2016年3月4日付の第4報修正7がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第5報修正8として掲載します。
第4報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5700/
(2017年12月26日 修正8 追記;)
2017年12月19日13時36分に朝日新聞から、窒素注入マニュアルの作成経緯や米国関連工場から窒素注入の危険性がメールされていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
約4年にわたった県警の捜査が終結した。
同社がまとめた事故調査報告書に記載されていない新たな事実も分かったが、刑事責任を問うのは困難との判断に傾いた。
・・・・・
作業員はマニュアル通り、洗浄前の準備作業を進めた。
内側に付着したシリコンの化合物から燃えやすい水素などが出るのを抑え、水素爆発を防ぐため、ふたを開ける前に、水を含ませた窒素と乾燥させた窒素を順番に注入した。
だが、水素爆発を念頭に置いた、この「安全対策」が裏目に出た。
この過程で、業界でもあまり知られていない化学物質が生成され、爆発の引き金になった。
水を含ませた窒素を注入した際、水分が化合物と反応して爆発しやすい危険な物質に変化。
この物質は、低温状態で反応したり、反応した後に乾燥状態に陥ると、さらに爆発威力が高まる。
こうした危険な状況に気づかないまま、作業員らがふたを開け、その振動で発火し爆発に至った。
爆発の引き金になったこの物質について、調査委員会は「公知の科学的情報がないこともあり、適切な安全対策について検討することができなかった」と結論づけた。
なぜ、窒素を注入する手順がマニュアル化されていたのか。
捜査関係者によると、過去に起きた発火事故がきっかけだった。
10年2月に冷却器を洗浄する際に残留物が発火し、作業員1人がやけど。
当時の幹部は、この事故を水素爆発だったと判断し、対応策をまとめた。
11年3月にも、冷却器の洗浄作業中に内部の残留物が発火して3人がやけどし、この手順を徹底させたという。
・・・・・
捜査関係者によると、四日市工場と同じ工程で高純度シリコンを製造する米国の関連工場で、13年夏ごろ、爆発事故があった。
シリコンに熱を加える炉のメンテナンスのため空気を流し込んだところ、内部の残留物が爆発し、炉のふたがひっくり返ったという。
原因を調査した米工場の幹部は、炉に残留していたシリコンの化合物が空気中の水分と反応し、危険な物質に変化して爆発したと推定。
四日市工場でも、それまで冷却器の事故が相次いでいたことから、当時の四日市工場長と副工場長ら宛てに「四日市工場で起きた事故は水素爆発ではなく、この物質が原因ではないか」、「シリコンの化合物に水分を加え、その後に乾燥させると危ない」などとメールを送っていたという。
14年1月の事故は、そうしたメールのやり取りのさなかに起きた。
・・・・・
県警は、10年と11年に起きた事故も、水素爆発ではなく、シリコンの化合物による発火事故だった可能性があるとみて捜査。
当時の工場長らがメールの内容や過去の事故を検証し、手順を見直していれば事故を防げたとみて調べた。
ただ、米工場では、事故原因となった物質を採取しての調査まではしておらず、四日市工場の原因物質とまったく同じとは確認できなかった。
専門家の中には、「過去の発火や爆発は機器の種類が異なっており、規模も小さかった。これほどの大きな爆発までは予見できなかった」との意見があった。
出典
『爆発は「想定外」、三菱マテ事故 刑事責任追及も困難』
https://www.asahi.com/articles/ASKDD51RVKDDOIPE01J.html
12月26日20時43分に日本経済新聞からは、幹部2人は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
津地検は26日、業務上過失致死傷の疑いで書類送付されていた当時の工場幹部2人を嫌疑不十分で不起訴処分とした。
捜査関係者によると、2人は当時の工場長(60)と副工場長(58)。
小島次席検事は、「過失を認めるに足りる証拠がなかった」と説明している。
三重県警は、洗浄に使う加湿窒素ガスにより、熱交換器内部に付着した塩素や水素の化合物が低温下で加水分解され、その後、ドライ窒素が入れられたことから乾燥状態となって爆発しやすくなり、わずかな衝撃で爆発が起きたと結論付けた。
県警が、元工場長らの安全管理が十分だったかや、予見可能性の有無について捜査。
専門家への聴取で「予見は困難だった」との見解が示され、5日に、起訴を求めない意見を付け書類を送っていた。
同社が設置した事故調査委員会も、「(爆発の原因物質について)公知の科学的情報がなく、知見が不足していた」との最終報告書をまとめていた。
出典
『三菱マテ爆発で不起訴 元工場長ら2人、津地検』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25102980W7A221C1CN8000/
2017年10月20日付で毎日新聞熊本版から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
10月20日付で朝日新聞熊本全県版(聞蔵)から、10月19日19時21分にgooニュース(熊本放送)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午後2時25分ごろ、御船町滝川の「M薬局」の駐車場兼作業場(木造2階建て)で爆発が起き、古い薬品を処分していた従業員の女性(58)が顔や腕などにやけどを負って病院に搬送された。
意識はあり、命に別状はないという。
建物に被害はなかった。
近くで爆発音を聞いた親戚が駆け付け、119番通報した。
警察などは、薬品が何らかの理由で爆発した可能性があるとみて調べている。
現場周辺は、有毒ガスの発生などを検査するため、通行が一時、規制された。
事故のあった作業場の裏に住む女性(75)は、「家でテレビを見ていたら『バーン』という大きな音が一度聞こえた。気になって薬局に行くと2階の窓から白い煙が上がっていた」と話した。
薬局から約120m離れた空き地で作業していた解体業の50代男性も、「『ドーン』という音が聞こえた。車の衝突事故と思った」と振り返った。
女性薬剤師は、粉末状の古い薬品を処分していたと見られている。
出典
『爆発 薬局の作業場で 薬品を処分、女性やけど 御船』
https://mainichi.jp/articles/20171020/ddl/k43/040/258000c
『御船町の薬局で爆発事故』
https://news.goo.ne.jp/article/rkk/region/rkk-NS003201710191921150111.html
(2017年11月19日 修正1 ;追記)
2017年10月20日付の熊本日日新聞紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
作業場には、ガラスびんに入った数種類の薬品があったという。
2017年7月27日17時21分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前11時ごろ、千葉県茂原市東郷の三井化学の市原工場茂原分工場の警備員から「工場で火災があった」と消防に通報があった。
消防車など19台が出て消火活動にあたり、火はおよそ4時間後にほぼ消し止められたが、コピー用のトナーの原料を製造する2階建てのプラントの一部が焼けた。
警察によると、この火事でプラントの中で作業をしていた40代から60代までの男性作業員3人が手と顔に軽いヤケドをしたほか、近くにいた30代の女性が煙を吸い込んで病院に運ばれたという。
三井化学の本社によると、プラントの設備の一部が燃えたということで、現場付近を調べたところ、有毒ガスなどは検知されなかったという。
警察が火災の原因を詳しく調べている。
現場はJR茂原駅からおよそ1kmほどの学校や工場などが建ち並ぶ場所にあり、工場の敷地は全体で45万m2の広さがある。
工場の敷地から数10m離れた場所で飲食店を営業する58歳の男性は、「大型トラックが通り過ぎたような『ドドド』っという音がした。爆発がこちらまで広がらないか心配だ」と話していた。
また、その近くの自動車教習所で働いていた30代の男性は、「白い煙がどんどん黒くなっていった。 炎を見たという人もいる。化学薬品のような臭いもした。化学工場だけに少し怖い」と話していた。
出典
『化学工場で火災4人ケガ 茂原』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/1085533231.html
7月27日12時47分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月28日付で朝日新聞ちば首都圏版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
消防によると、工場内にいた男性3人、女性1人の計4人がけがをして病院に運ばれた。
いずれも軽傷という。
三井化学コーポレートコミュニケーション部によると、火災が起きたのは「過酸化物倉庫」という建物で、協力会社の社員4人がやけどを負ったという。
工場の男性警備員は朝日新聞の取材に「火災発生という放送を聞き119番通報した」と話した。
県警によると、「爆発した」と話している人がいるという。
出典
『工場火災で4人けが 千葉の三井化学』
http://www.asahi.com/articles/ASK7W42FFK7WUDCB00D.html
(ブログ者コメント)
火災発生という放送を聞いた警備員が消防に通報したということだが、そういうタイミングでの通報であれば、後日、通報遅れが問題になることはないかもしれない。
2017年7月27日18時41分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後、香川県坂出市常盤町のH花火店の工場で爆発があり、炎や煙が上がって、11棟の建物のうち5棟、合わせて117m2が壊れたり焼けたりした。
この事故で59歳の社長と36歳の従業員の男性、合わせて2人がやけどやすり傷などのけがをした。
警察と消防、労基署は、27日午前9時から20人余りを出して現場検証をした。
警察によると、26日、工場で働いていたアルバイトの男性が、2階建ての倉庫兼作業所のうち2階の作業所で花火に導火線を取り付ける作業をしていたところ、1階の倉庫から煙が出たと話しているという。
また、男性は、社長と共に消火にあたっていたところ、爆発が起きて逃げたと話しているという。
警察は、この倉庫兼作業所の1階から火が出て、その後、爆発したとみて、当時の詳しい状況や原因のほか、火薬の管理などに問題がなかったか調べている。
出典
『倉庫兼作業所の1階から出火か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8035512742.html
7月26日21時22分にNHK NEWS WEBからは、事故発生時の状況が下記趣旨でネット配信されていた。
現場は坂出市役所から西へ2km近く離れたところで、爆発と火災の影響で近くの10世帯余りが一時、避難したほか、近くを走る瀬戸中央自動車道が香川県の坂出インターチェンジと岡山県の児島インターチェンジの間の上下線で、およそ1時間半にわたって通行止めになった。
花火工場の近くにある坂出市役所の生活課の男性職員によると、「最初に雷が落ちたようなバリバリという音が2、3回して、建物にも振動が伝わってきた。窓から花火工場を見ると、自分がいる建物のほうに向かって、花火の球が燃えながら飛んできた。工場から火や黒い煙が出ているのも見えた」と話していた。
警察に通報した花火工場近くのタイヤ店の男性従業員によると、「爆発の前に地響きがあり、そのあと聞いたことがないような大きな音がした。外に出てみると火薬のにおいがして火花も飛んできた」と話していた。
出典
『花火工場で爆発 従業員2人けが 香川 坂出』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170726/k10011074941000.html
7月28日8時10分に産経新聞westからは、この花火店に発注していた各地の花火大会が中止になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月27日10時12分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
同社に花火の打ち上げ業務を委託していた自治体などは27日、今夏に予定していた花火大会の中止を決めた。
坂出市は、8月11日に予定していた「第52回さかいで大橋まつり」の海上花火大会を中止する。
市は約4000発をH花火店に発注していた。
その他の行事(4、5、6日)は予定通り行う。
三豊市豊中町で7月30日に比地大小学校で「第29回比地大花火大会」を開催する地元の実行委員会は、打ち上げ花火を中止する。例年300~500発を打ち上げていた。
打ち上げ花火以外の各自治会子ども会の歌や踊りのスタンツなどは予定通り行う。
出典
『香川・坂出の花火工場爆発火災、影響で複数の花火大会中止』
http://www.sankei.com/west/news/170728/wst1707280028-n1.html
『花火工場爆発 激しい縦揺れ、地震かと 住民ら一時騒然』
https://mainichi.jp/articles/20170727/k00/00e/040/223000c
(2017年11月18日 修正1 ;追記)
2017年11月16日17時28分にNHK香川から、プレハブ倉庫で大量に無許可で花火を保管していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月16日19時53分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察が調べたところ、現場には1万3800個の花火の玉がプレハブ倉庫2棟に残っていたということで、警察は、法律で定められた量を超える大量の火薬を許可を受けていない場所に違法に保管していたとして、この花火メーカーと社長を火薬類取締法違反の疑いで書類送検した。
警察の取り調べに対し社長は、「火薬庫はあったが、花火の玉が多くて入りきらなかった。プレハブで保管できないことは知っていたが、出荷のために置いていた」などと供述し、容疑を認めているという。
警察は、倉庫兼作業所の1階から火が出て、その後、爆発したとみて、当時の状況や出火の原因について更に詳しく調べている。
出典
『花火工場爆発で社長ら書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8035777341.html
『プレハブに花火玉1・3万発…違法保管容疑 香川・坂出の製造会社を書類送検』
http://www.sankei.com/west/news/171116/wst1711160092-n1.html
2016年12月19日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正4として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6587/
(2017年7月29日 修正4 ;追記)
7月22日付で朝日新聞静岡版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書では、「チタンのような粗い金属が配合薬に加えられたこと」が、当時製造中だった花火が発火した原因と推測されるとした。
爆発で現場近くに置かれていた火薬に引火し、二次爆発が起こったとも指摘した。
2016年12月13日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後3時50分ごろ、藤枝市の花火製造会社「I社」の工場で、近くの住民から「爆発がしたようで建物が揺れた」などと119番通報があった。
警察や消防によると、工場敷地内の5m四方のテントで爆発があり、同社社長の男性(52)が全身やけどと左手を切断する重傷。
女性従業員(43)が顔や両手にやけどを負った。
2人とも意識はあるという。
ほかの建物への延焼はないという。
現場は、JR藤枝駅から北西約7km。住宅地からは500mほど離れている。
出典
『藤枝の花火工場で爆発』
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20161213/CK2016121302000087.html
12月12日18時56分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月13日12時23分に静岡新聞から、12月13日19時34分にNHK静岡からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
救急隊が駆け付けた時、社長は爆発の衝撃で数mほど飛ばされ壁にもたれかかる格好で、従業員は地面に倒れた状態だったという。
工場敷地内の屋外に設置していた約5m四方のテントは爆発で損壊し、骨組みだけとなった。
周囲の車や作業所の窓ガラスが割れるなどの被害も出ているという。
警察などによると、当時、2人は屋外のテントの中で、花火の製造過程のうち、火薬玉の芯を小型ミキサーのような専用の機械で回転させながら外側に火薬を加えて少しずつ大きくしていく「星掛け」と呼ばれる作業をしていたとみられるという
県消防保安課によると、火薬類取締法では、この「星掛け」の作業は「星掛け工室」と呼ばれる、爆発や火災が起きても周囲に影響が及ばないよう壁や塀などが設置された専用の部屋の中で行うよう定められている。
このため警察は、業務上過失傷害などの疑いもあるとみて、当時の作業手順や作業方法などに問題がなかったか、さらに詳しく調べることにしている。
I社は、創業110年を超える花火製造販売の老舗企業。
社長は、駆けつけた救急隊員に対し、「失敗した」などと話したという。
出典
『花火製造販売会社で爆発、2人が重傷 静岡・藤枝』
http://www.asahi.com/articles/ASJDD62LGJDDUTPB01J.html
『作業中のミス原因か 藤枝・花火工場爆発』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/310270.html
『花火メーカー社長「失敗した」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035200991.html?t=1481659866610
(2016年12月21日 修正1 ;追記)
2016年12月20日付で熱海ネット新聞から、社長が死亡したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
全身やけどで入院していた同社社長(52)が、20日、死亡した。
同社は50数年にわたり、熱海海上花火大会をはじめ、市内の花火大会を手掛け、誘客に尽力してきた。
社長は同社の5代目。
出典
『花火工場、社長が死亡』
(ブログ者コメント)
花火大会というキーワードで調べてみたところ、同社は、ハウステンボスで開催された世界花火師競技会で世界一になったり、大曲の花火大会で最優秀賞になるなど、ハイレベルの技術を有する会社だった模様。
そういった、いわば業界の一流会社で、爆発原因は別にして、なぜ社長自ら専用室以外の場所で星掛け作業を行うという、初歩的とも思えるルール違反をおかしていたのだろうか?
(2017年7月15日 修正2 ;追記)
2017年7月12日19時6分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火薬類取締法に基づき、経産省の事故防止対策委員会の専門家と「I社」が合同で調査し、今月とりまとめた事故報告書によると、当時、新作の打ち上げ花火の開発に向け、社長が新たな配合の火薬を型に入れ、木槌で叩く「圧縮」の作業を行った瞬間に爆発が起きたという。
爆発のあとの燃えかすを調べたところ、火薬の原料に、衝撃によって発火しやすいチタンなどの金属が含まれていたことがわかり、報告書では、火薬が発火しやすくなっていたことが爆発の要因の一つと考えられるとしている。
そのうえで再発防止策として、今後は、新たな薬品を使う場合は事前に専門機関に相談するなどとしている。
出典
『花火爆発は発火しやすい金属か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035094391.html
(2017年7月21日 修正3 ;追記)
2017年7月21日7時33分に静岡新聞から、死亡した社長が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
藤枝署は20日、業務上過失傷害の疑いで、試作花火を作成中に事故で亡くなった当時の社長を、被疑者死亡のまま書類送致した。
同社がまとめ、7月上旬に県に提出した事故の最終報告書では、当時の社長が試作花火を作成した際にチタンのような発火しやすい金属を原料に使用していたことが影響したと推測される、と指摘。
発火しやすい金属を含んだ火薬に局所的にエネルギーを加えたことが発火、爆発につながったと結論付けていた。
出典
『死亡の社長を書類送検 藤枝の花火工場、2人死傷爆発』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/382714.html
2016年11月6日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月5日12時51分?に大分放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後9時20分ごろ、大分市中ノ洲の昭和電工大分コンビナートにある同社関連会社「サンアロマー」大分工場のプラント付近から出火。
近くで作業していた従業員1人が専用消火器で消火し、およそ20秒で火は消し止められた。
けが人はなく、有害ガスの発生も確認されていない。
昭和電工大分事務所と警察によると、出火したのはプラスチックの原料となるポリプロピレンを生産するプラント。
不純物を取り除くフィルターの交換作業後、原料の触媒になるアルキルアルミニウムという液体が、液体をタンクから送り出す配管と酸素濃度測定器が接合する部分から漏れて出火したという。
液体は、空気に触れると自然発火する危険があるという。
配管内の弁の不具合で漏れた可能性があるという。
出典
『昨夜 大分市の工場で火災・けが人なし』
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=11050035546&day=20161105
2016年10月8日10時44分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後9時45分頃、埼玉県白岡市高岩の男性会社員(52)宅の車庫から出火、木造平屋約30m2が全焼し、軽乗用車や耕運機、トラクターなどを焼いた。
警察の発表では、車庫内に農業用石灰の紙袋(10kg入り)が数袋積んであり、周辺の燃え方が激しいという。
使いかけで袋が開いたままになっていた石灰袋の近くの窓が開いており、警察は、雨が入って袋の中の石灰と反応、発火した可能性が高いとみている。
県消防防災課は、「石灰が原因の火災は珍しい」としながらも、「石灰は水にぬれると熱を持ち、出火した県外の事例がある。水との接触を避けるなど、扱いに注意が必要」と話している。
出典
『石灰から出火か、車庫を全焼…使いかけの袋に雨』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161008-OYT1T50034.html
2015年8月13日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5111/
(2016年8月16日 修正2 ;追記)
2016年8月9日付で山口新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月9日8時42分にNHK山口からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
『T社小野田工場爆発事故調査報告』
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2016/0809/8.html
『工場爆発 原因は作業ミスなど』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4064614401.html?t=1470775216468
昨年8月に山陽小野田市のT社小野田工場で発生した爆発火災について、同社は8日、学識経験者らによる事故調査委員会の調査報告を発表した。
調査委は、作業員がアセチレンガスの原料を投入する装置の電源を入れ忘れ、配管内に空気が流入したことなどが原因と結論付けた。
同工場は廃止予定。
この工場では、アセチレンの原料を水を張ったタンクに投入して、発生させたガスを圧縮してボンベに詰める作業を行っている。
複数回の爆発を伴う火災は、昨年8月5日午前8時55分ごろに発生。
工場敷地内の製造施設や事務所を全焼し、30代の男性従業員が軽傷を負った。
敷地内にあったボンベ約4300本のうち、約770本が爆発した。
調査委によると、40代の男性作業員が、アセチレンガスの原料となるカーバイドの自動投入装置の電源を入れ忘れたまま、同ガスをボンベに入れるための圧縮機の運転を開始したため、配管内に空気が流入。
前日の製造で残っていた同ガスと空気の可燃性混合ガスが形成され、空気を圧縮した際に発生する熱で出火したとみられる。
20代の男性従業員も、実施すべき自動投入装置の一部の作動確認をしておらず、緊急停止装置は、整備不足で作動しなかった。
報告書は、再発防止策として、すべての作業手順をチェックするシートを作るほか、一部の機械だけが稼働しないよう、電源を一元化するよう求めている。
宇部市の本社で、調査委の委員長を務めた岡山大大学院自然科学研究科の鈴木和彦教授が報告書を社長に提出。
鈴木委員長は、「人のミスとハード面の不備が重なって発生した事故。安全管理に対する基本ができておらず、管理の仕組みを再構築しなければならない」と指摘した。
社長は、「地域社会の皆さまに多大な迷惑をおかけしたことを改めておわびする」と陳謝。
「事故の根絶を目指して安全対策の強化を図りたい」と述べ、同工場の廃止に伴って、アセチレンガス製造事業から撤退する方針を示した。
(ブログ者コメント)
報告書は下記参照。
http://chuase.net/report/report.html
内容的に、一部、分かりにくい部分があるが、骨子をまとめると以下のようになるだろうか・・・。
「設備の概要」
・この設備では、まず原材料のカーバイドがベルトコンベアーでガス発生器に運ばれ、頂部から水中に落下投入される。
・発生したアセチレンガスは、ガス溜に蓄えられる。
・アセチレンガスの発生量は、ベルトコンベアーの自動停止・起動で調整する(自動投入装置)。
・ガス溜のアセチレンガスは、液体清浄装置で不純物除去後、圧縮してボンベ(アセトン等の溶剤入り)に充填される。
※液体清浄装置は、逆火防止用の水封装置を兼ねている。
※該社では、圧縮機の吸い込み側を「低圧ライン」、吐き出し側を「充填ライン」と呼んでいる。
※アセチレンをボンベ内のアセトン等に溶解させるには時間がかかり、また溶解熱も発生するので、通常は2日間かけて充填する。(充填台には水噴霧装置が設置されている)
「事故の経緯」
・そのような設備において、事故当日の朝、設備の電源を入れる担当者が休暇だったため、作業員Cが代わりに主電源を入れる。
しかし、自動投入装置の電源は入れ忘れた。
・そして、ガス発生準備を行う作業員Bが、自動投入装置操作盤の切り替えスイッチを「自動」に入れた。
※通常は「手動」にしてコンベアが作動したことを確認後、「自動」に入れる手順だが、その手順を省略した。
・8:41 作業員Aが、圧縮機5台を1台づつ起動させた。
・8:50 ガス溜のレベルが低下。
作業員Bはアセチレンガスがないと判断し、作業員Aに指示して圧縮機を停止させた。
・8:55 作業員Aが充填ラインの圧力異常上昇を確認。
・8:56 爆発
「事故原因」
・圧縮機を起動したが、自動投入装置が動いていなかったためアセチレンガスが発生しておらず、そのため低圧ラインが負圧になった。
※低圧ラインが規定圧力以下になると圧縮機を停止するシステムだったが、検知用の部品が短絡していたため、機能しなかった。
・液体清浄装置の水封が切れ、低圧ラインに空気が流入。
アセチレンガスと空気の混合ガスが圧縮され、充填ラインに送り込まれた。
・アセチレンガスはアセトン等の溶剤に溶解するが、空気は溶解しないため、圧縮熱が発生。また、充填中の容器への水噴霧前で、溶解熱が蓄積されていたこともあって、充填ラインの温度と圧力が急上昇、爆発に至った。
※アセチレンガス溶解時には溶解熱で容器温度が上昇する。そのため、通常は水を噴霧して冷却するが、この時点では、まだ水噴霧を実施していなかった。
2016年6月23日13時2分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前10時半ごろ、神奈川県開成町吉田島の県立吉田島総合高校の理科室で、男性教諭(61)が実験で使ったナトリウムを保存しようとしていたところ、爆発が起きた。
ナトリウムが入っていたガラス瓶が割れ、教諭が指にけがをした。
学校によると、ナトリウムは水と反応して爆発するが、教諭が空気に触れないようにガラス瓶に灯油を入れていて、灯油に含まれた水分がナトリウムに反応した可能性があるという。
当時は2時間目が終わったところで、生徒のほとんどは理科室を出ていたという。
ツイッターには「地響きがやばかった」などと、生徒のものとみられる書き込みが相次いだ。
出典
『高校理科室で爆発、教諭けが 「地響きやばい」生徒投稿』
http://www.asahi.com/articles/ASJ6R3S9DJ6RULOB007.html
2016年6月15日付で産総研HPに、下記趣旨の記事がニュースとして掲載されていた。
平成28年6月15日(水)午前9時40分頃、つくばセンターつくば西事業所、西5-Ⅾ棟1階の実験室に設置しているシランガス及び水素ガス(注)を使用する半導体結晶成長装置のメンテナンス作業中に、同装置で一瞬の爆発が発生しました。
発生後、火はすぐ消えましたが、念のため、消火器を使用しました。
なお、火災発生の際にメンテナンス作業を行っていた契約職員1名が火傷を負い、現在、搬送先で治療を受けております。
この火災による周辺環境への影響はございません。
発生原因は、現在、調査中です。
日頃から、防災および安全の確保に努めていたにも関わらず、今回のような火災が発生し、周辺の皆様方にご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
(注)シランガス及び水素ガスは、半導体製造プロセスで一般的に用いられているガスで、本件事故発生の現場でも、半導体関係の実験のために用いられておりました。
出典
『つくばセンターつくば西事業所の火災事故発生について』
http://www.aist.go.jp/aist_j/news/au20160615.html
6月16日付で毎日新聞茨城版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
6月15日付でつくば市からも、同趣旨の記者発表記事がネット配信されていた。
15日午前9時45分ごろ、つくば市小野川の産業技術総合研究所つくばセンター実験室で、半導体を開発するための機械が爆発し、現場にいた研究補助員の女性(41)が顔や両腕に2度の熱傷を負った。
命に別条はないという。
警察などによると、研究員など3人が機械を掃除機で清掃中に突然火が出て、すぐに消えたという。
建物などへの被害はなく、ほかの2人にけがはなかった。
清掃中、機械は動いていなかった。
警察や産総研が原因を調べている。
出典
『爆発 つくばの産総研の機械 職員やけど /茨城』
http://mainichi.jp/articles/20160616/ddl/k08/040/045000c
『産業技術総合研究所で発生した爆発事故の件』
https://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/019/732/No52.pdf
(2016年10月9日 修正1 ;追記)
6月16日付の茨城新聞紙面に、事故のやや詳しい状況が、下記趣旨の記事が掲載されていた。
爆発があったのは、ナノテクノロジー(超微細技術)の研究拠点「つくばイノベーションアリーナ推進センター共同施設」内の実験室。
警察によると、実験装置は幅約0.74m、奥行き約1.73m、高さ約1.05mの大きさ。
女性が掃除機を使い、実験装置の内部にたまった廃材を除去していたところ、装置から突然、炎が上がった。
火はすぐ消えた。
産総研によると、爆発した実験装置は、有害のシランガスと爆発性のある水素ガスを使う。
事故当時は、装置の電源は切られ、ガスを送り込む元栓も閉まった状態だったという。
2016年6月10日19時3分にNHK福岡NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月10日3時5分に西日本新聞から、6月10日付で毎日新聞筑豊版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
宮若市の工事現場で見つかった不発弾を、陸上自衛隊の担当者が訓練用の模擬弾と間違って判断したため、工事にあたっている業者が信管の付いた不発弾をおよそ10m移動させていたことがわかった。
陸自によると、6月4日、福岡県宮若市上有木にある太陽光発電施設建設予定地の造成工事現場で、作業員が地中に不発弾のようなものがあるのを見つけ、警察に通報した。
警察官が現場の写真を撮影して、春日市にある陸上自衛隊第4師団に(メールで)送って確認を求めたところ、自衛隊の担当者は、形や色などから訓練用の模擬弾と判断したという。
このため、自衛隊から連絡を受けた業者は、工事の邪魔にならないよう、重機でつり上げておよそ10m移動させたが、その3日後に自衛隊の不発弾処理隊が現地を訪れ、あらためて確認したところ、信管が付いていたため、見つかったのは太平洋戦争中にアメリカ軍が投下したとみられる不発弾だったことがわかった。
不発弾は、長さ1m20cm、直径およそ40cm、重さが250kg。
爆発すると半径700mに影響を及ぼすというが、信管はあるものの爆発の可能性は低いという。
現場は山あいの地域で、周辺には住宅や工場などがある。
戦時中、市に大規模な空襲はなく、不発弾が見つかったという話もないという。
自衛隊では、今月19日に不発弾を処理する予定。
第4師団は、「写真のみで誤った判断をしてしまった。電話で移動方法を伝えたが、現場に行くべきだった」、「間違って判断した原因をしっかり調べたい」と話している。
※ブログ者注記
カッコ内の細字は、NHKで流されたナレーション情報。
出典
『不発弾を「模擬弾」と間違う』
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20160610/3040811.html
『陸自、不発弾を「模擬弾」と誤認 業者が10メートル移動 福岡・宮若市』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/250958
『不発弾 宮若で見つかる 市が安全防護措置 近く陸自が処理 /福岡』
http://mainichi.jp/articles/20160610/ddl/k40/040/542000c
2016年4月27日21時57分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高知県須崎市の海岸沿いの堤防で、高知市の小学5年の女児(10)が円柱状の器具に触れたところ暴発し、顔に重傷を負っていたことが、27日、分かった。
警察によると、破片などから、器具は、船が救助を求める際に使用する信号弾とみられる。
警察は、現場に放置されていた可能性があるとみて、所有者や経緯を調べている。
警察によると、25日午後2時45分ごろ、家族で釣りに来ていた女児が堤防の上で器具を見つけ、手に取ると暴発した。
女児は鼻を骨折し、顔に裂傷を負うなどの重傷で、父親が病院に運び、26日に警察へ届け出た。
器具は、暴発によって破片しか残っていないが、警察によると、長さ約18cm、直径約2.5cmの信号弾に似ているという。
信号弾は、船舶救命設備規則で、船への装備が義務づけられている。
農林水産省によると、使用期限切れなどで捨てられたとみられる信号弾が海岸に漂着することもあり、2006年5月には、石川県の海水浴場で信号弾を拾い上げた男性が、暴発で顔にけがをする事故が起きている。
出典
『女児重傷 放置信号弾が暴発 高知・須崎の堤防』
http://mainichi.jp/articles/20160428/k00/00m/040/095000c
2016年4月16日付で朝日新聞北九州版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後2時10分ごろ、北九州市小倉南区の花火製造販売会社「W社」の倉庫付近から出火し、約50m2が全焼。約30kgに及ぶとみられる火薬が燃えた。
従業員ら約15人がいたが、けがはなかった。
出火当時、倉庫では従業員らが花火用の火薬玉の選別作業をしており、自然発火した可能性があるという。
4月16日6時34分にテレビ西日本からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
火事があったのは北九州市小倉南区呼野の花火工場で、15日午後2時過ぎ、ステンレスのボールに入れて、天日干ししていた火薬玉から煙が出ているのを従業員が発見し、消防に通報した。
消防車18台が駆けつけ、消火活動にあたったが、火薬やわらなどを保管していた資材倉庫を全焼し、1時間半後に消し止められた。けが人はいなかった。
消防は、何らかの原因で火薬が自然発火したものとみて調べている。
出典URL
http://www.tnc.co.jp/sp/news/articles/1875
2014年6月15日付の第3報修正5版がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第4報修正6として掲載します。
第3報(修正3~5)は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3817/
(2016年3月4日 修正6 ;追記)
2016年1月10日付の中日新聞紙面に、県警は過去の発火事故時に踏み込んだ調査をしていなかったとして責任者らを書類送検する方針だという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
三重県警は、事前の安全対策を怠ったとして、当時の工場の責任者ら数人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検する方針を固めた。
県警は、家宅捜索で押収した資料や専門家への聞き取りなどから、爆発の原因物質やメカニズムを解析。
捜査関係者によると、爆発事故の前にも同様の作業で複数回の発火事故を起こしており、会社側が踏み込んだ調査をしていれば危険性を予見できたとして、立件に踏み切る判断をした。
工場では、半導体の材料である多結晶シリコンを製造しており、熱交換器には、その過程で可燃性の不純物がたまる。
同社の調査委員会は、2014年6月、この不純物を洗い流す準備過程で、想定外の「爆発威力の強い化合物」が生成され、蓋を開けた衝撃で爆発したと結論づけた。
しかし、工場では、過去にも同様の作業中に発火事故を起こしていたが、水素による爆発が原因と考えて処理していたことが判明。
県警は、この発火事故の際にも爆発事故と同様の化合物が生成されていたことを特定したとみられる。
(ブログ者コメント)
同社の調査報告書については、第3報参照。
(2017年12月9日 修正7 ;追記)
2017年12月6日0時38分にNHK三重から、当時の工場長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月5日21時47分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は5日、当時の工場長(60)と副工場長(58)が、熱交換器の内部に十分に水を加え乾燥を防ぐよう指示するなどの安全管理を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。
一方、この工場では過去に2度、熱交換器をめぐる事故が起きていたほか、事故の半年前にはアメリカの子会社でも類似の爆発事故が起きていたが、警察は、これらの事故の仕組みは同一ではなく、爆発の発生場所や原因などが異なるため、今回の事故が十分に予見できたとは言えないとして、起訴を求めない意見をつけた。
捜査関係者は、「過失を立証することは難しい」と説明した。
出典
『三菱マテリアル爆発事故書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/3073268393.html
『三菱マテ工場爆発 「起訴求めず」元工場長ら2人書類送検』
https://mainichi.jp/articles/20171206/k00/00m/040/143000c
12月6日0時38分にNHK三重からは、事故の概要など、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
・・・・・
この熱交換器には、両端にカバーがとりつけられていた。
一連の作業では、まず、下部のカバーがとりはずされた。
そして次に、上部のカバーがとりはずされた。
ここで、なんらかの衝撃が発火源となり、生成された爆発力の高い物質が爆発したと見られている。
・・・・・
事故報告書では、「爆発した物質の威力は、安全対策上の想定危険性を大幅に超えるものだった」と結論づけた。
「あらかじめ事故が防げたとは言えない」とするこの報告書の存在などによって、会社側の過失を証明することが極めて難しい捜査となった。
・・・・・
三菱マテリアルによると、この事故のあと、今まで人が立ち会う必要があった熱交換器の洗浄作業は、すべて自動で行うように改めたという。
また、会社では、教訓を風化させないため、爆発事故の経緯などを説明するビデオなども作り、従業員の安全教育にも力を入れているという。
出典
『爆発事故書類送検 解説』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/3073268392.html
2015年8月20日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5135/
(2016年2月13日 修正1 ;追記)
2016年2月6日付で毎日新聞東京版から、乾燥したニトロセルロースが自然発火し、硝酸アンモニウムなどの爆発を引き起こしたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月5日23時33分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国営中国中央テレビ(CCTV)は、5日、天津市浜海新区で昨年8月に起きた爆発事故の調査結果を伝えた。
事故調査チームは、事故を引き起こした地元企業の管理・監督が不十分だったとして、中国共産党の規律違反などで、副市長2人を含む74人を処分するよう求めた。
調査報告は、事故原因について、「コンテナ内の乾燥したニトロセルロースが高温などの影響で自然発火し、危険化学物質の硝酸アンモニウムなどの爆発を引き起こした」とし、消防隊員や警察官など165人が死亡、798人が負傷したとした。
天津市の交通や港、税関、公安当局などが関連法規定を適切に適用せず、事故を起こした地元企業「瑞海国際物流公司」に対して違法な行政許可を出すなど、管理・監督も不十分とした。
公安当局は、企業関係者24人、検察機関は行政関係者25人に対し、強制捜査措置を取った。
直接の経済損失は、昨年12月までに68億6600万元(約1220億円)となった。
爆発では165人が死亡、8人が行方不明となり、798人が負傷。
現場周辺の日系企業にも被害が出た。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20160206/ddm/007/030/145000c
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160205-OYT1T50135.html?from=y10
2015年8月13日23時1分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
中国天津市で12日午後11時30分(日本時間13日午前0時30分)頃、化学物質を保管する倉庫で巨大な爆発が発生した。
爆発があったのは同市浜海新区。
13日に記者会見した張勇区長は、「危険化学物質の倉庫で火災が起き、その後、爆発が起きた」と語った。
消火作業中に発生したため、行方不明者の多くは消防士や兵士だという。
爆発は30秒の間に2回発生。
2度目の爆発で高さ数10mのキノコ雲が上がり、中国メディアによると、マグニチュード(M)2~3クラスの地震に匹敵する揺れが確認されたという。
爆風で半径2km以内のマンションなどでは窓ガラスが割れ、外壁が破壊されるなどの大きな被害が出た。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150813-OYT1T50005.html?from=y10
以下、続報のポイントのみ記す。
(8月14日 朝日新聞)
13日会見した同区幹部によると、12日午後11時前、自動車が燃えているとの通報を受けた消防隊が現場に駆けつけると、積んであった多数のコンテナが激しく燃えており、午後11時半ごろ、約30秒の間隔を置いて2度の大きな爆発が起きた。
http://digital.asahi.com/articles/ASH8F5FL1H8FUHBI016.html
(8月13日 AFP)
中国地震ネットワークセンターは、微博の公式アカウントに、1回目の爆発の威力はTNT火薬3トン相当、2回目の爆発は同21トン相当だったと投稿している。
現地のAFP記者によると、爆発現場から3km離れた場所にも、ガラスが散乱している。
http://www.afpbb.com/articles/-/3057266
(8月15日 日本経済新聞)
消防士は、出火物が化学物質と知らずに放水による消火活動を行ったと証言した。
専門家は、放水で化学物質が反応して大きな爆発につながった可能性を指摘。
大量の危険物をめぐるずさんな安全管理の実態が浮き彫りになった形だ。
消防士によると、最初に受けた通報では「コンテナから出火」という内容で、何が燃えているのか理解していなかった。
ポンプ車など4台で現場に到着すると、問題のコンテナからパチパチと発火音がしていた。
コンテナ内に人がいないのを確認して「消火のためポンプ車から2~5分間放水」した。
次第に、燃えているのは化学物質かもしれないとの疑念が湧いたが、化学物質の消火に用いる砂を準備していなかった。
火勢が強くなり逃げたが、最初の爆発で倒れているうちに2度目の爆発が起きた。消火作業開始から約30分間の出来事だった。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15H5N_V10C15A8000000/
(8月16日 朝日新聞)
一部中国メディアは、保管されていたシアン化ナトリウムが700トンに上り、下水道から基準値を超えるシアン化合物が検出されたと伝え、住民は不安を募らせている。
中国の法律は、周囲1kmの範囲に住宅などがある場所に危険化学物質の貯蔵施設を造ることを禁じている。
しかし、人民日報によると、爆発が起きた貯蔵施設には、近くのマンション群が完成した後の2013年に建設許可が出ていた。
近くに民家がなければ、犠牲者の数が大幅に減った可能性は高い。建設許可を出した政府当局の責任に焦点が当たっている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11918232.html?_requesturl=articles%2FDA3S11918232.html
(8月17日 読売新聞)
市当局は17日午前、死者が114人、行方不明者は、消防隊員を含む70人に達したと明らかにした。
空撮写真を見ると、倉庫があったとみられる爆発現場には、直径が100m規模に達するとみられる巨大な穴があいて内部に水がたまっている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150817-OYT1T50025.html
(8月18日 TBS Newsi、日本経済新聞)
爆発現場となった倉庫には、猛毒のシアン化ナトリウムがおよそ700トン保管されていたことがわかっているが、中国国営テレビが消防幹部の話として伝えたところによると、他に爆薬の原料としても使われる硝酸アンモニウム800トン、硝酸カリウム500トンなどが保管されていた。
確認されているだけで40種類以上、合わせておよそ3000トンの危険化学物質があったということだが、検察当局は、職権乱用や汚職があった可能性も含め、立件を視野に捜査を進めている。
軍関係者によると、倉庫で起きた火災で金属ナトリウムを入れていた容器が破損。消防隊員が化学物質と知らずに放水したことで化学反応が起こり、大爆発につながった可能性を指摘した。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2565464.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H43_Y5A810C1CR0000/
(ブログ者コメント)
○被害範囲を示す図が下記記事中にある。
(8月15日20時36分 産経新聞)
天津倉庫爆発 世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6170824
○現場にあいた巨大な穴は、オッパウ事例を想起させる。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/169/
2回目の爆発のほうがケタ違いに大きかったようだが、それが硝酸アンモニウムの爆発だった可能性も考えられる。
2015年8月9日21時41分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前3時50分ごろ、兵庫県太子町の花火製造会社「S社」の倉庫から出火していると、付近住民から119番通報があった。
約3時間後に鎮火したが、鉄骨2階建ての倉庫1棟約150m2を全焼した。けが人はなかった。
警察が、原因を調べている。
警察などによると、倉庫内には、マグネシウムやチタン粉末など、花火の原材料や20発ほどの完成品の残りがあった。
前日の夜、従業員は、同県姫路市での花火大会で作業。
9日午前0時半まで、倉庫で、打ち上げに使った筒の後片付けなどをした後に施錠し、出火当時は無人だったという。
現場は田園地帯で、隣接する住宅はない。
近所に住む男性会社員(58)は「ドーンという大きな音がして、ミサイルか何かだと思ったほどだ。次々に誘爆して、ばん、ばんという音とともに、建物の横方向に花火が飛び出していた。ひざが震えるくらい怖かった」と話した。
同工場は、十数年前にも火災を起こしているという。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150810k0000m040028000c.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2024020721.html?t=1439152000347
キーワード;自然発火?
2015年8月5日23時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前9時ごろ、山口県山陽小野田市の「T社」小野田工場で爆発があり、アセチレンガスをボンベに詰める鉄骨スレート造りの充填場と現場事務所計約556m2を全焼した。
男性従業員(34)が顔などに軽いやけどを負った。
警察によると、この火災でボンベ8本が工場の敷地外に飛び、最大で敷地から約60m離れた所に落ちた。
ボンベは高さ約1mの鉄製で、数10kgの重さがある。
同社によると、アセチレンガスは主に鉄などを溶断するバーナーの燃料に使われる。
充填場には約180本のボンベがあった。
午前9時前、複数のボンベが火を噴いているのに従業員が気付き、ボンベのバルブを閉めようとしたが、火の勢いが強く消火できなかった。
消防車15台が消火に当たり、約5時間後に鎮火した。
当時、工場は稼働前だった。
同社は山口県宇部市に本社があり、工業、医療用ガスの製造をしている。
5日午後、記者会見を開き、国広社長が、「近隣住民の方に深くおわびします」と陳謝した。
現場は、工場が建ち並ぶ沿岸部。
近くに住む女性(80)は、「ドンドンドンドンと何度も大きな音を聞いた。障子が揺れるぐらいの音だった。外へ出たら炎が見えた。その後、黒い煙が上がっていた。怖かった」と声を震わせた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20150806k0000m040120000c.html
8月5日18時39分にNHK山口からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後会見を開いた会社の説明によると、火災が起きたときの状況について、アセチレンガスをボンベに充てんしようと、充てんに必要なガスを圧縮する機械を動かす準備をしていたところ、何らかの原因で火災が起きて爆発したという。
この作業は通常行われるもので、周りに火の気は一切なく、今のところ火災が起きた原因は不明だと説明している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4063932651.html?t=1438808471745
(2015年8月30日 修正1 ;追記)
8月6日付の山口新聞紙面に、やや詳しい状況が、下記趣旨で掲載されていた。
アセチレンを発生装置につなげた配管を通してボンベに詰める準備をしていたときに、充填場付近から出火した。
敷地内には600~700本の充填済みのボンベがあり、次々に引火して爆発したとみられる。
高さ10数mの火柱が上がり、爆風で長さ1~1.5mのボンベ8本が工場から最大で約60m離れた場所まで吹き飛んだ。
出火当時は従業員ら7人が工場敷地内におり、近くの配管のバルブを閉めてから避難した。
やけどを負った従業員は、充填場の機械周辺にいたという。
8月8日付の山口新聞紙面には、アスベストを含む白い固形物が大量に飛散したという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
爆風によって破裂したボンベからアスベストを含む白い固形物が大量に飛散していたことが分かった。
同社が7日に会見を開いて明らかにし、謝罪した。
アスベストは、工場にあったボンベ約1200本のうち8割ほどに使用されており、アセチレンを吸着させる白いスポンジ状のケイ酸カルシウムに含まれていたという。
同社は、これまでにボンベ約100本の破裂を確認。
120kgほどのアスベストが飛散した可能性があり、専門業者に依頼して同日から回収を進めている。
同市によると、白い固形物は工場から約1.5km離れた国道190号でも見つかったという。
山口県は、6日夕に飛散が最も多かった工場周辺で大気中のアスベスト濃度を調査。
速報値は大防法で定める基準値を下回り、県環境政策課は「直ちに健康を害することは考えにくい」としている。
同社の社長は、アスベスト飛散の発表が火災発生の2日後になったことについて、「当初は爆発事故の被害状況の確認に追われた。着目できていなかった」と説明した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。