2021年7月17日15時0分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、噴射テストの写真付きでネット配信されていた。
東京の消火器メーカーが、ガソリンなどがまかれても惨事になることを防ぐ「火災抑制剤放射器」を開発した。
ガソリンがまかれて火が燃え広がり、36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件に心を痛めた経営者が指示した。
警備やガソリンを扱う現場で導入が進んできている。
日本ドライケミカル(本社・東京都北区)が昨年7月から発売を始めた。
商品名は「クイックスプラッシャー」で、消火器の容器をベースにした。
2個のノズルから2・5リットルの薬剤を噴射する。
約1・8秒で10平方メートルほどの範囲にまくことができるという。
薬剤にはガソリンなどの気化を抑え込む成分が入っている。
まかれた直後に噴射すれば、ほぼ火は付かないという。
着火した場合も火勢を著しく弱め、煙も抑えられることから、避難路が見えなくなる事態を防ぐ効果も期待できる。
社長の遠山さん(男性、71歳)が製品を開発する決意を固めたのは、京アニ事件が起きた2019年7月18日だった。
「ガソリンなどの火災はスプリンクラーでは消せない。
消火器メーカーが対処を考えないといけない問題だ」
遠山さんは、着火される前に対応するため、「薬剤を2秒以内で噴射しきる」よう指示した。
経費をかけて完成させたとしても、需要があるかは未知数だ。
だが、社員らも「我々が開発するべきだ」と賛同したという。
京アニ事件では、入ってきた被告が従業員にいきなりガソリンを浴びせ、ライターで火を付けたとされる。
熱風と炎、煙が一瞬で建物全体に回ったとみられる。
このことから、新製品は消火を目的にしないことにした。
着火させない、着火しても瞬時に炎を抑える。
この2点に主眼を置いた。
同社は事件前から、2階建てバスのエンジンルームで火が出ても一瞬で抑える製品の開発に取り組んでいた。
ここで培った技術を生かし、実験を繰り返して完成に至った。
アルミを使用しており、重さは約5キロ。
スタンダードモデルで税込み3万6300円。
使用期限は決まっていないが、10年ほどという。
使用しても中身の薬剤だけ交換できる。
販売を始めると、警備会社のほか、ガソリンスタンドなどから引き合いがあった。
車載できる小型タイプも開発中だ。
ただ、原点はやはり京アニ事件。
遠山さんは、「『想定外』に備えて、防犯カメラ並みに広く普及してほしい。放火を抑止する効果も出てくるのでは」と話す。
https://digital.asahi.com/articles/ASP7J7H9MP7GPTIL02Z.html?pn=6
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。