2024年3月4日8時1分にYAHOOニュース(岐阜新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市は3日、岐阜県多治見市諏訪町にある名古屋市のごみ最終処分場「愛岐処分場」で2日午後3時ごろ、未処理の浸出水が庄内川(土岐川)に流出する事故があったと発表した。
流出したのは、埋め立てたごみの中を通った汚水で、60立方メートルと推定される。
事故は、処理施設の新築移転に伴う試運転で新施設の電源を入れた際、旧施設に浸出水を誤って送ってしまい、水槽があふれたという。
30分ほど後に職員が気付いて、ポンプを停止した。
市によると、通常は浸出水を調整池にためた後、処理施設で浄化して排出している。
周辺で水質調査をしているが、現在のところ、流出事故による被害は確認されていない。
事故を受けて、高木貴行多治見市長は、「今まで名古屋市と築き上げてきた信頼関係が揺らぐような事態となり、遺憾だ。原因究明と二度と起こらないような対策を求めるとともに、市民へ誠意を持って説明などに当たってほしい」とコメントを出した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e37b1b4588d9a34efe0bd849e9d144aa9bb8fe4b
3月3日23時6分に中日新聞からは、浸出水が送られた旧施設は稼働していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市によると、稼働していない施設に調整池から水が送られ、水槽の貯水量を超えたことが原因。
愛岐処分場では、ごみの上に降った雨水を調整池にため、ポンプで処理施設に送って処理後に庄内川へ流している。
https://www.chunichi.co.jp/article/862493
以下は、3月3日付の名古屋市記者発表資料からの抜粋。
全停電して新旧設備の電気系統切り替え後、復電時に浸出水送出仮設ポンプのみが稼働した、原因は作業手順の認識不足などと書かれている。
・・・
3 発生状況
愛岐処分場内を全停電して、新旧浸出水処理施設の電気系統の切り替え作業を行っていた。
作業終了後、新処理施設を復電させた際に、旧処理施設側の電源を復電させておらず、稼働していない状況の中、浸出水を溜めておく調整池から旧処理施設に浸出水を送る仮設ポンプのみが稼働し、送水を始めた。
そのため、浸出水が旧処理施設の水槽の貯留量を超え、沢を経由して土岐川(庄内川)へ流出した。
5 事故原因
作業手順の認識不足により、送水ポンプの電源を切断しておらず、復電した際に送水ポンプが稼働してしまった。
7 浸出水の水質
過去1年のデータを確認したところ、健康項目で排水基準値を超えているものはない。
生活環境項目では、生物化学的酸素要求量を始め、4項目において排出基準値(自主管理値)を超過している。
・・・
https://www.city.nagoya.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000172/172895/aigi.pdf
(2024年3月12日 修正1 ;追記)
2024年3月11日16時58分にYAHOOニュース(名古屋テレビ)からは、作業手順の認識不足どころか作業手順のマニュアル自体がなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月2日、愛岐処分場で、ごみに浸み込んだ雨水約60立方メートルが処理されないまま、水槽からあふれ、庄内川に流出しました。
電気系統の切り替え作業のため処分場を停電させた際、ポンプの電源を切っておらず、そのまま復電したのが原因とされています。
事故を受け名古屋市は、再発防止策などを検討する専門家会議を開きました。
市は原因について「作業手順の認識不足」としていますが、委員からは「作業手順のマニュアル自体が存在せず、もっと根本的なところに原因がある」などと厳しい指摘が相次ぎました。
市は今後、マニュアルの作成など再発防止に取り組む方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/83f04d7ba25bbf58d93e8660cbc8f79bff6acc19
2024年3月1日18時49分にYAHOOニュース(熊本県民テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
天草市で、水門工事中に海水が誤って農地に流れ込みました。
田植えなどに影響が出るおそれがあり、農家から怒りの声があがっています。
2月29日に撮影された天草市河浦町の映像。
田んぼや畑のところどころにたまっているのは海水です。
県や地元の農家によりますと、2月28日から29日にかけ、羊角湾の堤防に設置された樋門から大量の海水が田畑に流れ込んだといいます。
「きのう、たまたま根元の草を切りに来ようと思っていて、来たら道路から田んぼから全く見えないくらい海水がたまっていた」
こう語るのは、この場所でコメ作りをする倉田さん。
早期米の植え付けを待つ約9ヘクタールの田んぼが被害にあったとみられています。
倉田さん:
(水をなめて)「しょっぱいです」
一体なぜ、この事態が起きたのでしょうか。
熊本県によりますと、現地では老朽化した樋門を取り換える工事が行われていました。
本来は28日の夕方に完了する予定でした。
しかし作業が終わらず、業者が門の扉を外したまま現場を離れたということです。
県の聞き取りに対し、業者は「土のうで海水が止まる」と話したということですが、実際は夜の満潮時に海水が土のうを乗り越え、流れ込みました。
今は苗づくりの最盛期。
しかし田んぼが海水に浸かり、育てた苗を全て廃棄する可能性もあると言います。
倉田さん:
「海水が入った後、どれくらいで土が元通りになるか自分たちでも分からない状況だからですね。
本当にショックです。
概算で1000万円から2000万円くらいの被害が出そうなので」
被害は田んぼだけにとどまりません。
河内晩柑を栽培する山﨑さんは4年前、900本を植え、2年後には本格的な収穫を始める予定でした。
山﨑さん:
「ミカンの木に塩が入ることは、まだ経験はあまりしたことないんですが、多分、塩害で枯れると思います。
これからもまだ、全然育てるだけにお金を入れてやっているところです」
Q4年間が無駄になったと?
「無駄です」
山﨑さんによりますと、苗を育てるだけで500万円の被害が出ていて、今後、収穫ができなくなると、さらに被害額が増えるとみられます。
山﨑さん :
「当たり前のことをしていれば、こういう事故は起こってないと思います。大変なことが起きたと思っています」
熊本県は住民に謝罪するとともに、田畑の土を採取して、分析結果を今後、住民に説明することにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/505ca27c489741ef2b8bc9fca92eefd24e517556
(ブログ者コメント)
詳細は定かでないが、文面からは、業者が現場で県の担当者に「海水は土嚢で止まるから」と説明したように読み取れる。
2024年2月15日23時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力は15日、福島第1原発の汚染水から放射性物質を除去する装置が入る建屋で汚染水が漏えいした事故について、原因を発表した。
主な原因は、本来は作業中に閉めておくべきだった手動弁を閉め忘れたことだとした。
漏えいした汚染水については、当初の推計の約5・5トンから約1・5トンに、放射性物質の総量を約220億ベクレルから約66億ベクレルに、それぞれ下方修正した。
東電によると、7日午前8時半ごろ、汚染水が通る装置の配管の線量を下げるため、洗浄水を流す作業を開始。
同53分ごろ、作業員が地上から5メートルにある排気口から建屋外に水が漏えいしているのを見つけた。
汚染水は約40分間にわたって建屋外に漏れ続けたとみられる。
東電は15日までに、鉄板の水を拭き取ったり、周辺土壌の回収などを続けたりしている。
現場では、下請け企業の作業員2人がペアになって手順書に基づいて手動弁が閉じているかを確認するはずだった。
実際は、手順書と弁の番号を照合するだけで、弁の状態を適切に確認していなかった。
作業を担当した下請け企業は、2020年度から十数回程度、同じ作業をこなしていた。
これまでは弁が閉まっていたが、今回は装置の運転停止後に発生する水素を外に逃がすために弁は開いていた。
作業員が確認していた手順書は、東電が作っている。
だが、今回は装置の運転部門と保全部門の間の情報共有が不十分で、実際の弁の状況と異なる手順書を作っていた。
東電の松尾・福島第1廃炉推進カンパニー広報担当は、「事案を重く受け止め、再発防止対策に取り組む」と陳謝した。
廃炉作業が続く第1原発では1日4000人以上が働いているが、人為的ミスによるトラブルが頻発している。
松尾氏は「人間はミスをするので、完全にヒューマンエラーをなくすことは難しい。仮にエラーが起こったとしても、大きなトラブルにつながらない設備面の対策も必要だ」と話した。
【知事「あってはならないこと」】
内堀雅雄知事は15日の定例記者会見で、第1原発での汚染水漏れについて「県民に不安を与えるトラブルが再び発生したことはあってはならないことだ。東電は、こうしたトラブルが繰り返し発生したことで、県民から厳しい目が向けられているということを十分認識し、全社を挙げてしっかり取り組んでほしい」と苦言を呈した。
県は8日、第1原発の田南所長を県庁に呼び、再発防止策の徹底や安全管理体制の構築を申し入れた。
https://mainichi.jp/articles/20240215/k00/00m/040/309000c
※ちょっと前、2024年2月9日9時23分に福島民報からは、閉めなければいけない弁16カ所のうち10ケ所が開いたままになっていたなど下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力福島第1原発の高温焼却建屋外壁にある排気口から放射性物質を含む水が漏えいした問題で、東電は8日、手順書通りの作業が行われていなかったと明らかにした。
手順書では、建屋内にある汚染水の浄化装置を洗浄する際には、装置と排気口をつなぐ配管の手動弁を閉じるよう記載しているが、実際は一部の弁が開いていた。
東電は7日の発生から10日以内に原子力規制委員会に現状や対応を報告する。
手順書は手動弁の開閉について、装置の運転中と洗浄中は閉め、運転停止中は装置内で発生した水素を排気口から放出するために開くとしている。
今回は弁を閉める必要があったが、16カ所のうち10カ所が開いたままになっていた。
東電の担当者は8日の記者会見で、人為的なミスかを問われ、「作業員からの聞き取りを含めて確認している。評価は改めて報告する」と説明した。
東電によると、7日午前、協力企業の作業員6人が汚染水の浄化装置を洗浄していたところ、装置が入る建屋から放射性物質を含む水が流れ出た。
東電は最大220億ベクレルの放射性物質を含む5・5トンの水が漏えいしたと推計している。
8日夕方、水が染み込んだとみられる建屋周辺の土壌の回収作業を開始した。
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20240209114454
※東京電力からのプレスリリース主要箇所は以下のとおり。
・・・
4.原因
・弁開放点検前の線量低減を目的とした”線量低減作業”を、フィルターおよび吸着塔のドレン弁(計10箇所)が「開」状態のまま実施。
・・・
5.問題点
(1)手順書作成段階の問題点
• 今回の作業前の系統構成(※1)の作業責任は、当社保全部門となっていた。
当社保全部門は、設計図書に基づき手順書を作成しており、操作や確認の手順自体に誤りはないが、現場状態と一致した適切な手順書となっていなかった。
具体的には、現場の弁状態を反映し、当該弁を『「開」から「閉」に操作する』とするべきだったところ、今回の手順書では、当該弁は『「閉」を確認する』となっていた。
(※1)系統構成:
作業に当たり、作業対象範囲を系統から切り離すために境界弁を閉める等の安全処置のこと
(背後要因)
• 当社では、設備の保全作業前の系統構成は原則、設備の運用・状態を把握している運転部門が実施している。
• 福島第一原子力発電所では、事故発生後に現場が高線量となり、作業量も増大したことから、運転員の被ばく線量を抑制する必要があり、上記の原則に加え、保全部門(協力企業を含む)も系統構成を担う運用を独自に行っている。
• こうした経緯から、今回の系統構成の作業責任は当社保全部門となっていた。
• 当社運転部門は、当該弁について、サリー系統の運転中は「閉」、停止後直ちに保全作業(線量低減作業等)を実施しない場合は、吸着塔等に水素が滞留することを防止するために「開」として運用しており、注意札(※2)を弁に取り付けている。
(※2)注意札(コーションタグ):
機器の隔離や通常状態と異なる操作を実施する場合に用いる札
• 当社保全部門は、当社運転部門に対して、最新の現場状態に関する問いかけが不十分だったため、適切な手順書の作成に至らなかった(※3)。
(※3) 当社運転部門は、手順書を確認し、操作や確認の手順自体に誤りが無いことを確認したが、当該弁の現場状態が手順書と異なっていることまで思いが至らず、当該弁が「開」であることを伝えられなかった。
(2)現場作業段階の問題点
• 作業員(弁確認者)は、手順書に従い、ヒューマンエラーを防止するための手法(※1) を活用しながら弁の確認行為は行っていたが、弁番号と手順書が一致していることの確認に留まり、弁が「閉」状態でないことを見落とした。
(背後要因)
• 手順書では線量低減作業開始前に当該弁の『「閉」を確認する』とされていた。
• 本作業は当該元請企業により定期的に行われていたが、至近数年の実績では「閉」状態で作業が開始されていた。
• 作業員(手順確認者)は、これまでの経験から、当該弁が常に「閉」状態であると認識していた。
作業前日の手順書読み合わせの際、作業員(弁確認者)に対して当該弁は、これまで「閉」状態であったと伝えていた。
• 作業員(手順確認者・弁確認者)2名は、このような認識により、弁が「閉」状態でないことを見落とし、注意札も見落とした。
また、高線量下の作業であることから、早く作業を終えたいとの意識もあった。
(※1) ヒューマンパフォーマンスツール(HPT) :
指差呼称、操作前の立ち止まりなど、 ヒューマンエラーを起こさないような 基本動作のふるまい、手法
・・・
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2024/1h/rf_20240215_1.pdf
2023年2月4日6時50分に琉球新報から下記趣旨の記事が、写真や解説地図付きでネット配信されていた。
沖縄県伊是名村にあるJAおきなわの製糖工場から2日、サトウキビを搾って出る糖蜜が大量に海に流出しているのが確認された。
周辺には甘いにおいが漂い、アーサの養殖場も黒く染まるなど被害が及んでいる。
JAおきなわによると、今月1~2日にかけて工場のタンクで水が混ざってしまい、処分することになった糖蜜約300トン分を、敷地内の残さなどを保管する場所にまいたという。
近隣の畑にも約50トンを散布した。
これらの一部が側溝を通じて海に流出したとみられる。
2日午後6時ごろ、住民から工場に連絡があり発覚した。
名護海上保安署によると、流出した糖蜜は3日午前11時ごろには沖合1.5キロ、最大200メートルの広さに及んでいる。
海面が黒く染まり養殖場に被害が出ているほか、原因は不明だが魚の死骸も複数見つかっている。
JAおきなわの前田理事長は3日、記者会見で「伊是名村の誇りであるきれいな海を汚し、漁業にも大きな影響を与え、関係者にご迷惑をおかけしている。深く反省し、原因究明と再発防止を図る」と謝罪した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1657581.html
2月3日付で沖縄テレビからは、畑と沈砂池に計348トン撒いた、沈砂池の側にある側溝から用水路を通じて海に流出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
JAおきなわによりますと、伊是名製糖工場では1月、水が混じって売り物にならなくなった糖蜜900トンの処分を決め、1日から2日にかけて所有する畑と沈砂池に合わせて348トンの糖蜜を撒きました。
ところが、何らかの理由で沈砂池の側にある側溝から糖蜜が流れ、用水路を通じて海に流れ出したとみられ、これまでに流出した糖蜜の量は分かっていません。
養殖されたアーサの被害の全容はいまだ把握できておらず、JAおきなわは漁業被害を調査するとともに、糖蜜が海に流出した原因などを調べています。
https://www.otv.co.jp/okitive/news/post/00007041/index.html
2月3日18時44分にNHK沖縄からは、タンクに糖蜜を入れるためのパイプの流れをよくするため水を流したところ、タンクに水が入って売り物にならなくなったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
JAおきなわによりますと、先月31日、工場で作った糖蜜をタンクに入れるためのパイプの流れをよくするため、水を流したということです。
ふだんはタンク内の糖蜜に水が混ざることはありませんが、初めて混ざってしまったため、販売することができなくなってしまい、処分することを決めたということです。
このため、1日から2日にかけて、JAおきなわが所有する近くにあるさとうきびのかすなどを処分する空き地に合わせておよそ300トンを、畑にも52トンの糖蜜を捨てました。
JAおきなわでは、その一部が用水路を通じて海に流れ出たとみています。
また、河口付近に設置されたアーサの養殖場に被害が出ていることは把握しているとして、補償する考えを示しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230203/5090021837.html
2月5日6時44分にYAHOOニュース(琉球新報)からは、廃棄した沈砂池は一定量がたまるとオーバーフローする仕組みだったが、職員にはその認識がなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
流出元とされる場所に許容量を超える糖蜜が廃棄されていたことが分かった。
JAおきなわなどによると、工場のタンクで水が混ざってしまい、処分することになった糖蜜約300トン分を工場近くの「沈砂池」と呼ばれる用地に廃棄した。
沈砂池は一定量がたまると、水路などに流出する「オーバーフロー」の仕組みになっていた。
職員にはフローの仕組みになっているとの認識がなかったことも分かった。
人為ミスが流出につながった可能性がある。
糖蜜の回収方法はまだ決まっていない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/584ba3877b80007613efcc8323b3b5639dbaa032
2月6日19時27分にYAHOOニュース(沖縄テレビ)からは、糖蜜について下記趣旨の記事がネット配信されていた。
伊是名島の海に流出した糖蜜とは、そもそも、どのようなものなのでしょうか。
うるま市の製糖工場を取材しました。
うるま市にある製糖工場ゆがふ製糖です。
永田記者:
「こちらが今回伊是名沖に流出した糖蜜と呼ばれるものです、どろっとしていて粘り気が強いのが特長です」
グラニュー糖や角砂糖などの原料になる粗糖を生産していて、その過程で出るのが糖蜜です。
糖蜜は工業用のアルコールや農業用の飼料や肥料などの原料になり、ゆがふ製糖では貯蔵タンク2基に保存して年間4000トンを県の内外へ出荷しています。
担当者によりますと、これまで糖蜜を廃棄処分したことは一度もなく、伊是名製糖の流出事故は稀なケースではないかと話しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/99fa754832f4a525ac06254895a8a29affcd2fa7
(2023年2月15日 修正1 ;追記)
2023年2月13日18時11分にNHK沖縄からは、沈砂池は220トンを超えて液体が流入するとオーバーフローする設計だったが530トン捨てたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JAおきなわは13日、那覇市内で記者会見を開き、伊是名村で運営する製糖工場が捨てたサトウキビの糖蜜が今月3日に海に流出した原因について、前田理事長が説明しました。
それによりますと、去年12月、糖蜜をタンクに流し入れようとした際、パイプ内の流れが悪かったことから、温水をパイプに流し入れたということです。
そのあと、バルブを閉め忘れて160トン以上の温水がタンク内に流れ込んで糖蜜に混じってしまい、水はポンプで抜いたものの、売り物にならないと判断し、廃棄を決めたということです。
その後、JAが所有する堆肥を作る工場内にある沈砂池に、およそ530トンの糖蜜をトラックで運んで捨てたということです。
ただ、この沈砂地は、220トンを超えて液体が流れ込むと、あふれて海につながる側溝に流れ出る設計になっていて、海に流れ出てしまったということです。
工場の担当者はこのことを把握しておらず、糖蜜を捨てたということです。
JAおきなわはプロジェクトチームを発足させ、環境への影響調査や、被害を受けたアーサの養殖業者への補償額の調整を行っているということです。
前田理事長は陳謝するともに、「人為的ミスにより、海洋に糖蜜が流出する事故を起こしてしまった。この事を摯に受け止めて、再発防止策を検討中だ」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230213/5090021956.html
2022年7月21日17時2分に産経新聞から、排水口から赤い液が排出されている写真付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
青森県警は21日、水揚げした養殖サーモンの血を海に捨てたとして、廃棄物処理法違反容疑で、同県深浦町のサーモン養殖業者「N社」社長、鈴木容疑者(40)=青森市=を逮捕した。
逮捕容疑は6月15日午前5時20分ごろ、同県今別町の今別漁港で、廃棄物であるサーモンの血を含む液体約200キロを海に捨てたとしている。
同社は「Aサーモン」のブランド名で販売。
県警によると、加工場でサーモンを生け締めした際に出た血を含む廃液を、漁港の排水溝を通じ、海に廃棄していた疑いがある。
漁港内の海が赤く染まることもあったという。
県警は、水揚げが行われる4月から継続的に廃液を不法投棄していたとみて調べている。
https://www.sankei.com/article/20220721-2EEWECPXMZLZ7ADFPENYRFQQJA/
7月21日15時41分に朝日新聞からは、数10万匹の血が混じった廃液が流されていたらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
魚の血液は本来、浄化したうえで廃棄物として処分する必要があるといい、県警は、今年4月ごろから計数十万匹分の血液が混ざった廃液が海に流されていたとみて調べている。
現場では昨年以降、地元の漁師から、養殖サーモンの水揚げの時期になると海が真っ赤に染まり、水質やほかの漁への影響を懸念する声があがっていた。
・・・
https://www.asahi.com/articles/ASQ7P54V3Q7PULUC01C.html?iref=com_rnavi_arank_nr04
7月21日20時50分に読売新聞からは、今年に入り、血が垂れ流しになっているという通報があった、廃液処理設備はなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
今年に入り、「今別漁港に大量の魚の血が垂れ流しになっている」との通報があり、県警が6月中旬、同社の事務所などを捜索していた。
県警によると、同社の水揚場には廃液の処理設備がなく、出荷シーズンの今年4~7月頃、少なくとも数十万匹分の血液を含む廃液が投棄されたとみられる。
・・・
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220721-OYT1T50343/
(ブログ者コメント)
廃液処理設備が設置されていなかった?
こういった加工場は許認可申請の対象外なのだろうか?
対象なら、設置されていそうなものだが・・・。
ざっと調べてみたが、よくわからなかった。
2022年1月15日16時4分にNHK熊本から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本市北区にある下水を処理場に送るポンプ場で、地下の下水管が損傷して大量の汚水が周辺に流れ出しているのが見つかり、施設を管理している県が土のうを積むなど、応急対応にあたっています。
下水管の損傷が見つかったのは、熊本市北区にある下水を処理場に送る「弓削ポンプ場」です。
13日、ポンプ場の地下1.3メートルに埋設している下水管に損傷が見つかり、15日朝になって、汚水が周辺の住宅街の側溝に大量に流出しているのが確認されました。
このためポンプ場を管理する県は、住宅街に汚水が流れこまないよう、土のうを積んだり、バキューム車およそ20台を出して汚水の回収に当たるなど、応急対応にあたっています。
県によりますと、流出した汚水は処理されていませんが、有害物質は含まれていないということです。
弓削ポンプ場は運転が停止されていて、県は熊本市北区と菊陽町の一部のおよそ1万5000人に対し、トイレや台所などからの排水を減らすように協力を呼びかけています。
県は24時間体制で流出した汚水の回収にあたるとともに、ポンプ場の復旧作業を続けています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20220115/5000014460.html
2019年8月9日16時8分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後0時半ごろ、福岡市中央区天神の天神地下街の東側通路付近で、地上につながる連絡階段から水が流れ込み、地下街の一部が水浸しになった。
一部の店舗では水が天井からも漏れ落ち、多くの買い物客でにぎわう地下街は一時、騒然となった。
付近では、天神再開発に伴うオフィスビル「福岡ビル」の解体工事をしており、仮設の地下街出入り口を設置する工事区域から水が流れ出たとみられる。
工事を発注した西日本鉄道(福岡市)などが原因を調べている。
地下街を管理する福岡地下街開発などによると、水の流れ込みは1時間ほどで止まったが、排水・清掃作業のため、周辺の数店舗が一時、営業できなくなった。
女性向けの衣料品店には天井から水が入り、商品を避難させて急きょ休業するなど、対応に追われた。
衣料品店の隣にある服飾雑貨店の女性店長(28)は、「隣の店の前に人が集まっていて何かと見たら、店の天井から雨のように水が降ってきていた。改札そばの階段からも水が流れ下りてきていて、あっという間に店の前が水浸しになった。こんなのは初めてでびっくりした」と話した。
現場は、福岡市地下鉄天神駅の改札口前。
https://mainichi.jp/articles/20190809/k00/00m/040/136000c
8月9日20時29分に九州朝日放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後0時半すぎ、福岡市の天神地下街に水があふれ出した。
浸水は最大で深さ2cmに達した。
現場は福岡市営地下鉄天神駅のそばで、天神地下街東側通路の一部。
盆休み直前の地下街。
水は1時間以上とまらず、約40mにわたり、一時、通行が規制された。
職員らにより、水は1時間あまりで取り除かれたが、6店舗が営業を一時、中断した。
うち1店舗は天井からも水が漏れたため、9日の営業再開を見合わせた。
地下街を運営する福岡地下街開発によると、水があふれだした階段は福岡ビルの解体に伴い取り壊されるかわりに避難用の階段が設置される計画で、9日早朝まで作業が進められていたという。
この工事と関連する何らかの原因で水が流れ込んだと見られている。
https://kbc.co.jp/news/article.php?id=1938524&ymd=2019-08-09
8月9日19時25分にRKB Newsからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近くのマンホールからあふれた大量の水が流れ込んだためとみられる。
福ビル付近の階段から流れ込んだ水は、天神駅の改札のそばにある案内所や4つの洋服店・雑貨店に広がった。
通りの長さにして20m。
約327m2が浸かった。
規制線内の雑貨店の人(浸水被害はなし)
「急に水が入りこんできたから、雨も降ってないのに何でみたいな。足がぬれるくらいまで。地下街で勤務して、こんなことは初めてです」
居合わせた人によると、水かさは一時、5cmほどに達したという。
天井からの浸水も確認されていて、洋服店1店が休業となった。
なぜ、マンホールから水があふれたのか?
その原因ははっきりしておらず、このマンホールを通る水道管の工事を担当している西鉄は、「事実関係を確認中」と話している。
(ブログ者コメント)
以下は、九州朝日放送放映の3コマ。
2019年7月26日19時48分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西エアポートは26日、関西国際空港にある浄化センターの汚水処理水の一部が、雨水専用排出口から大阪湾に放流される違法状態が、1994年の開港から約25年間続いていたと発表した。
放流された処理水はいずれも国の基準値を下回り、周辺海域の環境への影響はないという。
関西エアによると、消防用貯水池に処理水を活用。
藻の発生を防ぐため、1日10m3をあふれさせていたが、それが雨水専用排出口から放流されていた。
大阪府によると、処理水は水質測定後、府の許可を受けた専用排水口から放流することが法律で定められている。
このほか、10年、17年、18年の一定期間、汚水処理機能の不具合で、雨水専用排出口から国の基準を下回る汚水、計約3000m3分が流れ出た。
また、植栽や工事用水に処理水を許可なしに使用していたという。
違法行為を告発するメールが今年3月までに関西エアと府に送られて発覚。
府は今月5日付で、再発防止と早期是正を求める警告書を関西エアに出した。
関西エアは、今後、処理水排出のための適正な許可申請、貯水池の改修、緊急対応マニュアル改定などをして再発防止に努めるという。
https://mainichi.jp/articles/20190726/k00/00m/040/206000c
以下、は7月26日付の関西エア社プレスリリース。(部分)
1. 事実関係
(1)自主水質管理基準*2を超える中水*3の放流と、処理水*4及び
中水の地下浸透行為
以下の期間、浄化センターにおける汚水の処理不調により、自主水質管理基準を逸 脱する恐れが生じたことから、海域への放流を停止していたが、一定の項目に関し て自主水質管理基準を超過していた中水を、浄化センター前の修景池へ継続して給水していた。
それらの中水は、修景池の構造上、池の壁面から越流した後、雨水排水側溝に流れ、最終的に雨水専用排水口から海域へ放流した。
また、一部の処理水や中水を浄化センター敷地内の地面に散布し、浸透させた他、中水を植栽に散布し、浸透させていた。
さらに、隣接する給油センター内の消防水槽に中水を給水し、水槽から越流した水を周囲の芝生帯に浸透させた。
① 2010 年 5 月 12 日~ 6 月 14 日(34 日間)
② 2017 年 5 月 18 日~ 5 月 31 日(14 日間)
③ 2018 年 1 月 29 日~ 2 月 26 日(29 日間)
(2)放流の許可を受けていない雨水専用排出口からの処理水、
中水の放流行為
浄化センターで処理された処理水の一部について、自主水質管理基準を満たしていたものの、放流の許可を受けていない雨水専用排出口から放流した。
また、浄化セ ンター前の修景池へは繁茂対策として恒常的に 10m3 /日程度の中水の給水を行っており、池の壁面から越流した中水を雨水専用排出口より放流した。
(3)中水の用途外使用
法の許可申請上、中水は浄化センターから各建物等で使用(トイレ洗浄用)された後、浄化センターに下水として戻す、100%循環をするものとして許可申請、許可されていたが、植栽散水、工事用水等の使用は許可申請しておらず、用途外使用であった。
(4)上記行為に伴う汚濁負荷量の測定の不履行
処理水は放流前の監視槽で常時水質を測定し、汚濁負荷を把握する必要があるが、上記行為により、適切な汚濁負荷の把握を行わなかった。
http://www.kansai-airports.co.jp/news/2019/2739/J_190726_PressRelease_Purificationcenter.pdf
(ブログ者コメント)
告発せずとも、関西エア社の担当部署に違法状態だと連絡すれば、その時点で関西エア社は対応をとり、連絡した人は、よくぞ気が付いたと褒められそうに思うのだが・・・。
告発に至った裏に、何があったのだろうか?
それにしても、 貯水池から毎日10m3を違法放流していたことは、設備計画時あるいは建設時に気付かなければ、運転に入ってからでは気付く機会はグンと減ってしまう。、
今回の事例、人命にかかる見逃しでなくて、よかった。
2019年3月13日21時0分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県三田市は13日、市が運営する「ふれあいと創造の里」(四ツ辻)内のプールで、誤ったバルブ操作により昨年7・8月だけで約400万円分の水道代が加算されたと発表した。
市は民間業者に運営を委託しているが、誰がバルブを操作したのか分からず、加算分は市が負担するという。
市によると、プールの営業期間は昨年7月15日~8月31日。
2018年度の水道代は630万円と、前年度の4.6倍に跳ね上がった。
猛暑による水道使用量の増加を差し引いても、400万円が無駄になった。
8月7日、前半分の水道代請求書が届いて発覚。
水道メーターの値を日報に記録していたが、使用量の増加に気づかなかった。
市は15年度、プール運営に約840万円の市税を投入。
存廃を検討し、大規模修繕をしないことを条件に、存続を決めていた。
幅広い分野で歳出カットを進める市は、19年度予算案で、同プールの無料開放日を廃止して23万円の支出を抑制する方針。
市民センターまつりの補助金廃止でも241万円の支出をカットしたが、一気に吹っ飛んだ計算だ。
市協働推進課は「再発防止に努めたい」としている。
出典
『バルブ操作誤り400万円分流出 三田の市営プール』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201903/0012144426.shtml
3月14日15時7分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
水約1万m3が誤って流出していた。
閉栓しているはずの凍結防止用バルブが開いていたとみられる。
市によると、プールは変形大プールと幼児プールがあり、昨年7月15日から8月31日まで営業。
8月7日に市上水道課からプールのある「市ふれあいと創造の里」に請求があり、異常な使用量を把握したが、漏水調査などで異常は確認できなかった。
11月に洗眼台近くにある管の凍結防止用バルブからの出水を疑い、今回の出水量に相当することがわかった。
大量の水量を確認した期間は7月4日から8月13日。
出典
『プール水の流出400万円分、当初は確認できず』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190314-OYT1T50213/
2019年1月15日18時46分にNHK鳥取から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日、琴浦町にあるサケの養殖施設の排水溝で大量の魚が死んでいるのを近くで釣りをしていた男性が見つけ、SNSに投稿した。
連絡を受けた施設が調べたところ、施設から海につながる排水溝におよそ500匹のサケが死んでいるのが見つかったという。
施設によると、死がいは養殖していた体長10cmから20cmのサケの稚魚で、今月10日、養殖用の水槽の水をポンプを使って排出する際に、水槽の底に沈んでいたサケの死がいを吸い込み、誤ってそのまま流したとみられるという。
施設は15日までにサケの死がいをすべて回収したという。
この施設では、県や地元の琴浦町から支援を受けてサケの養殖に取り組んでいて、去年8月から「とっとり琴浦グランサーモン」の名前で販売を始めている。
去年4月には、水槽の水を浄化するために使っていたプラスチック片が海に流出するトラブルがあり、琴浦町から口頭で注意を受けていた。
養殖施設を運営する「T養魚場」の萩原社長は、「ご迷惑をおかけし申し訳ありません。排水方法を見直し、再発防止に努めます」と話している。
養殖施設からサケの死がいが流れ出たことを受けて、県は今日、詳しい状況を調べるため職員を現地に派遣した。
排水方法が適切だったかなど、施設の運営について調べることにしている。
出典
『養殖施設からサケ死がい流出』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20190115/4040001903.html
1月14日18時46分にYAHOOニュース(共同通信)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取県琴浦町の地下水を使って養殖され、県と町がブランド化を支援しているギンザケ「とっとり琴浦グランサーモン」約500匹の死骸が排水溝から養殖施設外に流出していたことが14日、養殖会社「T養魚場」(琴浦町)への取材で分かった。
同社は「人為的ミス」と説明している。
同社によると、施設では魚を別の水槽に移す際にポンプでくみ上げており、ポンプの性能上、地下にある管の中に、飼育中に死んだ魚や水がたまる。
本来は水だけを排水溝に流し、魚の死骸は回収して業者に引き渡す。
近くの港で釣りをしていた男性らが13日午後3時ごろ、異臭に気付いた。
出典
『サーモン500匹死骸流出、鳥取 養殖業者「人為的ミス」』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190114-00000081-kyodonews-soci
(ブログ者コメント)
どのような人為ミスだったのだろう?
通常と異なる操作(たとえば取水口が2段あって通常は上側使用だが今回は下側を使用したなど)をした、ということだったのだろうか?
2018年9月14日21時46分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取市は14日、同市用瀬町鷹狩の下水処理場から推計約3万ℓの汚水が漏れ出し、河川に流出したと発表した。
市は、設備の清掃・点検をしていた作業員のミスが原因としており、汚染の状況や人体への影響について調べている。
市によると、13日午後4時15分ごろ、汚水がたまる水槽の清掃や点検のため、民間の整備会社の作業員が水位計のブレーカーを切った。
終了後に再び入れるのを忘れたため、水槽内の汚水を送り出すポンプが作動せず、施設内にあふれ出した。
約16時間後の14日朝になって作業員が気付き、ポンプを稼働させた。
汚水は地面を伝って、近くの才ケ谷川や千代川に流出した。
整備会社の担当者は、「単純な人的ミスで住民に不安を与え、大変申し訳ない」としている。
出典
『下水処理場で汚水流出 作業員ミス、鳥取』
http://www.sankei.com/west/news/180914/wst1809140100-n1.html
2018年4月14日20時3分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山県日高川町の生コンクリート工場から、アユ釣りで知られる日高川に汚水が流入し、県が廃棄物処理法に基づき、工場を運営する「中津産業協同組合」(同町)に行政指導していたことが14日、分かった。
指導権限を持つ御坊保健所が明らかにした。
基準値を超える有害物質や、魚が死ぬなどの影響は確認されていない。
御坊保健所によると、県に情報提供があり、3月15日に工場に立ち入り調査したところ、汚水の沈殿槽上部にある隙間から汚泥を含む水があふれ、そばを流れる日高川に流入していた。
川底には、下流に向かって長さ約10mにわたり、汚泥がたまっていた。
保健所は3月下旬、組合に複数回、沈殿槽の適正管理と川からの汚泥の除去を求めた。
組合は、「沈殿槽の手入れが悪く、沈んだ汚泥を取り除く回数が少なかったため、汚水の水位が上がって漏れた。すぐに対応したい」と応じたという。
出典
『アユ釣りの名所・日高川に汚水 和歌山県が生コン会社を行政指導』
https://www.sankei.com/west/news/180414/wst1804140054-n1.html
2018年4月13日19時7分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午後2時ごろ、高松市中心部の商店街付近で、8階建て立体駐車場の1階入り口部分から消火剤の泡が大量にあふれ、一時、歩道と国道11号の1車線をふさいだ。
警察は、40~50代の男女4人が乗った乗用車が5階で消火装置に接触したのが原因とみて調べている。
4人にけがはなかった。
駐車場の運営者によると、装置を作動させるレバーに乗用車が接触し、破損。
5階の天井部分から消火剤が流れ出した。
当時、駐車場内にいた香川県三木町の無職、Mさん(68)は「白い水が滝のように天井から降ってきた」と驚いた様子で、「中は坂だから、タイヤが滑らないか心配だった」と話した。
出典
『「白い水が降ってきた」立体駐車場から泡あふれる…車接触で消火装置作動か』
http://www.sankei.com/west/news/180413/wst1804130068-n1.html
4月14日8時46分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午後2時ごろ、高松市亀井町にある立体駐車場「丸亀町町営第4駐車場」の5階で、入庫中だった普通乗用車が柱部分の消火設備に接触。
消火剤を放出するための手動式起動レバーが損傷し、天井のスプリンクラーから水約2000ℓと混ざった消火剤が放出された。
泡状になった消火剤はスロープを伝って1階まで流れ、北側出入り口から駐車場の前を走る国道11号へあふれ出た。
警察などによると、泡は歩道を越え、2車線ある西行き車線のうち1車線を数mにわたり埋めた。
一時、車や歩行者などの通行に支障が出たため、駆け付けた消防隊員らが合板などを使い、駐車場出入り口で泡を食い止めた。
接触した乗用車を運転していた40代男性を含め、けが人はなかった。
泡は、隣接するビルの敷地にも流れ出すなどした。
ビルで管理人を務める男性(54)は、「駐車場のといからあふれた泡が、腰ほどの高さで押し寄せていた」と驚いていた。
駐車場を運営する高松丸亀町商店街振興組合によると、駐車場は8階建て。
当時、約200台の利用があったという。
出典
『高松市 立体駐車場「泡だらけ」 車が消火設備に接触』
https://mainichi.jp/articles/20180414/k00/00e/040/215000c
(ブログ者コメント)
同種事例は過去に何件か本ブログで紹介しているが、消火装置がどのような場所にあったかなど、車との位置関係がメディアから報じられたことは、ブログ者の知る限り、ない。
2018年2月15日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
羽島市は14日、し尿処理施設「市環境プラント」(桑原町西小薮)から汚泥約15トンがあふれだし、隣接する水路に流出したと発表した。
水路は長良川につながるが、せき止められており、汚泥はバキューム車で吸引した。
プラントによると、あふれ出たのは、焼却する前の汚泥をためておく濃縮汚泥貯留槽。
施設が稼働しない夜間は、通常、この貯留槽へ汚泥を送るポンプを停止させるが、13日の業務後に職員が停止させるのを忘れたという。
汚泥は施設内の側溝を通って、南にある水路に流れ出た。
貯留槽の管理記録から、流出は14日午前3時ごろに始まったとみられ、その5時間後、出勤した職員がポンプを止めた。
15日以降の稼働に大きな影響はない。
今後は、ポンプ停止の点検を複数人で行うなど、確認体制を強化するという。
出典
『し尿処理施設から汚泥15トン流出 羽島』
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180215/CK2018021502000043.html
2月15日付の岐阜新聞紙面に、下記趣旨の補足的記事が掲載されていた。
市によると、汚泥は地階の貯留槽からあふれ、施設内のほか、側溝を通じて雨水をためる用悪水路の約100~150m2の範囲に流出。
14日午後からバキューム車などで回収した。
2018年1月31日付で朝日新聞福島中会版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後1時15分ごろ、矢吹町堰の上の電子部品製造会社「福島K」の工場から、廃液が近くの隈戸川に流出したと町に通報があった。
県水・大気環境課によると、流出した廃液は約2.5m3。
銅を溶かす過程で出たもので、塩酸などが含まれている。
工場と川を結ぶ地中の水路では、酸性度を示す水素イオン濃度(PH)が3.1と、酸性を示したが、近くの隈戸川や阿武隈川では異常はなかった。
「福島K」によると、廃液が流れる配管が雪の重みで折れたことで流出したとみられるという。
2月6日15時0分に国交省の出先機関からは、下記趣旨の最終報がネット配信されていた。
・事象:西白河郡矢吹町堰の上地内の事業所から約2.5m3の廃液(塩化第二鉄、塩酸及び銅を含む水溶液)が調整池に流出
・原因:事業所施設内の廃液を集めるタンクに通じる配管が雪氷の影響で損傷し流出
【1月29日の対応】
13:15 事業者が矢吹町へ通報
15:17 県が事業所から調整池を経由して隈戸川へ流出する水路において簡易水質測定を行った結果、pHが3.1を計測
15:39 福島県県南建設事務所が事故発生付近から下流約1.5㎞まで巡視の結果、魚類のへい死を含め異常なし
16:30 事業者は調整池で中和作業及び池の水をバキュームで吸い上げの作業を実施
出典
『西白河郡矢吹町堰の上地内における廃液流出事故の発生について (第4報:終報)』
http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/saigai/images/68845_1.pdf
(ブログ者コメント)
雪の重みで配管が折れ、液が流出した事例は、本ブログで過去に7~8件紹介している。
2017年10月18日12時14分に日テレNEWS24から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
朝の駅前が消火剤の泡であふれた。
雪が降り積もったかのように真っ白になった道路。
白い泡は、よく見ると立体駐車場から道路まで続いている。
警察などによると、18日午前6時半ごろ、東京・町田市の小田急線・鶴川駅前の立体駐車場の3階で、ゴミ収集車が誤って消火設備に接触し、消火剤の泡が噴き出した。
泡は駐車場からあふれだし、歩道や車道の一部をふさいだため、現場付近は一時、通行止めになったが、東京消防庁のポンプ車が対応にあたり、泡は2時間ほどでなくなったという。
出典
『駅前泡だらけ…ゴミ収集車が消火設備に接触』
http://www.news24.jp/articles/2017/10/18/07375329.html
(ブログ者コメント)
〇今回の事故は複数のテレビ局から報道されていたが、消火設備のどの部分に接触したかは、どの局からも報じられていなかった。
〇立体駐車場内で車が消火設備に接触し泡が放出された事例は、本ブログで過去に3件紹介している。
接触した部位は下記。
・スプリンクラー作動レバー
・柱に設置された消火設備の始動レバー
・天井付近の泡消火配管
今回事例の接触場所は不明だが、上記3件のうち、天井付近の泡消火配管に接触したのは、今回と同じゴミ収集車だった。
2017年6月28日21時16分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
28日午後5時半頃、神奈川県海老名市中央のパチンコ店の立体駐車場で、乗用車がスプリンクラーの作動レバーに衝突し、泡状の消火剤がスプリンクラーから噴き出した。
一部は店の前の海老名駅前ロータリーに流れ落ち、消防車が出動するなど、一帯が騒然となった。
警察によると、パチンコ店は1、2階が店舗で、3階以上が立体駐車場。
消火剤は3階で噴き出し、3階部分約1500m2のほか、小田急線海老名駅などのロータリー約75m2にも広がった。
けが人はなかった。
警察は、一時、現場付近で歩行者の通行を規制。
消防車が放水するなどし、約2時間半後に消火剤を除去した。
現場近くに住む会社員(55)は、「ネットで話題になっていたので駆け付けた。こんな光景を見るのは初めて」と話した。
出典
『スプリンクラーに車衝突、駅ロータリー泡だらけ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170628-OYT1T50086.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
同じようなトラブルは、過去にもあった。
2014年11月16日掲載
2014年11月9日 愛知県名古屋市の立体駐車場で乗用車が柱に設置されている消火設備に衝突し始動レバーに触れたため、消火設備が作動して付近の道路が泡まみれ
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4428/
2016年10月27日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6404/
(2016年12月30日 修正2 ;追記)
2016年12月26日20時16分に北陸放送から、最終報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北陸電力は、26日、最終報告書を県と原子力規制委員会に提出した。
最終報告書では、
・降雨量の想定が不十分だったこと
・水位が高いことを示す警報が鳴った際に、現場を十分に確認しなかったこと
・原子炉建屋の水密化処理が十分ではなかったこと
など、10項目の直接的な要因があったとしている。
さらに、ミスを招いた背景として、
・長期の原子炉停止により緊張感が低下していて、迅速に行動する意識が低くなっていたこと
・知識の伝承が不足していること
など、6項目の組織的な要因があったとした。
北陸電力では、志賀原発の活動を監視する内部組織を、遅くとも来年7月までに立ち上げて現場での緊張感やリスク管理の意識を高めたいとしており、県も、その姿勢を注視する考え。
また、北陸電力では、原子炉建屋の水密化工事など、直接的な再発防止策に取り組みたいとしている。
提出された最終報告書は、今後、原子力規制委員会で評価される見込みだが、「緊張感の低下」という人為的な原因に対し、批判の声が高まりそうだ。
出典
『原発雨水流入問題で最終報告書を提出』
https://www.mro.co.jp/news/detail.php?cd=6786476
12月26日19時23分にNHK金沢からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
北陸電力は、26日、原発の業務すべてを監視する新たな組織を設置するなどの再発防止策を盛り込んだ、最終的な報告書を取りまとめた。
志賀原発2号機では、ことし9月、原子炉がある建物に大量の雨水が流れ込んで分電盤の1つが漏電するトラブルが起き、原子力規制庁は、さらに雨水が流入すれば、安全上重要な機器の電源を失うおそれがあったとして、北陸電力に原因の究明と再発防止を求めていた。
このため、北陸電力は、26日、トラブルの原因や再発防止策をまとめた最終的な報告書を原子力規制委員会に提出し、金沢市で会見を開いて説明した。
報告書では、雨水が流れ込んだ理由として、原子炉建屋に水が入り込まないようにする工事が十分でなかったことなどを挙げた。
さらにその背景には、会社全体に、トラブルが起きたときに重大な事故に結びつくのではないかと考える姿勢が足りなかったことや、原発の運転停止が長期間にわたっていて、不具合があったときに素早く対応する意識が低下していたことなどがあるとしている。
そのうえで、今後の再発防止策として、原発に関するすべての業務が適切に行われているかどうか監視する新たな組織を、早ければ来年4月にも設置するとしている。
会見の中で西野副社長は、「本当に初歩的な対応のミスが重なって今回のトラブルが起きた。反省すべき事象が多くあると重く受け止めている。規制委員会や地元にしっかり説明していきたい」と述べた。
出典
『雨水流入で北陸電力が最終報告』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3025511531.html
(ブログ者コメント)
最終報告書は北陸電力HP参照。
『志賀原子力発電所2号機における雨水流入事象に関する 原子力規制委員会への報告について』
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/16122601.pdf
2016年11月30日19時26分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本原子力発電は30日、運転停止中の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)で、放射性物質を含む1次冷却水が漏れ、協力会社の作業員10人がその水を浴びたと発表した。
日本原電は、作業員への放射性物質による汚染や、周辺環境への影響はないと説明している。
日本原電によると、水漏れが起きたのは、2号機の原子炉補助建屋地下2階の1次冷却水貯蔵タンク室。
30日午前10時50分ごろ、作業員がタンクの配管弁を分解点検するために弁のボルトを緩めると、高さ1m付近の弁と配管の接合部から水が噴出した。
漏れた水は、配管に残っていた推定約160ℓ。
水に含まれる放射能量は、国への事故報告基準よりも下回っていたという。
作業員はすぐにその場から退避したが、現場にいた15人のうち、弁から半径2m以内にいた18~60歳の10人が水を浴びた。
うち2人は顔に直接水がかかり、残りの8人は作業着にかかった。
当時は、布製の上下つなぎの作業着、ゴム手袋、ヘルメット、防護メガネを装着していた。
作業員の一人は「霧状に水が噴出した」と話しているという。
作業では、あらかじめ弁から水が漏れ出てくることを想定し、容量20ℓのステンレス製たらいを弁の下に置いていた。
しかし、想定以上の水が配管に残っていたため、水が勢いよく噴出したとみられるという。
水を浴びた作業員10人について、放射線測定器などで検査した結果、身体の汚染や身体内部への放射性物質の吸入はなかった。
水は常温でやけどはなく、けがもなかった。
出典
『放射性物質含む水、作業員が顔などに浴びる 敦賀2号機』
http://www.asahi.com/articles/ASJCZ5KG8JCZPGJB00T.html
(ブログ者コメント)
同社HPに掲載されているお知らせ中の設備フロー図を見ると、当該弁は地上9mまで立ち上がっているオーバーフロー配管(直径15cm)の地上近くに取り付けられている。
ブログ者思うに、本来は当該弁を開けて立ち上がり部の水をタンクに戻し、タンク底部から水を抜いておくという手順だったのかもしれない。
『敦賀発電所2号機 原子炉補助建屋地下2階 A冷却材貯蔵タンク室での作業員の被水について』
http://www.japc.co.jp/tsuruga/news/2016/20161130.html
(2017年1月5日 修正1 ;追記)
2016年12月28日20時9分にNHK福井から、水を抜く範囲を図面上で決める際、配管長さなどを確認しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月29日付で毎日新聞福井版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
事業者の日本原子力発電がトラブルの原因を調べ、28日、発表した。
それによると、作業の計画をつくる保修室という部署が、配管にたまった水を抜く範囲を図面上で決める際に、配管の長さなどを確認せず、水が少量しかたまっていないと思い込み、作業の許可を行う発電室に正しい情報を伝えていなかったという。
さらに、発電室は、本来、自分たちが行わなければならない作業を保修室が行うものと誤解するなど、双方の部署で情報の共有が不十分なまま、弁の解体作業が行われたことが原因だとしている。
このため、日本原電は、弁など機器を解体する作業計画をつくる際、現場での確認を徹底するなどの再発防止対策を図ることにしたという。
出典
『配管内の水 少量と思い込み』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055664811.html?t=1482958115700
(ブログ者コメント)
〇12月28日付の日本原電HPに状況などが、お知らせとして、下記趣旨で掲載されていた。
(1)当該弁の点検を行う作業担当部署は、当該弁点検の計画にあたり、水抜き範囲を系統図で検討した際、当該弁の取付け位置や配管の長さを確認しませんでした。
このため、当該弁上部配管の水は少量だと思い込み、系統を管理している運転担当部署に水抜きを依頼しませんでした。
(2)運転担当部署は、当該弁点検の水抜き範囲を系統図で確認した際、当該弁が作業担当部署の管理であると考え、作業担当部署が当該弁上部配管の水抜きを行うものと判断し、作業担当部署に点検作業を許可しました。
出典
『敦賀発電所2号機 原子炉補助建屋地下2階 A冷却材貯蔵タンク室での作業員の被水について(原因・対策)』
http://www.japc.co.jp/tsuruga/news/2016/pdf/20161228.pdf
〇上記お知らせ中、弁付近の写真と説明図が掲載されているが、それによると、開放したフランジのすぐ上に、末端がエンドフランジ状態のドレン弁がある。
漏れを予想して20ℓのたらいを準備していたぐらいなら、フランジを緩める前に、なぜ、そのドレン弁から水を抜かなかったのだろうか?
いくら少量だと思い込んでいたにせよ・・・・。
(2017年1月11日 修正2 ;追記)
2016年12月29日付で毎日新聞福井版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原電は、28日、現場確認をしないまま作業計画を立てたことが原因との調査結果を発表した。
初めて点検する場所だったにもかかわらず、若手社員が系統図を見ただけで関係会社に弁の分解点検を指示していた。
原電によると、系統図では配管の勾配や高さは確認できないが、作業員には、配管にたまった水は少量と知らされていた。
弁のボルトを緩めたところ、たまっていた冷却水約160ℓが噴き出した。
原電は再発防止策として、「ベテラン社員を活用し、プラントの全部確認を徹底する」とした。
出典
『敦賀原発 「現場見ず計画」 冷却水噴出原因、原電が調査結果』
http://mainichi.jp/articles/20161229/ddl/k18/040/319000c
2016年10月20日0時48分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
停止中の北陸電力志賀原発2号機(石川県)の原子炉建屋に6.6トンの雨水が流れ込み、非常用照明の電源が漏電する事故が9月に発生し、原子力規制委員会は、19日、北陸電に原因究明と再発防止を求めた。
田中委員長は、「これほどの雨が流入するのは想定外だった。安全上重要な機能を失う恐れもあった」として、新規制基準に基づく再稼働の審査を見直す可能性を示唆した。
北陸電の報告によると、雨水の流入は、9月28日に発生した。
原子炉建屋の横にある排水路が道路工事で一部ふさがれていたため、雨水が道路にあふれ出た。
仮設ケーブルを通すため蓋が一部開いていたケーブル配管に流れ込んだ。
雨水は配管を通って、原子炉建屋の1階に流入。非常用照明の電源設備などが漏電した。
さらに、床のひび割れなどを通って、地下2階まで達した。
地下1階には、地震などで外部電源が失われた際に使われる最重要の蓄電池があるが、その真上の場所にも水が来ていたという。
気象庁によると、当日の雨量は1時間あたり最大26ミリだった。
東京電力福島第一原発は、津波で非常用電源が失われて、事故につながった。
このため、新基準は、防潮堤で津波を防ぎ、建屋に水密扉をつけて浸水を防ぐなどの対策の強化を求めている。
しかし、配管から雨水が流れ込むことは重視されてこなかった。
志賀原発は、近くに川などがないため洪水対策は不要とされ、配管は密封されていなかった。
規制委は、今後、志賀2号機の再稼働に向けた審査で、対策を求めていく方針。
また、今回の問題が志賀原発固有の問題か、他原発の審査にも広げる必要があるかどうか、北陸電の報告を待って検討するという。
北陸電の金井社長は、19日、規制委の臨時会で「現場周辺は標高が高く、止水対策が後手に回っていた。当直の危機意識も薄く、警報への対応も遅れた」と陳謝した。
出典
『志賀原発に雨水6トン流入 「安全機能、失う恐れも」』
http://www.asahi.com/articles/ASJBM4K37JBMULBJ00D.html
10月20日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
北陸電力志賀(しか)原発2号機(石川県)で、9月末、原子炉建屋内に雨水6.6トンが流入するトラブルがあり、原子力規制委員会は,19日、重大なトラブルに発展した可能性が否定できないとして、北陸電に再発防止策の報告を求めた。
雨水流入は、東京電力福島第1原発事故前の旧基準では想定しておらず、規制委は、他原発の状況も調べる方針だ。
規制委によると、志賀原発では9月28日、1時間に約30ミリの降雨があり、構内道路が冠水。
仮設ケーブルが通る地下空間を通じて原子炉建屋の1階や地下に流れ込み、照明用の分電盤がショートした。
降雨が排水用の仮設ポンプの容量を超え、地下空間をふさぐふたに隙間があったことや、原子炉建屋の床のひびを補修しなかったことが原因という。
浸水したエリアには、非常時に原子炉を冷やす機器に電源を送る配電盤や非常用の蓄電池など、重要度が特に高い設備があり、水没して使えなくなる恐れがあった。
19日に規制委と面会した北陸電の金井社長は、「重大な反省材料として、意識向上に取り組みたい」と陳謝した。
出典
『石川・志賀原発 あわや配電盤水没 先月2号機建屋に雨水6トンが流入』
http://mainichi.jp/articles/20161020/ddm/008/040/093000c
(2016年10月29日 修正1 ;追記)
2016年10月28日20時12分にNHK金沢から、中間報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月28日20時22分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
北陸電力は28日、原子力規制庁と石川県などに社内調査の中間報告書を提出した。
報告書によると、当時、建物周辺の排水路が工事中で、仮設のポンプだけでは雨水を排水しきれず、配管などを通す地下通路に流れ込んだとしている。
この時、地下通路内の水位の異常を示す警報が鳴ったにも関わらず、運転員が中の状況を十分確認しなかったとしている。
また、あと20時間浸水を放置していたら、非常時に原子炉を冷やすポンプなどが水に漬かり、使えない状態になっていたとも指摘した。
そのうえで北陸電力は、排水のための仮設ポンプを増やしたり、水の侵入を防ぐため建物のひび割れをふさぐなどの対策を取ったという。
出典
『原発雨水流入で中間報告書提出』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/3023913651.html?t=1477686106013
『雨水流入は監視不足が原因 志賀原発トラブル』
http://this.kiji.is/164695982716503542
(ブログ者コメント)
中間報告書は下記参照。
上記報道以外、下記などの説明がある。
冠水したエリアにあるピットと上蓋の隙間から、大量の雨水がピット内へ流入した。
(ピットと上蓋の間には、仮設ケーブルを引き込むために隙間があり、雨水が流入しやすい状態となっていた。)
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/16102805.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。