希望する顧客には作業に立ち会ってもらうということです。
会社によりますと、機械の導入から4年間に3万台以上の処理を行っていて、依頼は年々増えているということです。
このほか、ハードディスクの不正な持ち出しを防ぐため、保管場所などに複数の監視カメラを設置しているほか、情報セキュリティーの専門家による勉強会を開くなど、社員の意識の啓発に力を入れているということです。
「竹下産業」の竹下社長は、「結局は人の問題なので、どんなに体制を整えていても、自分の会社でも起こりうると思う。社員と対話し、社員の意識を高めていき、事故を防いでいきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191206/1000041145.html
(ブログ者コメント)
〇本件、事故ではなく事件なのだが、情報管理の重要性について改めて警鐘を鳴らし、他の自治体などでも横展開確認されている事例なので紹介する。
〇NHK首都圏から報道された竹下社長のコメント通り、いくらハード面、ソフト面で対応を充実させたとしても、結局は「人」ということに尽きる。
以下は、竹下産業でのHDD破壊映像の2コマ。
〇奇しくも、会社が高橋容疑者の持ち出し現場を押さえた1ケ月半前、2019年10月18日に毎日新聞大阪版から、B社社長のインタビュー記事がネット配信されていた。
B社の事業内容が垣間見えるので、ご参考まで。
関西発祥のB社はパソコン(PC)の高度なデータ消去技術で信頼を集め、現在は大手企業など約1万社から年間100万台の中古PCを回収し、卸売り販売をしている。
榊社長(48)に、ビジネスに込める思いや展望を聞いた。
――どのような事業をされているのですか。
◆大手企業やリース会社、中央官庁などから業務で使い終えたPCを購入し、中古販売会社に卸売りをしています。
その際、PC内の情報が漏えいしないよう、セキュリティー対策を万全にしています。
データ消去には米国防総省などが採用しているソフトウエアを使い、PCを保管するテクニカルセンターには入退室の認証システムや24時間監視カメラも設けています。
・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20191018/ddn/008/020/010000c
※朝日新聞から県への連絡は11月下旬ということで、インタビューを受けた時には問題は表面化していなかったものと思われる。
(2019年12月23日 修正1 ;追記)
2019年12月21日18時22分に朝日新聞からは、神奈川県のHDD残り9個が全て回収されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県は21日、所在不明だった9個すべての回収を終えたと発表した。
19日に5個を落札者2人から回収したのに続き、21日に残り4個を別の落札者から回収した。
この落札者は、県に「データの復元はしていない」と説明したという。
県によると、4個の落札者は関東圏の人物。
19日に県職員が直接回収した2人の落札者と同様に、オークションサイトを運営するヤフー(東京都千代田区)が18日に9個の落札者に送った回収への協力を呼びかけるメールを見たという。
21日に県に連絡し、県庁に4個を持参した。
1個は画像データなどの保存に使い、3個は未使用という。
https://www.asahi.com/articles/ASMDP5778MDPULOB006.html
(2020年1月9日 修正2 ;追記)
2020年1月7日21時29分に朝日新聞から、B社は受注量減につき業務を縮小するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
B社が全従業員約300人の約1割に解雇を通知していたことが、同社幹部への取材でわかった。
問題が昨年12月6日に発覚して以降、同社は県から3カ月の指名停止処分を受けており、防衛省や神戸市なども相次いで指名停止処分を公表。
同社は営業活動を自粛しており、業績の悪化が避けられない状況だ。
同社によると、12月25日以降、対象の従業員に対し1月末での解雇を通知した。
併せて東京、大阪以外の6カ所にある事業所の閉鎖も決めたという。
https://digital.asahi.com/articles/ASN175RCMN17ULZU00R.html?pn=5
2019年11月4日2時0分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
10月、NTTドコモ子会社の社員が、不正アクセス禁止法違反容疑などで警視庁に逮捕された。
社内のイントラネットを通じ、他の従業員のポイント情報を不正に入手したとみられる。
同社イントラネットのIDは、社内の人間ならば容易に把握できる従業員番号を用いた設定だった。
外部から隔離され、安全性が高いとされるイントラネットゆえの油断をつかれた形だ。
専門家は「ネットワーク内部での情報管理にも力を注がなければ、深刻な情報流出につながる」と警鐘を鳴らす。
イントラは世界中からアクセスできるウェブサイトと違い、限られた内部のネットワークからのみ接続できる。
IT情報サイト「キーマンズネット」の2016年の調査によると、情報共有などのために約67%の企業が導入。
従業員が1千人以上の企業では導入割合が8割に達した。
10月に警視庁が摘発したのはNTTドコモ子会社「ドコモCS」の社員の男(23)だ。
男は19年1月、ドコモグループのイントラネットを通じ、グループから各従業員向けに付与されたポイントを不正に入手。
ポイントを元に約1万5千円分のクーポンコードを詐取した疑いが持たれている。
警視庁によると、同イントラのIDとパスワードの初期設定は「従業員番号」と同一で、変更していない社員も多かった。
男は従業員番号を閲覧できる立場を利用して少なくとも135人分のポイントを流用。
クーポンコードを買い取り業者に転売していたとみられる。
男の口座には18年6月~19年2月に計約587万円の入金があったという。
NTTドコモ広報担当者は「事件を受け、同様の被害が起きないように認証の仕組みを変更した」としている。
接続できる人が限られるイントラは外部に公開している一般サイトと比べ、サイバー攻撃に対する安全性が高いとされる。
セキュリティー関係者は「『隔離されている』と油断し、IDやパスワードの管理が甘くなりやすい」と指摘する。
イントラネットは安全性が高いという前提の下、業務上の秘密や個人情報が保存されていることが多い。
情報セキュリティー教育、トライコーダ(東京・港)の上野社長は「IDを何らかの手段で入手されるなど、いったん内部に侵入されてしまった場合の情報流出などのリスクは計り知れない」と指摘する。
海外では18年2月、ドイツの政府機関の情報が外部に漏れるなど、イントラ上に保存されていた情報が流出する例が次々に発覚している。
日本でもイントラネットとつながる端末に不正なプログラムを感染させ、端末内に保存されるIDやパスワードなどを読み取ってイントラ内部の情報にアクセスする事例が増えている。
上野社長は「IDやパスワードを複雑にしたり、生体認証を取り入れたりし、ネットワークに接続する手続きを厳格にするなどの組織的な対策が必要だ」と訴えている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51671460R01C19A1SHJ000/?n_cid=NMAIL007_20191104_K
2019年11月3日18時58分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
90人を超える死者・行方不明者を出した台風19号は、各地で川の氾濫(はんらん)をもたらした。
1級河川の那珂(なか)川では、国土交通省が茨城県内での越水を確認しながら「氾濫発生情報」を出さずに、謝罪する事態に至った。
災害が現実となったことを伝える重要な情報がとめおかれたのはなぜか。
背景を探ると、大量の情報をさばききれなかった組織の体制の不十分さと、自治体との連携不足が浮かび上がった。
茨城県常陸(ひたち)大宮市。
市内を斜めに横切る那珂川は、天然のアユ釣りで知られる清流だ。
そして、過去に氾濫を繰り返してきた暴れ川でもある。
台風19号の通過にともない、市内の水位計が氾濫注意水位3・5メートルを超えたのは、10月12日午後11時20分ごろだった。
堤防の点検を始めた国交省常陸河川国道事務所は13日午前1時半ごろ、市内2カ所で水があふれていると監視委託員から報告を受けた。
上流の栃木県大田原市では、11~12日の雨量が過去最高の300ミリ超に達していた。
だが国交省事務所は、これだけでは氾濫発生情報は出せないと判断した。
雨で、委託員の報告は車内からの目視にもとづいていた。
見間違いの恐れはないか。
付近には河川カメラもない。
発生情報の発表は重大だ。
事務所は、約30キロ離れた水戸市から再確認のため、職員を向かわせた。
確認の知らせがあったのは午前4時45分。
初報から3時間以上が経ち、対応は大きく出遅れた。
だが、この情報も生かされることはなかった。
このころ事務所内は、相次ぐ氾濫・決壊情報のやりとりに振り回されていた。
のちの謝罪会見で、国交省は「あまりにも多くのことに同時に対処しなければならず、混乱をきわめていた」と表現している。
県北部には那珂川にほぼ並行してもう一本、1級河川の久慈(くじ)川が流れている。
これも事務所が管理していた。
常陸大宮市での那珂川の越水情報に対応していたころ、その久慈川でも水位が急上昇していた。
各地から報告が舞い込む。
河川カメラの映像や水位計の情報が刻々と変わる。
それらを県や流域の市町村に伝える。
午前3時5分と同45分には、氾濫危険情報を発表。
午前3時40分ごろには、常陸大宮市の三次市長のもとに「久慈川が決壊しそうだ」と電話を入れた。
市によると、このとき那珂川への言及はなかったという。
午前5時20分。久慈川についての氾濫発生情報を発表した。
常陸大宮市には、国交省事務所から大量のメールが届いた。
多すぎて、どれが本当に重要な情報なのか、わからなかったと担当者は振り返る。
さらに那珂川では、常陸大宮市に加えて下流の水戸市でも越水情報があり、混乱に拍車をかけた。
13日午前3時半ごろ、水戸市は、水位の上昇を受けて市内の浸水想定区域に避難指示を出した。
市は12日夜から水位の予測などを数回、国交省事務所に尋ねたが、「分からない」との答えが返ってくるばかりだった。
防災・危機管理課の小林課長は「もっと情報がほしかった」と振り返る。
午前4時40分ごろ、同市飯富町での越水を見つけた市は「那珂川が氾濫しています」と防災無線を流した。
これを聞いた水戸地方気象台は国交省事務所に問い合わせた。
答えは「確認できていない」だった。
朝になると、一変した光景が広がっていた。
常陸大宮市内では、久慈川と那珂川の本流だけで計5カ所が決壊し、約480棟が被害を受けた。
水戸市飯富町周辺は水戸北インターが水没し、約670棟が被害をうけた。
だが国交省が、常陸大宮市での那珂川決壊を公表したのは、13日午後3時になってから。
水戸市内の氾濫については最後まで、氾濫発生情報を出さなかった。
【河川事務所の混乱、連携にも課題】
災害時に業務が激増し、情報処理が追いつかなくなるという問題は、これまで主に地方自治体レベルで指摘されてきた。
2015年には、茨城県常総市で防災担当課が市民などからの電話対応に忙殺され、避難指示を適切に伝えられぬまま鬼怒川の堤防が決壊した。
翌年には、台風10号に見舞われた岩手県岩泉町でも同様の事態が起こり、高齢者施設の入所者9人が死亡した。
今回、国の機関でも、こうした混乱が起きることが明らかになった。
国交省事務所では当時、約30人の河川系職員が対応にあたっていた。
上部組織にあたる関東地方整備局の高畑河川調査官は「氾濫発生情報は、それまでに避難していない人の重い腰を上げさせる大切な情報だ。なぜ発生情報を出せなかったのか、今回の情報の流れや職員の役割分担を検証する必要がある」と話す。
まずは再発防止のため、情報伝達に関わる職員を増強するという。
国と地方自治体の連携のあり方も、浮かび上がった課題のひとつだ。
氾濫の目撃情報が生かされず、それぞれが確認に走り回った。
国の氾濫発生情報は、地元自治体からの報告を元にしても出せる。
茨城県の水防計画では、市町村が決壊や越水を発見した場合、国などに報告するよう定めている。
那珂市は13日午前7時ごろ、市内での越水を確認し、国交省側に連絡した。
すると「(すでに)把握している」との返事だった。
常陸大宮市や水戸市は国に先んじて越水を見つけていたが、住民への呼びかけを優先したこともあり、国との情報の共有は遅れた。
災害時の危機管理が専門の片田敏孝・東京大学大学院特任教授は「国は自治体と連携し、災害情報を共有できる体制を作るべきだ。決壊現場を目視することにこだわれば、情報発表は遅くなる。機械的により早く把握できるシステムの構築も考える必要がある」と指摘する。
https://digital.asahi.com/articles/ASMBT5QBBMBTPTIL01N.html?pn=5
2019年10月23日18時8分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号の大雨による河川の氾濫で被災した茨城県では、水戸市とひたちなか市で、国が、川の氾濫の危険性を住民の携帯電話などに伝える緊急速報メールが届かない設定になっていることがわかりました。
2つの市は、今後、対応を検討したいとしています。
「エリアメール」などの名称で知られる緊急速報メールは、川の水位が「氾濫危険水位」に達した場合などに配信されるもので、事前の登録は必要なく、流域にいる人の携帯電話に自動的に送られます。
今回、茨城県内では氾濫した那珂川の流域にある水戸市とひたちなか市であわせて1600棟以上が水につかる被害を受けましたが、2つの市の住民には那珂川が氾濫危険水位に達したことなどを伝える緊急速報メールが送られていなかったことがわかりました。
国土交通省によると、メールは、国が管理する河川の周辺の市町村と事前に協議をして、基本的には市町村側が断らない限り送られることになっていますが、現時点で、この2つの市には送られない設定になっているということです。
送られない設定になった経緯について、2つの市は分からないとしていて、今後、国土交通省などと対応を検討したいとしています。
これについて、住民からは、河川の水位が上昇している状況では、氾濫の危険度を伝える緊急速報メールなどの情報は欠かせないという声が出ています。
水戸市飯富町の農家、山崎さん(男性、68歳)は、敷地内にある倉庫や庭が1メートルほどの高さにまで水につかり、農業用機械やコメなどの農作物が大きな被害を受けました。
山崎さん自身も、胸の辺りまで水につかるなか、なんとか避難したということで、すでに出されていた避難指示のほかに、氾濫の危険度を伝える緊急速報メールも届いていれば、もっと早く避難できたと考えています。
山崎さんは「氾濫の危険度が緊急速報メールなどで分かっていたら、早めに避難をしたと思う。今後は、着実に情報を受け取れるようにしてほしい」と話しています。
これについて、水戸市は23日、NHKの取材に対し、「国土交通省が配信する緊急速報メールは、河川の水位の危険度はわかるが、住民が具体的にどのような行動を取るべきか明示されておらず、分かりづらいと思った」として、メールの配信を受けない判断に至った理由を明らかにしました。
さらに、現時点では、国土交通省の緊急速報メールの配信を受けない方針にかわりはないとしたうえで、「緊急時の情報伝達のあり方について、何が一番適切か、検討を重ねていきたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20191023/1070007969.html
10月23日14時28分にNHK茨城からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
国土交通省によりますと、緊急速報のメールは、国が管理する河川に関係する市区町村と事前に協議をして、基本的には市区町村側が不要だと言わない限り対象自治体の住民全員に送るようシステムが整備されているということです。
茨城県の水戸市とひたちなか市に河川情報の緊急速報のメールが届かなかったことについて、国土交通省は「水戸市とひたちなか市については、自治体側から不要だとされたため、配信が始まった当初から緊急速報メールを送る対象にはなっていない」としています。
【河川の緊急速報メールとは】
国土交通省によりますと、河川の情報を伝える緊急速報メールは、4年前の9月の関東・東北豪雨を教訓に始められたということです。
国が管理する全国863の河川で、川の氾濫や洪水の危険性が高まった場合、浸水が想定される市区町村にいるすべての人に対して、警戒を呼びかけるメールが送られることになっています。
メールは、事前に市区町村と協議をして、基本的には市区町村側から不要だとされない限り、対象となる市区町村のすべての住民に送るようシステムが整備されているということです。
【不要とする自治体も】
ただ、事前に協議するなかでは、自治体側からメールの配信が不要だとされるケースもあるということです。
避難勧告や避難指示といった避難の情報も多く住民が混乱するとか、川の近くに住む住民は一部で、市区町村のすべての住民に送られてしまうと、誤解を与えかねないなどといったことが主な理由で、こうした自治体については、緊急速報メールの対象になっていないということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20191023/1070007972.html
(ブログ者コメント)
以下は、18時8分に放映された映像の4コマ。
とりたてて報道されるような案件ではない気もするが、このような運用がされている緊急メールもあるとのことで、参考までに紹介する。
ちなみに水戸市のHPには、市民への情報提供手段として、以下の記載があった。
・・・・・
7 NTTドコモ株式会社「エリアメール」
登録不要で市内のNTTドコモの携帯電話に対し、避難を呼びかけるような緊急情報を配信するものです。
緊急速報「エリアメール」
(注意)一部機種では受信できません。 対応しているかについては,キャリアにお問い合わせください。
8 KDDI株式会社(au) 緊急速報メール「災害・避難情報」配信
※同上文章。
9 ソフトバンクモバイル株式会社「緊急速報メール」配信
※同上文章。
https://www.city.mito.lg.jp/000027/000029/p008598.html
2019年9月22日11時40分にYAHOOニュース(青森放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
弘前市では21日午前0時頃2度に渡って土砂災害に関する避難を呼びかける防災無線が誤って放送された。
市によると緊急放送はこれまで肉声で行っていたが台風17号の接近に備えるにあたって担当の職員が作業の効率化などを図るために初めて録音放送の準備をしていたという。
その際、担当の職員が放送日を設定せずに時刻だけを設定。
日付を設定しなければ放送されないという認識だったが実際には設定した時刻に放送されたという。
市は人為ミスが原因として再発防止に努めるとしており今後は録音放送はしない方針だ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190922-00000140-rab-l02
9月22日8時57分にNHK沖縄からは、同じ日の夜、沖縄市でも似たような理由で緊急連絡メールの配信ミスがあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日夜11時45分頃、「市内全域に避難準備情報が発令された」という誤った内容の緊急速報メールが住民の携帯電話などに配信されました。
沖縄市では台風17号の接近に伴って20日、市内全域に避難準備情報が出されていましたが、台風が遠ざかりつつあった21日夜8時前には解除されていました。
市によりますと、職員が今回の台風の被害情報などを管理するシステムにまとめていた時、配信される設定を解除しないまま作業をしたことでミスが起きたということです。
作業をしていた職員自身の携帯電話に誤った配信が届いたことでミスに気づき、およそ30分後に再びメールを送って謝罪しました。
市の担当者は「申し訳ありません。チェック体制を見直すなどして再発防止に努めたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20190922/5090007860.html
2019年7月25日14時26分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ののちゃんのDO科学 「タマネギを切るとなぜ涙が出るの?」
青森県・田中さん(小6女子)からの質問
ののちゃん) この前、夕食の準備を手伝ってタマネギを切っていたら、涙がいっぱい出てきたよ。悲しくないのにどうしてかな?
藤原先生 ) それはね、タマネギを切った時にできた「プロパンチアールS―オキシド」という成分の仕業だね。気体になって目を刺激するから涙が出るのよ。催涙成分って呼ぶよ。タマネギは、カレーや肉じゃがなどに欠かせない野菜だよね。今日も全国で涙を流しながら料理をしている人がいるはずだわ。
のの) うぎゃあ、難しい名前だね。その物質はタマネギにもとから入っているの?
先生) タマネギの細胞には「プレンクソ」っていうアミノ酸と、「アリイナーゼ」「LFS」という酵素が含まれているの。タマネギを切ったり、つぶしたりして細胞が壊されると、これらの成分が順番に反応して、最終的にプロパンチアールS―オキシドができるのよ。
のの) 不思議だね。誰が見つけたの?
先生) カレーのルーなどを作っている「ハウス食品」の研究グループが「LFS」を発見して、涙が出るこうした仕組みを解き明かしたのよ。この成果が認められ、2013年に人々を笑わせ、考えさせる研究や業績に贈られる「イグ・ノーベル賞」を受賞したのよ。
のの) 料理の時、涙が出ないようにするにはどうすればいいのかな?
先生) 水中眼鏡やゴーグルをつけて切るのが有効ね。コンタクトレンズや眼鏡でもましになるわ。よく切れる包丁を使って、タマネギの細胞を壊さないように繊維に沿って切るのもおすすめよ。
のの) 切っても催涙成分が出ないようなタマネギって作れないの?
先生) もうあるよ。ハウス食品が15年に商品化した「スマイルボール」よ。約10年かけて1万個ほどのタマネギを調べ上げて、酵素の「アリイナーゼ」がとても少ないタマネギを見つけたのよ。酵素が少ないから催涙成分ができる反応が進まないのよ。
のの) 地味な研究だけど、すごいね。
先生) 催涙成分は生で食べた時に辛みを感じさせる成分でもあるわ。それがないから、スマイルボールは辛くない。普通のタマネギも生の時から糖度は高いんだけど、辛さに隠されているんだって。
のの) 切っても涙が出ないし、生で丸かじりしても甘いってことか。食べてみたいね。
先生) 北海道の栗山町で年間100トンほど作られているそうよ。タマネギの生産量は全国で年間100万トンほどだから、その1万分の1程度ね。とても希少だから、なかなか口に入らないね。
(取材協力=ハウス食品グループ本社の広報・ⅠR部 前澤さん)
【ののちゃんのDO科学】
ののちゃんは朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。
学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。
聞いてほしい疑問はこちらへ。
science@asahi.com
出典
『タマネギを切るとなぜ涙が出る? 細胞の中での反応が…』
https://digital.asahi.com/articles/ASM7S457ZM7SUBQU003.html?rm=250
(ブログ者コメント)
涙を誘発する物質は硫化アリルだとばかり思っていたが、違っていたようだ。
調べてみると、ネット上には「プロパンチアールS―オキシド」だとの情報はあるものの、未だ、硫化アリルだという情報も氾濫している。
2019年6月26日付で福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日投開票の福島市議選の期日前投票所でシステム障害が起きた問題で、市選管は25日、委託業者がハブケーブルの付け替え作業でミスしたことが原因と発表した。
市選管によると、委託業者が24日、期日前投票所の準備中にハブケーブルの付け替え作業でミスし、市役所の選挙関係のシステムが停止した。
そのため、期日前投票所で有権者名簿を管理するシステムが使用できなくなったという。
障害が解消されるまでの約2時間、期日前投票所で受け付けができず、投票に来たのに帰ってしまう有権者もいた。
市選管は「委託業者に手順の確保を再確認するよう指導し、安定した運用を行う」とした。
出典
『ケーブル付け替えミスが原因 福島市議選・投票所システム障害』
http://www.minyu-net.com/news/senkyo/FM20190626-390486.php
2019年6月16日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9747/
(2019年6月24日 修正1 ;追記)
2019年6月18日付で東京新聞から、担当者は山頂の場所も勘違いしていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を巡り、陸上自衛隊新屋(あらや)演習場(秋田市)を「適地」とした防衛省調査で、一つの山の標高を実際より3m低く誤表記していたことが分かった。
岩屋防衛相が18日の記者会見で明らかにした。
同省の調査のずさんさが改めて浮き彫りになった。
標高が間違っていたのは、秋田県男鹿市の国有地からレーダーの電波を遮るとされた「本山(ほんざん)」。
岩屋氏は、「誠に申し訳ない。あってはならないことだ」と陳謝した。
17日に設置した整備推進本部で再発防止に取り組む考えを示した。
週内にも初会合を開く方針だ。
調査では、米グーグルの衛星写真を利用したサービス「グーグルアース」を地図データとして使用。
担当者が山頂を指し示す場所を勘違いし、標高712mと表示された地点の数値をそのまま記載したという。
実際の標高は715mだった。
防衛省は、新屋演習場を選定する過程で、同演習場を除く東北地方の計19カ所を検討の対象とした。
男鹿市の国有地もそれに含まれる。
今回の防衛省調査では山の仰角を9カ所で過大に計算していたことが分かっており、同市の国有地から見た本山もその一つだった。
<地上イージス配備巡る調査ミス>
陸上自衛隊新屋演習場をイージス・アショア配備の「適地」とした防衛省の調査に誤りが見つかった問題。
配備可能か検討対象となった新屋演習場を除く東北地方の青森、山形両県など計19カ所のうち、9カ所でレーダーが出す電波を遮る山の仰角の数値が過大だった。
防衛省は、電波の障壁となる高い山がない場所が望ましいとして「不適」と判断。
ミス発覚後も配備計画に変わりはないとしている。
出典
『地上イージス、標高も誤り 防衛省 秋田ずさん調査』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201906/CK2019061802000303.html
2019年6月8日5時37分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田市への配備をめぐり、防衛省の報告書に誤りがあった問題。
報告書作成時に初歩的な間違いを犯した可能性が浮かんできた。
データの誤りは、5月に防衛省が県と秋田市に提出した報告書に複数あった。
陸上自衛隊新屋演習場の代替地として検討された青森、秋田、山形3県の国有地19カ所で、9カ所について、国有地から周囲の山を見上げた角度である「仰角」を過大に記載していた。
実際より大きな仰角を理由に、配備地として不適の評価を下していた。
5日に来県した防衛省幹部は、県議や市議を前に、「初歩的なミス」、「地図の縮尺が不整合だった」などと説明したものの、具体的な原因については、「詳細は確認していない」と言及をさけた。
報告書には、国有地から周囲の山までの断面図が掲載されている。
この断面図に分度器をあてると、報告書で表示された「角度」に合致する。
ただ、断面図は縦と横の縮尺が同じではなく、縦方向を強調するように作られていた。
朝日新聞が調べたところ、この断面図は、グーグルが提供する無料の「グーグルアースプロ」(デジタル地球儀)で作成した断面図と酷似していた。
一般財団法人日本地図センター相談役の田代さん(男性、69歳)は、「グーグルアースプロの断面図作成機能を用いて作成したと判断できる」と述べる。
別の専門家も、「フォントや断面図の色使いから、グーグルアースプロを使って描いたと考えられる」と話した。
報告書の断面図は垂直方向に約4倍拡大され、垂直方向と水平方向の縮尺は一致していない。
田代さんは、「一般的に、断面図は地形の起伏をわかりやすく表示するため、垂直方向を数倍拡大して作成する」と説明する。
そのうえで、「実際の地形とは違うので、その断面図上で仰角を測る作業は絶対に行ってはならない」と指摘した。
断面図を作成するソフトの中には、仰角を自動的に算出する機能がついているものもあるが、グーグルアースプロには、そうした機能はないという。
今回の防衛省のデータミスについて田代さんは、「断面図が垂直方向に拡大されていることに気づかなかった、極めて初歩的なミスだと考えられる」と批判した。
地図アプリを運用している別の専門家は、「グーグルアースプロでは縦軸、横軸に目盛りがついているので、縦軸が強調されていることに気づけたはずだが、思い込みが強かったのかもしれない」と推測した。
岩屋防衛相は7日の閣議後会見で、「計算式というほど複雑な工程ではなかった」と説明し、「改めて深くおわびを申し上げたい」と陳謝した。
防衛省報道室によると、報告書の作成者は、断面図が縦方向が拡大されていることに気づかないまま、断面図の縦横の長さを定規ではかり、三角関数を使って角度を割り出した。
そのうえで、分度器で間違いがないか再確認したが、元の断面図の縮尺が間違っていたため、仰角の間違いに気づかなかったという。
防衛省幹部が5日の県議会などで説明した内容によると、仰角の計算は、外部の専門機関に委託せず省内で実施。
「地図データで机上計算した」といい、実地測量をしないまま報告書を作成した可能性もうかがわせた。
田代さんは、「防衛省内部には地図を専門に扱う部署があるはずで、チェックを依頼すればすぐにわかったはずだ。内部のチェック体制の改善を望む」と指摘した。
出典
『防衛省報告書、グーグルアースプロと酷似 初歩的ミスか』
https://www.asahi.com/articles/ASM67533KM67UBUB00Q.html
6月8日付で秋田魁新報からも同趣旨の記事が、記者がグーグルアースを使って断面図を作成した動画付きでネット配信されていた。
防衛省戦略企画課の説明によると、配備候補地である新屋演習場の代わりになり得る国有地を検討する際、担当職員は次のような作業を行ったという。
まず、パソコン上で作成した国有地から近くの山までの断面図をプリンターで印刷。
国有地から山頂までの間にレーダー電波を遮る障害がないかを紙の上で確認した。
続いて、遮蔽となる尾根などがあった場合は、そこの標高、ない場合は山頂の標高、さらに国有地までの水平距離を紙の上で定規を使って計測。
高さと水平距離の縮尺の違いに気付かないまま三角関数を用いて計算し、誤った仰角を算出した。
一般財団法人「日本地図センター」(東京)の田代相談役は、「縮尺の違う数字で計算してはいけないなんて、基本中の基本。インターネットの地図情報などで簡単に求めることができる標高や水平距離を使わずに、断面図を定規で測って長さを出す理由が分からない」と批判する。
・・・・・
出典
『「定規で測って計算した」 イージスずさん調査【動画】』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190608AK0001/
6月8日21時11分に朝日新聞からは、防衛省はグーグルア-スを使っていたことを認めたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
防衛省幹部は8日、実地調査をせずにデジタル地球儀「グーグルアース」を使用していたことを明らかにした。
・・・・・
8日に住民説明会のため秋田市を訪れた防衛省幹部が、会議終了後の報道陣の取材に対し、こうした作成の経緯を認めた。
出典
『防衛省、実地調査せずグーグルアース使う 幹部が認める』
https://www.asahi.com/articles/ASM6864RMM68UBUB004.html
6月11日13時29分にTBS NEWSからは、グーグルアースを使ったことは問題なしという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩屋大臣は“グーグルアースを用いたことは問題ではない”とした上で、実際の地図を用いて再計算を行ったと明らかにしている。
出典
『イージス・アショア調査ミス問題、防衛相「信頼回復に全力」』
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3696751.html
(ブログ者コメント)
地形の把握は軍事行動上の最重要事項の一つ。
当然、国土地理院の最新データに基づき計算していると思っていたのだが・・・。
お手軽手段としてグーグルアースを使うにせよ、バックチェックは公的機関に承認された地図で行うべきだったのではないだろうか?
今回の事態は超レアケースだと思いたい。
2019年4月20日20時50分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市は20日、中央区役所で、自分の住民票を申請した女性に、誤って別の男性の住民票を交付するミスがあったと発表した。
同市は両者に経緯を説明し、謝罪した。
同市市民課によると、この女性は19日、転入届を出すために同区役所を訪れ、合わせて住民票も申請した。
その際に発行端末を操作した女性職員が、直前に処理した別の男性のデータを誤って選び、住民票を発行。
窓口で住民票を手渡した男性職員も、間違いに気付かなかったという。
同市がその後のチェックで誤交付に気付き、女性に連絡。
誤った住民票を回収し、正しいものを交付した。
同課の担当者は、「発行に関わった職員2人のチェックが不十分だった。確認を徹底させる」としている
出典
『別人の住民票を誤交付 職員が端末誤操作、チェック担当も気付かず 神戸』
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201904/0012260589.shtml
(ブログ者コメント)
〇「市がその後のチェックで気付き、女性に連絡し回収」という報道から考えると、受け取った際に女性も確認しなかった可能性がある。
もしそうだったとすれば、発行者、手渡し者、そして申請した本人という、3つのエラーが重なったことになる。
こういった単純事例で、ダブルエラーならしばしばあるが、トリプルエラーは珍しい。
〇他に情報がないか調べていたところ、神戸市では先月にも住民票交付ミスがあったという報道が見つかった。
2ケ月続けて同じようなミスが起きたのに、なぜかメディアは冷静だ。
(2019年3月26日23時46分 朝日新聞)
神戸市が今月上旬、家庭内暴力(DV)の被害を訴えている女性の住民票を、加害者とされる元夫側の弁護士に誤って交付していた。
被害者を保護するため、住民票の交付には制限がかかっていたが、依頼主が元夫の関係者ではないかを確認しなかったという。
市は女性に謝罪した。
市によると、裁判所への提出資料として、弁護士から郵送で住民票の交付請求があった。
依頼主の欄が空欄で、本来は依頼主と女性の関係を弁護士に確認すべきだった。
だが、同じ日に公的機関から受けた別人の申請と混同し、確認せず交付。
DV被害者のため慎重な扱いを求める注意書きを付けたという。
弁護士は注意書きを見て市に問い合わせており、DV被害を知らずに請求した可能性がある。
市は住民票を回収し、元夫に情報を伝えないよう弁護士と確認したという。
出典
『DV被害女性の住民票、元夫側の弁護士に誤交付 神戸市』
https://www.asahi.com/articles/ASM3V64WNM3VPIHB01Z.html
2019年2月26日19時26分にNHK富山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
用水路や側溝への転落事故で死亡した人は、去年までの3年間で少なくとも58人、けがをした人は187人に上ることが、県内各地の消防への取材で明らかになった。
NHKは、県内8つの消防本部に対して、去年までの3年間に用水路や側溝への転落事故などで出動した件数、死亡した人やけがをした人の数、けがの程度について取材した。
結果をNHKが独自にまとめたところ、県内で用水路や側溝への転落事故などで現場や搬送先の病院で死亡した人は、病死や自殺とみられるケースをのぞいて、少なくとも58人、けがをした人は187人に上ることが分かった。
このうち死亡した人は、県警察本部の統計と比べると14人多く、県がまとめたデータと比べると2人多くなっている。
また、けがをした人は、県警察本部の統計と比べると184人多く、県は、けが人のデータをまとめていなかった。
これについて、水難事故に詳しい長岡技術科学大学大学院の斎藤秀俊教授は、「警察単独の数字、消防単独の数字と、統計の取り方が全然ばらばらになっている。事故を防ぐためには、行政が先頭に立って関係機関に協力を要請し、けがをした人を含めて、県内でどのくらいの事故が起きているかを共有することが大切だ」と指摘している。
出典
『用水路事故3年間で死亡58人』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20190226/3060001395.html
2019年2月22日18時9分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分県警察本部は、病気が原因で取り消された運転免許を再び取得したおよそ40人に対し、本来よりも高額な講習を誤って受けさせていたことを明らかにした。
警察は全員に謝罪するとともに、講習の手数料の差額分を返すことにしている。
平成26年6月に施行された改正道路交通法では、てんかんや統合失調症などが原因で運転免許を取り消された人が、病気の回復に伴って免許を再び取得する際、全員一律に「初回更新者講習」と呼ばれる講習を受けるよう定められていた。
その後、再び法改正があり、1年後の27年6月からは、過去に起こした交通事故の回数などに応じて、4種類の講習のうち1つを受ける形に改められた。
大分県警察本部によると、この改正以降も、運転免許課の担当者が制度の変更を認識せず、免許を再取得する人に「初回更新者講習」を一律に受けさせていたことが、先月、警察庁からの指摘でわかった。
その後の調査で、ことし1月にかけて、合わせて38人が本来と違う講習を受けて、余分な手数料を支払っていたことがわかったという。
県警察本部では、23日以降、全員に謝罪したうえで、手数料の差額分、合わせて3万円近くを返すことにしている。
運転免許課の後藤課長は、「深くおわび申し上げます。再発防止に向け、職員への指導を徹底いたします」と話している。
出典
『運転免許再取得者に誤って別講習』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20190222/5070003071.html
2月23日3時1分に大分合同新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は22日、てんかんなど特定の病気で運転免許を取り消された人が免許を再取得する際、手数料の高い、誤った区分の講習を受けさせていたと発表した。
対象者は、2015~19年の間に受講した20~60代の男女38人。
過大に徴収していた計2万9950円を、それぞれ返還する方針。
運転免許課によると、15年の道交法改正で、特定の病気の人が3年以内に免許を再取得する場合の講習内容が変更された。
運転経歴や違反の有無に応じて4段階の中から受けることになったが、初めて免許更新する人が対象の「初回講習」を一律に受講させていた。
担当職員が制度変更を理解していなかったという。
同課が今年1月、業務に関する統計を警察庁に報告した際、指摘を受けて誤りに気付いた。
園田同課次席は、「担当者の処分を検討し、チェック態勢の強化など、再発防止に取り組む。迷惑を掛けて申し訳ない」と話した。
出典
『38人に誤った講習 免許再取得 手数料を過大徴収』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/02/23/JD0057812258
(ブログ者コメント)
小規模な民間会社ならいざ知らず、法を守らせる立場の警察で、なぜ、このようなことが起きたのだろう。
担当者が制度変更を「認識していなかった」or「理解していなかった」ということだが、それはそれとして、制度変更が自署の業務内容に反映されているか、上司は管理していなかったのだろうか?
まさか、担当者ともども、制度変更を知らなかった?
そんなことはないとは思うが・・・。
※キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー 変更管理


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。