第1報以降の主だった報道の、ポイントのみ抜粋転記する。
(4月24日14時7分 日本経済新聞)
○航海士は当時、左舷方向にかじを取ることを意味する「ポート」の指示を出したが、操舵手は「反対の意味に捉えた」と供述した。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO70334650U4A420C1CC0000/
(4月25日22時36分 朝日新聞)
○似た構造の船を調べた結果、ほとんどの救命ボートが開かなかった。船から脱出するための滑り台も正常に動かなかった
http://www.asahi.com/articles/ASG4T5RKRG4TUHBI01D.html?iref=com_rnavi_arank_nr03
(4月30日5時0分 朝日新聞)
○復原力を保つため、検査機関は、船を安定させる「バラスト水」を改修前の約2倍の2030トン積み、貨物量を2437トンから987トンに減らすことを義務づけた。
○田村・海難事故解析センター長は「船の重心が51cmも上がると、復原力に極めて大きな影響が出る」と話す。船は通常、船底にバラスト水を積んで重心を下げている。「上に重い貨物を積み、バラスト水を排出すれば、さらに重心が上がり、頭が重いふらふらの船になる。出港時から、いつ転覆してもおかしくない状態だっただろう」と指摘する。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11111606.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11111606
(5月2日 毎日新聞東京版)
○1等航海士は、4月15日夜の荷積みの際、「積み過ぎだ」と指摘したが、会社に無視されたと供述している。
他の関係者も、過積載の問題を何回も指摘したが、会社に無視されてきたと供述している。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140502ddm002030061000c.html
(5月3日15時52分 msn産経ニュース)
○乗員らが、救助船に乗り移る直前に作業服を着替えていたことが分かった。一般の乗客を装う目的だった疑いが強い。船長は下着姿で救助船に飛び移ったが、ズボンをわざわざ脱ぎ捨てた疑いがある。
○乗員らは沈没前に計7回、運航会社の幹部らと連絡を取り合ったが、乗客退避の話は一度も出なかった。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140503/kor14050315520007-n1.htm
(5月5日10時18分 msn産経ニュース)
○甲板にはカプセルに入った救命いかだが備えられ、正常なら、カプセルを海に落とせば中からいかだが飛び出し、甲板に付いたまま水没すれば固定器具が自動的に外れ、いかだが海面に浮き上がる仕組み。
しかし、沈没直後に浮かんだいかだはなかった。
救助活動を行った韓国海洋警察の警察官は、甲板からカプセルを海に落とそうとしたが、固定器具がさび付き、手で外せなかったとメディアに証言。
この警察官は2つのいかだを足で海に蹴落としたが、うち1つは開かなかった。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140505/dst14050510180009-n1.htm
(5月5日23時48分 msn産経ニュース)
○過積載を隠すため、船のバランスを保つ重しとしてタンクに入れる海水「バラスト水」を安全基準の4分の1強しか積まずに航行していたことが分かった。
○航海前に義務付けられている船舶の安全点検を行わないまま、全ての項目に「良好」と記載した点検報告書を出発地の仁川港の運航管理室に提出していた。
乗員は虚偽の報告書を「慣例的に」作成していたとも供述しており、安全確認がないままの航行が常態化していた疑いが強まっている。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140505/kor14050523480005-n1.htm
(5月8日8時6分 読売新聞)
○セ号は事故当時、最大積載量987トンに対し、4倍近い3788トンの貨物や車両を積んでいた。
過積載は昨年3月の仁川―済州島航路就航以来、常態化していた。4月16日の事故当日までに241回(片道)運航したうち、約6割の139回で確認された。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140507-OYT1T50136.html
(5月10日9時45分 msn産経ニュース)
○客室乗務員が沈没直前に無線で「乗客をどうすればいいのか」と操舵室に指示をあおいだのに、操舵室にいた乗員から無視されていたことが分かった。
沈没直前に客室乗務員は乗客の退避が必要だと感じ、繰り返し操舵室に指示を求めていたとみられる。
操舵手は客室乗務員の声が無線機から聞こえていたが何の措置も取られなかったと供述した。客室乗務員も返答はなかったと話している。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140510/kor14051009450004-n1.htm
(5月11日22時42分 msn産経ニュース)
○ことし2月に救命いかだの安全点検を行った整備会社が、実際には全く検査せず、いかだの状態は「良好」とする書類を作成、政府から管理を委託された業界団体に提出していたことが分かった。
救命いかだは、船が建造された20年前に取り付けられ、交換されず使用。固定器具がさびていた上、船体を塗り直した塗料で甲板にくっついて使えなかったとみられている。
船長らは、いかだが使えないことを認識し、発覚を恐れて乗客に退避を命じなかった可能性がある。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140511/kor14051122420005-n1.htm
(2014年10月9日 修正1 ;追記)
2014年10月7日付の毎日新聞朝刊紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
韓国検察当局は6日、沈没事故の捜査結果をまとめ、計399人を立件し、うち154人を逮捕したと発表した。
立件されたのは、船長ら乗組員のほか、救助に当たった海洋警察、船の運航会社、船の等級格付け会社など多岐に及ぶ関係者。
事故原因については、船の無理な増築や過積載に操舵手のミスが重なったと確認。
事故海域を管轄していた珍島海上交通管制センターの職員も規定通り勤務していなかった上、交信日誌を捏造、監視カメラの録画を削除していた。
海洋警察救助艇の船長に対しても、「乗客に対する下船案内、誘導措置を取るべきなのに、何の措置も取らなかったと批判。
事故当日の4月16日の業務日誌には、マイクで下船放送を行い救助艇乗組員に客船内進入を指示したかのように虚偽を記述していたことも明らかにした。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。